JP2008270632A - 検査装置および検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電パターンの欠陥を高精度で検出する。
【解決手段】導電パターン10を有する試料に、電子ビーム20を照射する際、その照射位置を一定の振幅で振動させながら走査し、その照射によってその導電パターン10に発生する吸収電流やその吸収電流によって生じる電圧等の電気信号を、プローブ31,32およびアンプを用いて検出する。そして、電子ビーム20走査時の各振動の間に検出される電気信号の変化量を求め、その振動領域内に高抵抗のビア12aのような欠陥が存在しているときといないときのその変化量の違いから、その導電パターン10の欠陥を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、検査装置および検査方法に関し、特に、半導体装置に形成される配線等の欠陥検査に用いる検査装置および検査方法に関する。
LSI(Large Scale Integration)をはじめとする各種半導体装置の開発・製造に当たっては、性能や歩留りの向上のために、不良解析という手法が一般的に採用されている。これは、半導体装置の製造プロセスで予期せず発生した欠陥の位置を特定し、そこを分析して、その欠陥の発生原因を解明することにより、その製造プロセスを改善する手法である。このような手法は、高性能・高品質の半導体装置を製造するプロセスを開発していく上で、非常に重要な技術と位置づけられている。
ところで、半導体装置の微細化・高集積化に伴い、トランジスタのほか、配線やビア等の導電パターンも微細になり、その高密度化が進んでいる。そのため、そのような導電パターンの欠陥検査、特にその欠陥箇所の特定は、難しくなってきている。例えば、IR−OBIRCH(Infra Red - Optical Beam Induced Resistance CHange)解析のように、光学的に欠陥箇所を特定する手法は、特別な工夫をしない限り、1μm程度の空間分解能以下の高密度パターンへの適用に限界がある。
そこで、近年では、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope,SEM)を用い、配線等の導電パターンを形成した試料に電子ビーム等の荷電ビームを走査しながら照射して、その導電パターンに発生した吸収電流を検出することにより、その導電パターンの欠陥箇所を特定する方法が提案されてきている(例えば、特許文献1,2参照。)。さらに、照射する電子ビームに強度変調やパルス変調を加え、その変調に同期した吸収電流を検出することにより、その検出感度(S/N比)を向上させる試みもなされている(例えば、特許文献3,4参照。)。また、吸収電流に起因して導電パターンに生じる電圧を検出することにより、その導電パターンの欠陥箇所を特定する方法も提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開2002−343843号公報 特開2002−368049号公報 特開2004−296771号公報 特開2005−71775号公報 特開2006−105960号公報
試料に電子ビームを走査しながら照射し、その導電パターンに発生した吸収電流あるいはそれに起因して生じる電圧等の電気信号を検出することによって、その導電パターンの欠陥箇所を特定する手法の場合、その走査時に電子ビームが欠陥のない正常な導電パターンに照射されていくと、その照射位置の移動に伴い、検出される電気信号が徐々に変化していくようになる。
ここで、例えば、その導電パターンの途中に抵抗性の欠陥が存在している場合、電子ビームを走査しながら照射していったときには、その欠陥箇所に電子ビームが照射されたときに検出される電気信号が、その導電パターンの正常な部分に電子ビームが照射されていたときとは違った変化を示すようになる。これまでは、そのような電気信号の変化を基に、その導電パターンの欠陥箇所を特定していた。
しかし、その欠陥の抵抗があまり大きくない場合には、そのような欠陥箇所に電子ビームが照射されたときに検出される電気信号が、正常な部分に電子ビームが照射されていたときの電気信号の変化に埋もれてしまい、欠陥箇所の特定が難しい。
したがって、より高い精度で欠陥を検出することのできる手法が要望されている。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、高精度で欠陥検査を行うことのできる検査装置および検査方法を提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するために、試料の検査を行う検査装置において、前記試料に荷電ビームを照射する手段と、照射する前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査させる手段と、前記荷電ビームの照射によって前記試料に生じる電気信号を検出する手段と、を有することを特徴とする検査装置が提供される。
このような検査装置によれば、荷電ビームがその照射位置を一定の振幅で振動させながら試料上を走査され、その照射によってその試料に生じる電気信号が検出される。それにより、荷電ビームの照射位置が一定の振幅で振動する間の電気信号を検出することが可能になる。
したがって、例えば、荷電ビーム走査時の各振動の間に検出される電気信号の変化量を求め、その振動領域内に欠陥が存在しているときといないときのその変化量の違いに基づき、その試料の欠陥を検出することができるようになる。
また、本発明では、上記課題を解決するために、試料の検査を行う検査方法において、前記試料に荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査して照射し、前記荷電ビームの照射によって前記試料に生じる電気信号を検出することを特徴とする検査方法が提供される。
