JP2008266829A - 機能性繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

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隆之 関
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淳 赤松
Toshiyuki Baba
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Abstract


【課題】 キトサンを含有する機能性繊維構造物を簡単な工程で製造することができる機能性繊維構造物の製造方法およびその製造方法によって製造された機能性繊維構造物を提供することを目的とする。
【解決手段】 密閉した容器内に流体を供給して、容器内の温度および圧力を、それぞれ臨界温度および臨界圧力以上にすることによって、容器内に超臨界流体を充填する充填工程と、超臨界流体中で、キトサンの塩を繊維構造物に含浸させる含浸工程とを含む機能性繊維構造物の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維構造物に機能性を付与した機能性繊維構造物の製造方法およびこの製造方法によって製造された機能性繊維構造物に関する。
近年、衣服などの繊維製品は、衛生指向などの高まりに伴って、抗菌性などの種々の機能性を有する繊維製品が注目されている。たとえば、医療現場で用いられる衣料、シーツ、カーゼおよび包帯などの繊維製品は、院内感染を防止するために、抗菌性を有することが求められる。このような繊維製品は、人体と接触して用いられるので、人体への悪影響を軽減させるために、抗アレルギー性などの生体適合性および保湿性などがさらに求められる。
キトサンは、甲殻類などから得られるキチン(β−1,4−ポリ−N−アセチル−D−グルコサミン)を熱濃アルカリ液などで脱アセチル化した誘導体(β−1,4−ポリ−D−グルコサミン)であり、生体適合性に優れた天然高分子である。また、キトサンは、抗アレルギー性など生体適合性が優れているだけではなく、抗菌性、防臭性、保湿性および金属捕集性なども優れている。よって、機能剤としてキトサンを含有する繊維構造物は、キトサン以外の機能剤を含有する繊維構造物と比較して、人体に対して安全であり、高機能である。
機能剤を含有する機能性繊維製品を製造する方法には、機能剤を練り込んだ糸を用いて繊維製品を製造する方法と、機能剤を繊維構造物に付着させた機能性繊維構造物を用いて繊維製品を製造する方法とがある。
機能剤を練り込んだ糸を用いて繊維製品を製造する方法は、機能剤を溶解または分散させた紡糸原液から機能性を有する糸を紡糸し、この機能性を有する糸を編織などによって、繊維製品を得る方法である。繊維製品の機能性は、糸の表面付近に存在する機能剤に大きく影響され、糸の内部に存在する機能剤にはほとんど影響されない。機能剤を練り込んだ糸は、糸の表面だけでなく、糸の内部にも機能剤が均一に分散してしまう。よって、糸に導入されている機能剤の量に対する機能性の効果は低い。充分な機能性を発揮させるためには、多量の機能剤を練り込む必要がある。このように多量の機能剤を練り込んだ場合、糸の強度などの物理的性質が低下してしまう。また、多量の機能剤を用いるので、製造コストが高くなる。さらに、この方法は、繊維製品を構成する糸が、機能剤を練り込むことができる繊維からなる糸に限定されるので、得られた繊維製品の用途が限定されてしまう。また、紡糸時の処理温度が高く、耐熱性の低い機能剤を使用することができないので、使用できる機能剤も制限される。
機能剤を付着させた機能性繊維構造物を用いて繊維製品を製造する方法は、糸、織物、編物および不織布などの繊維構造物に、機能剤を付着させることによって、機能性繊維構造物を製造し、この機能性繊維構造物を縫製などによって、繊維製品を得る方法である。
この機能性繊維構造物を製造する方法としては、バインダー固着法および吸尽法などがある。バインダー固着法は、機能剤を含むバインダー樹脂を繊維構造物上に皮膜状に形成させる方法である。このバインダー固着法で機能性繊維構造物を製造する典型的な従来の技術は、特許文献1に記載されている。特許文献1には、キトサンなどのキチン系物質と合成樹脂とを含む液を基布の表面にコーティングすることによって得られる布帛が記載されている。この布帛は、合成樹脂に含まれるキチン系物質によって、キチン系物質の有する機能性である抗菌性を発揮することができる。しかしながら、抗菌性は、合成樹脂によって阻害され、高いものではない。また、洗濯などによって、基布にコーティングされた合成樹脂が脱落しやすく、合成樹脂の脱落とともにキチン系物質が脱落するので、洗濯などの耐久性が低い。
吸尽法は、界面活性剤などの分散剤によって、難水溶性の機能剤を水に分散させた処理液を製造し、この処理液を繊維構造物に含浸させる方法である。この方法は、水に、難水溶性の機能剤を分散させるために、多量の分散剤が必要であり、処理後の処理液から、機能剤および分散剤を回収することが困難である。したがって、処理後の処理液を廃液処理する必要がある。さらに、処理後の繊維構造物は、処理液によって湿潤しているので、乾燥させる必要がある。この方法によって得られた機能性繊維構造物は、繊維構造物内部に存在する機能剤は、機能性をあまり発揮することができず、繊維構造物表面付近に存在する機能剤は、機能性を発揮するが、繊維構造物には固定されておらず、洗濯などによって脱落しやすく、洗濯などの耐久性が低い。
機能性繊維構造物を製造する方法としては、バインダー固着法および吸尽法以外に、繊維構造物の繊維を改質後、改質した繊維に機能剤を反応させる方法がある。この方法の典型的な従来技術は、特許文献2に記載されている。特許文献2には、アクリル繊維表面のニトリル基を加水分解してカルボキシル基に改質させ、このカルボキシル基とキトサンのアミノ基とでポリイオンコンプレックス形成させることが記載されている。この方法によって、キトサンが結合されたアクリル繊維を得ることができる。しかしながら、アクリル繊維を一度改質する処理とキトサンを反応させる処理との少なくとも2つの処理が必要であり、効率が悪い。また、キトサンのアミノ基を介したポリイオンコンプレックスにより固定化されているため、アミノ基を失ったキトサンは充分な機能性を発揮することができず、さらに、キトサンのアミノ基と相互作用が高いカルボキシル基などの官能基の導入が容易にできる繊維に限定される。
