JP2008266782A - 耐水素脆性、腐食疲労強度の優れたばね用鋼及びそれを用いた高強度ばね部品 - Google Patents

耐水素脆性、腐食疲労強度の優れたばね用鋼及びそれを用いた高強度ばね部品 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼中に水素が侵入しても水素脆化が起こりにくく、高引張強度域で優れた腐食疲労強度を確保でき、かつ具体的な最適成分範囲を明確にした高強度ばね用鋼及びそれを用いた高強度ばね部品を提供すること。
【解決手段】質量%で、C:0.50〜0.65%、Si:0.50〜0.90%、Mn:0.40〜1.20%、Cu:0.20〜0.40%、Ni:0.20〜0.50%、Cr:0.60〜1.10%、V:0.05〜0.30%を含有し、残部がFe及び不純物元素からなる。さらにB:0.0005〜0.0050%、Ti:0.010〜0.070%を含有することが好ましい。さらにばね形状に成形し、焼入れ処理後の焼戻し時においては、390℃以上の温度で処理し、拡散性水素量の低減を図ると良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、腐食環境下で使用しても強度の低下を小さく抑えることのできるばね用鋼及びそのばね用鋼からなる高強度ばね部品に関する。
自動車用の懸架ばねとしては、板ばねや、丸棒を素材としたばねでねじり応力が負荷されるばね(トーションバー、スタビライザ、(太径)コイルばね等。以下、適宜、丸棒ばねという。)が使用されている。コイルばねは一般的に乗用車に多く使用されており、板ばねはトラックに多く使用されている。この板ばねや丸棒ばねは、自動車の足廻り部品の中では重量的に大きい部品の中の1つであり、従来から軽量化のために高強度化の検討が継続して続けられている部品である。
ところが、コイルばね等の丸棒ばねでも、また、板ばねでも同様なことが言えるが、引張強さを高めるために高強度化すると、腐食環境下においては逆に疲労強度が大幅に低下することが知られている。そのため、単純に引張強さを高めるという対策では、問題が解決できないことが、従来の開発において最も大きな課題であった。また、通常、板ばねや丸棒ばねは、塗装して用いられるが、地面に近い部分に取り付けて使用されるため、運転中に石などが当たって表面の塗装が損傷し、そこから腐食が進行して、折損に到る可能性がある。また、冬季には路面凍結を防止するために、腐食の原因となる融雪剤がまかれる場合がある。
このような理由から、高強度化しても腐食疲労強度が低下しにくい鋼材の開発が強く望まれていた。
腐食環境下での強度、特に疲労特性の低下は、従来から様々な研究が行われており、腐食反応の進行とともに発生する水素が、鋼中に侵入し、その水素によって材料が脆化することが原因であることが、多数の文献等によって明らかにされてきている。そして、そのための対策として、鋼中の析出物等で侵入した水素をトラップし、鋼中に拡散が起きないようにすることによる改善策等がいくつかの文献で報告されており、例えば特許文献1、2に示されるような技術が報告されている。
特開2001−288539号公報 特開2002−97551号公報
このうち、特許文献1に記載の発明には、水素の拡散を防止するため侵入した水素をトラップするために析出物が有効であることが開示され、V、Mo、Ti、Nb及びZrの1種又は2種以上を含有する酸化物、炭化物、窒化物を有するばね鋼が高強度化のために有効であることが記載されている。
また、特許文献2には、水素脆性の影響が生じない限界の拡散性水素量を高めるには、焼入れ焼戻し後の旧オ−ステナイト粒のアスペクト比(旧オ−ステナイト粒の長さと幅の比)が2以上、好ましくは4以上とすることが有効であることが記載されている。
しかしながら、従来提案されている前記した高強度ばね鋼の水素脆化に対する対策方法には、以下の問題がある。
