JP2008278606A - 回転電機の回転位置検出装置及び回転電機 - Google Patents

回転電機の回転位置検出装置及び回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP2008278606A
JP2008278606A JP2007117862A JP2007117862A JP2008278606A JP 2008278606 A JP2008278606 A JP 2008278606A JP 2007117862 A JP2007117862 A JP 2007117862A JP 2007117862 A JP2007117862 A JP 2007117862A JP 2008278606 A JP2008278606 A JP 2008278606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotational position
rotating electrical
electrical machine
rotor
intersection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007117862A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Wada
典之 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2007117862A priority Critical patent/JP2008278606A/ja
Publication of JP2008278606A publication Critical patent/JP2008278606A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】回転子の基準回転位置を容易に求めることができる回転電機の回転位置検出装置及び回転電機を得る。
【解決手段】回転機100を駆動し電機子巻線102に発生するU相電圧とW相電圧をコンパレータ121に入力する。コンパレータ121が両相の電圧交点(U相電圧上昇/W相電圧下降)を検出すると出力信号Crは立ち下がる。原点位置算出処理部130はコンパレータ121から出力される出力信号Crの立ち下がり時の位置情報θを位置変換器112から取得する。なお、位置変換器112には、位置センサ(レゾルバ)111から、回転子の回転位置情報が入力される。デジタルIC131では、この回転位置情報θを予め設定した所定回数n回だけ取得し、これらを平均して平均値θaveを求め、回転子の基準回転位置(原点位置)θoとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機の回転位置検出装置及び回転電機に関する。
位置検出器を使用する際には、あらかじめ回転電機の回転子位置と位置検出器の出力のずれを検出し、何らかの手段を講じて調整する必要がある。これを実現するために、回転電機としてのブラシレスモータを外部駆動することにより得られたU相誘起電圧をADコンバータにより電圧データに変換し、中央演算器にて当該電圧データ及び角度データを元に位置合わせパラメータを算出するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、取付調整するための同様の技術として、車両の電動発電機の固定子コイルのWU間並びに界磁コイルに直流通電し、両者の電磁力によって回転子を固定子に対して所定位置に電気的に固定する。次に、固定子コイルのUV間並びに界磁コイルに直流通電し、両者の電磁力によって回転子を所定角度回転させ固定子に対して所定位置に電気的に固定する。回転子が所定角度回転したことはレゾルバの検出ステータの信号から検出できるので、この状態で検出ステータからの信号が所定の信号となるように、検出ステータの物理的位置を調整する(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−299282号公報(段落番号0008〜0010及び図1) 特開2004−72894号公報(段落番号0022及び図4)
