JP5209921B2 - 熱処理方法及び熱処理設備 - Google Patents

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本発明は、例えば鋼材等の被処理体を熱処理する熱処理方法及び熱処理設備に関する。
従来、鋼材等の被処理体を熱処理する熱処理設備の一種として、連続ガス浸炭設備が知られている。かかる連続ガス浸炭設備としては、例えば、予熱処理を行う予熱室、浸炭処理を行う浸炭室、拡散処理を行う拡散室、降温処理を行う降温室(冷却室)、焼入処理を行う焼入室等の処理室を、被処理体の搬送方向においてこの順に並べて設けたものが知られている(特許文献1参照)。また、このような設備においては、各処理室の雰囲気制御(カーボンポテンシャル(CP)、組成、温度等の調節)を行いやすくするため、例えば拡散室と降温室の間、及び、降温室と焼入室の間などに、仕切り扉が設けられており、各処理室を仕切り扉によって仕切ることができるように構成されている(特許文献1参照)。
上記のような複数の処理室を有する設備は、多数の被処理体を効率的に処理することが可能で、生産性が高い利点があるが、設備の規模が比較的大きいため、設備の設置スペースを広く取れない場合には、適用が難しいことがある。そのため、上記の設備よりも小型の連続ガス浸炭設備も開発されている。そのような小型の設備としては、拡散室を省略した3つの処理室、すなわち、予熱室、浸炭室(浸炭拡散室)、降温室、焼入室をこの順に並べて設け、予熱室と浸炭室の間、浸炭室と降温室の間、降温室と焼入室の間に、それぞれ仕切り扉を設けたものが提案されている(特許文献2参照)。
このような小型の連続ガス浸炭設備を用いた処理方法としては、例えば図4に示すように、浸炭処理を比較的低いCPで長時間(例えば約9時間程度)行うことにより、浸炭処理の後に拡散処理を行わず、浸炭処理のみで表面炭素濃度を調節する方法(第一の従来方法)がある。なお、この方法では、浸炭処理時の浸炭室のCPを高くしすぎると、浸炭が過剰に進み、表面炭素濃度を調節することが難しくなるため、浸炭処理における浸炭室のCPは、標準的な連続ガス浸炭設備における浸炭処理のCPよりも低い値、例えば約0.9%程度に調節される。また、特許文献2には、浸炭室のCPを浸炭反応域(約1.2%程度)と拡散反応域(約0.4%程度)との間で、正弦波状に時間変化させながら処理する方法(第二の従来方法)も提案されている。
特開平11−1759号公報 特開平11−181516号公報
しかしながら、従来の熱処理方法にあっては、小型の連続ガス浸炭設備などにおいて、被処理体の熱処理を簡単な制御で効率的に行うことが難しい問題があった。例えば上記の第一の従来方法を用いた場合では、浸炭処理に長時間を要し、生産性を向上させることができない問題があった。また、第二の従来方法を用いた場合では、被処理体の拡散処理の際に浸炭室のCPが時間変化するため、被処理体の表面炭素濃度が調整されず、熱処理後の品質を適切なものにすることが難しい懸念があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、被処理体の熱処理を簡単な制御で効率的に行うことができる熱処理方法及び熱処理設備を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、被処理体を熱処理する熱処理方法であって、被処理体を浸炭室において浸炭処理する浸炭処理工程と、前記浸炭処理が行われた被処理体を前記浸炭室において拡散処理する拡散処理工程と、を有し、前記浸炭処理工程において、前記浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルを第一のカーボンポテンシャルである0.95%〜1.2%にした状態で、前記浸炭処理を行い、前記拡散処理工程において、前記浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルを前記第一のカーボンポテンシャルよりも低い第二のカーボンポテンシャルである0.7%〜0.9%に低下させ、当該第二のカーボンポテンシャルを所定の時間保持した状態で、前記拡散処理を行い、前記浸炭処理工程と前記拡散処理工程におけるカーボンポテンシャルは、前記浸炭室内に炭化水素系のガス、変成ガス、空気、不活性ガスの供給量を調整することにより行われ、前記浸炭処理工程と前記拡散処理工程を1サイクルとし、前記浸炭室内の被処理体に対して、前記浸炭処理工程と前記拡散処理工程を複数サイクル行ない、前記浸炭室と当該浸炭室に隣接する降温室との間に仕切り扉が設けられ、前記仕切り扉を開閉して、前記浸炭室において前記拡散処理が行われた被処理体を、前記降温室に移動させ、当該降温室において被処理体を降温処理し、前記浸炭室と当該浸炭室に隣接する予熱室との間に仕切り扉が設けられ、前記浸炭室において被処理体を前記浸炭処理する前に、前記予熱室において被処理体を予熱処理し、前記仕切り扉を開閉して、前記予熱室から前記浸炭室に被処理体を移動させることを特徴している。なお、第一のカーボンポテンシャルは1.0%〜1.15%であるのが好ましく、第二のカーボンポテンシャルは0.75%〜0.85%であるのが好ましい。
本発明によれば、浸炭室において、被処理体に浸炭処理を高い第一のカーボンポテンシャルを有する雰囲気で行っているので、浸炭処理を効率的に行い、浸炭処理時間を短縮することができる。また、浸炭処理と拡散処理を同一の処理室(浸炭室)で行っているので、被処理体を浸炭室から拡散室に搬送する動作を行うことなく、浸炭処理開始から拡散処理終了までの処理時間を短縮することができる。すなわち、熱処理の生産性を高めることができる。さらに、浸炭処理後に拡散処理を行う際、浸炭室の雰囲気を第一のカーボンポテンシャルよりも低い第二のカーボンポテンシャルで所定の時間保持しているので、被処理体の表面炭素濃度を好適に調整することができる。すなわち、被処理体の表面炭素濃度が過剰になることを防止し、熱処理後の被処理体の品質を適切にすることができる。したがって、このように浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルの簡単な制御を利用することで、熱処理効率の向上を図ることができる。
記拡散処理が行われた被処理体を、前記第二のカーボンポテンシャルの雰囲気に維持された降温室に移動させてもよい。
また、前記炭化水素系のガスは例えばエンリッチガスであり、前記変成ガスは例えばRXガスであり、前記不活性ガスは例えば窒素ガスである。
