JP2008274346A - スポンジチタンの製造方法 - Google Patents

スポンジチタンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クロール法によるスポンジチタンの製造方法において、反応容器内で製造されたスポンジチタン塊の抜き出しを容易にする。
【解決手段】四塩化チタンのマグネシウム還元によりスポンジチタンを製造する方法において、底部の一部がキャップ部を構成する反応容器内底部に押し抜き治具を設け、押し抜き治具の上に敷板を設け、敷板の上にマグネシウムを満たすとともに四塩化チタンを滴下してスポンジチタン塊を生成させた後、キャップ部を切断して反応容器底部に開口部を形成し、押し抜き棒を開口部に挿入して押し抜き治具を押圧することによってスポンジチタン塊を反応容器から抜き出すことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、クロール法によるスポンジチタンの製造方法に係り、特に、製造されたスポンジチタンを反応容器から効率的に抜き出すことのできる方法に関する。
金属チタンは、航空機産業のみならず、近年では民生用の需要が大幅に伸びてきており、その原料となるスポンジチタンの供給に対する期待も高まってきている。
前記スポンジチタンは所謂クロール法と呼ばれている方法によって生産されている。クロール法は、ステンレス製の反応容器内に装入保持した溶融マグネシウム浴面上に四塩化チタンを滴下することにより、反応容器内にスポンジチタンを生成させる方法である。
反応容器内に生成されたスポンジチタンを減圧下にて高温で加熱することにより、スポンジチタン内に残留している塩化マグネシウムや金属マグネシウムを分離し、製品としてのスポンジチタン塊が得られる。
図7は、反応容器1内で生成したスポンジチタン塊20の様子を表している。反応容器内で生成したスポンジチタン塊20は、反応容器底部に設けたキャップ部10を切断して反応容器底部に開口部を形成させた後、開口部より押し抜き棒を挿入させて反応容器内に生成したスポンジチタン塊を押圧し、反応容器外に押し抜いた後、破砕整粒することにより粒状の製品スポンジチタンが得られる(例えば、特許文献1参照)。
ここでいうキャップ部10の切断とは、図8に示したようにキャップ部10を構成するキャップ部側胴部10Aとキャップ部底部10Bのうち、前記キャップ部側胴部10Aを切断分離することを意味する。また、前記切断分離されたキャップ部とは、図8において、キャップ底部10Bが溶接されている切断分離されたキャップ側胴部10Cを意味する。
図4は、従来のスポンジチタンの製造装置において、反応容器1内に製造されたスポンジチタン塊20を押し抜く際の様子を表したものである。反応容器1の底部には押し抜き冶具4が配置されている。前記押し抜き冶具4は、反応容器1の底部に設けた開口部11より挿入された押し抜き棒5の応力をスポンジチタン塊20に分散して印加させる機能を有するものである。この押し抜き棒5の挿入移動に伴い、スポンジチタン塊20を反応容器1外に向かって押し抜くことができる。しかしながら、反応容器1からスポンジチタン塊20の押し抜きを完了した時点で、押し抜き冶具4とスポンジチタン塊20との底部とが相互に固着して、スポンジチタン塊20から押し抜き冶具4のみを分離することが容易でない場合があり、改善が求められていた。
また、前記反応容器の底部に設けた開口部は、スポンジチタンの押し抜きが完了した後は、開口部に切断分離されたキャップ部10Cを溶接し、次回のスポンジチタンの製造工程に供される。しかしながら、前記キャップ側胴部10Aの切断部位において繰り返される溶接部位の劣化は避けられず、改善が求められていた。
以上述べたように、反応容器内で生成したスポンジチタン塊を効率よく抜き出し、また、前記スポンジチタン塊の押し抜き後に、前記開口部に切断分離されたキャップ部10Cを溶接してキャップ部10の再利用できる回数を効率よく向上できる方法が望まれている。
特開平6−145825号公報
