JP2014161636A - X線撮像装置及びx線撮像部位のティーチング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線管と検出器が同一中心点の周りに共に円軌道を描くように且つ互いに独立して回転可能な撮像系にて、回転方向の部分的な撮像範囲のティーチングを容易に行う。
【解決手段】第1及び第2の支持部は、被検体を挟んでX線管及び検出器を互いに対向させ、かつ、同一の回転中心を持ち、互いに異なる径の2つの回転軌道夫々に沿ってX線管及び検出器を互いに独立して回転可能に支持する。検出器を支持する第2の支持部を移動させて、回転方向における部分的な撮像範囲を指示する(S81〜S87)。この撮像範囲にわたってX線管から照射されたX線ビームが被検体をスキャンし、その透過X線を検出器が検出するように、X線管及び検出器をその回転軌道に沿って回転させるための制御情報を生成する(S92)。
【選択図】図8

Description

本発明は、X線撮像装置及びX線撮像部位のティーチング方法に係り、とくに、被検体の撮像部位をX線ビームでスキャンしてその透過X線を検出し、検出したX線データをトモシンセシス(tomosynthesis)法で処理することによりパノラマ像を再構成するX線撮像装置及びX線撮像部位のティーチング方法に関する。
近年、トモシンセシス法に依る被検体の断層撮影法が盛んに行われるようになっている。このトモシンセシス法の原理はかなり古くから知られているが(例えば特許文献1を参照)、近年では、そのトモシンセシス法に依る画像再構成の簡便さを享受しようとする断層撮影法も提案されている(例えば特許文献2及び特許文献3を参照)。また、歯科用でその例が多数見られるようになっている(例えば特許文献4、特許文献5を参照)。
トモシンセシス法の歯科への応用の一つとして、通常、湾曲した歯列を2次元平面状に展開したパノラマ画像を得るパノラマ撮像装置が実用化されている。このパノラマ撮像装置は、通常、被検体の口腔部の周囲にX線管と縦長の幅にわたって画素を有する検出器との対を、その回転中心が想定された歯列に沿った一定軌道を画くように、その回転中心を複雑に移動させながら回転させる機構を備える。X線管と検出器との間は一定値に保持される。上述の一定軌道は、標準の形状及びサイズと見做される歯列に沿って予め設定した基準断層面(3次元的に存在する断層面)に焦点を当てるための軌道である。この回転中に、一定間隔で、X線管から照射されたX線が被検体を透過して検出器によりデジタル量のフレームデータとして検出される。このため、基準断層面に焦点を絞ったフレームデータが一定間隔毎に収集される。このフレームデータをトモシンセシス法で再構成して、基準断層面のパノラマ画像を得る。
また、特許文献6には、X線管と検出器が同一中心点の周りに共に円軌道を描くように且つ互いに独立して回転可能な撮像系を持つパノラマ撮像装置の一例が開示されている。顎部はその円軌道の中に位置付けられる。X線管から照射されたX線は常に検出器の検出面に向くように、速度パターンが制御される。
特開昭57−203430 特開平6−88790 特開平10−295680 米国特許公開 US2006/0203959 A1 特開2007−136163 国際公開WO2012/008492
上述した特許文献6に記載のパノラマ撮像装置の場合、X線管と検出器の間の距離は固定ではなく、スキャンにより照射されるX線ビームのパス毎にその距離が変わる。このため、障害陰影となる頸椎や左右の上顎を極力回避した所望のX線パスを容易に設定できる。
しかし、その一方で、X線管及び検出器を回転させる円軌道上の角速度の制御が複雑になる。さらに、このような装置においても、X線照射方向、即ち歯列の前後方向において歯と歯が重なっている場合、再構成されるパノラマ画像にその重なり部分が白く写り込む。この重なり部分の描出があると、齲蝕などの診断が難しくなる。この困難を回避するため、側方歯の部分の歯の重なりが極力ないような撮影方法(直交撮影)なども行われている。しかしながら、位置付けが多少ずれたり、患者の個体差などに因り、歯の隣接面が重なったりする事例も多い。このため、現在のパノラマ撮像装置に対して、歯同士の重なりを極力少なくするためにも、診断したい部分的な撮像範囲のパノラマ画像を的確に且つ簡便に得たいという要望が強く出されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、X線管と検出器が同一中心点の周りに互いに異なる径の円軌道を描くように且つ互いに独立して回転可能な撮像系を持つX線撮像装置において、部分的な撮影範囲をより容易に且つ簡単に設定することができるX線撮像装置及びX線撮像部位のティーチング方法を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るX線撮像装置は、X線ビームを照射するX線管と、前記X線ビームを検出する検出器と、前記X線管及び前記検出器を夫々支持する第1及び第2の支持部と、を備える。前記第1及び第2の支持部は、前記被検体を挟んで前記X線管及び前記検出器を互いに対向させ、かつ、当該X線管及び当該検出器を同一の回転中心を持ち、互いに異なる径の2つの回転軌道それぞれに沿って互いに独立して回転可能に支持するように構成されている。このX線撮像装置は更に、前記検出器を支持する前記第2の支持部を移動させて、前記X線管及び前記検出器の回転方向における所望の部分的な撮像範囲を指示可能な指示手段と、この指示手段が指示する前記撮像範囲にわたって前記X線管から照射されたX線ビームが前記被検体をスキャンし、その透過X線を前記検出器が検出するように当該X線管及び当該検出器をその回転軌道に沿って回転させるための制御情報を生成する情報生成手段と、を備える。
