JP2008265999A - 昇降装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチを切り替えるための部材にドラムの回転力を伝えるための特別な部材を設ける必要がない昇降装置を提供する。
【解決手段】ドラム2の巻き取り方向の回転時には該ドラム2の回転に応じてドラム2を回転軸方向における一方側に移動させると共にドラム2の巻き戻し方向の回転時には該ドラム2の回転に応じてドラム2を回転軸方向における他方側に移動させるドラム移動手段を設ける。ドラム移動手段によるドラム2の移動軌跡上に吊下物が上限位置又は下限位置の少なくともいずれか一方の位置にある時のドラム2に接触するドラム被接触部30を設ける。ドラム被接触部30にドラム2が接触することにより切り替えられるスイッチ18を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】ドラム2の巻き取り方向の回転時には該ドラム2の回転に応じてドラム2を回転軸方向における一方側に移動させると共にドラム2の巻き戻し方向の回転時には該ドラム2の回転に応じてドラム2を回転軸方向における他方側に移動させるドラム移動手段を設ける。ドラム移動手段によるドラム2の移動軌跡上に吊下物が上限位置又は下限位置の少なくともいずれか一方の位置にある時のドラム2に接触するドラム被接触部30を設ける。ドラム被接触部30にドラム2が接触することにより切り替えられるスイッチ18を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は昇降装置に関する。
従来から、天井に設けたドラムを回転してワイヤを巻き取り又は巻き戻すことで、ワイヤに吊り下げた吊下物を昇降させる昇降装置が利用されている。
この種の昇降装置にあっては例えば特許文献1のように吊下物51の上限位置や下限位置を設定し、上限位置や下限位置に吊下物51が配置された場合にドラム52の回転を停止するようにしたものがある。この特許文献1に示す昇降装置は、図2に示すようにモータ53により回転するドラム52に継手54を介してねじ棒55を接続し、該ねじ棒55にナット56を螺合している。ナット56は回転規制部材57によってねじ棒55と一緒に回転することが防止され、ドラム52を回転することでナット56がねじ棒55に対して軸方向に移動するようになっている。ナット56の移動進路上には、吊下物51が上限位置及び下限位置にある場合にナット56に接触するスイッチ58を設けてあり、ナット56が各スイッチ58に接触して切替えることでモータ53を停止するようにしてある。
しかし上記特許文献1にあっては、ドラム52の回転を継手54を介してねじ棒55に伝え、該回転するねじ棒55によりナット56をねじ棒55に対して移動させる必要があるため、構造が複雑になり、また部材点数が多くなり、製造コストがかかるという問題が生じる。
特開平01−236510号公報
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、スイッチを切り替えるための部材にドラムの回転力を伝えるための特別な部材を設ける必要がない昇降装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明に係る昇降装置は、駆動手段によりドラム2を回転してワイヤ3を巻き取り又は巻き戻すことで、ワイヤ3に吊り下げた吊下物を昇降させる昇降装置において、前記ドラム2の巻き取り方向の回転時には該ドラム2の回転に応じてドラム2を回転軸方向における一方側に移動させると共にドラム2の巻き戻し方向の回転時には該ドラム2の回転に応じてドラム2を回転軸方向における他方側に移動させるドラム移動手段を設け、ドラム移動手段によるドラム2の移動軌跡上に吊下物が上限位置又は下限位置の少なくともいずれか一方の位置にある時のドラム2に接触するドラム被接触部30を設け、該ドラム被接触部30にドラム2が接触することにより切り替えられるスイッチ18を設けて成ることを特徴とする。