そこで、機能剤の機能性を充分に発揮できる機能性繊維構造物を製造する方法としては、超臨界流体を用いて機能剤を繊維構造物に付着させて機能性繊維構造物を製造する方法がある。典型的な従来の技術は、特許文献3に記載されている。特許文献3には、親水性高分子が超臨界流体中に含有されている繊維用処理剤中で、繊維構造物を処理する繊維構造物の製造方法が記載されている。
他の従来技術として、特許文献3の技術と類似の技術が後述の特許文献に記載されている。特許文献4には、超臨界状態の二酸化炭素と極性溶媒との混合流体中にキトサンなどの抗菌剤を溶解させ、その溶媒と繊維とを接触させることによって繊維に抗菌加工する方法が記載されている。
特許文献5には、超臨界状態の二酸化炭素中で、水、界面活性剤および繊維処理成分を含む逆ミセルが形成している繊維処理剤を用いた繊維処理方法が記載されている。
特許文献6には、繊維材料とキトサンなどの機能剤とを超臨界状態の二酸化炭素流体中で反応させて、この繊維材料に機能性を付与させる方法が記載されている。
特許文献7には、大気中で基材を含浸処理槽内に投入した後、含浸処理槽を密閉し、含浸処理槽内の空気を減圧排気してから二酸化炭素を導入して、超臨界二酸化炭素中で機能加工剤などの含浸物質を基材に含浸させる含浸処理方法が記載されている。
特許文献8には、付与すべき有効成分を、高圧流体を媒体として、皮革の組織および繊維内に浸透させた皮革素材が記載されている。
特許2845517号公報 特開2002−146678号公報 特開2001−226874号公報 特開2002−4169号公報 特開2004−76190号公報 特開2002−201570号公報 特開2004−285514号公報 特開2004−27175号公報
特許文献3によると、親水性高分子を超臨界流体に溶解、分散および乳化して、得られた繊維用処理剤で繊維を処理するので、繊維内部に親水性高分子を導入することができる。しかしながら、キトサンを溶解することができる溶媒が少なく、キトサンは、超臨界流体に溶解、分散および乳化されない。したがって、この方法では、繊維にキトサンを導入することができない。
特許文献4によると、極性溶媒を添加することで、繊維と二酸化炭素との親和性および抗菌剤と二酸化炭素との親和性を制御することができるので、抗菌剤を溶解させた超臨界状態の二酸化炭素を繊維に接触させることによって、抗菌剤を繊維に付着させることができる。しかしながら、抗菌剤としてキトサンを用いた場合、添加する極性溶媒によっては、キトサンを溶解させることができるが、上述と同様の理由により、キトサンを溶解させることができない場合が多い。さらに、超臨界状態の二酸化炭素にキトサンを溶解させることができても、この方法では、繊維と二酸化炭素との親和性および抗菌剤と二酸化炭素との親和性を制御するために、極性溶媒を用いなければならず、極性溶媒を含む廃液が生じるので、廃液処理をしなければならない。
特許文献5によると、超臨界状態の二酸化炭素中で、水、界面活性剤および繊維処理剤を含む逆ミセルが繊維製品表面に接触することによって、逆ミセルに内包されている繊維処理剤が、繊維製品に供給されるので、繊維製品を処理することができる。しかしながら、この方法は、繊維処理剤を繊維製品に導入させるために、多量の界面活性剤を用いなければならない。繊維製品に付着した界面活性剤は、水洗によって除去する必要があり、繊維製品を乾燥させる必要もある。また、界面活性剤を含む廃液が生じるので、廃液処理をしなければならない。繊維製品に付着しなかった界面活性剤は、超臨界状態の二酸化炭素から分離する必要がある。さらに、逆ミセルを形成するためには、繊維処理剤が水溶性または水分散性である必要があるので、難水溶性であるキトサンは、逆ミセルを形成することが困難であり、キトサンを繊維に付着させることが困難である。
特許文献6によると、繊維材料とキトサンなどの機能剤とを超臨界状態の二酸化炭素流体中で反応させることによって、繊維材料に機能性を付与させる方法が記載されているが、超臨界状態の二酸化炭素流体にキトサンは溶解できず、界面活性剤および極性溶媒を用いるなどの機能剤の導入率を高める工夫が全くされていない。よって、この方法では、キトサンを繊維材料に固定化することができず、キトサンが付着しても、表面に付着するぐらいである。したがって、洗濯などによってすぐ脱落してしまい、洗濯などの耐久性も非常に低い。
特許文献7によると、超臨界二酸化炭素中で含浸物質を基材に含浸させるが、含浸物質としてキトサンを用いると、超臨界二酸化炭素にキトサンが溶解しないので、キトサンを基材に固定化することができない。
特許文献8によると、付与すべき有効成分を、高圧流体を媒体として、皮革の組織および繊維内に浸透させるが、付与すべき有効成分としてキトサンを用いると、高圧流体にキトサンが溶解しないので、キトサンを皮革組織に固定化することができない。
本発明の目的は、キトサンを含有する機能性繊維構造物を簡単な工程で製造することができる機能性繊維構造物の製造方法およびその製造方法によって製造された機能性繊維構造物を提供することである。
本発明は、密閉した容器内に流体を供給して、前記容器内の温度および圧力を、それぞれ臨界温度および臨界圧力以上にすることによって、前記容器内に超臨界流体を充填する充填工程と、
前記超臨界流体中で、キトサンの塩を繊維構造物に含浸させる含浸工程とを含むことを特徴とする機能性繊維構造物の製造方法である。
また本発明は、前記キトサンの塩は、キトサン乳酸塩、キトサン酢酸塩およびキトサン塩酸塩の1種または2種以上であることを特徴とする。
また本発明は、前記キトサンの塩は、数平均分子量が200以上5万以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記キトサンは、脱アセチル化度が60%以上100%以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記超臨界流体は、超臨界状態の二酸化炭素、窒素、水、炭化水素類およびアルコール類から選ばれる1種以上であることを特徴とする。
また本発明は、前記機能性繊維構造物の製造方法によって製造されることを特徴とする機能性繊維構造物である。
本発明によれば、密閉した容器内に流体を供給して、容器内の温度および圧力を、それぞれ臨界温度および臨界圧力以上にすることによって、容器内に超臨界流体を充填する充填工程と、この超臨界流体中で、キトサンの塩を繊維構造物に含浸させる含浸工程とを含む機能性繊維構造物の製造方法である。
