JP2008277331A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解コンデンサにおいて、導電性接着剤の塗布バラツキにより発生する陰極リードフレームと電解コンデンサ素子との隙間へのモールド樹脂が流れ込みを防ぎ、以って接続強度の劣化を防止し、かつ、ESRの特性バラツキが起こらないようにすること。
【解決手段】電解コンデンサ素子1の陽極リードワイヤー4と陽極リードフレーム2を接続し、電解コンデンサ素子1と陰極リードフレーム3とを銀フィラーを含む導電性接着剤12を介して接続した後、トランスファーモールドにて電解コンデンサ素子1をモールド樹脂5で被覆密封した電解コンデンサ6において、導電性接着剤12を介して電解コンデンサ素子1と接続される陰極リードフレーム3の電解コンデンサ接続側面に、複数の凸部3bが設けられ、これら凸部3bと凸部3bとの間に生じる溝部3cの幅寸法は、導電性接着剤12の銀フィラー径より大きく、かつ、モールド樹脂5の樹脂フィラー径よりも小さく設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体電解コンデンサに関する。
周知のように、電解コンデンサには、その電解質として、液状電解質を使用したものと固体電解質を使用したものとがある。そのうち、従来の固体電解コンデンサとしては、種々の形態のものが存在するが、樹脂パッケージ型として構成された固体電解コンデンサの一例について図4を参照にして説明する。
従来の固体電解コンデンサ6は、コンデンサ素子1を樹脂パッケージ5内に封止したものである。樹脂パッケージ5内には、陽極リードフレーム2と陰極リードフレーム3との両者の一部が封止されている。陽極リードフレーム2と陰極リードフレーム3との両者の残りの部分は、樹脂パッケージ5から導出されている。陰極リードフレーム3は、コンデンサ素子1の表面に形成された銀層11と導電性接着剤12により接続されており、他方陽極リードフレーム2は、コンデンサ素子1から導出される陽極リードワイヤー4と接続されている。
このような構成の固体電解コンデンサ6に用いるリードフレーム2,3の基材としては、(1)表面酸化が少ないこと、(2)引張り強度が大きく延性が充分で曲げ加工性に富むこと、(3)はんだとの濡れ性や耐候性およびエッチング性が良好であること、ならびに(3)プレス打抜き性やプレス曲げ性のような加工性が優れていること等の要件を具備することが要求されている。
これらの特性を比較的よく満足していることから、上記のリードフレーム基材としては、従来から42Ni−Fe合金が使用されてきたが、固体電解コンデンサの低ESR化が要求されてきたため、導電率の高いCuを主成分とする合金が広く使用されるようになってきている。
上記導電性接着剤12は、ディスペンス方式等により陰極リードフレーム3に塗布されているが、硬化した導電性接着剤12と陰極リードフレーム3との接着強度を向上させるため、図5によく示されているように、陰極リードフレーム3を接続する平面に複数の溝または凹部3aを設けている。
さらに、上記凹部3aは、陰極リードフレーム3の平面の中央から放射状に設けられたり、または交差状になるように設けられている(例えば、特許文献1から特許文献6を参照)。
実開昭61−17727号公報 実開昭61−119338号公報 実開昭62−82729号公報 特開平05−343271公報 特開2005−101480号公報 特開2006−237195号公報
しかしながら、上記の導電性接着剤12に塗布量バラツキが発生すると、陰極リードフレーム3とコンデンサ素子1との表面に形成された銀層11との間に導電性接着剤12が充填されない隙間が生じ、トランスファーモールド等で樹脂封止する際にモールド樹脂5が隙間に流れ込み、強度劣化やESRの特性バラツキが起こるおそれがある。これは、陽極リードフレーム3の凹部3aの溝の幅寸法が、導電性接着剤12の銀フィラー径より小さく、かつ、樹脂フィラー径よりも大きいことに起因している。
ここで、図6に樹脂封止する際に使用するモールド金型の概略図を示す。図6(a)に示すように、上金型16には、上記のリードフレーム2,3が接続されたコンデンサ素子1が設置されるモールド樹脂形成部分15aが凹設されており、各モールド樹脂形成部分15aに、モールド樹脂注入口13に連通する樹脂注入路が接続されている。図6(b)に示すように、下金型17にも、上記リードフレーム2,3が接続されたコンデンサ素子1が設置される樹脂モールド形成部分15bが凹設されている。但し、この下金型17には、上金型16のように、上記樹脂注入口13およびこれに連通する樹脂注入路は設けられていない。上記モールド樹脂形成部分15a,15bは、図6(c)に示すように、上金型16および下金型17同士を合せたときにモールド樹脂が充填されるキャビティを形成し、モールド樹脂は、上記注入口13より上記注入路を経由してコンデンサ素子1の側面方向から上記キャビティ内に注入される。なお、図6(a)および(b)においては上記リードフレーム2,3の図示が省略されている。
