JP2008278940A - 玉縁縫いミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】バインダーの誤動作による縫い針の折れを防止する。
【解決手段】ミシン本体12と、センターメス機構と、底板部31と立板部32と案内部材33と、を有するバインダー30と、バインダー駆動手段と、案内手段9と、を有するバインダー機構3と、バインダー機構を回動自在に支持するように上下方向に支持されたバインダー支持軸64と、一対の大押さえを有し、大押さえの布送り方向の移動により身頃生地及び玉縁布を搬送する布移動機構と、を備える玉縁縫いミシン1において、バインダー支持軸は、ミシン本体の外側、かつ、ミシン本体よりも布送り方向下流側に配置され、案内手段に沿って案内部材の先端が2本の縫い針の間よりも布送り方向上流側に移動されるまでは、バインダー支持軸を中心とするバインダー機構の回動を阻止する回動阻止手段80を設けた。
【選択図】図8

Description

本発明は、玉縁縫いミシンに関する。
衣服の身頃生地に玉縁布を縫着すると共に、身頃生地と玉縁布に所定の切目を形成してポケットを形成する玉縁縫いミシンがある。
玉縁縫いミシンによる縫製では、針板上面において、身頃生地とその上に玉縁布とを重ねて配置し、その上から底板部とその上面に垂直に立設された立板部とからなる断面逆さT字状であるバインダーを載置する。さらに、玉縁布の両端部をそれぞれバインダーの底板部の上面から立板部の各平面に沿わせるように折り返した状態で保持し、送り機構で所定方向に各布地を送りつつ、バインダーの立板部の両側で針落ちする2本の縫い針により縫製を行う。また、かかる縫製時には、縫い針の上下動に同期してセンターメスを上下動させてポケットの開口部を形成するための直線状のセンター切れ目を形成し、その後、略V字状に配置されたコーナーメスをミシンテーブルに設けられた開口部から上下動させることにより当該センター切れ目の両端部側に連続するように二股に枝分かれする略V字状のコーナー切れ目を形成して縫製が行われている。そして、縫製終了後に玉縁布をセンター切れ目内に通すようにして1回転返すことにより、ポケットが形成される(例えば、特許文献1参照。)。
バインダーは、玉縁布を身頃生地上に押さえつける押圧位置から上昇すると共に縫い針から退避した待機位置に移動可能とされ、さらにミシンフレームの面部を塞ぐ位置と開放する位置との間で回動可能とされている。すなわち、バインダーは、二方向に移動可能とされている。
このような構造を有する玉縁縫いミシンにおいてミシンフレームの面部を開放してメンテナンスを行う場合、最初にバインダーを待機位置に移動させてバインダーを縫い針から待避させた後にバインダーを回動させる。
特開2003−181176号公報
しかし、上記玉縁縫いミシンにおいては、バインダーが押圧位置にある場合でも当該バインダーを回動させることが可能であったため、ユーザが、バインダーが押圧位置にある状態から待機位置に移動させることなく回動させてしまうことがある。上述したように、バインダーが押圧位置にある場合には、バインダーは二本の縫い針に挟まれた位置にあるため、この状態でバインダーを回動させるとバインダーが縫い針に当たって縫い針を折ってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、バインダーの誤動作による縫い針の折れを防止することができる玉縁縫いミシンを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、主軸モータにより駆動される2本の直線縫い針を有し、前記2本の縫い針を上下動することによりミシンテーブル上に載置される身頃生地及び玉縁布に2本の直線縫い目を形成するミシン本体と、前記2本の縫い針の針落ち位置よりも布送り方向下流側に配置されるセンターメスを有し、前記センターメスの昇降により前記2本の直線縫い目の間に直線状の切れ目を形成するセンターメス機構と、一方向が長手となるように形成され、縫製の際に当該一方向が布送り方向に沿うように配置される底板部と、この底板部に立設されて前記底板部とともに玉縁布を沿わせて支持する立板部と、この立板部の布送り方向下流側の先端部から二股に分岐するように形成された案内部材と、を有するバインダーと、玉縁布を身頃生地の上に押圧するように前記バインダーを支持するとともに前記案内部材が前記センターメスの両側に位置する押圧位置と前記押圧位置上方の上昇位置とに往復移動させるバインダー駆動手段と、前記バインダーを前記押圧位置と前記上昇位置との間で往復移動させる際に、前記案内部材が前記2本の縫い針の間を通過するように布送り方向に移動しながら往復移動する前記バインダーを案内する案内手段と、を有するバインダー機構と、前記バインダーの前記底板部及び前記立板部が、前記底板部の前記一方向が布送り方向に交差する位置と前記布送り方向に沿った位置との間で前記バインダー機構を回動自在に支持するように上下方向に支持されたバインダー支持軸と、前記バインダーの両側に下降して身頃生地及び玉縁布を押圧保持する一対の大押さえを有し、前記大押さえの布送り方向の移動により身頃生地及び玉縁布を搬送する布移動機構と、を備え、前記布移動機構と前記2本の縫い針の上下動とにより前記身頃生地に玉縁布を重ねて縫着する玉縁縫いミシンにおいて、前記バインダー支持軸は、前記ミシン本体の外側、かつ、前記ミシン本体よりも布送り方向下流側に配置され、前記案内手段に沿って前記案内部材の先端が前記2本の縫い針の間よりも布送り方向上流側に移動されるまでは、前記バインダー支持軸を中心とする前記バインダー機構の回動を阻止する回動阻止手段を設けたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、回動規制手段は、案内手段に沿って案内部材の先端が2本の縫い針の間よりも布送り方向上流側に移動されるまでは、バインダー支持軸を中心とするバインダー機構の回動を阻止する。そのため、ユーザがバインダーを押圧位置から上昇位置に移動させることを忘れてバインダーを回動させようとしても回動阻止手段によりバインダーの回動が阻止されるので、バインダーの回動により縫い針がバインダーとの接触により折れることがない。
