JP2008272620A - 連続塗装設備での溶剤排気処理方法及び排気ファン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機溶剤系塗料を塗布したストリップ1を乾燥・焼付け過程で発生する、揮発した溶剤を連続して加熱触媒方式の脱臭装置5に供給し、脱臭装置5内を所定の雰囲気温度となるよう燃料を供給しながら当該脱臭装置5で連続供給される溶剤を燃焼しつつ、排気ファン10によって排出する。その排気量は対象とするストリップ1の諸元及び連続塗布設備の処理能力に基づき、脱臭装置5に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を推定し、その推定した最大溶剤量に基づき上記排気量を制御する。
【選択図】 図1
Description
そして、オーブン装置で乾燥・焼付け処理を行う過程で、ストリップに塗布した塗料から溶剤が揮発するため、その溶剤の揮発ガスを外部に排出する必要がある。このとき、VOC規制、あるいは悪臭防止法の法令上の規則を遵守するよう、脱臭装置を介して排出するのが一般的である。
なお、排気ガスを加熱させる燃料の種類は特に限定されたものはないが、灯油等が用いられている。
なお、集合排ガスを通過する排ガスは脱臭装置15に供給される。
しかし、脱臭装置内で溶剤濃度が爆発限界下限以上となるおそれがある。
なお、脱臭装置への排ガスの供給を、実際の溶剤濃度を測定してフィードバックで爆発限界下限値以下となるように制御する場合を想定すると、次のような問題があると考えられる。ストリップの搬送速度は常に一定でなく変動する場合が多く、また、塗布量にしても、管理範囲内に収まるように制御しているとしても、その管理範囲内で変動するため、現実の溶剤濃度に基づきフィードバックで給排気制御をした場合に、急に溶剤濃度が高くなったとき、排気よりも燃焼の応答性が遅いことから脱臭装置内の温度が目標温度よりも低くなったりするおそれもある。
本発明は、このような点に着目してなされたもので、使用する燃料を抑えつつ爆発限界下限値以下の溶剤量範囲内での脱臭装置を介した排気を可能とすることを課題としている。
予め分かっている対象とするストリップの諸元及び連続塗布設備の処理能力に基づき、脱臭装置に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を推定し、その推定した最大溶剤量を推定最大溶剤量と定義したときに、その推定最大溶剤量に応じて脱臭装置からの排気量を調整し、推定最大溶剤量が多いほど上記排気量を多く、推定最大溶剤量が少ないほど上記排気量を小さくすることを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、上記推定最大溶剤量が所定量以上増加することを予測すると、脱臭装置に供給される溶剤量が増加する時刻よりも先に排気量を増加しておくことを特徴とするものである。
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した構成に対し、上記オーブン装置内に連続して熱風を供給している連続塗装設備での溶剤排気処理方法において、
上記脱臭装置からの排気量に合わせて、上記熱風の供給量を調整することを特徴とするものである。
予め分かっている対象とするストリップの諸元及び連続塗布設備の処理能力に基づき、脱臭装置に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を算出する推定最大溶剤量算出手段と、その推定最大溶剤量算出手段で算出した単位時間当たりの最大溶剤量に基づき上記排気ファンの風量を調整する風量調整手段を備えることを特徴とする連続塗装設備での排気量調整手段を提供するものである。
また、現在の操業条件で脱臭装置に供給される、最大の溶剤量を推定し、推定された最大の溶剤量が多い場合には、排気ファンによる排気量を増大することで脱臭装置中の溶剤濃度が下がって脱臭装置内での爆発を防止することが出来る。
また、対象とするストリップや連続塗装設備、塗装装置での最大塗布量という、予め分かっているストリップの諸元値や設備能力から求まる現在の条件で最大に発生する溶剤量を算出して使用しているので、実施の搬送速度などに変動があっても脱臭装置内の溶剤濃度を爆発限界値を下回るように設定することが出来る。
また、オーブン装置に熱風を供給している場合に、脱臭装置の排気量を変更すると、オーブン装置内での給排気バランスが崩れて、結露等の発生の原因となるおそれがあるが、請求項3の発明によれば、排気量に合わせてオーブン装置に供給する熱風量を変更しているので、オーブン装置内の雰囲気が安定して結露等の発生を抑えることが出来る。
図1は、本実施形態における連続塗装設備を示す概要構成図である。
(構成)
その連続塗装設備の構成を説明すると、ラインに沿って上流側から塗布装置2、オーブン装置3、空冷帯からなる冷却装置4が配置されている。