上記構成により、ドラム移動手段によりドラム2の巻き取り方向の回転時にはドラム2の回転に応じてドラム2を回転軸方向における一方側に移動させると共にドラム2の巻き戻し方向の回転時にはドラム2の回転に応じてドラム2を回転軸方向における他方側に移動させ、このドラム移動手段により移動したドラム2が上限用ドラム被接触部30aや下限用ドラム被接触部30bに直接接触することによりスイッチ18を切り替えることができる。
また前記ドラム被接触部30として、ドラム2の回転軸方向における一方側に位置する上限用ドラム被接触部30aと他方側に位置する下限用ドラム被接触部30bを設け、前記スイッチ18は上限用ドラム被接触部30aにドラム2が接触した場合及び下限用ドラム被接触部30bにドラム2が接触した場合のいずれの場合にも切り替えられるものであることが好ましい。このようにスイッチ18は、上限用ドラム被接触部30aにドラム2が接触した場合及び下限用ドラム被接触部30bにドラム2が接触した場合のいずれの場合にも切り替えられるものであるので、上限位置及び下限位置のそれぞれに対応するスイッチ18を設ける必要がない。
また、前記上限用ドラム被接触部30a及び下限用ドラム被接触部30bを一体に連結したスイッチ切替部材21を構成し、ドラム2の回転軸方向における一方側の端部に上限用ドラム被接触部30aに接触する上限用接触部8を設けると共に他方側の端部に下限用ドラム被接触部30bに接触する下限用接触部9を設け、上限用接触部8及び上限用ドラム被接触部30aの接触面のうち少なくともいずれか一方、及び、下限用接触部9及び下限用ドラム被接触部30bの接触面のうち少なくともいずれか一方を、ドラム2の回転軸方向に対して同一方向に傾斜した傾斜面10とし、上限用接触部8及び上限用ドラム被接触部30bの接触面同士が接触した場合、及び、下限用接触部9及び下限用ドラム被接触部30bの接触面同士が接触した場合のいずれの場合も、上限用ドラム被接触部30a又は下限用ドラム被接触部30bが前記傾斜面10に沿ってドラム2の回転軸方向と直交する同一方向に移動すると共に、スイッチ切替部材21がドラム2の回転軸方向と直交する同一方向に運動して該スイッチ切替部材21により前記スイッチ18を切り替えるものであることが好ましい。
上限用接触部8及び上限用ドラム被接触部30bの接触面同士が接触した場合、及び、下限用接触部9及び下限用ドラム被接触部30bの接触面同士が接触した場合のいずれの場合も、1個のスイッチ切替部材21を用いてスイッチ18を切り替えることができる。
請求項1に係る発明では、ドラム移動手段によりドラムの巻き取り方向の回転時にはドラムの回転に応じてドラムを回転軸方向における一方側に移動させると共にドラムの巻き戻し方向の回転時にはドラムの回転に応じてドラムを回転軸方向における他方側に移動させ、このドラム移動手段により移動したドラムが上限用ドラム被接触部や下限用ドラム被接触部に直接接触することによりスイッチを切り替えることができ、スイッチを切り替えるための部材にドラムの回転力を伝えるための特別な部材を設ける必要がなく、コストを削減できる。
また請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明の効果に加えて、上限位置及び下限位置のそれぞれに対応するスイッチを設ける必要がなく、上限位置及び下限位置のそれぞれを検知するにあたってスイッチを1個だけ設けるだけでよく、一層コストを削減できる。
また請求項3に係る発明では、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、上限用接触部及び上限用ドラム被接触部の接触面同士が接触した場合、及び、下限用接触部及び下限用ドラム被接触部の接触面同士が接触した場合のいずれの場合も、1個のスイッチ切替部材を用いてスイッチを切り替えることができ、一層コストを削減できる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1に示す本発明の昇降装置は、モータ1からなる駆動手段によりドラム2を回転してワイヤ3を巻き取り又は巻き戻すことでワイヤ3に吊り下げた吊下物(図示せず)を昇降させるものであり、吊下物としては照明器具や物干し竿等が挙げられる。なお、以下では、ドラム2の回転軸方向を左右方向として説明する。