また、バインダーの回動支点となるバインダー支持軸はミシン本体の外側、かつ、ミシン本体よりも布送り方向下流側に配置されているので、バインダーを回動させた際にミシン本体がバインダー支持軸により遮られることなく完全に開放された状態とすることができる。これにより、バインダーやバインダー支持軸によりミシン本体のメンテナンスが阻害されることがなく、メンテナンスの作業性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の玉縁縫いミシンにおいて、前記回動阻止手段は、前記ミシン本体に設けられ、当該ミシン本体の上方に向けて開口する凹部が形成された規制板と、前記バインダー機構に設けられ、前記底板部の前記一方向が布送り方向に沿った位置にある場合に前記凹部に嵌り込む軸部と、前記軸部の先端に設けられ、前記軸部が前記凹部に嵌り込んでいる状態で前記バインダーを開こうとした際に前記規制板に接触して前記バインダーの開放を遮るストッパと、を有する規制ピンと、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、規制ピンの軸部が規制板の凹部に嵌り込むことにより、バインダーの姿勢は安定する。ここで、規制ピンは、軸部の先端にストッパが設けられていることから、軸部が凹部に嵌り込んでいる状態でバインダーを開こうとした際には、ストッパが規制板に接触してバインダーの開放が遮られる。
これにより、ユーザがバインダーを押圧位置から上昇位置に移動させることを忘れてバインダーを回動させようとしてもストッパによりバインダーの回動が阻止されるので、バインダーの回動により縫い針がバインダーとの接触により折れることがない。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の玉縁縫いミシンにおいて、前記回動阻止手段は、前記ミシン本体に設けられ、当該ミシン本体の前方に延出する延出部が形成された係合部材と、前記バインダー機構に設けられ、前記係合部材の延出部に沿って形成されるとともに前記係合部材の延出部よりも広い幅を有する係合溝を有し、前記係合溝に前記延出部が収容されるように前記係合部材の上方から嵌り込む被係合部材と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、被係合部材の係合溝に係合部材が嵌り込むことにより、バインダーの姿勢は安定する。ここで、係合溝に係合部材が嵌り込んだ状態でバインダーを開こうとした際には、被係合部材が係合部材に接触してバインダーの開放が遮られる。
これにより、ユーザがバインダーを押圧位置から上昇位置に移動させることを忘れてバインダーを回動させようとしても係合部材によりバインダーの回動が阻止されるので、バインダーの回動により縫い針がバインダーとの接触により折れることがない。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の玉縁縫いミシンにおいて、前記回動阻止手段は、前記バインダー支持軸を中心とする前記バインダー機構の回動により、前記底板部が、当該底板部の一方向と布送り方向とが一致しない位置から前記一方向と布送り方向とが一致する位置に戻る際に、前記案内手段に沿って前記案内部材の先端が前記2本の縫い針の間よりも布送り方向下流側にあるときに前記底板部の前記一方向と布送り方向とが一致する位置への前記底板部の戻り動作を阻止することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、案内部材の先端が2本の縫い針の間よりも布送り方向下流側にあるときに底板部の一方向と布送り方向とが一致する位置への底板部の戻り動作を阻止する。すなわち、バインダー機構の案内部材の先端が縫い針と接触する位置にある場合には、バインダー機構は、底板部の一方向と布送り方向とが一致する位置への底板部の戻り動作が阻止される。これにより、バインダー機構と縫い針との接触を防ぐことができ、縫い針の折れを防止することができる。
請求項1に記載の発明によれば、回動規制手段は、案内手段に沿って案内部材の先端が2本の縫い針の間よりも布送り方向上流側に移動されるまでは、バインダー支持軸を中心とするバインダー機構の回動を阻止する。そのため、ユーザがバインダーを押圧位置から上昇位置に移動させることを忘れてバインダーを回動させようとしても回動阻止手段によりバインダーの回動が阻止されるので、バインダーの回動により縫い針がバインダーとの接触により折れることがない。
また、バインダーの回動支点となるバインダー支持軸はミシン本体の外側、かつ、ミシン本体よりも布送り方向下流側に配置されているので、バインダーを回動させた際にミシン本体がバインダー支持軸により遮られることなく完全に開放された状態とすることができる。これにより、バインダーやバインダー支持軸によりミシン本体のメンテナンスが阻害されることがなく、メンテナンスの作業性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ユーザがバインダーを押圧位置から上昇位置に移動させることを忘れてバインダーを回動させようとしてもストッパによりバインダーの回動が阻止されるので、バインダーの回動により縫い針がバインダーとの接触により折れることがない。
請求項3に記載の発明によれば、ユーザがバインダーを押圧位置から上昇位置に移動させることを忘れてバインダーを回動させようとしても係合板によりバインダーの回動が阻止されるので、バインダーの回動により縫い針がバインダーとの接触により折れることがない。
請求項4に記載の発明によれば、案内部材の先端が2本の縫い針の間よりも布送り方向下流側にあるときに底板部の一方向と布送り方向とが一致する位置への底板部の戻り動作を阻止する。すなわち、バインダー機構の案内部材の先端が縫い針と接触する位置にある場合には、バインダー機構は、底板部の一方向と布送り方向とが一致する位置への底板部の戻り動作が阻止される。これにより、バインダー機構と縫い針との接触を防ぐことができ、縫い針の折れを防止することができる。
