JP2008272620A - 連続塗装設備での溶剤排気処理方法及び排気ファン制御装置 - Google Patents

連続塗装設備での溶剤排気処理方法及び排気ファン制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】使用する燃料を抑えつつ爆発限界下限値の溶剤量範囲内での脱臭装置を介した排気を可能とする。
【解決手段】有機溶剤系塗料を塗布したストリップ1を乾燥・焼付け過程で発生する、揮発した溶剤を連続して加熱触媒方式の脱臭装置5に供給し、脱臭装置5内を所定の雰囲気温度となるよう燃料を供給しながら当該脱臭装置5で連続供給される溶剤を燃焼しつつ、排気ファン10によって排出する。その排気量は対象とするストリップ1の諸元及び連続塗布設備の処理能力に基づき、脱臭装置5に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を推定し、その推定した最大溶剤量に基づき上記排気量を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続塗装設備の乾燥・焼付け処理の際に発生する揮発した溶剤を、加熱触媒方式の脱臭装置を介して排出する溶剤排気処理方法、及び脱臭装置からの排気量を調整する排気ファン制御装置に関する。
従来から、特許文献1に記載のように、連続して搬送されてくるストリップに対し、コーターなどの塗装装置によって有機溶剤系塗料を塗布し、続いてオーブン装置内を通過させることで乾燥・焼付け処理を行い、さらに空冷帯などの冷却装置を通過させることで温度を降下させる連続塗装設備がある。
そして、オーブン装置で乾燥・焼付け処理を行う過程で、ストリップに塗布した塗料から溶剤が揮発するため、その溶剤の揮発ガスを外部に排出する必要がある。このとき、VOC規制、あるいは悪臭防止法の法令上の規則を遵守するよう、脱臭装置を介して排出するのが一般的である。
その脱臭装置にはいくつかの種類があるが、その中の一つとして加熱触媒方式がある。これは、オーブン装置で発生した排気ガスをある温度まで加熱させた後に触媒を通すことで、溶剤成分を分解し、VOC濃度の低下、及び脱臭を行ってから燃焼後のガスを排出するものである。この方式は、比較的広範囲の溶剤種類に適用でき、高濃度の脱臭も可能である。また、触媒を用いることで、溶剤成分を分解させるのに必要な温度を例えば350℃以下程度と低くすることができるため、750℃前後が必要な直接燃焼式と比較して燃料費を低くすることができる。また、脱臭後の排熱も脱臭前のガスの加熱に有効に利用できるようになっており、さらに燃料費を低くすることが出来る。
なお、排気ガスを加熱させる燃料の種類は特に限定されたものはないが、灯油等が用いられている。
脱臭装置から排出される脱臭後排気ガスの風量は、脱臭前ガス中の溶剤濃度に関係し、脱臭装置に供給される溶剤量が多いときに脱臭後排気ガスの風量が低ければ、オーブン脱臭装置内の溶剤濃度が爆発限界下限値を上回るおそれがある。このようなことを考慮して、一般には、脱臭後排気ガスの風量を、あらゆることを想定した最大の溶剤量でも爆発限界下限値を十分下回るような固定した一定値に設定しておき、脱臭装置内で、その脱臭装置に供給される排気ガスがある設定した温度となるように、脱臭装置に供給する燃料の量を制御しつつ燃焼制御を行っている。
また、特許文献1では、オーブン装置内において、各ゾーンの実際の溶剤濃度を溶剤濃度検出計で実際に測定し、その測定値に基づき排気ダンパを開閉制御することで、各ゾーンの溶剤濃度を所定の濃度以下にするようにすることが開示されている(段落番号0008参照)。また、オーブン装置全体の給排気量を集合排気ダクト内の実際の溶剤濃度に基づき制御、具体的には、集合排気ダクト中の排ガス流量が初期設定量となるように初期制御され、集合排気ダクトに設けた溶剤濃度検出計の測定値が所定以上となると、排気ファン13の回転数を大として、オーブン装置内の濃度を所定値以下となるように制御することが開示されている(段落番号0009参照)。
なお、集合排ガスを通過する排ガスは脱臭装置15に供給される。
