JP5098324B2 - 燃料電池用セパレータおよび燃料電池セル - Google Patents

燃料電池用セパレータおよび燃料電池セル Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池用セパレータおよび燃料電池にかかるものであり、さらに詳しくは、燃料電池用セパレータの発電ガス流通領域に関するものである。
固体高分子型燃料電池は、水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとを発電ガスとして、高分子電解質膜と触媒層とガス拡散電極とから構成され、MEA(Membrane Electrode Assemble)と称される、膜電極接合体に供給して電気化学反応をさせることにより、電気と熱を発生させる。
燃料電池セルは、このMEAをアノードセパレータとカソードセパレータから成る一対の導電性のセパレータで挟持したものである。アノードセパレータのMEAと接する面のMEAのガス拡散電極に対応するガス通流領域には、燃料ガスが通流する複数の流路溝が形成されている。同様にカソードセパレータのMEAと接する面のMEAのガス拡散電極に対応するガス通流領域には、酸化剤ガスが通流する複数の流路溝が形成されている。この複数の流路溝は、各セパレータに設けられた発電ガス供給孔と発電ガス排出孔との間を接続して、MEAのガス拡散電極面にできるだけ均一に発電ガスを供給するように構成されている。
このため、燃料ガスをアノードセパレータに、酸化剤ガスをカソードセパレータに、それぞれ供給すると、発電ガスは発電ガス通流領域内の流路溝群を流れる間に、MEAを構成するガス拡散電極内に供給されて電気化学反応によって消費され、電気と熱が発生する。
MEAで発電を行うためには、高分子電解質膜は十分に湿潤状態である必要があるため、発電ガスのうち少なくとも燃料ガスは、水または水蒸気と一緒に燃料電池セルに供給され、発電に利用されなかった燃料ガスと共に燃料電池セルから排出される。また、発電に際して、カソード側では電気化学反応により水が生成され、この生成水も発電に利用されなかった酸化剤ガスと一緒に燃料電池セルから排出される。
これらの水分は、水蒸気の形態と、一部が凝縮して液体の水の状態で燃料電池セルから排出されるが、この凝縮水が流路溝の一部を閉塞してガスの流れを不均一にし、発電性能を低下させるフラッティングと呼ばれる現象が発生することがある。そこで、フラッティングを防止するために各種の工夫がなされている。
例えば、複数の流路溝がサーペンタイン状に形成されたセパレータを基本の設計思想とし、流路溝の折り返し部を格子状溝としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この構成により、凝縮水が流路溝の途中で凝縮して流路溝を閉塞しても、格子状溝部で再び分流されるので、格子状溝部の下流側では再び均一なガス供給が可能となる。
しかしながら、上記従来のセパレータの構成では、格子状溝部におけるMEAとの接触面積が、他の流路溝部に比べ小さくなるために接触抵抗が大きくなり、MEA面内での電流密度分布が発生して出力性能の低下や、局所的なMEAの劣化が発生する可能性があった。そこで、接触面積の差を小さくする工夫が施されたセパレータが考案されている(例えば、特許文献2参照)。
図9は従来の燃料電池用セパレータの正面図である。前記燃料電池用セパレータの上端部に発電ガス供給孔1が、下端部に発電ガス排出孔2が設けられている。前記燃料電池用セパレータの発電ガス通流領域には、ガス拡散電極に供給する発電ガスの流路であり、直線状リブ3で形成された流路溝4が、発電ガス供給孔1と連結し、また、発電ガス排出孔2と連結して設けられている。さらに、流路溝4の折り返し部には、複数の島状突起5が底面から立設された窪み部6が設けられている。リブ3と突起5とがMEAのガス拡散電極に接触し、セパレータは該ガス拡散電極で発電された電気を集電する役割も担っている。セパレータとMEAとの接触面積を大きくするために、窪み部6は、略三角形の形をしている。
特開平10−106594号公報 特開2000−164230号公報
しかしながら、上記従来の燃料電池用セパレータでは、折り返し部とそれ以外の部分で接触面積の違いによる接触抵抗の差が充分に緩和されているとは言い難く、接触抵抗をできる限り均一にする点で改良の余地がある。