充填工程で、容器内に超臨界流体を充填することができる。流体は、超臨界状態にすると、有機化合物であるキトサンの塩との相溶性を高め、キトサンの塩を溶解させる力を向上させる。したがって、超臨界流体は、界面活性剤および極性溶媒などの助剤を用いずに、キトサンの塩を溶解させることができる。また、超臨界流体は、繊維構造物を構成する繊維を膨潤させることができる。特に、疎水性の繊維の場合、この膨潤させるという効果が大きい。
含浸工程で、超臨界流体中で、キトサンの塩を繊維構造物に含浸させることによって、超臨界流体に溶解したキトサンの塩を、膨潤した繊維に接触させることができ、キトサンを塩の状態で繊維に均一に付着させることができる。さらに、繊維は、膨潤しているので、キトサンの塩が繊維内に入り込む。
その際、容器内の温度および圧力を調整することによって、繊維の膨潤の度合を容易に調整することができ、その膨潤の度合を調整することによって、キトサンを繊維表面付近に局所的に存在させることができるので、繊維に付着させたキトサンの有する機能性である生体適合性、抗菌性、防臭性および保湿性などを最大限発揮することができる。
超臨界流体は、たとえば、容器を開放して、容器内を常温常圧にすることによって、容易に除去することができる。その際、膨潤した繊維は、膨潤前の状態まで収縮する。膨潤している繊維に付着しているキトサンの塩が、繊維が収縮する際に、繊維を構成する高分子鎖に挟み込まれることによって、繊維表面に強固に保持される。つまり、キトサンが、いわゆるアンカー効果によって、繊維表面に強固に保持される。
以上より、この製造方法で製造された機能性繊維構造物は、キトサンが、アンカー効果によって、繊維表面付近に強固に保持されている。したがって、この機能性繊維構造物は、洗濯などによってキトサンが脱落することのない耐久性の高いものである。また、この機能性繊維構造物は、繊維表面付近に局所的にキトサンが存在するので、機能性の高いものである。さらに、この機能性繊維構造物を製造する際に、繊維構造物を水洗したり、乾燥させたりする必要がないので、簡単な工程で製造することができる。
また本発明によれば、キトサンの塩は、キトサン乳酸塩、キトサン酢酸塩およびキトサン塩酸塩の1種または2種以上である。そうすることによって、キトサンの塩が超臨界流体に溶けやすく、容易に機能性繊維構造物を製造することができる。
また本発明によれば、キトサンの塩は、数平均分子量が200以上5万以下であるので、キトサンの塩としては、分子量が低く、超臨界流体に溶けやすい。したがって、容易に機能性繊維構造物を製造することができる。
また本発明によれば、キトサンは、脱アセチル化度が60%以上100%以下である。そうすることによって、有機酸や無機酸と塩を形成することができるアミノ基が増えるので、キトサンが塩状態で超臨界流体に溶けやすく、容易に機能性繊維構造物を製造することができる。
また本発明によれば、超臨界流体は、超臨界状態の二酸化炭素、窒素、水、炭化水素類およびアルコール類から選ばれる1種以上であることが好ましい。そうすることによって、キトサンの塩を、界面活性剤および極性溶媒などの助剤を用いずに溶解させることができるので、容易に抗菌性繊維構造物を製造することができる。
また本発明によれば、上記製造方法によって製造される機能性繊維構造物である。この機能性繊維構造物は、キトサンが、アンカー効果によって、繊維表面付近に強固に保持されている。したがって、この抗菌性繊維構造物は、洗濯などによってキトサンが脱落することのない耐久性の高いものである。また、この機能性繊維構造物は、繊維表面付近に局所的にキトサンが存在するので、機能性の高いものである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明である機能性繊維構造物の製造方法は、充填工程と含浸工程とを含む。充填工程では、密閉した容器内に流体を供給して、容器内の温度および圧力を、それぞれ臨界温度および臨界圧力以上にすることによって、容器内に超臨界流体を充填する。含浸工程では、充填工程で容器内に充填した超臨界流体中で、キトサンを繊維構造物に含浸させる。
充填工程は、上記のように容器内に超臨界流体を充填する。超臨界流体とは、超臨界状態の流体である。超臨界状態とは、流体の温度および圧力を、それぞれ臨界温度および臨界圧力以上にした状態であり、超臨界流体は、気体の性質および液体の性質の中間の性質を示す。たとえば、超臨界流体の密度は、気体の密度の数百倍であり、液体の密度に近い。粘度は、液体の粘度の1/10〜1/100であり、気体の粘度に近い。熱伝導度は、気体の熱伝導度の100倍程度であり、液体の熱伝導度に近い。
超臨界流体は、温度および圧力の変化により、物質の溶解力、溶解特性を大幅に変化させることができる性質を有しており、反応溶媒および抽出溶媒などとして用いると、超臨界流体は非常に優れた溶媒である。流体は、超臨界状態にすると、有機化合物であるキトサンの塩との相溶性を高め、キトサンの塩を溶解させる力を向上させる。したがって、超臨界流体は、界面活性剤および極性溶媒などの助剤を用いずに、キトサンの塩を溶解させることができる。さらに、超臨界流体は繊維構造物を構成する合成繊維および半合成繊維などの繊維を膨潤させることができる。その際、容器内の温度および圧力を調整することによって、繊維の膨潤の度合を容易に調整することができる。
また、超臨界流体は、気体と同様、拡散しやすい性質を有しているので、超臨界流体に溶解されたキトサンの塩は、容器内に均一に分散される。
含浸工程で、超臨界流体中で、キトサンの塩を繊維構造物に含浸させることによって、超臨界流体に溶解したキトサンの塩を、膨潤した繊維に接触させることができ、キトサンを塩状態で繊維に均一に付着させることができる。さらに、繊維は、膨潤しているので、キトサンの塩が繊維内に入り込む。その際、膨潤の度合を調整することによって、キトサンの塩を繊維表面付近に局所的に存在させることができるので、繊維に付着させたキトサンの機能性を最大限発揮することができる。
また、超臨界流体は、容器内の圧力および温度の少なくともいずれか一方が臨界圧力および臨界温度より低いと、液体または気体になる。たとえば、容器内の圧力を臨界圧力以上のままで、容器内の温度を臨界温度より低くすると、液体に変化する。また、容器内の温度を臨界温度以上のままで、容器内の圧力を臨界圧力より低くすると、気体に変化する。
含浸工程後、容器内の圧力または温度を臨界圧力または臨界温度以下にすること、たとえば、容器を開放して、容器内を常温常圧にすることによって、超臨界流体が気体または液体となり、超臨界流体で膨潤していた繊維は、膨潤前の状態まで収縮する。膨潤している繊維に付着しているキトサンの塩が、繊維が収縮する際に、繊維を構成する高分子鎖に挟み込まれることによって、繊維表面に強固に保持される。つまり、キトサンの塩が、いわゆるアンカー効果によって、繊維表面に強固に保持される。また、容器内の圧力または温度を臨界圧力または臨界温度以下にすることによって、容器内の超臨界流体を容易に除去することができる。