昇降装置は、吊下物を昇降する昇降機構部と、モータ停止機構部を備えている。昇降機構部は、出力軸1aを正逆両方向に回転駆動可能なモータ1と、該モータ1の駆動により軸回りに回転する軸部材6と、軸部材6に固着したドラム2を備えており、ドラム2はモータ1を駆動することで軸部材6と共に回転する。なお、モータ1は天井に対して固定的に設けられる。
ドラム2は軸部材6の軸方向における中央部に位置している。ドラム2の軸方向の中央部には両外側部分よりも小径の巻取部7を形成してあり、巻取部7にワイヤ3を巻回している。ドラム2の回転軸方向における一方側の端部には上限用接触部8を設けてあり、また他方側の端部には下限用接触部9を設けている。これら巻取部7の両側に位置する上限用接触部8及び下限用接触部9は巻取部7側に行く程徐々に径が大きくなっており、これにより上限用接触部8及び下限用接触部9はドラム2の回転軸方向に対して同一方向に傾斜した傾斜面10となっている。
軸部材6は軸方向の両側部分の夫々を軸受け11に回転自在且つ軸方向にスライド自在に支持してあり、各軸受け11は天井に対して固定的に設けてある。軸部材6の軸方向における一部の外周面には歯部12を周方向に複数設けてあり、これら歯部12にはモータ1の出力軸1aに設けた歯車13が噛み合っている。従って、図示しない操作器が操作されて吊下物の昇降の指示を受けた場合には、モータ1の出力軸1aが回転駆動し、この回転力が歯車13を介して軸部材6に伝達され、これにより軸部材6と共にドラム2が巻き取り方向又は巻き戻し方向の一方に回転する。なお、軸部材6の歯部12は軸部材6の軸方向に長く形成してあり、後述のドラム移動手段による軸部材6の軸方向の移動範囲内においては常に歯車13に噛み合って軸部材6が回転可能な状態となる。
また軸部材6の軸方向における他部には外周面が雄ねじとなった雄ねじ部15を形成している。また雌ねじ孔17を穿設した支持板16を天井に対して固定的に設けている。支持板16の雌ねじ孔17には雄ねじ部15を螺合してあり、モータ1により軸部材6をドラム2の巻き取り方向に回転すると、雄ねじ部15の雌ねじ孔17に対する螺合が進んで軸部材6が軸方向の一方側(図1における左側)に移動し、また逆に軸部材6をドラム2の巻き戻し方向に回転すると、雄ねじ部15の雌ねじ孔17に対する螺合が後退して軸部材6が軸方向の他方側(図1における右側)に移動する。即ち、本実施形態では、前記モータ1、軸部材6、支持板16、各軸受け11によりドラム移動手段を構成してあり、該ドラム移動手段は、前述のように軸部材6をドラム2の巻き取り方向に回転した場合にはドラム2回転軸方向における一方側に移動させ、また軸部材6をドラム2の巻き取り方向に回転した場合にはドラム2を回転軸方向における他方側に移動させる。
モータ停止機構部は、吊下物の上限位置及び下限位置を検知するためのスイッチ18と、吊下物が上限位置及び下限位置に移動した時に前記スイッチ18を切り替える上下限位置停止手段と、吊下物の下降時などにおいてワイヤ3に過負荷がかかった時に前記スイッチ18を切り替えてモータ1の運転を停止させる過負荷時停止手段を備えている。
上下限位置停止手段は、天井に対して固定的に設けられる上向きコ字状の金属板からなる基台19と、基台19の前部の両側片20、20間に配置される上下限位置用スイッチ切替部材21とで構成してあり、上下限位置用スイッチ切替部材21によりスイッチ18を切り替える。
上下限位置用スイッチ切替部材21は、主体を、縦片部22と、縦片部22の上端部の両側部分の夫々から垂直に突出した横片部23とで構成した側面視略L字状の金属板からなり、両横片部23、23は縦片部22により一体に連結してある。
縦片部22及び各横片部23の接続部分よりなる上下限位置用スイッチ切替部材21のコーナ部には軸挿通部24を設けてあり、軸挿通部24には基台19の両側片20、20間に架設した軸部材6と平行な支持軸25が回動自在に挿通してある。これにより上下限位置用スイッチ切替部材21は支持軸25に回動自在に支持されている。上下限位置用スイッチ切替部材21の各横片部23の前部は押上用ばね26を介して基台19の底部27に接続してあり、上下限位置用スイッチ切替部材21の各横片部23は押上用ばね26により上方に付勢されている。