従来の回転電機の回転位置検出装置は以上のように構成され、ブラシレスモータを外部駆動することにより得られた誘起電圧を用いるものにあっては、誘起電圧の変換にADコンバータを必要としていた。しかし、ADコンバータを使用すると、ADコンバータの変換精度や量子化誤差の影響により調整結果にばらつきが生じるため誤差の増大を招くおそれがあった。また、ADコンバータの変換時間遅れを考慮する必要があるので高速動作には不向きであったり、アルゴリズムが複雑になったりするなどの問題点があった。また、誘起電圧を検出する際に、誘起電圧の0レベル立ち上がりあるいは立ち下がりを基準とした場合は、0レベル以下を検知するためにマイナス電源が必要であったり、一般的にノイズに弱い0レベル付近を使用するため、装置の大型化・高コスト化・誤差の増大を招く要因となっていた。一方、誘起電圧の任意の電圧レベルにて基準を検出する場合には、この電圧レベルを合わせるための回転速度や界磁電流などのパラメータを正確に調整する必要があり、工数の増大による生産性低下などの影響が懸念される。
また、車両の電動発電機の固定子コイル及び界磁コイルに直流通電するものにおいては、通電のための直流電源装置が必要であり、回転電機の回転子が巻線界磁式の場合には、電機子と界磁の抵抗値の相違により通電用の共通電源装置の選定が困難であったり、場合によっては2つの電源装置が必要となり、調整装置が大型化し、さらに調整機種ごとに直流電源装置へ結線する必要があり、生産性低下を招くなどの問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、回転子の基準回転位置を容易に求めることができる回転電機の回転位置検出装置及び回転電機を得ることを目的とする。
この発明に係る回転電機の回転位置検出装置においては、複数相の巻線を有する電機子と回転子を備えた回転電機の回転子の回転位置を検出するものであって、回転子に結合される位置センサを有しこの位置センサの検出出力により回転子の回転位置を検出する位置検出器と、回転子を所定の回転速度にて回転させて電機子に発生する任意の2つの相の電圧波形の交点が検出されたときの位置検出器により検出された回転子の回転位置である交点検出時回転位置に基づいて回転子の基準とすべき基準回転位置を求める基準回転位置決定手段とを備えたものである。
そして、この発明に係る回転電機においては、回転電機本体及びこの回転電機本体と一体に取り付けられた回転電機の回転位置検出装置を備えたものである。
この発明に係る回転電機の回転位置検出装置は、複数相の巻線を有する電機子と回転子を備えた回転電機の回転子の回転位置を検出するものであって、回転子に結合される位置センサを有しこの位置センサの検出出力により回転子の回転位置を検出する位置検出器と、回転子を所定の回転速度にて回転させて電機子に発生する任意の2つの相の電圧波形の交点が検出されたときの位置検出器により検出された回転子の回転位置である交点検出時回転位置に基づいて回転子の基準とすべき基準回転位置を求める基準回転位置決定手段とを備えたものであるので、容易に基準回転位置を求めることができる。
そして、この発明に係る回転電機においては、回転電機本体及びこの回転電機本体と一体に取り付けられた回転電機の回転位置検出装置を備えたものであるので、容易に基準回転位置を求めることができる。
実施の形態1.
図1〜図4は、この発明を実施するための実施の形態1を示すものであり、図1は回転位置検出装置を備えた回転電機の構成を示す構成図、図2は動作を説明するためのタイミングチャートである。図3は2つの相電圧の交点近傍を拡大して示す波形図、図4は制御基準原点の説明図である。図1において、回転電機1は、回転機本体100とこの回転電機本体100と一体に設けられた位置検出装置10を有する。回転電機本体100は、この実施の形態においては電気自動車用の車輪駆動用の電動機であり、巻線界磁式の回転子(図示せず)及び電機子101を有する。電機子101は三相Y結線された電機子巻線102を有する。位置検出装置10は、位置検出器110、相電圧交点検出手段120、基準回転位置決定部である原点位置算出処理部130を有する。なお、相電圧交点検出手段120及び原点位置算出処理部130がこの発明の基準回転位置決定手段である。電機子巻線102に発生する例えばU相電圧VuとW相電圧Vwとは相電圧交点検出手段120のコンパレータ121の反転入力端子及び非反転入力端子にそれぞれ入力され、出力信号Crが生成され、原点位置算出処理部130のデジタルIC131に出力される。コンパレータ121は、一般的にオープンコレクタ出力のため立ち下がり時間が短いので、検出したい対象が立ち下がりとなるように反転/非反転端子に印加する入力を選択するとよい。このため、この実施の形態においては、デジタルIC131においてU相電圧VuとW相電圧Vwとが等しくなる点すなわち両電圧波形の交点を検出したときに出力信号Crが立ち下がるように設計している。
