JP2008278793A - ハロヒドリンエポキシダーゼ活性を有する溶液組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハロヒドリンエポキシダーゼを発現する形質転換体を得、得られた形質転換体を両性界面活性剤に浸漬することにより、工業的に実用可能な形質転換体を提供することができ、それを利用しエピハロヒドリン又は4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルを効率的に製造することができる。
【選択図】図1
Description
ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌としては、例えば、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC999株、ATCC12674株、ATCC17895株、ATCC15998株、ATCC33275株、ATCC184、ATCC4001株、ATCC4273株、ATCC4276株、ATCC9356株、ATCC12483株、ATCC14341株、ATCC14347株、ATCC14350株、ATCC15905株、ATCC15998株、ATCC17041株、ATCC19149株、ATCC19150株、ATCC21243株、 ATCC29670株、ATCC29672株、ATCC29675株、ATCC33258株、ATCC13808株、ATCC17043株、ATCC19067株、ATCC21999株、ATCC21291株、ATCC21785株、ATCC21924株、 IFO14894株、IFO3338株、NCIMB11215株、NCIMB11216株、JCM3202株、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J1株(受託番号「FERM BP-1478」)、ロドコッカス・グロベルルス(Rhodococcus globerulus)IFO14531株、ロドコッカス・ルテウス(Rhodococcus luteus)JCM6162株、JCM6164株、ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)IFO12538株、IFO12320株、JCM3201株、ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)IFO3730株、JCM1313株が挙げられる。好ましくはロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J1株(受託番号「FERM BP-1478」)が挙げられる。
酵母としては、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)等が用いられる。酵母への組換えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。
微生物を培養する方法は、通常の方法に従って行われる。微生物を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー等が挙げられる。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅若しくは炭酸カルシウム等が挙げられる。
(I)1,3−ジハロ−2−プロパノールのエピハロヒドリンへの変換
本変換反応は、1,3−ジハロ−2−プロパノールを上述の培養物又はその処理物と接触させることにより行う。基質である1,3−ジハロ−2−プロパノールは、以下に示す化合物である。
本変換反応は、1,3−ジハロ−2−プロパノールを上述の培養物又はその処理物と接触させることにより行う。基質である1,3−ジハロ−2−プロパノールは、上述の式(1)に示す化合物である。好ましくは1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール等である。
<実施例1>
ハロヒドリンエポキシダーゼ活性を有するロドコッカス(Rhodococcus)属細菌形質転換体の作製(1)
コリネバクテリウム(Corynebacterium)sp.N−1074 (FERM BP-2643)を、MYK培地(0.5%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.3%バクトモルトエキス、1%グルコース、0.2%K2HPO4及び0.2%KH2PO4、pH7.0)100ml中、30℃で72時間振盪培養した。培養後、菌体を集菌し、Saline−EDTA溶液(0.1M EDTA及び0.15M NaCl(pH8.0))4mlに懸濁した。次いで、懸濁液にリゾチーム8mgを加えて、37℃で1〜2時間振盪した後、-20℃で凍結した。
ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous) ATCC 12674 株の対数増殖期の細胞を遠心分離器により集菌し、氷冷した滅菌水にて3回洗浄し、滅菌水に懸濁した。(1)で調製したプラスミド(pJHB057)各 1μlと菌体懸濁液各10μlを混合し、各々氷冷した。キュベットに各プラスミドと各菌体の懸濁液を入れ、遺伝子導入装置 Gene Pulser (BIO RAD)により2.0KV、200 OHMSで電気パルス処理を行った。電気パルス処理液を氷冷下10分静置し、37℃で10分間ヒートショクを行った。その後、キュベットにMYK培地(0.5%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.3%バクトモルトエキス、0.2%K2HPO4 、0.2% KH2PO4 )500μl を加え、30℃、5時間静置した後、50μg/mlカナマイシン入りMYK寒天培地に塗布し、30℃、3日間培養した。得られたコロニーのプラスミドを確認し、形質転換体(ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC12674/pJHB057)を得た。