さらには、折り返し部ではそれ以外の部分に比べ、単位面積あたりに発電ガスが通流する領域の面積が広いため、発電ガスの流速が低下して凝縮水が滞留しやすく、発電ガスの分配性を低下させることも懸念される。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、流路溝内の凝縮水によるフラッティングを抑制するとともに、接触抵抗の均一性を向上および発電ガスの分配性の低下を抑制させ、MEA面内での電流密度分布の発生による出力性能の低下や、局所的なMEAの劣化が発生を抑制することができる燃料電池用セパレータおよび燃料電池用セルを提供することを目的にしている。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の直線状リブで形成された流路溝群と、底面から島状突起が複数立設された窪み部とが接続されて流路が形成され、かつ前記島状突起の上面が、前記窪み部に接続した前記直線状リブの端部から離れるにつれて高さが高くなるように前記窪み部の底面を傾斜させたことを特徴とする燃料電池用セパレータとする。
これにより、MEAを挟持して燃料電池セルを組んだ際、MEAに接触するリブと突起とで、MEAに対する接触圧力を突起部で強くすることができる。
また、本発明の燃料電池セルは、上記セパレータが、MEAを挟持する一対のセパレータのいずれか一方であり、前記突起部において前記一対のセパレータの前記膜電極接合体を挟持する隙間が狭いものである。
これにより、突起部では他の部分に比べMEAと強く接触することになるため、接触部の単位面積あたりの接触抵抗が小さくなり、MEAとの接触面積が小さくなっても、接触抵抗の分布が大きくなるのを抑制する最適な形状を設計することができる。
本発明の燃料電池用セパレータおよび燃料電池セルによれば、接触抵抗の均一性を向上させ、MEA面内での電流密度分布の発生による出力性能の低下や、局所的なMEAの劣化が発生を抑制できる。
第1の発明は、複数の直線状リブで形成された流路溝群と、底面から島状突起が複数立設された窪み部とが接続されて流路が形成され、かつ前記島状突起の上面が、前記窪み部に接続した前記直線状リブの端部から離れるにつれて高さが高くなるように前記窪み部の底面を傾斜させたことを特徴とする燃料電池用セパレータとすることにより、MEAを挟持した際に、リブと突起の段差でMEAが屈曲することを抑制すると同時に、前記窪み部での発電ガスの流速の低下を抑制することが可能である。さらには流路溝と窪み部の境界に水が溜まるのを防止することが出来る。
第2の発明は、前記窪み部を複数有し、発電ガスの流れに対して下流側に位置する前記窪み部の底面を、上流側に位置する前記窪み部の底面よりも浅くすることにより、発電によって発電ガスの一部が消費されて流速が低下し、かつ発電とともに生成した水分によって、上流と比べて水が排出されにくい下流側で窪み部とMEAとで形成される隙間を狭くすることが可能であり、全体の流路抵抗を大きく上昇させることなく、窪み部での排水性を向上させることが可能である。
第3の発明は、請求項1または2に記載のセパレータがMEAを挟持する一対のセパレータの少なくともいずれか一方であり、前記突起部において前記一対のセパレータの前記MEAを挟持する隙間が狭いものであるため、突起部で他の部分に比べMEAと強く接触して、接触抵抗の分布が大きくなるのを抑制することができる。
第4の発明は、請求項1または2に記載のセパレータが、MEAを挟持する一対のセパレータの少なくともいずれか一方であり、前記突起部において、前記一対のセパレータのMEAを挟持する隙間が狭く、かつ前記窪み部の底面と前記MEAとで形成される空間の積層方向の深さが、前記流路溝と前記MEAとで形成される空間の積層方向の深さよりも浅い燃料電池セルであることにより、突起部が他の部分に比べMEAと強く接触して、接触抵抗の分布が大きくなるのを抑制することができ、かつ窪み部での排水性を向上させることが可能である。
第5の発明は、一方のセパレータが請求項1または2に記載のセパレータであり、他方のセパレータが、突起の高さがリブよりも低い点で一方のセパレータと異なり、かつ前記MEAを挟持した際に一方のセパレータの突起と対応する位置に突起がある燃料電池用セパレータであり、前記突起部において前記一対のセパレータの前記MEAを挟持する隙間が、リブによってMEAを挟持する隙間よりも狭く、かつ少なくとも他方のセパレータの前記窪み部の底面と前記MEAとで形成される空間の積層方向の深さが、前記流路溝の底面と前記MEAとで形成される空間の積層方向の深さよりも浅い燃料電池セルとすることにより、比較的簡単な構成で突起部における接触抵抗の増加の抑制と、窪み部における排水性の向上を実現することが可能である。