一方、回転電機本体100の回転子位置を検出するための位置検出器110は、位置センサ111と、この位置センサ111の出力Sgを位置情報に変換する位置変換器112を有する。位置センサ111としては、一般的にレゾルバ、ロータリーエンコーダやリニアホール素子などの絶対位置を検出可能なアブソリュート型センサが用いられるが、この実施の形態においてはレゾルバを用いている。位置変換器112では、相電圧交点検出手段120からの出力信号Crの立ち下がりのタイミングにて、位置センサ111の出力Sgから位置情報θを算出して、デジタルIC131へ伝送する。
ここで、デジタルIC131とは、FPGA、ASIC、マイクロコンピュータやロジックICなどの主としてデジタル値を処理する素子などを指す。なお、図1では、位置変換器112と原点位置算出処理を行うデジタルIC131とは、別々である例を示したが、デジタルIC131と位置変換器112と一体化したIC等を用いてもよい。
次に、これら相電圧波形から位置情報θを取得する手順を説明する。なお、これら手順における一連の信号波形を図2に示す。まず、相電圧波形を求めるために、回転電機本体100を図示しない駆動モータで無負荷状態でかつ所定の回転数で駆動するとともに図示しない界磁巻線に励磁電流を流して励磁し、電機子巻線102に所定の電圧を発生させる。なお、上記回転数や電圧は、定格値である必要はない。図2において、コンパレータ121がU相電圧VuとW相電圧Vwの交点(U相電圧上昇/W相電圧下降)を検出すると、コンパレータ121の出力信号Crは立ち下がり、W相電圧VwとU相電圧Vu交点(W相電圧上昇/U相電圧下降)を検出すると、出力信号Crは立ち上がる。そして、原点位置算出処理部130はコンパレータ121から出力される出力信号Crの立ち下がり時の回転子の位置情報θを位置変換器112から取得する。デジタルIC131では、回転電機本体100の回転に伴い、この位置情報θを予め設定した所定回数n回だけ取得し、これらを平均して平均値θaveを求め、回転子の回転位置の原点位置θoとする。なお、この原点位置θoが必要に応じて回転電機を制御するときの制御の基準回転位置とされる。
なお、位置情報θの平均値θaveを求めこれを原点位置θoとする原点位置調整処理は、回転電機を使用するたびに行ってもよいが、理論上、この取付位置に依存するずれが回転電機の製作後に変動する可能性は低い。そのため、生産ライン工程にてこれらの原点位置調整処理を行い、記憶装置(図示しない)などに記憶し、使用するごとにこの値を読み出すようにするとよい。しかし、回転電機本体100と原点位置θoを記憶させた装置とが対応しない場合、それぞれがどのものに対応するかを管理する必要がある。また、何らかの理由で回転電機本体100の製造番号などの識別情報や原点位置を記憶させた装置を交換する場合、これらの値を継承しにくいので、この実施の形態のように回転電機本体100に位置センサ111を装着するとともに位置変換器112、コンパレータ121、デジタルIC131を取り付けて一体型にする方がよい。
このようにして得られた基準回転位置である原点位置θoは、U相、W相電圧のそれぞれ正側の交点位置であり、U相電圧の立ち上がりからは、理論上電気角で30[deg]遅れた位置となる。無負荷状態では、相電圧と誘起電圧は等しいので、例えば、U相誘起電圧の立ち上がり位置を回転電機本体100を制御する上での制御原点とすると、図3のような関係となる。すなわち、この実施の形態では通常の制御状態において、位置検出器110にて検出した位置をλとすると、制御原点基準での位置φについて、図4に示すように、次の式(1)の関係が成り立つ。
φ=λ+(360−θave)+30 (1)
そこで、回転電機本体100を制御する上での制御原点をどこに設定するかにより、相電圧交点検出手段120に入力する相電圧を適宜変更するとよい。
以上のように、この実施の形態によれば、回転子の基準回転位置を容易に求めることができ、また誤差の増大や生産性の低下を招くおそれがない。
さらに、次のような多様な効果を奏する。
a.相電圧の交点を使用するので、
・基準となる電圧の影響を受けない
・中性点などの引き出しが不要である
・制御基準位置(例えば、U相誘起電圧立ち上がり)からの相対位置を確定できる
・ノイズに対して強い(0レベル付近は特にノイズの影響を受けやすい)ので、正確な原点位置を決定することができる。
・本例で入力した相電圧から得られる位置とは、回転電機本体100の電機子巻線102のW相からU相へ電流を通電した場合に拘束される位置と同じである。すなわち、相電圧の交点を利用して基準回転位置を決定すれば、従来の拘束調整方式(例えば特許文献2:特開2004−72894号公報参照)のように拘束状態で調整したものとの置き換えや資産の流用が可能であるという利点もある。
b.0レベルの立ち上がりや立ち下がりを基準として検出しないので、マイナス電源を必要としない。また、相電圧の任意の電圧レベルにて基準を検出しないので、電圧レベルを合わせるためのパラメータ(回転速度や界磁電流など)を正確に調整する手間がかかない。