特開平8−38855号公報
上記従来技術では、排ガスを循環させつつオーブン装置内の溶剤濃度が所定以上とならないようにして、当該オーブン装置内の溶剤成分等が爆発限界下限以下となるように制御する技術である。
しかし、脱臭装置内で溶剤濃度が爆発限界下限以上となるおそれがある。
なお、脱臭装置への排ガスの供給を、実際の溶剤濃度を測定してフィードバックで爆発限界下限値以下となるように制御する場合を想定すると、次のような問題があると考えられる。ストリップの搬送速度は常に一定でなく変動する場合が多く、また、塗布量にしても、管理範囲内に収まるように制御しているとしても、その管理範囲内で変動するため、現実の溶剤濃度に基づきフィードバックで給排気制御をした場合に、急に溶剤濃度が高くなったとき、排気よりも燃焼の応答性が遅いことから脱臭装置内の温度が目標温度よりも低くなったりするおそれもある。
本発明は、このような点に着目してなされたもので、使用する燃料を抑えつつ爆発限界下限値以下の溶剤量範囲内での脱臭装置を介した排気を可能とすることを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、連続して搬送されてくるストリップに対し、塗装装置で有機溶剤系塗料を塗布し、続いてオーブン装置で乾燥・焼付けを行うと共に、上記乾燥・焼付け過程で発生する、揮発した溶剤を連続して加熱触媒方式の脱臭装置に供給し、その脱臭装置内の雰囲気温度が所定温度となるよう当該脱臭装置内に燃料を供給しながら当該脱臭装置で上記連続供給される溶剤を加熱しつつ、そのガスを触媒を通して酸化して分解され外部に排気する連続塗装設備での溶剤排気処理方法において、
予め分かっている対象とするストリップの諸元及び連続塗布設備の処理能力に基づき、脱臭装置に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を推定し、その推定した最大溶剤量を推定最大溶剤量と定義したときに、その推定最大溶剤量に応じて脱臭装置からの排気量を調整し、推定最大溶剤量が多いほど上記排気量を多く、推定最大溶剤量が少ないほど上記排気量を小さくすることを特徴とするものである。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記推定最大溶剤量は、上記ストリップの諸元及び連続塗装設備の処理能力から求まるストリップの最大搬送速度、上記塗装装置での単位時間当たりの最大塗布可能量、及びストリップの幅に基づき算出することを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、上記推定最大溶剤量が所定量以上増加することを予測すると、脱臭装置に供給される溶剤量が増加する時刻よりも先に排気量を増加しておくことを特徴とするものである。
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した構成に対し、上記オーブン装置内に連続して熱風を供給している連続塗装設備での溶剤排気処理方法において、
上記脱臭装置からの排気量に合わせて、上記熱風の供給量を調整することを特徴とするものである。
次に、請求項5に記載した発明は、連続して搬送されてくるストリップに対し、塗装装置で有機溶剤系塗料を塗布し、続いてオーブン装置で乾燥・焼付けを行うと共に、上記乾燥・焼付け過程で発生する、揮発した溶剤を連続して加熱触媒方式の脱臭装置に供給し、その脱臭装置内の雰囲気温度が所定温度となるよう当該脱臭装置内に燃料を供給しながら当該脱臭装置で上記連続供給される溶剤を加熱しつつ、排気ファンによって、そのガスを触媒を通して酸化して分解され外部に排気する連続塗装設備での排気ファンの風量を制御する制御装置であって、
予め分かっている対象とするストリップの諸元及び連続塗布設備の処理能力に基づき、脱臭装置に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を算出する推定最大溶剤量算出手段と、その推定最大溶剤量算出手段で算出した単位時間当たりの最大溶剤量に基づき上記排気ファンの風量を調整する風量調整手段を備えることを特徴とする連続塗装設備での排気量調整手段を提供するものである。
