JP2008277041A - 燃料電池および燃料電池用ガスセパレータ - Google Patents

燃料電池および燃料電池用ガスセパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】システム構成の複雑化を抑えて、両極間の水分バランスを適正化する。
【解決手段】燃料電池は、アノードおよびカソードから成る一対の電極を表面に備える複数の電解質層を備える。また、隣り合う電解質層間に配置され、隣り合う一方の電解質上のアノードとの間、および、隣り合う他方の電解質上のカソードとの間にガス流路を形成するガスセパレータ30を備える。ガスセパレータ30は、このガスセパレータ30の内部に、アノード側に形成される第1の冷媒流路と、カソード側に形成される第2の冷媒流路と、を備える。第1の冷媒流路と第2の冷媒流路とは、ガスセパレータ30の内部において、互いに直列に接続されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池および燃料電池用ガスセパレータに関する。
燃料電池を用いて発電を行なう際には、ガス流路に液水が存在することによりガス流れを妨げる問題が生じる可能性がある。例えば固体高分子型燃料電池では、ガス流路に液水が生じる原因の一つとして、電気化学反応に伴ってカソードで生じる生成水が挙げられる。カソードで生じた水がカソード側流路で凝縮する場合があり、また、カソードで生じた水が電解質膜を介してアノード側に移動して、アノード側流路で凝縮する場合もある。また、固体高分子型燃料電池の場合には、供給ガスを加湿して電解質膜の乾燥の抑制を図る場合があるが、このようにガスの加湿を行なうと、ガスによって持ち込まれた水がガス流路内で凝縮する可能性もある。
上記のように燃料電池では、いずれかの電極側で水分量が過多となったり不足したりする場合があり、両極間の水分バランスの適正化が望まれていた。このように、両極間の水分バランスを適正化するための方法としては、従来、アノード側とカソード側との各々に対して別系統の冷媒流路を設ける構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の構成では、各々の冷媒流路に対して、温度や流速の異なる冷媒を供給し、アノード側とカソード側の冷却効率を異ならせている。
特開2001−15138号公報 特開平5−190193号公報 特開2001−283889号公報 特開2002−270197号公報 特開2005−203313号公報
しかしながら、アノード側とカソード側のそれぞれに対して別系統で設けた冷媒流路に対して、温度や流速の異なる冷媒を供給する場合には、各々の冷媒流路に対して冷媒を供給するための配管や冷媒供給装置が必要となり、システム構成が複雑化するという問題を生じる。
本発明は、上述した従来の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、システム構成の複雑化を抑えて、両極間の水分バランスを適正化することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の燃料電池は、
アノードおよびカソードから成る一対の電極を表面に備える複数の電解質層と、
隣り合う前記電解質層間に配置され、隣り合う一方の前記電解質上のアノードとの間、および、隣り合う他方の前記電解質上のカソードとの間にガス流路を形成するガスセパレータと
を備え、
前記ガスセパレータは、該ガスセパレータの内部に、前記アノード側に形成される第1の冷媒流路と、前記カソード側に形成される第2の冷媒流路と、を備え、
前記第1の冷媒流路と前記第2の冷媒流路とは、前記ガスセパレータの内部において、互いに直列に接続されていることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第1の燃料電池によれば、ガスセパレータの内部において、第1の冷媒流路と第2の冷媒流路とが直列に接続されているため、冷媒は、一方の冷媒流路を流れた後に、他方の冷媒流路を流れることになる。したがって、一方の冷媒流路を流れる冷媒の方が、他方の冷媒流路を流れる冷媒よりも温度が低くなり、アノード側のガス流路とカソード側のガス流路とでは、冷却効率が異なることになる。このように冷却効率を異ならせることにより、アノード側のガス流路とカソード側のガス流路との間で、水分バランスの適正化を図ることができる。特に、本発明の第1の燃料電池によれば、第1の冷媒流路と第2の冷媒流路とを直列に接続することにより、アノード側とカソード側の冷却効率を異ならせるため、冷媒流路ごとに冷媒供給のための装置を用意する必要が無く、システム構成の複雑化を抑えることができる。
本発明の第2の燃料電池は、
アノードおよびカソードから成る一対の電極を表面に備える複数の電解質層と、
前記一対の電極の各々の上に配置され、前記アノードとの間、あるいは、前記カソードとの間にガス流路を形成するガスセパレータと
を備え、
前記アノード側に配置されたガスセパレータは、該ガスセパレータの内部の前記アノード側に形成された第1の冷媒流路を備え、
前記カソード側に配置されたガスセパレータは、該ガスセパレータの内部の前記カソード側に形成された第2の冷媒流路を備え、