上記上下限位置用スイッチ切替部材21の両横片部23間には開口部28を形成してあり、該開口部28にドラム2を配置している。各横片部23の開口部28側の端縁にはドラム2側に向けて接触片部29を突設している。各接触片部29はドラム移動手段によるドラム2の移動軌跡上に位置し、このうち一方の接触片部29は吊下物が上限位置にある時のドラム2の上限用接触部8に接触するドラム被接触部30(以下、特に区別する場合は、該ドラム被接触部30を上限用ドラム被接触部30aと記載する)を構成し、他方の接触片部29は吊下物が下限位置にある時のドラム2の下限用接触部9に接触するドラム被接触部30(以下、特に区別する場合は、該ドラム被接触部30を下限用ドラム被接触部30bと記載する)を構成する。
上限用ドラム被接触部30a及び下限用ドラム被接触部30bは共に先端側に行く程ドラム2から離れるように傾斜しており、上限用ドラム被接触部30aの上限用接触部8に接触する接触面及び下限用ドラム被接触部30bの下限用接触部9に接触する接触面は共にドラム2側に行く程ドラム2から離れる下方に位置するように同一方向に傾斜した傾斜面10となっている。つまり、本実施形態では、上限用接触部8及び上限用ドラム被接触部30aの互いの接触面、及び下限用接触部9及び下限用ドラム被接触部30bの互いの接触面をドラム2の回転軸方向に対して傾斜した傾斜面10としてある。
スイッチ18はマイクロスイッチのような機械的に切替可能なスイッチからなり、基台19の後部の底部27上に取付けてある。スイッチ18の切り替えを行うための作動子31は上下限位置用スイッチ切替部材21の縦片部22の左右方向の中央部にて構成した作動子接触部32に対向する位置にある。作動子31がスイッチ本体33側に押し込まれた時に、吊下物が上限位置又は下限位置に位置することを検知してモータ1を停止状態とする。
しかして上下限位置停止手段にあっては、吊下物の上昇時、即ちドラム2の巻き取り方向の回転時には前述のドラム移動手段によりドラム2をドラム2の回転軸方向における一方側に移動し、そしてこのドラム2の上限用接触部8が上下限位置用スイッチ切替部材21の上限用ドラム被接触部30aに接触した場合には、上限用接触部8により上限用ドラム被接触部30aが基台19の底部27側に押圧されて、上下限位置用スイッチ切替部材21が押上用ばね26の付勢力に抗して支持軸25を中心に回動し、該上下限位置用スイッチ切替部材21の作動子接触部32が作動子31に接触してスイッチ18が切り替えられ、これにより吊下物が上限位置にあると判断され、この上限位置の検知に基づいてモータ1の運転が停止される。
また同様に、ドラム2の巻戻し方向の回転時(即ち吊下物の下降時)にはドラム移動手段によりドラム2をドラム2の回転軸方向における他方側に移動し、そしてこのドラム2の下限用接触部9が上下限位置用スイッチ切替部材21の下限用ドラム被接触部30bに接触した場合には、下限用接触部9により下限用ドラム被接触部30bが基台19の底部27側に押圧されて、この場合も上下限位置用スイッチ切替部材21が押上用ばね26の付勢力に抗して支持軸25を中心に回動し、該上下限位置用スイッチ切替部材21の作動子接触部32が作動子31に接触してスイッチ18が切り替えられ、これにより吊下物が下限位置にあると判断され、この下限位置の検知に基づいてモータ1の運転が停止される。即ち、上下限位置用スイッチ切替部材21は、上限用接触部8及び上限用ドラム被接触部30aの接触面同士が接触した場合、及び、下限用接触部9及び下限用ドラム被接触部30bの接触面同士が接触した場合のいずれの場合も、ドラム2の回転軸方向と直交する同一方向に運動して、スイッチ18を切り替える。
また上下限位置用スイッチ切替部材21は、上限用接触部8及び下限用接触部9のいずれにもドラム被接触部30が接触していない状態では、押上用ばね26の付勢力により基台19の底部27から離れる上方に移動し、この状態では上下限位置用スイッチ切替部材21の作動子接触部32が作動子31に接触せず、吊下物が上限位置及び下限位置のいずれにも位置していないと判断され、モータ1は停止しない。
