JP2008274349A - 鋼材の熱処理方法及び冷却装置 - Google Patents

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将臣 猿山
Hiroaki Mase
裕昭 間瀬
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Abstract

【課題】鋼材製のワークに浸炭を施す場合に、ワークごと又は部位ごとに変形量がばらつくことを抑制する。
【解決手段】浸炭後に冷却を行うための冷却装置14は、隔壁32によって処理室34が形成された収容容器18と、該収容容器18の天井面に設置されたシロッコファン20とを有する。隔壁32を構成する底壁28と天井壁30には開口が形成されており、従って、供給管36を介して収容容器18内に導入され且つシロッコファン20で撹拌された冷媒ガスは、底壁28の開口から処理室34に侵入して天井壁30の開口から導出される。すなわち、冷媒ガスは処理室34内を上昇するように流通する。一方、棒状ワーク10からの輻射熱を受けた雰囲気ガスは、冷媒ガスの流通方向に一致する方向に進行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼材に対して硬度や耐摩耗性を付与するための鋼材の熱処理方法及び冷却装置に関する。
浸炭は、鋼材の表面の硬度や耐摩耗性を向上させる処理として従来から広汎に実施されており、必要に応じて浸炭を2回に分けて行うこともある(例えば、特許文献1参照)。この場合、1回目の浸炭では鋼材に対する炭素の浸透・固溶が起こり、2回目の浸炭では微細な炭化物が析出する一方、鋼材に対する焼入れが営まれる。勿論、鋼材は、1回目の浸炭が終了した後に冷却され、2回目の浸炭が行われる前に加熱される。なお、以下においては、1回目の浸炭、2回目の浸炭の各々を1次浸炭、2次浸炭と表記する。
特開2002−212642号公報
鋼材が長尺な棒状ワークであるときには、浸炭処理炉内に複数個の棒状ワークを起立させた状態で収容して1次浸炭、冷却、2次浸炭を行うことが一般的であるが、例えば、棒状ワークにセレーション等の歯部が設けられている場合、歯筋に沿う熱歪み(変形量)が各歯で相違することがある。このような事態が生じると、寸法精度が許容値を下回る不良品が作製されるために製造歩留まりが低下することが懸念される。
また、冷却を行う冷却処理室内では、棒状ワークの位置によって冷却速度にバラツキが生じることがある。このことに起因して棒状ワーク同士の変形量にバラツキが生じ、結局、寸法精度が良好な製品とさほど良好ではない製品とが作製されてしまう。
以上の不都合を払拭するべく、例えば、冷却速度を小さくすることが想起される。しかしながら、1次浸炭後の冷却速度を過度に小さくすると、2次浸炭時に炭化物が析出し難くなり、このために硬度等の諸特性がさほど向上しなくなることがある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、複数個のワークに対して浸炭を施す場合であってもワークごと又は部位ごとに変形量がばらつくことを抑制することが可能であり、しかも、炭化物を析出させることも容易な鋼材の熱処理方法及び冷却装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、鋼材に対して浸炭を施した後に前記鋼材を冷媒ガスで冷却する鋼材の熱処理方法であって、
前記冷却を行う際、前記冷媒ガスを、前記鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流の進行方向に指向して流通させることを特徴とする。
このように2つのガス流れの方向を一致させることにより、鋼材の各部位における変形量が略同等となる。換言すれば、部位ごとの変形量のバラツキが著しく小さくなり、このため、寸法精度が良好な浸炭材を得ることが可能となる。
通常、鋼材が帯熱することに伴って、例えば、冷却処理室内を上昇する気流が生じる。一方、冷媒ガスは、冷却処理室内を上方から下方に向かって流通する。すなわち、気流の進行方向と冷媒ガスの流通方向とは、互いに相反する。鋼材の部位によって変形量が異なる理由は、このようにガス流れが相違するためにガス流れの乱れが生じるためであると推察される。
これに対し、本発明においては、上記したように、鋼材の冷却の際に2つのガス流れの方向を一致させるようにしている。これによりガス流れの乱れが抑制され、その結果、鋼材の部位ごとの変形量が略同等となると考えられる。