前記第1の冷媒流路と前記第2の冷媒流路は、一方が冷媒流れの上流側であり、他方が冷媒流れの下流側となるように接続されていることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第2の燃料電池によれば、アノード上に配置されたガスセパレータ内に形成された第1の冷媒流路と、カソード上に配置されたガスセパレータ内に形成された第2の冷媒流路とにおいて、冷媒は、一方の冷媒流路を流れた後に、他方の冷媒流路を流れることになる。したがって、上流側の冷媒流路を流れる冷媒の方が、下流側の冷媒流路を流れる冷媒よりも温度が低くなり、アノード側のガス流路とカソード側のガス流路とでは、冷却効率が異なることになる。このように冷却効率を異ならせることにより、アノード側のガス流路とカソード側のガス流路との間で、水分バランスの適正化を図ることができる。特に、本発明の第2の燃料電池によれば、第1の冷媒流路と第2の冷媒流路とが、上流下流の関係となるように接続されて、アノード側とカソード側の冷却効率を異ならせるため、冷媒流路ごとに冷媒供給のための装置を用意する必要が無く、システム構成の複雑化を抑えることができる。
本発明の第1または第2の燃料電池において、前記第1の冷媒流路と第2の冷媒流路とは、前記第1の冷媒流路および第2の冷媒流路内の冷媒温度が同一であった場合に、アノード側の前記ガス流路とカソード側の前記ガス流路のうちでガス流路内における水分量がより多くなるガス流路側の表面に沿って形成された冷媒流路の方が、前記冷媒流れの下流側となるように接続されていることとしても良い。
このような構成とすれば、第1の冷媒流路および第2の冷媒流路内の冷媒温度が同一であった場合に、ガス流路内の水分量がより多くなる側の冷媒流路内の冷媒温度が、より高くなる。そのため、水分量がより多くなる側のガス流路の方が温度が高くなり、このガス流路における飽和蒸気圧を上昇させて、ガス流路からの排水を促進させることができる。
また、本発明の第1または第2の燃料電池において、前記第1の冷媒流路が前記第2の冷媒流路よりも上流側に接続されていることとしても良い。
このような構成とすれば、電気化学反応に伴って生成水が生じるカソード側の第2の冷媒流路を流れる冷媒温度の方が、第1の冷媒流路を流れる冷媒温度よりも高くなる。そのため、生成水等に起因してカソード側のガス流路で水が過剰となる場合に、カソード側のガス温度をアノード側のガス温度よりも高くすることにより、カソード側ガス流路からの排水を促し、水バランスの適正化を図ることができる。
本発明の燃料電池用ガスセパレータは、両面に一対の電極を備える複数の電解質層間に配置される燃料電池用ガスセパレータであって、
前記燃料電池の内部を流れる冷媒の流路として、前記ガスセパレータの一方の面側に形成された第1の冷媒流路と、前記ガスセパレータの他方の面側に形成された第2の冷媒流路と、を内部に備え、
前記第1の冷媒流路と前記第2の冷媒流路とは、前記ガスセパレータの内部において、互いに直列に接続されていることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の燃料電池用ガスセパレータによれば、ガスセパレータの内部において、冷媒が、一方の冷媒流路内を先に流れ、他方の冷媒流路内を後に流れることになる。そのため、このようなガスセパレータを用いて燃料電池を構成することで、一方の冷媒流路側に形成されるガス流路内の温度をより低くして、他方の冷媒流路側に形成されるガス流路内の温度をより高くすることにより、冷却効率を異ならせることができる。このように冷却効率を異ならせることにより、アノード側のガス流路とカソード側のガス流路との間で、水分バランスの適正化を図ることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池内部の水分調節方法などの形態で実現することが可能である。
A.実施例の燃料電池の構成:
図1は、第1実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面模式図であり、図2は、図1において破線で囲んだX領域を拡大して示す説明図である。本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池である。また、本実施例の燃料電池は、電気化学反応が進行する単位であるセルアセンブリ10を複数備えると共に、各々のセルアセンブリ10間にガスセパレータ30を介在させつつセルアセンブリ10を積層させたスタック構造を有している。
セルアセンブリ10は、図1に示すように、発電体12と、発電体12を挟持する一対のガス流路形成部14,15と、シール部16と、によって構成される。発電体12は、図2に示すように、電解質膜20と、電解質膜20の表面に形成された一対の電極(カソード22およびアノード24)とから成るMEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)13と、MEA13を挟持する一対のガス拡散層26,28と、によって形成される。
電解質膜20は、固体高分子材料、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。カソード22およびアノード24は、電気化学反応を促進する触媒、例えば、白金、あるいは白金と他の金属から成る合金を備えている。カソード22およびアノード24を形成するには、例えば、白金等の触媒金属を担持させたカーボン粉を作製し、この触媒担持カーボンと、電解質膜20を構成する電解質と同様の電解質とを用いてペーストを作製し、作製した触媒ペーストを電解質膜20上に塗布すればよい。
