JP2008276995A - 非水電解液一次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用前に長期貯蔵した場合の容量低下を抑制できる非水電解液一次電池を提供する。
【解決手段】 正極、負極、樹脂製のセパレータおよび非水電解液を備えており、前記正極および/または前記負極の表面に、前記セパレータよりも低い温度で溶融する樹脂製の絶縁層が形成されていることを特徴とする非水電解液一次電池により、上記課題を解決する。前記絶縁層は、少なくとも負極の表面に形成されていることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非水電解液一次電池に関し、更に詳しくは、使用前に長期間貯蔵しても、容量低下が抑制可能な非水電解液一次電池に関するものである。
現在、各種電子機器の電源などの多くの用途に非水電解液一次電池が適用されている。 非水電解液一次電池としては、例えば、二酸化マンガンなどを正極活物質とし、リチウムやリチウム合金を負極に用いたものが、負荷特性などが良好であることが知られている。
ところで、前記の非水電解液一次電池などの一次電池は、常に製造してから短期間で使用される訳ではなく、比較的長期間貯蔵などされた後に用いられる場合もある。ところが、非水電解液一次電池の貯蔵期間が非常に長期にわたると、自己放電が生じて、その容量が徐々に低下することがある。
一方、貯蔵時には放電ができないように構成し、使用に際して初めて放電可能な状態にする電池として、例えば、特許文献1などに開示されている熱電池が知られている。前記の熱電池であれば、貯蔵期間が長期にわたっても、その間の自己放電の虞がなく、容量の低下を防止できる。
特開2007−12599号公報
しかし、熱電池は、通常の一次電池とは異なる構成を有する特殊なものであり、現在汎用されている非水電解液一次電池に近い構成で、かつ長期貯蔵の際の容量低下が抑制可能な非水電解液一次電池の開発要請もある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用前に長期貯蔵した場合の容量低下を抑制できる非水電解液一次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水電解液一次電池は、正極、負極、樹脂製のセパレータおよび非水電解液を備えており、前記正極および/または前記負極の表面に、前記セパレータよりも低い温度で溶融する樹脂製の絶縁層が形成されていることを特徴とするものである。
なお、本明細書でいう絶縁層およびセパレータの「溶融する温度」とは、絶縁層およびセパレータの構成樹脂の溶融する温度であり、構成樹脂が結晶性樹脂の場合には、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度(融点)を意味し、構成樹脂が非晶性樹脂の場合には、目視法による融点測定器を用いて目視法によって測定される樹脂の軟化温度(樹脂が流動し始める温度)を意味している。
本発明の非水電解液一次電池では、正極および負極の少なくとも一方の表面に、正極−負極間のイオンの流通を遮断するための絶縁層を有している。そのため、電池の貯蔵時においては、正極−負極間の反応が防止されることから、自己放電による容量低下を抑制できる。
他方、絶縁層はセパレータよりも低い温度で溶融するため、電池の使用に際しては、セパレータの溶融が生じない範囲の温度で絶縁層を溶融させれば、正極−負極間をイオンが流通できるようになって、放電が可能となる。
本発明によれば、使用前に長期貯蔵した場合の容量低下を抑制可能な非水電解液一次電池を提供することができる。
本発明の非水電解液一次電池に係る絶縁層は、例えば、絶縁抵抗が100MΩ以上となるような絶縁性を有している樹脂製の層で、前記樹脂の溶融する温度が、セパレータを構成する樹脂の溶融する温度よりも低い層であればよい。
絶縁層の溶融する温度とセパレータの溶融する温度との差は、30℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることが更に好ましい。本発明の電池を使用する際には、加熱して絶縁層を溶融させる必要があるが、絶縁層の溶融する温度とセパレータの溶融する温度との差が上記程度であれば、絶縁層を溶融させる際にセパレータの溶融を防止することが容易となるため、絶縁層の溶融に伴う電池特性の低下をより確実に防止できる。
絶縁層の溶融する温度とセパレータの溶融する温度との差は、絶縁層を溶融する際のセパレータの溶融を抑制する観点からは、大きければ大きいほどよいが、あまり大きくすると、絶縁層およびセパレータの構成樹脂の選択が困難となることから、前記温度差は、例えば、300℃以下が適当であり、250℃以下であることがより好ましい。
