JP2008268880A - 有機発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極間の短絡に対し修復を行うことができる有機発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板の上に順に、第1電極101と、有機層102と、第2電極103と、を含む有機発光素子を形成し、第2電極103の上に第1封止層104を形成する工程と、前記有機発光素子の短絡部位において、少なくとも第1封止層104と第2電極103とをレーザーを照射することにより除去する工程と、第2封止層108を前記除去された部位に形成する工程と、を有することを特徴とする有機発光装置の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスプレイ、あるいは光源、照明等に用いられる有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)を有する有機発光装置の製造方法、及び有機発光素子の短絡部位の修復方法に関するものである。
近年、有機発光素子(以下、単に素子と省略する場合がある。)の開発においては素子の特性向上が図られている。有機発光素子は、薄くて軽量な自発光デバイスであることから、有機発光素子を表示画素として用いたデバイスが次世代の表示デバイスとして有望視されている。しかし、何らかの理由により、第1電極と第2電極との間の有機層の一部が形成されず、電極同士が短絡されると、その画素(素子)は非発光素子になってしまう。
こうした非発光素子は、平坦化層や分離層等の形成中で生じる異物(不純物)が問題になることもあれば、第1電極の表面形状が原因で有機層の面内に短絡部位が生じることでも出現する。
短絡部位の修復方法としては、レーザーリペア法が提案されている。レーザーリペア法は、素子中の短絡部位にレーザーを照射し、電極を除去することで短絡部位を除去し、修復箇所以外を再び発光可能とするものである。
基板上に第1電極、有機層、第2電極の順に積層された素子の場合、短絡部位の第2電極をレーザー照射にて取り除いた後、全面に対して保護層を成膜するという方法が特許文献1に記載されている。
また、プラズマCVD法を用いて成膜した窒化シリコン保護層上に、フッ素系やシリコン系の樹脂を樹脂保護層として成膜するか、あるいは積層する方法が特許文献2に記載されている。短絡が発生した場合、レーザー照射を行うが、焦点ズレ等で保護層側にパワーが集中しても、樹脂保護層は損傷されにくいため防湿性は維持される。また最表面を樹脂保護層で覆うことで外部衝突等の機械的強度を上げることもできる。
特開2001−118684号公報 特許第3817081号公報
特許文献1のように、短絡部位の修復後に保護層を成膜する方法では、厚く保護層を成膜しなければ充分な保護性能が得られないことが懸念される。
短絡部位の修復においては、短絡部位に形成された導電部材のみを焼き切ることが効率良い修復といえる。しかしながら、レーザー照射によって短絡部位を修復する場合、短絡部位を確実に修復するためには、短絡部位に形成された導電部材のみを焼き切るのみでは不十分であり、短絡部位に形成された導電部材の除去も必要であることが本発明者の実験により分かった。このとき、レーザー照射により、短絡部位に形成された導電部材、あるいはその他の素子の構成物質が飛散し、第2電極上に散らばることが分かった。
つまり、第2電極まで形成した後に短絡部位を除去すると、第2電極まで形成した際に散らばった異物に加え、短絡部位を修復した際に散らばった素子の構成物質も、被覆しなければならなくなる。つまり、水分浸透を防止するためには、より厚い保護層が必要となる。
また、特許文献1にて開示されている短絡部位の修復は、第2電極を形成した後保護層を形成する前に修復を行うため、有機発光素子が長時間水分、あるいは酸素雰囲気にさらされるため、保護層の形成前に素子の劣化が進んでしまう問題もある。
一方、特許文献2のように、保護層の成膜後にレーザー照射を行う方法では、無機材料保護層は下層のレーザーによる蒸発に対して柔軟に対応することは難しく、クラック等の発生を完全に防ぐことはできない。また樹脂保護層も単独では無機保護層と同等の保護性能を有しているとは云い難く、従ってレーザー照射の後に保護性能が低下する可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決して、電極間の短絡に対し修復を行うことができる有機発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
そのために本発明の有機発光装置の製造方法は、
