JP2008272965A - タイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデルの製作方法及びその製作装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】まず、台座11の案内溝12の位置と下端溝2の位置が一致するように、マスターモデルを形成するピースP(3)を台座11上に載置する。載置したピースP(3)に台座11の案内溝12に円柱状端部32を有する固定治具31を、案内溝12に沿って、ピースP(3)へ摺動させ、固定治具31の円柱状端部32をピースP(3)の下端溝23へ契合させる。次に、ピースP(5)を同様に台座11上に載置し、固定治具31の円柱部33にピースP(5)の半円柱状凹部22を係合させ、ナット34を円柱部33に螺合し、ピースP(3)とピースP(5)とを固定して、一体化させる。 このナット34を取り外すことで各ピースに分解することができ、他のマスターモデルにこのピースを転用して再組立できる。
【選択図】図3
Description
次に、このゴム型へ石膏を流し込み、石膏型を製作して、この石膏型へアルミ等の素材をプランジャで圧入してタイヤ加硫用金型を鋳造(ダイキャスト鋳造)する。このようにしてアルミ製のタイヤ加硫用金型の1つが製作され、この金型を複製し、これらを組み合わせて加工し、1セット(タイヤ一周分)の金型に組み立てることによりタイヤ加硫用金型を製作する。
タイヤのトレッドパターンがピッチバリエーションを有していなければ、マスターモデルはタイヤ全周分に渡って加工する必要は無く、部分的なマスターモデルを一個又は数個加工すれば足りる。
しかしながら、トレッドパターンがピッチバリエーションを有すると、それぞれ異なるマスターモデルをタイヤ全周分加工する必要があり、マスターモデルの加工時間が増加して、全体的にみてタイヤ加硫用金型の生産性が悪くなるとともに製作コストも増加し、リードタイム(製品の発注から納品までの時間)も長くなるという問題がある。
図中a、b、cは前記タイヤトレッドパターンユニットの種類を示しており、例えばaが記載されている四角形は、種類aのタイヤトレッドパターンユニットを示している。図に示すように、この空気入りタイヤは種類aのタイヤトレッドパターンユニットから始まり、種類bのタイヤトレッドパターンユニットで終わる、合計15個のタイヤトレッドパターンユニットから成っている。
このタイヤトレッドパターンユニットからマスターモデルを製作するため、図の例では製作するマスターモデルの種類がa〜cの3種類だけで済み、マスターモデルの製作コストの低減が図れる。また、ピッチバリエーションであるため、前述したタイヤ騒音も低減できる。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作方法において、前記ピースを複数個組み立てて製作したマスターモデルを各ピースに分解する工程と、分解されたピースを新たに製作するマスターモデルのピースの配列に従って組み立てる工程とを備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載されたタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作方法において、前記ピースを組み立てた後に、各ピースに跨ってブレードを貼り付ける工程を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、各々が異なるトレッドパターンを有する複数のピースをタイヤ周方向に組み立てることで、パターンの組み合わせが異なる複数のタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデルを製作する装置であって、前記ピースを載置する台座と、隣接する前記ピース間に配置され、前記隣接したピース同士を固定する固定治具を有し、前記台座は前記固定冶具を案内する案内手段を備えることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載されたタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作装置において、前記固定治具は、前記ピース同士を固定した後に固定解除可能であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4または5に記載されたタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作装置において、前記ピースは、両側面の対向する位置に前記固定冶具と係合する係合部を有し、該係合部はピースの大きさに関わらず、一定のサイズに構成されていることを特徴とする。
図1は本発明の実施形態におけるタイヤ加硫用金型鋳造用マスターモデル製作方法を説明するための概念図である。
本実施形態においては、石膏や合成樹脂からなり、NCマシン等で加工して作製するピースを複数個組み合わせて一つのマスターモデルを製作する。
図1において、符号A、B、C及びDは、タイヤ加硫用金型をタイヤの幅方向中心線で上下に2分割して別々に製作する4種類の異なるマスターモデルの種類を示しており、図中A〜Dに隣接して記載されている連結した四角形はタイヤ周方向に展開したマスターモデルを示している。前記マスターモデルを形成している各四角形はピースを示しており、ピースの順番はマスターモデルを構成するピースの配列を示している。
四角内に記載されている数字はピースの種類を示しており、各ピースの種類毎にタイヤトレッドパターンや、ピースの大きさ(タイヤ周方向の幅)などが異なる。
なお、四角内に記載されている数字をピース名とし、例えば「1」が記載されているピースを以下ピース1、「2」が記載されているピースを以下ピース2という。
同様に、マスターモデルBは、ピース3、ピース1、ピース2、ピース4、ピース4という配列で構成されており、必要なピースの数は全部で5個である。
マスターモデルCは、ピース2、ピース1、ピース3、ピース3、ピース4という配列で構成されており、必要なピースの数は全部で5個である。
マスターモデルDは、ピース2、ピース2、ピース3、ピース2、ピース4という配列で構成されており、必要なピースの数は全部で5個である。
本実施形態におけるタイヤ加硫用金型のマスターモデルの製作装置は、マスターモデルを形成する複数個のピースと、ピース同士を固定するための固定治具と、固定治具を案内するための台座から成る。
台座11はピースPを組み合わせるための、設計されたタイヤ径(鋳造による熱収縮を考慮した値が必要であれば補正する)に合わせ、ピースPを容易に配列する円形又は扇状の台座であり、この台座11には、ピースP同士を固定する固定治具の円柱状端部32を挿入して一定の軌道を摺動させるための案内溝12が、台座11のタイヤ回転中心から見て同心円上になるように形成されている。