本発明は、クロール法によるスポンジチタンの製造方法において、特に、反応容器内で製造されたスポンジチタン塊をより容易に抜き出すことによってスポンジチタン抜き出し後のスポンジチタンの回収の時間を短縮することができ、かつ、反応容器の劣化を低減してより多くの回数再利用することができる方法の提供を目的としている。
かかる実情に鑑みて鋭意検討を重ねてきたところ、四塩化チタンのマグネシウム還元によりスポンジチタンを製造する方法において、前記反応容器内底部にスポンジチタンの押し抜き冶具を配設し、更に、前記押し抜き冶具の上に敷板を載置して、前記敷板の上にスポンジチタンを生成させることにより、反応容器から押し抜いた後のスポンジチタン塊と前記押し抜き冶具との固着を容易に回避でき、その結果、スポンジチタン塊のみを効率よく回収できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
即ち、本願発明は、四塩化チタンのマグネシウム還元によりスポンジチタンを製造する方法において、底部の一部がキャップ部を構成する反応容器内底部に押し抜き治具を設け、押し抜き治具の上に敷板を設け、敷板の上にマグネシウムを満たすとともに四塩化チタンを滴下してスポンジチタン塊を生成させた後、キャップ部を切断して反応容器底部に開口部を形成し、押し抜き棒を開口部に挿入して押し抜き治具を押圧することによってスポンジチタン塊を反応容器から抜き出すことを特徴としている。
また、本発明は、前記押し抜き冶具と敷板との間にセラミック層またはスポンジチタン層を介在させることを好ましい態様としている。
さらに、前記キャップ部の切断の際に、反応容器とキャップ部の溶接がなされている箇所に、溶接用の開先を形成させた後、拡径穿孔することを好ましい態様としている。
前記した本発明に従ってスポンジチタンを製造することにより、反応容器内で製造されたスポンジチタン塊は敷板の上に生成されるので、スポンジチタンが押し抜き治具に固着することが防止され、スポンジチタンを効率良く押し抜くことができ、その結果、スポンジチタンの回収時間を短縮することができるという効果を奏するものである。また、反応容器とキャップ部の繰り返しの溶接による劣化が抑制され、反応容器の耐用年数も向上させることができるという効果を奏するものである。
本発明の最良の実施形態について図面を用いて以下に説明する。図1および図2は本発明を実施するための好適な装置構成例を表しており、同図を用いて本願発明の好ましい態様につき以下に説明する。
図1は、本実施態様に係るスポンジチタンの製造装置における反応前の反応容器1内の様子を表している。反応容器1の底部には、後に生成するスポンジチタンの押し抜きに供される押し抜き冶具4が配置され、押し抜き冶具4の上に敷板3が配置され、さらにその上から溶融マグネシウム2が所定量注入されている。
前記押し抜き冶具4は、内部が中空であって、表面に複数の貫通孔を設けておくことが好ましい。このような構成とすることで前記押し抜き冶具4の上部空間部でスポンジチタンとともに副生する塩化マグネシウムを反応容器1の下部へ集めることができ、外部に効率よく抜き出すことができるという効果を奏するものである。
反応容器1の底部には、図示しない鉛直方向に延在した配管が接続されており、前記配管を通じて反応容器1内で副生した塩化マグネシウムを効率よく系外に抜き出すことができる。
前記敷板3と押し抜き冶具4とおよび反応容器1は、溶融マグネシウム2と接液状態にあり、前記の状態のまま温度が安定するまで静置される。よって、ニッケルやクロムの汚染を嫌う高純度スポンジチタンを製造する場合には、前記敷板3、押し抜き冶具4および反応容器1は、ニッケルやクロムの含有率の少ない材料で構成することが好ましい。その結果、前記敷板3や押し抜き冶具4あるいは反応容器1から溶融マグネシウム2へのニッケルやクロムの溶出量を効果的に抑制することができる。
よって、本願発明においては前記敷板3と押し抜き冶具4および反応容器1は、炭素鋼で構成することが好ましく、特にニッケル含有率が200ppm以下の炭素鋼を前記の材料として用いることが好ましい。市販されている炭素鋼には、ニッケルやクロムの規格はないが、予め分析値を入手することでニッケルやクロムの含有率の低い鋼材を選択使用することができる。