基板の上に順に、第1電極と、有機層と、第2電極と、を含む有機発光素子を形成し、前記第2電極の上に第1封止層を形成する工程と、
前記有機発光素子の短絡部位において、少なくとも前記第1封止層と前記第2電極とをレーザーを照射することにより除去する工程と、
第2封止層を前記除去された部位に形成する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、第1封止層まで積層された有機発光素子に対し短絡部位を特定し、レーザー照射により短絡部位の少なくとも第1封止層と第2電極とを取り除き、短絡除去部位のみを部分的に第2封止層で覆う。そのため、封止性能がより高く、劣化のより少ない有機発光素子を最小限の封止層で製造することができる。
さらに、先に第1封止層を形成することで、短絡部位を除去する工程中に発生する飛散物質の保護性能に対する影響はほとんど無い。しかも、短絡除去部位直上の第2封止層についても、小面積でほぼ確実に被覆することができるため、封止性能の優れた封止層を有する有機発光素子を提供することができる。
以下に図面を用いて、本発明の有機発光装置の製造方法について詳細に説明する。
本発明では、有機発光素子の短絡部位の修復を、(1)短絡部位を特定する工程、(2)短絡部位を除去する工程、(3)除去された部位を被覆する工程、で行う。以下にその詳細について説明する。
図1は短絡部位が修復された有機発光素子を示している。図1中の101は第1電極、102は有機層、103は第2電極、104は第1封止層、105は異物(不純物)、106は短絡除去部位、108は第2封止層、109は分離層である。
まず、基板(図示は省略)の上に第1電極101と、有機層102と、第2電極103とを含む有機発光素子を形成し、第2電極103の上に無機材料からなり保護層として機能する第1封止層104を形成する。基板には予めTFT回路(図示は省略)が配置されており、第2電極103まで形成された有機発光素子は、外部取り出し電極に駆動装置を接続することで発光させることが可能である。
有機発光素子が複数配列された有機発光装置を製造する場合、複数の有機発光装置をまとめて1つの大型の基板で形成し、その後分割して1つの有機発光装置を得ることがある。この場合、分割する前の大型の基板の状態であっても素子を発光させることは可能である。発光素子(画素)はそれぞれTFT回路を介しているため、電極が短絡している場合、短絡部位を含む画素のみが発光しない、いわゆる欠陥画素となる。
まず、(1)短絡部位の特定について説明する。
図2は短絡部位の特定を行い、短絡部位にレーザー発生装置を用いて保護層として機能する第2封止層を形成する構成図を示している。図2中の200はTFT回路を含む基板、201は素子を発光させるための駆動装置、202は制御装置、203は低倍率顕微鏡、204は高倍率顕微鏡及び同じ光軸に照射可能なレーザー発生装置である。この二つの顕微鏡の映像とレーザーを含めた装置の位置は制御装置202にて管理される。
まず、第1封止層104まで作製した有機発光装置を駆動装置201に接続し、発光させる。次に低倍率顕微鏡203によって全素子を撮影し、非発光素子のアドレスを確定する。さらに非発光素子に高倍率顕微鏡204を移動し、発光していない素子の中から短絡部位を探し出す。
ここで短絡部位を特定する場合、素子を発光させながら特定する。このため、基板側から発光を取り出すボトムエミッション型の素子の場合には基板側から、基板とは反対側から発光を取り出すトップエミッション型の素子の場合には基板とは反対側から短絡部位の特定を行う。
短絡部位は、層構成の中でも有機層102が所定の部分に成膜しておらず、第2電極103と第1電極101とが接触する場合が多いが、その原因は、第1電極101の上に異物(不純物)105が存在している可能性が高い。従って、素子中の異物105の位置を確定しレーザー照射を行うことで、短絡部位は消失し、素子は発光するようになる。
この異物105の位置確定は、素子中の層の高低差を顕在化することで容易になる。そのためには通常の落射による明視野像よりも、斜めから光を入射する方が望ましい。
次に(2)短絡部位の除去について、説明する。
短絡の原因となる異物105の大きさは、基板洗浄や、成膜前プロセスまでのパーティクル管理を正しく行うことで、一定の大きさ以下に抑えることができる。異物105の大きさが一定以下であれば、レーザーパワーの設定も行いやすく、素子に大きなダメージを与えることなく短絡部位だけ除去させることが可能である。
短絡部位は第2電極103のみを除去することで修復できるが、実際は他の部分まで除去されてしまうのが一般的である。従って、レーザー照射は小さいパワーから開始し、徐々に上げていき発光した時点で照射を停止する。これを各短絡部位について繰り返す。