前記予熱室において、被処理体を前記予熱処理した後、当該被処理体を浸炭処理してもよい。
別な観点による本発明においては、被処理体を熱処理する熱処理設備であって、被処理体の浸炭処理、及び、前記浸炭処理が行われた被処理体の拡散処理を行う浸炭室と、前記浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルを調節するカーボンポテンシャル調節機構と、前記浸炭室に隣接し、前記拡散処理が行われた被処理体の降温処理を行う降温室と、前記浸炭室に隣接し、前記浸炭処理を行う前に被処理体の予熱処理を行う予熱室と、を備え、前記浸炭室には、前記浸炭室内に炭化水素系のガスを供給する炭化水素系ガス供給路と、前記浸炭室内に変成ガスを供給する変成ガス供給路と、前記浸炭室内に空気を供給する空気供給路と、不活性ガスを供給する不活性ガス供給路とが接続されており、前記カーボンポテンシャル調節機構は、前記浸炭処理を行う際の前記浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルを第一のカーボンポテンシャルである0.95%〜1.2%に調節し、前記拡散処理を行う際の前記浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルを前記第一のカーボンポテンシャルよりも低い第二のカーボンポテンシャルである0.7%〜0.9%に低下させ、当該第二のカーボンポテンシャルを所定の時間保持することが可能な構成であり、前記浸炭室と前記降温室との間には仕切り扉が設けられ、前記予熱室と前記浸炭室との間には仕切り扉が設けられていることを特徴としている。なお、第一のカーボンポテンシャルは1.0%〜1.15%であるのが好ましく、第二のカーボンポテンシャルは0.75%〜0.85%であるのが好ましい。また、前記炭化水素系ガス供給路は例えばエンリッチガスを供給するエンリッチガス供給路であり、前記変成ガス供給路は例えばRXガスを供給するRXガス供給路であり、前記不活性ガス供給路は例えば窒素ガスを供給する窒素ガス供給路である。
本発明によれば、浸炭室のカーボンポテンシャルの簡単な制御を利用することで、熱処理の生産性を高めつつ、熱処理後の被処理体の品質を適切にすることができ、熱処理効率の向上を図ることができる。
以下、本発明にかかる実施形態を、熱処理設備としての連続ガス浸炭設備1に基づいて、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、連続ガス浸炭設備1は、鋼材品である被処理体2をX方向(略水平方向)に沿った搬送方向Dに搬送しながら被処理体2を高温の状態で処理する(予熱処理、浸炭処理、拡散処理、降温処理からなるガス浸炭を行う)熱処理炉3と、被処理体2の油冷(油焼入れ処理)を行う油冷部4と、連続ガス浸炭設備1の各部を制御する制御部5(制御コンピュータ)を備えている。
熱処理炉3の炉体10内には、複数の処理室として、被処理体2の予熱処理(昇温処理)を行う予熱室11、浸炭処理及び拡散処理を行う浸炭室12(浸炭拡散室)、拡散処理後の降温処理を行う降温室13が、入口側から出口側に向かう搬送方向Dにおいてこの順に並べて設けられている。炉体10の入口側には、被処理体2を連続ガス浸炭設備1の外部から炉体10内(予熱室11)に搬入するための搬入口21、及び、搬入口21を開閉する搬入口扉22が設けられている。炉体10の出口側には、被処理体2を炉体10内(降温室13)から搬出して油冷部4(後述する油槽室102)に搬入するための搬入出口25、及び、搬入出口25を開閉する搬入出口扉26が設けられている。
炉体10の内部において、予熱室11と浸炭室12の間、浸炭室12と降温室13の間には、壁体31、32(仕切壁)がそれぞれ備えられている。すなわち、炉体10の内部は2つの壁体31、32によって3つの処理室に仕切られている。各壁体31、32には、被処理体2をX方向に通過させる通過口41、42がそれぞれ開口されている。各通過口41、42は、開閉可能な仕切り扉51、52によってそれぞれ開閉される。すなわち、予熱室11と浸炭室12の間は仕切り扉51によって開閉され、浸炭室12と降温室13の間は仕切り扉52によって開閉されるようになっている。このような仕切り扉51、52を設け、仕切り扉51、52によって各処理室の雰囲気を仕切ることが可能な構成にすると、仕切り扉51、52を設けない場合と比較して、各処理室の雰囲気制御を行い易くなる。
搬入出口25は、降温室13と油冷部4(後述する油槽室102)との間に設けられている。搬入出口扉26には、降温室13側と油冷部4側(後述する油槽室102)とを連通させる連通孔26aが設けられている。
因みに、本実施形態においては、予熱室11は1個の被処理体2を収納できる大きさに形成されている。浸炭室12は3個の被処理体2をX方向において一列に並べて収納できる大きさに形成されている。すなわち、搬送方向Dにおいて浸炭室12の上流側、浸炭室12の中央部、浸炭室12の下流側に、被処理体2をそれぞれ1つずつ配置できるように構成されている。降温室13は1個の被処理体2を収納できる大きさに形成されている。予熱処理及び降温処理に比べて、浸炭処理及び拡散処理は長い時間を要することが多いため、上述のように浸炭室12は複数の被処理体2を収納できることが好ましい。なお、被処理体2の1個とは、被処理体2であるワークが1個という意味の他に、ワークを複数入れたトレイの1個であるなど、かたまりの1単位としての被処理体2を示す。
また、熱処理炉3には、被処理体2を搬送する搬送機構としてのローラコンベア55、炉体10内の雰囲気を攪拌する攪拌機構56(ファン)、炉体10内の雰囲気を加熱するヒータ57(図2参照)、炉体10内のCP(カーボンポテンシャル)を検出するためのCP検出用センサ61(図2参照)が設けられている。
図1に示すように、ローラコンベア55は、複数のローラ55aを備えている。ローラ55aは、炉体10の下部においてX方向に並べて設けられており、各ローラ55aの上面に被処理体2を載せて搬送するように構成されている。攪拌機構56は、予熱室11、浸炭室12、降温室13の天井部にそれぞれ設けられている。