このような検査方法によれば、荷電ビームがその照射位置を一定の振幅で振動させながら試料上を走査され、その照射によってその試料に生じる電気信号が検出される。それにより、荷電ビームの照射位置が一定の振幅で振動する間の電気信号を検出することが可能になる。
本発明では、試料に荷電ビームを照射する際、その照射位置を一定の振幅で振動させながら走査し、その照射によってその試料に生じる電気信号を検出するようにした。これにより、試料の異常箇所を高精度で検出することが可能になり、その試料の検査の高精度化を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、検査原理について説明する。
図1は検査原理の説明図であって、(A)は導電パターンへの電子ビーム照射の様子を模式的に示す図、(B)は導電パターンの電子ビーム照射位置とアンプ出力変化量との関係を模式的に示す図である。
ここでは、検査対象の試料として、図1(A)に示すように、上下層の配線11がビア12によって交互に接続された導電パターン10を有するものを用い、そのような試料に電子ビーム20を照射する場合を例にして説明する。なお、図1(A)では、配線11やビア12の周囲の層間絶縁膜等については、その図示を省略している。
電子ビーム20を照射したときには、その照射位置から2次電子が発生すると共に、その領域内の導電パターン10には、電子ビーム20のうち2次電子とならなかった一部の電子が吸収され、導電パターン10内に電流すなわち吸収電流が流れるようになる。
導電パターン10には、その2箇所にプローブ31,32が接続される。例えば、電子ビーム20が照射されたときに導電パターン10に発生する吸収電流を検出する場合には、2つのプローブ31,32はそれぞれ、電流アンプに接続される。導電パターン10の電子ビーム20の照射位置に発生した吸収電流は、導電パターン10内(配線11およびビア12)を流れ、プローブ31,32で検出される。吸収電流は、導電パターン10内の流れやすさ(例えば後述のような抵抗性の欠陥の有無)に応じ、プローブ31,32のいずれか一方から、あるいは分流されてプローブ31,32の双方から、検出される。
また、電子ビーム20が照射されたときに発生する吸収電流に起因して導電パターン10に生じる電圧を検出する場合には、2つのプローブ31,32のうち、一方のプローブ31は接地され、他方のプローブ32は電圧アンプに接続される。電子ビーム20が照射され、導電パターン10に吸収電流が発生すると、吸収電流は、主に接地された一方のプローブ31側へ流れ、接地点から電子ビーム20の照射位置までの導電パターン10の長さに応じた大きさの電圧降下が生じる。その電圧を他方のプローブ32で検出する。また、検出された電圧と電子ビーム20の照射位置とから、そのときの導電パターン10の吸収電流を求めることが可能である。
なお、電子ビーム照射によって発生する導電パターンの吸収電流はnAオーダであり、吸収電流やそれに起因した電圧を検出する際には、通常、このように電流アンプや電圧アンプによる増幅が行われる。その場合は、プローブ31,32によって検出された吸収電流検出値(検出電流または検出電圧)を増幅した信号(アンプ出力)が、吸収電流の検出値(検出電流または検出電圧)となる。
ここで、導電パターン10のビア12のうち、ある箇所のビア12aが、不純物の混入、ボイドの発生、配線11との接続不良等、何らかの原因で、その他のビア12よりも高抵抗になっていると仮定する。このような導電パターン10を有する試料に電子ビーム20を照射することにより、そのビア12aのような抵抗性の欠陥を検出する。
その際は、導電パターン10の一方のプローブ31側から他方のプローブ32側へ電子ビーム20を一方向に走査していく動作に加え、その走査方向と平行に電子ビーム20の照射位置を一定の振幅で振動(位置変調)させる。すなわち、電子ビーム20を、その照射位置を一定の振幅で振動させながら、導電パターン10の一方のプローブ31側から他方のプローブ32側へ走査していく。そして、その走査時の各振動の間に得られる、吸収電流や電圧のアンプ出力変化量を検出していく。
ここで、図2は電子ビームを振動させずに走査する場合の説明図であって、(A)は導電パターンへの電子ビーム照射の様子を模式的に示す図、(B)は導電パターンの電子ビーム照射位置とアンプ出力との関係を模式的に示す図である。
例えば、電子ビーム20が照射されたときに導電パターン10に発生する吸収電流を検出する場合に、図2(A)に示すように、電子ビーム20を、振動させることなく、導電パターン10の一方のプローブ31側から他方のプローブ32側へ一方向に走査する。このとき、導電パターン10の吸収電流のアンプ出力は、図2(B)に示すように、走査が進むにつれて増加していくが、高抵抗のビア12aの箇所で階段状に変化する。
また、例えば、電子ビーム20が照射されたときに発生する吸収電流に起因した導電パターン10の電圧を検出する場合に、図2(A)に示すように、電子ビーム20を、振動させることなく、導電パターン10の一方のプローブ31側から他方のプローブ32側へ一方向に走査する。このとき、プローブ32側の電圧のアンプ出力は、上記吸収電流のアンプ出力同様、図2(B)に示したように、走査が進むにつれて増加していくが、高抵抗のビア12aの箇所で階段状に変化する。
これに対し、図1(A)に示したように、電子ビーム20を、振動させながら、導電パターン10の一方のプローブ31側から他方のプローブ32側へ走査していくと、吸収電流や電圧のアンプ出力は、その電子ビーム20の照射位置の振動に応じて振動するように変化していく。その各振動におけるアンプ出力変化量を、電子ビーム20の照射位置の関数として表すと、図1(B)に示すようになる。