本発明は、上記技術的課題に鑑み、なされたもので、導電性接着剤の塗布バラツキにより発生する陰極リードフレームとコンデンサ素子との隙間へのモールド樹脂の流れ込みを防ぎ、以って接続強度の劣化を防止し、かつ、ESRの特性バラツキが起こらない、電解コンデンサの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、弁作用金属粉末を加圧成形し、焼結して得られた焼結体に酸化皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成してなるコンデンサ素子の陽極リードワイヤーと陽極リードフレームを接続し、コンデンサ素子と陰極リードフレームとを銀フィラーを含む導電性接着剤を介して接続した後、トランスファーモールドにてコンデンサ素子をモールド樹脂で被覆した固体電解コンデンサにおいて、上記陰極リードフレームは、上記コンデンサ素子との接続部分に複数の凸部が設けられ、これら凸部と凸部との間に生じる溝部の幅寸法が、上記導電性接着剤の銀フィラー径より大きく、かつ、上記モールド樹脂の樹脂フィラー径よりも小さく設定されている。
上記銀フィラー径は、上記溝部の幅の0.1〜0.5倍であり、上記樹脂フィラー径は、上記溝部の幅の1.5〜2.0倍である。この具体例としては、上記溝部の幅寸法、上記導電性接着剤の銀フィラー径および上記モールド樹脂の樹脂フィラー径の三者の関係は、例えば、上記導電性接着剤に含まれる銀フィラー径が0.01〜0.05mmで、かつ、上記モールド樹脂に含まれる樹脂フィラー径が0.15〜0.20mmであるときには、上記溝部の幅寸法は0.10mmとされる。
また、上記凸部は、上記陰極リードフレームの幅方向および長さ方向と交差するように格子状に配列され、かつ上記溝部は、上記モールド樹脂の注入方向に対して傾きを持っている。
さらに、上記溝部の上記モールドモールドの注入方向に対する傾き角は、30〜60°に設定されている。これは、30°未満または60°を超えると、モールド樹脂を注入する際の注入圧力を受けやすくなるからである。特に、上記溝部の上記モールド樹脂の注入方向に対する傾き角は、ほぼ45°に設定されていることが好ましい。
加えて、上記溝部の断面形状は、ほぼV字形状をなしている。
このように、陰極リードフレームの溝部をV字形状に形成することにより、溝部をコの字形状に形成する従来の陰極リードフレームと比較して、モールド樹脂の樹脂フィラーがより通り難くなるため、溝部へのモールド樹脂の入り込みを防止でき、また、樹脂外装時の陰極リードフレームに加わるストレスを軽減することができる。また、電解コンデンサ素子と陰極リードフレームとを接続する導電性接着剤は、リードフレームの垂直上面から塗布されるため、V字形状・コの字形状の溝部の断面形状の違いによる接着剤塗布状態の差はない。よって、従来通りの同じ塗布方法(ディスペンス方式等)で行うことができる。
本発明によれば、樹脂モールド時に陰極リードフレームの凸部と凸部との間に生じる溝部に導電性接着剤12が入り込んでアンカー効果を持ち、導電性接着剤との接触面積が広がる。その結果、接続強度の向上が図れる。
また、導電性接着剤の塗布量バラツキにより溝部に隙間が発生した場合にも、溝部の幅寸法を樹脂フィラーの径よりも狭い(小さく)することで、トランスファーモールドによる樹脂注入時にも樹脂フィラーが摩擦抵抗になるため、モールド樹脂の注入ストレスを受けることがなく、導電性接着剤の亀裂等を軽減できる。その結果、強度劣化やESRの特性バラツキが低減する。
さらに、パッケージ側面にある樹脂注入口に対し溝部を傾けて形成しているため、陰極リードフレームと電解コンデンサ素子との隙間に受ける注入圧力がさらに軽減されてモールド樹脂の注入圧力が抑制され、導電性接着剤に加わるストレスを軽減できる。その結果、陰極リードフレームと導電性接着剤の密着性が向上し、製品のESR上昇の抑制や耐熱特性を改善でき、最終製品の品質が向上する。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づき詳細に説明する。
[実施例1]
図1は本発明の実施例1に係る固体電解コンデンサの断面図である。図2は固体電解コンデンサ素子の構造を示しており、同図(a)は概略断面図、同図(b)は同図(a)のX部を拡大して示す図である。
図1を参照して、本実施例1に係る固体電解コンデンサ6は、コンデンサ素子1の陽極リードワイヤー4と陽極リードフレーム2を接続し、コンデンサ素子1と陰極リードフレーム3とを銀フィラーを含む導電性接着剤12を介して接続した後、トランスファーモールドにてコンデンサ素子1をモールド樹脂5で被覆してなる。