本発明においては、減圧下で冷却を行うことが好ましい。これにより、鋼材の冷却速度を制御することが容易となる。結局、寸法精度に優れた浸炭材を容易に得ることができ、歩留まりが向上する。
また、鋼材の冷却速度を17〜22℃/分の範囲内とすることが好ましい。22℃/分以下とすることにより、冷却処理室内の位置によって鋼材の変形量が相違することが抑制される。すなわち、部位ごとに変形量が相違することが一層抑制される。複数個の鋼材に対して同時に熱処理を施す場合には、全ての鋼材の変形量を略同等とすることも可能である。
一方、17℃/分以上とすることで、2次浸炭を行う場合に微細な炭化物を析出させることが容易となる。勿論、マルテンサイト変態も進行する。
なお、冷却速度は、例えば、冷媒ガスの流速や冷却処理室内の圧力を調整することで制御することができる。また、冷却速度は、熱電対等の適切な温度測定手段を用いて求めるようにすればよい。
さらに、鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流と、該雰囲気ガス気流の進行方向に指向して流通する冷媒ガスとが合わさったガスの流速が0.4〜11.5m/秒であることが好ましい。この場合、鋼材の冷却速度を制御することが容易となる。
いずれの場合においても、上記の冷却が終了した後に2次浸炭を行うようにしてもよい。本発明は、特に、この場合における1次浸炭及びその後の冷却に好適に適用される。
なお、前記鋼材の好適な例としては、自動車に搭載される変速機のギアを構成する長尺なシャフトを挙げることができる。
また、本発明は、浸炭が施された鋼材を冷媒ガスで冷却するための冷却装置であって、
前記鋼材を収容する収容容器と、
前記収容容器に前記冷媒ガスを供給するための冷媒ガス供給源と、
冷却を行う際、前記鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流の進行方向に指向して前記冷媒ガスを流通させる冷媒ガス流通方向制御手段と、
前記雰囲気ガスの圧力を測定する圧力測定手段と、
前記鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流と、該雰囲気ガス気流の進行方向に指向して流通する冷媒ガスとが合わさったガスの流速を測定する流速測定手段と、
少なくとも、前記冷媒ガス流通方向制御手段、前記圧力測定手段及び前記圧力測定手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記圧力測定手段及び前記流速測定手段による測定結果に応じて前記冷媒ガス流通方向制御手段を制御することで、前記鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流の進行方向に指向して流通する前記冷媒ガスの流れを制御することを特徴とする。
このような構成とすることにより、冷媒ガスを、鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流の進行方向に指向して流通させることが可能となる。これによりガス流れの乱れを抑制することができるようになるので、鋼材の部位ごとの変形量が略同等となる。
また、冷却速度の制御を容易とするべく、収容容器内の気体を排出する減圧手段を設けるようにしてもよい。
さらに、処理容器の内部に壁部を設置し、これにより処理室を形成するようにしてもよい。この場合には、壁部に、鋼材を導入又は導出するための開口と、冷媒ガスを導入するための導入口及び排出するための排出口とを設けるようにすればよい。
この構成において、処理室内の鋼材に対して冷却を行う際には、壁部によって整流がなされる。従って、ガス流れの乱れを一層抑制することができる。
本発明によれば、浸炭後の冷却時に、鋼材の周囲の雰囲気ガスによる気流の進行方向と、冷媒ガスの流通方向とを一致させるようにしているので、相違する部位同士の変形量が略同等で寸法精度が良好な浸炭材が得られる。
特に、冷媒ガスの流速や冷却処理室内の圧力を調整すること等により鋼材の冷却速度を適切な範囲内に設定することで、複数個の鋼材に対して同時に熱処理を施す場合であっても、変形量を略同等とすることができる。
以下、本発明に係る鋼材の熱処理方法につきそれを実施するための冷却装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態では、1次浸炭、冷却、2次浸炭及び冷却をこの順序で行う場合を例示して説明するものとする。
