JP2011034768A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔質体によって形成されるガス流路を備える燃料電池において、構造の複雑化やガス流路における圧力損失の増加を抑えつつ、ガス流路からの排水性を向上させる。
【解決手段】燃料電池は、電解質膜と、電解質膜上に形成されている一対の電極と、各々の電極上に配置され、電極との間にガス流路を形成するガスセパレータと、少なくとも一方の電極とガスセパレータとの間に配置された多孔質体によって構成され、内部の細孔によってガス流路を形成するガス流路形成部と、を備える。ガスセパレータには、ガス流路からガスを排出させる排出口と、ガスセパレータの厚み方向に平行であって排出口で開口する厚み方向流路と、が形成されている。ガス流路形成部は、ガスセパレータ表面および厚み方向流路の内壁面に接する状態で、排出口内に折り曲げられた形状の折れ曲がり部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関するものである。
従来、種々の形状の燃料電池が提案されているが、そのような燃料電池の一つとして、電極とセパレータとの間に多孔質体を配置して、電極上に配置されるガス流路を、多孔質体内の細孔が成す空間によって形成する構成が知られている。このように多孔質体によってガス流路を形成する場合には、発電に伴ってカソードで生成した生成水等に起因してガス流路中で生じる液水が、多孔質体中に保持されて、ガス流路からの排水が不十分となる場合があった。このような問題を解決するための方策の一つとして、従来、セパレータの内部において上記ガス流路の排出口とガスマニホールドとを連通させるように形成された流路を埋めるように、多孔質体内の液水が導かれる多孔質な導水部材を配置して、ガス流路からの排水を促進する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−034301号公報 特開2008−004420号公報 特開2007−242276号公報
しかしながら、ガス流路の排出口に接続する流路内に多孔質な導水部材を配置する場合には、部品点数が増加して構造が複雑化すると共に燃料電池の組み立て工程が煩雑化するという問題を生じる。また、ガス流路の排出口を多孔質な導水部材が塞ぐことにより、ガスが流れる際の圧力損失が増加するという問題を生じる。ガスが流れる際の圧力損失の増加は、燃料電池にガスを供給する装置における消費電力の増加に繋がる場合もある。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、多孔質体によって形成されるガス流路を備える燃料電池において、構造の複雑化やガス流路における圧力損失の増加を抑えつつ、ガス流路からの排水性を向上させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実施することが可能である。
[適用例1]
燃料電池であって、
電解質膜と、
前記電解質膜上に形成されている一対の電極と、
各々の前記電極上に配置され、前記電極との間にガス流路を形成するガスセパレータと、
少なくとも一方の前記電極と前記ガスセパレータとの間に配置された多孔質体によって構成され、内部の細孔によって前記ガス流路を形成するガス流路形成部と、
を備え、
前記ガスセパレータには、前記ガス流路からガスを排出させる排出口と、前記ガスセパレータの厚み方向に平行であって前記排出口で開口する厚み方向流路と、が形成されており、
前記ガス流路形成部は、前記ガスセパレータ表面および前記厚み方向流路の内壁面に接する状態で、前記排出口内に折り曲げられた形状の折れ曲がり部を有する
燃料電池。
適用例1に記載の燃料電池によれば、ガス流路内の液水が、ガス流路形成部内に広がって、折れ曲がり部によってガス流路外へと導かれるため、ガス流路からの液水の排出を促進して液水によるガス流れの阻害を抑制し、電池性能を確保することができる。また、折れ曲がり部を備えるガス流路形成部を用いるため、排水性を向上させるために部品点数が増加してしまうことがなく、組み立て工程の煩雑化を抑制することができる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池であって、前記排出口は、前記ガスセパレータの一辺に沿う方向を長手方向とし、該長手方向に垂直な方向を短手方向としており、前記折れ曲がり部は、該折れ曲がり部の厚さが、前記排出口の短手方向の幅よりも薄く形成されている燃料電池。適用例2に記載の燃料電池によれば、折れ曲がり部の厚さが、排出口の短手方向の幅よりも薄く形成されており、排出口において、折れ曲がり部に塞がれない空間が形成されるため、ガス流路形成部やガス流路形成部内に保持される液水によるガス流れの阻害を抑制し、排出口におけるガス流れを確保することができる。
[適用例3]
適用例1または2記載の燃料電池であって、前記ガスセパレータは、前記ガスセパレータを厚み方向に貫通するマニホールド孔であって、前記電解質膜と前記電極と前記ガスセパレータとの積層方向に前記燃料電池を貫通して前記ガスを供給あるいは排出するガスマニホールドを形成するマニホールド孔と、前記ガスセパレータの内部において、前記ガスを排出するガスマニホールドを形成するための前記マニホールド孔の内壁面と前記排出口とを連通させる連通路と、を備え、前記厚み方向流路は、少なくとも前記連通路の一部であり、前記ガス流路形成部が備える前記折れ曲がり部は、前記排出口において前記連通路内へと折り曲げられて形成されている燃料電池。適用例3に記載の燃料電池によれば、ガス流路内の液水を、ガス流路形成部の折れ曲がり部を介してガスセパレータ内の連通路まで導くことにより、排水を促進することができる。