すなわち、配線11と通常の抵抗を示すビア12で構成される、導電パターン10の正常な部分では、電子ビーム20の照射位置を振動させると、その振動の間に得られるアンプ出力は、一定の差になる。したがって、導電パターン10の正常な部分におけるアンプ出力変化量は、図1(B)に示したように、電子ビーム20の照射位置に対し、一定の値を示すようになる。
一方、電子ビーム20の照射位置を振動させたとき、その振動領域に高抵抗のビア12aが含まれている場合には、その振動の間に得られるアンプ出力は、導電パターン10の正常な部分に電子ビーム20が照射されたときに比べ、より大きな差になる。
したがって、照射する電子ビーム20を振動させながら走査したときのアンプ出力変化量は、図1(B)に示したように、電子ビーム20の照射位置に対し、高抵抗のビア12aの箇所で上に凸となり、他の箇所では一定の値を示すようになる。なお、振動1回の電子ビーム20の照射領域が、高抵抗を示すビア12aの形成領域内である場合には、その振動の間のアンプ出力変化量は一定の値を示すようになる。
電子ビーム20の照射位置に対して図1(B)のような関係を有するアンプ出力変化量を明暗の画像として表示したときには、例えば、高抵抗のビア12aに対応する箇所に明るい部分(輝点)が存在していて、それ以外の領域がより暗くなった画像を得ることができる。この輝点は、画像を表示する際の輝度のオフセットやダイナミックレンジ等を適宜調整することにより、容易に視認することが可能になる。なお、明暗の関係を逆にしても構わない。すなわち、高抵抗のビア12aに対応する箇所に暗い部分(暗点)が存在していて、それ以外の領域がより明るくなった画像を得ても、同じ効果を得ることが可能である。
前述のように、電子ビーム20の照射位置を振動させない場合には、アンプ出力は、電子ビーム20の照射位置に対し、図2(B)のような関係を有する。このようなアンプ出力を、そのまま明暗の画像として表示したときには、例えば、電子ビーム20の走査方向(電子ビーム20の照射位置の増加方向)に対応して徐々に明るさあるいは暗さを増していく画像が得られる。アンプ出力のうち、高抵抗のビア12aの箇所で階段状に変化する部分の像は、そのように徐々に明るさ等が変化する領域の中に存在することになる。しかし、そのように徐々に明るさ等が変化する領域の中から、高抵抗のビア12aの箇所に対応する階段状の輝度変化を抽出することは非常に難しい。
電子ビーム20を、その照射位置を振動させながら走査していき、各振動の間に得られるアンプ出力変化量を検出し、それを画像化して、ビア12aのような欠陥箇所を輝点あるいは暗点として表示することにより、その画像の輝点等の位置から、欠陥箇所を容易にかつ精度良く特定することが可能になる。
このようにして欠陥検査を行う場合には、電子ビーム20の照射位置を振動させる際の振幅を小さくすればするほど、欠陥箇所の検出分解能を高めることができる。しかし、その一方で、振幅を小さくすればするほど、欠陥箇所のアンプ出力変化量が小さくなるため、そのようなアンプ出力変化量の検出は難しくなる。振幅の設定に当たっては、導電パターン10の配線11やビア12,12aのサイズ、欠陥箇所の検出分解能、アンプ出力変化量の検出限界、形成すべきデバイスの要求特性等を考慮し、適宜その大きさを設定する。
ところで、吸収電流は、nAオーダと非常に微小であるため、そのような吸収電流やそれに起因した電圧を測定する際には、その測定系に存在し得るノイズがアンプ出力およびアンプ出力変化量に及ぼす影響を極力抑えることが望ましい。
そのようなノイズの影響を抑えるためには、次のような手法を用いることができる。すなわち、電子ビーム20をその照射位置を振動させながら走査する際、その照射位置を一定の振幅、振動数、位相で変化させ、それと同じ振動数および位相のアンプ出力をロックインアンプ等の位相同期アンプを用いて検出する。さらに、そのような位相同期アンプを用い、電子ビーム20の照射位置を一定の振幅、振動数、位相で変化させたときに検出されるアンプ出力の振幅からアンプ出力変化量を検出する。これにより、ノイズの影響が抑えられたアンプ出力およびアンプ出力変化量を検出することができ、欠陥検査の精度を向上させることが可能になる。
なお、以上の説明では、ビア12に欠陥が存在する場合を例に、その検査原理について述べたが、勿論、配線11に欠陥が存在する場合にも、それを同様の原理で検査することが可能である。
次に、上記のような原理を適用した実施形態について説明する。
まず、第1の実施形態について説明する。
図3は第1の実施形態の検査装置の構成例を示す図である。
図3に示す第1の実施形態の検査装置60は、導電パターン40aが形成されたウェハ等の試料40が所定のステージ61eにセットされる試料室61と、試料室61にセットされた試料40に対して電子ビーム50を照射するための電子ビーム照射ユニット62を備える。このような構成は、例えば、SEMを用いて実現される。
この検査装置60の試料室61には、プローブ61a,61b,61c,61dが設けられていて、一対のプローブ61a,61bまたはプローブ61c,61dがそれぞれ、一の導電パターン40aに接続される。そして、図3に示したように、一対のプローブ61a,61bのうち、一方のプローブ61aは接地され、他方のプローブ61bは電圧アンプ63に接続される。なお、ここでは図示を省略するが、もう一対のプローブ61c,61dについても同様に、一方は接地され、他方は電圧アンプ63に接続されるようになっている。
電子ビーム照射ユニット62には、電子ビーム50を所定の方向に偏向させて照射するための偏向電極62a,62b,62c,62dが設けられると共に、レンズ62e,62fが設けられている。