なお、絶縁層の溶融する温度は、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。絶縁層の溶融する温度が低すぎると、電池の貯蔵中に絶縁層の一部が溶融して、容量低下の抑制作用が小さくなる虞がある。他方、絶縁層の溶融する温度が高すぎると、電池使用の際の絶縁層の溶融のための加熱温度が高くなり、電池の他の構成要素への悪影響の懸念が生じることから、絶縁層の溶融する温度は、110℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましい。
絶縁層の構成樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリウレタン;などが挙げられ、絶縁層は、これらの樹脂の1種のみを含有していてもよく、絶縁層の機能が損なわれない限り2種以上を含有していてもよい。
絶縁層の厚み(正極表面および負極表面の両方に絶縁層を形成する場合には、その合計厚み。以下同じ。)は、薄すぎると絶縁層による効果が小さくなることがあるため、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。また、絶縁層が厚すぎると、電池の容量低下に繋がったり、溶融時にセパレータの空孔を塞いで電池特性低下の原因となる虞があることから、絶縁層の厚みは、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
また、電池内に配置する絶縁層の体積(正極表面および負極表面の両方に絶縁層を形成する場合には、その合計体積。以下同じ。)は、セパレータの空孔体積を100としたときに、30以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。特に絶縁層の構成樹脂がセパレータの構成樹脂と親和性が高い場合には、絶縁層を溶融させるとセパレータの空孔を塞いで電池特性の低下を引き起こす虞があるが、電池内に配置する絶縁層の体積が前記上限値以下であれば、こうした電池特性の低下をより確実に回避することができる。なお、絶縁層の体積が少なすぎると、絶縁層による効果が小さくなることがあるため、電池内に配置する絶縁層の体積は、セパレータの空孔体積を100としたときに、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。
絶縁層は、正極のセパレータ側の表面、または負極のセパレータ側の表面に形成すればよく、正極のセパレータ側表面と負極のセパレータ側表面との両者に形成してもよいが、例えば、正極の表面に形成することで、以下の効果が期待できる。非水電解液一次電池では、特に正極活物質に二酸化マンガンを使用する場合などにおいて、正極表面と非水電解液溶媒との反応によってガスが発生し、電池内圧が上昇することで、正極−負極間距離が増大するなどして内部抵抗が上昇することがある。このような電池の内部抵抗上昇現象は、特に電池を比較的高温下で貯蔵した場合に生じやすい。しかし、表面に絶縁層を形成した正極を有する電池の場合には、絶縁層によって正極と非水電解液溶媒との反応が防止できるため、電池の使用前の貯蔵中における内部抵抗上昇を抑制することができる。
他方、本発明の非水電解液一次電池では、後記するように、負極にはリチウムやリチウム合金を使用することが好ましいが、リチウム金属箔やリチウム合金箔を使用して負極を構成し、これを負極缶に貼り付けてコイン形の非水電解液一次電池を構成するような場合には、負極表面に絶縁層を設ける方が、正極表面に設けるよりも、負極と非水電解液との接触をより容易に抑制できるため、電池使用前の貯蔵中における容量低下をより良好に抑制できる。
本発明の非水電解液一次電池に係る正極としては、例えば、二酸化マンガンを活物質とする正極が使用できる。正極の作製にあたっては、通常、正極活物質である二酸化マンガンに加えて、導電助剤およびバインダーが用いられる。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、鱗片状黒鉛、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、繊維状炭素などが用いられ、バインダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンラバーなどが用いられる。
そして、正極の作製にあたっては、二酸化マンガンと導電助剤とバインダーとを混合して調製した正極合剤を加圧成形するか、もしくは正極合剤を水または有機溶剤に分散させて正極合剤含有ぺーストを調製し(この場合、バインダーは予め水または溶剤に溶解または分散させておき、それを正極活物質などと混合して正極合剤含有ペーストを調製してもよい)、その正極合剤含有ぺーストを金属箔、エキスパンドメタル、平織り金網などからなる集電体に塗布し、乾燥した後、加圧成形して正極合剤層を形成する方法が採用できる。ただし、正極の作製方法は、前記例示の方法のみに限られることなく、他の方法によってもよい。
