JP2008277135A - 燃料容器および燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー密度の確保とアルコール燃料の長期保存性の確保とを両立させることが可能な燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料容器22の容器本体221(容器シート221A,221B)は、最内層側から順に、電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料からなる内層と、それよりも低いアルコール透過率を有するバリア層とを含んでいる。フィルム状の容器本体221を用いた場合においても、内層によってアルコール燃料Fの漏れによる損失が抑えられると共に、バリア層によって揮発したアルコール燃料Fの透過による損失も抑えられる。しかも、フィルム状の容器本体221の厚さが薄くて済み、その柔軟性が向上するため、毛管現象による弱い力でも燃料容器22を加圧してアルコール燃料Fを供給可能になる。これにより、単位体積当たりの電力量が向上すると共に、アルコール燃料Fが長期間に渡って保存される。
【選択図】図4

Description

本発明は、フィルム状の外装部材の内部にアルコール燃料を収容する燃料容器およびそれを備えた燃料電池に関する。
現在、電子機器の電源として、多様な一次電池および二次電池が用いられている。これらの電池の特性を評価する指標としては様々な特性値が挙げられるが、中でも、電池の発電効率を示す指標としてはエネルギー密度、すなわち単位質量あるいは単位体積当たりのエネルギー容量が重要である。
近年は電子機器の小型化および高性能化が盛んであり、それに伴って電源の高容量化および高出力化、とりわけ大幅な高容量化の必要性が重視されている。このような情勢の中、従来の一次電池および二次電池では、電子機器を稼働させるために十分なエネルギーを供給することが困難になってきている。このため、エネルギー供給に関する問題を打開する策として、より高いエネルギー密度が得られる電池の開発が急務とされており、その候補の1つとして燃料電池が注目されている。
燃料電池は、電解質を挟んで対向配置された負極(アノード)および正極(カソード)を備えている。この燃料電池では、負極に燃料が供給され、正極に空気あるいは酸素が供給されると、両極において燃料の酸化還元反応が起こるため、化学エネルギーの一部が電気エネルギーに変換されて外部に取り出される。
燃料電池としては、既に様々な種類が提案および試作されており、そのうちの一部は既に実用化されている。それらの燃料電池は、電解質の種類に応じて、アルカリ電解質型燃料電池(AFC:Alkaline Fuel Cell)、リン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell )、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)、あるいは固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell )などに分類される。
固体高分子型燃料電池では、一般に、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜が電解質として採用されている。この固体高分子型燃料電池は、電解質膜を挟んで2つの膜・電極接合体が配置され、それらが2つの燃料供給部により挟持された単位セル(燃料電池セル)を備えている。この膜・電極接合体は、カーボンを主体とする基材に、貴金属系の電極触媒層が接合された負極あるいは正極が設けられたものである。
この場合には、通常、単位セルを単独で用いたのでは取り出せる電圧が0.3V〜0.8V程度で低いため、複数の単位セルを積層させた燃料電池スタックとして用いている。
この種の燃料電池では、負極に水素含有ガスなどの燃料ガスが供給されると、負極の触媒上でイオン化された水素が電解質膜を介して正極へ移動し、その過程で生じた電子は、直流の電気エネルギーとして外部回路に取り出されて利用される。この際、正極に酸素含有ガスあるいは空気が供給されるため、水素イオン、電子および酸素が反応して水が生成される。
ところで、最近では、モバイル用途の電子機器が普及していることから、小型および薄型の燃料電池として、メタノールを直接供給して反応させるダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC:direct methanol fuel cell )が注目されている。この種の燃料電池では、薄型化を図るために、複数の単位セルを平面内において1列あるいは複数列に配列させると共に直列に接続させることにより、それらの単位セルの集合体として平面配列構造体を構築している。
この場合には、複数の単位セルを直列に接続させるために、ポリテトラフルオロエチレンなどからなる絶縁基板(ガスケット)に複数の開口部を設け、各開口部に単位セルを嵌め込んで配列させている。燃料であるメタノールは、液体あるいは気体の状態で負極に供給される。特に、モバイル用途では、燃料容器にメタノールを備蓄しておき、各種ポンプなどを用いて燃料容器から負極にメタノールを供給している。
ところが、燃料容器と共に燃料供給用のポンプまで含めた燃料電池全体の体積を基準にしてエネルギー密度(単位体積当たりのエネルギー容量)を考えると、十分なエネルギー容量を得るためには燃料電池の小型化および薄型化が困難であり、その体積によってはエネルギー密度の観点において従来の一次電池および二次電池に対して優位性があるとは言えなくなる。この結果、モバイル用途で十分なエネルギー密度を有する燃料電池の開発には未だ至っていない。
この問題を解決するために、樹脂フィルムなどの外装部材からなる袋状の燃料容器を採用することが提案されている(例えば、特許文献1〜10参照。)。この種の燃料容器は柔軟で容易に変形可能であり、非力な小型のポンプで燃料供給が可能になるため、エネルギー密度の向上が図られる。
特開2006−049032号公報 特開2006−049113号公報 特許第3764861号明細書 国際公開第03/061047号パンフレット 特開2003−092128号公報 特開2005−532659号公報 特開2005−216817号公報 特開2005−216818号公報 特開2006−049113号公報 特開2006−049032号公報
ただし、上記した袋状の燃料容器を用いた場合には、エネルギー密度の向上が図られる一方で、メタノールの漏れや透過による損失が懸念される。特に、メタノールは揮発性で外装部材を透過しやすいため、漏れおよび透過の相乗効果によりメタノールの備蓄量が経時的に減少しやすい傾向にある。この場合には、燃料容器を搭載した電子機器の内部が通気性に乏しいと、揮発したメタノールが機器内に充満する可能性もある。そこで、外装部材の形成材料としてアルコール透過率が低い材料を用いたり、外装部材の層構成中にアルコールを吸収する層を挿入することが提案されている(例えば、特許文献11〜16参照。)。
特開2005−222845号公報 特開2005−032598号公報 特開2005−029046号公報 特開2006−168808号公報 特開2006−048995号公報 特開2005−222756号公報
しかしながら、従来のモバイル用途の燃料電池では、エネルギー密度を高めるためにフィルム状の外装部材を用いて燃料容器の薄型化および柔軟化を図っているが、アルコール燃料の漏れや透過による損失の問題を解決しきれていないため、エネルギー密度の確保とアルコール燃料の長期保存性の確保とを両立できているとは言えない。