本発明では、上記乾燥焼付け過程で発生した溶剤を、連続して加熱触媒方式の脱臭装置に供給して脱臭処理するに際し、脱臭装置に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を推定して、その推定値に基づき脱臭装置からの排気量を調整することによって、溶剤濃度の爆発限界下限以下を確保しつつ、燃料費を削減できる。
また、現在の操業条件で脱臭装置に供給される、最大の溶剤量を推定し、推定された最大の溶剤量が多い場合には、排気ファンによる排気量を増大することで脱臭装置中の溶剤濃度が下がって脱臭装置内での爆発を防止することが出来る。
また、脱臭装置からの排気量を常に一定値とした場合には、脱臭装置に供給される、あらゆる条件を想定した最大の溶剤量で脱臭装置内での溶剤濃度が爆発限界値を下回るように、脱臭装置からの排気量を設定することになるが、オーブン装置で発生する揮発した溶剤量は、ストリップへの塗布量、ストリップの幅、ストリップの搬送速度により異なり、上記あらゆる条件を想定した最大の溶剤量よりも少ない場合も多い。したがって、当該最大の溶剤量を想定して設定された一定の排気ガスの風量では、溶剤量が少ない分は灯油等の燃料を燃焼して所定温度となるように補うことになるため、必要以上に燃料の使用量が多くなり、ランニングコストが増加する。即ち、実際に供給される単位時間当たりの溶剤量が少ない場合には、触媒で分解するだけの温度となるように、その分、燃料が多く投入されることで、燃料の使用量が多くなる。
これと比較した場合に、本発明では、予め判明している現行の操業条件によって求めた、それぞれの時刻での単位時間当たりの最大の溶剤供給量(推定最大溶剤量)によって脱臭装置の排気量を制御することで、脱臭装置内の温度を触媒で分解するだけの温度に維持するために必要な燃料の消費量を抑える事が出来る。
また、対象とするストリップや連続塗装設備、塗装装置での最大塗布量という、予め分かっているストリップの諸元値や設備能力から求まる現在の条件で最大に発生する溶剤量を算出して使用しているので、実施の搬送速度などに変動があっても脱臭装置内の溶剤濃度を爆発限界値を下回るように設定することが出来る。
また、排気量の変更よりも脱臭装置内の燃焼の応答性の方が遅いが、請求項2に記載のように、供給される溶剤量が増加するのに先立って、先に排気量を増加させておくことで、最大溶剤量の変化点よりも先に排気量を変更することになり、脱臭装置内の温度が目標温度よりも小さくなって脱臭が不完全になることを防止できる。
また、オーブン装置に熱風を供給している場合に、脱臭装置の排気量を変更すると、オーブン装置内での給排気バランスが崩れて、結露等の発生の原因となるおそれがあるが、請求項3の発明によれば、排気量に合わせてオーブン装置に供給する熱風量を変更しているので、オーブン装置内の雰囲気が安定して結露等の発生を抑えることが出来る。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態における連続塗装設備を示す概要構成図である。
(構成)
その連続塗装設備の構成を説明すると、ラインに沿って上流側から塗布装置2、オーブン装置3、空冷帯からなる冷却装置4が配置されている。
そして、連続して搬送されてくるストリップ1は、ロールコーターなどの塗布装置2によって、当該ストリップ1の片面若しくは両面に対して有機溶剤系塗料が連続して塗布され、続いて溶剤系塗料が塗布されたストリップ1は、オーブン装置3内を通過する際に乾燥・焼付け処理が施される。その後、冷却装置4内を通過してストリップ1が所定温度まで温度降下する。
オーブン装置3内には、熱風供給路14を通じて熱風が供給されると共に、オーブン装置3内のガスは、排気路15を通じて脱臭装置5に送られるようになっている。これによって、オーブン装置3を通過する際の乾燥・焼付け過程で発生する、揮発した溶剤を含むガスは、連続して脱臭装置5に供給されることになる。なお、排ガスの脱臭装置5への供給は、オーブン装置3内を負圧状態にして脱臭装置5へ吸引するようにしても良いし、排気路15の途中にファンを設けて強制的に吸引しても良い。
