JP2008277147A - 電極部材、冷陰極放電ランプおよび照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 硬質ガラス用の封着用線材と、この封着用線材よりも低融点の金属から形成された冷陰極であっても、冷陰極と封着用線材との接続強度を十分確保することができるとともにコスト低減が可能な電極部材およびこの電極部材を用いた冷陰極放電ランプならびにこの冷陰極放電ランプを装着した照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成された冷陰極6Aと、この冷陰極6Aの端部に溶接により接続されたモリブデン、タングステンまたはこれら金属を主成分とする合金からなる封着用線材5とを具備しており、封着用線材5の金属が冷陰極6A端部の溶接部56から冷陰極側に拡散している電極部材4Aおよびこの電極部材4Aを用いた冷陰極放電ランプLならびにこの冷陰極放電ランプLを装着した照明装置9Aである。
【選択図】 図3
【解決手段】ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成された冷陰極6Aと、この冷陰極6Aの端部に溶接により接続されたモリブデン、タングステンまたはこれら金属を主成分とする合金からなる封着用線材5とを具備しており、封着用線材5の金属が冷陰極6A端部の溶接部56から冷陰極側に拡散している電極部材4Aおよびこの電極部材4Aを用いた冷陰極放電ランプLならびにこの冷陰極放電ランプLを装着した照明装置9Aである。
【選択図】 図3
Description
本発明は、冷陰極蛍光ランプなどの管球に使用される電極部材、この電極部材を用いた冷陰極放電ランプおよびこの冷陰極放電ランプを装着した照明装置に関する。
近時、液晶表示装置、例えば液晶テレビは薄形化や高輝度のカラー化などがすすめられ、これに伴いこの液晶テレビのバックライト用の光源として用いられる冷陰極蛍光ランプも、ガラス管バルブや電極の小形化および長寿命化などがすすめられている。
上記蛍光ランプの小形化はガラス管バルブの材料を軟質ガラスから硬質ガラスに代えることによって内径が12mm以下、たとえば5mm以下の細径のものが開発されてきており、これに伴う電極部材を構成する冷陰極の支持と電気的接続をなすとともにガラスとの気密封着性を確保させる封着用線材も硬質ガラスに対応したモリブデン(Mo)線などが使用されている。
そして、この液晶テレビなどの需要拡大とともにテレビに用いられる各種部品、バックライト用の光源である冷陰極蛍光ランプについてもコストの低減が強く要求されている。
この光源として用いられる冷陰極蛍光ランプは、主要構成部品が、蛍光体を含むガラス管バルブ、冷陰極を有する電極部材や放電媒体などで、いずれの部品も所定の品質を高め維持していくのには不可欠のものであり、本発明者等はこれらについて種々検討の結果、部品コストが比較的高い電極部材に改良の余地があることを見出した。
すなわち、上記電極部材はニッケル(Ni)製の棒(線)状やカップ状などをした部品を放電用の冷陰極として、この冷陰極にモリブデン(Mo)やタングステン(W)などのガラス封着用の線材を溶接することによって構成している。
これら例えばニッケル(Ni)製の冷陰極とモリブデン(Mo)製の封着用線材とは、融点差が大きいため直接の溶接が困難で、コバール(鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co))などの金属をブレージング部材として両者間に介在させ溶接を行うことにより接合強度を確保していた。
しかし、上記のような構成の電極部材では、ブレージング部材を用いるところから格別な部品を要し材料費が掛かるとともにその溶接作業にも多くの手間を要しコストアップを招くという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、硬質ガラス用の封着用線材と、この封着用線材よりも低融点の金属から形成された冷陰極であっても、冷陰極と封着用線材との接続強度を十分確保することができるとともにコスト低減が可能な電極部材およびこの電極部材を用いた冷陰極放電ランプならびにこの冷陰極放電ランプを装着した照明装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の電極部材は、ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成された冷陰極と、この冷陰極の端部に溶接により接続されたモリブデン、タングステンまたはこれら金属を主成分とする合金からなる封着用線材とを具備しており、封着用線材の金属が冷陰極端部の溶接部分から冷陰極側に拡散していることを特徴とする。