[適用例4]
適用例1または2記載の燃料電池であって、前記ガスセパレータは、前記ガスセパレータを厚み方向に貫通するマニホールド孔であって、前記電解質膜と前記電極と前記ガスセパレータとの積層方向に前記燃料電池を貫通して前記ガスを供給あるいは排出するガスマニホールドを形成するマニホールド孔を備え、前記厚み方向流路は、前記ガスを排出するためのガスマニホールドの一部として前記マニホールド孔が形成する流路であって、前記ガスセパレータの表面を介して前記ガス流路と接続されており、前記ガス流路形成部が備える前記折れ曲がり部は、前記マニホールド孔へと折り曲げられて形成されており、折り曲げられた先端部において、隣り合うガス流路形成部との間の絶縁性を確保する絶縁部を備える燃料電池。適用例4に記載の燃料電池によれば、ガス流路内の液水を、ガス流路形成部の折れ曲がり部を介して、ガスを排出するガスマニホールドまで導くことにより、排水を促進することができる。また、折れ曲がり部の先端部に絶縁部を備えることにより、マニホールド孔へと折り曲げられた折れ曲がり部において、隣り合うガス流路形成部間で短絡が生じることを抑制できる。
[適用例5]
適用例1ないし4いずれか記載の燃料電池であって、前記ガス流路形成部を構成する多孔質体は、エキスパンドメタルである燃料電池。適用例5に記載の燃料電池によれば、エキスパンドメタルを折り曲げ加工するという簡便な処理により、容易に折れ曲がり部を形成することが可能になる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池の製造方法や、燃料電池における排水方法などの形態で実現することが可能である。
実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面模式図である。 シール部16の概略構成を表わす平面図である。 カソード対向プレート31の形状を示す平面図である。 中間プレート33の形状を示す平面図である。 アノード対向プレート32の形状を示す平面図である。 ガス流路形成部15の端部の様子を拡大して表わす断面模式図である。 ガス流路形成部14の端部の様子を拡大して表わす断面模式図である。 ガス流路形成部115の端部の様子を拡大して表わす断面模式図である。 変形例としての燃料電池の概略構成を表わす分解斜視図である。
A.実施例の燃料電池の構成:
図1は、実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面模式図である。本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池である。また、本実施例の燃料電池は、電気化学反応が進行する基本構造であるセルアセンブリ10を複数備えると共に、各々のセルアセンブリ10間にセパレータ30を介在させつつセルアセンブリ10を積層させたスタック構造を有している。
セルアセンブリ10は、図1に示すように、膜−電極接合体(MEA、Membrane Electrode Assembly)12と、ガス流路形成部14,15と、シール部16と、によって構成されている。MEA12は、電解質膜と、電解質膜の表面に形成された一対の電極(カソードおよびアノード)とを備えている。本実施例では、さらに、MEA12を挟持するように、図示しない一対のガス拡散層が設けられている。
電解質膜は、固体高分子材料、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す。カソードおよびアノードは、電気化学反応を促進する触媒、例えば、白金、あるいは白金と他の金属から成る合金を備えている。カソードおよびアノードを形成するには、例えば、白金等の触媒金属を担持させたカーボン粉を作製し、この触媒担持カーボンと、電解質膜を構成する電解質と同様の電解質とを用いてペーストを作製し、作製した触媒ペーストを電解質膜上に塗布すればよい。ガス拡散層は、カーボン製の多孔質部材であり、例えばカーボンクロスやカーボンペーパによって形成される。電解質膜上に触媒電極を形成したMEA12を、ガス拡散層によって挟持して、プレス接合することにより全体を一体化する。ガス拡散層を設けることにより、触媒電極に対するガス供給効率を向上させると共に、ガス流路形成部14,15と触媒電極との間の集電性を高めることができ、さらに電解質膜を保護することができる。
ガス流路形成部14,15は、導電性の薄板状部材であり、本実施例では、エキスパンドメタルによって構成している。用いるエキスパンドメタルは、例えば、ステンレス製あるいはチタン製とすることができ、必要に応じて表面の少なくとも一部を貴金属によりコートすることとしても良い。ガス流路形成部14,15は、MEA12上のガス拡散層およびセパレータ30と接触するように配置されており、内部に形成される3次元的に連通した細孔から成る空間は、電気化学反応に供されるガスが通過するセル内ガス流路として機能する。すなわち、カソードとセパレータ30との間に配置されるガス流路形成部14の細孔が形成する空間は、酸素を含有する酸化ガスが通過するセル内酸化ガス流路として機能する。また、アノードとセパレータ30との間に配置されるガス流路形成部15の細孔が形成する空間は、水素を含有する燃料ガスが通過するセル内燃料ガス流路として機能する。ガス流路形成部14,15は、その端部に折れ曲がり部20,21を有している。折れ曲がり部20,21を有するガス流路形成部14,15の構成は、本願の要部に関わるものであるため、後に詳しく説明する。