この問題については、揮発したアルコール燃料の透過を抑えるために、外装部材の肉厚を厚くするなどの対策がなされている。ところが、外装部材の肉厚を厚くすると、燃料容器の柔軟性が損なわれて変形しにくくなるため、強力な大型のポンプを用いざるをえなくなり、結局のところ、エネルギー密度の低下を招いてしまう。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、エネルギー密度の確保とアルコール燃料の長期保存性の確保とを両立させることが可能な燃料容器および燃料電池を提供することにある。
本発明による燃料容器は、フィルム状の外装部材の内部にアルコール燃料を収容する燃料容器であって、外装部材が最内層側から順に電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料からなる第1の層とそれよりも低いアルコール透過率を有する第2の層とを含むものである。また、本発明による燃料電池は、アルコール燃料を消費して発電する発電体とフィルム状の外装部材の内部にアルコール燃料を収容する燃料容器とを備えた燃料電池であって、外装部材が最内層側からから順に電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料からなる第1の層とそれよりも低いアルコール透過率を有する第2の層とを含むものである。「最内層側から順に第1および第2の層を含む」とは、その第1の層が最内層であることを意味している。
本発明の燃料容器によれば、フィルム状の外装部材が最内層側から順に電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料からなる第1の層とそれよりも低いアルコール透過率を有する第2の層とを含むようにしたので、そのフィルム状の外装部材を用いた場合においても、第1の層によってアルコール燃料の漏れによる損失が抑えられると共に、第2の層によって揮発したアルコール燃料の透過による損失も抑えられる。しかも、フィルム状の外装部材の厚さが薄くて済み、その柔軟性が向上するため、毛管現象による弱い力でも燃料容器を加圧して外部へアルコール燃料を供給可能になる。これにより、本発明の燃料容器を用いた燃料電池では、単位体積当たりの電力量が向上すると共にアルコール燃料が長期間に渡って保存されるため、エネルギー密度の確保とアルコール燃料の長期保存性の確保とを両立させることができる。
特に、第2の層が樹脂材料からなる場合に、それが電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料を含有していれば、第2の層においてもアルコール燃料の漏れが抑えられるため、より高い効果を得ることができる。また、第2の層が無機物の物理堆積膜あるいは化学体積膜からなれば、アルコール透過率が極めて低くなると共に外装部材の厚さが極めて薄くなるため、より高い効果を得ることができる。この場合には、外装部材が第2の層の外側に第3の層を含んでいれば、その第3の層が保護層として機能するため、第2の層の破損を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る燃料容器を用いた燃料電池の断面構成を表している。また、図2および図3は、図1に示した燃料電池の主要部の断面構成および斜視構成を拡大して表している。図2では、図3に示したII−II線に沿った断面を示している。
この燃料電池は、例えば、モバイル用途の電子機器などに搭載され、アルコール燃料を消費して発電するものである。ここで説明する燃料電池は、例えば、アルコール燃料としてメタノールを用いるダイレクトメタノール型燃料電池である。
具体的には、燃料電池は、例えば、発電機能を担う発電部10と、アルコール燃料Fを保管する燃料保管部20と、その燃料保管部20から発電部10へアルコール燃料Fを供給するポンプ部30とを備えている。これらの発電部10、燃料保管部20およびポンプ部30は、例えば、筐体1の内部に収納されてユニット化されている。
発電部10は、燃料保管部20から供給されるアルコール燃料Fを収容する燃料タンク11と、それを挟むように配置された1組(2つ)の発電構造体12とを有している。この発電部10は、各発電構造体12が燃料タンク11に直結された構造を有しており、双方の発電構造体12は、燃料タンク11の一部(アルコール燃料Fを収容するための外壁の一部)としての機能を担っている。
発電構造体12は、複数の発電体120と、それらを保持する熱可塑性シート126と、各発電体120間を絶縁する絶縁層127とを有している。複数の発電体120は、平面内(同一階層内)に配列されていると共に、直列に接続されているのが好ましい。発電部10の厚さが薄くなって燃料電池が薄型化されるため、エネルギー密度が向上するからである。
発電体120は、対向する一対の面を有する電解質膜121と、その一面側に順に積層された正極122(空気極)および正極集電体123と、その他面側に順に積層された負極124(燃料極)および負極集電体125とを有しており、それらは負極124が燃料タンク11に近い側に位置するように積層されている。この発電体120では、例えば、正極122、正極集電体123、負極124および負極集電体125がほぼ一律な幅を有しているのに対して、電解質膜121が正極122等よりも広い幅を有している。
電解質膜121は、例えば、ポリスルホン酸膜(ナフィオン(登録商標))などにより構成されている。正極122は、例えば、白金ルテニウム合金(PtRu)を担持したカーボンなどにより構成されており、負極124は、例えば、白金を担持したカーボンなどにより構成されている。正極集電体123および負極集電体125は、例えば、金鍍金されたステンレス(SUS:Stainless Used Steel)のパンチングメタルやメッシュなどにより構成されている。
熱可塑性シート126は、例えば、ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体などの樹脂材料により構成されている。この熱可塑性シート126は、例えば、2枚の樹脂シート126A,126Bが熱融着などにより接合されたものであり、各樹脂シート126A,126Bには、発電体120を嵌め込むための複数の開口部126Kが互いに対向するように設けられている。
ここでは、例えば、6つの発電体120が2列×3行に配列されている。これに伴い、各樹脂シート126A,126Bには、発電体120の配置位置に対応して6つの開口部126Kが設けられている。
この場合には、例えば、一方の樹脂シート126Aの各開口部126Kに狭幅の正極122および正極集電体123が嵌め込まれると共に、他方の樹脂シート126Bの各開口部126Kに狭幅の負極124および負極集電体125が嵌め込まれ、それらの樹脂シート126A,126Bにより広幅の電解質膜121が挟まれる。この状態で2枚の樹脂シート126A,126Bが接合されて熱可塑性シート126が形成されるため、それにより6つの発電体120が保持される。これにより、6つの発電体120の集合体である平面配列構造体が構築される。
絶縁層127は、例えば、ポリフェニレンサルファイドあるいはポリエーテルエーテルケトンなどの樹脂材料により構成されており、各発電体120間の隙間に充填されている。
燃料保管部20は、例えば、収納部材であるケース21と、それに収納された燃料容器22と、一端および他端がそれぞれ燃料タンク11および燃料容器22に接続された燃料供給管23とを有している。これらのケース21、燃料容器22および燃料供給管23は、例えば、ユニット化されており、すなわちケース21ごと交換可能なユニット構造(例えばカートリッジ構造)を有しているのが好ましい。発電部10およびポンプ部30から取り外し可能なため、燃料補給時の作業が簡単になるからである。なお、燃料供給管23の内部には、管内遮断用の弁構造が設けられていてもよい。
ケース21は、例えば、ポリカーボネートなどの樹脂材料により構成されている。このケース21は、外力に応じて変形して燃料容器22を加圧可能になっている。