以下、図面を参照して、玉縁縫いミシンを例に本発明の最良の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態においては、図中に示したXYZ軸を基準にしてそれぞれの方向を定めるものとし、Z軸方向は後述するセンターメスの上下動方向と一致し、縫製作業を行う平面はZ軸方向に直交し、当該作業平面に平行であって布送りが行われる方向をX軸方向とし、作業平面に平行であってX軸方向に直交する方向をY軸方向とする。
<玉縁縫いミシンの構成>
図1に示すように、玉縁縫いミシン1は、上下動する二本の縫い針13,13により身頃生地及び玉縁布からなる被縫製物上に二本の平行な縫い目を形成し、身頃生地に対して玉縁布を縫着するとともにこれらの布地の布送り方向Fに沿った直線状の切れ目と当該切れ目の両端部に略V字状の切れ目とを形成するミシンである。なお、図1においては、ミシンの基本的構成を説明する関係上、マーキング装置を示していないが、ミシンの正面側に設けられている。
図1〜図3に示すように、ミシン1は、縫製の作業台になるとともに身頃生地が載置されるミシンテーブル11と、ミシンテーブル11に配置され、主軸モータにより駆動される二本の縫い針13,13を有し、二本の縫い針13,13を上下動することによりミシンテーブル11上に載置される身頃生地及び玉縁布に二本の直線縫い目を形成するミシン本体12と、バインダー30の両側に下降して身頃生地及び玉縁布からなる布地(被縫製物)を押圧保持する一対の大押さえ20,20を有し、大押さえ20,20の布送り方向Fへの移動により身頃生地及び玉縁布からなる布地(被縫製物)の送りを行う布送り機構(図示略)と、身頃生地の上側で玉縁布を上方から押さえるバインダー30を有し、このバインダー30の駆動機構を構成するバインダー機構3と、バインダー機構3をミシン本体12に接離するように回動自在に支持するバインダー支持軸64と、ミシン本体12に設けられたセンターメス14を有し、各縫い針13,13の布送り方向Fの下流側で昇降させて各布地における二本の直線縫い目の間に直線状の切れ目を形成するセンターメス機構と、直線状の切れ目の両端となる位置に略V字状の切れ目を形成するコーナーメス40と、ミシンテーブル11に身頃生地を載置する際の位置決め基準となるポイントマークを身頃生地上に照射するマーキング装置50(図2及び図3参照)と、バインダー機構3の回動を阻止する回動阻止手段としての回動阻止機構80(図8及び図9参照)と、を備えている。
すなわち、玉縁縫いミシン1は、布移動機構と二本の縫い針13,13の上下動とにより身頃生地に玉縁布を重ねて縫着するミシンである。
(ミシンテーブル及びミシンフレーム)
ミシンテーブル11は、その上面がX−Y平面に平行であって、水平な状態で使用される。このミシンテーブル11の上面は布の送り方向F、すなわち、X軸方向に沿って長尺な長方形状に形成されている。このミシンテーブル11上に大押さえ20,20とバインダー30とが配置され、ミシンテーブル11の下側にコーナーメス40が配置されている。
また、ミシンテーブル11における二本の縫い針13,13(いわゆる二本針13,13)の下方の位置には針板15が設けられている。この針板15には、二本針13,13の各々に対応する針穴が設けられており、各針穴の下側には水平釜(図示略)がそれぞれ設けられている。つまり、各縫い針13,13のそれぞれに挿通された縫い糸は、それぞれ針板15の下側で対応する各水平釜に捕捉され、水平釜から繰り出される下糸に絡められて縫製が行われるようになっている。
さらに、針板15の二つの針穴のほぼ中間であって布送り方向Fの下流側にはセンターメス14が挿入されるスリットが形成され、センターメス14との協働により布地を切断する固定メス(図示略)が配置されている。
ミシン本体12は、ミシンテーブル11に載置される身頃生地に玉縁布を縫着するものであり、ミシンテーブル11の長手方向中間位置のすぐ脇に配置されたベッド部12aと、ベッド部12aから立設された縦胴部12bと、縦胴部12bの上端部からY軸方向に沿って延設されたアーム部12cと、を有している。このアーム部12c内には、縫い糸が通されて上下動する二本の縫い針13,13と、二本の縫い針13,13を上下動させる針棒駆動機構(図示略)と、センターメス14を上下動させるセンターメス駆動機構(図示略)等が設けられている。また、アーム部12cの先端側下端部(いわゆる顎部)には、二本の縫い針13,13とセンターメス14とが垂下支持されている。
(バインダー支持機構)
図3及び図4に示すように、ミシン本体12の面部(頭部側)には、上下方向に支持されたバインダー支持軸64を有し、バインダー機構3をミシン本体12に取り付けるバインダー支持機構6が設けられている。
ミシン本体12には、バインダー30を支持する支持体34を取り付けるための板状の取付板61が設けられている。取付板61は、ミシン本体12の後方に湾曲形成され、当該取付板61の背面がミシン本体12の背面よりも布送り方向下流側に突出するように形成されている。また、取付板61は、その途中でミシン本体12の横方向(Y方向)に沿う方向に延びるように形成されている。取付板61の表面には、バインダー30が作動位置に位置するか否かを検出するマイクロスイッチ66が設けられている。マイクロスイッチ66には、支持体34の接触の有無を検出するための作動ボタン67が支持体34の方に突出して設けられている。
取付板61の裏面には、角柱状に形成され、ミシン本体12の上下方向に延びる取付柱62がねじ63により取り付けられ、取付板61に固定されている。
取付柱62の両端、すなわち、取付柱62の上端及び下端には、円柱状に形成され、取付柱62を上下に貫通するバインダー支持軸64の上端部及び下端部が延出している。なお、バインダー支持軸64は、取付柱62内に回動自在に配置されている。このように、バインダー支持軸64は、ミシン本体12の外側、かつ、ミシン本体12よりも布送り方向下流側に配置されることになる。