c.A/D変換器を使用しないので、
・A/D変換器を使用するものに(例えば、特許文献1:特開平11−299282号公報参照)と比して
・調整結果がAD変換器の変換精度に依存しない
・変換時間遅れを考慮する必要がない→高速動作可能である
・量子化誤差の影響を受けない
・デジアナ混載の複雑な製造プロセス不要である
・システム構成が簡易となり安価、小型化可能である
d.拘束調整方式(上述)を使用しないので、
・ロック調整時に必要となる通電電流用の電源が不要である
・巻線界磁式の場合、電機子と界磁の抵抗値の相違により、難しい通電電流用の電源の選定の問題が発生したり、2電源を必要となる場合なども生じない
・電源部への結線が不要である。
e.無負荷状態の検出信号を用いることにより、
・正確な原点位置の算出が可能となる
・電機子電流が流れないので、ノイズの影響を排除できる。
f.コンパレータ使用するだけで済むので、
・システム構成が簡易となる
・0電位を使用しないため、マイナス電源が不要である
・制御基準位置からの相対位置が確定する
・基準となる電圧の影響を受けない。
g.一体型であるので、
・個別に調整した値を継承可能である
・調整部と回転電機の組み合わせ管理が不要であるので信頼性や生産性を向上できる
・回転位置検出装置が一体化されているので、回転電機を据え付ける際の現地調整が不要である。
実施の形態2.
図5〜図7は、実施の形態2を示すものであり、図5は回転位置検出装置を備えた回転電機の構成を示す構成図、図6は動作を説明するためのタイミングチャート、図7は記憶装置の構成を示す構成図である。図5において、回転電機2は、回転機本体100とこの回転電機本体100と一体に設けられた位置検出装置20を有する。位置検出装置20は、位置検出器110、相電圧交点検出手段120、原点位置算出処理部230を有する。原点位置算出処理部230は、記憶装置232を有する。原点位置算出処理部230は、上述した実施の形態1における原点位置算出処理部130における原点位置算出方法と異なる方法によって原点位置を算出するものである。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
次に動作を説明する。まず、原点位置算出処理部230は相電圧交点検出手段120の出力信号Crが立ち下がった際の回転子の位置情報θを取得する。この位置情報θは回転子の回転に伴って次々と取得可能であり、回転電機本体100の電気角と位置センサ111の電気角は、必ずしも1対1とならないシステムも存在する。例えば、回転電機本体100の極対数を8とすると図6に示すように、回転電機本体100の極対数と1対1で出力するものもあれば、2対1や4対1で出力するものもある。一般的には、極対数の約数比で出力するものが制御上よく使用される。図6において、回転電機本体100の極対数を8として、位置センサ111の検出コイルの極対数を8,4,2,1とすると、位置センサ111の検出出力は波形図a1,a2,a3,a4のようになる。従って、位置センサ111の極対数が一対しかない場合は、波形図a4のようになり、回転位置検出は回転電機本体100が機械的に1回転する間に1回しか行われない。
また、位置センサ111の取付けに起因する芯ずれの影響により、回転電機本体100の機械角1周に対して位置センサ111の極対数の整数倍の揺らぎが発生することがある。そこで、これらの影響を排除するために、図7に示すような位置情報θを収容するための2次元配列の記憶装置232に、位置情報θをθ11→θ12→θ13と順に収容していく。収容数が位置センサ111の極対数y個になるとθ21→θ22→・・・→θ2y→θ31→θ32→・・・θxyと順次位置情報θをx×y個収容していく。記憶する位置情報の数は、この実施形態1では、単純に位置情報θをn個取得し平均していたので、この実施の形態2に当てはめると平均値θaveは次の式(2)で表すことができる。
Figure 2008278606
さらに、位置センサ111の極対数ごとに発生する偏心の影響には、極対数倍ごとに式(3)により平均値θi_aveを算出する。
Figure 2008278606
また、ある極対数の組み合わせごとに発生する偏心の場合には、その極対数の組み合わせごとに平均処理を行うと、原点位置算出において取付けに起因する偏心などの影響を除くことができる。
以上のようにこの実施の形態によれば、上述の実施の形態1の効果に加え、次のような効果を奏する。
・位置検出器の取付け精度などにより生じる検出誤差の影響を排除できる。
・回転電機の極対数ごとに原点位置を持てるので高精度の原点調整が可能である。
実施の形態3.