コンデンサ素子1は、弁作用金属であるタンタル粉末に陽極リードワイヤー4を埋設した状態で、所定の形状に成形し、その後、図2に示すように、焼結した焼結体7に、誘電体として酸化皮膜層8を形成し、さらにその皮膜層上に二酸化マンガン層9、カーボン層10および銀層11を順次形成してなる。なお、陽極リードワイヤーは、焼結体7を形成してから溶接で取り付けてもよい。
図3は陰極リードフレームの構造を示しており、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のD−D’線に沿う断面図、同図(c)は同図(a)のC−C’線に沿う断面図、同図(d)は同図(a)のE−E’線に沿う断面図である。
リードフレーム2,3としては、その基材として銅を主成分とする合金が用いられている。
本固体電解コンデンサ6では、図3に示すように、特に導電性接着剤12を介してコンデンサ素子1と接続される上記陰極リードフレーム3の電解コンデンサ接続側面に、複数の凸部3bが設けられている。これら凸部3bと凸部3bとの間に生じる溝部3cの幅寸法は、上記導電性接着剤12の銀フィラー径より大きく、かつ、上記モールド樹脂5の樹脂フィラー径よりも小さく設定されている。具体的には、上記導電性接着剤12に含まれる銀フィラー径は0.03mmであり、上記モールド樹脂5に含まれる樹脂フィラー径は0.18mmであり、上記溝部3cの最も広い箇所の幅寸法は0.10mmとされている。
凸部3bは、陰極リードフレーム3の幅方向および長さ方向と交差するように格子状に配列され、それによって上記溝部3cは、モールド樹脂注入口13からのモールド樹脂の流れに対して傾きを持っている。この溝部3cのモールド樹脂注入方向に対する傾き角は、45°に設定されている。また、上記モールド樹脂注入方向からのモールド樹脂の流れに対して45°の傾きを持つ上記溝部3cの断面形状は、V字形状をなしている。
コンデンサ素子1の陽極リードワイヤー4と陽極リードフレーム2とは、抵抗溶接で接続されている。他方、コンデンサ素子1と陰極リードフレーム3とは、上記銀フィラー径0.03mmである導電性接着剤12を用いて接続されている。
上記のコンデンサ素子1は、トランスファーモールドにて樹脂フィラー径0.18mmであるモールド樹脂5で被覆密封されている。
上記の本固体電解コンデンサ6は、7.3mm×4.3mm×2.8mm寸法で、定格が6.3V−470μFであり、このような固体電解コンデンサ6を10000個作製した。
[実施例2]
本実施例2では、銀フィラー径が0.05mmである導電性接着剤12を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[実施例3]
本実施例2では、銀フィラー径が0.01mmである導電性接着剤12を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[実施例4]
本実施例4では、樹脂フィラー径が0.20mmであるモールド樹脂5を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[実施例5]
本実施例5では、樹脂フィラー径が0.15mmであるモールド樹脂5を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[比較例1]
比較例1では、銀フィラー径が0.15mmである導電性接着剤12を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[比較例2]
比較例2では、銀フィラー径が0.07mmである導電性接着剤12を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[比較例3]
比較例3では、銀フィラー径が0.005mmである導電性接着剤12を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[比較例4]
比較例4では、銀フィラー径が0.001mmである導電性接着剤12を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[比較例5]
比較例5では、樹脂フィラー径が0.30mmであるモールド樹脂5を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[比較例6]
比較例6では、樹脂フィラー径が0.25mmであるモールド樹脂5を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[比較例7]
比較例7では、樹脂フィラー径が0.10mmであるモールド樹脂5を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[比較例8]