レーザー照射を行うときは、基板側から行っても、基板側とは反対側から行ってもよい。ただし、トップエミッション型の素子の場合では、基板とは反対側、即ち第1封止層側からレーザー照射を行うと、短絡部位の特定に用いた光学装置とレーザー照射に用いる光学装置とを兼用することができるため好ましい。
本発明では、短絡部位の除去は第1封止層104を成膜した後に行う。そのため、大気中、あるいは不活性ガス雰囲気中で短絡部位の除去を行うことができる。ところで第1封止層を成膜する前に短絡部位の除去を行う場合には、有機層に水分や酸素等が接触しないように真空下で行うことが求められる。しかしながら、素子を駆動するための駆動電源を接続し、かつ素子を発光させた状態で、真空中で短絡部位の除去を行うことは極めて難しい。この点に関して、本発明は短絡部位の除去を行う環境の選択の幅が広いため、より短時間で除去を行うことや、低コストで除去を行うことが可能になる。
次に、(3)除去された部位(短絡除去部位106)の被覆について説明する。
短絡除去部位106は、第2電極103だけでなく第1封止層104も除去されている場合が多い。短絡除去部位106に何も施さず有機発光素子を長時間大気中に暴露すると、水分や酸素等が大気中から有機層102に浸入し、修復した素子が非発光状態に戻ってしまう。さらに、除去された部位を起点に徐々にダークスポットが広がり、やがて広範囲に渡って複数の素子が発光しなくなってしまう。そこで、本発明は、第2封止層108で短絡除去部位106を被覆する。第1封止層側から有機発光素子の発光を外部に取り出す場合には、第2封止層108は窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素等の封止性能が高い光透過部材であることが好ましい。ただし修復した部位は基本的に発光しないため、金属等の遮光部材でも良い。発光したとしても1つの有機発光素子の中で小さい部分であるため発光量にはほとんど影響はない。ただし、金属は他の部材に比べて封止性能がより高いため、封止性能を高める観点からすると、第2封止層は金属であることが好ましい。
金属としては、例えばチタン、クロム、モリブデン、タングステン等が挙げられる。第2封止層108の形成には、局所に成膜可能な方法が用いられ、レーザーCVD法や、プラズマトーチを用いるマイクロプラズマCVD法が好適に用いられる。
使用されるガスは、Cr(CO)6、W(CO)6、Mo(CO)6等の金属カルボニルで、単体若しくはアルゴン等のキャリアーガスと共に用いられる。レーザーは高繰り返しのパルスレーザーが好ましい。高繰り返しパルスを用いれば、レーザー照射面を被処理面に応じて細かく移動させることにより、均一にレーザーパワーが与えられる。その結果、堆積膜は均一に形成されることになる。
成膜方法としては、前述の金属を含む原料ガスを基板表面に流し、短絡除去部位106にレーザーを照射する、局所CVD法により第2封止層108を堆積させる。堆積膜厚は防湿性能が充分満たされる膜厚であり、堆積面積は短絡除去部位106の面積により適宜変更される。変更手段は、局所CVD法による成膜の開始前に面積の計測を行ってもよいし、短絡除去時のレーザーパワーに応じてもよい。
以上より本発明に係る有機発光素子の製造方法は、第1封止層104まで積層された有機発光素子に対し短絡部位を特定する。そして、レーザー照射により短絡部位の少なくとも第1封止層104と第2電極103とを取り除き、短絡除去部位のみを第2封止層108で覆う。そのため、封止性能がより高く、劣化のより少ない有機発光素子を最小限の封止層で製造することができる。
さらに、先に第1封止層104を形成することで、短絡部位を除去する工程中に発生する飛散物質(素子の構成物質)の保護性能に対する影響はほとんど無い。しかも、短絡除去部位直上の第2封止層108についても、小面積でほぼ確実に被覆することができるため、優れた封止層を有する製造方法を提供することができる。
本発明はさらに(4)短絡除去部位106に絶縁部材(図示は省略)を充填する工程を有していることが好ましい。短絡除去部位106に絶縁部材を充填する工程を有する場合、上記(3)短絡除去部位106を被覆する工程は、その後に行われる。短絡除去部位106を直接、第2封止層108で被覆してもよいが、第1封止層104の膜厚が厚い場合等、短絡除去部位106が深い場合には、第2封止層108が均一に成膜されず十分に前記短絡除去部位106を被覆できない場合もある。このような場合には、短絡除去部位106に絶縁部材を平坦化するために充填した後に、第2封止層108で被覆することによって、より確実に前記短絡除去部位106を被覆し、より水分等から有機発光素子を保護することができる。