はじめに、図1に示すように、複数本の棒状ワーク10を移動パレット12に位置決め固定する。勿論、棒状ワーク10は鋼材からなる。この場合、長尺な棒状ワーク10は、自動車に搭載される変速機を構成するシャフトである。
ここで、移動パレット12は、複数本のフレーム部材にポケット部が接合されることで構成されている。棒状ワーク10は、前記ポケットに一端部が挿入されることにより、起立した状態で移動パレット12に支持される。
次に、棒状ワーク10を移動パレット12ごと浸炭処理炉に挿入し、該浸炭処理炉を所定温度まで上昇させた後、該浸炭処理炉内に浸炭ガスを流通させる。この浸炭ガスが各棒状ワーク10に接触することにより、各棒状ワーク10に炭素が浸透して固溶する。すなわち、1次浸炭が進行する。
所定時間が経過した後、浸炭ガスの供給を停止して1次浸炭を終了する。そして、移動パレット12を浸炭処理炉から導出し、側面の概略縦断面図が図1に示される冷却装置14に直ちに挿入する。
この冷却装置14の構成につき説明する。該冷却装置14は、四方の隅角部近傍に脚部16a〜16dが設けられた収容容器18と、該収容容器18の天井面に設置されてモータ19の作用下に回転動作するシロッコファン(冷媒ガス流通方向制御手段)20とを有する。
収容容器18は、横臥した円柱体の一底面が湾曲した形状をなす。他方の底面は開口しており、この開口底面は、前記一底面の形状に対応して湾曲した蓋体22で閉塞されている。勿論、この蓋体22は開閉自在であり、収容容器18内に棒状ワーク10を収容する際には開放され、一方、棒状ワーク10を収容して冷却を施す際には閉止される。
収容容器18の内部下方には、2本のレール24a、24bが設けられた基盤26が支持されている。前記移動パレット12は、これらレール24a、24bに沿って車輪27が案内されることで変位し、これにより、収容容器18に対して導入又は導出される。
収容容器18の内部には、さらに、底壁28及び天井壁30の一部に開口が設けられ且つ蓋体22に臨む側の端面が開口した隔壁32が配置され、これにより処理室34が形成されている。前記移動パレット12は、この処理室34の下方まで変位可能である。
隔壁32における蓋体22に臨む側の開口端面には、隔壁32の天井壁30又は側壁に沿って変位するシャッタ35が設けられる。すなわち、前記開口端面は、シャッタ35によって開閉される。
また、収容容器18における湾曲した底面の上方には、供給管36が連結されている。すなわち、この供給管36を介して冷媒ガスが収容容器18内に供給される。前記シロッコファン20は、特に、冷媒ガスが供給される際に起動されて回転動作する。
さらに、収容容器18の天井面には、排気口38が設けられている。この排気口38には、図示しない管継手及び橋架管40を介してポンプ42が連結されている。なお、橋架管40にはバルブ44が介装されている。
そして、処理室34を構成する底壁28には、圧力測定手段としての圧力センサ、及び流速測定手段としての流速センサが設置される(ともに図示せず)。圧力センサは処理室34内の雰囲気ガスの圧力を測定し、一方、流速センサは、処理室34内において雰囲気ガス気流と冷媒ガスとが合わさったガスの流速を測定する。
以上の構成において、シャッタ35、ポンプ42、圧力センサ及び流速センサは、図示しない制御手段に電気的に接続されている。
1次浸炭後の冷却は、上記のように構成された冷却装置14において、以下のようにして実施される。
先ず、移動パレット12をレール24a、24bに沿って変位させ、これにより棒状ワーク10を収容容器18内に導入する。棒状ワーク10は、最終的に、隔壁32によって形成された前記処理室34内に到達する。上記したように、隔壁32における蓋体22に臨む側の端面が開口し、且つ底壁28の一部が開口しているため、隔壁32が棒状ワーク10に干渉することはない。
その後、前記制御手段は、制御信号を介して前記シャッタ35を閉止することで隔壁32の開口端面を閉止する。作業者によって蓋体22が閉止され、収容容器18が閉塞されたことを認識した制御手段は、制御信号を介してポンプ42を起動し、さらに、バルブ44を開放して収容容器18内の大気を排出する。
前記制御手段は、次に、バルブ44を開放したままの状態でモータ19を起動してシロッコファン20を回転させた後、供給管36を介して窒素等の冷媒ガスを収容容器18内に供給する制御を行う。冷媒ガスは、シロッコファン20で撹拌されることによって収容容器18の下方へと流動され、その結果、隔壁32と収容容器18の間の空間に流入する。