脱臭装置5は、内部にオーブン装置3からの排気路15を介した排気ガスが供給される燃焼部5aと、その燃焼部5aに連通すると共に触媒が配設された触媒設置部5bと、その触媒設置部5bを通過した排ガスを排出するための排ガス路7とを備える。排ガス路7の下流側は不図示の煙突などに接続されている。また、不図示の熱交換器等を通して排熱が脱臭前ガスの加熱に利用されている。
燃焼部5aには、燃料供給管8を介して燃料が収容された燃料タンク6が接続されて燃焼部5aに対して燃料を供給可能となっている。上記燃料供給管8の途中には流量調整弁9が介装されており、流量調整弁9は、制御装置12からの流量指令に応じて開度調整をし、これによって、脱臭装置内の雰囲気温度が目標温度となるように燃料の供給量が調整される。
また、上記オーブン装置3内の雰囲気温度を測定して制御装置12に供給する温度センサ16を備える。
上記制御装置12は、図2に示すように、燃料調整部12A、推定最大溶剤量算出部12B、排気量調整部12C、予測部12D、及び、熱風調整部12Eを備える。
燃料調整部12Aは、温度センサ16が測定したオーブン装置3内の雰囲気温度に応じて雰囲気温度が所定温度となるような流量指令を上記流量調整弁9に出力する。例えば測定した雰囲気温度と目標とする所定温度との偏差が小さくなるように、流量調整弁9による流量(燃料の供給量)をフィードバック制御する。
また、推定最大溶剤量算出部12Bは、推定最大溶剤量算出手段を構成し、図3に示すように、ストリップ1の諸元や塗布条件が変更されることを契機として作動して、まず、ステップS10にて、処理するストリップ1の幅及び厚みなどのストリップ1の諸元が入力され、続いてステップS20にて、そのストリップ1の諸元と、予め設定記憶されている連続塗装設備の処理能力に基づき、そのストリップ1を処理可能な最大搬送速度を求める。例えば、予め設定・記憶されているマップ等を参照して、塗布装置2でそのストリップ1に塗布処理する際に出せる最大搬送速度(第1の最大搬送速度)、オーブン装置3でそのストリップ1の乾燥・焼付けが可能な最大搬送速度(第2の最大搬送速度)、空冷帯でそのストリップ1の空冷が可能な最大搬送速度(第3の最大搬送速度)をそれぞれ求め、その第1〜第3の最大搬送速度のうちの一番小さい値を、上記求める最大搬送速度とする。
次に、ステップS30にて、対象とするストリップ1に対し、塗装装置で塗布する最大塗布量を演算する。例えば、塗布装置2に設定される目標塗布量の範囲の最大値に基づき最大塗布量を演算する。もっとも塗装装置で設備能力や操業条件的に許容される最大の塗布量を固定的に最大塗布量としても良い。
続いてステップS40にて、ストリップ1の幅(塗布面積に応じた量)と最大塗布量から、単位長さ当たりの最大の塗布量を演算し、その演算した最大の塗布量と、単位塗料に含有する有機溶剤の最大濃度とから、ストリップ1の単位長さから揮発するであろう最大の溶剤量を演算する。そして、ステップS50にて、その最大の溶剤量と、上記最大搬送速度とから、単位時間当たりにオーブン装置3内で発生して脱臭装置5に連続供給される単位時間当たりの推定最大溶剤量を演算する。
更に、ステップS50にて、その推定最大溶剤量を記憶部に記憶して履歴を取って、処理を終了する。
ここで、上記説明では、複数のステップを踏んで推定最大溶剤量を算出するように説明しているが、実際には一つの式にまとめられて演算される。
また、排気量調整部12Cでは、記憶部に記憶された推定最大溶剤量に基づき、現時刻でオーブン装置3から発生するであろう推定最大溶剤量を選択し、その推定最大溶剤量に基づき排気ファン10によって排出する排出量に応じた風量指令を演算し、その風量指令値を排気ファン10に出力する。この排気量調整部12Cは排気量調整手段を構成する。
その風量指令値は、予め実験などに基づき設定した推定最大溶剤量とそれに対応する排気量とのマップなどに基づき、上記選択した現在の操業に応じた単位時間当たりの推定最大溶剤量が脱臭装置5に連続供給されても、爆発限界下限値を充分に下回る排気量のうちの最低排気量となるように設定する。ここで、爆発限界下限値を十分に下回るというのは、一般的に、爆発限界下限値濃度の四分の一以下のガス中の溶剤濃度ということを意味する。