シール部16は、MEA12およびガス拡散層の外周部を内包するように形成されており、弾性材料、例えば、ゴム(例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム)や、熱可塑性エラストマーによって形成されている。このようなシール部は、凸部60において、隣り合うセパレータ30の双方と接触してガスシール性を実現している。
図2は、MEA12およびガス拡散層と一体形成したシール部16の概略構成を表わす平面図である。図2に示すように、シール部16は、略四角形状の薄板状部材であり、外周部に設けられた8つの孔部(後述する8つの孔部40〜45)と、中央部に設けられてMEA12およびガス拡散層が組み込まれている略四角形の孔部とを有している。凸部60は、MEA12の外周および8つの孔部40〜45を囲んで形成されており、電極上に形成されるガス流路および孔部40〜45が形成する流路におけるシール性を実現している。なお、以下の説明では、各部材において、シール部16の中央部に形成される孔部に対応する領域を、発電領域DAと呼ぶ。
セパレータ30は、図1に示すように、ガス流路形成部14と接するカソード対向プレート31と、ガス流路形成部15と接するアノード対向プレート32と、カソード対向プレート31およびアノード対向プレート32に挟持される中間プレート33と、を備えている。これら3枚のプレートは、導電性材料、例えばステンレス鋼あるいはチタンやチタン合金といった金属によって形成される薄板状部材であり、カソード対向プレート31、中間プレート33、アノード対向プレート32の順に重ね合わされて、例えば拡散接合により接合されている。これら3種のプレートは、いずれも凹凸のない平坦な表面を有すると共に、各々、所定の位置に所定形状の孔部を有している。図3は、カソード対向プレート31の形状を示す平面図であり、図4は、中間プレート33の形状を示す平面図であり、図5は、アノード対向プレート32の形状を示す平面図である。これら図3〜図5では、既述した発電領域DAを、一点破線で囲んで示している。
カソード対向プレート31、アノード対向プレート32は、いずれも、その外周部においてシール部16と同様の位置に、8つの孔部を備えている。これらの8つの孔部は、スタック構造を形成するために各々の薄板状部材が積層された際に互いに重なり合って、燃料電池内部において積層方向に平行に流体を導くマニホールドを形成する。上記各薄板状部材では、略四角形状である外周の一辺に沿って、2つの孔部40が形成されている。また、近傍に孔部40が形成された辺と対向する辺に沿って、2つの孔部41が形成されている。さらに、他の2辺のうちの一方の辺の近傍には、孔部42,44が形成されており、他方の辺の近傍には、孔部43,45が形成されている。なお、中間プレート33は、上記8つの孔部のうち、孔部42,45は有していないが、後述する複数の冷媒孔59が、孔部42,45に対応する位置に重なるように設けられている。
上記各薄板状部材が備える孔部41は、燃料電池に対して供給された酸化ガスを各セル内酸化ガス流路に分配する酸化ガス供給マニホールドを形成し(図中、O2 inと表わす)、孔部40は、各セル内酸化ガス流路から排出されて集合した酸化ガスを外部へと導く酸化ガス排出マニホールドを形成する(図中、O2 outと表わす)。また、孔部44は、燃料電池に対して供給された燃料ガスを各セル内燃料ガス流路に分配する燃料ガス供給マニホールドを形成し(図中、H2 inと表わす)、孔部43は、各セル内燃料ガス流路から排出されて集合した燃料ガスを外部へと導く燃料ガス排出マニホールドを形成する(図中、H2 outと表わす)。さらに、孔部42は、燃料電池に対して供給された冷却水などの冷媒を各セパレータ30内に分配する冷媒供給マニホールドを形成し(図中、CLT inと表わす)、孔部45は、各セパレータ30から排出されて集合した冷媒を外部へと導く冷媒排出マニホールドを形成する(図中、CLT outと表わす)。
また、カソード対向プレート31は、発電領域DA内において、2つの孔部40の近傍の辺(図3における上端側の辺)に沿って設けられ、カソード対向プレート31を貫通して形成された酸化ガス排出スリット50を備えている。また、同様に、発電領域DA内において、2つの孔部41の近傍の辺(図3における下端側の辺)に沿って設けられた酸化ガス供給スリット51を備えている(図3参照)。
アノード対向プレート32は、カソード対向プレート31と同様に、発電領域DA内において、2つの孔部40の近傍の辺(図5における上端側の辺)に沿って設けられ、アノード対向プレート32を貫通して形成された燃料ガス供給スリット54を備えている。また、同様に、発電領域DA内において、2つの孔部41の近傍の辺(図5における下端側の辺)に沿って設けられた燃料ガス排出スリット53を備えている(図5参照)。これらの燃料ガス供給スリット54および燃料ガス排出スリット53は、それぞれ、酸化ガス排出スリット50および酸化ガス供給スリット51と重ならないように、プレートのさらに中央部寄りに配置されている。