ヒータ57(図2参照)は、予熱室11、浸炭室12、降温室13にそれぞれ設けられている。各ヒータ57は、例えばラジアントチューブヒータ等であってもよい。また、各ヒータ57(発熱体部分)は、炉体10の内側面(すなわち、ローラコンベア55による被処理体2の搬送経路の両側)に沿って、X方向において複数本並べて設けられている。さらに、予熱室11、浸炭室12、降温室13には、熱電対等の温度測定センサがそれぞれ設けられており(図示せず)、各ヒータ57は、温度測定センサの測定値に基いた制御部5の制御命令に従って出力(発熱量)が調節されるように構成されている。また、各ヒータ57の出力、すなわち、予熱室11の温度、浸炭室12の温度、降温室13の温度は、それぞれ個別に調節できるようになっている。
CP検出用センサ61は、例えば酸素センサ61であり、予熱室11、浸炭室12、降温室13にそれぞれ設けられている。各CP検出用センサ61の検出信号は、制御部5に送信され、これにより、制御部5が予熱室11の処理雰囲気のCP、浸炭室12の処理雰囲気のCP、降温室13の処理雰囲気のCPをそれぞれ演算できるように構成されている。なお、CPとは、処理雰囲気の平衡炭素濃度である。また、予熱室11、浸炭室12、降温室13にそれぞれ設けられた温度測定センサ(図示せず)の測定値は、各室のCPの算出及び制御のためも使用される。なお、CP検出用センサ61としては、CO濃度やCO濃度を測定し、それからCPを演算するものであっても良い。
さらに、図1に示すように、熱処理炉3には、炉体5内に各種ガスを供給するガス供給路として、例えば都市ガスなどの炭化水素系のガス(C)をエンリッチガスとして供給するエンリッチガス供給路71、変成ガスとしてのRXガス(例えばCO、CO、H、N等を含有するガス)を供給するRXガス供給路72、空気を供給する空気供給路73、窒素ガス(N)を供給する窒素ガス供給路74が接続されている。また、予熱室11には、炉体10内の排気を行うエキセス81(入口側排気機構)が設けられている。
エンリッチガス供給路71は、例えば浸炭室12、降温室13にエンリッチガスを供給するように配設されている。RXガス供給路72は、例えば予熱室11、浸炭室12、降温室13にRXガスを供給するように配設されている。空気供給路73は、例えば予熱室11、浸炭室12、降温室13に空気を供給するように配設されている。窒素ガス供給路74は、例えば予熱室11、浸炭室12、降温室13に窒素ガスを供給するように配設されている。また、これらのガス供給路には、各処理室に供給される各ガスの供給流量を調節するための流量調節弁75がそれぞれ介設されている。各流量調節弁75の開度(すなわち、各処理室にそれぞれ供給されるエンリッチガス、RXガス、空気、窒素ガス等の流量)は、制御部5の制御信号によって調節されるようになっている。
エキセス81は、例えば予熱室11の天井部に設けられており、予熱室11内のガスを連続ガス浸炭設備1の外部に排出するようになっている。なお、このエキセス81は、例えば予熱室11が外部の圧力に対して陰圧になった場合等には、予熱室11に対する外気(連続ガス浸炭設備1の外部の雰囲気)の取り入れを行う外気取り入れ路として機能することも可能である。エキセス81の開度、すなわち、予熱室11の排ガスの排気量又は外気の流入量は、調節可能にしてもよい。
油冷部4は、油冷部筐体101の内部に油槽室102が形成された構成になっており、油槽室102の下部には、オイル(冷却液)を貯留する油槽103が設けられている。また、油冷部4には、被処理体2を油槽室102内で搬送方向Dに搬送、及び、油槽103の上方と油槽103との間でZ方向に昇降移動させる搬送昇降機105(エレベータ)が設けられている。油冷部筐体101の出口側には、被処理体2を油槽室102から連続ガス浸炭設備1の外部に搬出させる油槽室搬出口111と、油槽室搬出口111を開閉する油槽室搬出口扉112が設けられている。
また、油冷部4には、前述したRXガス供給路72と、窒素ガス供給路74が接続されており、RXガス供給路72、窒素ガス供給路74からRXガス、窒素ガスがそれぞれ供給されるようになっている。RXガス供給路72、窒素ガス供給路74には、油槽室102に供給される各ガスの供給流量を調節するための油槽室用流量調節弁115がそれぞれ介設されている。各油槽室用流量調節弁115の開度(すなわち、油槽室102に供給されるRXガス、窒素ガス等の流量)は、制御部5の制御信号によって調節されるようになっている。
さらに、油冷部4には、油槽室102の排気を行う排気機構としてのエキセス120(出口側排気機構)が設けられている。エキセス120は、例えば油槽室102の天井部に設けられており、油槽室102内のガスを連続ガス浸炭設備1の外部に排出するようになっている。なお、このエキセス120は、例えば油槽室102が外部の圧力に対して陰圧になった場合等には、油槽室102に対する外気の取り入れを行う外気取り入れ路として機能することも可能である。エキセス120の開度、すなわち、油槽室102の排ガスの排気量又は外気の流入量は、調節可能にしてもよい。
上述した連続ガス浸炭設備1の各部の機能要素(例えば仕切り扉51、52の移動機構、ローラコンベア55、ヒータ57、流量調節弁75、油槽室用流量調節弁115等)は、制御部5の命令によって制御される。制御部5は、例えば汎用コンピュータ、シーケンサ等を備えており、所定の処理レシピに従って被処理体2を自動的に処理する制御を行うように構成されている。すなわち、制御部5の制御により、後に詳細に説明する予熱処理工程、浸炭処理工程、拡散処理工程、降温処理工程、油焼入処理工程からなる一連の被処理体処理工程(図3参照)を実施できるようになっている。
また、制御部5は、図3に示すように、予熱処理工程を1サイクル(単位所要時間)の間に行い、浸炭処理工程及び拡散処理工程を1サイクルとし、これらの浸炭処理工程及び拡散処理工程を1個の被処理体2について3サイクル行うように設定されている。ここで、1サイクルとは、例えば予熱室11と浸炭室12の間の扉51、及び/又は、浸炭室12と降温室13の間の扉52を開閉するサイクルとするのが好ましい。
さらに、本実施形態においては、予熱室11の雰囲気温度、浸炭室12の雰囲気温度、及び、降温室13の雰囲気温度を調節する温度調節機構131が構成されている。温度調節機構131は、制御部5、予熱室11に備えられたヒータ57、浸炭室12に備えられたヒータ57、降温室13に備えられたヒータ57、予熱室11、浸炭室12、降温室13にそれぞれ備えられた温度測定用センサ(図示せず)を有している(図2参照)。