この発明の電極部材は、例えばモリブデン(Mo)などの高融点金属からなる封着用線材とモリブデン(Mo)より融点が低い例えばニッケル(Ni)などの金属からなる冷陰極との溶接部において、モリブデン(Mo)側も溶融しニッケル(Ni)中に拡散する。この金属は溶接条件次第では合金化されるが、本発明では、溶接強度が得られていれば合金化は必要条件ではない。また、溶接によって溶接部が電極形成材料であるニッケル(Ni)層で被覆される。
また、溶接(接続)部の介在物としてのコバールなどのブレージング材を用いなくてもよい。
なお、この発明において封着用線材は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)の単体の金属材料で形成してもよいが、これら金属材料を主成分とし他の金属材料が混合された合金からなるものであってもよい。
本発明の請求項2に記載の電極部材は、冷陰極が、有底筒状のカップ状電極であり、このカップ状電極の底部内面にまで封着用線材の金属が拡散していることを特徴とする。
有底筒状のカップ状電極の底面部に封着用線材の一方の端面を溶接し、このとき底部内面まで封着用線材の金属を拡散させることにより、確実に接続強度を向上できる。なお、この底部内面まで拡散とはカップ状電極の内底面にまで達しているのを表すものではなく、所定の強度が満足できるものであれば内面にまで拡散していなくてもよい。
本発明の請求項3に記載の電極部材は、封着用線材の他端側には外部リード線が接続されていることを特徴とする。
封着用線材の他端側にこの線材より低融点、すなわち低硬度で柔軟性のある金属材料からなる外部リード線を溶接することにより、端子部材への配線や接続を容易に行うことができる。
本発明の請求項4に記載の冷陰極放電ランプは、硬質ガラス製の管形バルブと、このバルブの両端にそれぞれ封着用線材部が気密に封着された請求項1ないし3いずれか一記載の電極部材と、上記バルブ内に封入された放電媒体とを備えていることを特徴とする。
上記請求項1ないし3記載の作用を奏する電極部材を備えた冷陰極放電ランプである。
本発明の請求項5に記載の照明装置は、筐体と、この筐体に付設された請求項4記載の冷陰極放電ランプと、この冷陰極放電ランプの点灯回路装置とを備えていることを特徴とする。
上記請求項4記載の作用を奏する冷陰極放電ランプを備えた照明装置である。
請求項1記載の発明によれば、モリブデン、タングステンまたはこれら金属を主成分とする合金の高融点金属からなる封着用線材側も溶接時に溶融して、これら金属より低融点の金属中へ拡散させたことにより、その接続強度が向上した電極部材を提供できる。
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の効果および高いホローカソード効果を呈する電極部材を提供できる。
請求項3記載の発明によれば、封着用線材の他端側にこの線材より低硬度で柔軟性のある金属材料からなる外部リード線を接続しておくことにより、端子部材への配線や接続を容易に行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1ないし3のいずれか一記載の効果を呈する電極部材を備えた冷陰極放電ランプを提供することができる。
上記請求項5記載の効果を呈する冷陰極放電ランプを備えた照明装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は冷陰極蛍光ランプを示す一部切欠断面図、図2は図1中の蛍光ランプに用いられている電極部材を示す正面図、図3は図2中に示す電極部材の要部を拡大した断面図である。
図1に示す冷陰極蛍光ランプLは、例えば定格消費電力が5W以下、約2.5Wで、直管形をなすガラス管バルブ1は外径が約3.0mm、内径が約2.0mm、長さが約200mmのホウケイ酸ガラス(熱膨張率約51X10-6/℃)などの硬質ガラスからなり、ガラス管バルブ1の内面には例えば青色、緑色、赤色に発光領域を有する蛍光体を混合塗布した3波長形蛍光体膜2が形成されている。
また、このガラス管バルブ1の両端には、ホウケイ酸ガラスからなるビード3を介し後述する電極部材4Aを封止した封着部11,11が形成してあるとともにバルブ1内にはアルゴン(Ar)、キセノン(Xe)やネオン(Ne)などの希ガスが約8kPaと水銀(Hg)とからなる放電媒体が封入され冷陰極蛍光ランプLを構成している。
上記電極部材4Aは、図2および図3に示すようにホウケイ酸ガラスと膨脹率が近く気密封着性の高い例えば外径が約0.8mm、長さが約5.0mmのモリブデン(Mo)線からなるバルブ1内において一部が内部リード線部分となる封着用線材5と、この封着用線材5の一端に接続された上記封着用線材5より低融点の金属例えば板厚が約0.2mmのニッケル(Ni)薄板を用いプレス加工によって外径が約1.7mm、長さが約5.0mmの有底円筒状に成形されたカップ状電極6Aと、封着用線材5の他端に接続された例えば線径が約0.8mmの鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金からなる外部リード線7とで構成されている。