図4は、燃料容器22の平面構成(A)および断面構成(B)を拡大して表しており、(B)では、(A)に示したIVB−IVB線に沿った断面を示している。燃料容器22は、アルコール燃料Fを収容するフィルム状の外装部材である袋状の容器本体221と、それに取り付けられた供給ノズル222とを有している。
供給ノズル222は、例えば、ポリエチレンなどの樹脂材料からなる成型品である。この供給ノズル222の一端は容器本体221の内部に導入され、他端は燃料供給管23に接続されている。
容器本体221は、例えば、2枚の容器シート221A,221Bが互いに重ね合わされ、それらの周縁部同士が熱融着などにより供給ノズル222を挟むように接合された密封構造を有している。図4(A)で網掛けを施した部分は、容器シート221A,221Bが接合された部分(シール部221S)を表している。
容器本体221(容器シート221A,221B)は、最内層側から順に、電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料からなる第1の層である内層と、それよりも低いアルコール透過率を有する第2の層であるバリア層とを含んでいる。この「電気的に陰性の原子」とは、電子を受け取って陰イオンになりやすい原子であり、例えば、窒素原子(N)、酸素原子(O)あるいはハロゲン原子などである。これにより、「電気的に陰性の原子を含まない」とは、アルコールのヒドロキシル基(−OH)と水素結合を形成する官能基や結合を樹脂構造中に有しないという意味である。
アルコール燃料Fに接する最内層である内層が電気的に陰性の原子を含んでいないのは、アルコールとの親和性が低くなる(アルコールのヒドロキシル基と水素結合を形成しにくくなる)ため、内層が化学的に劣化しにくくなると共に、アルコール燃料Fが外部へ漏れにくくなるからである。また、バリア層が内層よりも低いアルコール透過率を有しているのは、揮発したアルコール燃料Fが透過しにくくなるからである。この場合には、内層のアルコール透過率が20g/m2 ・日以下であり、バリア層のアルコール透過率が3g/m2 ・日以下であるのが好ましい。アルコール燃料Fの漏れおよび透過による損失が効果的に抑制されるからである。このバリア層は、容器本体221の柔軟性を確保するために、数μm〜数十μm程度の厚さで上記した範囲のアルコール透過率を有しているのが好ましい。
この容器本体221では、内層が熱可塑性樹脂を含有し、バリア層が内層よりも高い融点を有しているのが好ましい。熱収縮して容器本体221の外形が崩れることを抑えつつ、容器シート221A,221Bを熱融着可能になるからである。この場合には、例えば、内層の融点が160℃以下であり、バリア層の融点が160℃よりも高くなっていればよい。ただし、両者の融点が近すぎると、熱融着時にバリア層が熱的に変形する可能性があるため、バリア層の融点は内層の融点よりも十分に高くなっているのが好ましい。このバリア層は、内層と同様に、電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料を含有しているのが好ましい。内層が破損等した場合においても、アルコール燃料Fが外部へ漏れにくくなるからである。なお、バリア層が樹脂材料を含有している場合には、その樹脂材料は密な分子構造を有しているのが好ましい。より高い効果が得られるからである。
特に、容器本体221の厚さ(内層およびバリア層を含む総厚)は、100μm以下であるのが好ましい。また、容器本体221を15mm幅の短冊状にカットして曲率半径が0.1mmとなるように折り曲げるために要する荷重は、100mN以下であるのが好ましく、80mN以下であるのがより好ましい。毛管現象による微小な力でも変形し得るだけの柔軟性が得られるため、燃料容器22を加圧してアルコール燃料Fを燃料タンク11へ供給しやすくなるからである。また、強力で大型のポンプを用いずに非力で小型のポンプを用いてアルコール燃料Fを供給可能になるため、エネルギー密度が向上するからである。
容器本体221は、さらに、バリア層の外側に、内層よりも高い融点を有する樹脂材料からなる第3の層として外層を含んでいてもよい。この外層を含んでいれば、熱融着時に容器本体221の外形崩れがより抑えられるからである。この外層は、内層およびバリア層よりも高いフィルム強度を有しているのが好ましい。容器本体221全体の強度が高くなるため、その物理的耐久性が向上するからである。これにより、製袋時などにおいて外力が加わっても容器本体221が破損等しにくくなる。
上記した容器本体221を構成する内層、バリア層あるいは外層は、他の層に塗布形成されて一体形成されていてもよいし、他の層とは別体形成されていてもよい。後者の場合には、容器本体221が各層間の少なくとも一部において接着層を介して貼り合わされていてもよい。
なお、容器本体221の総層数や、各層の層数や、各層の位置関係(積層順)などは、任意に設定可能である。もちろん、内層および外層は、各層ごとに説明した樹脂材料以外の他の樹脂材料などを含有していてもよい。
ここで、図5を参照して、容器本体221の層構成の一例について説明する。図5は、図4(B)に示した容器本体221(容器シート221A,221B)の断面構成を模式的に表している。図5では、(A)〜(E)として5種類の層構成を示しており、いずれの層構成においても最下層が最内層である。
第1の層構成として、図5(A)に示した容器本体221は、最内層側から順に、内層2211と、バリア層2212とが積層された2層構成を有している。
内層2211は、例えば、電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料として、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:Linear Low Density Polyethylene )および無延伸ポリプロピレン(CPP:Casting Polypropylene )からなる群のうちの少なくとも1種などを含有している。
バリア層2212は、例えば、樹脂材料からなり、内層2211の一面に塗布されて一体形成されている。このバリア層2212は、例えば、ポリ塩化ビニリデン(PVDC:Poly Vinylidene Chloride)などを含有している。
第2の層構成として、図5(B)に示した容器本体221は、最内層側から順に、内層2211と、接着層2213と、他のバリア層2214とが積層された3層構成を有している。この場合には、内層2211とバリア層2214とが接着層2213を介して貼り合わされている。
バリア層2214は、例えば、樹脂材料からなり、高密度ポリエチレン(HDPE:High Density Polyethylene )、延伸ポリプロピレン(OPP:Oriented Polypropylene)、ポリアクリロニトリル(PAN:Polyacrylironitrile )、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:Polytetrafluoroethylene )、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE:Polychlorotrifluoroethylene )およびポリフェニレンエーテル(PPhE:Polyphenireneether)からなる群のうちの少なくとも1種を含有している。中でも、電気的に陰性の原子を含む官能基としてニトリル基(−R−CN)を有しているポリアクリルニトリル以外の樹脂材料が好ましい。ただし、ニトリル基がアルコールのヒドロキシル基と水素結合を形成する傾向は弱いため、ポリアクリルニトリルも実用的に用いることが可能である。