温度調節機構131は、例えば予熱室11の雰囲気温度を、所定の目標値、すなわち、予熱処理温度に昇温させる機能を有している。また、予熱室11の雰囲気温度を昇温させることで、予熱室11に収納されている被処理体2の温度を予熱処理温度に昇温させることができる。予熱処理温度は、後述する浸炭処理温度と同程度(例えば約900℃〜950℃、好ましくは約920℃〜940℃程度)であっても良く、本実施形態においては約930℃に設定されている(図3参照)。
また、温度調節機構131は、浸炭室12の雰囲気温度を、被処理体2の浸炭処理を行うことが可能な所定の目標値、すなわち、浸炭処理温度に調節する機能を有する。さらに、浸炭室12の雰囲気温度を調節することで、浸炭室12に収納されている被処理体2の温度を浸炭処理温度にすることができる。浸炭処理温度は、例えば約900℃〜950℃程度、好ましくは920℃〜940℃程度であっても良く、本実施形態においては約930℃に設定されている(図3参照)。
さらに、温度調節機構131は、降温室13の雰囲気温度を、被処理体2の降温処理を行うことが可能な所定の目標値、すなわち、降温処理温度に調節することができる。そして、降温室13の雰囲気温度を調節することで、降温室13に収納されている被処理体2の温度を降温処理温度にすることができる。降温処理温度は、820℃〜870℃程度が好ましく、本実施形態においては約850℃に設定されている(図3参照)。
また、本実施形態においては、予熱室11のCP、浸炭室12のCP、及び、降温室13のCPを調節するCP調節機構132(カーボンポテンシャル調節機構、図1、図2参照)が構成されている。CP調節機構132は、例えば制御部5、予熱室11に設けられているCP検出用センサ61、浸炭室12に設けられているCP検出用センサ61、降温室13に設けられているCP検出用センサ61、エンリッチガス供給路71に設けられている流量調節弁75、RXガス供給路72に設けられている流量調節弁75、空気供給路73に設けられている流量調節弁75、窒素ガス供給路74に設けられている流量調節弁75、予熱室11、浸炭室12、降温室13にそれぞれ備えられた温度測定用センサ(図示せず)を備える構成になっている。
CP調節機構132において、制御部5は、予熱室11、浸炭室12、降温室13にそれぞれ設けられているCP検出用センサ61、温度測定用センサ(図示せず)等の検出信号に基づいて、流量調節弁75を操作し、予熱室11、浸炭室12、降温室13に供給される各ガスの流量を調節し、これにより、予熱室11のCP、浸炭室12のCP、降温室13のCPをそれぞれ所定の値に制御(フィードバック制御)するように構成されている。
また、CP調節機構132は、予熱室11のCPを、後述する浸炭室12のCP(第一のCP値)と同程度、あるいはそれ以下のCP値に調節するようになっており、0.7%〜1.2%が好ましく、さらに好ましくは0.8%〜1.1%である(図3参照)。予熱室11のCPは、本実施形態においては約0.9%に調節されるように設定されている。
また、CP調節機構132は、浸炭室12のCPを、2段階の所定の目標値、すなわち、被処理体2の浸炭処理を行うことが可能な第一のCP値(第一のカーボンポテンシャル値)と、第一のCP値よりも低く被処理体2の拡散処理を行うことが可能な第二のCP値(第二のカーボンポテンシャル値)に調整することが可能である(図3参照)。第一のCP値は、例えば0.95%〜1.2%、さらには1.0%〜1.15%であることが好ましく、本実施の形態においては約1.1%に調節されるように設定されている。また、第二のCP値は、例えば0.9%以下、さらには0.7%〜0.9%、あるいはさらに0.75%〜0.85%であることが好ましく、本実施の形態においては約0.8%に調節されるように設定されている。
また、CP調節機構132は、1サイクル内で浸炭室12のCPを第一のCP値と第二のCP値に、所定の周期で交互に昇降させるようになっている(図3参照)。より具体的には、浸炭室12に被処理体2が搬入される際は、浸炭室12のCPを第一のCP値に調節し、浸炭処理工程の間は、浸炭室12のCPを第一のCP値に所定の時間(例えば1サイクルが約150分の場合の約90分)保持するように設定されている。浸炭処理工程の後、浸炭室12の雰囲気のCPを第二のCP値に低下させ、拡散処理工程の間は、浸炭室12の雰囲気のCPを第二のCP値に所定の時間(例えば1サイクルが約150分の場合の約60分)保持するように設定されている。そして、浸炭室12内で被処理体2に対して、この浸炭処理工程と拡散処理工程のサイクルが3サイクル行われるように設定されている。なお、浸炭室12においては被処理体2に浸炭処理工程と拡散処理工程のサイクルが複数サイクル行われるのが好ましい。前記のように連続ガス浸炭設備1において被処理体2が3個ある場合、3個を同時に浸炭処理(約270分)と拡散処理(約180分)を行うと、この浸炭処理と拡散処理に要する時間は前記3サイクル(約450分)と同じである。さらに、降温室13では被処理体2に対して1個ずつ降温処理を行うので、1個の被処理体2に対する降温処理に約150分かかるとすると、3個で約450分かかる。すなわち、3個の被処理体2の浸炭処理、拡散処理、降温処理のために約900分かかることになる。さらに後続の3個の被処理体2の浸炭処理、拡散処理、降温処理をすると約900分かかり、6個合計で1800分かかることになる。これに対して前述のように、順次被処理体2を3サイクル(1サイクル約150分)に分けて被処理体2を1サイクルごとに連続して投入すると、3個では900分であるが、6個で1350分となり、大幅に時間の短縮が可能となる。したがって、浸炭室12には被処理体2が複数個あり、かつ浸炭処理工程と拡散処理工程のサイクルは複数回行うことが好ましい。
さらに、CP調節機構132は、降温室13のCPを、浸炭室12における拡散処理工程の際の第二のCP値と同程度に調節するようになっている(図3参照)。降温室13のCPは0.7%〜0.9%、さらには0.75%〜0.85%が好ましく、本実施形態においては約0.8%に調節されるように設定されている。
次に、以上のように構成された連続ガス浸炭設備1を用いた被処理体2の熱処理方法について説明する。
先ず、被処理体2が搬入される前の連続ガス浸炭設備1においては、予熱室11、浸炭室12、降温室13、油槽室102内の雰囲気(雰囲気温度、圧力、組成、CP等)が、制御部5の制御により、それぞれ所定の処理条件に調節される。例えば、予熱室11の温度は約930℃程度(予熱処理温度)、浸炭室12の温度は約930℃程度(浸炭処理温度)、降温室13の温度は約850℃程度(降温処理温度)に調節される。また、予熱室11のCP値は約0.9%程度、浸炭室12のCP値は約1.1%程度(第一のCP値)、降温室13のCP値は約0.8%程度に調節される。すなわち、炉体10内の温度は、X方向においてほぼ均一な温度に調節される。