特許文献1には、前記した通り、水素をトラップするサイトとして、V、Mo、Ti、Nb、Zr等の酸化物、炭化物、窒化物等が有効であると記載されている。しかし、これらの元素が添加されたばね鋼は、過去にも既に非常に多数の鋼が開発され、実用化されており、多数の特許が登録されている。
また、特許文献1に記載の対象となる鋼成分は、JISのSUP10も範囲に含まれる非常に広い範囲となっており、かつ前記した通りこの文献に記載のNb、Mo、V等の炭化物形成元素は既に数多くの特許に記載され、これらの炭化物形成元素を含有する鋼は、実際にも開発鋼として製造され、実用化されているのが現状である。
このような状況を考えると、特許文献1には、従来技術に比較して明確に優れているばね鋼の仕様が具体的に明らかにされているとは判断できず、当業者が特許文献1を参照しても最適な成分範囲、製造条件を把握できないという問題がある。
また、特許文献2には、焼入れ焼戻し後において、旧オ−ステナイト粒のアスペクト比が2以上、好ましくは4以上が望ましいと記載されており、そのために700〜900℃の未再結晶温度域において30%以上の圧下率を与え、加工直後にすぐに焼入れを行うことによりその組織が得られると記載されている。しかし、このような加工熱処理による強度向上方法は、従来からオースフォームとしてよく知られており、当業者が従来の加工熱処理技術との差異を明確に把握することができないという問題がある。
さらに、特許文献1、2には、非常に広い範囲の成分からなる鋼が漠然と記載されており、特に特許文献2では、JISの炭素鋼、合金鋼まで含まれる極めて広い範囲となっているため、当業者でも真に水素脆性に強い成分領域を正確に見極めることができないという問題があった。
本発明は、以上説明した問題点を解決するために成されたものであり、鋼中に水素が侵入しても水素脆化が起こりにくく、高引張強度域で優れた腐食疲労強度を確保でき、かつ具体的な最適成分範囲を明確にした高強度ばね用鋼及びそれを用いた高強度ばね部品を提供することを目的とする。
本発明は、質量%で、C:0.50〜0.65%、Si:0.50〜0.90%、Mn:0.40〜1.20%、Cu:0.20〜0.40%、Ni:0.20〜0.50%、Cr:0.60〜1.10%、V:0.05〜0.30%を含有し、残部がFe及び不純物元素からなることを特徴とする耐水素脆性、腐食疲労強度の優れたばね用鋼にある(請求項1)。
従来、ばね鋼は、そのSi含有率でみると、SUP6、SUP7、SUP12に代表されるSiを1.2〜2.2%含有する高Siの材料と、その他のSiを他の炭素鋼やSCr、SCMといった合金鋼の多くがそうであるように、0.25%程度しか含有しない低Siの材料の2種類に大きく分かれていた。そして、中間量のSi量のばね鋼については、海外の規格を含めても全く規格化されておらず、かつ使用されていなかった。
本発明者等は、従来のこのような使用状況に左右されることなく、Siだけでなく他元素も含め、幅広い成分範囲で、耐水素脆性及び腐食疲労強度を改善する成分領域がないか検討した。その結果、Siについては従来全く使用されていなかった、0.7%程度の中間の含有率とするのが最も適していること、Siの効果をより高めるためには、同時にCu、Ni、Cr、Vの添加が必要なことを見出したものである。以下、さらに詳細に説明する。
(1)焼戻し温度と拡散性水素量の関係
拡散性水素とは、多数の文献に記載されているように、鋼材中を室温で動く(拡散する)ことのできる水素のことを言い、その量は鋼材を300℃程度まで加熱した際に鋼材から放出される水素量を測定することによって求めることができる。拡散性水素量が多いということは、それだけ多くの自由に拡散できる水素が鋼材に侵入していることを意味しており、当然鋼材に与える水素脆化の影響も大きくなると考えられる。
そこで、本発明者等は、多種類の成分からなる鋼材について、一定の条件で意図的に水素を侵入させた鋼材について、成分、焼戻し後の硬さ、焼戻し温度等の条件と拡散性水素量の関係を調査した。その結果、後述する実施例1における図1に示すように、390℃以上に焼戻した場合において、その後に意図的に水素を侵入させた場合でも拡散性水素の量を抑えることができること、焼戻し軟化抵抗を高める効果を有するSiを添加した鋼は、同じ硬さ狙いでも焼戻し温度を高めに設定することができるため、水素脆化による強度低下を抑えることができることを見出した。