例えば好適な例として、X線撮像装置は。前記被検体に目印として光ビームを照射可能な投光器を有する投光手段と、前記光ビームが被検体の所望位置を指しているときに操作される操作信号に応答して当該所望位置を読み込んで記憶する位置読込手段と、前記第1及び第2の支持部のうちの前記検出器を支持する第2の支持部は、前記指示手段を稼働させるときには手動で又は電動で回転可能に構成され、前記投光器を前記第2の支持部に設けることである。
また、上記目的を達成するため、本発明の別の態様に係るX線撮像部位のティーチング方法は、上述した構成を有するX線撮像装置に対し、前記被検体の撮像部位の、前記X線管及び前記検出器を回転させる方向における所望角度範囲に及ぶ部分的な撮像範囲を光ビームでティーチングするX線撮像部位のティーチング方法である。このティーチング方法は、前記光ビームを前記被検体に照射して前記撮像範囲の開始位置を指定し、この開始位置を記憶し、前記光ビームを前記移動させて前記撮像範囲の終了位置を指定し、この終了位置を記憶し、前記記憶した開始位置及び終了位置の間の角度範囲わたって前記X線管から照射されたX線ビームが前記被検体をスキャンし、その透過X線を前記検出器が検出するように当該X線管及び当該検出器をその回転軌道に沿って回転させるための制御情報を生成する、ことを特徴とする。
本発明によれば、検出器を支持する第2の支持部を移動させて、X線管及び検出器の回転方向における所望の部分的な撮像範囲を指示できる。この指示された撮像範囲にわたってX線管から照射されたX線ビームが被検体をスキャンし、その透過X線を検出器が検出するように当該X線管及び当該検出器をその回転軌道に沿って回転させる制御情報が生成される。このため、この制御情報を使ってX線管及び検出器を回転駆動させれば、部分的な撮像範囲を確実に撮像することができる。つまり、部分的な撮像範囲の指示及び制御情報の生成により、X線管及び検出器がそれぞれの軌道をその撮像範囲にわたって回転するためのティーチングが容易に且つ確実になされる。
添付図面において、
図1は、一実施形態に係るX線撮像装置としてのパノラマ撮像装置の概要を示す斜視図、 図2は、上記パノラマ撮像装置のX線管及び検出器の配置構成を説明する図、 図3は、上記パノラマ撮像装置のX線管及び検出器の配置構成を、当該X線管及び検出器の回転可能な方向及びそれらの正対状態と共に説明する別の図、 図4は、検出器の構成の概略を説明する配置例の図、 図5は、上記パノラマ撮像装置全体の電気的な構成の概略を示すブロック図、 図6は、ティーチングに使用される操作盤の平面図、 図7は、実施形態で実行されるティーチングの概略を示すフローチャート、 図8は、手動モードのティーチングの概略を示すフローチャート、 図9は、ティーチングにより設定される部分撮像範囲を説明する図、 図10は、歯列の基準断層面とその面を最焦点化するためのX線ビームの照射角度の例を示す図、 図11は、X線ビームの照射角度の微調整に使用可能で、表示器の表示される撮像模式図、 図12は、半自動モードのティーチングの概略を示すフローチャート、 図13は、隣接する歯同士が前後方向において重なって箇所を通過するX線ビームの照射角度を説明する図、 図14は、隣接する歯同士が前後方向において重なって箇所を通過するX線ビームの照射角度と、一部に歯の重なり部分を含むパノラマ画像とを説明する図、 図15は、隣接する歯同士が前後方向において重なっているが、その歯と歯の間を通過するX線ビームの照射角度と、歯の重なり部分が無いパノラマ画像とを説明する図、及び、 図16は、歯と歯の間を通過するX線ビームの照射角度を自動的に演算する手法を説明する説明図。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1〜図16を参照して、本発明に係るX線撮像装置としてのパノラマ撮像装置の1つの実施形態を説明する。
このパノラマ撮像装置1は、被験者の顎部(歯列を含む)のパノラマ画像を撮像する歯科用の装置として構成されている。この装置によれば、後述する構成及び機能によって、被検体の顎部の擬似的な3次元断面像(画像それ自体は2次元画像であるが、歯列などの撮影部位の形状に応じて3次元的に表示される断面像)を撮影できる。なお、本実施形態に係るパノラマ撮像装置として構成されているが、必ずしも歯科の分野に限られず、乳房撮影、耳鼻咽喉撮影、手足の骨・関節部分など、様々な部位に適用できる。また、本人同定のための死体鑑定や、非破壊検査などの用途にも適用することができる。
図1に、本実施形態に係る歯科用のパノラマ撮像装置1の外観を示す。
このパノラマ撮像装置1は、キャスター11を装着した台座12と、この台座12に搭載された昇降ユニット13及び電源ボックス14と、コンソール17を備える。昇降ユニット13は、その内部に昇降機構(図示せず)を備え、同ユニットの上側の昇降部を台座12(つまり床面)に対して電動で所定範囲の中で上下動可能に構成されている。電源部14はシステムの各部に必要な電力を供給する。
この昇降ユニット13の上下動方向をZ軸とすると、図示のようなXYZ直交座標を想定できる。
台座12には、X線管21及び検出器22のペアを覆うことが可能なように、散乱X線防護用の断面がU字状のカバー18がX軸方向にスライド可能にと煎り付けられている。このカバー18は手動でスライド可能である。このため、撮像時には図示の如くX線管21及び検出器22を覆う撮像位置まで引き出されているが、非撮像時にはX線管21及び検出器22を露出させる非撮像位置まで退避可能になっている。
また、このパノラマ撮像装置1は、昇降ユニット13の昇降部からX軸方向(つまり、横方向に伸びた2つのアーム15,16を備える。この2つのアーム15,16はY軸方向に沿って見た場合、共に、略L字状に形成され、それらアーム15,16夫々の一端部が互いに重なるように重合され、昇降部の側面に取り付けられている。昇降ユニット13の内部には、それら2つのアーム15,16を互いに独立して、すなわち互いに異なる速度で回転させることができる回転駆動機構13Dが装備されている。