一方、溶融マグネシウム2中のニッケルやクロムの含有率もできる限り低いものを使用することが好ましく、具体的には、ニッケル含有率が1ppm以下、更には、0.5ppm以下がより好ましいとされる。前記のニッケル含有率の低い溶融マグネシウム2は、原料である塩化マグネシウムの運搬容器や保持容器あるいは電解槽の構成材を特別に選定使用することにより前記したニッケル含有率の低い溶融マグネシウム2を製造することができる。
本願発明においては、前記敷板3と押し抜き冶具4との間にセラミック層を予め介在させておいても良い。前記セラミック層は、酸化チタンで構成することが好ましく、特に、塊状の酸化チタンを押し抜き冶具4の表面に敷き詰めた後、敷板3を載置することが好ましい。
また、前記酸化チタンは、微粒酸化チタンをプレス成型して高温焼成した塊状酸化チタンを押し抜き冶具4と敷板3に介在させても良い。前記塊状酸化チタンは、敷板3の厚みと同程度の大きさに構成しておくことが好ましい。前記のような大きさの塊状酸化チタンを敷板3と押し抜き冶具4との間に介在させることで、還元反応中に高温の溶融塩に曝されている間に進展する虞のある前記敷板3と押し抜き冶具4との固着を効果的に抑制できるという効果を奏するものである。
更に、本願発明においては、前記セラミック層に代えて、スポンジチタンを敷設させても良い。スポンジチタンは、前記セラミック層に比べて、敷板3の上に生成するスポンジチタンへの酸素汚染の心配が少なく、純度の高いスポンジチタンを製造する場合に好適に用いることができる。
なお、前記スポンジチタンは、不純物の少ない高純度チタンを用いることが好ましい。その中でも、ニッケル含有率が10ppm以下、更には、5ppm以下のスポンジチタンを用いることが好ましいとされる。
前記敷板3と反応容器1とは、溶融塩化マグネシウムが容易に流通可能なような隙間を設けておくことが好ましい。よって、本願発明に係る敷板3の径は、反応容器1の内径に対して80%〜90%の範囲に製作しておくことが好ましい。
本願発明に係る敷板3と密着して配置する押し抜き冶具4の表面形状は必ずしも平面である必要はなく、図5に示すように、上方に膨らんでいる形状であってもよい。押し抜き冶具4は、使用回数を重ねるうちに自然に形状が変化する場合がある。この態様に示すこのような変形が進行した場合には、表面が平板の場合に比べて敷板3との接触面積は減少し、敷板3と押し抜き冶具4との固着が効果的に回避される。
ただし、敷板3の安定性を欠くため、図5に示すようなリング状あるいは、ブロック状の駒6を介装させることにより、押し抜き冶具4の上に敷板3を安定的に配置することができる。
このように、本願発明においては、敷板3と接する押し抜き冶具4の表面形状は、上に凸な形状も好ましい態様の一つであるといえる。
前記したような装置を構成後、反応容器1内への溶融マグネシウム2を所定量注入し、次いで反応容器1の頂部に配設した四塩化チタン供給管12より反応容器1内へ四塩化チタンの滴下を開始する。
四塩化チタンの滴下を開始すると溶融マグネシウム2の浴面近傍で還元反応が生起しスポンジチタンが生成すると共に塩化マグネシウムも副生する。前記浴面近傍では、粒状あるいは塊状のスポンジチタンが生成し、溶融マグネシウム2中を沈降・堆積しスポンジチタン塊20を形成する。
一方、前記還元反応で副生した塩化マグネシウムは、反応容器1に付設された図示しない配管を経由して適宜系外に排出される。
したがって、前記した還元反応終了時には、塩化マグネシウムや金属マグネシウムを含んだスポンジチタン塊20が生成する。前記塩化マグネシウムや金属マグネシウムは、減圧下にて高温に加熱することにより効率よくスポンジチタン20から分離除去することができる。その結果、純度の高いスポンジチタン20を製造することができる。
図2は、前記の分離操作により反応容器1内に生成されたスポンジチタン塊20の様子を表している。スポンジチタン塊20は、敷板3を介して押し抜き冶具4の上に生成されている。また、スポンジチタン塊20は、反応容器1の側壁とも密着している場合が多い。
図2の状態にある反応容器1の底部に設けたキャップ10の側胴部10Aに形成されている溶接部15を切断することにより、図3に示したように押し抜き棒5を挿入するための開口部11を形成することができる。