なお、Siは、焼戻し軟化抵抗を高めるという点のみを重視するならば、0.9%を超えての添加も可能であるが、Siを多量に添加すると、フェライト脱炭が生じやすくなり、特に圧延による断面減少率が小さくなる厚物の板ばねや太径のコイルばね、トーションバー、スタビライザの場合には、最終製品に脱炭層が残り易いため、別の理由によって疲労強度が低下することになるので、従来の高Siばね鋼並の添加は望ましくない。
そこで、本発明者等は、脱炭量に及ぼすSi量の影響を詳細に調査した。その結果、後述する実施例1における図2に示す通り、Si量が0.9%以下であれば問題となるような脱炭は生じないことを確認したものである。なお、同図は、加熱後に板厚18mmの板材に圧延した後の冷却速度に相当する速度で冷却した後のフェライト脱炭量を示したものである。
(2)Si以外の元素の影響
腐食疲労強度の向上を図るためには、腐食されやすい環境下で使用された場合でも鋼材自体の耐食性に優れ腐食進行に対する抵抗を高めておくことが必要である。従って、Siの添加によって、焼戻し軟化抵抗を高めておくだけでなく、腐食に対する抵抗を高める元素を添加しておくことが必要である。
この点に関し、本発明者等は多種類の成分の鋼を試験的に溶解し、調査した結果、耐食性を向上させ、万が一腐食された場合であってもその腐食ピット深さを小さく抑えるためには、Ni、Cuの少量添加が極めて有効であること、さらに、後述するように、Bを添加した方が腐食疲労寿命を改善できることを確認したものである。
本発明はこれらの知見を得ることにより、発明を完成させることに成功したものである。
なお、以上検討した結果得られるばね用鋼は、意図的に水素を鋼材中に侵入させる処理(以下、水素チャージと記す。)を行った後の曲げ破断強度、ねじり破断トルクにて比較すると、大きな効果を示す。すなわち、後述する実施例1における図3、図4に示すように、従来鋼であるSUP9、SUP10や本発明の一部の条件を満足しない比較鋼と比べると、HV500を超える高硬さ領域での強度低下が著しく小さくなり、従来鋼に比較して、高い引張強度でも安心して使用できるという効果を有する。
次に上記ばね用鋼について、各成分毎に添加量の範囲を限定した理由について説明する。
C:0.50〜0.65%
Cは、焼入れ焼戻し処理後に高強度ばね部品として必要な強度、硬さを確保するために不可欠となる元素であり、最低でも0.50%以上の含有が必要である。しかしながら、多量に含有させると高強度での使用時に靭性が低下するため、上限を0.65%とした。
Si:0.50〜0.90%
Siは、本発明のポイントとなる元素である。Siは、脱酸のために必要となる元素としてよく知られているが、脱酸のためだけならば、0.25%程度でも十分である。本発明では、脱酸のために必要な量を超えて添加することにより、焼戻し時の軟化抵抗性を高め、同じ硬さ狙いであってもより高い焼戻し温度に調整可能とする。その結果、ばね用鋼中に存在する拡散性水素量の増加を抑制し、水素による脆化を防止して、腐食疲労強度の改善を可能とするものである。そして、このような効果を得るためには、最低でも0.50%以上、好ましくは0.55%以上含有させる必要がある。しかしながら、従来の高Siばね鋼並の量まで増量すると、特に厚物や太径のばね用鋼においては、圧延による断面減少率が大きくとれないことや、圧延後の冷却速度が低下すること等の理由から、フェライト脱炭が増加し、かえって強度が低下するおそれがあることから、上限を0.90%とした。
Mn:0.40〜1.20%