以下に、(4)短絡除去部位106への充填について説明する。
図3は短絡除去部位にインクジェット法を用いて絶縁部材を充填する構成図を示している。図3中の300は短絡部位が除去された基板、301は素子を発光させるための駆動装置、302は制御装置、303は低倍率顕微鏡、304は高倍率顕微鏡及び同じ光軸に照射可能なレーザー発生装置、305はインクジェット装置である。
インクジェット装置305の位置はレーザー照射と同じ位置に、吐出量は短絡除去部位106の大きさにより調整される。インクジェットの方式としては、圧電素子を用いたもの、加熱による気泡を用いるもの等が挙げられ、有機溶媒に少量の絶縁部材を溶解させた充填材を、細いノズルの先から飛ばし短絡除去部位106に着弾させる。着弾した充填材は短絡除去部位106に広がり、滑らかな表面を形成する。このとき、有機発光素子にダメージを与えない温度で加熱し、有機溶媒を速やかに除去するが、充填完了後に加熱乾燥を開始してもよい。有機溶媒の除去は加熱乾燥に限るものではなく、また有機溶媒が有機発光素子の非発光エリアを拡大するものでなければ、完全に除去する必要は無い。
有機溶媒としては、直鎖状若しくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、及びこれらの炭化水素のハロゲン置換体、シリコン溶液、シリコンオイルが挙げられる。これら有機溶媒中に絶縁部材として樹脂粒子を混ぜ合わせるが、その樹脂粒子としては室温において固体で、前記有機溶媒との親和性の良いものを用いる。例えば、オレフィン重合体、共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、フェノール樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。またこれらの樹脂粒子を有機溶媒中に分散させるために分散ポリマーを用いても良い。
また、短絡除去部位106が第2電極103のみであるような場合には、有機溶媒に正孔注入材料を溶解させた溶液を充填材として用いることも可能である。
これら充填材をインクジェット装置305に装填し、インクジェットヘッドをレーザー照射部分まで移動させることで位置を決定する。そのため、短絡部位の除去のためのレーザー照射を第1封止層側から行う場合には、短絡部位の特定、短絡部位の除去、充填材の形成、第2封止層の形成までの全工程を第1封止層側から行うことができる。この場合、短絡部位の特定から第2封止層の形成までに用いる光学装置を兼用することができるため好ましい。
充填材の吐出量は、レーザーパワーに比例するのが一般的であるが、レーザーパワーと短絡除去部位106の大きさとの詳細な相関関係は、何回かレーザー照射を行った後に決められる。こうして決められた短絡除去部位106の大きさに合わせて、充填材の量が決まる。
以上、インクジェット法を用いて短絡除去部位を充填する方法について説明したが、本発明の短絡除去部位の充填方法は他の方法であってもよい。インクジェット法以外には、例えば転写、マスク蒸着等が挙げられる。
以下に本発明の有機発光素子の製造方法について、実施例を示すが、以下の実施例で本発明の内容が限定されるものではない。
<実施例1>
[有機発光素子の作製]
図5は短絡部位が修復される前の有機発光素子を模式的に示している。基板上には図5に示す有機発光素子が複数形成されており、本実施例では複数の有機発光素子が形成されたものを以下の工程で修復する。図5中の501は第1電極、502は有機層、503は第2電極、504は第1封止層、505は異物、506は短絡部位、509は素子分離層である。
まず、TFT回路(図示は省略)と第1電極501を実装した400mm×500mmの大きさの集積基板上に、有機層502を蒸着した。基板の上には、複数の素子パターンが分離して配置されており、有機発光素子の作製完了後に分離される。
各素子パターンの中では、複数の第1電極501が素子分離層509により区分けされており、蒸着された有機層502は区分けされた第1電極501により独立して制御されるため、それぞれ1画素として動作する。
有機層502まで蒸着された後、第2電極503としてITOからなる透明電極をスパッタリングにより形成した。次に、窒化珪素からなる第1封止層504を1ミクロンの厚さでプラズマCVD法により、第2電極503の上に形成した。
第1電極501の上に異物505が存在した場合、異物505の周囲には有機層502が成膜されず、第2電極503が回り込み短絡部位506を形成するものと考えられる。また、複数の素子パターンはそれぞれ独立して発光確認が可能で、集積基板外への取り出し電極を介して駆動装置に接続される。