本願発明では、このような反応容器1の底部を再度開口させるためのキャップ10の切断時には、図6(b)に示すように、前記溶接部15に対して最初にV字型開先を形成させた後、次いで先端部が平坦な刃で前記V字の先端部を拡径穿孔することが好ましい。
このような手順で前記キャップ10の溶接部15を切断後、拡径穿孔することにより、反応容器1に残留した顕著な劣化が見られる既溶接部位とキャップ10の溶接部15を併せて除去することができる。ここでいう既溶接部位とは、溶接部15の近傍を意味し、過去の溶接時の熱影響を受けている部位を意味する。具体的には、前記溶接部15の上下方向の幅に対して10〜50%の範囲を意味する。その結果、次回の溶接に際しては、図6(c)に示すように、溶接により劣化を受けていない新規な材料部位同士を当接させて溶接することができるので溶接後の強度を健全に維持できるという効果を奏するものである。
なお、溶接部15の切断に伴って反応容器1とキャップ10の一部を併せて切断するため、溶接および切断を繰り返す度に両者が短縮されていくが、1回の切断による反応容器1とキャップ10との境界の材料ロスは、僅かであり、新規のキャップ10が寿命を迎えるまでに20〜30バッチのスポンジチタンを製造することができる。
前記の手順に沿って反応容器1の底部に開口部11を形成させた後、押し抜き棒5を開口部11より挿入して押し抜き冶具4に当接させた後、押し抜き棒5の下部に係合された図示しない油圧シリンダーを作動させて押し抜き冶具4に載置した敷板3を介してスポンジチタン塊に応力を付勢させることができる。
前記応力が付勢されたスポンジチタン塊20は、徐々に反応容器1内を摺動し反応容器1からスポンジチタン塊20の全体を押し抜くことができる。前記反応容器1の頂部にスポンジチタン塊20の底部に配置した押し抜き冶具4が現れたところで、スポンジチタン塊20から押し抜き冶具4を分離除去し、次いで、前記押し抜き冶具4から分離されたスポンジチタン塊20の底部に密着している敷板3を分離除去することにより、スポンジチタン塊20を回収することができる。
本願発明においては、押し抜き冶具4の上部に敷板3が載置されていることを特徴としている。このため、前記敷板3を介して押し抜き冶具4からスポンジチタン塊2を容易に分離することができるという効果を奏するものである。
前記敷板3は、貫通孔を有していない平板で構成することが好ましい。また、反応容器1の内径に比べてやや小径の平板状の炭素鋼で構成することが好ましい。敷板3を平板で構成することにより、スポンジチタン塊2と敷板との密着性を低下させることができ、その結果、前記敷板3をスポンジチタン塊から比較的容易に分離することができるという効果を奏するものである。
図1で示したスポンジチタンの生成反応中に行う塩化マグネシウムの抜き出しを考慮すると、敷板3は平板ではなく、貫通孔を有している方が好ましいように思われる。しかしながら、敷板3に貫通孔が存在すると前記貫通孔内部までスポンジチタンが生成し、その結果スポンジチタン塊20から敷板3を分離することができない場合があるからである。よって、本願発明においては、敷板3は、いわゆる孔の開いていない平板で構成することが好ましい。
前記敷板3は、炭素鋼で構成することが好ましく、更に、前記炭素鋼の中でもニッケルの低い炭素鋼を選択して用いることが好ましい。本願発明においては、前記炭素鋼中のニッケル含有率は、200ppm以下であることが好ましい。前記の範囲にニッケル含有率を規定しておくことにより、敷板3の上に生成するスポンジチタンへのニッケル汚染を抑制することができ、その結果、高純度チタンを製造する場合の歩留まり向上に大きく寄与することができる。
敷板3を分離除去したスポンジチタン塊20は、不純物が濃縮されている表層部をハツリ除去した後、次いで、破砕・整粒後、製品スポンジチタンを得ることができる。
前記反応容器1より抜き出されたスポンジチタン塊20の底部は、炭素鋼で構成した敷板3と密着していたため、鉄汚染が顕著である。よって、破砕・整粒工程に先立って、スポンジチタン塊20の底部を予め切断除去しておくことが好ましい。