第6の発明は、少なくともカソード側において、前記窪み部の底面と前記MEAとで形成される空間の積層方向の深さが、前記流路溝と前記MEAとで形成される空間の積層方向の深さよりも浅い燃料電池セルにすることにより、窪み部での排水性を向上させることが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、従来例と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池セルを分解して模式的に表した分解図である。
図1に示すように、燃料電池セル10は一対のガス拡散電極11で両面に触媒層(図示せず)を備えた高分子電解質膜12を挟んで構成したMEA13を、一対のアノード側セパレータ20とカソード側セパレータ30とで挟み込んで構成されている。
アノード側セパレータ20,カソード側セパレータ30およびMEA13には、外部から水素を含む燃料ガスを導入するための燃料ガス供給孔14と、発電に使用されなかった燃料ガスを外部に排出するための燃料ガス排出孔15と、酸素を含む酸化剤ガスを外部から導入するための酸化剤ガス供給孔16と、発電に使用されなかった酸化剤ガスを外部に排出するための酸化剤ガス排出孔17とが、外周近傍の燃料電池セルを組み立てた際に貫通するように設けられている。
アノード側セパレータ20のガス拡散電極11と接する面には、燃料ガス供給孔14と燃料ガス排出孔15とを接続し、燃料ガスをガス拡散電極11に均一に分配して通流させる燃料ガス通流領域21(図1のアノード側セパレータ20内の二点破線で囲んだ領域で、図1では実際は、見えない面にあるために点線で構成を示す)が形成されている。なお、燃料ガス通流領域21の構成は、後程詳しく説明する。
また、カソード側セパレータ30のガス拡散電極11と接する面には、酸化剤ガス供給孔16と酸化剤ガス排出孔17とを接続し、酸化剤ガスをガス拡散電極11に均一に通流させる酸化剤ガス通流領域31(図1のカソード側セパレータ30内の二点破線で囲んだ領域)が形成されている。なお、酸化剤ガス通流領域31の構成は、後程詳しく説明する。
また、MEA13には、燃料ガス供給孔14,燃料ガス排出孔15,酸化剤ガス供給孔16,酸化剤ガス排出孔17およびガス拡散電極11の外周部に、アノード側セパレータまたはカソード側セパレータにより挟持され、締結圧力が加えられた際に、発電ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)が所定の一方の面の発電ガス通流領域(燃料ガス通流領域21または酸化剤ガス通流領域31)にのみに供給され、他方の面や外部に漏れないようにするシール部18が設けてある。
なお、燃料電池セル10の温度を適温に保つために、アノード側セパレータ20およびカソード側セパレータ30の少なくとも一方の、MEA13と接しない面には、冷却流体が通流する構造が設けてあるが、ここでは冷却流体の通流構造については詳細な説明を省く。
次に、アノード側セパレータ20およびカソード側セパレータ30に配設された燃料ガス通流領域21および酸化剤ガス通流領域31の構成について、図を参照して詳しく述べる。
図2は、本実施の形態1のアノード側セパレータの正面図であり、図3は本実施の形態1のカソード側セパレータの正面図、図4は燃料電池セルを図1におけるA−A線断面で切断した断面図である。
図2に示すように、燃料ガス通流領域21は、直線状のリブ22で区画された流路溝23が複数集まった流路溝群23a、23bが、少なくとも一つの窪み部24を経由して燃料ガス供給孔14と燃料ガス排出孔15とを接続して形成される。すなわち図2に示すように、流路溝群23aが燃料ガス供給孔14と窪み部24aとを接続し、さらに別の流路溝群23bが窪み部24aで180度折り返すようにして窪み部24bと接続するといったことを繰り返し、燃料ガス排出孔に接続される。
また、流路溝23とリブ22とは、均一なピッチおよび均等な幅、さらには均等な段差を有し、MEA13のガス拡散電極11とリブ22の上面で同一の接触圧で接している。