一対の偏向電極62a,62b側には、電子ビーム50を試料40に対してX方向に走査するための走査信号(X方向走査信号)が、例えばアンプ等(図示せず)で増幅された後、入力されるようになっている。もう一対の偏向電極62c,62d側には、電子ビーム50を試料40に対してY方向に走査するための走査信号(Y方向走査信号)が、例えばアンプ等(図示せず)で増幅された後、入力されるようになっている。
その際、X方向走査信号には、所定の振幅、振動数、位相に制御された発振信号が重ね合わせられ、そのような重ね合わせ後のX方向走査信号が例えばアンプ等で増幅されて偏向電極62a,62bに入力されるようになっている。それにより、電子ビーム50は、所定の振幅、振動数、位相で振動しながら、試料40上をX方向に走査される。
このような電子ビーム50の走査に用いられるX,Y方向の各走査信号および発振信号は、検査装置60に対し、例えば、コンピュータ65により自動で、あるいはコンピュータ65を用いてオペレータにより手動で、設定される。それらの信号に関するデータは、例えば、コンピュータ65が備えるHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置に記憶される。
なお、これらの走査信号や発振信号を用いた電子ビーム50の走査の詳細については後述する。
また、発振信号は、その一部が位相同期アンプであるロックインアンプ64にも入力されるようになっている。電子ビーム50が発振信号に応じて振動しながら走査されると、その電子ビーム50の照射位置の振動に応じて振動するように変化する電圧信号が、プローブ61a,61bを用いて検出される。ロックインアンプ64には、電圧アンプ63で増幅された電圧信号(アンプ出力)が入力される。
ロックインアンプ64は、入力されている発振信号を用い、その電圧アンプ63のアンプ出力のうち、発振信号の振動数および位相に同期したアンプ出力を検出する機能を有している。さらに、このロックインアンプ64は、電子ビーム50の走査時の各振動の間に得られたアンプ出力を用い、その振幅の大きさから、その走査時の各振動の間のアンプ出力変化量を検出する機能を有している。
ロックインアンプ64で検出されたアンプ出力およびアンプ出力変化量は、所定の画像処理機能を有するコンピュータ65に入力されるようになっている。そのロックインアンプ64からの出力は、コンピュータ65が備えるHDD等の記憶装置に記憶される。コンピュータ65は、そのロックインアンプ64からの出力を、X方向走査信号およびY方向走査信号を用いて配列し、画像化して、ディスプレイ等の表示装置66に表示することができるようになっている。
なお、コンピュータ65は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDDのほか、画像処理部、入力I/F(Interface)等によって構成され、これらはバスを介して接続される。CPUは、HDDに記憶されているプログラムや、走査信号に関するデータ、アンプ出力およびアンプ出力変化量等のデータを用いて処理を実行する。ROMは、CPUが実行する基本的なプログラムやデータを格納する。RAMは、CPUが実行途中のプログラムやデータを格納する。HDDには、CPUが実行するOS(Operation System)やアプリケーションプログラム、データが記憶される。画像処理部には表示装置66が接続され、画像処理部は、CPUからの描画命令に従って表示装置66の画面上に画像を表示させる。入力I/Fには、マウスやキーボードが接続され、これらによってオペレータが入力した情報を受信し、バスを介してCPUに送信する。
このような検査装置60において、電子ビーム50が試料40上を所定の方向に所定の振幅、振動数、位相で振動しながら走査されて照射されると、その導電パターン40aには吸収電流が発生する。そして、その導電パターン40aに接続されているプローブ61bからは、電子ビーム50の照射位置の振動に応じて振動するように変化する、吸収電流に起因した電圧信号が検出される。その電圧信号が電圧アンプ63で増幅され、増幅された電圧信号(アンプ出力)がロックインアンプ64に入力される。
ロックインアンプ64では、入力されたアンプ出力から、発振信号と同じ振動数および位相のアンプ出力が検出される。さらに、ロックインアンプ64では、電子ビーム50の走査時の各振動の間に得られたアンプ出力を用い、その振幅の大きさから、その走査時の各振動の間のアンプ出力変化量が検出される。ロックインアンプ64で検出されたアンプ出力およびアンプ出力変化量は、コンピュータ65に出力される。コンピュータ65は、そのアンプ出力変化量を電子ビーム50の走査信号を用いて配列し、オフセットやダイナミックレンジ等を適宜調整して、画像として表示装置66に表示する。
試料40の導電パターン40aに欠陥が存在する場合、電子ビーム50の照射位置とアンプ出力変化量との間には、図1(B)の例に従い、電子ビーム50が欠陥箇所に照射された所でアンプ出力変化量が突出するように変化するような関係が得られる。表示装置66の画像には、そのような欠陥箇所に対応する位置に、輝点あるいは暗点が表示されるようになる。したがって、検査装置60のオペレータは、その表示装置66の画像から、そのような輝点等の有無を調べて欠陥の有無を把握することが可能になり、また、そのような輝点等がある場合にはその位置に基づいてその導電パターン40aの欠陥箇所を特定することが可能になる。
なお、このようにして試料40の欠陥検査を行い、それによって欠陥が検出されかつその箇所が特定された場合には、さらに、その欠陥箇所を含む断面を収束イオンビーム(Focused Ion Beam,FIB)等を用いて形成し、その断面をSEMや透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope,TEM)等で観察して、その像からその欠陥箇所の様子を把握するようにしてもよい。
続いて、このような検査装置60における電子ビーム50の走査方法について、より詳細に説明する。