比較例8では、樹脂フィラー径が0.05mmであるモールド樹脂5を用いる以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[比較例9]
比較例9では、上記凸部3bがモールド樹脂注入口方向に対し垂直な方向に設けている以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[比較例10]
比較例10では、上記溝部3cの断面形状をコの字形状に設けている以外は、上記実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した。
[従来例]
従来例(特許文献1〜6)では、陰極リードフレーム3として、その銀層11と導電性接着剤12を介して接続する平面に断面コの字形状の幅1mmの凹部3aをモールド樹脂5の注入口方向に対し垂直な格子状に設け、0.03mmの銀フィラー径を有する導電性接着剤12および0.18mmの樹脂フィラー径を有するモールド樹脂5を用いた以外は、上記実施例と同様の方法で固体電解コンデンサ6を作製した(図5参照)。
上記それぞれの製品に対しモールド樹脂5を施す前の状態で、2000個接続強度確認を行い、またモールド樹脂5を施した後2000個外観選別確認を行い、それぞれ不良発生数の比較を行った。また完成品にて200個をはんだ耐熱試験(260℃、10秒、3回リフロー)行い、はんだ耐熱試験前後のESR平均レベルの比較を行った。その結果を表1および表2に示す。
Figure 2008277331
Figure 2008277331
表1および表2から明らかなように、実施例1〜5は、比較例1〜8、比較例9、10および従来例と比較し陰極リードフレーム3と導電性接着剤12の接続不良数および外観不良発生数が低減し、かつ、はんだ耐熱試験によるESRのバラツキも低減することを確認した。
比較例1、2の場合、導電性接着剤12に含まれる銀フィラー径が大きく溝部に入り込み難いため、陰極リードフレーム3と導電性接着剤12の接続不良が多発しはんだ耐熱によるESR特性の悪化も生じた。一方、比較例3、4の場合、導電性接着剤12に含まれる銀フィラー径が小さいため、銀フィラーが部分凝集し導電性接着銀12内に均一に分散できないため、溝部3cに銀フィラーが入り難く、接続不良が多発しはんだ耐熱によるESR特性の悪化も生じた。これらのことより、溝部3cの幅寸法を0.10mmとしたときには、銀フィラーの径は0.01〜0.05mmがより望ましいことが判明した。
比較例5、6の場合、樹脂フィラー径が大きく溝部3cにモールド樹脂5が入り込むことがないため、接続不良も少なくはんだ耐熱によるESR特性の悪化も小さいが、トランスファーモールドにおいてコンデンサ素子1をモールド樹脂5で被覆密封するときに金型細部までモールド樹脂5が周り込まず、外観不良が多発した。一方、比較例7、8の場合、樹脂フィラー径が小さいため、コンデンサ素子1の表面に形成された銀層11との間に導電性接着剤12が充填されない隙間が生じた部分にトランスファーモールドで樹脂封止する際にモールド樹脂5が隙間に流れ込み、強度劣化やESRの悪化が発生した。これらのことより、溝部3cの幅寸法を0.10mmとしたときには、樹脂フィラー径は0.15〜0.20mmがより望ましいことが判明した。
比較例9の場合、陰極リードフレーム3に設けた凸部3bを、モールド樹脂5の注入口方向に対し垂直な格子状に設けているため、コンデンサ素子1の表面に形成された銀層11との間にトランスファーモールドで樹脂封止する際にモールド樹脂5が流れ込む注入圧力を受けやすく、強度劣化やESRの悪化が発生した。
これに対し、各実施例の特性が安定しているのは、凸部3bがモールド樹脂5の注入口方向に対し傾きを持たせたことによる効果である。
また、凸部3bのモールド樹脂注入方向に対する傾きは、30〜60°の範囲が望ましく、特に、ほぼ45°にすることがより望ましい。これは、30°未満または60°を超えると、モールド樹脂5を注入する際の注入圧力を受けやすくなる問題があるからである。
比較例10の場合、陰極リードフレーム3に設けた溝部3cの断面形状をコの字形状に設けているため、コンデンサ素子1の表面に形成された銀層11との間にトランスファーモールドで樹脂封止する際にモールド樹脂5が流れ込む注入圧力を受けやすく、強度劣化やESRの悪化が発生した。
これに対し、各実施例の特性が安定しているのは、溝部3cの断面形状をV字形状に設けることで、断面からみた場合、上部には導電性接着銀12を充填できる十分な開口幅が設けられ、かつ、その下部(底部)が狭いため、モールド樹脂5のフィラーによる注入圧力を受けにくい構造を持たせたことによる効果である。