この回転駆動機構13Dは、後述するコントローラの指示に基づいて、後述するティーチング時には一方のアーム16のみを寸動で又は低速で回転可能になっている。この回転は回転駆動機構13Dによる電動駆動である。このときに、他方のアーム15は回転しないようになっている。これに代えて、回転駆動機構13Dはティーチング時に、検出器16を保持するアーム16のみのロックを解除し、術者が手動でアーム16を回転操作できるようにしてもよい。
上記2つのアーム部15,16の夫々の先端側の部分には、X線管21及び検出器22がそれぞれ装備されている。
なお、この実施形態は、検出器22として光子計数型の検出器を用いる例を説明するが、必ずしもこれに限定されない。例えば、検出器22として、シンチレータと光電素子を組み合わせて一定時間の間、電気信号を蓄積してフレームデータを出力する、所謂、積分型の構成を採用してもよい。
X線管21のX線照射側の前面には、X線をファン状に成形するスリット(絞り)23が配設される。このスリット23の開口の面積は可変になっており、この開口面積の大きさが後述するモータなどの開口駆動部23D(図5参照)によって制御される。回転駆動機構13Dとアーム15,16により、X線管21及び検出器22に対する,相互に独立して駆動可能に支持する支持手段が構成される。
X線管21はタングステン等の適宜な陽極材に用いた回転陽極型X線管として構成される。X線管21は点状のX線焦点(例えば径が0.1mm〜0.5mm)FPを有する。このX線管21は、後述する高電圧発生装置から供給される駆動電力に応答してX線を曝射する。X線管21のX線焦点FPから曝射されたX線は、スリット23で絞られてファン状のX線ビームに成形される。このX線ビームは、その後、被験者Pの顎部JWを透過して減衰し、その減衰状態を反映した透過X線ビームが検出器22に入射する。
撮影時には、図2に示すように、X線管21と検出器22との間に画成される3次元の撮影空間ISの所定位置に被験者Pの顎部JWが位置決めされる。このため、X線管21と検出器22は顎部を挟んで互いに対向(正対)する。照射されたX線ビームはスリット23を通った後、顎部JW(歯列など)を透過し、検出器22により検出される。撮影時には回転駆動機構13Dにより2つのアーム15,16が回転駆動されるので、1つの回転中心Oを中心にX線管21と検出器22は顎部の周りを各々、所定の円形軌道に沿って回転する。その回転中に所定間隔でX線ビームの照射及び検出が実行される。
YZ面に対向するX軸方向に沿ってみた場合、X線管21及び検出器22は、予めシステム側で定めた回転中心Oを中心とする円形の軌道Tx,Tdに沿ってそれぞれ回転駆動される。この回転中心Oから円形軌道Tx,Tdまでの半径Dx、DdはX線被ばく、検出精度、装置の小形化、患者との機械的な干渉などを考慮して、互いに異なった値に設定されている(図2参照)。本実施形態では、Dx≠Ddであって、特にDx>Ddに設定されている。回転中心Oから検出器22までの距離(半径Dd)の方が、回転中心OからX線管21までのそれ(半径Dx)よりも小さい理由は、検出器22の位置を極力、顎部JWに接近させ、X線の入射強度の減弱を少なくするためである。回転中心OからX線管21までの距離(半径Dx)は、規格で定められたX線管・皮膚間距離を確保できる値に設定されている。
このため、X線管21及び検出器22を常に互いに対向(正対)させ、且つ、顎部JW(歯列)に対する予め定めた複数の所望のX線パスに沿ったX線の照射及び検出を実行させるため、X線管21及び検出器22は互いに異なる角速度で独立して駆動される。
なお、上述した「互いに対向」とは、図3に示すように、X軸方向に沿って見た場合、X線管21の点状のX線焦点FPから照射されてスリット23によりコーン状に成形されたX線ビームの照射範囲と、検出器22のX線検出面22A(後述する)とが一致している状態を言う。特に、そのX線ビームのYZ面に沿った方向の中心線が、そのX線検出面の幅方向(YZ面に沿った方向の幅)の中心位置Cに90°で交差する軸Tを含む状態を「正対している状態」と呼ぶ(図3参照)。なお、図3において、機械的な回転中心OからZ軸方向に伸びる直線位置を回転角θ=0とし、この回転位置から時計方向及び反時計方向に±の回転方向が設定されている。
このため、上述した「常に互いに対向(又は正対)」を実現するため、前記アーム15,16のうち、X線管21、検出器22を内蔵しているアーム先端部15A,16Aは、軸AXs、AXdを中心にそれぞれ独立して回動(自転)可能になっている(図1〜図3参照)。そのためのモータ等の回転駆動機構15B,16Bがアーム15,16にそれぞれ装備されている。この回転駆動機構15B,16Bの駆動制御は後述するコンソール17のコントローラにより実行される。
なお、これらの回転駆動機構15B,16Bのそれぞれには、それらの回転方向及び回転量(角)に応じて回転情報を出力するエンコーダが設けられている。このエンコーダからの回転情報は後述するコントローラに送られて、アーム15、16の回転制御及び後述するティーチングに使用される。
なお、本実施形態では、Y軸方向において交差位置Cと軸AXdの位置を一致させている。また、図3に示す円軌道Tx,Tdを辿るのは、それぞれ、YZ面で見たときの前述した軸AXs、AXdの位置である。
検出器22は、図4に示すように、それぞれX線撮像素子を2次元に配列した、複数の検出モジュールB1〜Bmのアレイ(センサ回路)を有する。複数の検出モジュールB1〜Bmは互いに独立したブロックとして作成され、それらを基板(図示せず)上に所定の矩形状に実装して検出器22の全体が作成される。