接着層2213は、例えば、ポリウレタン(PU:Polyurethane)系、アクリル(Ac:Acrylic )系、ポリエステル(PO:Polyester )系、ポリスチレン(PS:Polysuthylene)系、あるいはポリオレフィン(PO:Polyolefine )系からなる群のうちの少なくとも1種の接着剤を含有している。このポリウレタン系の接着剤とは、ポリウレタンを主剤として含む接着剤の総称であり、このことは他の系の接着剤についても同様である。中でも、ポリスチレン系あるいはポリオレフィン系の接着剤が好ましい。アルコール燃料Fの漏れや透過がより抑制されるからである。この接着剤は、2液硬化型であるのが好ましい。接着層2213を安価かつ簡単に形成可能だからである。また、接着層2213の厚さは、できるだけ均一であるのが好ましい。燃料容器22の平坦化に応じて燃料電池の平坦性が高くなるため、エネルギー密度が向上するからである。なお、接着剤の分子量などは、任意に設定可能である。
2液硬化型の接着剤を用いる場合には、例えば、以下の手順により内層2211とバリア層2214とを貼り合わせることが可能である。まず、上記した主剤を溶剤に溶解させたのち、使用直前に所定量の硬化剤を混合させる。続いて、内層2211あるいはバリア層2214の一面に塗布したのち、乾燥機を通過させて溶剤を揮発させることにより、均一な厚さとなるように接着層2213を形成する。続いて、接着層2213を挟むように内層2211とバリア層2214とを重ね合わせたのち、ローラを用いて内層2211とバリア層2214とを接着層2213を介して貼り合わせる。最後に、接着剤の接着条件に適した所定の温度下で数日間(例えば5日間〜7日間)に渡って放置することにより、硬化反応を完了させる。
第3の層構成として、図5(C)に示した容器本体221は、最内層側から順に、内層2211と、さらに他のバリア層2215とが積層された2層構成を有している。
バリア層2215は、例えば、無機物の物理堆積膜あるいは化学堆積膜からなり、内層2211の一面上に直接堆積されて一体形成されている。この物理堆積膜とは、真空蒸着法などの物理堆積法により形成された膜であり、一方、化学堆積膜とは、化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition )法などの化学堆積法により形成された膜である。これらの無機物の膜は、厚さが薄くても極めて低いアルコール透過率が得られ、特に上記した樹脂材料よりも低くなるので好ましい。このバリア層2215は、例えば、蒸着膜からなり、酸化アルミニウム、アルミニウム、酸化ケイ素および炭素からなる群のうちの少なくとも1種を含有している。なお、バリア層2215の厚さは、できるだけ薄いのが好ましい。低いアルコール透過率を維持したまま、柔軟性が向上するからである。この場合には、バリア層2215の厚さが厚くなると柔軟性が極端に低下する傾向にあるため、その厚さは1.5μm以下であるのが好ましい。
第4の層構成として、図5(D)に示した容器本体221は、最内層側から順に、内層2211と、接着層2213と、バリア層2215と、外層2216とが積層された4層構成を有している。この場合には、バリア層2215が外層2216と一体形成されており、内層2211とバリア層2215とが接着層2213を介して貼り合わされている。
外層2216は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリエチレン(OPE:Oriented Polyethylene )、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethyleneterephthalate )、ポリブチレンテレフタレート(PBT:Polybuchireneterephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethylenenaphthalete )、あるいはナイロン(Ny:Nylon )からなる群のうちの少なくとも1種を含有している。中でも、高密度ポリエチレンあるいは延伸ポリプロピレンが好ましい。アルコールとの親和性が低いからである。また、密な分子構造を有するため、アルコール燃料Fの漏れや透過が抑えられると共に強度が向上するからである。
無機物の膜からなる薄いバリア層2215を含む場合には、それが最上層になると外力の影響を受けて破損しやすいため、バリア層2215の外側に保護層として外層2216が設けられているのが好ましい。この外力の影響を受ける場合とは、例えば、2枚の容器シート221A,221Bを折り曲げたり熱融着して製袋することにより容器本体221を形成する場合や、アルコール燃料Fを供給する際に容器本体221が変形する場合や、その変形時に容器本体221がケース21の内壁とこすれる場合などが挙げられる。
第5の層構成として、図5(E)に示した容器本体221は、最内層側から順に、内層2211と、バリア層2215と、接着層2213と、バリア層2215と、外層2216とが積層された5層構成を有している。この場合には、2つのバリア層2215がそれぞれ内層2211および外層2216と一体形成されており、それらのバリア層2215が接着層2213を介して貼り合わされている。この容器本体221では、アルコール透過率が極めて低い無機物の膜からなるバリア層2215を2層有しているため、アルコール燃料Fの漏れや透過がより抑えられる。
この場合には、特に、以下の点においても利点が得られる。すなわち、無機物の膜からなるバリア層2215を設ける場合には、その無機物を堆積させるための下地が必要となる。この場合には、外層2216を設けると、内層2211および外層2216の双方を下地として用いることが可能になる。これにより、2つのバリア層2215間で形成材料を異ならせることが可能になるため、バリア層2215の形成材料に関する自由度が広がる。
なお、ここでは容器本体221の層構成として図5(A)〜(E)を参照しながら5種類の層構成を説明したが、その容器本体221の層構成が上記した5種類に限られないことは言うまでもない。
ポンプ部30は、例えば、燃料保管部20から発電部10へアルコール燃料Fを供給するために、燃料容器22を力学的に加圧するものである。このポンプ部30は、例えば、発電部10と燃料保管部20との間に配置されており、板状ポンプ31と、それを駆動させる駆動回路32とを有している。
板状ポンプ31は、例えば、圧電素子からなり、曲げ変形(湾曲)してケース21の一面を押圧するようになっている。駆動回路32は、板状ポンプ31の変形状態を制御するものであり、IC(Integrated Circuit)回路などからなる。この駆動回路32は、例えば、燃料タンク11内に収容されているアルコール燃料Fの残量に応じて、板状ポンプ31による加圧状態を制御するようになっている。
なお、燃料電池は、図1〜図5を参照して説明した一連の構成要素以外の他の構成要素を備えていてもよい。
この燃料電池では、駆動回路32が板状ポンプ31を駆動させることによりケース21を介して燃料容器22を加圧すると、その燃料容器22から燃料タンク11へ燃料供給管23を通じてアルコール燃料Fが供給される。これにより、各発電体120では、負極124にアルコール燃料Fが供給されると共に、正極122に空気(酸素)が供給される。この場合には、負極124においてアルコールおよび水から水素イオンが生成され、その水素イオンが電解質膜121を通過して正極122へ移動して酸素と反応する。これにより、負極124から正極122へ電子が流れるため、燃料電池が発電する。この場合には、負極124において二酸化炭素が生成されると共に、正極122において水が生成される。