上記のように電子ビーム50を振動させながら走査するためには、検査装置60に、例えば、次の図4に示すような走査信号生成機構を採用することができる。
図4は走査信号生成機構の構成例を示す図である。
偏向電極62a,62b,62c,62dは、電子ビーム50の照射方向に見た場合、例えば図4に示すように、電子ビーム50の照射経路を取り囲むように配置される。このとき、電子ビーム50のX方向の走査を制御する一対の偏向電極62a,62bは、電子ビーム50の照射経路を挟んで対向配置され、同様に、電子ビーム50のY方向の走査を制御するもう一対の偏向電極62c,62dも、電子ビーム50の照射経路を挟んで対向配置される。
この図4の例では、一対の偏向電極62a,62bのうち、一方の偏向電極62aには、X方向走査信号を生成するX方向走査信号生成部71の出力(電圧信号)が電圧アンプ72を介して入力され、他方の偏向電極62bが接地されている。同様に、もう一対の偏向電極62c,62dうち、一方の偏向電極62cには、Y方向走査信号を生成するY方向走査信号生成部73の出力(電圧信号)が電圧アンプ74を介して入力され、他方の偏向電極62dが接地されている。
X方向走査信号およびY方向走査信号をそれぞれ生成するX方向走査信号生成部71およびY方向走査信号生成部73は、コンピュータ65がその内部に備える構成とすることができる。また、X方向走査信号生成部71およびY方向走査信号生成部73は、コンピュータ65の外部に、生成する走査信号の内容をそのコンピュータ65を用いて設定可能な信号発生器等を設けることによって構成することもできる。
また、X方向走査信号生成部71と電圧アンプ72の間(P点)には、発振信号を生成する発振信号生成部75の出力が入力可能になっていて、X方向走査信号生成部71の出力は、発振信号生成部75の出力が重ね合わせられた後、電圧アンプ72で増幅され、偏向電極62aに入力されるようになっている。
発振信号を生成する発振信号生成部75は、コンピュータ65がその内部に備える構成としてもよく、また、コンピュータ65の外部に発振信号の内容をそのコンピュータ65を用いて設定可能な発振器等を設ける構成としてもよい。
ここで、X方向走査信号生成部71、Y方向走査信号生成部73および発振信号生成部75の出力例について述べる。
図5はX方向走査信号生成部の出力例を示す図、図6はY方向走査信号生成部の出力例を示す図である。また、図7はX方向走査信号生成部と発振信号生成部の出力例を併せて示す図であって、(A)はX方向走査信号生成部の出力例、(B)は発振信号生成部の出力例である。
X方向走査信号生成部71の出力は、例えば、図5に示すように、ある時間t1〜t2の間で出力値Q1(例えば電圧0V)から一定の割合で出力値Q2まで単調に増加し、時間t2で再び出力値Q1まで低下するように変化する。図5の例では、以降の時間t2〜t3,t3〜t4,t4〜t5の間についても、X方向走査信号生成部71の出力を時間t1〜t2の間と同じように変化させている。
Y方向走査信号生成部73の出力は、例えば、図6に示すように、ある時間t1〜t2の間では出力値R1(例えば電圧0V)で一定とする。図6の例では、以降の時間t2〜t3,t3〜t4,t4〜t5の間でそれぞれ、出力値R2,R3,R4で一定とし、全体としてY方向走査信号生成部73の出力を階段状に変化させている。
図5および図6に示したようなX方向走査信号生成部71およびY方向走査信号生成部73の出力のみを用いた場合、電子ビーム50は、次のように走査される。
すなわち、まず時間t1〜t2では、Y方向走査信号生成部73の出力を出力値R1で一定としたまま、X方向走査信号生成部71の出力を出力値Q1からQ2まで変化させる。それにより、図3に示したような試料40の、ある領域から別の領域まで電子ビーム50が走査される。続く時間t2〜t3では、Y方向走査信号生成部73の出力を出力値R1からR2に変化させて電子ビーム50の照射領域をY方向に移動させ、出力値R2で一定のまま、X方向走査信号生成部71の出力を出力値Q1からQ2まで変化させる。それにより、そのY方向への移動後の照射領域からさらに別の領域まで電子ビーム50が走査される。時間t3〜t4,t4〜t5についてもこれと同様である。
一方、第1の実施形態では、このようなX方向走査信号生成部71の出力に、発振信号生成部75の出力を重ね合わせる。このとき、発振信号生成部75の出力は、欠陥箇所の特定精度や、電子ビーム50の照射によって試料40の導電パターン40aから出力される信号変化量の検出限界等を考慮し、所定の振幅、振動数、位相に設定される。
図4のP点の出力は、例えば、図7(A)に示したようなX方向走査信号生成部71の出力に、図7(B)に示したような発振信号生成部75の出力を重ね合わせた値となり、その値が電圧アンプ72で増幅され、偏向電極62aに入力される。それにより、電子ビーム50は、発振信号生成部75の出力で規定される所定の振幅、振動数、位相でX方向に振動しながら、試料40上を走査される。そして、走査される電子ビーム50の照射領域に存在する導電パターン40aに発生する吸収電流に起因した電圧が検出される。
第1の実施形態の検査装置60に、このような電子ビーム50の走査方法を用いることにより、導電パターン40aの欠陥の有無を把握したり、欠陥箇所を特定したりすることが可能になる。このような検査装置60によれば、導電パターン40aの欠陥を容易にかつ高精度で検出することが可能になる。この第1の実施形態の検査装置60によれば、LSI等の半導体装置の開発・製造段階で、欠陥を高感度で検出し、その発生原因を解明し、その製造プロセスの最適化を図り、高性能・高品質の半導体装置を製造することが可能になる。
次に、第2の実施形態について説明する。
図8は第2の実施形態の検査装置の構成例を示す図である。なお、図8では、図3に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