正極表面に絶縁層を形成しない場合には、前記の正極をそのまま電池に使用することができる。また、正極表面に絶縁層を形成する場合には、その形成方法としては、例えば、絶縁層を構成するための樹脂膜と正極とを重ね合わせ、ロールなどを用いて圧延処理したりプレス処理したりする方法;絶縁層を形成するための樹脂溶液や樹脂分散液を、正極の表面に塗布して乾燥し、必要に応じて更にプレス処理を施すなどして、絶縁層を形成する方法;などが挙げられる。なお、正極合剤層と集電体とから構成されている正極の表面に絶縁層を形成する場合には、正極合剤層の表面に絶縁層を形成する。
負極は、リチウム(金属リチウム)またはリチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−ビスマス、リチウム−インジウム、リチウム−ガリウム、リチウム−インジウム−ガリウムなどのリチウム合金で構成されるものを用いることができ、これらのリチウムやリチウム合金を金属箔、金属網などからなる集電体に圧着して負極としてもよい。また、リチウムとリチウム合金とを併用して負極を構成してもよい。
負極表面に絶縁層を形成しない場合には、前記の負極をそのまま電池に使用することができる。また、負極表面に絶縁層を形成する場合には、その形成方法としては、正極表面に絶縁層を形成する方法と同様の方法、すなわち、例えば、絶縁層を構成するための樹脂膜と負極とを重ね合わせ、ロールなどを用いて圧延処理したりプレス処理したりする方法;絶縁層を形成するための樹脂溶液や樹脂分散液を、負極の表面に塗布して乾燥し、必要に応じて更にプレス処理を施すなどして、絶縁層を形成する方法;などが挙げられる。なお、リチウムやリチウム合金と集電体とから構成されている負極の表面に絶縁層を形成する場合には、リチウムやリチウム合金の表面に絶縁層を形成する。
本発明の電池に係るセパレータとしては、絶縁層の溶融する温度よりも高い温度で溶融するものであればよく、微孔性樹脂フィルム、樹脂不織布のいずれも用いることができる。その材質としては、例えば、PE、PP、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィンの他、耐熱用として、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。また、前記材質の微孔性フィルムと不織布とを複数積層するか、または微孔性フィルム同士や不織布同士を複数積層することによって構成される複層構造のセパレータを用いることにより、高温環境下で使用する場合の信頼性を高めることもできる。
セパレータの厚みは、例えば、10〜500μmであることが好ましい。また、セパレータの空孔率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であって、好ましくは90%以下、より好ましくは70%以下である。ここでいうセパレータの空孔率は、一定面積の試料を切り出してその質量と厚みを測定し、これらの測定値から算出することで求められる値である。
本発明の非水電解液一次電池は、前記の絶縁層を形成した正極および/または前記の絶縁層を形成した負極と、前記のセパレータとを有していればよく、その他の構成・構造については特に制限は無く、従来公知の非水電解液一次電池と同様の構成・構造を採用することができる。
本発明の非水電解液一次電池に係る非水電解液としては、有機溶媒に電解質を溶解させたものが使用できる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル;1,2−ジメトキシエタン、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)、メトキシエトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル;などが挙げられる。特に、前記の炭酸エステルとエーテルとを併用することが好ましい。
なお、本発明の電池では、使用に際して絶縁層を溶融させるために加熱をする必要があることから、この加熱の際に電池内圧の上昇を抑えるべく、上記例示の有機溶媒の中でも、沸点が120℃以上のものを使用することが好ましい。沸点が120℃以上の炭酸エステルとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状炭酸エステルが挙げられる。また、沸点が120℃のエーテルとしては、例えば、ジエトキシエタン、ジグライムなどの鎖状エーテルが挙げられる。