そして、電極部材4Aを構成するモリブデン(Mo)線からなる封着用線材5と、ニッケル(Ni)薄板からなるカップ状電極6Aとの接続は、封着用線材5の一方の先端面と、カップ状電極6Aの筒底外面とを対面当接させ突き合わせた状態で電流を通じ当接面で抵抗発熱を生起させて相互を溶接している。なお、このとき封着用線材5は、バレル研磨などの手段で端面周縁の面取りを施しておいてもよい。
この電極部材4Aは溶接のとき、モリブデン(Mo)(融点約2600℃)より融点が低いニッケル(Ni)(融点約1450℃)からなるカップ状電極6A側が主として溶融し溶接部56が形成され、カップ状電極6Aの底面厚さ(肉厚)の約半分の位置にまで封着線材5の先端部をめり込ませているが、溶融した電極形成材料であるニッケル(Ni)が封着用線材5の先端部周囲の外周面にまで流れ当接部から0.3mm以上の範囲をニッケル(Ni)層61で覆っている。
また、この発明では図3に要部(溶接部)56を拡大して示すように、溶融固化したカップ状電極6Aのニッケル(Ni)層61中に埋没した固相中部分においては、封着用線材5を形成するモリブデン(Mo)がニッケル(Ni)層61中に拡散し合金化しているが、特に線材5の先端部近傍の点線内51においては他の部分に比べモリブデン(Mo)が高い密度(境界近傍で15〜25%程度)で底部内面まで拡散していることが確認できた。なお、所定の接続強度が得られていれば、内面まで拡散していなくてもよい。
上記のような溶接部56の形成手段としては、封着用線材5とカップ状電極6Aの材質、線径や容積などに対応して、溶接時の溶接電流や通電時間および突き合わせ圧や押し込み量などをコントロールすることにより行うことが可能であり、封着用線材5の先端部がカップ状電極6Aの底面を突き破ることがないとともに当接面(突き合わせ面)を含む溶接部56を封着用線材5より低融点のニッケル層(Ni)61で被覆することができる。
このニッケル層61の長さは、当接部から0.3mm以上の部分にまで作られるのが好ましく、当接面から0.3mm未満の場合は溶接部内部の合金部分を覆えない虞があり、この合金部分にも放電基点を生じ放電が不安定になる。
また、モリブデン(Mo)線からなる封着用線材5の他端部と、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金線からなる外部リード線7との接続も、両部材5,7の端面を当接し所定の突き合わせ圧(当接圧力)および電流を加えた抵抗溶接をする。このとき溶接部は、上記と同様に融点が低い外部リード線7側が溶融し、溶融した鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金が封着用線材5との当接面の外周面付近に付着して、この接続部が冷めると瘤状の塊71が形成された電極部材4Aが得られる。
なお、電極部材4Aは封着用線材5とカップ状電極6Aとの接続、封着用線材5と外部リード線7との接続作業の順序は問わないし、これら3者を同時に接続するようにしてもよい。
また、上記電極部材4Aは封着用線材5部の外表面には、ガラス管バルブ1と膨張率が近似しているかバルブ1と封着用線材5との中間の膨脹率値を有するガラス材料、例えばホウケイ酸ガラスからなるガラス層ないしはビード(塊)3を気密体(層)として形成しておいてもよい。
そして、上記電極部材4Aは蛍光体被膜2を形成したガラス管バルブ1端部内のほぼ中心軸に沿ってカップ状電極6Aおよび封着用線材5部を配設して、封着用線材5部が対応しているガラス管バルブ1部分をガスバーナーなどで外部から加熱し、バルブ1のガラスおよびビード3を軟化溶融させ、バルブ1側のガラスが縮径してビード3の表面と融合した封着を行う。
このとき封着用線材5部はガラスと気密封着されるが、両端に接続されているニッケル(Ni)からなるカップ状電極6Aおよび外部リード線7の基部はホウケイ酸ガラスとは膨脹率差によって気密には封着されていない。
この後、ガラス管バルブ1内は図示しない排気管を介し排気し、内部に希ガスおよび水銀からなる放電媒体を封入して排気管が封切され、必要に応じてバルブ1端部に口金を接合して冷陰極蛍光ランプLが完成される。
上記のような冷陰極蛍光ランプLに使用される電極部材4Aは、モリブデン(Mo)線からなる封着用線材5と、モリブデン(Mo)より低融点のニッケル(Ni)板からなるカップ状電極6Aとを突き合わせ溶接により接続するが、封着用線材5を形成するモリブデン(Mo)側も溶融させて電極6Aを形成する低融点のニッケル(Ni)中に拡散し合金化させるとともに溶接(接続)部を電極形成材料であるニッケル(Ni)層61で被覆したことにより、その接続強度が向上するとともに電極6Aや封着用線材5の表面には不所望な合金の生成がないのでランプLとなってから不安定な放電生起が低減して高いホローカソード効果を呈する発光特性および寿命特性の向上した蛍光ランプLを提供できる。