図8に示す第2の実施形態の検査装置80は、試料40への電子ビーム50の照射によって導電パターン40aに発生する吸収電流を差動電流アンプ81で増幅する点で、上記第1の実施形態の検査装置60と相違する。差動電流アンプ81は、一対のプローブ61a,61b(またはプローブ61c,61d)に電気的に接続される。
この第2の実施形態の検査装置80において、電子ビーム50の走査は、上記第1の実施形態の検査装置60の場合と同様にして行うことができる。すなわち、図4に示したような走査信号生成機構を用い、図7に示したようなX方向走査信号(図7(A))に発振信号(図7(B))を重ね合わせた信号を偏向電極62aに入力し、図6に示したようなY方向走査信号を偏向電極62cに入力して、電子ビーム50を振動させながら走査する。
そのように走査されて電子ビーム50が試料40に照射されると、電子ビーム50の照射位置に応じた大きさの吸収電流が発生する。そして、例えば一対のプローブ61a,61bから、電子ビーム50の照射位置の振動に応じて振動するように変化する吸収電流の信号が検出され、その電流信号が差動電流アンプ81で増幅され、増幅された電流信号(アンプ出力)がロックインアンプ64に入力される。ロックインアンプ64では、入力されたアンプ出力から、発振信号と同じ振動数および位相のアンプ出力が検出され、さらに、電子ビーム50の走査時の各振動の間のアンプ出力変化量が検出される。ロックインアンプ64で検出されたアンプ出力およびアンプ出力変化量は、コンピュータ65に出力され、コンピュータ65は、そのアンプ出力変化量を電子ビーム50の走査信号を用いて配列し、その画像を表示装置66に表示する。
試料40の導電パターン40aに欠陥が存在する場合には、図1(B)の例に従い、電子ビーム50が欠陥箇所に照射された所でアンプ出力変化量が突出するようになる。表示装置66の画像には、そのような欠陥箇所に対応する位置に輝点等が表示されるため、検査装置80のオペレータは、そのような輝点等の有無から欠陥の有無を把握することが可能になり、また、そのような輝点等がある場合にはその位置から欠陥箇所を特定することが可能になる。したがって、導電パターン40aの欠陥を容易にかつ高精度で検出することができる。
この第2の実施形態の検査装置80によれば、半導体装置の開発・製造段階で、欠陥を高精度で検出し、その発生原因を解明し、その製造プロセスの最適化を図り、高性能・高品質の半導体装置を製造することが可能になる。
次に、第3の実施形態について説明する。
図9は第3の実施形態の検査装置の構成例を示す図である。なお、図9では、図3に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
図9に示す第3の実施形態の検査装置90は、X方向走査のための偏向電極62a,62b、およびY方向走査のための偏向電極62c,62dのほかに、電子ビーム50の照射位置をX方向に振動させるための偏向電極91a,91bを有している点で、上記第1の実施形態の検査装置60と相違する。この検査装置90の偏向電極91a,91bのうち、一方の偏向電極91aには、所定の振幅、振動数、位相に設定された発振信号(電圧信号)が、例えばアンプ等(図示せず)を介して入力され、他方の偏向電極91bは接地される。また、発振信号の一部は、ロックインアンプ64にも入力される。
この第3の実施形態の検査装置90においては、図5や図7(A)に示したようなX方向走査信号を偏向電極62aに入力し、図6に示したようなY方向走査信号を偏向電極62cに入力し、図7(B)に示したような発振信号を偏向電極91aに入力することにより、電子ビーム50を所定の振幅、振動数、位相で振動させながら走査する。
そのような走査により、上記第1の実施形態と同様、例えば一対のプローブ61a,61bから、電子ビーム50の照射位置の振動に応じて振動するように変化する、吸収電流に起因した電圧信号が検出され、その電圧信号が電圧アンプ63で増幅され、増幅された電圧信号(アンプ出力)がロックインアンプ64に入力される。ロックインアンプ64では、入力されたアンプ出力から、発振信号と同じ振動数および位相のアンプ出力が検出され、さらに、電子ビーム50の走査時の各振動の間のアンプ出力変化量が検出される。ロックインアンプ64で検出されたアンプ出力およびアンプ出力変化量は、コンピュータ65に出力され、コンピュータ65は、そのアンプ出力変化量を電子ビーム50の走査信号を用いて配列し、その画像を表示装置66に表示する。したがって、導電パターン40aの欠陥を容易にかつ高精度で検出することができる。
このような第3の実施形態の検査装置90によっても、半導体装置の開発・製造段階で、欠陥を高精度で検出し、その発生原因を解明し、その製造プロセスの最適化を図り、高性能・高品質の半導体装置を製造することが可能になる。
なお、この第3の実施形態のように、X方向走査およびY方向走査のための偏向電極62a,62b,62c,62dのほかに、電子ビーム50の照射位置をX方向に振動させるための偏向電極91a,91bを設ける構成は、差動電流アンプ81を用いた上記第2の実施形態の検査装置80に適用することも可能である。
なお、以上の第1〜第3の実施形態では、電子ビーム50の走査を制御するX方向走査信号、Y方向走査信号および発振信号が、いずれも電圧信号である場合を例にして説明したが、それらを電流信号とすることも可能である。その場合、増幅手段としては電流アンプが用いられる。