なお、複数の検出モジュールB1〜Bmは、個々のモジュールの間は一定の隙間を設けつつ、縦(X軸)方向に複数個(縦方向に17個並べるとともに、個々のモジュールをスキャン方向Oに対して角度θだけ斜めに傾けて配置している。この角度θは例えば約14°に設定される。この複数の検出モジュールB1〜Bmが作る、縦横の長さの比が大きい、つまり、細長い矩形状の表面がX線検出面22Aを成している。検出モジュールB1〜Bmを斜めに配置しているため、X線検出面22Aは複数のモジュールB1〜Bmの個々の検出面の内側を辿る(内接する)ように形成されている。勿論、角度θ=0°に設定してもよい。
この斜め配置の検出モジュールを有する検出器22の構造及びその検出信号のサブピクセル法による処理は、例えば国際特許公報WO2012/086648A1により知られている。
なお、図4における参照符号AXdは、検出器22自身を自転(回転)させるときの中心軸である。
個々の検出モジュールB1(〜Bm)はX線を直接、電気パルス信号に変換する半導体材料で作成される。このため、検出器22は、半導体による直接変換方式の光子計数型X線検出器である。
このため、検出器22は、入射するコーンビーム状のX線を成す光子を、検出器22の検出面を構成する画素S毎に計数して、その計数した値を反映させた電気量のデータを例えば300fpsの高いフレームレート(収集周期)で出力する。このデータはフレームデータとも呼ばれる。
コンソール17は、図5に示すように、信号の入出力を担うインターフェース(I/F)31を備え、このインターフェース31にバス32を介して通信可能に接続されたコントローラ33、第1の記憶部34、データプロセッサ35、表示器36、入力器37、キャリブレーション演算器38、第2の記憶部39、第1〜第4のROM40A〜40D、及び閾値付与器41を備えている。コンソール17では、インターフェース31が検出器22から出力されるフレームデータを受信して例えば第1の記憶部34に格納する。
コントローラ33は、第1のROM40Aに予め与えられたプログラムに沿ってパノラマ撮像装置1の駆動を制御する。この制御には、X線管21に高電圧を供給する高電圧発生装置42への指令値の送出、スリット23の開口面積を変更するために開口駆動部23Dへの指令値の送出、及び、キャリブレーション演算器38への駆動指令も含まれる。第1の記憶部34は、検出器22からインターフェース31を介して送られてきた計数値であるフレームデータ、及び、画像データを保管する。
データプロセッサ35は、コントローラ33の管理の下に、第2のROM40Bに予め与えられたプログラムに基づいて動作する。パノラマ撮影のときに、データプロセッサ35は、その動作により、第1の記憶部34に保管されたフレームデータに、公知のシフト・アンド・アッド(shift and add)と呼ばれる演算法に基づくトモシンセシス法を実施する。これにより、被験者Pの口腔部のある断層面のパノラマ画像が得られる。表示器36は、作成される画像の表示や、装置の動作状況を示す情報及び入力器37を介して与えられるオペレータの操作情報の表示を担う。入力器37は、オペレータが撮像に必要な情報を装置に与えるために使用される。
また、キャリブレーション演算器38は、コントローラ33の管理の下に、第3のROM40Cに予め内蔵されているプログラムの下で動作し、データ計数回路における画素S毎のエネルギ弁別回路毎に与える、X線エネルギ弁別のためのデジタル量の閾値をキャリブレーションする。
閾値付与器41は、コントローラ33の制御の下で、撮像時に第2の記憶部39に格納されているデジタル量の閾値を画素毎に且つ弁別回路毎に呼び出して、その閾値を指令値としてインターフェース31を介して検出器22に送信する。この処理を実行するため、閾値付与器41は第4のROM40Dに予め格納されたプログラムを実行する。
さらに、図2,3に示すように、前述した検出器22を支持するアーム先端部16Aの一部の面には、歯列の部分的な撮像範囲(回転軸Oに直交するYZ面に沿って投影されるX線ビームの回転角度の部分的な範囲)をティーチングするための操作盤19が設置されている。この操作盤19には、図6に示すように、例えばタッチセンサ型の位置記録ボタン19A,収取開始位置ボタン19B、収集終了位置ボタン19C、X線ビームの照射角度の振り角変更ボタン19D、セットボタン19E、リセットボタン19F,灯光器オンオフボタン19Gが用意されている。振り角変更ボタン19Dには、図3に示すように、X線ビームXBの振り角をYZ面に沿ってZ軸方向(縦方向)を中心に回転方向の±の角度変更を担う2つのボタン(+Z°,−Z°)と、Y軸方向(横方向)を中心に回転方向の±の角度変更を担う2つのボタン(+Y°,−Y°)とを含む。これらのボタンの操作情報はコントローラ33に送られてティーチングに使用される。
なお、灯光器オンオフボタン19Gは被検者の撮像空間IS(図2参照)への位置決めにも使用できる。
この検出器22の上面に操作盤19を設置する理由は、この位置が術者にとって最も操作し易い位置だからである。ティーチングのときにはカバー19を非撮像位置まで退避させるので、アーム先端部16Aの上面が露出すること、及び、ティーチングをするには術者がこのアーム先端部16Aを手動で又は電動で回転操作させて被験者Pの歯列に当たっている光ビームの位置を見ながら行うためである。
さらに、検出器22のX線管21に対向する面には、ティーチング用の光ビーム(レーザビーム)を照射する投光器20が配置されている。この投光器20はコントローラ33からの指令に応じてオン、オフする。この投光器20から照射される光ビームは、図3に示すようにYZ面に投影してみた場合、検出器22の検出面22Aの幅方向の中心に位置して当該検出面22Aに垂直な方向であるが、図2に示すようにXZ面に投影してみた場合、少し斜め内側の方向に沿って照射されるようになっている。この斜め内側の方向に照射するのは、検出面22Aを回避した位置でありながら、被検者Pの歯列TRに当たるようにするためである。