以上より、この製造方法で製造された機能性繊維構造物は、キトサンの塩が、アンカー効果によって、繊維表面付近に強固に保持されている。したがって、この機能性繊維構造物は、洗濯などによってキトサンの塩が脱落することのない耐久性の高いものである。また、この機能性繊維構造物は、繊維表面付近に局所的にキトサンの塩が存在するので、機能性の高いものである。さらに、機能性繊維構造物を製造する際に、繊維構造物を水洗したり、乾燥させたりする必要がないので、簡単な工程で製造することができる。
また、充填工程は、キトサンの塩と繊維構造物とを収容した容器内の温度を流体の臨界温度以上になるように、容器を加温する加温工程と、容器内に、流体を供給する供給工程とを含む。その際、供給工程は、加温工程後に行う。
そうすることによって、流体を供給する前に、繊維構造物を予め加温しておくことで、繊維がより膨潤し、アンカー効果をより発揮し、耐久性の高い繊維構造物が得られる。
キトサンは、甲殻類などから得られるキチン(β−1,4−ポリ−N−アセチル−D−グルコサミン)を熱濃アルカリ液などで脱アセチル化した誘導体(β−1,4−ポリ−D−グルコサミン)である。キトサンは、キチンを脱アセチル化して得られるので、アミノ基が形成されており、生体適合性、抗菌性、防臭性、保湿性および金属捕集性などの機能性に優れた天然高分子である。また、キトサンは、溶解させることができる溶媒が少なく、超臨界流体にも溶解しない。キトサンは、塩状態であれば、超臨界流体に溶解する。よって、キトサンの塩を溶解させた超臨界流体を繊維構造物に接触させることによって、キトサンを塩状態で繊維構造物に均一に付着させることができる。
キトサンの塩は、公知のキトサン塩を用いることができ、キトサンのアミノ基と有機酸とで塩を形成しているキトサン塩であってもよいし、キトサンのアミノ基と無機酸とで塩を形成しているキトサン塩であってもよい。たとえば、キトサン塩酸塩およびキトサン硝酸塩などのキトサン無機酸塩、キトサン酢酸塩、キトサン乳酸塩、キトサンアジピン酸塩、キトサン・dl−ピロリドンカルボン酸塩およびキトサンアスコルビン酸塩などのキトサン有機酸塩などが挙げられ、その中で、キトサン乳酸塩、キトサン酢酸塩およびキトサン塩酸塩が好ましく、より好ましくはキトサン乳酸塩である。そうすることによって、キトサンの塩が超臨界流体に溶けやすく、容易に機能性繊維構造物を製造することができる。また、キトサンの塩は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
キトサンの塩は、数平均分子量が200以上5万以下であることが好ましい。キトサンの塩の分子量としては低いので、このキトサンの塩は超臨界流体に溶けやすい。したがって、容易に機能性繊維構造物を製造することができる。数平均分子量が200未満であると、繊維構造物に付着しても、キトサンの機能性を発揮することができなくなり、5万を超えると、超臨界流体に溶解しにくくなって、繊維構造物に均一に付着できなくなる。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によって測定することができる。
キトサンは、キチンを脱アセチル化して得られる化合物であればよく、すべてのアセチル基を脱アセチル化した化合物に限定されるわけではない。キトサンは、脱アセチル化度が60%以上100%以下であることが好ましく、より好ましくは、80%以上100%以下である。そうすることによって、有機酸や無機酸と塩を形成することができるアミノ基が増えるので、キトサンが塩状態で超臨界流体に溶けやすく、容易に機能性繊維構造物を製造することができる。60%未満であると、キトサンのアミノ基が少なく、キトサンの塩は、塩状態の基が少ない。よって、キトサンの塩が超臨界流体に溶解しにくく、繊維構造物に均一に付着できなくなる。
脱アセチル化度は、たとえば、財団法人日本健康・栄養食品協会「健康食品規格基準の公示」(平成7年6月1日発行)の方法に準じた方法を用いて測定する。この方法は、ポリビニル硫酸カリウム(PVSK)を使用したコロイド滴定によって遊離アミノ基を測定し、キトサンの脱アセチル化度を求める。具体的には、200mlメスフラスコ中に乾燥減量試験法にしたがった乾燥後、キトサン試料1.0gを精密採取し、0.5%酢酸溶液を加えて溶解し、正確に200mlとする。キトサン試料溶液1.0gを正確に滴定容器に採取し、水50mlとトルイジンブルー(指示薬)試料溶液0.2mlを加えて充分混合後、ポリビニル硫酸カリウム溶液で滴定する。終点は青色が赤紫色に変わる点とする。滴定量をVmlとする。この滴定量Vmlから算出する。
また、キトサンの塩の添加量は、繊維構造物に対して0.01重量%以上200重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1重量%以上10重量%以下である。0.01重量%より少ないと、充分に機能性を発揮させることができず、200重量%より多いと、繊維構造物に付着されないキトサンの塩が多くなり、製造コストが高くなってしまう。
超臨界流体は、超臨界状態であれば、公知の流体を用いることができ、たとえば、超臨界状態の二酸化炭素、窒素、水、炭化水素類およびアルコール類などが挙げられ、超臨界状態の二酸化炭素であることが好ましい。そうすることによって、キトサンの塩を、界面活性剤および極性溶媒などの助剤を用いずに溶解させることができるので、容易に機能性繊維構造物を製造することができる。また、流体は、単独で使用してもよいし、複数の流体を混合して使用してもよい。二酸化炭素は、臨界圧力が7.38MPaと比較的低圧であり、臨界温度が31.0℃と比較的低温であるので、超臨界状態の二酸化炭素は、安全性の点で優れている。さらに、超臨界状態の二酸化炭素を除去する際、気体になるので、容易にキトサンの塩を回収することができる。また、含浸工程を比較的低温度で行うことができるので、繊維構造物が熱によって傷むことが少ない。超臨界状態の水に膨潤する繊維構造物を用いても、機能性繊維構造物を製造することができる。