中間プレート33においては、孔部40の形状が他のプレートとは異なっており、中間プレート33の孔部40は、この孔部40のプレート中央部側の辺が、プレート中央部方向へと突出する複数の突出部を備える形状となっている。孔部40が有する上記複数の突出部を、連通部55と呼ぶ。この連通部55は、中間プレート33とカソード対向プレート31とが積層されたときに酸化ガス排出スリット50と重なり合うように形成されており、酸化ガス排出マニホールドと酸化ガス排出スリット50とを連通させる。また、孔部41においても同様に、酸化ガス供給スリット51に対応して、複数の連通部56が設けられている(図4参照)。さらに、中間プレート33には、孔部44および孔部43の各々に連通して、アノード対向プレート32の燃料ガス供給スリット54あるいは燃料ガス排出スリット53と重なる形状の、連通部58および連通部57が設けられている。
燃料電池の内部において、孔部41が形成する酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、中間プレート33の連通部57が形成する空間と、カソード対向プレート31の酸化ガス供給スリット51とを介して、ガス流路形成部14内に形成されるセル内酸化ガス流路へと流入する。流入した酸化ガスは、電気化学反応に供されつつ、セル内酸化ガス流路を通過し、ガス流路形成部14から、カソード対向プレート31の酸化ガス排出スリット50および中間プレート33の連通部55が形成する空間を介して、孔部40が形成する酸化ガス排出マニホールドへと排出される。同様に、燃料電池の内部において、孔部44が形成する燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、中間プレート33の連通部58が形成する空間と、アノード対向プレート32の燃料ガス供給スリット54とを介して、ガス流路形成部15内に形成されるセル内燃料ガス流路へと流入する。流入した燃料ガスは、電気化学反応に供されつつ、セル内燃料ガス流路を通過し、ガス流路形成部15から、アノード対向プレート32の燃料ガス排出スリット53および中間プレート33の連通部57が形成する空間を介して、孔部43が形成する燃料ガス排出マニホールドへと排出される。
なお、中間プレート33は、さらに、発電領域DAを含む領域に、互いに平行に形成された細長い複数の冷媒孔59を備えている。これらの冷媒孔59の端部は、中間プレート33を他の薄板状部材と重ね合わせたときに、孔部42,45と重なり合い、冷媒が流れるためのセル間冷媒流路をセパレータ30内で形成する。すなわち、燃料電池の内部において、孔部42が形成する冷媒供給マニホールドを流れる冷媒は、上記冷媒孔59によって形成されるセル間冷媒流路に分配され、セル間冷媒流路から排出される冷媒は、孔部45が形成する冷媒排出マニホールドに排出される。
ここで、図2および図4では、図1に示した断面図に相当する位置を、1−1断面として示している。図1では、ガス流路形成部14に対して酸化ガスが給排される様子、および、ガス流路形成部15に対して燃料ガスが給排される様子が、矢印によって表わされている。
B.ガス流路形成部の折れ曲がり部の構成:
図6は、ガス流路形成部15における排出口側の端部の様子を拡大して表わす断面模式図である。図6に拡大して示した部位は、図1においては、破線で囲んだX領域として示している。ガス流路形成部15は、既述したようにエキスパンドメタルによって構成されている。エキスパンドメタルは、金属板に千鳥配列の切れ目を入れて押し伸ばしながら網目を形成することによって製造するため、エキスパンドメタル全体にわたって形成される網目の交差する部分(ボンド)が、各々、いずれかの面側に隆起する。このような隆起部が、隣接部材であるセパレータ30およびガス拡散層と接するように、ガス流路形成部15を配置することにより、エキスパンドメタル内に形成される空間によってセル内燃料ガス流路を形成することが可能になる。
図6に示すように、ガス流路形成部15の端部は、セル内燃料ガス流路の排出口が形成される位置において、セパレータ30の表面と、セパレータ30の厚み方向に平行であって上記排出口で開口するセパレータ30内の流路の内壁面と、に接する状態で、上記排出口内へと折り曲げられて、折れ曲がり部21を形成している。具体的には、ガス流路形成部15の端部は、アノード対向プレート32の燃料ガス排出スリット53および中間プレート33の連通部57内へと折り曲げられており、その先端は、カソード対向プレート31の表面に達している。ここで、セパレータ30の表面で開口する燃料ガス排出スリット53は、図5に示すように、セパレータ30の一辺(近傍に孔部41が形成される辺)に沿う方向を長手方向とし、この長手方向に垂直な方向を短手方向とする。そして、ガス流路形成部15の厚さ(図6に示す厚さT)は、燃料ガス排出スリット53および連通部57における上記短手方向の幅(具体的には、燃料ガス排出スリット53および連通部57の長辺間の距離であって、図6に示す幅W)よりも、薄く形成されている。そのため、ガス流路形成部15をセパレータ30の表面に沿って折り曲げて折れ曲がり部21を形成したときには、燃料ガス排出スリット53および連通部57においては、ガス流路形成部15に塞がれない空間(図6に示す空間S)が生じる。ガス流路形成部15の厚みは、例えば0.03〜0.1mmとすることができ、セパレータ30を構成する各プレートの厚みは、例えば0.1〜0.3mmとすることができ、エキスパンドメタルにおける中心間距離は、例えば0.3〜1mmとすることができるが、これらの大きさは適宜設定可能である。