このように本実施形態の昇降装置にあっては、ドラム移動手段によりドラム2の巻き取り方向の回転時には該ドラム2の回転に応じてドラム2を回転軸方向における一方側に移動させると共にドラム2の巻き戻し方向の回転時には該ドラム2の回転に応じてドラム2を回転軸方向における他方側に移動させ、該ドラム移動手段により移動したドラム2が上限用ドラム被接触部30aや下限用ドラム被接触部30bに直接接触することによりスイッチ18を切り替えるようにしたので、スイッチ18を切り替えるための部材にドラム2の回転力を伝えるための特別な部材(例えば従来例にあっては継手54やねじ棒55)を設ける必要がなく、コストを削減できる。
さらに本例の昇降装置におけるスイッチ18は、上限用ドラム被接触部30aにドラム2が接触した場合及び下限用ドラム被接触部30bにドラム2が接触した場合のいずれの場合にも切り替えられるものであるので、上限位置及び下限位置を検知するためのスイッチを別々に設ける必要がなく、上限位置及び下限位置のそれぞれを検知するにあたってスイッチ18を1個だけ設けるだけでよく、一層コストを削減できる。
また、本例では上限用接触部8及び上限用ドラム被接触部30bの接触面同士が接触した場合、及び、下限用接触部9及び下限用ドラム被接触部30bの接触面同士が接触した場合のいずれの場合も、1個のスイッチ切替部材21を用いてスイッチ18を切り替えることができ、一層コストを削減できる。
一方、過負荷時停止手段は、ドラム2から引き出したワイヤ3の中途部に設けたワイヤ弛緩装置34と、基台19に設けた過負荷時スイッチ切替用部材35とで構成してあり、過負荷時スイッチ切替用部材35により前記スイッチ18を切り替える。
ワイヤ弛緩装置34は、例えばドラム2の巻き戻し方向の回転時に吊下物が無理に引き下ろされる等してワイヤ3に過負荷がかかった時に、ワイヤ弛緩装置34よりもドラム2側のワイヤ3を弛緩させるものであり、天井に固定的に設けたケース36と、ケース36内に配置されるコマ37を備えている。
ケース36はドラム2の後方に配置し、ドラム2と略同レベルに位置している。ケース36の左右両側の側壁部38、38には左右方向に長いスライド軸39を架設してあり、該スライド軸39の軸方向の中央部にコマ37を設けている。コマ37にはドラム2から後方に引き出したワイヤ3を掛け回してあり、コマ37から前方に引き出されたワイヤ3はケース36の前方において別のコマ37に掛け回されて下方に引き出され、この下方に引き出したワイヤ3の下端に吊下物を接続してある。
スライド軸39はその両端部を各側壁部38、38に形成した前後に長い長孔40にスライド自在に挿通してあり、これによりスライド軸39及びコマ37は前後方向に移動自在となっている。スライド軸39の両側部分の夫々はばね材41を介してケース36の前壁部42に接続してあり、各ばね材41によりスライド軸39は後方に付勢されている。またケース36の前壁部42においてコマ37に対向する部分にはゴムのような弾性体43を設けてある。
上記ワイヤ弛緩装置34は、例えば吊下物の下降時においてコマ37よりも吊下物側のワイヤ3に前述の過負荷がかかった時には、図2の破線で示すようにコマ37及びスライド軸39が両ばね材41に抗して前方に移動し、終にはコマ37が前方の弾性体43に接触して、該コマ37と弾性体43の間にコマ37から前方に引き出したワイヤ3の一部が挟み込まれてコマ37よりもドラム2側のワイヤ3が弛むこととなる。
過負荷時スイッチ切替用部材35はドラム2から後方に引き出したワイヤ3(ワイヤ弛緩装置34よりもドラム2側の部分)の下方に位置している。過負荷時スイッチ切替用部材35の前部には前側被支持部44を設けてあり、後端部には後側被支持部45を設けている。前側被支持部44は上下限位置用スイッチ切替部材21の開口部28の後端部に位置し前記軸部材6に回動自在に支持してある。また後側被支持部45は基台19内に配置した引上軸46に支持してある。引上軸46の両側部分は引上用ばね47を介して基台19の底部27の左右両側から立設したL字状片48の横片部48aに接続してあり、引上軸46及び後側被支持部45は前記引上用ばね47のばね力により上方に引き上げられている。過負荷時スイッチ切替用部材35の前端から上下限位置用スイッチ切替部材21の縦片部22の前面に沿う垂下片部49を垂設している。