コントローラ33、データプロセッサ35、キャリブレーション演算器38、閾値付与器41は共に、与えられたプログラムで稼動するCPU(中央処理装置)を備えている。それらのプログラムは、第1〜第4のROM40A〜40Dのそれぞれに事前に格納されている。
[ティーチングの手法について]
ここで、本実施形態に係るパノラマ撮像装置1において実行される、術者が歯列TRの所望の部分撮像範囲(角度範囲)を当該装置1にティーチングする手法について説明する。
このティーチングは、X線管21及び検出器22それぞれの軌道に沿った回転方向における所望の部分撮影範囲の開始位置(つまり、スキャンを開始する角度)及びその終了位置(つまり、スキャンを終了する角度)、並び、その開始位置から終了位置に至るまでの回転速度のパターンの3つの情報が必要になる。こティーチングには手動モードと、半自動モードとが用意されている。
本実施形態では何れのモードであってもX線ビームXBの部分撮影範囲の歯に対する投影角を微調整する工程が用意されている。この微調整を術者が手動で実行するモードが手動モードであり、プリスキャンを経て装置側で自動的にその微調整を行うモードが半自動モードである。
以下、これらの両モードの選択を含むコントローラ33及びデータプロセッサ35によって実行されるティーチングの処理を、図7,8,12に示すフローチャートで説明する。
まず、ティーチングが開始されると、コントローラ33は術者にカバー18をその退避位置、すなわち非撮像時の位置に移動させるように指示する(ステップS1)。次いで、コントローラ33は術者との間でインターラクティブに撮像モードを選択する(ステップS2)。次いで、術者に被検者Pの顎部JWの撮像空間ISにおける位置決めを指示する(ステップS3)。これに応じて、術者は顎部JWの位置を、装置のマーカや光ビーム(投光器20からのレーザビームであっても他の投光器からの光ビームであってもよい)を目印に、目的歯の上下方向の位置及び顎部の左右の中心(正中線)が合うように調整する。目的歯の位置によっては、被検者Pの頭部を左右に傾けることもある。
この位置決めが完了すると、コントローラ33は次いでティーチングを開始するか否か判断する(ステップS4,S5)。これらの判断は、術者からの手動入力に従う。術者がセットボタン19Eを押せば、この情報がコントローラ33に送られ、コントローラはティーチングを開始するものと判断する。ティーチングの実行が判断されると、コントローラ33は自動的に投光器20をオンにする(ステップS6)。
次いで、コントローラ33は術者との間でインターラクティブにティーチングを手動で行う手動モードか、X線ビームの照射角度を自動演算に任せる半自動モードかの選択を行う(ステップS7)。
手動モードを選択した場合、ステップS8のサブルーチンにより処理される。この手動モードを説明する。
[手動モード]
術者は、投光器20から照射されたレーザビームが照らしている歯列TRの位置を確認しながら、その位置が初期位置から歯列の所望回転位置になるように、検出器22を支持しているアーム16を回転させる(ステップS81)。この回転は電動でも手動でもよい。
術者は、その所望回転で収集開始位置ボタン19B及び位置記録ボタン19Aを押す。コントローラ33により収集開始位置ボタン19Bの操作情報を読み込んで収集開始位置の指定か否かを判断する(ステップS82、S83)。同時に、それ以降の回転位置の情報はコントローラにより、そのワークエリアに記憶される。
術者は、所望の撮像範囲を設定するために、コントローラ33を通じて、引き続きアーム16を回転させる(ステップS84)。コントローラ33は回転駆動機構13Dのエンコーダからの角度情報を読み込み(ステップS85)、さらに収集終了位置ボタン19Cからの操作情報を読み込む(ステップS86)。収集終了位置が決まり、そのボタン19Cが押されたら、ステップS87でYESの判断になる。
このステップS84〜S87の処理を繰り返すことで、コントローラ33は、例えば図9に模式的に示すように、所望の収集開始位置(角度)θ=−θ1〜−θ2までの部分的な撮像範囲(角度範囲)θRANGEが設定・記憶される(ステップS88)。この設定は、最終的には、セットボタン19Eの操作情報に応じて行う。図示していないが、リセットボタン19Fを押せば、再度、部分的な撮像範囲θRANGE(以下、部分撮像範囲と呼ぶ)の設定をやり直すことができる。
この部分撮像範囲θRANGEは例えば詳細に診断したい2本程度の歯を含む小さい角度領域である。ただし、診断したい歯を含めて、角度範囲に若干余裕を持たせた部分撮像範囲θRANGEが設定される。
いま設定しようとしている部分撮像範囲θRANGEは、図10に示すように、歯列TRの基準断層面SSを最適焦点化させるために、X線管21及び検出器22をそれらの回転軌道Tx,Tdに沿って回転させる全撮像範囲の一部である。この基準断層面SSを最適焦点化するため、本実施形態においては、X線管21及び検出器22をそれらの回転軌道Tx,Tdに沿って互いに独立して回転させ且つそれらの軸AXs、AXd周りの自転(首振り動作による姿勢制御)により両者がどのX線照射角度θであっても対向している状態を作り出している。この最適焦点化におけるX線ビームXBの軌跡の例を図10に模式的に示している。したがって、部分撮像範囲θRANGEには、このX線ビームXBの一部が含まれる。
なお、基準断層面SSは通常、統計的に定めたサイズのものであるが、大中小など、ある程度、各患者の顎部の大きさに合わせて選択される。
次いで、コントローラ33は術者に部分撮像範囲θRANGEを移動するX線ビームXBの照射角度を微調整するか否か問う(ステップS89)。術者がこの微調整を希望した場合(ステップS89、YES)、コントローラ33は例えば図11に示すように基準断層面SSに沿って予め保有している標準的な歯列TWsの平面図と、前述した部分撮像範囲θRANGEに含まれ基準断層面SSを通過するX線ビームXBsを模式的に示す撮像模式図を表示器36に表示する(ステップS90)。