図8及び図9は実施の形態3を示すものであり、図8は回転位置検出装置を備えた回転電機の構成を示す構成図、図9は動作を説明するためのタイミングチャートである。この実施の形態は、所定の条件を満たしたときに原点位置の算出を行うものである。図8において、回転電機本体100に界磁巻線105を図示した。界磁巻線105に直列に、電界効果トランジスタによる開閉スイッチ305が設けられている。
回転電機3は、回転機本体100とこの回転電機本体100と一体に設けられた位置検出装置30を有する。位置検出装置30は、位置検出器110、相電圧交点検出手段120、原点位置算出処理部330を有する。原点位置算出処理部330は、デジタルIC131と位置変換部332とマスク信号生成部333とを有し、これらが一体にIC回路として形成されている。デジタルIC131にマスク信号生成部312を介してコンパレータ121の出力信号Crが入力される。位置変換部332に位置センサ111の出力Sgが入力される。なお、位置センサ111と位置変換部332とが、この発明における位置検出器である。
次に動作を説明する。図9は、一連のタイミングチャートを示すものであり、図9において、界磁巻線105に通電するために開閉スイッチ305に電流指令Scを与えると、界磁電流Jfが流れるが、界磁電流Jfは界磁巻線105を含む界磁回路の時定数の影響によりすぐには立ち上がらない。そのため、電機子巻線102に誘起される相電圧も徐々に上昇していくことになる。この過渡状態での相電圧交点検出は、S/N比が高いので正確な位置検出ができないおそれがある。
そこで、この影響を排除するために、相電圧交点検出手段120からの出力信号Crを所定時間T1の間マスクするマスク信号Edgeをマスク信号生成部312にて生成し、この信号Edgeの立ち下がり以後に位置情報θを取得するようにする。すなわち、図9の位置情報θは、A点((□内に○)のときには更新せずに、B点((□内に×)のときのみ更新し、原点位置算出を行う。
この所定時間T1は、界磁回路の時定数及び位置検出器のスタンバイ時間などにて決定されるものであり、所定時間T1として、コンパレータ121の出力信号Crの立ち下がり回数が所定回数に達するまでの時間や、界磁電流が所定の値に達するまでの時間を用いることもできる。
以上において、図1の回転電機本体100の電機子巻線102は三相Y結線したものを示したが、結線方式に制約はなくΔ結線やそれらを融合させた結線であってもよい。そして、簡易的な例として相電圧交点検出手段120はコンパレータ121を有するものを示したが、互いに異なる相の電圧の交点を検出可能な手段を適宜用いることができる。さらに、相電圧の交点検出は、3相の電機子巻線102に発生するU相電圧VuとW相電圧Vwを例として説明したが、これに限られるものではなく、三相のうちの任意の2つの相を選べばよい。また、相電圧交点検出手段120から位置検出器110への出力信号Crを省略し、位置検出器110から原点位置算出処理部130へ位置情報θを常に伝送しておき、原点位置算出処理部130のデジタルIC131が出力信号Crの立ち下がりのタイミングで位置情報θを取得するようにしてもよい。また、回転電機は電気自動車用の電動機に限らず、電動発電機や電動機であっても、同様の効果を奏する。
以上のようにこの実施の形態によれば、実施の形態1及び2で述べたような効果に加え、次の効果を奏する。
・界磁電流が確実に立ち上がった状態での調整が可能である。
・界磁回路の時定数が大きなシステムにも適用可能である。
実施の形態1である回転位置検出装置を備えた回転電機の構成を示す構成図である。 動作を説明するためのタイミングチャートである。 2つの相電圧の交点近傍を拡大して示す波形図である。 制御基準原点の説明図である。 実施の形態2である回転位置検出装置を備えた回転電機の構成を示す構成図である。 動作を説明するためのタイミングチャートである。 記憶装置の構成を示す構成図である。 実施の形態3である回転位置検出装置を備えた回転電機の構成を示す構成図である。 動作を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
10 回転電機、100 回転電機本体、101 電機子、102 電機子巻線、
105 界磁巻線、110 位置検出器、111 位置センサ、112 位置変換器、
120 相電圧交点検出手段、121 コンパレータ、
130,230,330 原点位置算出処理部、
131,231,331 デジタルIC、332 マスク信号生成部、
332 位置変換部。

Claims (7)

  1. 複数相の巻線を有する電機子と回転子を備えた回転電機の上記回転子の回転位置を検出するものであって、
    上記回転子に結合される位置センサを有しこの位置センサの検出出力により上記回転子の回転位置を検出する位置検出器と、
    上記回転子を所定の回転速度にて回転させて上記電機子に発生する任意の2つの相の電圧波形の交点が検出されたときの上記位置検出器により検出された上記回転子の回転位置である交点検出時回転位置に基づいて上記回転子の基準とすべき基準回転位置を求める基準回転位置決定手段と、