また、以上の第1〜第3の実施形態では、電子ビーム50を振動させながら走査したときの、各振動の間の電圧アンプ63または差動電流アンプ81のアンプ出力の変化量をロックインアンプ64で検出するようにした。このほか、そのようなアンプ出力変化量を、ロックインアンプ64によらず、コンピュータ65を用いて検出するようにすることもできる。その場合は、例えば、ロックインアンプ64が、電圧アンプ63または差動電流アンプ81のアンプ出力のうち、発振信号の振動数および位相に同期したアンプ出力を検出し、それをコンピュータ65に出力する。そして、コンピュータ65が、その受信したアンプ出力を用い、その振幅の大きさから、電子ビーム50の走査時の各振動の間のアンプ出力変化量を検出する処理を実行する構成とする。このような構成としても、導電パターン40aの欠陥を容易にかつ高精度で検出することが可能になる。
また、以上の第1〜第3の実施形態では、電子ビーム50の照射によって発生する吸収電流やそれに起因した電圧を検出する際のノイズを考慮した構成について述べたが、そのようなノイズを考慮しない構成とすることもできる。その場合は、例えば、ロックインアンプ64を用いず、電圧アンプ63のアンプ出力がロックインアンプ64を介さずにコンピュータ65に入力される構成とし、そのアンプ出力変化量をコンピュータ65を用いて検出するようにすればよい。あるいは、ロックインアンプ64は用いるが、ロックインアンプ64では、電子ビーム50の走査時の振動数および位相は考慮せず、アンプ出力変化量のみを検出し、それをコンピュータ65に出力するようにしてもよい。
また、以上の第1〜第3の実施形態の検査装置60,80,90は、SEMを用いて構成することが可能である。その場合、各検査装置60,80,90は、上記のような欠陥検査に用いる明暗像を取得して表示する機能のほか、電子ビーム50の照射によって試料40から発生する2次電子を検出してその表面像を取得して表示する機能も有する。各検査装置60,80,90では、例えば、電子ビーム50の走査に従い、試料40の表面像と欠陥検査用の明暗像を適宜切り替えて表示装置66に表示したり、それらの像を同時に並べて表示装置66に表示したり、あるいはそれらの像を重ね合わせて表示装置66に表示したりすることも可能である。
また、以上の第1〜第3の実施形態では、表示装置66に表示された画像から、オペレータが試料40の欠陥箇所を見つける場合を例にして述べたが、そのような処理は、コンピュータ65で自動的に行うようにすることもできる。その場合、例えば、コンピュータ65は、電圧アンプ63や差動電流アンプ81のアンプ出力変化量から得られる画像に対して所定の輝度調整を行い、その画像内に所定の輝度差を示す部分が存在するか否かを判定し、その画像内の輝点等の有無から、その画像が得られた試料40上の電子ビーム50の照射領域の欠陥の有無を判定する。また、欠陥箇所が存在すると判定された場合、コンピュータ65は、その画像が得られた試料40上の電子ビーム50の照射領域の座標や、その画像内の輝点等に対応する試料40上の座標から、試料40上の欠陥箇所の座標を取得する。あるいは、電圧アンプ63や差動電流アンプ81のアンプ出力変化量の画像化を行わず、コンピュータ65に、そのアンプ出力変化量に対して直接上記の輝度調整に相当する処理を実行させ、その処理データを用いて上記のような欠陥検査処理を実行させるようにすることも可能である。
また、以上例示したような欠陥検査に用いる検査装置が有する処理機能は、コンピュータを用いて実現可能である。その場合、そのような検査装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、所定の処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録された可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
(付記1) 試料の検査を行う検査装置において、
前記試料に荷電ビームを照射する手段と、
照射する前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査させる手段と、
前記荷電ビームの照射によって前記試料に生じる電気信号を検出する手段と、
を有することを特徴とする検査装置。
(付記2) 照射する前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査させたときの各振動の間に検出される前記電気信号の変化量を検出する手段を有することを特徴とする付記1記載の検査装置。
(付記3) 検出された前記電気信号の変化量を画像化する手段を有することを特徴とする付記2記載の検査装置。
(付記4) 照射する前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査させる手段は、
前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅、振動数および位相で振動させながら走査させることを特徴とする付記1記載の検査装置。
(付記5) 前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅、振動数および位相で振動させながら走査させたときに検出される前記電気信号のうち、前記荷電ビームの照射位置の振動と同じ振動数および位相の電気信号を検出する手段を有することを特徴とする付記4記載の検査装置。
(付記6) 前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅、振動数および位相で振動させながら走査させたときの各振動の間に検出される、前記荷電ビームの照射位置の振動と同じ振動数および位相の電気信号の変化量を検出する手段を有することを特徴とする付記5記載の検査装置。
(付記7) 検出された、前記荷電ビームの照射位置の振動と同じ振動数および位相の電気信号の変化量を画像化する手段を有することを特徴とする付記6記載の検査装置。
(付記8) 前記試料は、導電パターンを有し、
前記電気信号は、前記荷電ビームの照射によって前記導電パターンに発生した吸収電流により前記導電パターンに生じた電圧であることを特徴とする付記1記載の検査装置。