また、従来例の強度劣化やESRの特性バラツキが大きいのは、陰極リードフレーム3に設けた凹部3aは、フレーム幅方向に垂直な格子状に設けられており、かつ樹脂フィラー径よりも大きな溝幅を有するコの字形状をなしているので、コンデンサ素子1の表面に形成された銀層11との間に導電性接着剤12が充填されない隙間が生じた部分をトランスファーモールドで樹脂封止する際にモールド樹脂5が隙間に流れ込む注入圧力を受けやすいためである。これに対し、各実施例の特性が安定しているのは、溝部3cの幅寸法を、導電性接着剤12の銀フィラーは充填する一方、モールド樹脂5の樹脂フィラーは通さない大きさに設け、かつ、その断面形状をV字形状でモールド樹脂5の注入口方向に対し傾きを持たせたことによる効果である。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、上記実施例では、固体電解コンデンサとして固体電解質に二酸化マンガンを使用したタンタル電解コンデンサを例に挙げて記載したが、固体電解質に導電性高分子を使用したコンデンサや各種の固体電解コンデンサ等に採用しても同様の効果を奏する。その他、本明細書に添付の特許請求の範囲内での種々の設計変更および修正を加え得ることは勿論である。
本発明では、導電性接着剤の塗布バラツキにより発生する陰極リードフレームと電解コンデンサ素子との隙間へのモールド樹脂の流れ込みを防ぎ、以って接続強度の劣化を防止し、かつ、ESRの悪化が起こらないゆえ、電解コンデンサとして有用である。
本発明の実施例1に係る固体電解コンデンサの断面図である。 コンデンサ素子の構成を示しており、(a)は概略断面図、(b)は(a)のX部を拡大して示す図である。断面構造とその一部を拡大して示す図である。 陰極リードフレームの構造を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D’線に沿う断面図、(c)は(a)のC−C’線に沿う断面図、(d)は(a)のE−E’線に沿う断面図である。 従来例に係る固体電解コンデンサの断面図である。 陰極リードフレームの構造を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B’線に沿う断面図、(c)は(a)のA−A’線に沿う断面図である。 モールド金型の構造の概略を示しており、(a)は上金型の平面図、図(b)は下金型の平面図、同図(c)は上金型と下金型とを組み込みF−F’線に沿う断面図である。
符号の説明
1 コンデンサ素子
2 陽極リードフレーム
3 陰極リードフレーム
3a 凹部
3b 凸部
3c 溝部
4 陽極リードワイヤー
5 モールド樹脂
6 固体電解コンデンサ
7 焼結体
8 酸化皮膜層
9 二酸化マンガン層
10 カーボン層
11 銀層
12 導電性接着剤
13 注入口
15a,15b モールド樹脂形成部分
16 上金型
17 下金型

Claims (5)

  1. 弁作用金属粉末を加圧成形し、焼結して得られた焼結体に、酸化皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成してなるコンデンサ素子の陽極リードワイヤーと陽極リードフレームを接続し、コンデンサ素子と陰極リードフレームとを銀フィラーを含む導電性接着剤を介して接続した後、トランスファーモールドにてコンデンサ素子をモールド樹脂で被覆した固体電解コンデンサにおいて、
    上記陰極リードフレームは、上記コンデンサ素子との接続部分に、複数の凸部が設けられ、
    これら凸部と凸部との間に生じる溝部の幅寸法が、上記導電性接着剤の銀フィラー径より大きく、かつ、上記モールド樹脂の樹脂フィラー径よりも小さく設定されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 上記銀フィラー径は、上記溝部の幅の0.1〜0.5倍であり、上記樹脂フィラー径は、上記溝部の幅の1.5〜2.0倍であることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 上記凸部は、上記陰極リードフレームの幅方向及び長さ方向と交差するように格子状に配列され、かつ上記溝部は、上記モールド樹脂の注入方向に対して傾きを持っていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 上記溝部の上記モールド樹脂の注入方向に対する傾き角は、30〜60°に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 上記溝部の断面形状は、ほぼV字形状をなしていることを特徴とする請求項1、2、または4の何れか1項に記載の固体電解コンデンサ。
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