    を備えた回転電機の回転位置検出装置。
  2. 上記基準回転位置決定手段は、上記回転電機の無負荷状態において上記2つの相の電圧波形の交点が検出されたときの上記位置検出器により検出された上記交点検出時回転位置に基づいて上記回転子の基準とすべき基準回転位置を求めるものであることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の回転位置検出装置。
  3. 上記基準回転位置決定手段は、コンパレータの反転及び非反転入力端子に上記2つの相の電圧が入力されて上記2つの相の電圧波形の交点が検出されるものであることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の回転位置検出装置。
  4. 上記基準回転位置決定手段は、検出された複数の上記交点検出時回転位置を平均して上記基準回転位置とするものであることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の回転位置検出装置。
  5. 上記位置センサは所定の極対数の検出巻線を有するレゾルバであり、上記基準回転位置決定手段は上記回転子の所定の回転数分の上記交点検出時回転位置を記憶しておき、上記検出巻線の上記極対ごとの上記交点検出時回転位置の平均値を求め上記極対ごとの上記基準回転位置とするものであることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の回転位置検出装置。
  6. 上記回転電機の回転子は巻線界磁式であり、上記基準回転位置決定手段は上記回転子を励磁してから所定時間経過後に上記基準回転位置を求めるものであることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の回転位置検出装置。
  7. 回転電機本体及びこの回転電機本体と一体に取り付けられた請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の回転電機の回転位置検出装置を備えた回転電機。
JP2007117862A 2007-04-27 2007-04-27 回転電機の回転位置検出装置及び回転電機 Pending JP2008278606A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007117862A JP2008278606A (ja) 2007-04-27 2007-04-27 回転電機の回転位置検出装置及び回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007117862A JP2008278606A (ja) 2007-04-27 2007-04-27 回転電機の回転位置検出装置及び回転電機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008278606A true JP2008278606A (ja) 2008-11-13

Family

ID=40055918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007117862A Pending JP2008278606A (ja) 2007-04-27 2007-04-27 回転電機の回転位置検出装置及び回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008278606A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140076039A (ko) * 2012-12-12 2014-06-20 한국전자통신연구원 전동기 구동 모듈, 그것의 동작 방법, 및 브러쉬리스 전동기 시스템
US9419555B2 (en) 2013-05-17 2016-08-16 Mitsubishi Electric Corporation Synchronous machine control apparatus
CN117288978A (zh) * 2023-11-24 2023-12-26 深圳市赛元微电子股份有限公司 旋转状态及速度测量方法以及装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1075597A (ja) * 1996-08-30 1998-03-17 Toshiba Corp ブラシレスdcファンモータの駆動装置
JP2000350484A (ja) * 1999-06-04 2000-12-15 Hitachi Ltd 空気調和機およびブラシレスモータ制御装置
JP2002051584A (ja) * 2000-08-01 2002-02-15 Meidensha Corp Pmモータの自動位相調整装置