この撮像模式図において、術者は、振り角変更ボタン19Dを使ってX線ビームXBsの角度を変更し、その変更情報を記憶する(ステップS91)。つまり、術者は、標準的ではあるが、実際の歯列TWとX線ビームXBの交差状況を空間的にイメージし易い撮像模式図の助けを得ることができる。勿論、術者はこの撮像模式図を参考にしながら、実際の歯列TWの状況を確認しながらX線ビームXBsの角度を変更する。
このように準備が終わると、コントローラ33は部分撮像範囲θRANGEで設定・変更された複数のレーザビーXBsの回転位置と角度に基づいて、実際の歯列TWの基準断層面を最適焦点で撮像するためのX線管21と検出器22の回転軌道Ts,Td上の速度パターン及び姿勢制御(首振り制御)パターンを演算して記憶する(ステップS92)。速度パターンは、部分撮像範囲θRANGEにおける回転角θとその各回転角θにおける速度とを設定した情報である。また姿勢制御パターンは、部分撮像範囲θRANGEにおける回転角θとその各回転角θにおける軸AXs、AXd夫々の周りの自転角度とを設定した情報である。つまり、この部分撮像範囲θRANGEにおいて互いに径の異なる回転軌道Ts,Td上をX線管21、検出器22が互いに独立して回転し、且つ、どのX線照射角度であっても常に対向した状態を保つために必要なパターン情報が設定される。
以上のようにして1つ目の部分撮像範囲が決まると、コントローラ33は更に術者に別の部分撮像範囲を設定するか否か聞く(ステップS93)。この判断がYESになる場合、処理は最初のステップS81まで戻される。このため、上述した部分撮像範囲θRANGEと別の部分撮像範囲θRANGE_Xで同様に速度パターン及び姿勢制御パターンが設定される。ステップS93の判断がNOとなるときには、図7のステップS9のティーチングの完了か否かの判断に戻される。
[半自動モード]
図7の処理に戻って、ステップS7にて半自動モードを選択した場合、ステップS10のサブルーチンにより処理される(図12参照)。この半自動モードを説明する。
図12におけるステップS101〜S109の処理は、前述した手動モードを説明する図8のステップS81〜S89と同じである。つまり、図9に示したように、1つ又は2つ以上の部分撮像範囲θRANGEが術者との間でインターラクティブに設定される。
次いで、図12のステップS109にて微調整するという判断になると、コントローラ33はステップS110〜S115の自動化されたX線ビームの照射角度の微調整を行う。
この説明の前にX線ビームの照射角度と歯(歯列)との関係を図13〜15で説明する。なお、これらの図の説明は、内容的には、前述した手動モードにおける微調整にも関連する。
図13(A)には、歯列の一部としてのa〜fまでの5本の歯とこれに入射するX線管21からのX線ビームXBの投影軌跡Ptraとの関係例を示している。なお、この投影軌跡Ptraは検出器22の幅方向の中心位置とX線管21の焦点FPを結ぶラインの軌跡である。ただし、この投影軌跡Ptraは、歯列TRに予め設定した基準断層面SS(図10参照)を最適焦点化するために、装置1に予めデフォルト設定されている。このため、通常は、データの収集タイミングにおいて、このデフォルトされた投影軌跡を順守することができるようにX線管21及び検出器22は所定の速度パターンでそれぞれの円形軌道を回転する。
これらの軌跡図においてハッチングした領域は、隣接する歯c、dが投影方向からみて重なって画像化される投影領域を示している。つまり、このハッチング領域を通るX線ビームは2つの歯c,dを共に通過する。このため、図13(B)に示すように、これらの歯のパノラマ画像において歯c,dの間には重なって映る部分が生じる。もしこの重なり部分に齲蝕があっても、それを発見し難い。
そこで、上述した歯c,d間の重なりが無いX線ビームの投影角度を確保しようとすると、図14(A)に示すように、X線ビームの一部を角度θだけ時計回りに回転(シフト)させたPtra´の角度で投影すればよい。このようにすれば、図14(B)に示すように、歯c,d間に重なりの無いパノラマ画像が再構成される。この図のような大きな投影角度の変更は、X線管と検出器との間の距離が固定されており、その距離間の中心点のみの移動が許容される撮像系の場合、殆ど困難である。しかし、本実施形態に係るパノラマ撮像装置1の場合、X線管21と検出器22とが径が異なる別々の回転軌道を有し、かつ、独立して駆動されるために、上述したようなかなり大きな投影角度の変更も可能になる。ただし、それぞれの回転の方向は一方向に限定しているため、投影角度をある一点で急変させることは望ましくなく、その前後からある程度なめらかに変更できるように速度パターンを変更する必要がある。
そこで、図15の例を想定する。この例では、等価的な回転中心O´から検出器21までの距離がL、X線管21の焦点FPと検出器22との間の距離L、検出器22の検出面22Aの横幅をDとし、さらに、距離D≪Lとする。つまり、検出器22は、ほぼ、ある等価的な回転中心O´の周りを回転していると考えてよい。このときに、検出面22Aの左端の数画素分(例えば2画素)の列のみの収集データを使って再構成したパノラマ画像Pleftと右端の数画素分(例えば2画素)の列のみの収集データを使って再構成したパノラマ画像Prightのそれとでは、約「2Arctan(D/2L)」だけ撮像領域の投影角度がずれている。図15の例では、右端からのパノラマ画像Prightの方が左端からのパノラマ画像Pleftよりも歯c,d間の投影方向の重なりは少なくなる。つまり、これらのパノラマ画像上に描出される歯間の重なり具合の変化方向を求めればその重なり方がわかる。なお、左端側及び右端側の1画素分の列の収集の場合、ノイズが多くなるので、複数画素分の列からデータ収集を行う。投影角度のずれを利用するので、あまり多くの複数の画素を使うと、この投影角度がつきにくくなり、適度な画素数に設定する必要がある。