ロドコッカス・ロドクロウスJ-1菌は、Rhodococcus rhodocrouse J-1(FERM BP-1478)として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている。
上記(2)で調製した各プラスミド1μlと(3)で調整したJ-1菌コンピテントセル10μlを混合し、30分間氷冷した。キュベットにDNAと菌体との懸濁液を入れ、遺伝子導入装置 Gene Pulser(BIO RAD)により20 KV/cm、100 OHMSで電気パルス処理を行った。電気パルス処理液を氷冷下10分静置し、37℃で10分間ヒートショクを行い、MYK培地(0.5 %ポリペプトン、0.3 %バクトイーストエキス、0.3 %バクトモルトエキス、0.2 % K2HPO4 、0.2% KH2PO4)500μl を加え30℃、24時間静置した。その後、10μg/mlカナマイシン入りMYK寒天培地に塗布し、30℃、3日間培養した。
得られたコロニーのプラスミドを確認し、3種の形質転換体(ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous) J-1/pSJH057)を得た。
実施例1で得られたロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1/pJHB057をGGPK培地(1.5%グルコース、1%グルタミン酸ナトリウム、0.1%バクトイーストエキス、0.05%K2HPO4、0.05%KH2PO4、0.05% MgSO4・7H2O、カナマイシン 50μg/ml、pH7.2)100mlに植菌し、30℃で72時間振盪培養した。培養菌体を50mM トリス−硫酸緩衝液(pH 8.0)で洗浄し、630nmの吸光度で10の菌液を調製した。次に、この菌液に界面活性剤である塩化ベンゼトニウム、塩酸アルキルジアミノグリシンを0.01〜0.15%で添加し、4℃で30分攪拌した。
ハロヒドリンエポキシダーゼ活性を有するロドコッカス(Rhodococcus)属細菌形質転換体の作製(2)
実施例1(2)と同様の方法でロドコッカスエリストポリス(Rhodococcus erythropolis)JCM3201にプラスミドpJH057を形質転換し、形質転換体(ロドコッカスエリストポリス(Rhodococcus erythropolis)JCM3201/pJH057)を得た。
ハロヒドリンエポキシダーゼ活性を有する大腸菌としてJM109/pST111を用い、LB培地(1mM IPTG、50μg/mlアンピシリン含有)で37℃、20時間振盪培養した、実施例2と同様にして活性を測定した。pST111は、コリネバクテリウム(Corynebacterium)sp.N−1074のハロヒドリンエポキシダーゼ遺伝子(hheB)を含むBamHI-PastI1.1Kb 断片をpUC118 に結合させたプラスミドである(図3)。尚、pST111は、特公平5−317066公報に記載されており、JM109/pST111は、FERM P-12065として、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1-1-1中央第6)に平成3年3月1日付け寄託されている。結果は表5に示した。
以上の結果より、大腸菌を宿主とする組換え菌においても両性界面活性剤の効果があることを確認できた。
<実施例5>
ハロヒドリンエポキシダーゼによる1,3−ジクロロ−2−プロパノールから4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの合成
100mM のトリス−硫酸緩衝液(pH 8.0)にシアン化カリウムを300mM になるように溶かした後、1Nの硫酸でpHを8.0 に調整した。この溶液25mlに、実施例2で得られた菌体処理物(OD630 nmの吸光度が10、0.1%塩酸アルキルジアミノグリシン含有)1ml と100mM の1,3−ジクロロ−2−プロパノール溶液25mlを加え、20℃で1時間反応した。生成した4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルをガスクロマトグラフィーで測定して、活性を調べた。また、比較例として両性界面活性剤を添加していない菌体処理物(OD630 nmの吸光度が10)を用いて、同様の実験を実施した。
配列番号2:合成DNA
Claims (7)
- ハロヒドリンエポキシダーゼ活性を有する微生物を、両性界面活性剤を含む溶液に接触させた微生物菌体。
- 両性界面活性剤の分子内の陰イオン性官能基が、カルボン酸又はスルホン酸である請求項1記載の菌体。
- 両性界面活性剤が、アルキルアミノ脂肪酸又はその塩、アルキルベタイン、又はアルキルアミンオキシドのいずれかである請求項1又は2に記載の菌体。
- 両性界面活性剤が、アルキルジアミノエチルグリシン又はその塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の菌体。
- ハロヒドリンエポキシダーゼ活性を有する微生物が、外来のハロヒドリンエポキシダー遺伝子で形質転換されたロドコッカス属細菌又は大腸菌であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載菌体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の菌体を、1,3−ジハロ−2−プロパノールと接触させることを含む、エピハロヒドリンの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の菌体を、シアン化合物存在下、1,3−ジハロ−2−プロパノール又はエピハロヒドリンと接触させることを含む、4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造方法。
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