繊維構造物とは、糸、織物、編物、不織布などのことであり、繊維構造物を構成する繊維としては、公知の繊維を用いることができる。たとえば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6(ポリカプロラクタム)およびナイロン66(ポリヘキサメチレンアジポアミド)などのポリアミドなどの合成繊維、酢酸セルロース(アセテートセルロース)などの半合成繊維などが挙げられ、ポリエステルおよびアセテートセルロースが好ましい。繊維は、単独で使用してもよいし、複数の繊維を混合して使用してもよい。また、繊維構造物を構成する繊維の1本のフィラメントの繊度は、0.05デシテックス以上3000デシテックス以下が好ましい。
加温工程では、流体として二酸化炭素を用いた場合、容器内の温度が40℃以上150℃以下まで加温することが好ましい。より好ましくは、50℃以上130℃以下まで加温することであり、さらに好ましくは、80℃以上130℃以下まで加温することである。40℃より低いと、加圧しても二酸化炭素が安定した超臨界状態にはならず、150℃より高いと、繊維構造物を傷めてしまうおそれがある。
含浸工程では、流体として二酸化炭素を用いた場合、容器内の温度が40℃以上150℃以下であることが好ましい。40℃より低いと、加圧しても二酸化炭素が安定した超臨界状態にはならず、150℃より高いと、繊維構造物を傷めてしまうおそれがある。さらに、含浸工程では、流体として二酸化炭素を用いた場合、容器内の圧力が、8MPa以上であることが好ましい。8MPaより低いと、加温しても二酸化炭素が安定した超臨界状態にはならない。また、容器内の圧力は、高いほど好ましく、容器内の圧力に上限はないが、容器の耐圧性などから、60MPaを超える値となることはほとんどないので、60MPaが上限値となる。また含浸工程の処理時間(含浸時間)は、1分間以上3時間以下であることが好ましい。1分間より短いと、キトサンの塩が繊維構造物に充分に付着させることができず、3時間より長いと、キトサンの塩が繊維構造物に付着される量が変わらず、無駄である。
図1は、本発明である機能性繊維構造物の製造方法によって機能性繊維構造物を製造する製造装置1を示す概略図である。
製造装置1は、ボンベ10と、ポンプ11と、容器12と、恒温槽13と、バルブ14,15とを含んで構成される。ボンベ10は、流体が充填されている。ポンプ11は、ボンベ10から所定の圧力に加圧した流体を容器12に供給する。ポンプ11は、たとえば、流体を冷却して液体状態の流体を送液するポンプである。容器12は、圧力調整弁が備えられており、容器内の圧力を一定に保つことができる。恒温槽13は、容器12を収納して、容器12内の温度を調整する。
まず、容器12中に、繊維構造物およびキトサンの塩を収容しておく。恒温槽13は、容器12内の温度が所定の温度となるように加温する。その後、流体が充填されたボンベ10からポンプ11により所定の圧力に加圧した流体を容器12に供給する。この流体は、バルブ14を介して供給され、バルブ15を介して排出される。また、容器12は、圧力調整弁およびバルブ14,15などによって、内部の圧力が所定の圧力となるように調整される。容器12内の温度および圧力は、温度計および圧力計などによって測定される。恒温槽13は、流体を循環させる循環ポンプなどの攪拌機を備えることによって、容器12内の流体を撹拌する。また、容器12内の流体を撹拌するために、恒温槽13に攪拌機を備える代わりに、恒温槽13は、マグネットスターラを備え、容器12にスターラチップを入れて、容器12内の流体を撹拌してもよいし、容器12を回転させる装置を備えてもよい。
製造装置1を用いることによって、キトサンの塩を溶解した超臨界流体を、繊維構造物の繊維に接触させることができ、キトサンの塩を繊維に均一に付着させることができる。
[実施例A]
まず、繊維構造物に含浸させる機能剤の影響について検討する。
[製造方法]
(実施例1)
実施例1は、図1に示すような製造装置1を用いる。製造装置1としては、容器12の容積が2.23Lの容器である小型試験機(日阪製作所製、HVI−SC)を用いた。
まず、容器12中に、繊維構造物としてポリエチレンテレフタレート(PET)からなる布(PET布)22.3g、機能剤としてキトサンの塩であるキトサン乳酸塩(株式会社共和テクノス製、フローナックSL、重量平均分子量3,000〜7,000、脱アセチル化度85〜92%)5.58gを収容した。浴比は1:100(生地重量22.3gと容器12の容積2.23Lとの比)となり、機能剤(キトサンの塩)濃度は、2.5g/L(容器12の容積2.23Lに対し、機能剤5.58g)となる。その後、ポンプ11によって、二酸化炭素を容器12内に供給することによって、容器12内の圧力を、25MPaまで加圧し、恒温槽13によって、容器12内の温度を120℃まで加温した。そして、恒温槽13によって、容器12内の温度を120℃に、圧力調整弁およびバルブ14,15によって、容器12内の圧力が25MPaに1時間保持し、製造装置1[小型試験機(日阪製作所製、HVI−SC)]に備えられた攪拌機によって、容器12内の二酸化炭素を撹拌した。そうすることによって、キトサン乳酸塩を溶解した超臨界二酸化炭素に、PET布を1時間含浸させた。攪拌機の出力は、最大出力の30%に設定した。ポリエチレンテレフタレート布は、経糸緯糸ともに167デシテックス48フィラメント(48本のフィラメントを1本に束ねた状態の太さが167デシテックス)のポリエチレンテレフタレート糸からなる布を用いた。
(実施例2)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン乳酸塩(ケイ・アイ化成株式会社製、キトモイストSK・乳酸塩、数平均分子量15,000〜20,000、脱アセチル化度80〜85%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(実施例3)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン乳酸塩(焼津水産化学工業株式会社製、COS−Y、分子量は、組成2糖〜5糖に相当、脱アセチル化度80〜90%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(実施例4)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン酢酸塩(株式会社キミカ製、キミカキトサンA、重量平均分子量50万、脱アセチル化度70%以上)を用いる以外、実施例1と同様である。