そして、バインダー30を支持する板状の支持体34の一端に固定されるとともにバインダー支持軸64の上端及び下端を抱き締めた状態の回転駒65がバインダー支持軸64を回転軸として回転することにより、支持体34もバインダー支持軸64の軸回りに回転可能とされている。従って、図2に示すように、支持体34の面が布送り方向(ミシン本体12の前後方向)に沿った状態(支持体34が閉じた状態)にある時にバインダー30は作動可能となり、図3に示すように、支持体34の面が布の送り方向(ミシン本体12の前後方向)と異なる方向に沿った状態(支持体34が開いた状態)にある時にバインダー30は待機することになる。これにより、バインダー支持機構6は、バインダー30の底板部31及び立板部32が、底板部31の長手方向が布送り方向に交差する位置と布送り方向に沿った位置との間でバインダー機構3を回動自在に支持することができる。
また、図2に示すように、支持体34が閉じた状態においては、支持体34は、マイクロスイッチ66の作動ボタン67に接触するが、図3に示すように、支持体34が開いた状態においては、支持体34は、マイクロスイッチ66の作動ボタン67に接触しない。これにより、支持体34が作動ボタン67に接触してマイクロスイッチ66が検出したときに限って、バインダー30が作動可能な位置にあることを検出することができる。
よって、取付板61、取付柱62、バインダー支持軸64、回転駒65を備えることによりバインダー機構3を支持するバインダー支持機構6が構成されている。
(バインダー機構)
図1〜図5に示すように、バインダー機構3は、一方向が長手となるように形成され、縫製の際に長手方向が布送り方向に沿うように配置される底板部31と、この底板部31に立設されて底板部31とともに玉縁布を沿わせて支持する立板部32と、この立板部32の布送り方向下流側の先端部から二股に分岐するように形成された案内部材33と、を有するバインダー30と、玉縁布を身頃生地の上に押圧するようにバインダー30を支持するとともに案内部材33がセンターメス40の両側に位置する押圧位置と押圧位置上方の上昇位置とに往復移動させるバインダー駆動手段としてのエアシリンダ35と、バインダー30を押圧位置と上昇位置との間で往復移動させる際に、案内部材33が2本の縫い針13,13の間を通過するように布送り方向に移動しながら往復移動するバインダー30を案内する案内手段としての案内機構9と、を備えている。
図3〜図5に示すように、バインダー機構3は、ミシンフレーム12のアーム部12cの前面に固定されている支持体34と、その支持体34に配設されているエアシリンダ35と、第1腕部36aと第2腕部36bが一体に接続されてなり、エアシリンダ35のシリンダ軸35aにその一端部が連結されているL字形状腕部36と、L字形状腕部36の他端部に配設されるバインダー軸37等を備えている。
なお、バインダー30は、バインダー軸37に連結部38が設けられ、この連結部38に立板部32が連結されている。
第1腕部36aと第2腕部36bが接続され固定されているL字形状腕部36の折角部36cは、支持体34に軸支されており、L字形状腕部36は折角部36cを軸心として支持体34に回動可能に支持されている。
また、このL字形状腕部36の折角部36cが支持体34に回動可能に支持されている箇所には、バインダーの高さを検出する回転位置センサ39が備えられている。
(案内機構)
案内機構9は、支持体34に形成された円弧状の円弧溝34aと、この円弧溝34aにはめ込まれ、円弧溝34aに沿って移動可能なガイドピン95と、一端にガイドピン95が取り付けられ、他端にバインダー軸37が通された連結板96と、を備えている。
連結板96は、その他端でL字形状腕部36の他端ともバインダー軸37により連結され、L字形状腕部36に対して連結板96が回動自在となるように連結されている。
そして、エアシリンダ35が、シリンダ軸35aを押し出すことによって、図5、図6に示すように、第2腕部36bが下方に下がるようにL字形状腕部36が回動するとともに、バインダー軸37が円弧溝34aに沿って下方に移動し、バインダー30が押圧位置に移動する。また、エアシリンダ35が、シリンダ軸35aを引き込むことによって、図7に示すように、第2腕部36bが上方に上がるようにL字形状腕部36が回動するとともに、バインダー軸37が円弧溝34aに沿って上方に移動し、バインダー30が上昇位置に移動する。
また、連結板96を介してガイドピン95がバインダー軸37の軸心から離れた位置に配設された上で円弧溝34aに嵌め込まれているので、バインダー30は、ガイドピン95の挙動に同期して上下動するだけではなく、ガイドピン95の上下動とともにガイド軸37がより回転し、バインダー30の長手方向にも移動させることができるようになっている。
これにより、案内機構9は、エアシリンダ35のシリンダ軸35aの往復移動をバインダー30の上下方向、長手方向の双方に変換することができる。
(大押さえ)
図1に示すように、大押さえ20,20は、身頃生地及びバインダー30にセットされた玉縁布の幅方向両端部の外側をそれぞれ上方から押さえるものであり、上昇位置と下降位置とに上下動可能に構成され、下降位置において、バインダー30に沿って案内される身頃生地及び玉縁布を二本針13,13の両側で押圧保持して布送り方向Fに搬送するものであり、バインダー30を挟んで対向するように一対設けられている。
大押さえ20,20には、大押さえ20,20を支持する支持部材21と、支持部材21を介して大押さえ20,20を上下に移動させるエアシリンダ(図示略)と、大押さえ20,20により押さえた玉縁布及び身頃生地を、支持部材21を介して布送り方向Fに移動させる押さえモータ(図示略)と、を備えている。
各大押さえ20,20は、それぞれ長方形状の平板であり、それぞれが長手方向をX軸方向に沿わせた状態で支持体21に支持されている。また、各大押さえ20,20はその平板面がX−Y平面に平行となるように支持されている。そして、エアシリンダの駆動により上下の二位置に切替可能であり、上位置の時にはミシンテーブル11の上面から離間し、下位置でミシンテーブル11の上面高さとなる。また、二つの大押さえ20,20は、その間に、少なくともバインダー30の立板部32を通すことができるようにY軸方向について離間した状態で支持されている。