冷媒ガスはさらに流動し、最終的に、隔壁32の底壁28と収容容器18との間に到達する(図1の矢印参照)。そして、底壁28に開口が設けられているため、この開口から処理室34内に冷媒ガスが流入する。処理室34内に流入した冷媒ガスは、収容容器18の上方から排気が行われているため、ポンプ42の作用下に吸引されて処理室34内を上昇し、隔壁32の天井壁30の開口から導出される。すなわち、処理室34内を冷媒ガスが流通する。この流通の間に冷媒ガスが各棒状ワーク10に接触し、その結果、各棒状ワーク10が冷却される。
冷却されるまでの棒状ワーク10は、1次浸炭時に加熱されることによって帯熱している。従って、棒状ワーク10の周囲の雰囲気ガス(この場合、冷媒ガス)は、棒状ワーク10からの輻射熱を受けることによって温度上昇を起こし、これに伴い、隔壁32の天井壁30に向かって上昇する気流が生じる。
上記したように、冷媒ガスは底壁28から天井壁30に向かって流通している。すなわち、前記気流は、冷媒ガスと同一方向に向かって進行する。このような状況下で棒状ワーク10の冷却を行うと、該棒状ワーク10の各部位における変形量のバラツキが著しく小さくなる。この理由は、2つのガス流れの方向が一致しているためにガス流れの乱れが抑制されたためであると推察される。
このように、隔壁32が存在することによって冷媒ガスの整流がなされる。換言すれば、冷媒ガスの流通方向の制御が容易となり、このためにガス流れの乱れを有効に抑制することができる。
ここで、冷媒ガスの流速は、シロッコファン20の回転速度、換言すれば送風量を調整することで制御することが可能である。すなわち、シロッコファン20の回転速度を大きくするほど送風量が大きくなり、結局、冷媒ガスの流速が大きくなる。
冷媒ガスの流速が大きくなるほど、棒状ワーク10の位置に応じて温度のバラツキが小さくなる。換言すれば、冷却速度のバラツキを招く。従って、棒状ワーク10中の冷却速度が大きいものでは変形量が大きく、小さいものでは変形量が小さくなり、結局、変形量にバラツキが生じる。
棒状ワーク10の温度、ひいては変形量のバラツキの度合いは、収容容器18内の圧力を大きくした場合にも大きくなる。従って、冷媒ガスの流速、及び収容容器18内の圧力の双方を小さくすることが好ましい。
例えば、前記圧力センサによって測定される収容容器18(処理室34)内の圧力が50kPa、前記流速センサによって測定される雰囲気ガス気流と冷媒ガスとが合わさったガスの流速が0.4〜11.2m/秒であれば、変形量のバラツキの度合いが著しく小さくなるので、特に好適である。
しかしながら、冷媒ガスの流速や収容容器18内の圧力を過度に小さくすると、棒状ワーク10の冷却速度が小さくなる。この場合、2次浸炭を行った際に炭化物がさほど析出せず、このために硬度等の諸特性を向上させることが容易でなくなる。従って、冷媒ガスの流速及び収容容器18内の圧力は、変形量にバラツキが生じることを抑制することが容易であり、且つ2次浸炭を行った際に炭化物が良好に析出する冷却速度、好適には17〜22℃/分が得られるように設定される。
冷却速度をこのような範囲内に設定するためのシロッコファン20の回転速度及び収容容器18内の圧力は、シロッコファン20の供給可能風量や収容容器18の容積に応じて設定すればよい。勿論、前記制御手段は、前記圧力センサ及び前記流速センサによる測定結果に応じ、シロッコファン20の回転速度を制御する。
このようにして冷却された棒状ワーク10では、平均変形量が約8μm、最大変形量と最小変形量の差が約30μmである。この値は、冷媒として油を用いた場合での平均変形量約25μm、最大変形量と最小変形量の差約40μmと比較して小さい。このことから、本実施の形態によれば、変形量が小さく且つ変形量のバラツキも小さくなることが明らかである。
冷却が終了した後、移動パレット12を浸炭処理炉に再度挿入し、該浸炭処理炉を閉塞した後に昇温する。所定温度に到達した後、浸炭ガスを導入して2次浸炭を行う。これにより炭化物が析出するとともにマルテンサイト変態が生じ、棒状ワーク10が硬化される。
2次浸炭が終了した後は、移動パレット12を浸炭処理炉から取り出し、棒状ワーク10を冷却する。この際の冷却には油を用いてもよいし、冷却装置14を用いて上記した冷却を行うようにしてもよい。
以上により、浸炭が施されて硬度等の諸特性が向上した棒状ワーク10が得られるに至る。
なお、上記した実施の形態においては、2回の浸炭を行うようにしているが、浸炭を1回のみとしてもよい。
また、この実施の形態では、棒状ワーク10の熱を受けて生じる気流を上方に進行させて冷媒ガスの流通方向と一致させるようにしているが、特にこの方向に限定されるものではなく、気流の進行方向と冷媒ガスの流通方向とが一致さえすればよい。