図16の(A),(B),(C)には、検出面22Aの全ての画素から収集データを使って再構成した通常のパノラマ画像Pnormal、及び、上述した右端、左端の画素列からのパノラマ画像Pright、Pleftと、それらの画像に描出される歯間c,d間の重なりの程度とを模式的に示す。通常のパノラマ画像Pnormal上の重なり部分OVの幅(歯の横方向における幅)をt、及び、右端、左端の画素列からのパノラマ画像Pright、Pleftの重なり部分OVの幅をそれぞれt、tとすると、「t−t」の変化は「2Arctan(D/2L)」に起因して発生している。このため、この重なりの変化がほぼ零になる投影角度は右方向に
{t/(t−t)}×2Arctan(D/2L
だけ振ればよい。つまり、この角度だけ右方向に振れば、X線ビームの歯c,d間を通り、両方の歯c,dを通らない(重ならない)ことになる。上述の式の値が−になるときには左方向に振ればよい。勿論、この計算は近似的なものであり、距離Dが距離Lに比較して圧倒的に小さい場合に成り立つが、多くのパノラマ撮像装置で成り立つ条件である。
以上のことを踏まえ、図12の処理に戻って説明する。
同図のステップS110にて、コントローラ33は術者に部分撮像範囲のプリスキャンを準備させる。具体的には、カバー18を撮像位置に戻し、プリスキャン用の管電圧、管電流を指定させ、検出画素サイズも指定させる。特に、管電流はX線被ばく低減の観点から通常撮像時のそれよりも下げる。また、画素サイズも粗いものを指定させる。
次いで、上述した条件の下、部分撮像範囲のプリスキャンを実行させる(ステップS111)。更に、データプロセッサ35に前述した右端、左端の画素列からのフレームデータに基づくパノラマ画像Pright、Pleftを再構成させる(ステップS112)。
次いでコントローラ33は、前述した式に基づく歯間の重なり部分OVに基づき、この重なりを起こさない投影角度を、すなわちX線ビームの照射角度を演算する(ステップS113)。この照射角度はその前の基準断層面に対するデフォルト設定の照射角度と対比して模式的に表示される(ステップS114:図11参照)。次いで、この自動演算を加味した前述したステップS92と同様の速度パターン及び姿勢制御パターンの演算・記憶がなされる(ステップS115)。
このように速度パターン及び姿勢制御パターンが得られると、コントローラ33はその処理を図7に戻し、ティーチング完了を判断し(ステップ9)、投光器20のレーザビームをオフにする(ステップ10)。次いで、X線管21及び検出器22を撮像のための初期位置へ戻し(ステップS11)、カバー18を撮像位置に戻し(ステップS12)、実際のスキャンを行うか否かを判断する(ステップS13)。スキャンを行う場合、手動モード又は半自動モードで設定してある速度パターン及び姿勢制御パターンを読み出して(ステップS14)、スキャンに供する(ステップS15〜S18)。
本実施形態では以上のティーチングを実行する。このため、X線管21と検出器22が同一中心点の周りに互いに異なる径の円軌道Ts,Tdを描くように且つ互いに独立して回転可能な撮像系を持つパノラマ撮像装置が提供される。この装置において、歯等の対象物の重なり部分があってもそれを極力回避したX線ビームXBのパス(投影角度)を設定でき、その重なり部分の撮影範囲をより容易に且つ簡単に設定することができる。
[その他の実施形態]
なお、上述したパノラマ撮像装置1は、患者が歯科用チェアに仰向けの寝た状態で撮影する装置であった。しかしながら、本発明に係るX線撮像装置は必ずしもそのような姿勢での撮影に拘らず、X線管及び検出器の間に被検体の顎部を位置させた状態で回転させる撮像系を有していればよく、例えばそのような撮像系がチェアの背面又は支柱に固定設置され、患者が座位又は立位で撮影を受ける装置構成であってもよい。また、そのような撮像系が家屋や車両の壁や天井などの固定構造に取り付けられていてもよい。さらに、そのような撮像系が可搬式のユニットとして構成され、患者の肩に載せたり、一般の椅子の背後に設置したりして撮影を行う構成であってもよい。
また、本願の実施形態であっては、検出器22を光子計数型の検出器を用いたが、シンチレータと光電素子を組み合わせて一定時間の間、電気信号を蓄積してフレームデータを出力する、所謂、積分型の検出器であってもよい。
なお、本発明は上述した実施形態及び変形例で示した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の主旨を逸脱しない限り、更に様々に変形して実施可能なものである。
1 歯科用パノラマ撮像装置
13D 回転駆動機構(第1、第2の支持部)
17 コンソール
15,16 アーム(第1、第2の支持部)
21 X線管
22 検出器
23 スリット
33 コントローラ(各種手段を機能的に実現する要素の一つ)
34 第1の記憶部
35 データプロセッサ(各種手段を機能的に実現する要素の一つ)
36 表示器
37 入力器
40A〜40D ROM
C 半導体セル
画素

Claims (10)

  1. X線ビームを照射するX線管と、
    前記X線ビームを検出する検出器と、
    前記X線管及び前記検出器を夫々支持する第1及び第2の支持部と、
    を備え、
    前記第1及び第2の支持部は、前記被検体を挟んで前記X線管及び前記検出器を互いに対向させ、かつ、当該X線管及び当該検出器を同一の回転中心を持ち、互いに異なる径の2つの回転軌道それぞれに沿って互いに独立して回転可能に支持するように構成されたX線撮像装置において、
    前記検出器を支持する前記第2の支持部を移動させて、前記X線管及び前記検出器の回転方向における所望の部分的な撮像範囲を指示可能な指示手段と、