予測部12Dは、今回算出した最大溶剤量が、前回算出した最大溶剤量よりも所定以上大きい場合には、今回算出した最大溶剤量が発生するであろう時刻よりも所定時刻前にその今回算出した最大溶剤量に応じた風量に変更する。例えば、今回算出した最大溶剤量が、前回算出した最大溶剤量よりも所定以上大きい場合には、所定時刻前までの最大溶剤量を、今回算出した最大溶剤量の値に置き換えておく。これによって、現実に今回算出した最大溶剤量の対象となる前に当該今回算出した最大溶剤量に応じた排気量に設定変更される。
なお、「前回算出した最大溶剤量よりも所定以上大きい場合」における所定以上とは、その溶剤の増加量によって所定以上の有意な温度降下が脱臭装置5内で発生するおそれがある場合を言う。
また、熱風調整部12Eは、排気ファン10の風量に応じた風量となる指令値を熱風ファン11に出力する。熱風の風量は、例えば排気ファン10の風量よりも若干小さな値として、オーブン装置3内を負圧状態に設定する。
(作用効果)
連続して通板されるストリップ1の片面または両面に対し、塗布装置2によって溶剤系塗料が塗布された後に、続けてオーブン装置3に搬送される。そして、オーブン装置3を通過する過程で乾燥・焼付け処理が行われ、その際に発生した排ガスが連続的に脱臭装置5を介して外部に排出される。即ち、オーブン装置3内で発生する揮発成分の溶剤は脱臭装置5で処理され、屋外に排出される。
脱臭装置5では、設定温度となるように燃料が供給され、その燃料とともに連続して供給される排気ガスを加熱・燃焼させ、そのガスを触媒を通して、排ガス路7より屋外に排出される。
ここで、脱臭装置5に流入する溶剤量は、ストリップ1の幅、ストリップ1の搬送速度、塗布装置2での塗布量、および溶剤系塗料からの単位面積当たりの揮発量により定まる。
しかし、ストリップ1の搬送速度は、常に一定ではなく、変動する場合も多い。塗布量も通常、目標とする管理範囲が定められているが、その範囲内での変動することは避けられない。したがって、常に爆発限界下限値を十分下回るようにするためには、ストリップ1の搬送速度は、オーブン装置3の処理能力、あるいはオーブン装置3後の冷却能力、さらにはその他の制約を全て勘案した最大搬送速度に基づき、本実施形態では、推定される最大である推定最大溶剤量を求めている。
ここで、前記最大搬送速度は、例えばストリップ1のサイズにより異なるものであり、前記最大塗布量、塗料中の最大溶剤比は、品種毎に異なるものであるため、予め求めておくことが可能である。また、塗布量、および溶剤系塗料中の揮発量は、塗布量の管理範囲の上限値、および塗料を希釈する管理範囲の中で最も溶剤が多くなる場合を想定した最大塗布量、および塗料中の最大溶剤比とする。
以上から、現在供給される推定最大溶剤量は、例えばストリップ1の幅、最大搬送速度、最大塗布量、および塗料中の最大溶剤比の積で求まり、この推定最大溶剤量でも爆発限界下限値を十分に下回る最低排気量を算出して、その最低排気量となるように排気ファン10の風量を調整している。
すなわち、本実施形態では、現在のストリップ1の諸元及び設備能力から予め求めた推定最大溶剤量に対する爆発限界下限値を十分に下回る排気量のうちの最低排気量を算出し、その算出した最低排気量となるように排気ファン10の風量を調整している。
このため、実際のストリップ1の搬送速度に変動があったり、実際の塗布量に変動があっても、オーブン装置3内及び脱臭装置5内の溶剤濃度を爆発限界下限値に設定出来る結果、当該オーブン装置3内及び脱臭装置5内での爆発を回避出来る。
また、現実に供給される溶剤量は連続して変化するが、想定される最大量に応じた排気量に設定しているので、排気量の変動が抑えられる。排気の応答性よりも燃焼の応答性の方が悪いが、現実の供給される溶剤量によって連続的に排気量を変更するわけではないので、排気制御の安定性がよい。