予熱室11、浸炭室12、降温室13、油槽室102の雰囲気の調節は、制御部5の制御により、ヒータ57の発熱量、エンリッチガス供給路71によるエンリッチガスの供給流量、RXガス供給路72によるRXガスの供給流量、空気供給路73による空気の供給流量、窒素ガス供給路74による窒素ガスの供給流量、熱処理炉3のエキセス81による排気量、油冷部4のエキセス120による排気量等がそれぞれ調整されることにより行われる。具体的には、例えば予熱室11、浸炭室12、降温室13の雰囲気温度は、温度調節機構131の機能によって調節される。また、予熱室11、浸炭室12、降温室13のCPは、CP調節機構132の機能によって調節される。
また、熱処理炉3の搬入口21、通過口41、42、搬入出口25、油冷部4の油槽室搬出口111は、搬入口扉22、仕切り扉51、52、搬入出口扉26、油槽室搬出口扉112によってそれぞれ閉じられている。このように予熱室11と浸炭室12の間に仕切り扉51を備えることで、予熱室11と浸炭室12の間においてガスが過剰に移動することを抑制でき、予熱室11のCPと浸炭室12のCPを互いに異なる値に調節し易くなる。浸炭室12と降温室13の間に仕切り扉52を備えることで、浸炭室12と降温室13の間においてガスが過剰に移動することを抑制でき、浸炭室12のCPと降温室13のCPを互いに異なる値に調節し易くなる。
なお、通過口41、42は、完全には密閉されておらず、例えば仕切り扉51、52の上方等には、炉体5内のガスが通過可能な隙間が形成される。また、降温室13と油槽室102は、連通孔26aを通じて互いに連通している。従って、浸炭室12や降温室13内のガスは、予熱室11、エキセス81を通じて外部に排気することができ、また、連通孔26a、油槽室102、エキセス120を通じて外部に排気することができる。このように適度に排気を行うことが可能な状態にしながら、各ガスを供給することで、予熱室11の処理雰囲気、浸炭室12の処理雰囲気、降温室13の処理雰囲気を、それぞれ適切に調節できる。
以上のように、連続ガス浸炭設備1内の雰囲気が所定の処理条件に調節された状態において、熱処理炉3の搬入口21が開かれ、被処理体2が搬入口21を通じて予熱室11に搬入され、搬入口21が閉じられる。
こうして被処理体2が熱処理炉3に搬入されると、先ず、予熱処理工程が開始される。すなわち、浸炭室12から仕切り扉51によって遮断された状態の予熱室11において、被処理体2が予熱処理される。かかる予熱処理により、被処理体2の温度は、予熱室11に搬入される前の常温から、予熱室11の雰囲気温度、すなわち、約930℃程度まで昇温される(図3参照)。なお、予熱室11のCPは、予熱処理工程の間も約0.9%程度に保持される。この予熱処理工程に要する時間は約1時間程度であり、昇温後は予熱室11内においても浸炭処理してもよい。このとき、被処理体2の昇温後、予熱室11のCPを例えば約1.1%に上げてもよい。また、このように予熱室11内での浸炭処理は必須の処理ではなく、1サイクルを長くすれば予熱室11内で浸炭処理する必要はない。しかしながら、予熱室11内で浸炭処理することにより、1サイクルの時間を短くでき、より効率的に処理できる場合がある。
予熱室11内の被処理体2の予熱処理が終了すると、通過口41が開かれ、予熱処理が終了した被処理体2は、通過口41を通じて予熱室11から搬出され、浸炭室12に搬入される。被処理体2が浸炭室12に搬入されると、通過口41が閉じられ、予熱室11と浸炭室12が仕切り扉51によって遮断された状態になる。そして、浸炭処理工程が開始される。すなわち、被処理体2が浸炭室12において浸炭処理される。
なお、被処理体2が予熱室11から浸炭室12に移動させられた後は、次の未処理の被処理体2を搬入口21から予熱室11に搬入し、続けて予熱処理することができる。すなわち、熱処理炉3では、複数の被処理体2を並行して連続的に処理することができる。
浸炭室12内では、搬入された被処理体2は、浸炭室12において周期的に移動させられながら浸炭処理及び拡散処理される。
浸炭室12内の被処理体2は、1サイクルごとに被処理体1つ分だけ、搬送方向Dに移動させられる。従って、浸炭室12に被処理体2が搬入されてから単位所要時間が経過すると、先に搬入された被処理体2(浸炭室12の上流側に配置されていた被処理体2)は、搬送方向Dに被処理体1つ分だけ移動させられ、浸炭室12の中央部に配置される。そして、次の被処理体2(予熱処理が行われた被処理体2)を、予熱室11から浸炭室12に搬入し、先に浸炭室12に搬入されている被処理体2に対して並ぶ位置(浸炭室12上流側)に配置することができる。その後、さらに単位所要時間(1サイクル)が経過すると、先に搬入された被処理体2(浸炭室12の中央部に配置されていた被処理体2)は、搬送方向Dに被処理体1つ分だけ移動させられ、浸炭室12の下流側に配置され、次に搬入された被処理体2(浸炭室12の上流側に配置されていた被処理体2)は、搬送方向Dに被処理体1つ分だけ移動させられ、浸炭室12の中央部に配置される。そして、その次の被処理体2(予熱処理が行われた被処理体2)を、予熱室11から浸炭室12に搬入し、先に浸炭室12に搬入されている被処理体2に対して並ぶ位置(浸炭室12の上流側)に配置することができる。こうして、本実施の形態においては2つ以上(3つ以下)の被処理体2を浸炭室12内に並べ、並行して浸炭処理することができる。
なお、浸炭室12内の被処理体2に対して、1サイクル内で浸炭処理工程と拡散処理工程が行われる(図3参照)。すなわち、被処理体2には3サイクルの浸炭処理工程と拡散処理工程が交互に行われる。そして、浸炭処理工程においては、浸炭室12の雰囲気温度は、約930℃程度に維持され、浸炭室12のCPは、約1.1%程度(第一のCP値)に所定の時間(例えば1サイクルが約150分の場合の約90分)保持される。このような高温、高CPの処理雰囲気により、浸炭を速く好適に進行させることができる。すなわち、被処理体2の浸炭処理を効率的に行うことができる。また、浸炭処理工程後に行われる拡散処理工程においては、浸炭室12の雰囲気温度は、約930℃に維持され、浸炭室12のCPは、約0.8%程度(第二のCP値)に所定の時間(例えば1サイクルが約150分の場合の約60分)保持される。このような高温、低CPの処理雰囲気により、拡散を好適に行うことができる。また、このようなサイクルとすることにより、所定の浸炭の目標値に対して、より正確にバラツキの少ない処理を実施することができる。