また、この窪み部24は、底面が流路溝23の底面と同一平面であり、窪み部24と流路溝群との境界、および燃料ガス通流領域21の外周との境界から略三角形の形状を成している。すなわち、窪み部を略四角形にするよりもリブ22の長さを長く取れる工夫が施してある。
さらに窪み部24の底面からは、島状に配置された複数の突起25が、リブ22の延長線上にリブ22のピッチと均一なピッチで、かつリブ22の幅と均一な幅で立設されている。さらに、この突起25の高さ(図4中のH1)は、リブ22の高さ(図4中のh1)よりも高く形成されている。なお、本実施の形態1のアノード側セパレータでは、突起25はすべて同じ形状を有している。
この構成により、アノード側セパレータ20に燃料ガスを水分(水または水蒸気)と共に供給しても、流路溝23の一部が供給した水や水蒸気が凝縮した凝縮水によって閉塞され、有効な流路溝数が減少しても、次の窪み部24の下流では、再び元の流路溝数に復帰することが可能であるため、燃料ガス通流領域の有効面積が低下するのを抑制することが可能である。
図3に示すように、カソード側セパレータ30は、アノード側セパレータ20と略同様の構成、形状をしているが、本実施の形態1では酸化剤ガスとして空気を用いたため、燃料ガスよりも多量のガス流量が必要となり、圧力損失の増加やガス拡散性の低下の問題があるために、アノード側セパレータ20よりも一つの流路群を構成する流路溝33の本数を多くし、一本あたりの流路長がアノード側セパレータ20よりも短くなっている点でアノード側セパレータ20と異なる。すなわち、流路溝33のターン部(窪み部34)の数も、アノード側セパレータ20の窪み部24よりも少ない。また、これはカソード側では発電に際して発生した水分が排出されるために、発電に使われなかった空気と一緒に凝縮水を排水する必要があることも考慮に入れている。
なお、本実施の形態1のカソード側セパレータ30のリブ32および突起35は、燃料電池セルを組み立てた際に、アノード側セパレータ20のリブ22および突起25に対応するように考慮して設計されている。
すなわち、ターン部の一部を除いて、MEA13はアノード側セパレータ20のリブ22または突起25と、カソード側セパレータ30のリブ32または突起35とで挟持されている。
しかしながら、ガス拡散電極11とアノード側セパレータ20およびカソード側セパレータ30の接触面積との接触面積という観点では、流路溝を非連続にすることによって、接触面積が低下することとなり、非連続の形状としただけでは接触面積の低下から接触抵抗の増大につながることになる。
しかし、本実施の形態の燃料電池セルでは、図4に示すように、アノード側セパレータ20とカソード側セパレータ30とを用いてMEA13を挟持し、図示しない締結構造によって燃料電池セルの積層面全面を略均一の締結力で締結してやると、MEA13のガス拡散電極11は、突起25でリブ22よりも高い接触圧でアノード側セパレータ20と接触させることができる。カソード側セパレータ30でも同様に、突起での接触圧の方がリブでの接触圧よりも高くすることができる。
図5に、本実施の形態1に用いたガス拡散電極11に、アノード側セパレータ20およびカソード側セパレータの材料であるカーボン製の円柱を、接触圧を変化させながら接触させた際の接触抵抗の変化を測定した実験結果を示す。
図5に示すように、接触圧を大きくすることにより接触抵抗は低下し、ある程度(図5中の接触圧が約6kgf/cm2くらいのところ)まで接触圧を上げると、接触抵抗の低下は緩やかになる。
一般的に燃料電池セルは、燃料電池セルの積層面(MEAの主面に対応する面)全面に、略均一で、ガス拡散電極とセパレータとの接触抵抗が小さくなる強さの圧力が印加されるように、図示しない締結構造によって締結してある。
しかし一方で、締結圧を強くして接触抵抗を小さくするには、締結構造の複雑化や耐圧縮性などに対する強度アップによる材料のコストアップなどがあるため、ガス拡散電極とリブとの接触圧は、接触抵抗の低下が緩やかになる編曲点に近い強さ(図5中の接触圧が約6kgf/cm2くらいのところ)の接触圧になるように、締結した際のアノード側セパレータとカソード側セパレータとの隙間距離を設計している。
よって、突起の高さをリブの高さよりも高くして、締結した際に接触圧が大きく、接触抵抗が小さくなるようにすることによって、リブを非連続にしたことにより発生する接触面積の低下による接触抵抗の増加を抑制することが可能である。接触面積が低下した分をすべて接触圧の向上で補うことは困難であるが、接触抵抗の増加を抑制して面内での均一性を向上させ、MEA面内での電流密度分布の発生による出力性能の低下や、局所的なMEAの劣化が発生を抑制するができる。