支持体21は、ミシンテーブル11上においてX軸方向に沿って移動可能に支持されており、支持する二つの大押さえ20,20が二本針13,13の上下動経路の外側を通過するように配置されている。また、支持部材21は、ボールネジ機構(図示略)を介して押さえモータにより駆動されるようになっている。
(コーナーメス)
コーナーメス40は、ミシンテーブル11の下方であって大押さえ20,20の通過経路に配置されており、大押さえ20,20により搬送されてきた玉縁布及び身頃生地を下方からコーナーメス40を突き通すことで直線状の切れ目の両端となる位置に略V字状の切れ目を形成する。
コーナーメス40は、その先端側から見た形状がV字状となるように並べられた一対の三角形状のメスからなり、当該先端部を上方に向けた状態で支持されている。そして、コーナーメスモータ(図示略)によりミシンテーブル11の上面よりも下方から上方に移動することで布地にV字状の切れ目を形成することを可能としている。また、二つのコーナーメス40は、一対の三角形状のメスの間の角度を調節可能としており、二本針13,13による二本の縫い目の間隔に対応することを可能としている。
二つのコーナーメス40は、それぞれが形成するV字状の切れ目の開口部が互いに逆向きとなるように各々が支持されている。また、二つのコーナーメス40は、その間隔を調節することを可能としている。
コーナーメス40は、二本の縫い目と直線状の切れ目が形成された布地が、大押さえ20,20により、コーナーメス40の真上となる位置まで搬送されると、二つのコーナーメス40を切れ目のそれぞれの端部位置で上下動させることで、二つのV字状の切れ目を布地に形成する。つまり、コーナーメス40により、直線状の切れ目の一端部から二つの縫い目のそれぞれの近い方の端部に渡る一方の切れ目と、直線状の切れ目の他端部から二つの縫い目のそれぞれの近い方の端部にわたるもう一方の切れ目が形成される。
(マーキング装置)
図2及び図3に示すように、マーキング装置50は、布送り方向Fの上流側かつ載置台上方に配置される発光部としてのマーキングライト60,70を有している。マーキングライト60は、ミシンテーブル11に身頃生地及び玉縁布を載置する際の位置決め基準となる布送り方向に平行な直線状のポイントマークを身頃生地上に照射する。
一方、マーキングライト70は、ミシンテーブル11に身頃生地及び玉縁布を載置する際の位置決め基準となる布送り方向と略直交する直線状のポイントマークを身頃生地上に照射する。
マーキング装置50は、ミシンフレーム12の上面に設けられ、正面に向けて延びるように配置された支持棒51に設けられている。マーキング装置50は、支持棒51の先端に設けられた取付台52を備えている。この取付台52には、支持棒51を挿入して取付台52を支持棒51に取り付けるための取付孔52a,52bが上下方向(高さ方向)に並んで二つ形成されている。
すなわち、支持棒51を上方の取付孔52aに挿入することにより、取付台52の高さを下げることができ、支持棒51を下方の取付孔52bに挿入することにより、取付台52の高さを上げることができ、これによりマーキングライト60,70(後述する)の高さを変えることができる。
(回動阻止機構)
図8及び図9に示すように、回動阻止機構80は、ミシン本体12に設けられ、上方に開口された凹部81aが形成された規制板81と、バインダー支持機構33を構成する第2腕部36bに設けられ、円弧溝34aに沿って案内部材33の先端が2本の縫い針13の間よりも布送り方向下流側に移動したときに凹部81aに係合する規制ピン82と、を備えている。
規制板81は、ミシン本体12のアーム部12c先端の面部に固定されており、その一部がミシン本体12の前面側に張り出すように形成されている。凹部81aは、この張り出した部位の上縁に形成されている。
規制ピン82は、第2腕部36bのうち、ミシン本体12に対向する面に設けられている。規制ピン82は、円柱状に形成されるとともに第2腕部36bに取り付けられる軸部82aと、軸部82aよりも径の大きな円板状に形成されるとともに軸部82aの先端に取り付けられるストッパ部82bと、を備えている。規制ピン82は、第2腕部36bに取り付けられた状態ではその軸線が水平方向に沿うように配置されている。ストッパ部82bは、凹部81aとして形成された切り欠きの大きさよりも大きくなるように形成されている。ストッパ部82bは、凹部81aに規制ピン82が嵌り込んだ状態でバインダー30が回動したときにストッパ部82bが凹部81aの周囲に当接して規制ピン82が凹部81aから抜けるのを防止する。すなわち、回動阻止機構80は、底板部31の長手となる一方向が布送り方向に沿った位置にある場合に凹部81aに嵌り込む軸部82aと、軸部82aの先端に設けられ、軸部82aが凹部81aに嵌り込んでいる状態でバインダー30を開こうとした際に規制板81に接触してバインダー30の開放を遮るストッパ82bと、を有する規制ピン82と、を有している。
規制ピン82は、案内部材33の先端が2本の縫い針13の間よりも布送り方向下流側に移動したときに凹部81aに係合し、案内部材33の先端が2本の縫い針13の間よりも布送り方向上流側に移動したときに凹部81aから離脱する。
また、回動阻止機構80は、バインダー支持軸64を中心とするバインダー機構3の回動により底板部31が当該底板部31の一方向(長手方向)と布送り方向とが一致しない位置から一方向(長手方向)と布送り方向とが一致する位置に戻る際に、案内機構9に沿って案内部材33の先端が2本の縫い針13の間よりも布送り方向下流側にあるときに底板部31の一方向(長手方向)と布送り方向とが一致する位置への底板部31の戻り動作を阻止する。
具体的には、図10に示すように、メンテナンス時のようにバインダー機構3を回動させたときには、底板部31の長手方向は布送り方向と一致しない、すなわち、底板部31の長手方向と布送り方向とが交差することになる。このような状態から縫製時の状態、すなわち、底板部31の長手方向と布送り方向とが一致するようにバインダー機構3を回動させた場合、案内部材33の先端が2本の縫い針13の間よりも布送り方向下流側にあるときは、バインダー機構3をそのまま回動させるとバインダー30が縫い針13に当接するので、規制ピン82が凹部81aに嵌り込むのを防止し、底板部31が縫製時の位置まで回動することを防止する。