また、溶接(接続)部の介在物としてのコバールなどのブレージング材を用いなくてもよいので、部品点数および溶接作業の煩雑さがなくなるのでコストの低減をはかることができる。
なお、本発明に関わる上記電極部材4Aの、カップ状電極6Aと封着用線材5とをそれぞれ保持して引っ張り試験を行ったところ、200N(ニュートン)以上の強度が得られることを確認できた。
また、図4は本発明の電極部材の他の実施の形態の要部を示す一部切欠正面図で、図中、図2,3と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
この図4に示す電極部材4Bは、例えばモリブデン(Mo)線からなる封着用線材5に、モリブデン(Mo)より低融点の金属例えばニッケル(Ni)棒(線)からなる冷陰極6Bが上述した実施の形態と同様な手段で溶接接続して構成されている。なお、7は封着用線材5の他端に接続された例えば鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金からなる外部リード線7である。
この電極部材4Bの場合も、溶接部において封着用線材5であるモリブデン(Mo)がニッケル(Ni)棒(線)側に拡散し合金を形成しているので接続強度を向上できるとともにブレージング材を用いないのでコストの低減がはかれ、上記実施の形態と同様に冷陰極蛍光ランプLの電極部材として用いることができる。
上記冷陰極蛍光ランプLは、例えば液晶を用いるテレビやパソコンなどのバックライトの照明装置(光源)として用いられる。すなわち冷陰極蛍光ランプLは、図5(a),(b)に示すような照明装置に組み込み使用される。図5(a)は導光方式の照明装置9Aの実施の形態を示す一部断面斜視図である。
図5(a)において、91は冷陰極蛍光ランプLを装着した断面がU字状の樋形反射鏡を兼ねる筐体、92はアクリル樹脂などからなる導光板、93,94は導光板92の底面および側面や導光板92の収容ケース(図示しない)内に形成した反射シート、95は
導光板92の上面側に配設された光拡散板で、これらは図示しない上記収容ケースなどの内部に点灯回路装置(図示しない)とともに組み込まれている。
導光板92の上面側に配設された光拡散板で、これらは図示しない上記収容ケースなどの内部に点灯回路装置(図示しない)とともに組み込まれている。
この導光方式の照明装置9Aは、冷陰極蛍光ランプLの直射光および反射鏡91からの反射光が導光板92に入射し、導光板92を透過して底面あるいは側面に達した光線が反射シート93,94によって反射され、導光板92の上面に向かう。この導光板92の上面から光拡散板95に入射した光は、光拡散板95の上面から拡散して例えば液晶パネルPに向けて放射される。
また、図5(b)は反射板方式の照明装置9Bの分解斜視図で、反射鏡を兼ねる筐体96内に複数本の冷陰極蛍光ランプL,…が装着配置されているとともに筐体96の開口部に光拡散板95が載置され、これらは図示しない器具本体などの内部に点灯回路装置とともに組み込まれている。
そして、この照明装置9Bでは、冷陰極蛍光ランプL,…からの直射光および反射鏡96からの反射光が光拡散板95に入射し、光拡散板95の上面から拡散して放射される。
なお、これら照明装置9A,9Bは、パーソナルコンピューターや液晶テレビなどの液晶表示装置または所定のディスプレイ装置が形成された表示板のバックライト用の光源部、あるいは一般照明用器具として使用される。
そして、これら照明装置9A,9Bは、コストの低減がはかれた冷陰極蛍光ランプLを用いているので、従来と同等以上の品質性能を維持していながらコストの低減ができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明が適用できる冷陰極放電ランプは、蛍光ランプに限らず希ガス発光形のランプや紫外線放射ランプがあり、ガラス管バルブの材質は、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラスや石英ガラスなどの硬質ガラスからなるものを用いることができる。
また、このバルブ(ランプ)の形状は直管形に限らず、U字形、W字形、環形など屈曲したもの、直管を複数本直列的に接続して成形した形状などでもよく、また、封着部はビードを介して行うものに限らず、封着用線材を直接バルブと封止するガラス管をバーナなどで縮径していく絞り封止や金型を用いた圧潰封止などで形成したものであっても差し支えなく、また、バルブの内面または外面に反射膜、着色膜や保護膜などが形成してあってもよい。