Mnは、板厚に応じて必要となる焼入性を確保するために必要不可欠となる元素である。必要な焼入性を確保するために添加すべきMnの含有率は、Mn以外の添加成分や製造する板ばねの厚さや、丸棒材の直径等のばね部品の寸法によっても変化するが、0.40%未満になると、必要な焼入性を確保することが難しくなるため、含有率の下限を0.40%とした。しかしながら、Mnは多量に含有させると、焼割れが発生しやすくなって、製造性が低下するため、上限を1.20%とした。
Cu:0.20〜0.40%
Cuは腐食環境において生成する腐食ピットの成長を抑制し、腐食疲労強度を高めるために不可欠となる元素であり、最低でも0.20%以上含有させる必要がある。しかし、多量に含有させると前記効果が飽和するとともに、熱間加工性が低下して製造性が低下するため、上限を0.40%とした。
Ni:0.20〜0.50%
NiもCuと同様に、腐食環境において生成する腐食ピットの成長を抑制する効果があり、そのために0.20%以上の含有が必要である。しかし、多量に添加しても前記効果が飽和するとともにコスト高の原因となるため、上限を0.50%とした。
Cr:0.60〜1.10%
Crは、Mnと同様に焼入性向上に効果のある元素であるとともに、本発明においては、Siほどの効果はないものの、焼戻し軟化抵抗向上にも効果のある元素である。さらに、Crは、Cu、Niと同様に腐食ピットの成長を抑制し、耐食性向上にも効果がある。従って、そのために必要な量だけ含有させる必要があり、下限を0.60%とした。しかし、多量に含有させると焼割れが生じやすくなるため、上限を1.10%とした。
V:0.05〜0.30%
Vは、焼入焼戻し後の組織を微細化し、強度、靭性のバランスが優れ、耐力を高めるために不可欠となる元素である。そして組織を微細化し、前記効果を十分に得るためには、焼入後の結晶粒を微細化することが不可欠であり、そのためにVの添加は必須であるため下限を0.05%とした。しかし、多量に添加しても効果が飽和するとともにコスト高の原因となるため、上限を0.30%とした。
次に、請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載のばね用鋼に含有する各成分に加えて、さらに、B:0.0005〜0.0050%、Ti:0.010〜0.070%を含有することを特徴とするものである。その限定理由について説明する。
B:0.0005〜0.0050%
Bは、焼入性向上に効果のある元素であり、本発明でもそのために少量添加するものである。但し、焼入性の向上のみであれば、MnやCrの増量でも効果が得られるが、Bは粒界強度の向上という効果があり、この効果によって上述のごとく腐食環境下での疲労強度を改善する効果がある。従って、要求特性にもよるが少量添加することが望ましい。そして、添加による効果を得るためには、最低でも0.0005%以上含有させる必要がある。しかし、Bはきわめて少量の含有で効果を得られる元素であり、多量に含有させてもその効果が飽和するため、上限を0.0050%とした。
Ti:0.010〜0.070%
BはNと非常に結合しやすい元素であり、不純物として含有するNと結合し、BNとなって存在した場合には、Bの焼入性向上効果、粒界強化効果が得られなくなる。そこで、Tiを添加し、TiNを形成して、BNの生成を防止する必要がある。この効果を得るためには、最低でもTiを0.010%以上含有させる必要がある。しかし、Tiを多量に添加すると粗大なTiNが生成しやすくなり、疲労強度低下の原因となるため、上限を0.070%とした。
なお、請求項1、2には記載していないが、鋼の製造時に必須の工程である脱酸処理に必要な量のAl(0.040%以下程度)を不純物として含有しても勿論良い。
次に、請求項3に記載の発明は、上述の請求項1又は2に記載のばね用鋼を用いて成形されたことを特徴とする耐水素脆性、腐食疲労強度の優れた高強度ばね部品にある。
既に説明しているように、請求項1又は請求項2に記載のばね用鋼は、Si添加による焼戻し軟化抵抗性の向上及びNi、Cuの添加による耐食性の改善によって、耐水素脆性、腐食疲労強度を改善できるばね用鋼としている。そのため、このばね用鋼から製造したばね部品は、この2特性が共に優れたものとすることができる。