上記した燃料電池では、燃料容器22の容器本体221が最内層側からから順に電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料からなる内層2211とそれよりも低いアルコール透過率を有するバリア層2212,2214,2215とを含んでいる。この場合には、フィルム状の容器本体221(容器シート221A,221B)を用いた場合においても、内層2211によってアルコール燃料Fの漏れによる損失が抑えられると共に、バリア層2212,2214,2215によって揮発したアルコール燃料Fの透過による損失も抑えられる。しかも、アルコール燃料Fの損失を抑えるためにフィルム状の容器本体221の厚さが100μm以下まで薄くて済み、その柔軟性が向上するため、圧電素子からなる非力で小型のポンプにより燃料容器22を加圧して燃料タンク11へアルコール燃料Fを供給可能になり、特に毛管現象による弱い力でも供給可能になる。したがって、単位体積当たりの電力量が向上すると共に、アルコール燃料Fが長期間に渡って保存されるため、エネルギー密度の確保とアルコール燃料の長期保存性の確保とを両立させることができる。
特に、容器本体221が樹脂材料からなるバリア層2212,2214を含む場合に、それらが電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料を含有していれば、バリア層2212,2214においてもアルコール燃料Fの漏れが抑えられるため、より高い効果を得ることができる。
また、容器本体221が無機物の物理堆積膜あるいは化学堆積膜からなるバリア層2215を含んでいれば、そのアルコール透過率が極めて低くなると共に厚さが薄くて済むため、著しく高い効果を得ることができる。この場合には、複数のバリア層2215を設ければ、さらに高い効果を得ることができる。
また、容器本体221が上記したバリア層2215を含む場合に、その外側にさらに外層2216を含んでいれば、バリア層2215の破損を防止することができる。
なお、燃料容器22は、図4に示した構成に限られず、例えば、図4に対応する図6および図7に示した他の構成を有していてもよい。図6および図7の(B)は、それぞれ(A)に示したVIB−VIB線およびVIIB−VIIB線に沿った断面を示している。
図6に示した容器本体221は、1枚の容器シート221Cが円筒状となるように丸められ、その一端部同士が接合されると共に開口部における端縁部同士が接合された密封構造を有している。この場合には、図4に示した場合と比較して、シール部221Sの範囲が狭くなる分だけ内容積が増加するため、アルコール燃料Fの収容量を増加させることができる。
図7に示した容器本体212は、4枚の容器シート221D〜221Gが全体として直方体状となるように配置され、それらの一端部同士が接合されると共に開口部における端縁部同士が接合された密封構造を有している。この場合には、図5に示した場合と比較して、容器シート221F,221Gを設けた分だけ内容積が増加するため、アルコール燃料Fの収容量をさらに増加させることができる。
また、ポンプ部30は、力学的に燃料容器22を変形させて発電部10へアルコール燃料Fを供給する機構に限られず、他の機構を有していてもよい。この他の機構としては、例えば、燃料供給管23に併設された輸液ポンプを用いてアルコール燃料Fを機械的に供給する機構や、燃料タンク11に収容されているアルコール燃料Fの消費に応じて毛管現象により燃料容器22内からアルコール燃料Fを吸い上げる機構などが挙げられる。中でも、ポンプ部30が後者の機構を有していれば、燃料電池が大幅に薄型化されるため、エネルギー密度を著しく向上させることができる。上記した燃料電池では、容器本体221の柔軟性が十分に得られるため、毛管現象による弱い力でもアルコール燃料Fを供給可能なのである。
次に、本発明の実施例について詳細に説明する。
燃料容器および燃料電池の諸性能を調べるために、以下の一連の燃料容器および燃料電池を作製した。この際、燃料容器が図4に示した密封構造となるようにした。
(実施例1−1,1−2)
まず、容器本体221が図5(A)に示した2層構成となるように燃料容器22を作製した。この場合には、まず、シート状の樹脂材料からなる内層2211(50μm厚)を準備した。この際、樹脂材料として、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:実施例1−1)あるいは無延伸ポリプロピレン(CPP:実施例1−2)を用いた。続いて、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)を溶剤に溶解させた溶液を内層2211の一面に塗布したのち、オーブン内で溶剤を揮発させてバリア層2212(5μm厚)を形成した。続いて、バリア層2212が形成された内層2211を40mm×50mmの大きさにカットして2枚の容器シート221A,221Bを得た。続いて、供給ノズル222を挟みながら内層2211が内側となるように2枚の容器シート221A,221Bを重ね合わせたのち、一辺を除く三辺の周縁部同士を熱融着して袋状にした。この際、シール部221Sの幅を5mmとした。最後に、袋の中にアルコール燃料Fとして80重量%メタノール水溶液を8cm3 注入したのち、脱気しながら供給ノズル222を挟むように残りの一辺の周縁部同士を熱融着して容器本体221を形成し、燃料容器22を得た。この容器シート221の総厚は、55μmである。こののち、ポリカーボネートからなる直方体状のケース21内に燃料容器22を収納し、その燃料容器22に燃料供給管23を接続させた。
次に、燃料容器22を用いて図1〜図3に示した燃料電池を作製した。この場合には、まず、ポリスルホン酸膜からなる電解質膜121を準備したのち、その一面に正極122および正極集電体123を順に形成すると共に、その他面に負極124および負極集電体125を形成し、6つの発電体120を作製した。続いて、6つの開口部126Kが設けられたポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなる2枚の樹脂シート126A,126Bを準備したのち、樹脂シート126Aの開口部126Kに正極122および正極集電体123を嵌め込むと共に、樹脂シート126Bの開口部126Kに負極124および負極集電体125を嵌め込み、それらの樹脂シート126A,126Bで電解質膜121を挟んだ。続いて、樹脂シート126A,126Bを熱融着して熱可塑性シート126を形成した。この際、6つの発電体120を直列に接続させた。続いて、各発電体120間の隙間にポリエーテルエーテルケトンからなる絶縁層127を埋設し、1組の発電構造体12を形成した。続いて、燃料タンク11を挟むように発電構造体12を対向させて発電部12を形成した。この際、負極124同士が互いに対向するようにした。続いて、筐体1の内部に、発電部12と、燃料容器22が収納されたケース21(燃料保管部20)と、小型ポンプとして圧電素子からなる板状ポンプ31および駆動回路32(ポンプ部30)とを収納し、燃料供給管23を燃料タンク11および燃料容器22に接続させた。これにより、燃料電池が完成した。
(実施例2−1〜2−7)
容器本体221が図5(B)に示した3層構成となるようにしたことを除き、実施例1−1,1−2と同様の手順を経た。この容器本体221を形成する場合には、まず、シート状のLLDPEからなる内層2211(50μm厚)を準備すると共に、シート状の樹脂材料からなるバリア層2214(15μm厚)を準備した。この際、樹脂材料として、高密度ポリエチレン(HDPE:実施例2−1)、延伸ポリプロピレン(OPP:実施例2−2)、ポリアクリロニトリル(PAN:実施例2−3)、PVDC(実施例2−4)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:実施例2−5)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE:実施例2−6)、あるいはポリフェニレンエーテル(PPhE:実施例2−7)を用いた。続いて、2液硬化型のポリスチレン(PS)系の接着剤を内層2211の一面に塗布して乾燥させることにより、接着層2213(4μm厚)を形成した。最後に、内層2211とバリア層2214とを接着層2213を介して貼り合わせた。この容器本体221の総厚は、69μmである。
(実施例3−1〜3−4)