また、非水電解液溶媒として、炭酸エステルとエーテルとを併用する場合には、全溶媒中のの炭酸エステルとエーテルとの量比(混合比)は、体積比で、炭酸エステル:エーテル=30:70〜70:30とすることが好ましい。
また、非水電解液には、環状スルトン誘導体を添加することが好ましい。前記の通り、特に二酸化マンガンを正極活物質に用いた電池では、正極と非水電解液溶媒との反応によって、COなどのガスが発生して、電池膨れを引き起こし、電池の内部抵抗を上昇させることがある。本発明の電池では、正極表面に絶縁層を形成している場合、使用前の貯蔵中においては、前記の内部抵抗上昇を抑制することができるが、正極表面に絶縁層を形成していない場合や、電池使用開始後(すなわち、絶縁層が電極表面から除去された後)においては、前記の内部抵抗上昇が起こる虞がある。しかし、環状スルトン誘導体を添加した非水電解液を使用した場合には、電池の正極表面に皮膜が形成され、これが正極と非水電解液溶媒との反応を抑制するため、ガス発生を抑えて電池膨れの発生を防止することができる。環状スルトン誘導体としては、1,3−プロパンスルトンおよび1,4−ブタンスルトンが挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を用いればよい。
環状スルトン誘導体を添加する場合の添加量は、それ自身(すなわち、添加する環状スルトン誘導体)も含めた全非水電解液中で、0.5質量%以上とすることが好ましく、1質量%以上とすることがより好ましい。前記の通り、環状スルトン誘導体の添加により、正極の表面に非水電解液の溶媒との反応を抑制できる皮膜が形成され、電池内部でのガスの発生が減少して電池の膨れが抑制されるようになるが、環状スルトン誘導体の添加量が前記下限値以上であれば、その効果が十分に発現するようになるからである。
なお、非水電解液中の環状スルトン誘導体の添加量が多くなると、電池の膨れを抑制する効果は増加するものの、電池の内部抵抗が増加する傾向にあり、これにより閉路電圧(CCV)が低下し、それに伴って容量が低下しやすくなることがある。そのため、環状スルトン誘導体の添加量は、全非水電解液中で5質量%以下とすることが好ましい。環状スルトン誘導体を添加量は、全非水電解液中で3質量%以下とすることがより好ましく、この場合には、電池の放電特性が特に良好となる。
非水電解液に溶解させる電解質としては、例えば、LiBF、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiClO、LiC2n+1SO(n≧1)[LiCFSO、LiCSOなど]、リチウムイミド塩[LiN(CFSO、LiN(CSOなど]、LiC(CFSO、LiCFCO、LiB10Cl10、低級脂肪酸カルボン酸リチウム、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどが挙げられ、それらのうちの少なくとも1種が用いられる。これらの中でも、正極活物質として二酸化マンガンを使用する場合、共存性が良好であることから、LiClO、LiCFSO、LiCSOなどのLiC2n+1SO(n≧1)や、LiN(CFSO、LiN(CSOなどのリチウムイミド塩が好ましい。
非水電解液中における電解質の濃度は、特に限定されるものではないが、0.2〜2mol/lが好ましく、0.3〜1.5mol/lがより好ましい。
また、非水電解液に環状スルトン誘導体を添加する場合、LiBF、LiPF、LiAsFおよびLiSbFよりなる群から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩からなるリチウム塩Aと、前記LiBF、LiPF、LiAsFおよびLiSbF以外のリチウム塩からなるリチウム塩Bとを併用することにより、放電が進行した電池においても、環状スルトン誘導体の添加効果が発現しやすくなり、そのような放電が進行した電池を貯蔵したときでもガス発生をより良好に抑制することができるようになる。前記のようにリチウム塩Aとリチウム塩Bとを併用する場合、リチウム塩Aの全電解質中での割合を2モル%以上とすることが好ましい。ただし、リチウム塩Aは、電池内に存在する微量の水分による分解を受けやすいため、リチウム塩Aの全電解質中での割合は20モル%以下にすることが好ましい。