ここで、排気ファン10の風量を大きくして排気量を多くするほど、脱臭装置5内の溶剤濃度を下げることが可能であるので、溶剤量に応じて排気量を調整することで溶剤濃度を爆発限界下限値に設定出来る。
また、推定最大溶剤量を、現在の対象とするストリップ1の諸元及び設備の処理能力に基づき変更しているので、最大溶剤量を固定に設定した場合に比べて、脱臭装置5内の雰囲気温度を所定温度にするために投入する燃料を抑える事が出来る。
ここで、溶剤自体も燃焼して温度上昇に寄与するものの、脱臭装置5からの排出量を大きくすることは、脱臭装置5内の雰囲気温度を下げることに繋がるので、排出量を大きく設定するほど投入する燃料が多くなる傾向にある。
また、ストリップ1のサイズが変更になったり、最大搬送速度が大きくなったりする等で、求めた推定最大溶剤量が増加する場合、爆発限界を越えないようにするためには、脱臭装置5での最大溶剤量の変化点よりも先に予め排気量を上げておくことが必要となる。脱臭装置5の排気量を予め上げると、最大溶剤量の変化点よりも前の時点では、処理ガス温度が下がるため、それに応じて燃料をより多く燃焼させなければならなくなる。しかし、排気量の変更よりも燃焼を変化させる方が一般的に応答性が悪い。したがって、燃焼の応答性を考慮し、最大溶剤量の変化点よりも先に排気量を増大方向に変更することで、目標温度よりも低くなって脱臭が不完全となることを防止できる。
ここで、オーブン装置3の形式は燃焼空気、誘導加熱等、特に限定されるものではないが、燃焼空気を使わない場合でもオーブン装置3内での結露あるいはヤニ対策として熱風を供給している。
また、脱臭装置5の排気量を変更するだけでは、オーブン装置3内での給排気バランスが崩れ、場合によっては、結露等の発生が起こり好ましくない。これに対し、求めた推定最大溶剤量により脱臭装置5の排気量を制御すると同時に、オーブン装置3ヘの給気量も連動させて制御を行うことにより、常に安定してオーブン装置3内での結露対策等が実現できる。
なお、ストリップ1は特に限定されるものではなく、また、塗布装置2も限定されるものではない。
本発明を以下の実施例、及び比較例により詳細に説明する。
板厚0.3〜3.0mm、板幅900〜1600mmの亜鉛めっき鋼板のコイルに対して、実施形態で示した塗布装置2、及び脱臭装置5を用いて、連続塗布処理を行った。
溶剤系塗料の塗布付着量を0.3〜0.5g/m2の管理範囲内で塗布するように行った。また、溶剤系塗料の濃度は7±0.5%の範囲内で管理した。最大搬送速度は、亜鉛めっき鋼板サイズからオーブン装置3能力、あるいは冷却能力よりコイル毎に算出される。
以上のことから、下記式によって、推定最大溶剤量を求めた。
推定最大溶剤量=最大搬送速度×板幅×(0.5/0.065)
上式で求めた推定最大溶剤量に対して、脱臭装置5の容量などを考慮して、爆発限界下限値の四分の一の濃度となるような脱臭装置5の排気量を求めた。さらに、実際に脱臭装置5に流入する溶剤量と前記の排気量から触媒入り口でのガス温度がある温度になる灯油を燃焼させた。鋼板サイズ等により灯油使用量は異なるが、平均灯油使用量は22.2(L/hr)であった。
一方、比較例として、従来のように脱臭装置5の排気量を一定にした処理を行った場合、平均灯油使用量は42.0L/hrであった。
次に、前記で求めた推定最大溶剤量が増える場合の実施例を示す。
脱臭装置5での最大溶剤量の変化点よりも前で脱臭装置5の排気量を変更するタイミングとして、当該コイルがラインに装入され、当該コイルの直前のコイルとの溶接が完了した信号をトリガーとした。したがって、溶接完了からオーブン装置3までの間の時間内に脱臭装置5の排気量を増やし、それに伴い燃焼バーナーの負荷を高めることができた。
さらに、脱臭装置5の排気量の変更と同時にオーブン装置3ヘの給気量の制御を行った。オーブン装置3は誘導加熱方式であり、結露、ヤニ対策としてオーブン装置3内に80℃の熱風を供給した。オーブン装置3内の溶剤を含んだガスが周囲へなるべく流出させないように、供給量は排気量よりも10%小さくした上で、排気量とバランスさせた。したがってオーブン装置3からの周囲へのガスの排出、あるいはオーブン装置3への周囲からの空気の流入も最小限に留めることができ、オーブン装置3内の結露、ヤニの発生もなく、オーブン装置3周辺への溶剤を含んだガスの排出も抑えることができた。