ガス流路形成部15であるエキスパンドメタルの横幅(長手方向の長さ)は、燃料ガス排出スリット53および連通部57の長手方向の長さとほぼ等しいため、折り曲げられたガス流路形成部15の端部は、燃料ガス排出スリット53および連通部57内に丁度嵌り込むことができる。このような折れ曲がり部21を備えるガス流路形成部15を形成するには、例えば、燃料ガス排出スリット53および連通部57の長手方向の長さと略等しい幅のエキスパンドメタルを用意して、このエキスパンドメタルを、発電領域DAの大きさに対応する位置で略直角に折り曲げればよい。そして、折り曲げた部分を、アノード対向プレート32と中間プレート33の厚さを加算した長さの位置で切断すればよい。
ここで、カーボンペーパやカーボンクロスによって構成されるガス拡散層は、一般に、金属材料によって構成されるセパレータよりも接触角が大きく、撥水性が高いという性質を有している。そのため、セル内ガス流路で生じた液水は、その多くが、より親水性の高いセパレータの表面およびその近傍に広がる。図6には、液水がセパレータ表面上に広がって存在する様子が表わされている。なお、燃料ガスが供給されるアノードでは、電気化学反応に伴って生成水が生じることはないが、電解質膜を介してカソード側から供給される水蒸気や、燃料電池に供給される燃料ガス中に含まれる水蒸気が凝縮することにより、セル内燃料ガス流路では液水が生じ得る。
このようにセル内燃料ガス流路15においてセパレータ30近傍に広がった水は、セル内燃料ガス流路を形成する部分と一体で形成されて燃料ガス排出スリット53および連通部57内に折り曲げられた折れ曲がり部21によって、図6に示すように、セパレータ30の内部まで導かれる。そして、折れ曲がり部21内に保持される液水は、中間プレート33に設けられた連通部57が形成するガス流路内を燃料ガス排出マニホールドに向かって流れる燃料ガスによって吹き飛ばされつつ、燃料ガス排出マニホールドへと排出される。あるいは、連通部57が形成するガス流路内を燃料ガス排出マニホールドに向かって流れる燃料ガスによって、燃料ガス排出スリット53および連通部57の内壁面の近傍に保持された状態で、上記内壁面を伝って、折れ曲がり部21内を燃料ガス排出マニホールドに向かって導かれる。そしてさらに、燃料ガス流れに導かれて、燃料ガス排出マニホールドから燃料電池の外部へと排水される。
図7は、ガス流路形成部14における排出口側の端部の様子を拡大して表わす断面模式図である。図7に拡大して示した部位は、図1においては、破線で囲んだY領域として示している。ガス流路形成部14は、ガス流路形成部15と同様のエキスパンドメタルによって構成されている。図7に示すように、ガス流路形成部14の端部は、セル内酸化ガス流路の排出口が形成される位置において、セパレータ30の表面と、セパレータ30の厚み方向に平行であって上記排出口で開口するセパレータ30内の流路の内壁面と、に接する状態で、上記排出口内へと折り曲げられて、折れ曲がり部20を形成している。具体的には、ガス流路形成部14の端部は、カソード対向プレート31の酸化ガス排出スリット50内へと折り曲げられており、その先端は、中間プレート33の表面に達している。ここで、セパレータ30の表面で開口する酸化ガス排出スリット50は、図3に示すように、セパレータ30の一辺(近傍に孔部40が形成される辺)に沿う方向を長手方向とし、この長手方向に垂直な方向を短手方向とする。そして、ガス流路形成部14の厚さ(図7に示す厚さT)は、酸化ガス排出スリット50における上記短手方向の幅(具体的には、酸化ガス排出スリット50の長辺間の距離であって、図7に示す幅W)よりも、薄く形成されている。そのため、ガス流路形成部14をセパレータ30の表面に沿って折り曲げて折れ曲がり部20を形成したときには、酸化ガス排出スリット50においては、ガス流路形成部14に塞がれない空間(図7に示す空間S)が生じる。なお、既述したセル内燃料ガス流路の排出口側では、中間プレート33において、エキスパンドメタルの折れ曲がり部21を挿入可能な長さ(上記長手方向の幅)を有する連通部57が設けられていたが、セル内酸化ガス流路の排出口側では、中間プレート33において、櫛歯状の連通部55が設けられている。そのため、ガス流路形成部14の折れ曲がり部20は、中間プレート33に設けられた孔部が形成する空間内には挿入されておらず、カソード対向プレート31の厚みに対応する長さを有するように形成されている。
このようなガス流路形成部14を備えるセル内酸化ガス流路においても、セル内燃料ガス流路側と同様に、流路内で生じた液水は、その多くがセパレータの表面およびその近傍に広がる。セパレータ30近傍に広がった水は、酸化ガス排出スリット50内に折り曲げられた折れ曲がり部20によって、図7に示すように、セパレータ30の内部まで導かれる。そして、折れ曲がり部20内に保持される液水は、酸化ガスによって吹き飛ばされつつ、連通部55を介して酸化ガス排出マニホールドへと排出され、その後、酸化ガス排出マニホールドから燃料電池の外部へと排出される。なお、多孔質体であるエキスパンドメタルとセパレータ30との間の空隙にわたって液水が広がる現象は毛管現象であるため、重力よりも遥かに大きな力によって液水が導かれる。そのため、セル内ガス流路内をガスが重力に逆らう方向に流れる場合であっても、液水は、支障なくガスの排出口側の折れ曲がり部へと導かれて、セル内ガス流路から排出される。
以上のように構成された本実施例の燃料電池によれば、セル内ガス流路内の液水が、ガス流路形成部内に広がって、折れ曲がり部によってセル内ガス流路外へと導かれるため、セル内ガス流路での液水の滞留を抑制することができる。このように、セル内ガス流路からの排水を促進することにより、セル内ガス流路内に滞留する液水によるガス流れの阻害を抑制し、電池性能を確保することができる。