電池の特性を総合的に判断すれば、リチウム塩Aとしては、LiBFまたはLiPFが好ましく、また、リチウム塩Bとしては、LiClO、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSOおよびLiN(CSOによりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、非水電解液に環状スルトン誘導体を添加する場合、非水電解液に、例えば、無水メリト酸、無水マロン酸、無水マレイン酸、無水酪酸、無水プロピオン酸、無水プルビン酸、無水フタロン酸、無水フタル酸、無水ピロメリト酸、無水乳酸、無水ナフタル酸、無水トルイル酸、無水チオ安息香酸、無水ジフェン酸、無水シトラコン酸、無水ジグリコールアミド酸、無水酢酸、無水琥珀酸、無水桂皮酸、無水グルタン酸、無水グルタコン酸、無水吉草酸、無水イタコン酸、無水イソ酪酸、無水イソ吉草酸、無水安息香酸などの酸無水物を添加すると、環状スルトン誘導体の添加量を少なくしても、ガス発生を効果的に抑制することができる。その結果、環状スルトン誘導体の添加による電池の負荷特性の低下を低減することができる。
前記酸無水物の添加量は、環状スルトン誘導体の場合と同様に、それ自身(すなわち、添加する酸無水物)も含めた全非水電解液中で、0.5質量%以上とすることが好ましく、また、5質量%以下とすることが好ましい。なお、より良好な放電特性を得るためには、酸無水物の全非水電解液中での添加量も、3質量%以下とすることがより好ましい。
本発明において、非水電解液は、通常、液状のまま用いるが、ポリマーなどでゲル化してゲル状で用いてもよい。
本発明の非水電解液一次電池は、前記正極、負極(表面に絶縁層を形成した正極および/または負極)、非水電解液およびセパレータを主要構成要素とし、それらを金属缶やラミネートフィルムなどからなる電池容器内に収容し、その電池容器を密閉することによって構成される。パッキングを用いて金属缶などの封止を行う場合、そのパッキングの材質としては、PPなどのポリオレフィンの他、電池の耐熱性を高めるために耐熱樹脂を用いてもよい。その耐熱樹脂としては、例えば、PFAなどのフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル(PEE)、ポリスルフォン(PSF)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルスルフォン(PES)、PPS、PEEKなどの、融点が240℃を超える耐熱樹脂が好ましい。
本発明の非水電解液一次電池を使用する場合には、電池を加熱して絶縁層を溶融させる。絶縁層を溶融させるための加熱は、絶縁層の溶融する温度以上セパレータの溶融する温度未満の温度で、例えば、1〜30分程度とすればよい。加熱方法については特に制限は無く、恒温槽中に電池を入れて加熱する方法などが挙げられるが、その他にも、例えば、本発明の電池を使用する機器に加熱手段を設けておき、電池の使用前に前記加熱手段によって加熱する方法を採用してもよい。
本発明の非水電解液一次電池は、従来公知の非水電解液一次電池が適用されている用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
以下に示すようにして、正極の作製と非水電解液の調製を行い、これらと負極などを用いて非水電解液一次電池を作製した。
まず、正極は、正極活物質としての二酸化マンガンと導電助剤としてのカーボンブラックとバインダーとしてのポリテトラフルオロエチレンとを90:5:5の質量比率で混合して調製した正極合剤を加圧成形することによって作製した。この正極の寸法は、直径が19mmであり、厚みが3mmであった。
前記正極の片面に、絶縁層を構成するための低密度ポリエチレン膜(厚み:10μm、融点60℃)を重ね、プレス処理によって正極表面に低密度ポリエチレン膜を圧着して、表面に絶縁層を形成した正極を得た。
非水電解液としては、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとの体積比1:1の混合溶媒にLiClOを0.5mol/l溶解させたものに、1,3−プロパンスルトンを非水電解液中での含有量が1.0質量%となるように添加したものを用いた。
負極には、1.00mmの厚みのリチウム箔を直径19mmに打ち抜いたものを用い、セパレータにはポリメチルペンテン不織布(融点230℃、厚み320μm、空孔率80%)を用いた。そして、パッキングにはPPS製のものを用い、それらと前記の正極と非水電解液とを用いて、図1に示す構造で厚さ5mm、直径24mmのコイン形非水電解液一次電池を作製した。なお、前記コイン形非水電解液一次電池において、セパレータの空孔体積を100とした場合の絶縁層の体積は、4である。
ここで、図1に示す非水電解液一次電池1について説明すると、正極2はステンレス鋼製の正極缶5内に収容され、正極2の表面に形成した絶縁層8の上に、セパレータ4を介して負極3が配置されている。負極3は前記のようにリチウム箔で構成され、ステンレス鋼製の負極缶6の内面に圧着されている。そして、その電池内部には非水電解液が0.5ml注入され、正極缶5の開口部は、正極缶5の開口端部の内方への締め付けにより、負極缶6の周縁部に配設したPPS製で環状のパッキング7を押圧して負極缶6の周縁部と正極缶5の開口端部の内周面とに圧接させて封口されている。