(実施例5)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン酢酸塩(ケイ・アイ化成株式会社製、キトモイストSK・酢酸塩、数平均分子量15,000〜20,000、脱アセチル化度80〜85%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(実施例6)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン塩酸塩(焼津水産化学工業株式会社製、COS−YS、分子量は、組成2糖〜5糖に相当、脱アセチル化度80〜90%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例1)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キチン(甲陽ケミカル株式会社製、TC−L、重量平均分子量数万から数十万)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例2)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キチン(甲陽ケミカル株式会社製、キチンオリゴ糖、分子量は、組成2糖〜5糖に相当、ただし単糖50%以下、2糖〜6糖50%以上)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例3)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キチン(焼津水産化学工業株式会社製、キチンF−30、重量平均分子量2万、脱アセチル化度25〜35%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例4)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キチン(ヤヱガキ醗酵技研株式会社製、イカキチン、重量平均分子量100万)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例5)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン(北海道曹達株式会社製、MA-1、重量平均分子量100万〜120万、数平均分子量15万〜20万、粒径3.0mm以下、脱アセチル化度80%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例6)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン(北海道曹達株式会社製、MA-1 0.5〜1.0mm品、重量平均分子量100万〜120万、数平均分子量15万〜20万、粒径0.5mm〜1.0mm、脱アセチル化度80%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例7)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン(北海道曹達社製、MA-1LP、重量平均分子量100万〜120万、数平均分子量15万〜20万、粒径0.2mm以下、脱アセチル化度80%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例8)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン(北海道曹達株式会社製、MC−2W、重量平均分子量8万〜10万、数平均分子量2万〜5万、粒径3.0mm以下、脱アセチル化度80%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例9)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン(北海道曹達株式会社製、HA-1、重量平均分子量80万〜90万、数平均分子量10万〜15万、粒径3.0mm以下、脱アセチル化度95%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例10)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン(北海道曹達株式会社製、HC−2W、重量平均分子量8万〜10万、数平均分子量2万〜5万、粒径3.0mm以下、脱アセチル化度95%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例11)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン(トスコ株式会社製、キトファイン、重量平均分子量3万、粒径0.012mm、脱アセチル化度80%〜95%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例12)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン(株式会社共和テクノス社製、フローナックC、重量平均分子量10万、脱アセチル化度85〜92%)を用いる以外、実施例1と同様である。
(比較例13)
機能剤として、キトサン乳酸塩(フローナックSL)の代わりに、キトサン(株式会社キミカ社製、キミカキトサンF、重量平均分子量16万、数平均分子量3万、脱アセチル化度80〜90%)を用いる以外、実施例1と同様である。
[評価方法]
実施例1〜6および比較例1〜13によって製造された機能性繊維構造物を、社団法人繊維評価技術協議会のSEKマークの一般用途製品の洗濯方法(洗濯水の温度40℃)に準じて、50回洗濯し、風乾させた。洗濯前の機能性繊維構造物を初期布とし、50回洗濯した後、風乾させた機能性繊維構造物を洗濯布とする。また、実施例1〜6および比較例1〜13による処理を施すための布を加工布とし、機能剤を含有させない処理を施すための布をブランク布とする。
実施例1〜6および比較例1〜13について、機能剤の重量減少率および機能剤の推定導入率を下記に示すように求めた。
(機能剤の重量減少率)
機能剤の重量減少率A(%)は、機能剤が超臨界二酸化炭素に溶解した割合を示すもので、下記に示すように求めた。
容器12に添加した機能剤の重量W1(g)および処理後、容器12内に残った機能剤の重量W2(g)を測定し、次式によって、機能剤の重量減少率A(%)を算出した。
A=(W1−W2)/W1
(機能剤の推定導入率)
初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率は、機能剤が生地に導入されている割合を示すもので、下記に示すように求めた。