ガス拡散層26,28は、導電性多孔質体によって構成されており、例えばカーボンクロスやカーボンペーパによって形成される。電解質膜20上に触媒電極を形成したMEA13とガス拡散層26,28とを、プレス接合により一体化することで、発電体12が作製される。このガス拡散層26,28は、後述するガス流路形成部14,15よりも平均細孔径が小さな多孔質体によって構成されている。そのため、ガス拡散層26,28を設けることによって、触媒電極に対するガス供給効率を向上させると共に、ガス流路形成部14,15と触媒電極との間の集電性を高めることができ、さらに電解質膜20を保護することができる。なお、ガス流路形成部14,15の構成材料やガス流路形成部14,15の気孔率によっては、ガス拡散層26,28を設けないこととしても良い。
ガス流路形成部14,15は、発泡金属や金属メッシュなどの金属製多孔質体、あるいは、カーボン製の多孔質体によって形成される導電性の薄板状部材であり、本実施例では、チタン製の多孔質体を用いている。ガス流路形成部14,15は、発電体12およびガスセパレータ30と接触するように配置されており、内部に形成される多数の細孔から成る空間は、電気化学反応に供されるガスが通過するセル内ガス流路として機能する。すなわち、カソード22とガスセパレータ30との間に配置されるガス流路形成部14の細孔が形成する空間は、酸素を含有する酸化ガスが通過するセル内酸化ガス流路として機能する。また、アノード24とガスセパレータ30との間に配置されるガス流路形成部15の細孔が形成する空間は、水素を含有する燃料ガスが通過するセル内燃料ガス流路として機能する。
ここで、発電体12およびガス流路形成部14,15の外周部には、発電体12の外周部と一体で形成されるシール部16が設けられている。シール部16は、弾性材料、すなわち、ゴム(例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム)や、熱可塑性エラストマによって形成されている。このようなシール部16は、例えば、シール部16に対応する形状の金型のキャビティ内に発電体12の外周部が収まるように発電体12を配置し、上記弾性材料を射出成形することによって形成できる。これにより、発電体12とシール部16とが隙間なく接合される。あるいは、シール部16は、発電体12と一体形成するだけでなく、発電体12に加えてさらにガス流路形成部14,15と一体形成しても良い。
図3は、発電体12とガス流路形成部14,15とシール部16とが一体形成されたセルアセンブリ10の概略構成を表わす平面図である。図3に示すように、シール部16は、略四角形状の薄板状部材であり、外周部に設けられた6つの穴部(後述する6つの穴部40〜45)と、中央部に設けられて発電体12およびガス流路形成部14,15が組み込まれている略四角形の穴部とを有している。このようなシール部16は、図1に示すように所定の凹凸形状を有している。すなわち、シール部16では、上記6つの穴部および略四角形の穴部を取り囲む位置に、略同一の高さを有する凸部であるリップ17が設けられている(図1参照)。このリップ17によってシール部16は、隣接するガスセパレータ30と接触する。シール部16がガスセパレータ30に接触する接触位置であるリップ17が設けられた位置を、図1の断面図において、シール線SLとして示している。シール部16は、弾性を有する樹脂材料から成るため、燃料電池内で積層方向に平行な方向に押圧力が加えられることにより、上記シール線SLの位置においてシール部16によってガスシール性を実現可能となる。図3は、セルアセンブリ10を、図1における右側から見た図であって、中央部に設けられた穴部に嵌め込まれた発電体12上において、ガス流路形成部14が表面に表われている。なお、以下の説明では、発電体12において、シール部16の中央部に形成される穴部で露出している部分に対応する領域を、発電領域DAと呼ぶ。
ガスセパレータ30は、図1に示すように、ガス流路形成部14に接するカソード側プレート31と、ガス流路形成部15に接するアノード側プレート35と、カソード側プレート31とアノード側プレート35との間に配置される第1冷媒流路形成プレート32、冷媒流路分離プレート33、第2冷媒流路形成プレート34を備えている。これら5枚のプレートは、導電性材料、例えばステンレス鋼あるいはチタンやチタン合金といった金属によって形成される薄板状部材であり、カソード側プレート31、第1冷媒流路形成プレート32、冷媒流路分離プレート33、第2冷媒流路形成プレート34、アノード側プレート35の順に重ね合わされて、例えば拡散接合により接合されている。これら5種のプレートは、いずれも凹凸のない平坦な表面を有すると共に、各々、所定の位置に所定形状の穴部を有している。図4は、カソード側プレート31の形状を示す平面図であり、図5は、第1冷媒流路形成プレート32の形状を示す平面図であり、図6は、冷媒流路分離プレート33の形状を示す平面図であり、図7は、第2冷媒流路形成プレート34の形状を示す平面図であり、図8は、アノード側プレート35の形状を示す説明図である。これら図4〜図8は、各プレートを、図3に示すシール部16と同じ側、すなわち、図1における右側から見た様子を表わす図であり、これら図4〜図8では、既述した発電領域DAを、一点破線で囲んで示している。なお、既述した図3および図4ないし図8では、図1に示した断面図に相当する位置を、1−1断面として示している。
カソード側プレート31、第1冷媒流路形成プレート32、冷媒流路分離プレート33、第2冷媒流路形成プレート34、アノード側プレート35は、いずれも、その外周部においてシール部16と同様の位置に、6つの穴部を備えている。これらの6つの穴部は、スタック構造を形成するために各々の薄板状部材が積層された際に互いに重なり合って、燃料電池内部において積層方向に平行に流体を導くマニホールドを形成する。上記各薄板状部材では、略四角形状である外周の一辺の近傍に穴部40および穴部43が形成されている。また、近傍に穴部40および穴部43が形成された辺と対向する辺の近傍には、穴部41および穴部42が形成されている。さらに、他の2辺のうちの一方の辺の近傍には、穴部44および穴部45が形成されている。