実施例2
実施例1で用いたものと同じ負極の片面に、絶縁層を構成するための低密度ポリエチレン膜(厚み10μm、融点60℃)を重ね、プレス処理によって負極表面に低密度ポリエチレン膜を圧着して、表面に絶縁層を形成した負極を得た。この負極と、実施例1で用いたものと同じ正極(絶縁層を形成していない正極)と、セパレータにPP不織布(融点160℃、厚み320μm、空孔率80%)とを用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水電解液一次電池を作製した。なお、前記コイン形非水電解液一次電池において、セパレータの空孔体積を100とした場合の絶縁層の体積は、4である。
比較例1
正極、負極のいずれにも絶縁層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水電解液一次電池を作製した。
実施例1、2および比較例1のコイン形非水電解液一次電池について、下記の放電容量測定試験と、内部抵抗測定試験とを行った。
<放電容量測定試験>
実施例1、2および比較例1のコイン形非水電解液一次電池の作製後の放電容量と、前記電池容量を測定したものとは別の各電池を50℃にて180日間貯蔵した後の放電容量とを測定した。ここで、放電容量は1kΩの定抵抗で終止電圧2.0Vとした場合の放電容量であり、それぞれ電池10個の平均値である。また、実施例1、2の電池については、放電前に70℃で10分間保持してから放電容量を測定した。それぞれの放電容量について、比較例1の作製後の放電容量を100とした場合の相対値を表1に示す。
<内部抵抗測定試験>
実施例1、2および比較例1のコイン形非水電解液一次電池各10個について、作製後の内部抵抗と、前記内部抵抗を測定したものとは別の電池各10個を50℃にて180日間貯蔵した後の内部抵抗とを測定し、それぞれ10個の電池の平均値を求め、各内部抵抗とした。ここで、実施例1、2の電池については、放電前に70℃で10分間保持してから内部抵抗を測定した。
なお、前記放電容量測定試験および内部抵抗測定試験における50℃で180日間の貯蔵は、常温(20℃)で4年間貯蔵した場合に相当する。
Figure 2008276995
Figure 2008276995
表1から明らかなように、実施例1、2の非水電解液一次電池は、使用前の貯蔵による電池容量の低下が抑制されており、貯蔵時の自己放電量を比較例の電池よりも低く抑えることができていることが確認できる。
したがって、本発明の非水電解液一次電池は、使用前に長期間貯蔵しても、容量低下が良好に抑制し得るものであるといえる。
また、表2から明らかなように、負極の片側表面に絶縁層を形成した場合には、正極の片側表面に絶縁層を形成した場合よりも、貯蔵時の内部抵抗の上昇をより良好に抑制できていることが確認できる。
本発明の非水電解液一次電池の一例を示す縦断面模式図である。
符号の説明
1 非水電解液一次電池
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 正極缶
6 負極缶
7 パッキング
8 絶縁層

Claims (6)

  1. 正極、負極、樹脂製のセパレータおよび非水電解液を備えており、前記正極および/または前記負極の表面に、前記セパレータよりも低い温度で溶融する樹脂製の絶縁層が形成されていることを特徴とする非水電解液一次電池。
  2. 絶縁層が、少なくとも負極の表面に形成されている請求項1に記載の非水電解液一次電池。
  3. 絶縁層の溶融する温度とセパレータの溶融する温度との差が、30℃以上である請求項1または2に記載の非水電解液一次電池。
  4. 絶縁層の溶融する温度が、60℃以上である請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液一次電池。
  5. セパレータの空孔率が20〜90%であり、かつセパレータの空孔体積を100としたとき、絶縁層の体積が1〜30である請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解液一次電池。
  6. 絶縁層は、構成樹脂としてポリエチレンを有している請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解液一次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110495044A (zh) * 2017-03-30 2019-11-22 三井化学株式会社 锂离子二次电池

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