なお、前記実施例ではストリップ1として鋼板を用いたが、特に鋼板に限定されることなく、アルミ等の他の金属板や紙、フィルムにも適用されるものである。
本発明に基づく実施形態に係る連続塗布設備を説明する概要構成図である。 本発明に基づく実施形態に係る制御装置12の構成例を示す図である。 推定最大溶剤量算出部12Bの処理を示すフロー図である。
符号の説明
1 ストリップ
2 塗布装置
3 オーブン装置
4 冷却装置
5 脱臭装置
5a 燃焼部
5b 触媒設置部
6 燃料タンク
7 排ガス路
8 燃料供給管
9 流量調整弁
10 排気ファン
11 熱風ファン
12 制御装置
12E 熱風調整部
12A 燃料調整部
12B 推定最大溶剤量算出部
12C 排気量調整部
12D 予測部
14 熱風供給路
15 排気路
16 温度センサ

Claims (5)

  1. 連続して搬送されてくるストリップに対し、塗装装置で有機溶剤系塗料を塗布し、続いてオーブン装置で乾燥・焼付けを行うと共に、上記乾燥・焼付け過程で発生する、揮発した溶剤を連続して加熱触媒方式の脱臭装置に供給し、その脱臭装置内の雰囲気温度が所定温度となるよう当該脱臭装置内に燃料を供給しながら当該脱臭装置で上記連続供給される溶剤を加熱しつつ、そのガスを触媒を通して酸化して分解され外部に排気する連続塗装設備での溶剤排気処理方法において、
    予め分かっている対象とするストリップの諸元及び連続塗布設備の処理能力に基づき、脱臭装置に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を推定し、その推定した最大溶剤量を推定最大溶剤量と定義したときに、その推定最大溶剤量に応じて脱臭装置からの排気量を調整し、推定最大溶剤量が多いほど上記排気量を大きく、推定最大溶剤量が少ないほど上記排気量を小さくすることを特徴とする連続塗装設備での溶剤排気処理方法。
  2. 上記推定最大溶剤量は、上記ストリップの諸元及び連続塗装設備の処理能力から求まるストリップの最大搬送速度、上記塗装装置での単位時間当たりの最大塗布可能量、及びストリップの幅に基づき算出することを特徴とする請求項1に記載した連続塗装設備での溶剤排気処理方法。
  3. 上記推定最大溶剤量が所定量以上増加することを予測すると、脱臭装置に供給される溶剤量が増加するのに先だって、排気量を増加しておくことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した連続塗装設備での溶剤排気処理方法。
  4. 上記オーブン装置内に連続して熱風を供給している連続塗装設備での溶剤排気処理方法において、
    上記脱臭装置の排気量に合わせて、上記熱風の供給量を調整することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した連続塗装設備での溶剤排気処理方法。
  5. 連続して搬送されてくるストリップに対し、塗装装置で有機溶剤系塗料を塗布し、続いてオーブン装置で乾燥・焼付けを行うと共に、上記乾燥・焼付け過程で発生する、揮発した溶剤を連続して加熱触媒方式の脱臭装置に供給し、その脱臭装置内の雰囲気温度が所定温度となるよう当該脱臭装置内に燃料を供給しながら当該脱臭装置で上記連続供給される溶剤を加熱しつつ、排気ファンによって、そのガスを触媒を通して酸化して分解され外部に排気する連続塗装設備での排気ファンの風量を制御する制御装置であって、
    予め分かっている対象とするストリップの諸元及び連続塗布設備の処理能力に基づき、脱臭装置に供給される単位時間当たりの最大溶剤量を算出する推定最大溶剤量算出手段と、その推定最大溶剤量算出手段で算出した単位時間当たりの最大溶剤量に基づき上記排気ファンの風量を調整する排気量調整手段を備えることを特徴とする連続塗装設備での排気ファン制御装置。
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