さらに、本実施例によれば、折れ曲がり部の厚さが、排出口における短手方向の幅よりも薄く形成されており、排出口において、折れ曲がり部に塞がれない空間が形成されるため、ガス流路形成部、あるいはガス流路形成部内に保持される液水によるガス流れの阻害を抑制することができる。図8は、折れ曲がり部を有しないエキスパンドメタルから成るガス流路形成部115によって、セル内燃料ガス流路を形成した様子を図6と同様にして表わす断面模式図である。図8においては、本実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。ここでは、折れ曲がり部を有しないガス流路形成部115は、発電領域DAとほぼ等しい大きさに形成されており、燃料ガスの排出口である燃料ガス排出スリット53の開口部は、ガス流路形成部115によって覆われている。このような構成にすると、セル内燃料ガス流路で生じた液水は、ガス流路形成部115内におけるセパレータ30の表面近傍にわたって広がるため、燃料ガスの排出口が液水によって塞がれ、燃料ガス流れが妨げられることになる。セル内燃料ガス流路から燃料ガス排出マニホールドへのガス流れが妨げられると、電極に対する燃料ガスの供給が抑制されて、電圧安定性の低下が引き起こされる可能性がある。また、セル内燃料ガス流路における圧損が増大することにより、セル内燃料ガス流路に対して燃料ガスを供給する際に消費するエネルギが増大する場合がある。これに対して本実施例では、セル内ガス流路の排出口においてガスが流れる空間が確保されているため、排出口が液水によって塞がれることによる不都合を抑制することができる。
また、特に本実施例によれば、セル内燃料ガス流路と燃料ガス排出マニホールドとを連通させるためにセパレータ30内に形成される流路において、連通部57によって形成される流路では、連通部57の長手方向に、燃料ガス排出マニホールドを形成する孔部43に向かって、一方向に燃料ガスが流れる。そのため、連通部57が形成する流路では、電極上に形成されるセル内燃料ガス流路よりも流路断面積が小さくなり、燃料ガスの流速が速くなる。したがって、折れ曲がり部21内に保持される液水が、燃料ガスの流れによって、より吹き飛ばされやすくなり、排水が容易になるという効果を奏する。
また、本実施例によれば、セル内ガス流路空の排水のために設けた折れ曲がり部と、セル内ガス流路を形成する部分とを、一体で形成したガス流路形成部14,15を用いているため、排水性を向上させるために部品点数が増加してしまうことがない。また、折れ曲がり部は、セパレータ30とガス流路形成部14,15とを重ね合わせるときに、セパレータ30の所定の位置に嵌め込むだけで良いため、組み立て工程の煩雑化を抑制することもできる。
なお、ガス流路形成部14,15として用いるエキスパンドメタルは、形成される網目形状および網目形状によって内部に形成される空間の大きさが全体に均一に形成されている必要はない。例えば、網目を形成する際の位相をずらして形成することによって、より狭い空間が形成される部分と、より広い空間が形成される部分とを設けても良い。このような構成とすれば、より狭い空間において水を導き、より広い空間においてガスの通り道を確保することができる。あるいは、上記のように狭い空間と広い空間とを形成する際に、特に、狭い空間をセパレータ30と当接する側に偏って設けることとしてもよい。このような構成とすれば、セパレータ30に比べて撥水性が高いガス拡散層を用いない場合であっても、液水を、セパレータ30の表面近傍に集めて導くことが可能になる。
また、実施例では、ガス流路形成部14,15の横幅(酸化ガス排出スリット50や燃料ガス排出スリット53が延出する方向の長さ)と、酸化ガス排出スリット50,燃料ガス排出スリット53の長手方向の長さとがほぼ等しく形成されており、ガス流路形成部14,15の端部を折り曲げて形成した折れ曲がり部20,21を、酸化ガス排出スリット50,燃料ガス排出スリット53に挿入しているが、異なる構成とすることもできる。酸化ガス排出スリット50あるいは燃料ガス排出スリット53が複数に分割されている場合には、ガス流路形成部14,15の端部を折り曲げた後に、この折れ曲がり部に対してガス排出スリットの形状に合わせて切れ込みを形成して、折れ曲がり部20,21の形状を、分割されたガス排出スリットの形状に適合させればよい。
また、実施例では、アノード側のガス流路とカソード側のガス流路の両方を、折れ曲がり部を有する多孔質体によって形成したが、異なる構成としても良い。少なくとも一方のセル内ガス流路を、ガスの排出口内へと空間を残しつつ折り曲げられた折れ曲がり部を有する多孔質体によって構成することにより、このような多孔質体を配置した側のセル内ガス流路において、ガス流れの阻害を抑制しつつ液水の排水を促進する既述した効果を得ることができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
実施例では、ガス流路形成部14,15をエキスパンドメタルによって構成したが、異なる種類の導電性多孔質体によって構成しても良い。例えば、発泡金属や、球状または繊維状の微小な金属を焼結させた焼結金属を用いることができる。3次元的に連通する細孔が内部にわたって形成されており、セル内ガス流路を形成する部分と折れ曲がり部を構成する部分とを一体で(各々の部分に形成される細孔が連続するように)形成可能であれば良い。発泡金属や焼結金属にように、折り曲げ加工を行なうと部分的に細孔が潰れる可能性があるなどにより折れ曲がり部を形成することが困難な多孔質体を用いる場合には、例えば切削加工により、折れ曲がり部を有する所望の形状のガス流路形成部を作製すればよい。一様な厚みの多孔質体に対して折り曲げ加工を施してガス流路形成部を形成する場合には、ガス流路形成部においてセル内ガス流路を形成する部分と折れ曲がり部との厚みは変わらないが、切削加工を行なう場合には、折れ曲がり部の厚みをセル内ガス流路を形成する部分とは異ならせることができる。このような切削加工等を行なうことにより、折れ曲がり部の厚みを排出口における短手方向の幅よりも薄く形成し、排出口において折れ曲がり部によって塞がれない空間を容易に形成することができる。