浸炭室12内の被処理体2(浸炭室12の下流側に配置されている被処理体2)の浸炭処理と拡散処理が終了すると、通過口42が開かれ、浸炭処理と拡散処理が終了した(すなわち、本実施の形態の場合、3サイクルの浸炭処理、拡散処理が施された)被処理体2は、通過口42を通じて浸炭室12の下流側から搬出され、降温室13に搬入される。被処理体2が降温室13に搬入されると、通過口42が閉じられ、浸炭室12と降温室13が仕切り扉52によって遮断された状態になる。そして、降温処理工程が開始される。すなわち、浸炭室12から仕切り扉52によって遮断され、かつ、油槽室102から搬入出口扉26によって遮断された状態の降温室13において、被処理体2が降温処理される。このように被処理体2の拡散処理が終了した時点において、すなわち浸炭室12のCPが第二のCP値の状態で、降温室13に被処理体2を移動させることが好ましい。これによって、降温室13と浸炭室12のCP値の差が小さい(本実施の形態においてはCP値は同じ)ので、各室内の雰囲気の乱れが少なく、より正確にCP値を制御できる。
降温処理工程においては、被処理体2の温度は、予熱室11に搬入される前の約930℃から、予熱室11の雰囲気温度、すなわち、約850℃程度まで降温される(図3参照)。そして、なお、予熱室11のCPは、予熱処理工程の間も約0.8%程度に保持される。
なお、被処理体2に降温処理工程が行われる間も、浸炭室12と降温室13の間は、仕切り扉52によって仕切られた状態になっている。このようにすると、浸炭室12と降温室13を仕切り扉52によって熱的に良好に遮断できる。従って、仕切り扉52を設けない場合と比較して、浸炭室12の雰囲気温度と降温室13の雰囲気温度を、それぞれ個別に制御し易くなる。すなわち、浸炭室12の雰囲気温度と降温室13の雰囲気温度に温度差があっても、浸炭室12の熱が降温室13に逃げること等を防止できる。そのため、浸炭室12の雰囲気温度を好適に維持でき、また、浸炭室12の加熱効率が低下することを防止できる。さらに、降温室13の降温効率を向上させることができる。すなわち、降温処理工程を効率的に行い、被処理体2の温度を効率的に低下させることができる。
降温処理工程が終了すると、搬入出口25が開口され、油槽室102が降温室13に対して連通させられる。そして、降温処理された被処理体2が、搬入出口25を通じて降温室13から油槽室102に移動させられ、搬送昇降機105上に受け渡される。以上のようにして、熱処理炉3に搬入された被処理体2は、ローラコンベア55によって、予熱室11、浸炭室12、降温室13に順次搬送され、予熱室11における予熱処理、浸炭室12における浸炭処理、浸炭室12における拡散処理、降温室13における降温処理がこの順に施される。
被処理体2が降温室13から油槽室102に搬入されると、搬入出口扉26によって搬入出口25が閉じられ、油焼入処理工程が開始される。すなわち、被処理体2が油冷部4において油焼き入れされる。
油冷部4における油焼入処理工程においては、被処理体2は搬送昇降機105の作動によって下降させられ、油槽103に貯留されているオイルに浸漬させられ、油冷される。すなわち、降温室13において約850℃程度(オーステナイト化温度以上)の高温の状態で処理された被処理体2が、オイルによってオーステナイト化温度以下(例えば約130℃〜160℃程度)に冷却されることにより、被処理体2に焼入れが施される。
その後、搬送昇降機105の作動により、被処理体2が引き上げられ、油槽103から取り出される。そして、油槽室搬出口111が開口され、油槽室搬出口111を通じて油槽室102から搬出される。こうして、油焼入処理工程が終了し、連続ガス浸炭設備1における被処理体2に対する一連の熱処理が終了する。
なお、油焼き入れ処理工程は、1サイクルの間に行うようにしてもよい。すなわち、降温室13において次の被処理体2に対する降温処理工程が終了する前に、並行して実施されるようにするとよい。そうすれば、被処理体2が油槽室102から搬出された後、次の被処理体2(降温処理が終了した被処理体2)を降温室13から油槽室102に搬入し、続けて油焼入れ処理することができ、効率的である。被処理体2の降温処理、油焼入処理を連続的に行うことで、各被処理体2を適切な処理時間で効率的に処理することができる。
以上の実施の形態によれば、浸炭室12において、被処理体2に浸炭処理を高い第一のCP値を有する雰囲気で行っているので、浸炭処理を速やかに効率的に行い、浸炭処理時間を短縮することができる。また、浸炭処理と拡散処理を同一の処理室(浸炭室12)で行っているので、従来のように被処理体2を浸炭室から拡散室に搬送したり、浸炭室と拡散室の間に設けた仕切り扉を開閉させたりといった動作を行うことなく、浸炭処理開始から拡散処理終了までの処理時間を短縮することができる。すなわち、熱処理の生産性を高めることができる。さらに、浸炭処理後に拡散処理を行う際、浸炭室12の雰囲気を第一のCP値よりも低い第二のCP値で所定の時間保持することにより、被処理体2の表面炭素濃度を所定の濃度にバラツキを少なく好適に調整することができる。すなわち、被処理体2の表面炭素濃度が過剰になることを防止し、熱処理後の被処理体2の品質を適切にすることができる。したがって、このように浸炭室12の雰囲気のCPの簡単な制御を利用することで、熱処理効率の向上を図ることができる。また、被処理体2に対する浸炭処理、拡散処理は、複数のサイクルに分けて実施しても、浸炭深さ等の品質に何ら問題がないことが判明した。
また、浸炭処理と拡散処理を組み合わせることで、浸炭処理開始から降温処理開始までの処理時間を、拡散処理を行わない場合(浸炭処理を低いCPで長時間行うことにより拡散処理を行わずに被処理体2の表面炭素濃度を調節する場合、図4参照)における浸炭処理開始から降温処理開始までの処理時間よりも短縮することができる。また、1サイクルの時間を、拡散処理を行わない場合における1サイクルの時間よりも短縮することができる。ひいては、連続ガス浸炭設備1に被処理体2を搬入してから搬出するまで(予熱処理開始から油焼き入れ処理終了まで)の、連続ガス浸炭設備1における全体の処理時間を短縮できる。従って、連続ガス浸炭設備1の処理効率、生産性を高めることができる。1サイクル中の浸炭時間及び拡散時間は特に制限されることはないが、炉体10内の雰囲気の安定を考えると10分以上、好ましくは15分以上が適当である。