なお、本実施の形態1では、流路群のターン部をすべて、窪み部と突起から成る非連続的な構成としたが、一部をサーペンタイン状の流路溝として連続的な流路とした場合にも、同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における燃料電池用セパレータを示す図であり、(a)は燃料電池用セパレータの主要部の正面図、(b)および(c)はそれぞれ(a)におけるB−B線断面,C−C線断面の主要部の断面図である。
図6に示すように、本実施の形態の燃料電池用セパレータは、実施の形態1で示した燃料電池用セパレータと、突起の高さがリブから離れるにしたがって徐々に高くなっている点で異なる。すなわち、図6(b)および(c)に示すように、B−B線断面で見ると、リブ41の高さをh1とすると、h2、h3、h4、h5の順に突起42の高さが高くなり、また、C−C線断面で見ても、h1に対し、H2、H3の順に突起42の高さが高くなっている。
この構成により、MEAを挟持して燃料電池セルとして組み立て、締結圧を付加した際、MEAがリブと突起の高さの差によって屈曲することを抑制することができる。そのため、MEAの屈曲による高分子電解質膜とガス拡散電極,触媒層との剥離や、高分子電解質膜の破損によるアノード側とカソード側とのクロスリークといったことの発生を抑制し、信頼性の高い燃料電池セルを提供することができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における燃料電池用セパレータを示す図であり、(a)は燃料電池用セパレータの主要部の正面図、(b)は図7(a)におけるD−D線断面の主要部の断面図である。
図7に示すように、本実施の形態の燃料電池用セパレータは、実施の形態2で示した燃料電池用セパレータと、突起52の上面53がリブ51の端部54から離れるにつれて高さが高くなるように傾斜している点で異なる。
この構成により、先に示す実施の形態2の燃料電池用セパレータよりも、MEAを挟持して燃料電池セルとして組み立て、締結圧を付加した際、MEAがリブと突起の高さの差によって屈曲することを抑制することができるため、信頼性の高い燃料電池セルを提供することができる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における燃料電池用セパレータを示す図であり、(a)は燃料電池用セパレータの主要部の正面図、(b)は図8(a)におけるE−E線断面の主要部の断面図である。
図8に示すように、本実施の形態の燃料電池用セパレータは、実施の形態3で示した燃料電池用セパレータと、次の点で異なる。
すなわち、突起62の上面がリブ61の端部から離れるにつれて高さが高くなるように傾斜しているのと同様に、窪み部63の底面が突起62の上面と平行して傾斜している。よって、突起62のリブ上面を基準とした高さは、リブ端部から離れるにつれて徐々に高くなっているが、窪み部63の底面からの高さは、全突起に対して同等である。
この構成において、MEAを挟持した際には、MEAと窪み部底面とで形成する発電ガスと生成水や凝縮水などの二相流体が通流する空間の高さが、MEAと流路溝とによって形成される空間の高さよりも低いため、従来ならば窪み部で減速する二相流体の速度の低下度合いを小さく抑制することが可能であり、長期間の運転によっても生成水や凝縮水の滞留によって分配性が変化するといったことがないため、安定した発電が可能である。
なお、窪み部底面の傾斜は、突起の傾斜と同等の角度である必要はないが、同等の傾斜もしくは、底面の傾斜の方が突起上面の傾斜よりも角度が急である方が、流速の低下を抑制する観点では好ましい。
また、発電ガスは、発電ガス通流領域を上流から下流に向かって、一部ガスを消費されながら通流するため、上流に比べ下流側で流量が少なく、さらに下流側では発電に際して生成した水によって凝縮水が発生しやすい状況である。このため、窪み部は閉塞しやすいが、上流側より下流側の窪み部の底面を、より浅くすることによって、窪み部における凝縮水の閉塞を抑制することができる。
また、アノード側に比べカソード側の方が、発電に伴って生じる生成水の影響で流路溝が閉塞しやすいことを考慮すると、本発明の燃料電池セパレータを少なくともカソード側に用いることによる効果は期待できる。