[短絡部位の修復]
第1封止層504まで形成された集積基板は、最初に発光テストを行った。
図2に示すように、400mm×500mmの大きさの基板200の上の対角に位置する2つの素子を基準位置として、アライメント補正を行った。その後、各素子は全て駆動装置201に接続し、発光状態にした上で、低倍率顕微鏡203(対物レンズ5倍)を用いて、素子パターンの全てを撮影した。撮影枚数は80枚で、素子パターン中の全ての画素について、発光か非発光かの判断が可能であった。アライメント補正してあるため、非発光の位置は正確に把握することが可能で、制御装置202に記録されている。
次に、高倍率顕微鏡204(対物レンズ20倍)を非発光画素部分に移動し、そこへリング状照明を当て擬似的に暗視野像で観察し、短絡の原因と思われる異物505の場所に光軸を合わせた。ここで観察された像から、短絡部位506の大きさを読み取り、レーザー除去のサイズを決定する。
さらに、レーザー照射装置として不図示のHOYA Laser System HCL−3100を用いて短絡部位506の除去を行った。高倍率顕微鏡204(対物レンズ20倍)と光軸を同じくする波長532nmのYAGレーザーを、パルス幅6ns、出力ダイヤル値10で照射開始した。ビーム径は10ミクロン□で、前述の高倍率顕微鏡204にて観察した異物505の径に合わせ、照射面をスキャンした。照射開始後、非点灯画素が点灯したところでレーザー照射を止め、短絡部位506の除去の完了とした。
さらに、図3に示すインクジェット装置305を用いて短絡除去部位に充填材(絶縁部材)を充填した。インクジェット装置305は制御装置302に接続されており、レーザー照射にて除去された短絡部位の処理情報により、充填材の量と着弾位置とを決定する。インクジェットヘッドの先端部幅は10ミクロン、ヘッドから短絡除去部位までの距離は1.0mmとした。突出パルス幅は最も短くて50マイクロ秒で、短絡除去部位の大きさによって適宜変更した。絶縁部材としては酢酸ビニルから重合した粒径約0.1ミクロンのラテックスを使用した。
図6は上記のように絶縁部材が充填された有機発光素子の断面模式図を示している。図6中の601は第1電極、602は有機層、603は第2電極、604は第1封止層、605は異物、607は絶縁部材、609は素子分離層である。図示したように、異物605の上の第2電極603が消失し、その除去部位に絶縁部材607が満たされている。
図4は短絡除去部位に局所CVD法を用いて第2封止層を形成する構成図を示している。図4中の400は短絡部位が除去された基板、401は素子を発光させるための駆動装置、402は制御装置である。403は低倍率顕微鏡、404は高倍率顕微鏡及び同じ光軸に照射可能なレーザー発生装置、405はインクジェット装置、406は局所CVD装置である。
局所CVD装置406は制御装置402に接続されており、この制御装置402の短絡除去部位の位置、大きさ情報等により、局所CVD装置406を所望の場所に移動する。
次にガス供給手段により、クロムカルボニルCr(CO)3とアルゴンガスとの混合ガスを原料としチャンバー内に導入するとともに、排気装置を作動させ、チャンバー内圧力を一定に保った。次に波長266nm、パルス幅70ns、繰り返し周波数10kHzのYAGレーザーを用い出力ダイヤル20にて5秒間照射し、厚さ700nm、直径15ミクロンのCr膜を形成した。レーザーは短絡除去部位の大きさによりスキャンし、照射時間を単位面積当り同等となるよう調整した。
こうして作製した有機発光素子の断面模式図は図7に示すとおりである。図7中の701は第1電極、702は有機層、703は第2電極、704は第1封止層、705は異物、706は短絡部位、707は絶縁部材、708は第2封止層、709は素子分離層である。この有機発光素子は、断面をTEMで観察し、第2封止層708の被覆状態を確認した。その結果、短絡除去部位には絶縁部材707が緻密に充填されており、Crの第2封止層708は、クラックの発生も無く短絡除去部位を被覆していることがわかった。
また、有機発光素子は、それぞれの電極から駆動電源に接続され、発光させることで発光効率の測定を行い、初期発光効率とした。その後、保護性能を確認するために、温度60℃、湿度90%の恒温槽中に500時間保管し、時間経過後再び発光効率の測定を行い、耐久後発光効率とした。その結果、耐久後の発光効率は、初期発光効率の95%以上であり、封止層としての機能が充分であることがわかった。
<実施例2>
実施例1で作製したものと同様の基板を用いて、有機層を蒸着し、その上に第2電極、第1封止層を順次形成した。