つまり、ストッパ部82bを凹部81aよりも大きくなるように形成し、バインダー30の案内部材33の先端が2本の縫い針13の間よりも布送り方向上流側にあるときにのみ規制ピン82が凹部81aの上方から凹部81aに嵌り込むように構成されている。
従って、バインダー30の案内部材33の先端が2本の縫い針13の間よりも布送り方向上流側にあるときには、バインダー機構3を回動させてもストッパ部82bが規制板81に当接してバインダー30のそれ以上の回動が阻止され、バインダー30と縫い針13との接触を防ぐ。
(ロック機構)
図8及び図9に示すように、玉縁縫いミシン1には、縫製時等の場合にバインダー30の回動を防止するためのロック機構90が設けられている。
ロック機構90は、図6及び図7に示すように、支持体34に設けられた保持部91と、規制板81に設けられた保持バー92と、を備えている。
保持部91は、二股に分岐するように形成され、その間に保持バー92を収容して保持する収容部93が形成されている。保持部91には、収容部93の表面から少し突出するようにバネにより付勢されたボールが設けられており、このボールに保持バー92を収容部93に押し込む力を加えることにより、ボールは保持部91内に移動して保持バー92が収容部93内に進入することが許容される。保持バー92が収容部93に進入した後は、保持バー92からの押し込みが開放されたボールがバネの付勢力により再度収容部93の表面から少し突出して、保持バー92が収容部93から離脱するのを防止する。
<バインダー機構の動作、作用効果>
バインダー30の使用後、ミシン本体12のメンテナンス等によりバインダー30を回動させてミシン本体12から引き離す際には、ユーザは二本の縫い針13,13に挟まれた押圧位置にあるバインダー30を少し上昇させ、その後、布送り方向上流側の上昇位置に向けてバインダー30を後退させる。バインダー30が保持位置にある場合、規制ピン82は凹部81aに嵌め込まれており、バインダー機構3のバインダー支持軸64を中心とする回動が規制された状態となっている。なお、メンテナンスをする際には、ミシン1の電源が切断されているのでバインダー30の操作はユーザの手によって行う。また、バインダー30を上昇位置に移動させる際に少し上昇させるのは、バインダー30を後退させる際に布を引っ張らないようにするためである。
バインダー30を押圧位置から上昇位置に移動させると、バインダー30に連結されているバインダー軸37も円弧溝34aに沿いながら上方に移動する。バインダー軸37の上昇に伴い、バインダー軸37が設けられている第2腕部36bの端部も折角部36cを支点として上方に回動し、第2腕部36bに設けられた規制ピン82も上方に移動する。これにより、規制ピン82は凹部81aから離脱することとなるので、ユーザは、バインダー機構3を、バインダー支持軸64を中心に回動させることができるようになる。
従って、回動阻止機構80は、案内機構9に沿って案内部材33の先端が二本の縫い針13,13の間よりも布送り方向上流側に移動されるまでは、バインダー支持軸64を中心とするバインダー機構3の回動を阻止する。そのため、ユーザがバインダー30を押圧位置から上昇位置に移動させることを忘れてバインダー30を回動させようとしても回動阻止機構8によりバインダー30の回動が阻止されるので、バインダー30の回動により縫い針13,13がバインダー30との接触により折れることがない。
また、バインダー30の回動支点となるバインダー支持軸64はミシン本体12の外側、かつ、ミシン本体12よりも布送り方向下流側に配置されているので、バインダー30を回動させた際にミシン本体12がバインダー支持軸64により遮られることなく完全に開放された状態とすることができる。これにより、バインダー30やバインダー支持軸64によりミシン本体12のメンテナンスが阻害されることがなく、メンテナンスの作業性を向上させることができる。
また、規制板81に形成された凹部81aは上方に開放されていることから規制ピン82は凹部81aの上方から移動してきて凹部81aに係合することになる。そして、規制ピン82は、円弧溝34aに沿って案内部材33の先端が二本の縫い針13,13の間よりも布送り方向下流側に移動したときに凹部81aに係合する。すなわち、規制板81と規制ピン82は、バインダー30の上下動動作をそのまま利用して回動阻止機構80として機能させることができるので、バインダー30の上下動作を回動阻止機構80による規制及び解放に変換して伝達する機構を設ける必要がない。よって、簡易な機構で回動阻止機構80を構成することができる。
一方、ミシン本体12のメンテンス等の後、縫製を行うためにバインダー30を回動させて押圧位置に戻す際には、ユーザはバインダー30を、バインダー支持軸64を中心として回動させてミシン本体12に近づける。このとき、バインダー30の案内部材33の先端が二本の縫い針13,13の間よりも布送り方向下流側にあれば案内部材33の先端は押圧位置にあり、布送り方向上流側にあれば案内部材33の先端は上昇位置にあることになる。そして、回動阻止機構8は、規制ピン82が凹部81aに上方から嵌り込むことができるのが案内部材33の先端が上昇位置にあるときだけなので、案内部材33の先端が上昇位置にない場合には規制ピン82のストッパ部82bが支持体34に当接してしまい、バインダー30は縫い針13,13に接触する前にその回動が阻止される。
すなわち、ユーザがバインダー30を手動で上昇させる等して、バインダー30の回動経路上に縫い針13,13がない状態にしないとバインダー機構3を縫製のために必要な位置に戻すことができない。
これにより、バインダー機構3と縫い針13,13との接触を防ぐことができ、縫い針13,13の折れを防止することができる。
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、図11〜図13に示すような玉縁縫いミシン100としてもよい。以下、上記実施形態のミシン1と構成の異なる回動阻止手段としての回動阻止機構180について説明し、ミシン1と同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