円柱状端部32の円の直径は、台座11の案内溝12の幅と同じ長さであり、案内溝12に円柱状端部32が嵌合できるサイズである。また、円柱の長さ(高さ)は、案内溝12の深さより長く形成されている。
円柱部33は所定の長さ及び直径を有し、下端部は円柱状端部32と一体となっており、上端部は所定の長さのネジが形成されている。
ナット34は円柱部33の上端に設けられたネジと螺合することができ、図の例ではナット34の頭部は円状に形成されている。
また、ナット16の頭部は四角又は六角形状等のものでも、又は頭部の中央部に四角又は六角形状の溝を設けたものでもよく、スパナ等の締め付け具により締め付け可能な構造であればどの様な形状のものでもよい。同様に、円柱部33及び円柱状端部32も、他の断面形状であってもよい。
台座11の外周面側に位置するピースPの外周部24には図示しないタイヤのトレッドパターンが形成される。ピースPを所定の個数組み合わせたマスターモデルから製作するゴム型の、この外周部24の部分がトレッド部となる。
同様に、ナット係合部21及び下端溝23においても、固定治具31のナット34及び円柱状端部32の形状に対応して係合できる構造であれば、他の形状であってもよい。
図3においては、図1に示した4種類(A〜D)のマスターモデルのうち、マスターモデルAを製作するときの例を説明する。
ピースP(3)とピースP(5)の両ピースの位置が決定したら、瞬間接着剤などで点付け固定し、ナット34を円柱部33のネジに螺合させて両ピースのナット係合部21と下端溝23を、ナット34と円柱状端部32で挟持させ、固定する。
なお、このとき、ナット34とナット係合部21の間に歯付きワッシャーを挿入することで、より強固に固定することができる。
なお、これらのピース間に跨って、サイプを形成するためのブレードを設ける必要があるときは、予め各ピースのブレードの貼り付け位置の始点及び終点にケガキや、固定用の細穴又は溝等を加工しておき、ピースを上記の方法で組み立ててから、貼り付け位置に容易にブレードを貼り付けることができる。その後に、このマスターモデルを用いてタイヤ用金型のゴム型を製作する。
貼り付けたブレードは、マスターモデルのゴム型を製作したあと、マスターモデルを各ピースに分解するときにピースから取り外すことができる。
また、前記ピースを新たに組み立てる別のマスターモデルに転用することができるため、前記マスターモデルのピースをタイヤ全周分加工して製作する必要がなく、前記ピースの製作時間を大幅に短縮できる。更に、ピースの大きさに関わらず半円柱状凹部の直径を一定にしたことで、台座11上にピースを容易且つ正確に配置でき、ピース同士を正確に固定できるため、作業効率が促進されるとともに、所定のピッチバリエーションを容易に構成することができる。
現行のマスターモデルの製作方法の工程は、素材の前段取りの工程、5軸のNCマシニングセンターによる、ピースの切削加工工程、手仕上げ工程及びブレード貼り工程からなり、その後鋳型用ゴム流しの工程に進む。
これに対し、本実施形態のマスターモデルの製作方法の工程は、従来の前記ブレード貼り工程後に、新たにピースの組み合わせ工程及びピース間のブレードセット工程が必要となる。
切削加工工程の1サイズ(マスターモデルA、B、C及びDが1サイズ)の平均作業時間でみると、現行の切削加工工程の平均作業時間が63.7時間であるのに対して、本実施形態では、平均作業時間が38.7時間であるので、NCマシニングセンターによる作業時間として25時間が削減された。
Claims (6)
- 各々が異なるトレッドパターンを有する複数のピースをタイヤ周方向に組み立てることで、パターンの組み合わせが異なる複数のタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデルを製作する方法であって、
前記ピースを前記複数のマスターモデル中の最大使用数個分製作する工程と、前記製作したピースから作成するマスターモデルのトレッドパターンに応じて必要なピースを選択する工程と、選択されたピースを組み立ててマスターモデルを製作する工程と、を有し、前記ピースを前記複数のマスターモデルの製作に共通に使用可能にしたことを特徴とするタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作方法。 - 請求項1に記載されたタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作方法において、
前記ピースを複数個組み立てて製作したマスターモデルを各ピースに分解する工程と、分解されたピースを新たに製作するマスターモデルのピースの配列に従って組み立てる工程とを備えたことを特徴とするタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作方法。 - 請求項1または2に記載されたタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作方法において、
前記ピースを組み立てた後に、各ピースに跨ってブレードを貼り付ける工程を備えたことを特徴とするタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作方法。 - 各々が異なるトレッドパターンを有する複数のピースをタイヤ周方向に組み立てることで、パターンの組み合わせが異なる複数のタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデルを製作する装置であって、
前記ピースを載置する台座と、隣接する前記ピース間に配置され、前記隣接したピース同士を固定する固定治具を有し、前記台座は前記固定冶具を案内する案内手段を備えることを特徴とするタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作装置。 - 請求項4に記載されたタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作装置において、
前記固定治具は、前記ピース同士を固定した後に固定解除可能であることを特徴とするタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作装置。 - 請求項4または5に記載されたタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作装置において、
前記ピースは、両側面の対向する位置に前記固定冶具と係合する係合部を有し、該係合部はピースの大きさに関わらず、一定のサイズに構成されていることを特徴とするタイヤ加硫用金型鋳造用のマスターモデル製作装置。
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