最後に、第4の発明は、請求項3において、ばね形状に成形し、焼入れ処理後の焼戻し時において、390℃以上の温度で処理することにより作製したことを特徴とする耐水素脆性、腐食疲労強度の高強度ばね部品にある。
ここで、処理温度を390℃以上とした理由について説明する。
耐水素脆性が改善されるかどうかは、侵入した水素のうち自由に動くことのできる水素、すなわち拡散性水素と言われている量によって決定されると言われている。本発明者等は、様々な条件で製造したばね用鋼について、意図的にばね用鋼中に水素を侵入させる処理(水素チャージ)を施し、拡散性水素量がどう変化するかについて調査した。その結果、前記した通り焼戻し温度を高くするほど、拡散性水素量が低下するという関係が得られること、拡散性水素量が小さいほど、水素チャージ後における高硬度域での曲げ破断強度、ねじり破断トルクの低下が小さく抑えられることを見出したものである(図1、図3、図4参照)。
そして、図1より、焼戻し温度が390℃以上になると拡散性水素量はかなり減少し、さらに焼戻し温度を高めてもその変化は小さいことから、下限の温度を390℃に設定した。望ましくは下限を400℃とするのが良い。なお、設計応力が高まり、硬さの狙い値が高くなっている中で、焼戻し温度を390℃以上としても狙いの硬さを確保できるようにするために、Si等の焼戻し軟化抵抗を高める元素が必須となることは、既に前記した通りである。
なお、焼戻し温度を390℃以上とした方が拡散性水素量が低下する理由については明確ではないが、高い温度で焼戻した組織の方が、水素がトラップされやすい特徴を有しているためと推定される。
(実施例1)
本例は、本発明のばね用鋼にかかる実施例及び比較例について説明する。
まず、表1に示す化学成分を有するばね用鋼(試料E1〜試料E10、及び試料C11〜試料C19)を用意した。
表1に示すばね用鋼のうち、上記試料E1〜試料E10は本発明鋼であり、上記試料C11〜試料C17は一部の成分又は焼戻し条件が本発明とは異なる比較鋼であり、試料C18は従来鋼であるSUP9、試料C19は従来鋼であるSUP10である。
Figure 2008266782
表1に示す成分のばね用鋼は、試作用の真空誘導溶解炉を用いて溶製し、得られたばね用鋼塊からφ18mmの丸棒と、幅70mm、厚さ12mmの板材に鍛伸加工し、焼ならし処理を施した後、後述する各種試験片に加工した。各試験片について、脱炭試験、拡散性水素量の測定、破断強度の測定、腐食疲労試験を実施し、評価を行った。結果を表2に示す。
次に、評価方法について説明する。
<脱炭試験>
脱炭試験は、φ18mmの丸棒から直径8mm、高さ12mmの円柱型試験片を作製(試験前の脱炭量は0)し、900℃に加熱した後、あらかじめ測定しておいた板材(板厚18mm)及び丸棒材(直径35mm)の熱間圧延後の冷却曲線と同等の冷却速度になるよう速度を制御した冷却処理を実施することにより行った。そして、冷却終了後の試験片を切断・研磨してナイタールでエッチングし、顕微鏡でフェライト脱炭深さを測定した。結果を表2及び図2に示す。なお、脱炭に問題のないSi量の上限を正確に把握するため、表1に示す鋼に加えSi:0.90%の鋼(0.53C−0.90Si−0.65Mn−0.015P−0.010S−0.30Cu−0.40Ni−0.90Cr−0.20V)を追加して評価した(試料C99とする)。図2は、Si含有率と脱炭量との関係を示すものであり、同図は、横軸にSi含有率(%)をとり、縦軸に脱炭量(DM−F(mm))をとった。
なお、脱炭の程度によっては、疲労強度への影響が無視できないものとなるため、一部の試料については、幅70mm×厚さ18mmの板材、及び直径35mmの丸棒材を圧延により製造してフェライト脱炭深さの確認を行った。また、それと共に、上記板材を用いて板ばねを製造し、635±500MPaの応力で4点曲げ疲労試験を実施した。破断するまでの繰返し回数を疲労寿命として、10万回以上の寿命が得られるか否かの確認を行った。