上記各薄板状部材が備える穴部42は、燃料電池に対して供給された酸化ガスを各セル内酸化ガス流路に分配する酸化ガス供給マニホールドを形成し(図中、O2 inと表わす)、穴部43は、各セル内酸化ガス流路から排出されて集合した酸化ガスを外部へと導く酸化ガス排出マニホールドを形成する(図中、O2 outと表わす)。また、穴部40は、燃料電池に対して供給された燃料ガスを各セル内燃料ガス流路に分配する燃料ガス供給マニホールドを形成し(図中、H2 inと表わす)、穴部41は、各セル内燃料ガス流路から排出されて集合した燃料ガスを外部へと導く燃料ガス排出マニホールドを形成する(図中、H2 outと表わす)。さらに、穴部44は、燃料電池に対して供給された冷却水などの冷媒を各ガスセパレータ30内に分配する冷媒供給マニホールドを形成し(図中、CLT inと表わす)、穴部45は、各ガスセパレータ30から排出されて集合した冷媒を外部へと導く冷媒排出マニホールドを形成する(図中、CLT outと表わす)。
また、カソード側プレート31は、発電領域DA内において、発電領域DAの辺の内、穴部40および穴部43に近接する辺(図4における上部の辺)に沿って設けられ、カソード側プレート31を貫通して形成された酸化ガス排出スリット50を備えている。また、同様に、発電領域DA内において、発電領域DAの辺の内、穴部41および穴部42に近接する辺(図4における下部の辺)に沿って設けられ、カソード側プレート31を貫通して形成された酸化ガス供給スリット51を備えている(図4参照)。
アノード側プレート35は、カソード側プレート31と同様に、発電領域DA内において、発電領域DAの辺の内、穴部40および穴部43に近接する辺(図8における上部の辺)に沿って設けられ、アノード側プレート35を貫通して形成された燃料ガス供給スリット52を備えている。また、発電領域DA内において、発電領域DAの辺の内、穴部41および穴部42に近接する辺(図8における下部の辺)に沿って設けられ、アノード側プレート35を貫通して形成された燃料ガス排出スリット53を備えている(図8参照)。これらの燃料ガス供給スリット52および燃料ガス排出スリット53は、それぞれ、酸化ガス排出スリット50および酸化ガス供給スリット51と重ならないように、プレートのさらに中央部寄りに配置されている。
第1冷媒流路形成プレート32は、カソード側プレート31に形成された酸化ガス排出スリット50および酸化ガス供給スリット51と丁度重なる位置に、同様の酸化ガス排出スリット50および酸化ガス供給スリット51が形成されている。第1冷媒流路形成プレート32では、上記酸化ガス排出スリット50は、第1冷媒流路形成プレート32を貫通する連通部60によって、穴部43と連通されている。また、上記酸化ガス供給スリット51は、第1冷媒流路形成プレート32を貫通する連通部61によって、穴部42と連通されている。さらに第1冷媒流路形成プレート32は、発電領域DA内において、酸化ガス排出スリット50、酸化ガス供給スリット51、燃料ガス供給スリット52および燃料ガス排出スリット53と重ならない中央部よりの領域に、上記スリット50〜53に略平行な細長い形状を有して第1冷媒流路形成プレート32を貫通通して設けられた複数(図5では6本)の第1冷媒孔54が形成されている。これらの第1冷媒孔54は、ガスセパレータの内部において、面方向に冷媒が流れる流路であるカソード側冷媒流路を形成する。各々の第1冷媒孔54は、一端が、発電領域DAの外側にまで延出して形成されると共に、他端が、第1冷媒流路形成プレート32を貫通して設けられた連通部55によって、穴部45と連通されている(図5参照)。
第2冷媒流路形成プレート34は、アノード側プレート35に形成された燃料ガス供給スリット52および燃料ガス排出スリット53と丁度重なる位置に、同様の燃料ガス供給スリット52および燃料ガス排出スリット53が形成されている。第2冷媒流路形成プレート34では、上記燃料ガス供給スリット52は、第2冷媒流路形成プレート34を貫通する連通部62によって、穴部40と連通されている。また、上記燃料ガス排出スリット53は、第2冷媒流路形成プレート34を貫通する連通部63によって、穴部41と連通されている。さらに第2冷媒流路形成プレート34は、発電領域DA内において、第1冷媒流路形成プレート32に設けられた複数の第1冷媒孔54と丁度重なる位置に、同様の複数の第2冷媒孔56を備えている。これらの第2冷媒孔56は、ガスセパレータの内部において、面方向に冷媒が流れる流路であるアノード側冷媒流路を形成する。各々の第2冷媒孔56は、一端が、発電領域DAの外側にまで延出して形成されると共に、他端が、第2冷媒流路形成プレート34を貫通して設けられた連通部57によって、穴部44と連通されている(図7参照)。
冷媒流路分離プレート33は、第1冷媒流路形成プレート32が備える各々の第1冷媒孔54の既述した一端、および、第2冷媒流路形成プレート34が備える各々の第2冷媒孔56の既述した一端と重なる位置に、冷媒流路分離プレート33を貫通する複数(図6では6個)の連通孔58を備える(図6参照)。
B.燃料電池内におけるガス流れの様子:
燃料電池の内部において、穴部42が形成する酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、第1冷媒流路形成プレート32の連通部61が形成する空間と、第1冷媒流路形成プレート32およびカソード側プレート31に形成された酸化ガス供給スリット51を介して、ガス流路形成部14内に形成されるセル内酸化ガス流路へと流入する。セル内酸化ガス流路において酸化ガスは、ガス流路形成部14に平行な方向(面方向)に流れると共に、面方向に垂直な方向(積層方向)へとさらに拡散する。積層方向に拡散した酸化ガスは、ガス流路形成部14からガス拡散層26を介してカソード22に至り、電気化学反応に供される。このように電気化学反応に寄与しつつセル内酸化ガス流路を通過した酸化ガスは、ガス流路形成部14から、カソード側プレート31および第1冷媒流路形成プレート32に形成された酸化ガス排出スリット50と、第1冷媒流路形成プレート32の連通部60が形成する空間とを介して、穴部43が形成する酸化ガス排出マニホールドへと排出される。
同様に、燃料電池の内部において、穴部40が形成する燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、第2冷媒流路形成プレート34の連通部62が形成する空間と、第2冷媒流路形成プレート34およびアノード側プレート35に形成された燃料ガス供給スリット52を介して、ガス流路形成部15内に形成されるセル内燃料ガス流路へと流入する。セル内燃料ガス流路において燃料ガスは、面方向に流れると共に、積層方向へとさらに拡散する。積層方向に拡散した燃料ガスは、ガス流路形成部15からガス拡散層28を介してアノード24に至り、電気化学反応に供される。このように電気化学反応に寄与しつつセル内燃料ガス流路を通過した燃料ガスは、ガス流路形成部15から、アノード側プレート35および第2冷媒流路形成プレート34に形成された燃料ガス排出スリット53と、第2冷媒流路形成プレート34の連通部63が形成する空間とを介して、穴部41が形成する燃料ガス排出マニホールドへと排出される。
C.燃料電池内における冷媒流れの様子:
燃料電池の内部において、穴部44が形成する冷媒供給マニホールドを流れる冷媒は、各々のガスセパレータ30において、第2冷媒流路形成プレート34の連通部57が形成する空間を介して、第2冷媒流路形成プレート34の各第2冷媒孔56が形成するアノード側冷媒流路へと分配される。各々のアノード側冷媒流路を流れる冷媒は、アノード側冷媒流路の端部において、冷媒流路分離プレート33に形成された連通孔58を介して、第1冷媒流路形成プレート32の各第1冷媒孔54が形成するカソード側冷媒流路内へと流入する。各々のカソード側冷媒流路へと流入した冷媒は、カソード側冷媒流路の反対側の端部、すなわち第1冷媒流路形成プレート32の連通部55が形成する空間に集合して、穴部45が形成する冷媒排出マニホールドへと排出される。このように、燃料電池内では、各ガスセパレータ30に分配された冷媒は、アノード側冷媒流路を流れた後に、カソード側冷媒流路を流れる。
以上のように構成された本実施例の燃料電池によれば、ガスセパレータ30の内部において、アノード側冷媒流路がカソード側冷媒流路よりも上流となるように、冷媒流路が形成されている。そのため、燃料電池において、セル内燃料ガス流路とセル内酸化ガス流路との間で、冷却効率を異ならせることができる。このように、アノード側とカソード側とで冷却効率を異ならせることにより、セル内燃料ガス流路とセル内酸化ガス流路における水分バランスの適正化を図ることができる。
具体的には、本実施例では、アノード側冷媒流路がカソード側冷媒流路よりも上流となるように冷媒流路を形成しているため、アノード側冷媒流路を流れる冷媒の方が、カソード側冷媒流路を流れる冷媒よりも温度が低くなる。そのため、積層された各セルアセンブリ10において、セル内燃料ガス流路の方が、セル内酸化ガス流路よりも冷却効率が高くなり、セル内燃料ガス流路の温度をより低くすることができる。このような構成とすることで、燃料電池全体で、生成水が生じるカソード側の方が温度が高くなるため、セル内酸化ガス流路における飽和水蒸気圧を上昇させて、セル内酸化ガス流路からの排水を促進させ、セル内酸化ガス流路における凝縮水の滞留を抑制することができる。また、電解質膜においては、電気化学反応の進行に伴ってアノード側からカソード側へとプロトンと共に水が移動するが、アノード側の温度をより低くしてセル内燃料ガス流路における飽和水蒸気圧を低くすることにより、アノード側における電解質膜の乾燥を抑えることができる。このように、カソード側よりもアノード側の冷却効率を高めることにより、水分量が過剰になり易いセル内酸化ガス流路における水分量を抑えると共に、水分量が不足し易いセル内燃料ガス流路における水分量を確保することができる。
このように、本実施例では、ガスセパレータ30内でアノード側からカソード側へと冷媒を引き回すことで、燃料電池全体では、積層された各々のセルアセンブリ10において、水分量がより多くなる側のセル内ガス流路における温度をより高くすることができる。すなわち、一つのセルアセンブリ10に着目すると、セル内燃料ガス流路に近接して設けられたアノード側冷媒流路と、セル内酸化ガス流路に近接して設けられたカソード側冷媒流路とでは、上流下流の関係にないが、ガスセパレータ内で上記のように冷媒流路を接続することで、燃料電池全体では、個々のセルアセンブリ10における冷却状態を所望の状態に近づけることができる。
なお、セル内酸化ガス流路においては、その出口付近において、酸化ガス中の水蒸気量が特に多くなる。そのため、実施例のように、セル内ガス流路で燃料ガスと酸化ガスとを対向する向きに流す(いわゆるカウンターフロー)場合には、酸化ガスの出口付近(燃料ガスの入り口付近)において、酸化ガス側から燃料ガス側へと、電解質膜を介して水を移動させて燃料ガスを加湿することができる。このとき、本実施例では、アノード側冷媒流路をカソード側冷媒流路よりも上流側に配置して、アノード側の冷却効率を高めているため、上記した酸化ガスを用いた燃料ガスの加湿の効果を、さらに高めることができる。