容器本体221が図5(C)に示した2層構成となるようにしたことを除き、実施例1−1,1−2と同様の手順を経た。この容器本体221を形成する場合には、シート状のLLDPEからなる内層2211(50μm厚)を準備したのち、真空蒸着法により内層2211の一面に無機物の蒸着膜からなるバリア層2215(1μm厚)を形成した。この際、無機物として、酸化アルミニウム(Al2 3 :実施例3−1)、アルミニウム(Al:実施例3−2)、酸化ケイ素(SiO2 :実施例3−3)、あるいは炭素(C:実施例3−4)を用いた。この容器本体221の総厚は、51μmである。
(実施例4−1〜4−7)
容器本体221が図5(D)に示した4層構成となるようにしたことを除き、実施例1−1,1−2と同様の手順を経た。この容器本体221を形成する場合には、まず、シート状のLLDPEからなる内層2211(50μm厚)を準備すると共に、シート状の樹脂材料からなる外層2216(25μm厚)を準備した。この際、樹脂材料として、高密度ポリエチレン(HDPE:実施例4−1)、OPE(実施例4−2)、OPP(実施例4−3)、ポリエチレンテレフタレート(PET:実施例4−4)、ポリブチレンテレフタレート(PBT:実施例4−5)、ポリエチレンナフタレート(PEN:実施例4−6)、あるいはナイロン(Ny:実施例4−7)を用いた。続いて、真空蒸着法により外層2216の一面にAl2 3 の蒸着膜からなるバリア層2215(1μm厚)を形成した。続いて、2液硬化型のPS系の接着剤を内層2211の一面に塗布して乾燥させることにより、接着層2213(4μm厚)を形成した。最後に、内層2211とバリア層2215が形成された外層2216とを接着層2213を介して貼り合わせた。この容器本体221の総厚は、80μmである。
(実施例5)
容器本体221が図5(E)に示した5層構成となるようにしたことを除き、実施例1−1,1−2と同様の手順を経た。この容器本体221を形成する場合には、まず、シート状のLLDPEからなる内層2211(50μm厚)を準備すると共に、シート状のNyからなる外層2216(25μm厚)を準備した。続いて、真空蒸着法により内層2211の一面にAl2 3 の蒸着膜からなるバリア層2215(1μm厚)を形成すると共に、同様に外層2216の一面にバリア層2215を形成した。続いて、内層2211に形成されたバリア層2215の一面に2液硬化型のPS系の接着剤を塗布して乾燥させることにより、接着層2213(4μm)を形成した。最後に、バリア層2215が形成された内層2211とバリア層2215が形成された外層2216とを接着層2213を介して貼り合わせた。この容器本体221の総厚は、81μmである。
(実施例6−1〜6−4)
PS系の接着剤に代えて、ポリオレフィン(PO)系の接着剤(実施例6−1)、ポリエステル(PEs)系の接着剤(実施例6−2)、アクリル(Ac)系の接着剤(実施例6−3)、あるいはポリウレタン(PU:実施例6−4)系の接着剤を用いて容器本体221を形成したことを除き、実施例4−7と同様の手順を経た。この容器本体221の総厚は、80μmである。
(比較例1)
容器本体が内層および外層だけを含む2層構成となるようにしたことを除き、実施例1−1,1−2と同様の手順を経た。この容器本体を形成する場合には、まず、シート状のLLDPEからなる内層(50μm厚)を準備すると共に、シート状のNyからなる外層(25μm厚)を準備した。続いて、2液硬化型のPS系の接着剤を内層の一面に塗布して乾燥させることにより、接着層(4μm厚)を形成した。最後に、内層と外装とを接着層を介して貼り合わせた。この容器本体の総厚は、79μmである。
(比較例2)
実施例1の内層2211およびバリア層2212の内側に最内層としてシート状のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA:Ethylene Vinyl Acetate)からなる内内層(50μm厚)を設け、容器本体が3層構成となるようにしたことを除き、実施例1−1,1−2と同様の手順を経た。
(比較例3)
容器本体がブロー成型されたシート状のLLDPE(300μm厚)からなる単層となるようにしたと共に、圧電素子からなる小型のポンプに代えて大型のポンプを用いたことを除き、実施例1−1,1−2と同様の手順を経た。この大型のポンプとしては、ケース内を密閉し、そのケース内に空気を供給することで燃料容器を加圧可能にした。
(比較例4)
大型のポンプに代えて、毛管現象により燃料容器から燃料タンクへアルコール燃料を吸い上げる毛管ポンプを用いたことを除き、比較例3と同様の手順を経た。
これらの一連の実施例および比較例について、燃料容器の長期保存性、アルコール透過性および柔軟性を調べたと共に、燃料電池のエネルギー密度を調べたところ、表1〜表4に示した結果が得られた。
燃料容器の長期保存性を調べる際には、燃料容器が収納されたケースを45℃の環境中に放置し、メタノール水溶液の残量が初期量(保存前の量)の80%を下回るまでに要する日数(保存日数:日)を調べた。また、燃料容器のアルコール透過性を調べる際には、容器本体の各層ごとおよび主要な層の組み合わせごとにメタノール水溶液の透過率(アルコール透過率:g/m2 ・日)を測定した。この際、無機物の蒸着膜からなるバリア層については、それ単独のアルコール透過率を測定することが困難であるため、バリア層を内層に設けた状態でアルコール透過率を測定した。さらに、燃料容器の柔軟性を調べる際には、容器本体を15mm幅の短冊状にカットしたのち、それを曲率半径が0.1mmとなるように折り曲げるために要する荷重(折り曲げ荷重:mN)を調べた。なお、表3および表4では、容器本体の層構成として主要な層だけを示しており、接着層を省略している。
一方、燃料電池のエネルギー密度を調べる際には、燃料電池全体の体積を調べると共に、200mWの定電力で発電させて電力量を測定したのち、単位体積当たりの電力量(発電容量:Wh/dm3 )を求めた。
Figure 2008277135
Figure 2008277135
Figure 2008277135
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表1および表2に示したように、容器本体が最内層として内層を有すると共にその外側にバリア層を有する実施例1−1〜1−2,2−1〜2−7,3−1〜3−4,4−1〜4−7,5,6−1〜6−4では、容器本体が上記した層構成を有しない比較例1〜4よりも保存日数が長くなり、しかも600Wh/dm3 程度の高い発電容量が得られた。
詳細には、容器本体がLLDPE等からなる内層とそれに塗布形成されたPVDCからなるバリア層とを含む実施例1−1,1−2では、保存日数が455日〜617日に達し、発電容量が586Wh/dm3 〜591Wh/dm3 に至った。また、容器本体がLLDPEからなる内層とOPE等からなるバリア層とを含み、それらがPS系の接着層を介して貼り合わされた実施例2−1〜2−7では、保存日数が376日〜2年超に達し、発電容量が582Wh/dm3 〜588Wh/dm3 に至った。この場合には、バリア層がPVDC、PTFE、PCTFEあるいはPPhEからなる場合に保存日数がほぼ2年に達し、その保存日数が極めて長くなる傾向を示した。さらに、容器本体がLLDPE等からなる内層とそれに蒸着形成されたAl2 3 等からなるバリア層とを含む実施例3−1〜3−4では、保存日数が389日〜408日に達し、発電容量が600Wh/dm3 〜603Wh/dm3 に至った。