加工布を処理する前の重量Wsb(g)、加工布を処理した後の初期布の重量Wsa(g)、ブランク布を処理する前の重量Wbb(g)、ブランク布の処理した後の初期布の重量Wba(g)、加工布を処理した後の洗濯布の重量Wsl(g)、ブランク布の処理した後の洗濯布の重量Wbl(g)を測定し、次式によって、初期布の機能剤の推定導入率B(%)および洗濯布の機能剤の推定導入率C(%)を算出した。
B=[{(Wsa−Wsb)/Wsb}−{(Wba−Wbb)/Wbb}]×100
C=[{(Wsl−Wsb)/Wsb}−{(Wbl−Wbb)/Wbb}]×100
(測定結果)
実施例1〜6および比較例1〜13についての機能剤の重量減少率および機能剤の推定導入率の測定結果を表1に示した。
Figure 2008266829
機能剤としてキトサンの塩を用いて処理した場合(実施例1〜6)、機能剤の重量減少率が高い。このことから、超臨界二酸化炭素に機能剤が溶解しており、機能剤を繊維構造物に付着させることができることを示している。よって、繊維構造物の種類などによっては、機能剤を繊維構造物に付着させることができる。このことは、機能剤の推定導入率の結果から支持される。さらに、キトサンの塩としてキトサン乳酸塩を用いた場合(実施例1〜3)、機能剤の重量減少率および機能剤の推定導入率の両方とも高い。よって、キトサンの塩としてキトサン乳酸塩がより好ましいと言える。
それに対して、機能剤としてキチンおよびキトサンを用いて処理した場合(比較例1〜13)、機能剤の重量減少率が低い。このことから、キチンおよびキトサンは超臨界二酸化炭素にはほとんど溶解せず、繊維構造物の種類などにかかわらず、機能剤を繊維構造物に付着させることができない。また、比較例1〜13は、機能剤の重量減少率が低く、初期布の機能剤の推定導入率が低いので、洗濯布の機能剤の推定導入率は、当然低い。よって、洗濯布の機能剤の推定導入率は測定していない。
[実施例B]
次に、溶媒の影響について検討する。
実施例としては、上記実施例1を用いた。
(比較例14)
機能剤としてキトサンの塩であるキトサン乳酸塩(株式会社共和テクノス製、フローナックSL、重量平均分子量3,000〜7,000、脱アセチル化度85〜92%)5.00gを水2.00Lに溶解させ、処理装置(株式会社テクサム技研製、MINI COLOR)内の容器の中にいれ、繊維構造物としてポリエチレンテレフタレート(PET)からなる布(PET布)20.0gを収容した。浴比は1:100(生地重量20.0gと液量2.00Lとの比)となり、機能剤(キトサンの塩)濃度は、2.5g/L(液量2.00Lに対し、機能剤5.00g)となる。その後、恒温装置によって、容器内の温度を120℃まで加温し、1時間処理した。
実施例1および比較例14について、機能剤の推定導入率を上記に示すように求めた。実施例1については、上記のとおり、機能剤の重量減少率および機能剤の推定導入率が高い。それに対して、比較例14は、初期布の機能剤の推定導入率は、0.03%であり、洗濯布の機能剤の推定導入率は、0.06%である。また、キトサン乳酸塩は、水には溶解しなかったので、機能剤の重量減少率を測定していない。よって、機能剤としてキトサン乳酸塩を用いても、溶媒として水を用いた場合、機能剤を溶解させることができず、機能剤を繊維構造物に付着させることができない。
[実施例C]
機能剤濃度、浴比、処理時間、処理温度および撹拌機の出力などの処理条件の影響について検討した。
(機能剤濃度および浴比の検討)
図2は、機能剤濃度および浴比の影響を示すグラフである。図2(a)は、機能剤濃度と機能剤の重量減少率A(%)との関係を示し、図2(b)は、機能剤濃度と初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)との関係を示す。図2(a)のグラフの横軸は、機能剤濃度(g/L)を示し、縦軸は、機能剤の重量減少率A(%)を示す。図2(b)のグラフの横軸は、機能剤濃度(g/L)を示し、縦軸は、初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)を示す。これらのグラフは、機能剤濃度および浴比以外、実施例1と同様の製造方法による結果を示す。曲線21は、浴比1:200で製造した初期布の結果を示し、曲線22は、浴比1:200で製造した洗濯布の結果を示し、曲線23は、浴比1:100で製造した初期布の結果を示し、曲線24は、浴比1:100で製造した洗濯布の結果を示し、曲線25は、浴比1:50で製造した初期布の結果を示し、曲線26は、浴比1:50で製造した洗濯布の結果を示す。
図2(a)に示すように、浴比にかかわらず、機能剤濃度が高まると、機能剤の重量減少率が減少する。このことは、機能剤濃度が高まると、機能剤が飽和状態に近づき、機能剤が溶けにくくなることを示す。また、図2(b)に示すように、浴比にかかわらず、機能剤濃度が高まると、初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率が増加する。このことから、より多く機能剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を用いるほうが、より付着率を高めることができることがわかる。これらのことから、機能剤濃度を高めると、繊維構造物に付着される機能剤が増えるが、それ以上に繊維構造物に付着されない機能剤が増えてしまう。したがって、機能剤を無駄にしないようにする場合には、機能剤濃度は、低いほうが好ましく、繊維構造物に付着する機能剤が多いほうがよい場合には、機能剤濃度は、高いほうが好ましい。また、浴比は、大きいほうが好ましいことがわかり、1:200が最も好ましい。
(処理時間の検討)
図3は、処理時間の影響を示すグラフである。図3(a)は、処理時間と機能剤の重量減少率A(%)との関係を示し、図3(b)は、処理時間と初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)との関係を示す。図3(a)のグラフの横軸は、処理時間(時間)を示し、縦軸は、機能剤の重量減少率A(%)を示す。図3(b)のグラフの横軸は、処理時間(時間)を示し、縦軸は、初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)を示す。これらのグラフは、処理時間以外、実施例1と同様の製造方法による結果を示す。曲線27は、初期布の結果を示し、曲線28は、洗濯布の結果を示す。