また、本実施例の燃料電池によれば、冷媒流路を、アノード側とカソード側の2系統として設けているが、アノード側冷媒流路がカソード側冷媒流路よりも上流となるように冷媒流路を直列に接続している。そのため、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路の各々に対して冷媒供給装置を用意する必要が無く、システムの複雑化を抑えることができる。特に本実施例では、ガスセパレータ30を5枚の薄板状部材で構成し、各薄板状部材に形成した貫通孔の形状の組み合わせにより、ガスセパレータ30内で冷媒流路の流れを導くため、アノード側を上流、カソード側を下流とする冷媒流路の構成を、簡素な構造により容易に実現することができる。
なお、本実施例では、冷媒流路において、アノード側冷媒流路をカソード側冷媒流路よりも上流となるように形成することにより、水が過剰となり易いカソード側と水が不足し易いアノード側との間の水分バランスの適正化を図ったが、異なる構成としても良い。燃料電池では、その構成により、カソード側とアノード側の水分バランスが異なるため、燃料電池の構成に応じてアノード側とカソード側の冷媒流路の接続関係を設定することにより、燃料電池の構成に応じた水分バランスの適正化を行なうことが可能となる。
燃料電池において、アノード側ガス流路とカソード側ガス流路との間の水分バランスに影響する要因としては、種々の要因が考えられる。このような要因の一つとして、燃料電池に供給されるガス中の水蒸気量を挙げることができる。電解質膜の乾燥を防ぐために、燃料ガスと酸化ガスの内の少なくとも一方のガスを加湿する場合があるが、このような加湿を行なうことで、加湿したガスが供給される側の水分量が過剰となり易くなる。例えば、燃料ガスを加湿して燃料電池に供給する場合には、アノード側の水分量が、より過剰になり易くなる。
また、燃料電池内の水分バランスに影響する他の要因として、電気化学反応に伴って生じる水を挙げることができる。既述したように、電気化学反応によってカソードで水が生じるため、燃料電池における発電量が多いほど、カソード側の水分量が、より過剰になり易くなる。
また、燃料電池内の水分バランスに影響する他の要因として、電解質膜における水の透過性を挙げることができる。電解質膜における水の透過性は、例えば、電解質膜の厚みによって異なる。電解質膜が薄いほど、電解質膜における水の透過性が増し、カソード側で生じた生成水がアノード側へと移動し易くなる。したがって、電解質膜が薄いほど、カソード側における水分過剰の傾向が抑えられる。さらに、電解質膜における水の透過性は、電解質膜の種類によっても異なる。本実施例では、電解質膜として、フッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜を用いたが、フッ素系電解質膜に代えて、例えば炭化水素系電解質膜を用いることも可能である。このように、電解質膜の種類によっても電解質膜における水の透過性は異なるため、用いる電解質膜によって水分バランスは変化する。
このように、燃料電池内の水分バランスに影響する種々の要因を考慮して、冷媒流路において、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路のいずれが上流側となるように接続するかを、適宜設定すればよい。すなわち、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路とのそれぞれを流れる冷媒の温度が同一であった場合に、水分量がより多くなるガス流路に近接して設けられた冷媒流路が下流側となるように、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路とを接続することにより、燃料電池内の水分バランスを適正化することができる。より具体的には、電極に供給されるガス中の水分量と、電気化学反応により生じる水分量と、電解質膜を介して移動してくる水分量との合計が、より多い側のガス流路に近接して設けられた冷媒流路が、下流側となるように冷媒流路を形成すればよい。なお、実施例とは逆に、冷媒を流す順序を、カソード側冷媒流路に先、アノード側冷媒流路を後にする場合には、薄板状部材を積層してガスセパレータ30を形成する際に、第1冷媒流路形成プレート32と第2冷媒流路形成プレート34の位置を入れ替えればよい。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
実施例では、各々のガスセパレータ30の内部において、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路とを直列に接続しているが、異なる構成としても良い。例えば、各々のセルアセンブリ10に着目したときに、セル内燃料ガス流路に近接して設けられたアノード側冷媒流路と、セル内酸化ガス流路に近接して設けられたカソード側冷媒流路とが、一方が上流側で他方が下流側となるように接続されていても良い。このような構成としても、個々のセルアセンブリ10において、セル内燃料ガス流路とセル内酸化ガス流路の冷却効率を異ならせて、セル内燃料ガス流路とセル内酸化ガス流路における水分バランスの適正化を図ることができる。