    この指示手段が指示する前記撮像範囲にわたって前記X線管から照射されたX線ビームが前記被検体をスキャンし、その透過X線を前記検出器が検出するように当該X線管及び当該検出器をその回転軌道に沿って回転させるための制御情報を生成する情報生成手段と、
    を備えたことを特徴とするX線撮像装置。
  2. 前記情報生成手段により生成された情報に基づいて前記X線管及び前記検出器を前記回転軌道に沿って回転させ、前記X線ビームに前記被検体のスキャンをさせるスキャン手段、を
    備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線撮像装置。
  3. 前記被検体に目印として光ビームを照射可能な投光器を有する投光手段と、
    前記光ビームが被検体の所望位置を指しているときに操作される操作信号に応答して当該所望位置を読み込んで記憶する位置読込手段と、
    前記第1及び第2の支持部のうちの前記検出器を支持する第2の支持部は、前記指示手段を稼働させるときには手動で又は電動で回転可能に構成され、
    前記投光器を前記第2の支持部に設けた、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線撮像装置。
  4. 前記検出器は前記X線ビームを入射させる検出面を有し、
    前記第2の支持部は、その表面に前記検出面を露出させるように前記検出器を支持しており、
    前記投光器は前記検出器の表面に取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のX線撮像装置。
  5. 第2の支持部は、前記検出器を有するアーム部を備え、このアーム部を手動又は電動で回転操作可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載のX線撮像装置。
  6. 術者の操作に応答して前記操作信号を出力する操作盤を備え、
    この操作盤を、前記検出器を支持する第2の支持部の一部に設けたことを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載のX線撮像装置。
  7. 前記位置読込手段により読み込まれた前記所望位置が示す開始位置及び終了位置で示される前記部分的な撮像範囲を前記被検体の画像と共に撮像模式図として表示するとともに、当該撮像模式図上に当該撮像範囲分の、前記X線管から照射される前記X線ビームのパスを手動信号に応答して移動可能に重畳表示する表示手段と、
    この表示手段により表示された前記X線ビームのパスの前記被検体に対する角度を術者との間でインターラクティブに微調整する微調整手段と、
    この微調整手段により微調整された前記X線ビームのパスの角度に応じて前記情報生成手段により生成された前記情報を変更する情報変更手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のX線撮像装置。
  8. 前記被検体は被験者の顎部であり、
    前記第1及び第2の支持部は、前X線管及び前記検出器は前記顎部に在る歯列の周りに当該歯列を前記X線ビームでスキャンするように当該顎部の周りを回転させるように構成され、
    前記検出器は、その横方向及び縦方向それぞれに前記X線ビームを検出する複数の画素を配置した矩形状の画素領域を有し、
    前記微調整手段は、
    前記部分的な撮像範囲を含む領域に対して前記X線管及び前記検出器を回転させて前記X線ビームによって当該撮像範囲をプリスキャンするプリスキャン手段と、
    前記検出器の前記横方向の左右の、隣接する少なくとも一つ以上の画素分ずつ収集したデータに基づいて同一シフト加算量で再構成した画像から前記歯列の隣接する歯同士の間を通り且つ当該隣接する歯の両方を通らない前記X線ビームのパスを自動的に演算する自動演算手段と、を備え、
    前記更新手段は、前記自動演算手段により演算された前記X線のパスの角度に応じて前記情報生成手段により生成された前記情報を更新するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のX線撮像装置。
  9. 前記プリスキャン手段は、前記管電流の電流を通常のスキャン時のときの電流よりも少なく設定していることを特徴とする請求項8に記載のX線撮像装置。
  10. X線ビームを照射するX線管と、
    前記X線ビームを検出する検出器と、
    前記X線管及び前記検出器を被検体の周りに回転可能に夫々支持する第1及び第2の支持部と、を備え
    前記第1及び第2の支持部は、前記X線管及び前記検出器を前記被検体を挟んで互いに対向させ、かつ、当該X線管及び当該検出器を同一の回転中心を持ち、互いに異なる径の2つの回転軌道それぞれに沿って互いに独立して回転可能に支持するように構成されているX線撮像装置に対し、
    前記被検体の撮像部位の、前記X線管及び前記検出器を回転させる方向における所望角度範囲に及ぶ部分的な撮像範囲を光ビームでティーチングするX線撮像部位のティーチング方法であって、
    前記光ビームを前記被検体に照射して前記撮像範囲の開始位置を指定し、
    この開始位置を記憶し、
    前記光ビームを前記移動させて前記撮像範囲の終了位置を指定し、
    この終了位置を記憶し、
    前記記憶した開始位置及び終了位置の間の角度範囲わたって前記X線管から照射されたX線ビームが前記被検体をスキャンし、その透過X線を前記検出器が検出するように当該X線管及び当該検出器をその回転軌道に沿って回転させるための制御情報を生成する
    ことを特徴とするX線撮像部位のティーチング方法。
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