燃焼部5aには、燃料供給管8を介して燃料が収容された燃料タンク6が接続されて燃焼部5aに対して燃料を供給可能となっている。上記燃料供給管8の途中には流量調整弁9が介装されており、流量調整弁9は、制御装置12からの流量指令に応じて開度調整をし、これによって、脱臭装置内の雰囲気温度が目標温度となるように燃料の供給量が調整される。
また、上記オーブン装置3内の雰囲気温度を測定して制御装置12に供給する温度センサ16を備える。
燃料調整部12Aは、温度センサ16が測定したオーブン装置3内の雰囲気温度に応じて雰囲気温度が所定温度となるような流量指令を上記流量調整弁9に出力する。例えば測定した雰囲気温度と目標とする所定温度との偏差が小さくなるように、流量調整弁9による流量(燃料の供給量)をフィードバック制御する。
続いてステップS40にて、ストリップ1の幅(塗布面積に応じた量)と最大塗布量から、単位長さ当たりの最大の塗布量を演算し、その演算した最大の塗布量と、単位塗料に含有する有機溶剤の最大濃度とから、ストリップ1の単位長さから揮発するであろう最大の溶剤量を演算する。そして、ステップS50にて、その最大の溶剤量と、上記最大搬送速度とから、単位時間当たりにオーブン装置3内で発生して脱臭装置5に連続供給される単位時間当たりの推定最大溶剤量を演算する。
ここで、上記説明では、複数のステップを踏んで推定最大溶剤量を算出するように説明しているが、実際には一つの式にまとめられて演算される。
また、排気量調整部12Cでは、記憶部に記憶された推定最大溶剤量に基づき、現時刻でオーブン装置3から発生するであろう推定最大溶剤量を選択し、その推定最大溶剤量に基づき排気ファン10によって排出する排出量に応じた風量指令を演算し、その風量指令値を排気ファン10に出力する。この排気量調整部12Cは排気量調整手段を構成する。
また、熱風調整部12Eは、排気ファン10の風量に応じた風量となる指令値を熱風ファン11に出力する。熱風の風量は、例えば排気ファン10の風量よりも若干小さな値として、オーブン装置3内を負圧状態に設定する。
連続して通板されるストリップ1の片面または両面に対し、塗布装置2によって溶剤系塗料が塗布された後に、続けてオーブン装置3に搬送される。そして、オーブン装置3を通過する過程で乾燥・焼付け処理が行われ、その際に発生した排ガスが連続的に脱臭装置5を介して外部に排出される。即ち、オーブン装置3内で発生する揮発成分の溶剤は脱臭装置5で処理され、屋外に排出される。
脱臭装置5では、設定温度となるように燃料が供給され、その燃料とともに連続して供給される排気ガスを加熱・燃焼させ、そのガスを触媒を通して、排ガス路7より屋外に排出される。
ここで、脱臭装置5に流入する溶剤量は、ストリップ1の幅、ストリップ1の搬送速度、塗布装置2での塗布量、および溶剤系塗料からの単位面積当たりの揮発量により定まる。
すなわち、本実施形態では、現在のストリップ1の諸元及び設備能力から予め求めた推定最大溶剤量に対する爆発限界下限値を十分に下回る排気量のうちの最低排気量を算出し、その算出した最低排気量となるように排気ファン10の風量を調整している。
また、現実に供給される溶剤量は連続して変化するが、想定される最大量に応じた排気量に設定しているので、排気量の変動が抑えられる。排気の応答性よりも燃焼の応答性の方が悪いが、現実の供給される溶剤量によって連続的に排気量を変更するわけではないので、排気制御の安定性がよい。
また、推定最大溶剤量を、現在の対象とするストリップ1の諸元及び設備の処理能力に基づき変更しているので、最大溶剤量を固定に設定した場合に比べて、脱臭装置5内の雰囲気温度を所定温度にするために投入する燃料を抑える事が出来る。
ここで、溶剤自体も燃焼して温度上昇に寄与するものの、脱臭装置5からの排出量を大きくすることは、脱臭装置5内の雰囲気温度を下げることに繋がるので、排出量を大きく設定するほど投入する燃料が多くなる傾向にある。
また、脱臭装置5の排気量を変更するだけでは、オーブン装置3内での給排気バランスが崩れ、場合によっては、結露等の発生が起こり好ましくない。これに対し、求めた推定最大溶剤量により脱臭装置5の排気量を制御すると同時に、オーブン装置3ヘの給気量も連動させて制御を行うことにより、常に安定してオーブン装置3内での結露対策等が実現できる。
なお、ストリップ1は特に限定されるものではなく、また、塗布装置2も限定されるものではない。
板厚0.3〜3.0mm、板幅900〜1600mmの亜鉛めっき鋼板のコイルに対して、実施形態で示した塗布装置2、及び脱臭装置5を用いて、連続塗布処理を行った。
溶剤系塗料の塗布付着量を0.3〜0.5g/m2の管理範囲内で塗布するように行った。また、溶剤系塗料の濃度は7±0.5%の範囲内で管理した。最大搬送速度は、亜鉛めっき鋼板サイズからオーブン装置3能力、あるいは冷却能力よりコイル毎に算出される。
推定最大溶剤量=最大搬送速度×板幅×(0.5/0.065)