図3(a)に示すように、処理時間が増加すると、重量減少率が増加する。また、図3(b)に示すように、処理時間が3時間ぐらいまでは処理時間が増加すると、初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)が増加するが、処理時間が3時間を越えて処理時間が増加すると、初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)が減少する。以上より、処理時間は、4時間以下が好ましく、より好ましくは、1分間以上3時間以下である。
(処理温度の検討)
図4は、処理温度の影響を示すグラフである。図4(a)は、処理温度と機能剤の重量減少率A(%)との関係を示し、図4(b)は、処理温度と初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)との関係を示す。図4(a)のグラフの横軸は、処理温度(℃)を示し、縦軸は、機能剤の重量減少率A(%)を示す。図4(b)のグラフの横軸は、処理温度(℃)を示し、縦軸は、初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)を示す。これらのグラフは、処理温度以外、実施例1と同様の製造方法による結果を示す。曲線29は、初期布の結果を示し、曲線30は、洗濯布の結果を示す。
図4(a)に示すように、処理温度が増加すると、重量減少率が増加する。また、図4(b)に示すように、処理温度が増加した場合、初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)はわずかに上昇するだけである。したがって、低温よりは高温のほうが好ましいが、あまり高温すぎても消費するエネルギーに対する推定導入率の上昇が見合わないので、処理温度としては40℃以上150℃以下であることが好ましく、より好ましくは、80℃以上130℃以下である。
(攪拌機の出力の検討)
図5は、攪拌機の出力の影響を示すグラフである。図5(a)は、攪拌機の出力と機能剤の重量減少率A(%)との関係を示し、図5(b)は、攪拌機の出力と初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)との関係を示す。図5(a)のグラフの横軸は、攪拌機の最大出力に対する割合(%)を示し、縦軸は、機能剤の重量減少率A(%)を示す。図5(b)のグラフの横軸は、攪拌機の最大出力に対する割合(%)を示し、縦軸は、初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)を示す。これらのグラフは、攪拌機の出力以外、実施例1と同様の製造方法による結果を示す。曲線31は、初期布の結果を示し、曲線32は、洗濯布の結果を示す。
図5(a)に示すように、攪拌機の出力が増加すると、重量減少率が増加する。また、図5(b)に示すように、攪拌機の出力が増加すると、初期布および洗濯布の機能剤の推定導入率B,C(%)が増加する。よって、攪拌機の出力が高いほうが好ましい。
[実施例D]
抗菌・防臭性評価を検討した。
(実施例7)
浴比を1:70(生地重量32g)とし、キトサン乳酸塩濃度を4.7g/L(キトサン乳酸塩10.4g)とし、容器12内の温度を90℃とした以外、実施例1と同様である。
(実施例8)
浴比を1:70(生地重量32g)とし、キトサン乳酸塩濃度を4.7g/L(キトサン乳酸塩10.4g)とした以外、実施例1と同様である。
(実施例9)
浴比を1:70(生地重量32g)とし、キトサン乳酸塩濃度を4.7g/L(キトサン乳酸塩10.4g)とし、容器12内の温度を150℃とした以外、実施例1と同様である。
(比較例15)
実施例1で用いたPET布(ブランク布)である。
[評価方法]
JIS L1902の菌液吸収法(JAFETによる統一試験法)に準拠した方法で、実施例7〜9によって製造された機能性繊維構造物および比較例15であるブランク布の静菌活性値をそれぞれ求めた。社団法人繊維評価技術協議会の基準に基づいて、静菌活性値が2.2以上を抗菌性あり(有効)と評価した。
静菌活性値Dは、標準布の18時間培養後に回収した菌数E(個)および加工布の18時間培養後に回収した菌数F(個)を測定し、次式によって算出した。
D=Log(E/F)
(評価結果)
実施例7〜9および比較例15についての抗菌性の評価結果を表2に示した。
Figure 2008266829
表2からわかるように、キトサンの塩を付着させた機能性繊維構造物(実施例7〜9)は、洗濯後であっても、充分に抗菌性を示す。
本発明である機能性繊維構造物の製造方法によって機能性繊維構造物を製造する製造装置1を示す概略図である。 機能剤濃度および浴比の影響を示すグラフである。 処理時間の影響を示すグラフである。 処理温度の影響を示すグラフである。 攪拌機の出力の影響を示すグラフである。
符号の説明
1 製造装置
10 ボンベ
11 ポンプ
12 容器
13 恒温槽
14,15 バルブ

Claims (6)

  1. 密閉した容器内に流体を供給して、前記容器内の温度および圧力を、それぞれ臨界温度および臨界圧力以上にすることによって、前記容器内に超臨界流体を充填する充填工程と、
    前記超臨界流体中で、キトサンの塩を繊維構造物に含浸させる含浸工程とを含むことを特徴とする機能性繊維構造物の製造方法。
  2. 前記キトサンの塩は、キトサン乳酸塩、キトサン酢酸塩およびキトサン塩酸塩の1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の機能性繊維構造物の製造方法。
  3. 前記キトサンの塩は、数平均分子量が200以上5万以下であることを特徴とする請求項1または2記載の機能性繊維構造物の製造方法。
  4. 前記キトサンは、脱アセチル化度が60%以上100%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の機能性繊維構造物の製造方法。
  5. 前記超臨界流体は、超臨界状態の二酸化炭素、窒素、炭化水素類およびアルコール類から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の機能性繊維構造物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の機能性繊維構造物の製造方法によって製造されることを特徴とする機能性繊維構造物。
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