前記スポンジチタン塊20の底部を切断除去する厚みはスポンジチタンの色や分析値を参考に凡その範囲を特定することができる。前記範囲は、本願発明においては、スポンジチタン塊20の全長の1/15〜1/20の範囲が切断除去するスポンジチタン塊の厚みの好ましい範囲である。
なお、前記した方法により製造されたスポンジチタン塊20の表層部は鉄に汚染されているが、これは破砕整粒に先立って行うハツリあるいは、スポンジチタン塊の外周部分を分離することにより、鉄汚染の少ないスポンジチタンを回収することができる。
また、溶融マグネシウム中に浸漬配置されていた押し抜き冶具4および敷板3の表面にもスポンジチタンが付着生成していることが多い。前記の押し抜き冶具4および敷板3は反応容器の底部に配設されており、不純物が濃縮されやすい位置にあるため、前記スポンジチタン付着層は完全にハツリ除去しておくことが好ましい。
押し抜き棒5の挿入によってスポンジチタン塊20が取り出された後は、図6(c)に示すように反応容器1と切断分離されたキャップ部10Cを当接させて溶接し、反応容器は再度スポンジチタンの製造に供される。
以上述べた本願発明に従うことにより、鉄のみならず、ニッケルやクロムの低いスポンジチタンを製造することができる。その結果、4N5あるいは5Nといった純度の高いスポンジチタンを製造することができるという効果を奏するものである。
1.装置構成
1)反応容器
大きさ:径1900mm×全長5360mm
壁構造:内面を炭素鋼で内張りしたステンレスクラッド鋼(炭素鋼中のニッケル含有率:200ppm)
2)敷板
大きさ:径1700mm×厚み32mm
材質:炭素鋼(ニッケル含有率:200ppm)
備考:貫通孔のない平板
3)押し抜き冶具
大きさ:径1500mm×厚み590mm
材質:炭素鋼(ニッケル含有率:200ppm)
備考:内部が中空のブロック形状であり、表面に複数の塩化マグネシウム抜き出し口が形成されている。
4)敷板・押し抜き冶具間の介在層
塊状酸化チタン:4Nグレードの酸化チタンを高温焼成して10〜30mmの焼成ペレットを使用。
スポンジチタン:10〜30mmに整粒した4Nグレードのスポンジチタン
2.原料
1)四塩化チタン:純度4N
2)マグネシウム:ニッケル含有率:0.5ppm
[実施例1]
図2に示すように、反応容器1内にてスポンジチタン塊20を製造し、図3に示すように、生成したスポンジチタン塊20を反応容器1外に抜き出した。反応容器1外に抜き出されたスポンジチタン塊20より押し抜き冶具4を分離してスポンジチタン塊20を回収した。次いで、前記スポンジチタン塊20の底部に配設した敷板3を剥離除去してスポンジチタン塊20のみを回収することができた。
当該条件下にて30バッチのスポンジチタンを製造したが、押し抜き冶具4がスポンジチタン塊20と密着して剥離が困難状況に陥ることは無かった。
[比較例1]
敷板を用いない以外は実施例1と同じ条件下にてスポンジチタン塊を10回製造した。
その段階で押し抜き冶具がスポンジチタン塊の底部と密着し、前記押し抜き冶具4のみを回収するために手間取った。止むを得ず、前記押し抜き冶具4が固着したスポンジチタン塊2の底部を粉砕して前記押し抜き冶具4を回収した。
[実施例2]
図6に示すように溶接部15にV字型開先を形成させた後、前記開先の最大幅(キャップ部1の外表面に形成されている開先幅)の10%に相当する厚みを有するカッターにて前記開先の先端部を拡径穿孔した。次いで、スポンジチタン塊を押しぬいた後、前記開口部を溶接して接合し、20バッチのスポンジチタンを製造したが前記溶接部にクラック等の発生は見られなかった。
[比較例2]
実施例2において、V字型開先を形成させた後、拡径穿孔を行わずに、スポンジチタン塊を押しぬいた後、前記開口部を溶接して接合した。このような操作で11バッチのスポンジチタンを製造したところで前記溶接部にクラックの発生が見られ、また、その周辺部の組織の劣化も見られた。そこで、反応容器1の底部に設けたキャップ10を新規のものと交換した。