上式で求めた推定最大溶剤量に対して、脱臭装置5の容量などを考慮して、爆発限界下限値の四分の一の濃度となるような脱臭装置5の排気量を求めた。さらに、実際に脱臭装置5に流入する溶剤量と前記の排気量から触媒入り口でのガス温度がある温度になる灯油を燃焼させた。鋼板サイズ等により灯油使用量は異なるが、平均灯油使用量は22.2(L/hr)であった。
一方、比較例として、従来のように脱臭装置5の排気量を一定にした処理を行った場合、平均灯油使用量は42.0L/hrであった。
脱臭装置5での最大溶剤量の変化点よりも前で脱臭装置5の排気量を変更するタイミングとして、当該コイルがラインに装入され、当該コイルの直前のコイルとの溶接が完了した信号をトリガーとした。したがって、溶接完了からオーブン装置3までの間の時間内に脱臭装置5の排気量を増やし、それに伴い燃焼バーナーの負荷を高めることができた。
なお、前記実施例ではストリップ1として鋼板を用いたが、特に鋼板に限定されることなく、アルミ等の他の金属板や紙、フィルムにも適用されるものである。
2 塗布装置
3 オーブン装置
4 冷却装置
5 脱臭装置
5a 燃焼部
5b 触媒設置部
6 燃料タンク
7 排ガス路
8 燃料供給管
9 流量調整弁
10 排気ファン
11 熱風ファン
12 制御装置
12E 熱風調整部
12A 燃料調整部
12B 推定最大溶剤量算出部
12C 排気量調整部
12D 予測部
14 熱風供給路
15 排気路
16 温度センサ
Claims (5)
- 連続して搬送されてくるストリップに対し、塗装装置で有機溶剤系塗料を塗布し、続いてオーブン装置で乾燥・焼付けを行うと共に、上記乾燥・焼付け過程で発生する、揮発した溶剤を連続して加熱触媒方式の脱臭装置に供給し、その脱臭装置内の雰囲気温度が所定温度となるよう当該脱臭装置内に燃料を供給しながら当該脱臭装置で上記連続供給される溶剤を加熱しつつ、そのガスを触媒を通して酸化して分解され外部に排気する連続塗装設備での溶剤排気処理方法において、
予め分かっている対象とするストリップの諸元及び連続塗布設備の処理能力に基づき、脱臭装置に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を推定し、その推定した最大溶剤量を推定最大溶剤量と定義したときに、その推定最大溶剤量に応じて脱臭装置からの排気量を調整し、推定最大溶剤量が多いほど上記排気量を大きく、推定最大溶剤量が少ないほど上記排気量を小さくすることを特徴とする連続塗装設備での溶剤排気処理方法。 - 上記推定最大溶剤量は、上記ストリップの諸元及び連続塗装設備の処理能力から求まるストリップの最大搬送速度、上記塗装装置での単位時間当たりの最大塗布可能量、及びストリップの幅に基づき算出することを特徴とする請求項1に記載した連続塗装設備での溶剤排気処理方法。
- 上記推定最大溶剤量が所定量以上増加することを予測すると、脱臭装置に供給される溶剤量が増加するのに先だって、排気量を増加しておくことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した連続塗装設備での溶剤排気処理方法。
- 上記オーブン装置内に連続して熱風を供給している連続塗装設備での溶剤排気処理方法において、
上記脱臭装置の排気量に合わせて、上記熱風の供給量を調整することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した連続塗装設備での溶剤排気処理方法。 - 連続して搬送されてくるストリップに対し、塗装装置で有機溶剤系塗料を塗布し、続いてオーブン装置で乾燥・焼付けを行うと共に、上記乾燥・焼付け過程で発生する、揮発した溶剤を連続して加熱触媒方式の脱臭装置に供給し、その脱臭装置内の雰囲気温度が所定温度となるよう当該脱臭装置内に燃料を供給しながら当該脱臭装置で上記連続供給される溶剤を加熱しつつ、排気ファンによって、そのガスを触媒を通して酸化して分解され外部に排気する連続塗装設備での排気ファンの風量を制御する制御装置であって、
予め分かっている対象とするストリップの諸元及び連続塗布設備の処理能力に基づき、脱臭装置に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を算出する推定最大溶剤量算出手段と、その推定最大溶剤量算出手段で算出した単位時間当たりの最大溶剤量に基づき上記排気ファンの風量を調整する排気量調整手段を備えることを特徴とする連続塗装設備での排気ファン制御装置。
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JPH0838855A (ja) * | 1994-07-29 | 1996-02-13 | Chugai Ro Co Ltd | 乾燥・焼付用オーブンの操業方法 |
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