(回転阻止機構)
図11〜図13に示すように、玉縁縫いミシン100における回動阻止機構180は、ミシン本体12に設けられ、ミシン本体12の前方(作業者側に向かう方向)に延出する延出部181aが形成された係合部材としての係合板181と、バインダー支持機構33を構成する第2腕部36bに設けられ、バインダー30を閉じた際に係合板181と嵌合する被係合部材としての被係合板182と、を備えている。
係合板181は、ミシン本体12のアーム部12c先端の面部に固定されており、ミシン本体12の前面側に張り出すように形成された延出部181aを有している。係合板181は、図13に示すように、一端部がミシン本体12の面部にねじ等により固定され、その途中でミシン本体12の左方向に湾曲し、さらに途中でミシン本体12の前面側に湾曲するように延出部181aが形成されており、延出部181aの端面がミシン本体12の前面側に向かう作業者に対向するように形成されている。
被係合板182は、第2腕部36bの上面で、止めねじ183,183によって第2腕部36bに固定されている。被係合板182は、第2腕部36bの上面に沿うように形成された取付面部182aと、その途中で上方に立設するように湾曲形成された立設部182bと、を備えている。取付面部182aと立設部182bは一体に形成され、取付面部182aの面方向と立設部182bの面方向がほぼ直角をなしている。
立設部182bには、当該立設部182bの下端縁から上下方向に沿って延びる切り欠きが形成され、この切り欠きは、係合板181の延出部181aが嵌め込まれる係合溝182cとなる。係合溝182cの延びる方向は、延出部181aの面方向にほぼ沿うようになっている。係合溝182cの幅は、係合板181の板厚よりも少し広い幅を有するように形成されている。また、係合溝182cは、下端縁に開口するように形成されていることから、バインダー機構3は、被係合板182の係合溝182cに延出部181aが嵌り込んで収容されるように被係合板182を係合板181の上方に移動させることができ、かつ、その状態で被係合板182を下方に移動させることができる。
<バインダー機構の動作、作用効果>
バインダー30の使用後、ミシン本体12のメンテナンス等によりバインダー30を回動させてミシン本体12から引き離す際には、ユーザは二本の縫い針13,13に挟まれた押圧位置にあるバインダー30を少し上昇させ、その後、布送り方向上流側の上昇位置に向けてバインダー30を後退させる。バインダー30が保持位置にある場合、係合板181は被係合板182の係合溝182cに嵌め込まれており、バインダー機構3のバインダー支持軸64を中心とする回動が規制された状態となっている。
図12に示すように、バインダー30を押圧位置から上昇位置に移動させると、バインダー30に連結されているバインダー軸37も円弧溝34aに沿いながら上方に移動する。バインダー軸37の上昇に伴い、バインダー軸37が設けられている第2腕部36bの端部も折角部36cを支点として上方に回動し、第2腕部36bに設けられた被係合板182も上方に移動する。これにより、被係合板182は係合板181から離脱することとなるので、ユーザは、バインダー機構3を、バインダー支持軸64を中心に回動させることができるようになる。
従って、回動阻止機構180は、案内機構9に沿って案内部材33の先端が二本の縫い針13,13の間よりも布送り方向上流側に移動されるまでは、バインダー支持軸64を中心とするバインダー機構3の回動を阻止する。そのため、ユーザがバインダー30を押圧位置から上昇位置に移動させることを忘れてバインダー30を回動させようとしても回動阻止機構180によりバインダー30の回動が阻止されるので、バインダー30の回動により縫い針13,13がバインダー30との接触により折れることがない。
また、バインダー30の回動支点となるバインダー支持軸64はミシン本体12の外側、かつ、ミシン本体12よりも布送り方向下流側に配置されているので、バインダー30を回動させた際にミシン本体12がバインダー支持軸64により遮られることなく完全に開放された状態とすることができる。これにより、バインダー30やバインダー支持軸64によりミシン本体12のメンテナンスが阻害されることがなく、メンテナンスの作業性を向上させることができる。
また、被係合板182に形成された係合溝182cは立設部182bの下端縁に開口するように形成されていることから被係合板182は係合板181の延出部181aの上方から移動してきて係合溝182cに延出部181aを収容することになる。そして、係合溝182cは、円弧溝34aに沿って案内部材33の先端が二本の縫い針13,13の間よりも布送り方向下流側に移動したときに係合板181の延出部181aに係合する。すなわち、延出部181aと被係合板182は、バインダー30の上下動動作をそのまま利用して回動阻止機構180として機能させることができるので、バインダー30の上下動作を回動阻止機構180による規制及び解放に変換して伝達する機構を設ける必要がない。よって、簡易な機構で回動阻止機構180を構成することができる。
一方、ミシン本体12のメンテンス等の後、縫製を行うためにバインダー30を回動させて押圧位置に戻す際には、ユーザはバインダー30を、バインダー支持軸64を中心として回動させてミシン本体12に近づける。このとき、バインダー30の案内部材33の先端が二本の縫い針13,13の間よりも布送り方向下流側にあれば案内部材33の先端は押圧位置にあり、布送り方向上流側にあれば案内部材33の先端は上昇位置にあることになる。そして、回動阻止機構180は、被係合板182が係合板181の延出部181aの上方から係合溝182cに延出部181aを収容するように嵌り込むことができるのが案内部材33の先端が上昇位置にあるときだけなので、案内部材33の先端が上昇位置にない場合には被係合板182の係合溝182cが形成されていない下端縁が延出部181aに当接してしまい、バインダー30は縫い針13,13に接触する前にその回動が阻止される。