また、予熱処理終了から降温処理開始までの処理効率を向上させることで、RXガス、エンリッチガス等のガスの供給量を抑制できる。すなわち、少ない消費量で効率的に処理できるようになる。従って、RXガス、エンリッチガス等のガスに要するコストの削減を図ることができる。
さらに、仕切り扉51、52を設けることで、各処理室の雰囲気制御を確実かつ効率的に行うことができる。すなわち、RXガス、エンリッチガス等のガスの供給量をより効果的に抑制できるとともに、例えばヒータ57の発熱量を有効に利用して、各処理室の雰囲気温度を効率的に制御できる。従って、例えばヒータ57の稼動コスト(電気代等)等の削減も図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば以上の実施形態では、熱処理設備は被処理体2の連続浸炭処理を行う連続ガス浸炭設備であるとし、被処理体は鋼材であるとしたが、これらはかかるものに限定されない。例えば、被処理体は鉄系合金以外の他の合金、金属材料からなるものであってもよい。
また、予熱室11に収容可能な被処理体2の個数、浸炭室12に収容可能な被処理体2の個数、降温室13に収容可能な被処理体2の個数も、以上の実施形態に示したものには限定されない。例えば予熱室11や降温室13に、2以上の被処理体2を並べて収容できる構成にしてもよい。浸炭室12には2以下あるいは4以上の被処理体2を収容するように構成してもよい。ただし、通常、浸炭時間は予熱や降温時間より長いため、浸炭室12には2以上の被処理体2を収容することが好ましい。なお、浸炭室12に収容できる被処理体2が5個以上になると、本発明の特徴である小型で効率の良い炉でなくなるおそれがあるので、浸炭室12に収容できる被処理体2は4個以下であることが好ましい。
温度調節機構131やCP調節機構132の構成も、以上の実施形態に示したものに限定されない。例えばヒータ57の種類やCP検出用センサ61の種類は、以上の実施形態に示したものに限定されない。また、温度調節機構131は、予熱室11、浸炭室12、降温室13にそれぞれ設けられているヒータ57の発熱量を調節することで、予熱室11、浸炭室12、降温室13の雰囲気温度を調節する構成としたが、かかる構成には限定されず、例えば、予熱室11の雰囲気を冷却する冷却路、浸炭室12の雰囲気を冷却する冷却路、あるいは、降温室13の雰囲気を冷却する冷却路を備える構成にしてもよい。即ち、冷却路を炉体10の壁部(予熱室11を構成する部分、浸炭室12を構成する部分、降温室13を構成する部分)にそれぞれ内蔵し、各冷却路に冷媒(冷却水)をそれぞれ通過させることで、予熱室11、浸炭室12、降温室13をそれぞれ個別に冷却できるようにしてもよい。
また、各処理室に対するガス供給路の配設の態様、各処理室に供給されるガスの種類等も、以上の実施形態には限定されない。例えば窒素ガスに代えて、他の不活性ガス、例えばアルゴンガス(Ar)等を含むガスを使用してもよい。
以下、本発明の熱処理方法を用いて、浸炭室で被処理体に浸炭処理と拡散処理を行い、浸炭時間と拡散時間を変化させた場合のそれぞれの被処理体の表面炭素濃度について、従来のように拡散処理を行わずに浸炭処理のみを行った場合の被処理体の表面炭素濃度を比較して説明する。なお、被処理体の表面炭素濃度の測定結果として、被処理体の表面から炭素濃度が約0.4%である位置までの浸炭深さ(ECD)を測定する。
本実施例を行うに際し、熱処理を行う設備としては、先に図1に示した連続ガス浸炭設備1を用いた。従来例としては、浸炭室12のCPを0.8%として150分間浸炭処理した場合の被処理体2のECDを計測した(従来例1)。本発明の実施例としては、浸炭処理の際の浸炭室12のCPを1.1%、拡散処理の際の浸炭室12のCPを0.8%として、90分間浸炭処理し、その後60分間拡散処理した場合(実施例1)と、80分間浸炭処理し、その後55分間拡散処理した場合(実施例2)と、75分間浸炭処理し、その後45分間拡散処理した場合(実施例3)の被処理体2のECDを計測した。
かかる場合、表1を参照すると、従来例1における被処理体2のECDは1.07mmであったのに対し、実施例1における被処理体2のECDは1.19mmであった。したがって、本発明によれば、1サイクルの時間が従来例1の浸炭処理時間と同一(150分)の場合、被処理体2のECDは従来よりも格段に向上することが分かった。また、実施例2における被処理体2のECDは1.12、実施例3における被処理体2のECDは1.04であった。したがって、本発明によれば、1サイクルの時間が従来1の浸炭処理時間よりも短い場合(135分あるいは120分)でも、被処理体2のECDは従来と同等であることが分かった。換言すれば、従来と同等のECDを得るために、1サイクルの時間を従来の浸炭処理時間よりも約5%〜20%短縮できることが分かった。
Figure 0005209921
次に、従来例として、前記の第二の従来方法を用い、浸炭室12のCPを浸炭反応域(約1.2%程度)と拡散反応域(約0.4%程度)との間で、50分を1周期としてCPを正弦波状に時間変化させながら、浸炭処理と拡散処理を3周期繰り返し行った。本発明の実施例としては、以下に示す3つの条件下(実施例4〜6)で浸炭処理と拡散処理を行った場合の被処理体2のECDを測定した。実施例4では、浸炭処理の際の浸炭室12のCPを1.1%、拡散処理の際の浸炭室12のCPを0.8%とし、45分間浸炭処理し、その後30分間拡散処理を行うのを1サイクルとして、これを2サイクル繰り返し行った。かかる実施例4においては、浸炭室12内に被処理体2が2個収容されている。実施例5では、実施例4と同様のCP値で、40分間浸炭処理し、その後27.5分間拡散処理を行うのを1サイクルとし、これを2サイクル繰り返し行った。かかる実施例5においても、浸炭室12内に被処理体2が2個収容されている。実施例6では、30分間浸炭処理し、その後20分間拡散処理を行うのを1サイクルとし、これを3サイクル行った。かかる実施例6では、浸炭室12内に被処理体2が3個収容されている。
Figure 0005209921
かかる場合、表2を参照すると、従来例2における被処理体2のECDは1.00mm程度であり、各周期において、ECDのバラツキが大きく(バラツキの範囲は0.5mm程度)、被処理体2のECDを均一に制御することが困難であった。