C2.変形例2:
実施例では、セパレータ30の内部に、セル内ガス流路とガスマニホールドとを連通させる連通流路を設け、折れ曲がり部20,21を、上記連通流路の一部を成してセパレータ30表面で開口する連通部へと嵌め込んでいるが、異なる構成としても良い。例えば、ガスマニホールドとセル内ガス流路とが、セパレータ表面において直接接続されている場合には、ガス流路形成部の端部に設けた折れ曲がり部を、マニホールドを形成する孔部に嵌め込むこととしても良い。このような構成の一例を、図9に示す。図9は、変形例としての燃料電池の概略構成を表わす分解斜視図である。本変形例では、実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。
図9に示す変形例の燃料電池は、実施例と同様にガス拡散層を両面に配置したMEA12と、カソード側のガス拡散層上に配置されるガス流路形成部214と、アノード側のガス拡散層上に配置されるガス流路形成部215と、一対のセパレータ231,232と、を備えている。ガス流路形成部214,215は、エキスパンドメタルや発泡金属などの導電性多孔質体によって形成されており、ガス流路形成部214はセル内酸化ガス流路を形成し、ガス流路形成部215はセル内燃料ガス流路を形成する。
セパレータ231および232の外周部には、酸化ガスを給排するマニホールドを形成する孔部40,41と、燃料ガスを給排するマニホールドを形成する孔部43,44と、冷媒を給排するマニホールドを形成する孔部42,45と、が設けられている。ここで、ガスマニホールドを形成する孔部40,41,43,44は、各々、セパレータ231における近接する辺に沿う方向を長手方向とし、この長手方向に垂直な方向を短手方向とする。また、セパレータ231におけるMEA12と対向する側の表面には、酸化ガスマニホールドを形成する孔部40,41と連通すると共に、ガス流路形成部214が丁度嵌り込む形状の凹部262が形成されている。同様に、セパレータ232におけるMEA12と対向する側の表面には、燃料ガスマニホールドを形成する孔部43,44と連通すると共に、ガス流路形成部215が丁度嵌り込む形状の凹部264が形成されている(図9に示すセパレータ232の裏面側に形成されるため、図示せず)。なお、セパレータ231,232の他の面には、孔部42と45とを連通させて、冷媒流路を形成するための凹部266が形成されている。
ガス流路形成部214において、孔部40に近接する側の端部には、セル内酸化ガス流路を形成する部分に対して略垂直に折れ曲がった形状の折れ曲がり部220が形成されている。セパレータ231とガス流路形成部214とを重ね合わせるときには、ガス流路形成部214におけるセル内酸化ガス流路を形成する部分の表面と折れ曲がり部220の表面が、凹部262の表面および孔部40の内壁面に隙間無く接するように、両者が積層される。同様に、ガス流路形成部215において、孔部43に近接する側の端部には、折れ曲がり部221が形成されている。セパレータ232とガス流路形成部215とを重ね合わせるときには、ガス流路形成部215におけるセル内燃料ガス流路を形成する部分の表面と折れ曲がり部221の表面が、凹部264の表面および孔部43の内壁面に隙間無く接するように、両者が積層される。
なお、燃料電池においてはさらに、隣り合うセパレータ間において、セル内ガス流路あるいはマニホールドにおけるシール性を確保するための図示しないシール部が設けられている。そして、燃料電池の組み立ては、図9に示す各部材を所定の順序で積層して単セルを作製し、得られた単セルを複数積層することによって行なわれる。
このように、セル内ガス流路とマニホールドとがセパレータ表面を介して連通している場合に、ガス流路形成部の端部をマニホールド孔に沿って折り曲げて折れ曲がり部を形成する場合にも、同様の効果を奏することができる。特に、折れ曲がり部の厚みを、マニホールド孔における短手方向の幅よりも小さく形成するならば、ガス流れを阻害することなく、セル内ガス流路からの排水を促進することができる。
変形例の燃料電池において、折れ曲がり部220、221の長さ(ガス流路形成部214,215における凹部262,264と接する面に対して突出する長さ)は、隣接する単セルが備えるガス流路形成部214,215に接触して短絡を生じることのない長さであればよい。このような短絡を抑制するために、折れ曲がり部の先端部においては、絶縁材料からなる絶縁部を設けることとしても良い。このような絶縁部は、折れ曲がり部の先端部に、例えば、絶縁性の樹脂を含浸させることにより形成すればよい。絶縁性の樹脂としては、例えば、ポリエチレンや、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、ポリエチレンテレフタレート(PET)を挙げることができる。
C3.変形例3:
実施例では、折れ曲がり部の厚みを排出口における短手方向の幅よりも薄く形成し、排出口において折れ曲がり部によって塞がれない空間を形成することとしたが、折れ曲がり部の厚みは、排出口における短手方向の幅と略同一としても良い。このような構成としても、構造の複雑かを伴うことなくセル内ガス流路からの排水性を高める同様の効果を得ることができる。特に、実施例のように、ガス流路形成部の一方の面と接するガスセパレータの方が、ガス流路形成部の他方の面と接する隣接部材(ガス拡散層)よりも親水性が高い場合には、液水は、ガスセパレータの表面と、排出口で開口するセパレータを貫通する流路(厚み方向流路)の内壁面と、に沿って導かれる。そのため、折り曲げ部によって排出口が塞がれる場合であっても、折り曲げ部においては、上記厚み方向流路の内壁面から離間した領域において、ガス流れを確保することができる。また、例えばガス流路形成部を、網目を形成する際の位相をずらすことにより、狭い空間が形成される部分と広い空間が形成される部分とが設けられたエキスパンドメタルによって構成する場合には、折り曲げ部によって排出口が塞がれる場合であっても、折り曲げ部においては、上記狭い空間において水を導き、上記広い空間においてガスの通り道を確保することができる。
C4.変形例4:
実施例では、燃料電池は固体高分子型燃料電池としたが、異なる種類の燃料電池であっても良い。発電に伴い電極で生成水が生じ、セル内ガス流路内で液水が存在し得る条件下で発電を行なう燃料電池であれば、本願発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
10…セルアセンブリ
12…MEA
14,15,115,214,215…ガス流路形成部
16…シール部
20,21,220,221…折れ曲がり部
30…セパレータ
31…カソード対向プレート
32…アノード対向プレート
33…中間プレート
40〜45…孔部
50…酸化ガス排出スリット
51…酸化ガス供給スリット
53…燃料ガス排出スリット
54…燃料ガス供給スリット
55〜58…連通部
59…冷媒孔
60…凸部
231,232…セパレータ
262,264…凹部
266…凹部

Claims (5)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜と、
    前記電解質膜上に形成されている一対の電極と、
    各々の前記電極上に配置され、前記電極との間にガス流路を形成するガスセパレータと、
    少なくとも一方の前記電極と前記ガスセパレータとの間に配置された多孔質体によって構成され、内部の細孔によって前記ガス流路を形成するガス流路形成部と、
    を備え、
    前記ガスセパレータには、前記ガス流路からガスを排出させる排出口と、前記ガスセパレータの厚み方向に平行であって前記排出口で開口する厚み方向流路と、が形成されており、
    前記ガス流路形成部は、前記ガスセパレータ表面および前記厚み方向流路の内壁面に接する状態で、前記排出口内に折り曲げられた形状の折れ曲がり部を有する
    燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記排出口は、前記ガスセパレータの一辺に沿う方向を長手方向とし、該長手方向に垂直な方向を短手方向としており、
    前記折れ曲がり部は、該折れ曲がり部の厚さが、前記排出口の短手方向の幅よりも薄く形成されている
    燃料電池。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池であって、
    前記ガスセパレータは、
    前記ガスセパレータを厚み方向に貫通するマニホールド孔であって、前記電解質膜と前記電極と前記ガスセパレータとの積層方向に前記燃料電池を貫通して前記ガスを供給あるいは排出するガスマニホールドを形成するマニホールド孔と、
    前記ガスセパレータの内部において、前記ガスを排出するガスマニホールドを形成するための前記マニホールド孔の内壁面と前記排出口とを連通させる連通路と、
    を備え、
    前記厚み方向流路は、少なくとも前記連通路の一部であり、
    前記ガス流路形成部が備える前記折れ曲がり部は、前記排出口において前記連通路内へと折り曲げられて形成されている
    燃料電池。
  4. 請求項1または2記載の燃料電池であって、
    前記ガスセパレータは、前記ガスセパレータを厚み方向に貫通するマニホールド孔であって、前記電解質膜と前記電極と前記ガスセパレータとの積層方向に前記燃料電池を貫通して前記ガスを供給あるいは排出するガスマニホールドを形成するマニホールド孔を備え、
    前記厚み方向流路は、前記ガスを排出するためのガスマニホールドの一部として前記マニホールド孔が形成する流路であって、前記ガスセパレータの表面を介して前記ガス流路と接続されており、
    前記ガス流路形成部が備える前記折れ曲がり部は、前記マニホールド孔へと折り曲げられて形成されており、折り曲げられた先端部において、隣り合うガス流路形成部との間の絶縁性を確保する絶縁部を備える
    燃料電池。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の燃料電池であって、
    前記ガス流路形成部を構成する多孔質体は、エキスパンドメタルである
    燃料電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016119178A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 三菱重工業株式会社 固体高分子形燃料電池
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