このような構成の一例として、冷媒を流す際に、スタック内のすべてのアノード側冷媒流路内に冷媒を流した後に、すべてのカソード側冷媒流路内に冷媒を流す構成を挙げることができるため、以下に説明する。このような変形例の燃料電池に用いる第1冷媒流路形成プレート132および第2冷媒流路形成プレート134の構成を、図9および図10に示す。これらの第1および第2冷媒流路形成プレートは、それぞれ、実施例と同様の燃料電池において、実施例の第1および第2冷媒流路形成プレートに代えて用いるものである。この変形例の燃料電池は、第1および第2冷媒流路形成プレートの構成、および、各薄板状部材に設けた後述する穴部46,47以外の構成は、実施例と同様であるため、共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。
図9および図10に示す冷媒流路形成プレート132,134は、実施例と同様の穴部40〜45に加えて、近傍に穴部44,45が形成された辺に対向する辺の近傍に、それぞれ、穴部47あるいは穴部46が設けられている。穴部46は、燃料電池に対して供給された冷媒を各ガスセパレータ30内に分配する冷媒供給マニホールドを形成し(図10中、CLT inと表わす)、穴部47は、各ガスセパレータ30から排出された冷媒が集合する冷媒排出マニホールドを形成する(図9中、CLT outと表わす)。
また、冷媒流路形成プレート132は、冷媒排出マニホールドを形成する穴部45を有しておらず、第1冷媒孔54に代えて第1冷媒孔154を備えている。第1冷媒孔154は、カソード側冷媒流路を形成するための、互いに離間して設けられた細長い複数の貫通孔である。各第1冷媒孔154は、その両端近傍が、穴部45および46と重なるように形成されており、第1冷媒孔154が形成する冷媒流路は、穴部46が形成する冷媒供給マニホールドから冷媒を分配されると共に、穴部45が形成する冷媒排出マニホールドへと冷媒を排出する。
同様に、冷媒流路形成プレート134は、冷媒供給マニホールドを形成する穴部44を有しておらず、第2冷媒孔56に代えて第2冷媒孔156を備えている。第2冷媒孔156は、アノード側冷媒流路を形成するための、互いに離間して設けられた細長い複数の貫通孔である。各第2冷媒孔156は、その両端近傍が、穴部44および47と重なるように形成されており、第2冷媒孔156が形成する冷媒流路は、穴部44が形成する冷媒供給マニホールドから冷媒を分配されると共に、穴部47が形成する冷媒排出マニホールドへと冷媒を排出する。
なお、上記変形例の燃料電池においては、ガスセパレータ30を構成する他の薄板状部材(アノード側プレート、カソード側プレート、冷媒流路分離プレート)、および、セルアセンブリ10の外周部に設けられるシール部も、対応する位置に、上記冷媒流路形成プレートと同様の穴部46,47を備えている。また、実施例とは異なり、冷媒流路分離プレートは連通孔58を有しておらず、第1冷媒流路形成プレートの第1冷媒孔54が形成するアノード側冷媒流路と、第2冷媒流路形成プレートの第2冷媒孔56が形成するカソード側冷媒流路とは、ガスセパレータ内部では連通していない。そして、これらの部材を積層してなる燃料電池では、スタックの端部において、穴部47が形成する冷媒排出マニホールドと、穴部46が形成する冷媒供給マニホールドとが接続されている。
そのため、上記変形例の燃料電池では、冷媒は、最初に穴部44が形成する冷媒供給マニホールドを流れて、第2冷媒流路形成プレート134の第2冷媒孔156が形成するアノード側冷媒流路へと分配され、各セルアセンブリ10のアノード側を冷却して昇温する。その後、冷媒は、穴部47が形成する冷媒排出マニホールドに集合し、スタック端部において、穴部47が形成する冷媒排出マニホールドから、穴部46が形成する冷媒供給マニホールドとへと流れる。そして、冷媒は、穴部46が形成する冷媒供給マニホールドから、第1冷媒流路形成プレート132の第1冷媒孔154が形成するカソード側冷媒流路へと分配されて、各セルアセンブリ10のカソード側を冷却して、さらに昇温する。その後、冷媒は、穴部45が形成する冷媒流路排出マニホールドに集合して、燃料電池の外部へと導かれる。
D2.変形例2:
実施例では、燃料電池スタック全体において、アノード側冷媒流路が上流側、カソード側冷媒流路が下流側となるように冷媒流路を接続しているが、スタック内での位置によって、冷媒流路の接続関係を異ならせることとしても良い。すなわち、実施例では、すべてのガスセパレータ30内において、アノード側冷媒流路からカソード側冷媒流路へと冷媒を流しているが、ガスセパレータ30が配置されたスタック内での位置によって、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路との間で冷媒を引き回す順序を異ならせることとしても良い。
例えば、スタックの部位によって、アノード側の方が水分過剰になる部位と、カソード側の方が水分過剰になる部位とがある場合には、それぞれの部位ごとに、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路の接続関係を異ならせることにより、スタック全体として、水分バランスを適正化することが可能になる。スタックの位置によって、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路の接続関係を逆にする場合には、このような場所に用いるガスセパレータを作製する際に、第1冷媒流路形成プレート32と第2冷媒流路形成プレート34を入れ替えて配置すればよい。