容器本体がLLDPE等からなる内層とAl2 3 等からなるバリア層が蒸着形成されたHDPE等からなる外層とを含み、それらがPS系の接着層を介して貼り合わされた実施例4−1〜4−7では、保存日数が505日〜709日に達し、発電容量が582Wh/dm3 〜585Wh/dm3 に至った。また、容器本体がAl2 3 等からなるバリア層が蒸着形成されたLLDPEからなる内層と同様にバリア層が形成されたNyからなる外層とを含み、それらがPS系の接着層を介して貼り合わされた実施例5では、保存日数が2年超に達し、発電容量が586Wh/dm3 に至った。さらに、容器本体がLLDPE等からなる内層とAl2 3 等からなるバリア層が蒸着形成された外層とを含み、それらがPO系等の接着層を介して貼り合わされた実施例6−1〜6−4では、保存日数が420日〜586日に達し、発電容量が581Wh/dm3 〜583Wh/dm3 に至った。この場合には、接着剤の種類が異なる実施例4−7,6−1〜6−4を比較すると、接着剤がポリスチレン系あるいはポリオレフィン系である場合に保存日数が500日を超え、その保存日数がより長くなる傾向を示した。
これに対して、容器本体がLLDPEからなる内層とNyからなる外層とを含み、それらがPU系の接着層を介して貼り合わされた比較例1では、発電容量が582Wh/dm3 に達したが、バリア層を含んでいないことに起因して保存日数が29日に激減した。また、容器本体が実施例1−1の内層およびバリア層に加えて最内層としてEVAからなる内内層を含む比較例2では、発電容量が593Wh/dm3 に達したが、最内層が内層でないことに起因して保存日数が30日に激減した。この場合には、最内層のEVAがアルコール親和性の高いカルボニル基(=C=O)を有しているため、メタノール水溶液が漏れてしまった。このメタノール水溶液は、容器シート間の接合界面から漏れたり、揮発して燃料容器を透過したものと推測される。さらに、容器本体が厚手のLLDPEの単層からなる比較例3では、厚さを300μmまで厚くしたにもかかわらずにバリア層を含んでいないことに起因して保存日数が311日に留まり、しかも大型ポンプの占有容積が大きいことに起因して発電容量が334Wh/dm3 に留まった。加えて、容器本体が比較例3と同様のLLDPEからなる比較例4では、やはり保存日数が321日に留まり、しかも燃料容器の柔軟性が乏しくて毛管ポンプで燃料供給しにくいことに起因して発電容量が20Wh/dm3 に激減した。
ここで、表3および表4に示したように、実施例1−1,1−2,2−1〜2−7,3−1〜3−4,4−1〜4−7,5では、容器本体のアルコール透過率が低いと共に、その折り曲げ荷重が小さいことが確認された。
詳細には、HDPE等からなるバリア層のアルコール透過率はLLDPE等からなる内層のアルコール透過率よりも低くなり、バリア層および内層のアルコール透過率はそれぞれ3g/m2 ・日以下および20g/m2 ・日以下であった。この場合には、実施例1−1の層構成に着目すると、LLDPEからなる内層だけのアルコール透過率は20g/m2 ・日であったが、それにPVDCからなるバリア層を設けるとアルコール透過率が0.7g/m2 ・日まで激減した。この傾向は、実施例1−2においても同様に見られた。特に、アルコール透過率は、容器本体がAl2 3 等の蒸着膜からなるバリア層を含む場合に著しく低くなる傾向を示した。
また、折り曲げ荷重は、内層およびバリア層の形成材料によらずに一律100mN以下であり、厳密には80mN以下であった。特に、折り曲げ荷重は、容器本体がAl2 3 等の薄い蒸着膜からなるバリア層を含む場合に著しく小さくなる傾向を示した。
なお、PET等からなる外層のアルコール透過率は100g/m2 ・日超であったが、その外層を含む場合においても折り曲げ荷重は100mN以下に留まった。外層のアルコール透過率が100g/m2 ・日超であっても、それよりも内側にあるバリア層のアルコール透過率が十分に低ければ、外層のアルコール透過率が燃料容器のアルコール透過性に悪影響を及ぼさないことは言うまでもない。
これに対して、比較例2では、EVAからなる内内層が高いアルコール親和性を有するため、そのアルコール透過率は6000g/m2 ・日まで達した。また、比較例3,4では、内層が厚手のLLDPEであることからアルコール透過率が3g/m2 ・日に抑えられたが、容器本体が厚すぎて柔軟性に乏しいことに起因して折り曲げ荷重が365mNまで達した。
これらのことから、本発明の燃料容器およびそれを用いた燃料電池では、容器本体が最内層側から順に電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料からなる内層とそれよりも低いアルコール透過率を有するバリア層とを含むことにより、高い発電容量が維持されつつ保存日数が長くなるため、エネルギー密度が確保されると共にアルコール燃料の長期保存性も確保されることが確認された。特に、燃料容器のアルコール透過性および柔軟性を向上させてエネルギー密度をより高めるためには、容器本体が無機物の膜からなるバリア層を含むのが好ましい。
なお、ここでは具体的な結果を示していないが、真空蒸着法により無機物の物理堆積膜(蒸着膜)からなるバリア層を形成する代わりに、CVD法により無機物の化学堆積膜からなるバリア層を形成した場合についても同様に燃料容器および燃料電池の諸性能を調べたところ、同様の結果が得られた。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記した実施の形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、図1では、ポンプ部30を発電部10と燃料保管部20との間に配置したが、そのポンプ部30の位置はアルコール燃料の供給機構などの条件に応じて変更可能である。一例を挙げれば、燃料保管部20上に発電部10およびポンプ部30を並列配置してもよい。この場合には、燃料電池の薄型化が図られるため、エネルギー密度をより向上させることができる。
また、上記した実施の形態および実施例では、アルコール燃料としてメタノールを用いる場合について説明したが、エタノールなどの他のアルコールを用いてもよい。この場合においても、同様の効果を得ることができる。
また、上記した実施の形態および実施例では、本発明の燃料容器あるいは燃料電池における第1および第2の層のアルコール透過率について、実施例の結果から導き出された数値範囲を適正範囲として説明しているが、その説明は、アルコール透過率が上記した範囲外となる可能性を完全に否定するものではない。すなわち、上記した適正範囲は、あくまで本発明の効果を得る上で特に好ましい範囲であり、本発明の効果が得られるのであれば、アルコール透過率が上記した範囲から多少外れてもよい。このことは、上記したアルコール透過率に限らず、外装部材の折り曲げ荷重などについても同様である。
本発明の一実施の形態に係る燃料容器を用いた燃料電池の構成を表す断面図である。 図1に示した燃料電池の主要部の構成を拡大して表す断面図である。 図1に示した燃料電池の主要部の他の構成を拡大して表す斜視図である。 燃料容器の構成を拡大して表す平面図および断面図である。 容器本体の層構成を模式的に表す断面図である。 燃料容器の他の構成を拡大して表す平面図および断面図である。 燃料容器のさらに他の構成を拡大して表す平面図および断面図である。
符号の説明
1…筐体、10…発電部、11…燃料タンク、12…発電構造体、20…燃料保管部、21…ケース、22…燃料容器、23…燃料供給管、30…ポンプ部、31…板状ポンプ、32…駆動回路、120…発電体、121…電解質膜、122…正極、123…正極集電体、124…負極、125…負極集電体、126…熱可塑性シート、126A,126B…樹脂シート、126K…開口部、127…絶縁層、221…容器本体、221A〜221G…容器シート、221S…シール部、222…供給ノズル、2211…内層、2212,2214,2215…バリア層、2213…接着層、2216…外層、F…アルコール燃料。

Claims (39)

  1. フィルム状の外装部材の内部にアルコール燃料を収容する燃料容器であって、
    前記外装部材は、最内層側から順に、電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料からなる第1の層と、それよりも低いアルコール透過率を有する第2の層とを含む