これに対し、実施例4〜6の被処理体2のECDは、それぞれ1.18mm、1.11mm、1.15mmであり、本発明のように浸炭処理と拡散処理を複数のサイクルに分けて行うと、従来よりも被処理体2のECD(浸炭能力)が格段に向上することが分かった。また、実施例4と実施例6を比較すると、浸炭処理と拡散処理の合計処理時間が同じであれば、被処理体2のECDにほとんど差がないことが分かった。さらに、実施例4によれば、75分間隔、実施例5によれば67.5分間隔、実施例6によれば50分間隔に1サイクルの時間を短縮することができ、生産効率を向上されることができた。また、ECDのバラツキは、いずれの実施例4〜6も各サイクルごとに取り出したサンプルにおいて(1サイクル3個で3サイクル分、すなわち合計9個での評価)、0.1mm以内であった。
本発明は、本発明は、例えば鋼材等の被処理体を熱処理する熱処理方法及び熱処理設備に有用である。
本実施形態にかかる連続ガス浸炭設備の概略縦断面図である。 本実施形態にかかる連続ガス浸炭設備の概略縦断面図である。 連続ガス浸炭設備において被処理体に対して行われる処理工程、被処理体の温度変化、被処理体を処理する処理雰囲気のCPの関係を示すグラフである。 従来の小型の連続ガス浸炭設備において被処理体に対して行われる処理工程、被処理体の温度変化、被処理体を処理する処理雰囲気のCPの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 連続ガス浸炭処理設備
2 被処理体
3 熱処理炉
5 制御部
11 予熱室
12 浸炭室
13 降温室
57 ヒータ
61 CP検出用センサ
131 温度調節機構
132 CP調節機構(カーボンポテンシャル調節機構)

Claims (6)

  1. 被処理体を熱処理する熱処理方法であって、
    被処理体を浸炭室において浸炭処理する浸炭処理工程と、
    前記浸炭処理が行われた被処理体を前記浸炭室において拡散処理する拡散処理工程と、を有し、
    前記浸炭処理工程において、前記浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルを第一のカーボンポテンシャルである0.95%〜1.2%にした状態で、前記浸炭処理を行い、
    前記拡散処理工程において、前記浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルを前記第一のカーボンポテンシャルよりも低い第二のカーボンポテンシャルである0.7%〜0.9%に低下させ、当該第二のカーボンポテンシャルを所定の時間保持した状態で、前記拡散処理を行い、
    前記浸炭処理工程と前記拡散処理工程におけるカーボンポテンシャルは、前記浸炭室内に炭化水素系のガス、変成ガス、空気、不活性ガスの供給量を調整することにより行われ、
    前記浸炭処理工程と前記拡散処理工程を1サイクルとし、
    前記浸炭室内の被処理体に対して、前記浸炭処理工程と前記拡散処理工程を複数サイクル行ない、
    前記浸炭室と当該浸炭室に隣接する降温室との間に仕切り扉が設けられ、
    前記仕切り扉を開閉して、前記浸炭室において前記拡散処理が行われた被処理体を、前記降温室に移動させ、
    当該降温室において被処理体を降温処理し、
    前記浸炭室と当該浸炭室に隣接する予熱室との間に仕切り扉が設けられ、
    前記浸炭室において被処理体を前記浸炭処理する前に、前記予熱室において被処理体を予熱処理し、
    前記仕切り扉を開閉して、前記予熱室から前記浸炭室に被処理体を移動させることを特徴とする、熱処理方法。
  2. 前記予熱室において、被処理体を前記予熱処理した後、当該被処理体を浸炭処理することを特徴とする、請求項1に記載の熱処理方法。
  3. 前記拡散処理が行われた被処理体を、前記第二のカーボンポテンシャルの雰囲気に維持された前記降温室に移動させることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱処理方法。
  4. 前記炭化水素系のガスはエンリッチガスであり、
    前記変成ガスはRXガスであり、
    前記不活性ガスは窒素ガスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱処理方法。
  5. 被処理体を熱処理する熱処理設備であって、
    被処理体の浸炭処理、及び、前記浸炭処理が行われた被処理体の拡散処理を行う浸炭室と、
    前記浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルを調節するカーボンポテンシャル調節機構と、
    前記浸炭室に隣接し、前記拡散処理が行われた被処理体の降温処理を行う降温室と、
    前記浸炭室に隣接し、前記浸炭処理を行う前に被処理体の予熱処理を行う予熱室と、を備え、
    前記浸炭室には、前記浸炭室内に炭化水素系のガスを供給する炭化水素系ガス供給路と、前記浸炭室内に変成ガスを供給する変成ガス供給路と、前記浸炭室内に空気を供給する空気供給路と、不活性ガスを供給する不活性ガス供給路とが接続されており、
    前記カーボンポテンシャル調節機構は、
    前記浸炭処理を行う際の前記浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルを第一のカーボンポテンシャルである0.95%〜1.2%に調節し、
    前記拡散処理を行う際の前記浸炭室の雰囲気のカーボンポテンシャルを前記第一のカーボンポテンシャルよりも低い第二のカーボンポテンシャルである0.7%〜0.9%に低下させ、当該第二のカーボンポテンシャルを所定の時間保持することが可能な構成であり、
    前記浸炭室と前記降温室との間には仕切り扉が設けられ、
    前記予熱室と前記浸炭室との間には仕切り扉が設けられていることを特徴とする、熱処理設備。
  6. 前記炭化水素系ガス供給路はエンリッチガスを供給するエンリッチガス供給路であり、
    前記変成ガス供給路はRXガスを供給するRXガス供給路であり、
    前記不活性ガス供給路は窒素ガスを供給する窒素ガス供給路であることを特徴とする、請求項5に記載の熱処理設備。
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