<拡散性水素量>
拡散性水素量は、前記した鍛伸加工した板材を用い、寸法が30mm×30mm×8mmの板状試験片を作製し、この試験片を焼入焼戻ししたものを試験片として準備した。そして、この試験片を20%チオシアン酸アンモニウム水溶液に30分間浸漬させることによって水素チャージを実施し、浸漬が終了した後5分後に100℃/hrの速度で加熱して、加熱途中に放出されるばね用鋼中の拡散性水素量を測定した。なお、5分後としたのは、試験後の時間にバラツキがあると、拡散性水素量の値が変化する可能性があるからである。結果を図1に示す。図1は焼戻し温度と拡散性水素量との関係を示すものである。同図は横軸に焼戻し温度(℃)をとり、縦軸に拡散性水素量(質量ppm)をとった。
<破断強度>
また、前記の鍛伸加工した板材を用いて、幅30mm×厚さ8mm×長さ180mmの板状試験片を加工し、これに焼入焼戻ししたものを試験片として準備した。そしてこれに前記の水素チャージを実施し、浸漬終了後、5分後に3点曲げ試験を実施し、曲げ破断強度を測定した。結果を図3に示す。図3は、水素チャージ後における硬さと曲げ破断強度の関係を示すものである。同図は、横軸に硬さ(HV)をとり、縦軸に曲げ破断強度(MPa)をとった。また、同図には、本例と同様にして作製した試料につき、水素チャージをしていない場合についても同様の試験を行い、同図にA、Bとして記載した(表には示していない)。直線Aが本発明鋼の水素チャージをしていないものであり、点線Bが従来鋼(SUP9,SUP10)の水素チャージをしていないものであり、一点鎖線Cが比較鋼・従来鋼の水素チャージをしたものであり(一部表には示していない)、領域Dが本発明鋼の水素チャージをしたものである。
また、φ18mmの鍛伸加工材を用いて平行部直径9mmの丸棒試験片を加工し、これに焼入焼戻ししたものを試験片として準備した。そしてこれに前記の水素チャージを実施し、浸漬終了後、5分後にねじり試験を実施し、破断トルクを測定した。結果を図4に示す。図4は、硬さとねじり破断トルクとの関係を示すものである。同図は、横軸にねらい硬さ(HV)をとり、縦軸にねじり破断トルク(N・m)をとった。また、同図には、本例と同様にして作製した試料につき、水素チャージをしていない場合についても同様の試験を行い、同図にE、Fとして記載した(表には示していない)。直線Eが本発明鋼の水素チャージをしていないものであり、点線Fが従来鋼(SUP9,SUP10)の水素チャージをしていないものであり、点線Gが比較鋼・従来鋼の水素チャージをしたものであり(一部表には示していない)、領域Hが本発明鋼の水素チャージをしたものである。
これらの結果より、本発明鋼は、HV500を超える高硬さ領域での強度低下が著しく小さくなり、従来鋼に比較して、高い強度でも安心して使用できるという効果を有することがわかる。
<腐食疲労試験>
腐食疲労試験は、まず、幅70mm、厚さ12mmの板材から幅30mm、厚さ8mm、長さ300mmの板ばねを準備し、焼入焼戻し及びショットピーニング処理を施した後、JASO M 609−91(自動車用材料腐食試験方法)の基準に準拠した方法で腐食処理を実施した。その後、735±100MPaの応力で4点曲げ疲労試験を実施し、腐食疲労寿命を測定することにより評価した。試験終了後、破断した試験片の破壊起点となった腐食ピット深さを測定した。
また、一部の試料について、直径32mm、長さ905mmのトーションバーを製造した後、塩水噴霧(5%食塩水、35℃)を168時間実施した。その後、589±500N/mm2の応力でねじり疲労試験を実施し、腐食疲労寿命を測定することにより評価した。
なお、上記板ばね及びトーションバーは、硬さの狙い値をHV520とし、鋼種毎に硬さの狙い値に合わせて焼戻し温度を調整した。但し、一部の試験片については、焼戻し温度による影響を評価するために、意図的に焼戻し温度を変化させて評価した。また、焼入温度は930℃で一定とした。焼戻し温度及び硬度を表2に併せて示す。