    ことを特徴とする燃料容器。
  2. 前記第1の層は熱可塑性樹脂を含有し、前記第2の層は前記第1の層よりも高い融点を有することを特徴とする請求項1記載の燃料容器。
  3. 前記第1の層は、鎖状低密度ポリエチレンおよび無延伸ポリプロピレンからなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載の燃料容器。
  4. 前記第2の層は、樹脂材料からなることを特徴とする請求項1記載の燃料容器。
  5. 前記第2の層は、前記第1の層に塗布されて一体形成されていることを特徴とする請求項4記載の燃料容器。
  6. 前記第2の層は、ポリ塩化ビニリデンを含有することを特徴とする請求項5記載の燃料容器。
  7. 前記第2の層は、前記第1の層とは別体形成されていることを特徴とする請求項4記載の燃料容器。
  8. 前記第2の層は、高密度ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレンおよびポリフェニレンエーテルからなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項7記載の燃料容器。
  9. 前記第2の層は、電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料を含有することを特徴とする請求項4記載の燃料容器。
  10. 前記第2の層は、無機物の物理堆積膜あるいは化学堆積膜からなることを特徴とする請求項1記載の燃料容器。
  11. 前記第2の層は、蒸着膜からなることを特徴とする請求項10記載の燃料容器。
  12. 前記第2の層は、酸化アルミニウム(Al2 3 )、アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(SiO2 )および炭素(C)からなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項10記載の燃料容器。
  13. 前記第2の層の厚さは、1.5μm以下であることを特徴とする請求項10記載の燃料容器。
  14. 前記外装部材は、さらに、前記第2の層の外側に、前記第1の層よりも高い融点を有する樹脂材料からなる第3の層を含むことを特徴とする請求項10記載の燃料容器。
  15. 前記第3の層は、高密度ポリエチレン、延伸ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびナイロンからなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項14記載の燃料容器。
  16. 前記外装部材は、各層間の少なくとも一部において接着層を介して貼り合わされていることを特徴とする請求項1記載の燃料容器。
  17. 前記接着層は、ポリウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリスチレン系およびポリオレフィン系からなる群のうちの少なくとも1種の接着剤を含有することを特徴とする請求項16記載の燃料容器。
  18. 前記第1の層のアルコール透過率は20g/m2 ・日以下であり、前記第2の層のアルコール透過率は3g/m2 ・日以下であることを特徴とする請求項1記載の燃料容器。
  19. 前記外装部材を15mm幅の短冊状にして曲率半径が0.1mmとなるように折り曲げるために要する荷重は、100mN以下であることを特徴とする請求項1記載の燃料容器。
  20. アルコール燃料を消費して発電する発電体と、フィルム状の外装部材の内部に前記アルコール燃料を収容する燃料容器とを備えた燃料電池であって、
    前記外装部材は、最内層側からから順に、電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料からなる第1の層と、それよりも低いアルコール透過率を有する第2の層とを含む
    ことを特徴とする燃料電池。
  21. 前記第1の層は熱可塑性樹脂を含有し、前記第2の層は前記第1の層よりも高い融点を有することを特徴とする請求項20記載の燃料電池。
  22. 前記第1の層は、鎖状低密度ポリエチレンおよび無延伸ポリプロピレンからなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項20記載の燃料電池。
  23. 前記第2の層は、樹脂材料からなることを特徴とする請求項20記載の燃料電池。
  24. 前記第2の層は、前記第1の層に塗布されて一体形成されていることを特徴とする請求項23記載の燃料電池。
  25. 前記第2の層は、ポリ塩化ビニリデンを含有することを特徴とする請求項24記載の燃料電池。
  26. 前記第2の層は、前記第1の層とは別体形成されていることを特徴とする請求項23記載の燃料電池。
  27. 前記第2の層は、高密度ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレンおよびポリフェニレンエーテルからなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項26記載の燃料電池。
  28. 前記第2の層は、電気的に陰性の原子を含まない樹脂材料を含有することを特徴とする請求項23記載の燃料電池。
  29. 前記第2の層は、無機物の物理堆積膜あるいは化学堆積膜からなることを特徴とする請求項20記載の燃料電池。
  30. 前記第2の層は、蒸着膜からなることを特徴とする請求項29記載の燃料電池。
  31. 前記第2の層は、酸化アルミニウム、アルミニウム、酸化ケイ素および炭素からなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項29記載の燃料電池。
  32. 前記第2の層の厚さは、1.5μm以下であることを特徴とする請求項29記載の燃料電池。
  33. 前記外装部材は、さらに、前記第2の層の外側に、前記第1の層よりも高い融点を有する樹脂材料からなる第3の層を含むことを特徴とする請求項29記載の燃料電池。
  34. 前記第3の層は、高密度ポリエチレン、延伸ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびナイロンからなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項33記載の燃料電池。
  35. 前記外装部材は、各層間の少なくとも一部において接着層を介して貼り合わされていることを特徴とする請求項20記載の燃料電池。
  36. 前記接着層は、ポリウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリスチレン系およびポリオレフィン系からなる群のうちの少なくとも1種の接着剤を含有することを特徴とする請求項35記載の燃料電池。
  37. 前記第1の層のアルコール透過率は20g/m2 ・日以下であり、前記第2の層のアルコール透過率は3g/m2 ・日以下であることを特徴とする請求項20記載の燃料電池。
  38. 前記外装部材を15mm幅の短冊状にして曲率半径が0.1mmとなるように折り曲げるために要する荷重は、100mN以下であることを特徴とする請求項20記載の燃料電池。
  39. さらに、前記燃料容器を収納する収納部材と、前記燃料容器に接続され、前記発電部に前記アルコール燃料を供給するための燃料供給管とを備え、
    前記燃料容器、前記収納部材および前記燃料供給管は、前記収納部材ごと交換可能なユニット構造を有している
    ことを特徴とする請求項20記載の燃料電池。
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