(付記9) 前記試料は、導電パターンを有し、
前記電気信号は、前記荷電ビームの照射によって前記導電パターンに発生した吸収電流であることを特徴とする付記1記載の検査装置。
(付記10) 試料の検査を行う検査方法において、
前記試料に荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査して照射し、前記荷電ビームの照射によって前記試料に生じる電気信号を検出することを特徴とする検査方法。
(付記11) 照射する前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査したときの各振動の間に検出される前記電気信号の変化量を検出することを特徴とする付記10記載の検査方法。
(付記12) 検出された前記電気信号の変化量を画像化することを特徴とする付記11記載の検査方法。
(付記13) 前記試料に前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査して照射する際には、前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅、振動数および位相で振動させながら走査することを特徴とする付記10記載の検査方法。
(付記14) 前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅、振動数および位相で振動させながら走査したときに検出される前記電気信号のうち、前記荷電ビームの照射位置の振動と同じ振動数および位相の電気信号を検出することを特徴とする付記13記載の検査方法。
(付記15) 前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅、振動数および位相で振動させながら走査したときの各振動の間に検出される、前記荷電ビームの照射位置の振動と同じ振動数および位相の電気信号の変化量を検出することを特徴とする付記14記載の検査方法。
(付記16) 検出した、前記荷電ビームの照射位置の振動と同じ振動数および位相の電気信号の変化量を画像化することを特徴とする付記15記載の検査方法。
(付記17) 前記電気信号は、前記荷電ビームの照射によって前記試料が有する導電パターンに発生した吸収電流により前記導電パターンに生じた電圧であることを特徴とする付記10記載の検査方法。
(付記18) 前記電気信号は、前記荷電ビームの照射によって前記試料が有する導電パターンに発生した吸収電流であることを特徴とする付記10記載の検査方法。
検査原理の説明図であって、(A)は導電パターンへの電子ビーム照射の様子を模式的に示す図、(B)は導電パターンの電子ビーム照射位置とアンプ出力変化量との関係を模式的に示す図である。 電子ビームを振動させずに走査する場合の説明図であって、(A)は導電パターンへの電子ビーム照射の様子を模式的に示す図、(B)は導電パターンの電子ビーム照射位置とアンプ出力との関係を模式的に示す図である。 第1の実施形態の検査装置の構成例を示す図である。 走査信号生成機構の構成例を示す図である。 X方向走査信号生成部の出力例を示す図である。 Y方向走査信号生成部の出力例を示す図である。 X方向走査信号生成部と発振信号生成部の出力例を併せて示す図であって、(A)はX方向走査信号生成部の出力例、(B)は発振信号生成部の出力例である。 第2の実施形態の検査装置の構成例を示す図である。 第3の実施形態の検査装置の構成例を示す図である。
符号の説明
10,40a 導電パターン
11 配線
12,12a ビア
20,50 電子ビーム
31,32,61a,61b,61c,61d プローブ
40 試料
60,80,90 検査装置
61 試料室
61e ステージ
62 電子ビーム照射ユニット
62a,62b,62c,62d,91a,91b 偏向電極
62e,62f レンズ
63,72,74 電圧アンプ
64 ロックインアンプ
65 コンピュータ
66 表示装置
71 X方向走査信号生成部
73 Y方向走査信号生成部
75 発振信号生成部
81 差動電流アンプ

Claims (6)

  1. 試料の検査を行う検査装置において、
    前記試料に荷電ビームを照射する手段と、
    照射する前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査させる手段と、
    前記荷電ビームの照射によって前記試料に生じる電気信号を検出する手段と、
    を有することを特徴とする検査装置。
  2. 照射する前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査させたときの各振動の間に検出される前記電気信号の変化量を検出する手段を有することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
  3. 検出された前記電気信号の変化量を画像化する手段を有することを特徴とする請求項2記載の検査装置。
  4. 試料の検査を行う検査方法において、
    前記試料に荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査して照射し、前記荷電ビームの照射によって前記試料に生じる電気信号を検出することを特徴とする検査方法。
  5. 照射する前記荷電ビームをその照射位置を一定の振幅で振動させながら走査したときの各振動の間に検出される前記電気信号の変化量を検出することを特徴とする請求項4記載の検査方法。
  6. 検出された前記電気信号の変化量を画像化することを特徴とする請求項5記載の検査方法。
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