電極部材を構成する封着用線材の材質はモリブデン(Mo)に限らず、タングステン(W)またはこれら金属を主成分とした合金であってもモリブデン(Mo)と同様な作用効果を奏し、線材の選択は用いられるガラス管バルブの熱膨張率や材質あるいは電気的特性に合わせ行うことができる。
上記封着用線材と突き合わせ溶接される有底筒状のカップ状電極や棒(線)状電極などの冷陰極の材質はニッケル(Ni)に限らず、ニオブ(Nb)あるいはこれら金属を主成分とした合金からなるものを用いることもできる。また、冷陰極には、ホウ化ランタン(LaB6)などの易電子放射性物質を付着や充填しておくことによって、放電の生起を容易にして始動特性を高めることができる。
また、上記実施の形態では電極部材を構成する封着用線材の他端側に接続した外部リード線は鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金線で形成したが材質はこれに限らずニッケル(Ni)、鉄(Fe)やニッケル(Ni)−マンガン(Mn)あるいは外表面に銅(Cu)を被覆したニッケル(Ni)や鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金などからなる線材であってもよい。
上記ニッケル(Ni)−マンガン(Mn)合金からなる外部リード線は、モリブデン(Mo)からなる封着用線材との溶接時に材料の融点が大きく異なるため相互溶融せず、ニッケル(Ni)−マンガン(Mn)合金側のみが溶融して封着用線材の表面を包みこむように溶着し、溶接部の接続強度が高められるとともに耐酸化性にも優れる品質の向上した電極構成体を提供できる。また、外表面に銅(Cu)を被覆した線材は、外部リード線をはんだ付けする場合に非常に作業がしやすい。
なお、上記外部リード線は、ガラス管バルブの端部に接合される口金の端子部あるいは照明装置の端子部などと電気的接続がなされるが、このとき上記鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金線などは屈曲や接続が容易にでき作業性もよい利点がある。しかし、本発明ではこのような外部リード線に限らず、端子部との接続が可能であればモリブデン(Mo)などからなる封着用線材を延長して外部リード線とした封着用線材と外部リード線とが一体のものであっても差し支えない。
さらに、本発明に関わる照明装置は、液晶表示装置、液晶テレビや装飾装置などのバックライト用の他、ファクシミリなどの読取用、複写機の露光用あるいは一般照明用の器具や灯具などに装着して使用できるものである。
L:冷陰極蛍光ランプ
1:ガラス管バルブ
11:封着部
4A,4B:電極部材
5:封着用線材
56:溶接部
6A:冷陰極(カップ状電極)
6B:冷陰極(棒(線)状電極)
61:ニッケル層
7:外部リード線
9A,9B:照明装置
1:ガラス管バルブ
11:封着部
4A,4B:電極部材
5:封着用線材
56:溶接部
6A:冷陰極(カップ状電極)
6B:冷陰極(棒(線)状電極)
61:ニッケル層
7:外部リード線
9A,9B:照明装置
Claims (5)
- ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成された冷陰極と;
この冷陰極の端部に溶接により接続されたモリブデン、タングステンまたはこれら金属を主成分とする合金からなる封着用線材と;を具備しており、
封着用線材の金属が冷陰極端部の溶接部分から冷陰極側に拡散していることを特徴とする電極部材。 - 冷陰極が、有底筒状のカップ状電極であり、このカップ状電極の底部内面まで封着用線材の金属が拡散していることを特徴とする請求項1記載の電極部材。
- 封着用線材の他端側には外部リード線が接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の電極部材。
- 硬質ガラス製の管形バルブと;
このバルブの両端にそれぞれ封着用線材部が気密に封着された請求項1ないし3のいずれか一記載の電極部材と;
上記バルブ内に封入された放電媒体と;
を備えていることを特徴とする冷陰極放電ランプ。 - 筐体と;
この筐体に付設された請求項4記載の冷陰極放電ランプと;
この冷陰極放電ランプの点灯回路装置と;
を備えていることを特徴とする照明装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021032516A (ja) * | 2019-08-27 | 2021-03-01 | 株式会社パロマ | コンロバーナの製造方法 |
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2007
- 2007-04-27 JP JP2007119719A patent/JP2008277147A/ja active Pending
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