本発明による燃料用電池セパレータは、接触抵抗の均一性を向上させ、MEA面内での電流密度分布の発生による出力性能の低下や、局所的なMEAの劣化が発生を改善でき、例えば、固体高分子型燃料電池、DMFC等に適用可能である。
本発明の実施の形態1の燃料電池セルを分解して模式的に表した分解図 同実施の形態のアノード側セパレータの正面図 同実施の形態のカソード側セパレータの正面図 同実施の形態の燃料電池セルの主要部の断面図 ガス拡散層とカーボン材との接触圧と接触抵抗の関係を示す実験結果を示す図 (a)本発明の実施の形態2の燃料電池用セパレータの主要部の正面図(b)図6(a)におけるB−B線断面の主要部の断面図(c)図6(a)におけるC−C線断面の主要部の断面図 (a)本発明の実施の形態3の燃料電池用セパレータの主要部の正面図(b)図7(a)におけるD−D線断面の主要部の断面図 (a)本発明の実施の形態4の燃料電池用セパレータの主要部の断面図(b)図8(a)におけるE−E線断面の主要部の断面図 従来の燃料電池用セパレータの正面図
符号の説明
10 燃料電池セル
11 ガス拡散電極
12 高分子電解質膜
13 MEA
14 燃料ガス供給孔
15 燃料ガス排出孔
16 酸化剤ガス供給孔
17 酸化剤ガス排出孔
20 アノード側セパレータ
21 燃料ガス通流領域
22,32,41 リブ
23,33 流路溝
24,34 窪み部
25,35,42 突起
h1 リブの高さ
h2,h3,h4,h5,H1,H2,H3 突起の高さ

Claims (6)

  1. 複数の直線状リブで形成された流路溝群と、底面から島状突起が複数立設された窪み部とが接続されて流路が形成され、かつ前記島状突起の上面が、前記窪み部に接続した前記直線状リブの端部から離れるにつれて高さが高くなるように前記窪み部の底面を傾斜させたことを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 前記窪み部を複数有し、発電ガスの流れに対して下流側に位置する前記窪み部の底面が、上流側に位置する前記窪み部の底面よりも浅いことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 膜電極接合体を挟持する一対のセパレータで構成される燃料電池セルであって、請求項1または2に記載のセパレータが一対のセパレータの少なくともいずれか一方であり、前記島状突起により前記一対のセパレータの前記膜電極接合体を挟持する隙間が、前記島状突起を有しない部分における前記膜電極接合体を挟持する隙間よりも狭くしたことを特徴とする燃料電池セル。
  4. 前記窪み部の底面と前記膜電極接合体とで形成される空間の積層方向の深さが、前記流路溝と前記膜電極接合体とで形成される空間の積層方向の深さよりも浅いことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池セル。
  5. 膜電極接合体を挟持する一対のセパレータで構成される燃料電池セルであって、前記一対のセパレータは一方のセパレータが請求項1または2に記載のセパレータであり、他方のセパレータは、複数の直線状リブで形成された流路溝群と、前記流路溝群が接続し底面から島状突起が複数立設された窪み部とから構成された流路を有し、前記突起は前記リブよりも高さが低く、かつ前記膜電極接合体を挟持した際に前記一方のセパレータの突起と対応する位置に他方のセパレータの突起を有し、前記島状突起部において前記一対のセパレータの前記膜電極接合体を挟持する隙間が前記島状突起を有しない部分における前記膜電極接合体を挟持する隙間よりも狭く、かつ少なくとも他方のセパレータの前記窪み部の底面と前記膜電極接合体とで形成される空間の積層方向の深さが、前記流路溝と前記膜電極接合体とで形成される空間の積層方向の深さよりも浅いことを特徴とする燃料電池セル。
  6. 少なくともカソード側において、前記窪み部の底面と前記膜電極接合体とで形成される空間の積層方向の深さが、前記流路溝と前記膜電極接合体とで形成される空間の積層方向の深さよりも浅いことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池セル。
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