JP2002354876A (ja) * 2001-05-21 2002-12-06 Toyota Motor Corp センサ基準点のズレ検出装置およびズレ検出方法、電動機の制御装置および制御方法、電動機の異常判定方法、センサの取付位置調整方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1075597A (ja) * 1996-08-30 1998-03-17 Toshiba Corp ブラシレスdcファンモータの駆動装置
JP2000350484A (ja) * 1999-06-04 2000-12-15 Hitachi Ltd 空気調和機およびブラシレスモータ制御装置
JP2002051584A (ja) * 2000-08-01 2002-02-15 Meidensha Corp Pmモータの自動位相調整装置
JP2002354876A (ja) * 2001-05-21 2002-12-06 Toyota Motor Corp センサ基準点のズレ検出装置およびズレ検出方法、電動機の制御装置および制御方法、電動機の異常判定方法、センサの取付位置調整方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140076039A (ko) * 2012-12-12 2014-06-20 한국전자통신연구원 전동기 구동 모듈, 그것의 동작 방법, 및 브러쉬리스 전동기 시스템
US9419555B2 (en) 2013-05-17 2016-08-16 Mitsubishi Electric Corporation Synchronous machine control apparatus
CN117288978A (zh) * 2023-11-24 2023-12-26 深圳市赛元微电子股份有限公司 旋转状态及速度测量方法以及装置
CN117288978B (zh) * 2023-11-24 2024-03-08 深圳市赛元微电子股份有限公司 旋转状态及速度测量方法以及装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8593093B2 (en) Electric motor control apparatus
JP4801772B2 (ja) ブラシレスモータ制御装置、およびブラシレスモータ制御方法
US20160233804A1 (en) Motor control device
JP6124112B2 (ja) 交流電動機の制御装置及び制御方法
JP2002034278A (ja) 電動機の磁極位置検出装置
TW201424244A (zh) 基於藉由感測器之速度偵測及無感測器之速度偵測之組合而驅動旋轉裝置
JP2004173485A (ja) センサ装置の調整方法及び調整システム並びに整流モータ
KR101779115B1 (ko) 홀 센서신호 검증 방법, 그리고 이에 적용되는 장치
US6469461B1 (en) Motor control apparatus
JP2008278606A (ja) 回転電機の回転位置検出装置及び回転電機
CN109075727B (zh) 马达模块以及马达步进动作控制系统
CN109874394B (zh) 用于监控电驱动的车辆的电机的方法和监控设备
US11843342B2 (en) Motor drive control device and motor drive control method
US20150069943A1 (en) Motor driving control apparatus, motor driving control method, and motor system using the same
EP3244528B1 (en) Power conversion device and control method for power conversion device
JP2003319682A (ja) 永久磁石型同期電動機の制御装置
JP2006345683A (ja) 電流検出装置
JP7257796B2 (ja) モータ制御装置及び画像形成装置
KR101937958B1 (ko) 역기전력 신호를 이용한 센서리스 모터의 오류 판단장치
US10326387B2 (en) Phase detecting device, motor system, image forming apparatus, conveyance device, and sensor level obtaining method
EP3503382B1 (en) Method and apparatus for determining a measuring offset of a rotor position sensor
JP2009261043A (ja) ブラシレスモータの駆動装置
WO2019054089A1 (ja) モータ駆動装置、モータ、および電動パワーステアリング装置
JP2007166687A (ja) モータ装置及びモータ駆動制御装置
JP2020137222A (ja) モータ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100921

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110301