Figure 2008266782
表2の結果から明らかなように、本発明の比較例としての試料C11はSi含有率が高いためフェライト脱炭量が増加し、板ばね疲労寿命及び腐食疲労寿命が低下したものである。また、本発明の比較例としての試料C12は、Si含有率が低いため狙い硬さを得るための焼戻し温度が低くなり、拡散性水素量が増加して、曲げ破断強度、ねじり破断トルク、腐食疲労寿命がともに低下したものである。
また、本発明の比較例としての試料C13、試料C14、試料C15は、腐食ピットの成長を抑制し、耐食性を改善する元素であるCu、Ni、Crの含有率がそれぞれ低い。そのため、疲労試験後にピット深さが深いことが確認され、腐食疲労寿命が劣る。
さらに、本発明の比較例としての試料C16、試料C17は、成分範囲は請求の範囲の条件を満足しているが、意図的に焼戻し温度を390℃未満とした例である。焼戻し温度が高い場合と比較して硬さは若干高くなるものの、拡散性水素量が増加して耐水素脆性が低下し、腐食疲労寿命、曲げ破断強度がともに劣る。
一方従来鋼である試料C18、試料C19は、本発明鋼のように焼戻し軟化抵抗を高める元素の添加が十分でない。そのため、所定の硬さを得るための焼戻し温度が低くなり、拡散性水素量が多くなってしまうとともに、Cu等の腐食ピットの成長を抑制する元素の添加が十分でないことから、水素チャージ後の曲げ破断強度、ねじり破断トルク、腐食疲労寿命等が大きく劣る。
それに対し、本発明の実施例としての試料E1〜試料E10は、脱炭量の大幅な増加を伴わないように調整しつつ、Si等の焼戻し軟化抵抗を高める元素を適量添加するとともに、腐食ピットを抑制する元素も添加したことによって、水素の存在に対する抵抗力を大幅に改善し、耐水素脆性、腐食疲労強度が共に大きく優れるものである。
また、特にTiを少量添加した上でBを添加した場合には、粒界強度が強化できることから、より優れた腐食疲労寿命を得られることが確認できた。
以上、説明したように、本発明は、Si量が0.7%付近という、ばね用鋼では従来使用されていなかった成分系を新規に提案することによって、フェライト脱炭量の増加による疲労特性低下を招くことなく、耐水素脆性を大幅に改善できることを可能としたものである。この技術はトーションバー、スタビライザ、コイルばね等の丸棒を素材としたねじり応力が負荷される丸棒ばねや、板ばねの軽量化を実現するためになくてはならない重要技術であり、トラック等の、板ばねや丸棒ばねを使用する自動車の燃費向上に大きく貢献できるという顕著な効果を有するものである。
実施例1における、焼戻し温度と拡散性水素量の関係を説明する図。 実施例1における、Si含有率と脱炭量との関係を説明する図。 実施例1における、水素チャージ後における硬さと曲げ破断強度の関係を説明する図。 実施例1における、水素チャージ後における硬さとねじり破断トルクとの関係を説明する図。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.50〜0.65%、Si:0.50〜0.90%、Mn:0.40〜1.20%、Cu:0.20〜0.40%、Ni:0.20〜0.50%、Cr:0.60〜1.10%、V:0.05〜0.30%を含有し、残部がFe及び不純物元素からなることを特徴とする耐水素脆性、腐食疲労強度の優れたばね用鋼。
  2. 請求項1において、さらにB:0.0005〜0.0050%、Ti:0.010〜0.070%を含有することを特徴とする耐水素脆性、腐食疲労強度の優れたばね用鋼。
  3. 請求項1又は2に記載のばね用鋼を用いて成形されたことを特徴とする耐水素脆性、腐食疲労強度の優れた高強度ばね部品。
  4. 請求項3において、上記高強度ばね部品は、ばね形状に成形し、焼入れ処理後の焼戻し時において、390℃以上の温度で処理することにより作製したことを特徴とする耐水素脆性、腐食疲労強度の優れた高強度ばね部品。
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