さらに、収容容器18内の圧力を減圧とすることは必須ではなく、加圧状況下であってもシロッコファン20の回転速度を小さくすることで棒状ワーク10の冷却速度のバラツキを抑制するようにしてもよい。
さらにまた、鋼材は棒状ワーク10に特に限定されるものではなく、冷却を施すワークの個数も、単数を含めた任意の数を選定することができる。
そして、雰囲気ガス気流の進行方向と冷媒ガスの流通方向とを一致させることが可能でありさえすれば、収容容器18内に隔壁32を設置する必要、換言すれば、処理室34を形成する必要は特にない。隔壁32を設置しない場合、圧力センサや流速センサ等は、基盤26や移動パレット12等に取り付けるようにすればよい。
本実施の形態に係る熱処理に含まれる冷却を実施する冷却装置の側面の概略縦断面図である。
符号の説明
10…棒状ワーク 12…移動パレット
14…冷却装置 18…収容容器
20…シロッコファン 32…隔壁
34…処理室 36…供給管
38…排気口 42…ポンプ

Claims (9)

  1. 鋼材に対して浸炭を施した後に前記鋼材を冷媒ガスで冷却する鋼材の熱処理方法であって、
    前記冷却を行う際、前記冷媒ガスを、前記鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流の進行方向に指向して流通させることを特徴とする鋼材の熱処理方法。
  2. 請求項1記載の熱処理方法において、前記冷却を減圧下で行うことを特徴とする鋼材の熱処理方法。
  3. 請求項1又は2記載の熱処理方法において、前記鋼材の冷却速度を17〜22℃/分とすることを特徴とする鋼材の熱処理方法。
  4. 請求項2記載の熱処理方法において、前記鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流と、該雰囲気ガス気流の進行方向に指向して流通する冷媒ガスとが合わさったガスの流速が0.4〜11.5m/秒であることを特徴とする鋼材の熱処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱処理方法において、前記冷却が終了した後、さらに、2回目の浸炭を行うことを特徴とする鋼材の熱処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱処理方法において、前記鋼材として、変速機のギアを構成する長尺なシャフトを用いることを特徴とする鋼材の熱処理方法。
  7. 浸炭が施された鋼材を冷媒ガスで冷却するための冷却装置であって、
    前記鋼材を収容する収容容器と、
    前記収容容器に前記冷媒ガスを供給するための冷媒ガス供給源と、
    冷却を行う際、前記鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流の進行方向に指向して前記冷媒ガスを流通させる冷媒ガス流通方向制御手段と、
    前記雰囲気ガスの圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流と、該雰囲気ガス気流の進行方向に指向して流通する冷媒ガスとが合わさったガスの流速を測定する流速測定手段と、
    少なくとも、前記冷媒ガス流通方向制御手段、前記圧力測定手段及び前記圧力測定手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記圧力測定手段及び前記流速測定手段による測定結果に応じて前記冷媒ガス流通方向制御手段を制御することで、前記鋼材の帯熱に伴って生じた雰囲気ガス気流の進行方向に指向して流通する前記冷媒ガスの流れを制御することを特徴とする冷却装置。
  8. 請求項7記載の冷却装置において、前記収容容器内の気体を排出する減圧手段を備えることを特徴とする冷却装置。
  9. 請求項7又は8記載の冷却装置において、さらに、前記収容容器内に設けられた壁部によって形成される処理室と、
    前記壁部に設けられて前記鋼材を導入又は導出するための開口に開閉自在に設けられたシャッタと、
    を備え、
    前記壁部に、前記冷媒ガスを導入するための導入口及び排出するための排出口が形成され、
    前記導入口及び前記排出口を介して前記冷媒ガスを前記処理室に流通することで、該処理室内に配置された前記鋼材を冷却することを特徴とする冷却装置。
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