すなわち、ユーザがバインダー30を手動で上昇させる等して、バインダー30の回動経路上に縫い針13,13がない状態にしないとバインダー機構3を縫製のために必要な位置に戻すことができない。
これにより、バインダー機構3と縫い針13,13との接触を防ぐことができ、縫い針13,13の折れを防止することができる。
なお、上記変形例では、係合部材と被係合部材とをともに板状の部材である係合板181と被係合板182とで構成しているが、係合部材と被係合部材とをそれぞれ板状の部材で構成せずとも、例えば、係合部材をミシン本体12のアーム部12cから前方に突出する延出部が形成された棒状部材で構成したり、被係合部材を延出部と係合する溝部が形成されたブロック状の部材で構成したりしても良いことは、勿論である。
玉縁縫いミシンの概略構成を示す斜視図。 バインダーが閉じているときの玉縁縫いミシンの概略構成を示す斜視図。 バインダーが開いているときの玉縁縫いミシンの概略構成を示す斜視図。 バインダー支持機構の拡大斜視図。 バインダー機構の正面図。 バインダー機構の要部拡大図。 バインダー機構の要部拡大図。 回動阻止機構の要部拡大図。 回動阻止機構の要部拡大図。 バインダーを回動させたときの位置を模式的に示した図。 バインダーが閉じているときの玉縁縫いミシンの回動阻止機構の変形例における概略構成を示す斜視図。 バインダーが開いているときの玉縁縫いミシンの回動阻止機構の変形例における概略構成を示す斜視図。 回動阻止機構の変形例を拡大視した図。
符号の説明
1 玉縁縫いミシン
3 バインダー機構
6 バインダー支持機構
9 案内機構(案内手段)
11 ミシンテーブル
12 ミシン本体
13 縫い針
14 センターメス
20 大押さえ
30 バインダー
31 底板部
32 立板部
33 案内部材
35 エアシリンダ(バインダー駆動手段)
64 バインダー支持軸
80 回動阻止機構(回動阻止手段)
81 規制板
81a 凹部
82 規制ピン
82a 軸部
82b ストッパ部(ストッパ)
100 玉縁縫いミシン
180 回動阻止機構(回動阻止手段)
181 係合板(係合部材)
182 被係合板(被係合部材)
182c 係合溝

Claims (4)

  1. 主軸モータにより駆動される2本の直線縫い針を有し、前記2本の縫い針を上下動することによりミシンテーブル上に載置される身頃生地及び玉縁布に2本の直線縫い目を形成するミシン本体と、
    前記2本の縫い針の針落ち位置よりも布送り方向下流側に配置されるセンターメスを有し、前記センターメスの昇降により前記2本の直線縫い目の間に直線状の切れ目を形成するセンターメス機構と、
    一方向が長手となるように形成され、縫製の際に当該一方向が布送り方向に沿うように配置される底板部と、この底板部に立設されて前記底板部とともに玉縁布を沿わせて支持する立板部と、この立板部の布送り方向下流側の先端部から二股に分岐するように形成された案内部材と、を有するバインダーと、玉縁布を身頃生地の上に押圧するように前記バインダーを支持するとともに前記案内部材が前記センターメスの両側に位置する押圧位置と前記押圧位置上方の上昇位置とに往復移動させるバインダー駆動手段と、前記バインダーを前記押圧位置と前記上昇位置との間で往復移動させる際に、前記案内部材が前記2本の縫い針の間を通過するように布送り方向に移動しながら往復移動する前記バインダーを案内する案内手段と、を有するバインダー機構と、
    前記バインダーの前記底板部及び前記立板部が、前記底板部の前記一方向が布送り方向に交差する位置と前記布送り方向に沿った位置との間で前記バインダー機構を回動自在に支持するように上下方向に支持されたバインダー支持軸と、
    前記バインダーの両側に下降して身頃生地及び玉縁布を押圧保持する一対の大押さえを有し、前記大押さえの布送り方向の移動により身頃生地及び玉縁布を搬送する布移動機構と、を備え、
    前記布移動機構と前記2本の縫い針の上下動とにより前記身頃生地に玉縁布を重ねて縫着する玉縁縫いミシンにおいて、
    前記バインダー支持軸は、前記ミシン本体の外側、かつ、前記ミシン本体よりも布送り方向下流側に配置され、
    前記案内手段に沿って前記案内部材の先端が前記2本の縫い針の間よりも布送り方向上流側に移動されるまでは、前記バインダー支持軸を中心とする前記バインダー機構の回動を阻止する回動阻止手段を設けたことを特徴とする玉縁縫いミシン。
  2. 前記回動阻止手段は、
    前記ミシン本体に設けられ、当該ミシン本体の上方に向けて開口する凹部が形成された規制板と、
    前記バインダー機構に設けられ、前記底板部の前記一方向が布送り方向に沿った位置にある場合に前記凹部に嵌り込む軸部と、前記軸部の先端に設けられ、前記軸部が前記凹部に嵌り込んでいる状態で前記バインダーを開こうとした際に前記規制板に接触して前記バインダーの開放を遮るストッパと、を有する規制ピンと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の玉縁縫いミシン。
  3. 前記回動阻止手段は、
    前記ミシン本体に設けられ、当該ミシン本体の前方に延出する延出部が形成された係合部材と、
    前記バインダー機構に設けられ、前記係合部材の延出部に沿って形成されるとともに前記係合部材の延出部よりも広い幅を有する係合溝を有し、前記係合溝に前記延出部が収容されるように前記係合部材の上方から嵌り込む被係合部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の玉縁縫いミシン。
  4. 前記回動阻止手段は、
    前記バインダー支持軸を中心とする前記バインダー機構の回動により、前記底板部が、当該底板部の一方向と布送り方向とが一致しない位置から前記一方向と布送り方向とが一致する位置に戻る際に、前記案内手段に沿って前記案内部材の先端が前記2本の縫い針の間よりも布送り方向下流側にあるときに前記底板部の前記一方向と布送り方向とが一致する位置への前記底板部の戻り動作を阻止することを特徴とする請求項2又は3に記載の玉縁縫いミシン。
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