各ガスセパレータ30内部での冷媒の引き回しの順序を変えるだけでなく、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路の接続の仕方により、冷媒の引き回し順序には種々の変形が可能である。スタック全体で、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路とを所定の順序で接続することにより、各セルアセンブリ10について見たときに、アノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路とで流れる冷媒の温度が異なるならば、アノード側とカソード側の冷却効率が異なることになり、実施例と同様の効果が得られる。
D3.変形例3:
さらに、燃料電池の構成は、種々の変形が可能である。例えば、セル内ガス流路におけるガス流れの向きを、実施例のように対向させる構成に代えて、直交させることとしても良い。あるいは、セル内ガス流路を、多孔質体が備える細孔によって形成するのではなく、ガスセパレータの表面に形成した凹凸形状によって、ガスセパレータと電極との間にセル内ガス流路となる空間を形成させることとしても良い。このように、燃料電池の構成を様々に変更した場合であっても、ガスセパレータの内部に形成されるアノード側冷媒流路とカソード側冷媒流路の接続関係を適宜設定して、アノード側とカソード側とで冷却効率を異ならせることにより、アノード側ガス流路とカソード側ガス流路の水バランスを適正化する同様の効果が得られる。
第1実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面模式図である。 図1中のX領域を拡大して示す説明図である。 セルアセンブリ10の概略構成を表わす平面図である。 カソード側プレート31の形状を示す平面図である。 第1冷媒流路形成プレート32の形状を示す平面図である。 冷媒流路分離プレート33の形状を示す平面図である。 第2冷媒流路形成プレート34の形状を示す平面図である。 アノード側プレート35の形状を示す説明図である。 第1冷媒流路形成プレート132の形状を示す平面図である。 第2冷媒流路形成プレート134の形状を示す平面図である。
符号の説明
10…セルアセンブリ
12…発電体
13…MEA
14,15…ガス流路形成部
16…シール部
17…リップ
20…電解質膜
22…カソード
24…アノード
26,28…ガス拡散層
30…ガスセパレータ
31…カソード側プレート
32…第1冷媒流路形成プレート
33…冷媒流路分離プレート
34…第2冷媒流路形成プレート
35…アノード側プレート
40〜47…穴部
50…酸化ガス排出スリット
51…酸化ガス供給スリット
52…燃料ガス供給スリット
53…燃料ガス排出スリット
54…第1冷媒孔
55、57…連通部
56…第2冷媒孔
58…連通孔
60〜63…連通部
132…第1冷媒流路形成プレート
134…第2冷媒流路形成プレート
154…第1冷媒孔
156…第2冷媒孔

Claims (5)

  1. 燃料電池であって、
    アノードおよびカソードから成る一対の電極を表面に備える複数の電解質層と、
    隣り合う前記電解質層間に配置され、隣り合う一方の前記電解質上のアノードとの間、および、隣り合う他方の前記電解質上のカソードとの間にガス流路を形成するガスセパレータと
    を備え、
    前記ガスセパレータは、該ガスセパレータの内部に、前記アノード側に形成される第1の冷媒流路と、前記カソード側に形成される第2の冷媒流路と、を備え、
    前記第1の冷媒流路と前記第2の冷媒流路とは、前記ガスセパレータの内部において、互いに直列に接続されている
    燃料電池。
  2. 燃料電池であって、
    アノードおよびカソードから成る一対の電極を表面に備える複数の電解質層と、
    前記一対の電極の各々の上に配置され、前記アノードとの間、あるいは、前記カソードとの間にガス流路を形成するガスセパレータと
    を備え、
    前記アノード側に配置されたガスセパレータは、該ガスセパレータの内部の前記アノード側に形成された第1の冷媒流路を備え、
    前記カソード側に配置されたガスセパレータは、該ガスセパレータの内部の前記カソード側に形成された第2の冷媒流路を備え、
    前記第1の冷媒流路と前記第2の冷媒流路は、一方が冷媒流れの上流側であり、他方が冷媒流れの下流側となるように接続されている
    燃料電池。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池であって、
    前記第1の冷媒流路と第2の冷媒流路とは、前記第1の冷媒流路および第2の冷媒流路内の冷媒温度が同一であった場合に、アノード側の前記ガス流路とカソード側の前記ガス流路のうちでガス流路内における水分量がより多くなるガス流路側の表面に沿って形成された冷媒流路の方が、前記冷媒流れの下流側となるように接続されている
    燃料電池。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池であって、
    前記第1の冷媒流路が前記第2の冷媒流路よりも上流側に接続されている
    燃料電池。
  5. 両面に一対の電極を備える複数の電解質層間に配置される燃料電池用ガスセパレータであって、
    前記燃料電池の内部を流れる冷媒の流路として、前記ガスセパレータの一方の面側に形成された第1の冷媒流路と、前記ガスセパレータの他方の面側に形成された第2の冷媒流路と、を内部に備え、
    前記第1の冷媒流路と前記第2の冷媒流路とは、前記ガスセパレータの内部において、互いに直列に接続されている
    ガスセパレータ。
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