以上の実施例および比較例に示したように、本願発明に従えば、反応容器内で生成したスポンジチタンを効率よく抜き出すことができ、また、その際の反応容器底部のキャップ部の寿命も従来に比べて改善されることが示された。
本発明によれば、スポンジチタンの製造を円滑に行うことができ、スポンジチタンの製造コストの抑制に寄与する。
本願発明のスポンジチタン製造装置の模式断面図である。 図1の製造装置においてスポンジチタン生成後の状態を示す模式断面図である。 本発明のスポンジチタン塊の押し抜きを説明する模式断面図である。 従来のスポンジチタン塊の押し抜きを説明する模式断面図である。 本発明の押し抜き治具および敷板の一実施形態を示す模式断面図である。 (a)は、本発明の反応容器とキャップ部の切断における切断前の溶接部を示す模式断面図であり、(b)は、溶接部にて溶接用開先を形成させ、拡径穿孔した後の状態を示す模式断面図であり、(c)は、溶接時におけるキャップ部側胴部の接合状態を示す模式断面図である。 従来のスポンジチタン塊生成後であって押し抜きの直前段階を説明する模式断面図である。 キャップ部の切断を説明する模式断面図である。
符号の説明
1 反応容器
10 キャップ部
10A キャップ部側胴部
10B キャップ部底部
10C 切断分離されたキャップ側胴部
11 開口部
12 四塩化チタン供給管
13 不活性ガス導入口
14 排気口
15 溶接部
2 溶融マグネシウム
20 スポンジチタン塊
3 敷板
4 押し抜き治具
5 押し抜き棒
6 駒

Claims (9)

  1. 四塩化チタンのマグネシウム還元によりスポンジチタンを製造する方法において、
    底部の一部がキャップ部を構成する反応容器内底部に押し抜き治具を設け、
    上記押し抜き治具の上に敷板を設け、
    上記敷板の上にマグネシウムを満たすとともに四塩化チタンを滴下してスポンジチタン塊を生成させた後、
    上記キャップ部を切断して上記反応容器底部に開口部を形成し、
    押し抜き棒を上記開口部に挿入して上記押し抜き治具を押圧することによって上記スポンジチタン塊を上記反応容器から抜き出すことを特徴とするスポンジチタンの製造方法。
  2. 前記押し抜き治具は、内部が中空の構造体であって、上記押し抜き治具の表面に複数の貫通孔を有していることを特徴とする請求項1に記載のスポンジチタンの製造方法。
  3. 前記敷板と接する押し抜き冶具の表面が平面または上に凸な形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のスポンジチタンの製造方法。
  4. 前記敷板は、貫通孔を有しない平板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスポンジチタンの製造方法。
  5. 前記敷板と前記押し抜き冶具との間にセラミック層を介在させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスポンジチタンの製造方法。
  6. 前記敷板と前記押し抜き冶具との間にスポンジチタン層を介在させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスポンジチタンの製造方法。
  7. 前記キャップ部を反応容器本体から切断する際に、溶接用開先を形成させた後、拡径穿孔することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスポンジチタンの製造方法。
  8. 前記反応容器から抜き出したスポンジチタンの底部に密着した敷板を剥離除去してスポンジチタンのみを回収することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のスポンジチタンの製造方法。
  9. 前記敷板と密着していたスポンジチタンの底部層を切断除去した後、残りのスポンジチタンを破砕整粒して製品スポンジチタンとすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のスポンジチタンの製造方法。
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