次に実施例1と同様に、各画素のアライメント補正を行った後に、発光検査を行い、短絡部位のレーザーによる除去処置を行った。このときレーザーの波長は266nmを用いた以外は実施例1と全く同様とした。
次に、短絡除去部位に絶縁部材を充填するに際し、有機溶媒に溶解させた正孔注入材料を充填材として用いて行った。このとき、第1封止層まで形成された有機発光素子は、60℃に保持されており、有機溶媒は基板に着弾するとすぐに蒸発する。正孔注入材料としては、トリフェニルアミンを0.5%溶解させた溶液をインクジェット装置により短絡除去部位に充填した。
続いて図4に示す局所CVD装置を用いて、絶縁部材の上に第2封止層としてタングステンを形成した。原料ガスとしてW(CO)3とアルゴンガスとの混合ガスを原料とした以外は実施例1と同じとした。
このようにして作製した有機発光素子は、実施例1と同様に、断面をTEMで観察し、絶縁部材、第2封止層の被覆状態を確認した。その結果、絶縁部材は短絡除去部位を緻密に充填しており、第2封止層は、クラックの発生も無く絶縁部材を被覆していることがわかった。
また、有機発光素子の初期発光効率と温度60℃、湿度90%、500時間耐久後の発光効率との測定を行った。その結果、耐久後の発光効率は、初期発光効率の93%以上であり、封止層としての機能が充分であることがわかった。
本発明に係る有機発光素子の製造方法によって、製造された有機発光素子の断面模式図を示している。 短絡部位の特定を行い、短絡部位を除去した後にレーザー発生装置を用いて第2封止層を形成する構成図を示している。 短絡除去部位にインクジェット装置を用いて絶縁部材を充填する構成図を示している。 短絡除去部位に局所CVD装置を用いて第2封止層を形成する構成図を示している。 短絡部位が修復される前の有機発光素子を示している。 短絡除去部位に絶縁部材が充填された有機発光素子の断面模式図を示している。 絶縁部材の上に第2封止層が形成された有機発光素子の断面模式図を示している。
符号の説明
101 第1電極
102 有機層
103 第2電極
104 第1封止層
105 異物
106 短絡除去部位
108 第2封止層
109 素子分離層
200、300、400 基板
201、301、401 駆動装置
202、302、402 制御装置
203、303、403 低倍率顕微鏡
204、304、404 高倍率顕微鏡及びレーザー照射装置
305、405 インクジェット装置
406 局所CVD装置
501、601、701 第1電極
502、602、702 有機層
503、603、703 第2電極
504、604、704 第1封止層
505、605、705 異物
506、706 短絡部位
607、707 絶縁部材
708 第2封止層
509、609、709 素子分離層

Claims (6)

  1. 基板の上に順に、第1電極と、有機層と、第2電極と、を含む有機発光素子を形成し、前記第2電極の上に第1封止層を形成する工程と、
    前記有機発光素子の短絡部位において、少なくとも前記第1封止層と前記第2電極とをレーザーを照射することにより除去する工程と、
    第2封止層を前記除去された部位に形成する工程と、を有することを特徴とする有機発光装置の製造方法。
  2. 絶縁部材を前記除去された部位に充填する工程を有し、
    前記第2封止層を形成する工程は、前記絶縁部材の上に形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光装置の製造方法。
  3. 前記第2電極及び前記第1封止層は、光透過部材であり、
    前記除去する工程は、前記第1封止層側から行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機発光装置の製造方法。
  4. 前記第2封止層を形成する工程は、局所CVD法により行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の有機発光装置の製造方法。
  5. 前記絶縁部材を充填する工程は、インクジェット法により行うことを特徴とする請求項2に記載の有機発光装置の製造方法。
  6. 基板の上に順に、第1電極と、有機層と、第2電極と、第1封止層を含む有機発光素子の短絡部位において、少なくとも前記第1封止層と前記第2電極とをレーザーを照射することにより除去する工程と、
    第2封止層を前記除去された部位に形成する工程と、を有することを特徴とする有機発光素子の短絡部位の修復方法。
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