上記過負荷時スイッチ切替用部材35は、吊下物が前記上限位置及び下限位置のいずれにも位置していない状態(即ち吊下物が上限位置と下限位置の間に位置して上下限位置用スイッチ切替部材21の上限用接触部8及び下限位置接触部のいずれもドラム2に接触していない状態)で、且つワイヤ弛緩装置34によりワイヤ弛緩装置34よりもドラム2側のワイヤ3が弛んでいない状態では、過負荷時スイッチ切替用部材35の上方のワイヤ3に接触し、該ワイヤ3の張力により過負荷時スイッチ切替用部材35の後部側が軸部材6を回動中心として両引上用ばね47に抗して押し下げられる。この状態では、上下限位置用スイッチ切替部材21の縦片部22は過負荷時スイッチ切替用部材35の垂下片部49によって押圧されず、このため上下限位置用スイッチ切替部材21の作動子接触部32が作動子31に接触していない状態は維持される。そしてこの状態から、吊下物の下降時においてワイヤ3に過負荷がかかった時には、前述したようにワイヤ弛緩装置34よりもドラム2側のワイヤ3が弛むため、両引上用ばね47のばね力により過負荷時スイッチ切替用部材35の後部側が軸部材6を回動中心として引き上げられる。このように引き上げられた状態では、過負荷時スイッチ切替用部材35の垂下片部49によって上下限位置用スイッチ切替部材21の縦片部22が作動子31側に押圧されて作動子接触部32が作動子31に接触し、これによりスイッチ18が切り替えられて、過負荷がかかったと判断され、これに基づいてモータ1の運転を停止状態とする。
上記のように本例の過負荷時停止手段は上下限位置停止手段によって切り替えられるスイッチ18を切り替えるものであるので、スイッチ18を兼用でき、一層コストを削減できる。なお、上記では吊下物の下降時においてワイヤ3の過負荷を検知してモータ1を停止する例について説明したが、これと同様にして、上記ワイヤ弛緩装置34及び過負荷時スイッチ切替用部材35を用いて、吊下物の上昇時においてワイヤ3に過負荷がかかった時にもこの過負荷を検知してモータ1を停止するようにしても良い。
なお、本実施形態では、モータ1の出力軸1aの回転を歯車13を介して軸部材6に伝達することで軸部材6を回転するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えばモータ1の出力軸1aに軸部材6を直結し、モータ1を軸部材6の軸方向にスライド自在に設けることでモータ1を軸部材6と共にスライドするようにしても良い。また、本実施形態では、支持板16の雌ねじ孔17に軸部材6に設けた雄ねじ部15を螺合したが、これに限定されるものではなく、例えばドラム2の軸方向の中央部に巻取部7とは別に外周面が雄ねじとなった雄ねじ部を形成し、該雄ねじ部を支持板16の雌ねじ孔17に螺合することで、モータ1によりドラム2を回転した際にドラム2が回転軸方向に移動するようにしても良い。
また、ドラム被接触部30として、上限用ドラム被接触部30aと、下限用ドラム被接触部30bを設けたが、両者のうち上限用ドラム被接触部30aのみをも設けても良いし、下限用ドラム被接触部30bのみを設けても良い。また上限用接触部8及び上限用ドラム被接触部30aの接触面はいずれか一方のみをドラム2の回転軸方向に対して傾斜した傾斜面10としても良い。また同様に、下限用接触部9及び下限用ドラム被接触部30bの接触面はいずれか一方のみをドラム2の回転軸方向に対して傾斜した傾斜面10としても良い。
2 ドラム
3 ワイヤ
8 上限用接触部
9 下限用接触部
10 傾斜面
18 スイッチ
30 ドラム被接触部
30a 上限用ドラム被接触部
30b 下限用ドラム被接触部
3 ワイヤ
8 上限用接触部
9 下限用接触部
10 傾斜面
18 スイッチ
30 ドラム被接触部
30a 上限用ドラム被接触部
30b 下限用ドラム被接触部
Claims (3)
- 駆動手段によりドラムを回転してワイヤを巻き取り又は巻き戻すことで、ワイヤに吊り下げた吊下物を昇降させる昇降装置において、前記ドラムの巻き取り方向の回転時には該ドラムの回転に応じてドラムを回転軸方向における一方側に移動させると共にドラムの巻き戻し方向の回転時には該ドラムの回転に応じてドラムを回転軸方向における他方側に移動させるドラム移動手段を設け、ドラム移動手段によるドラムの移動軌跡上に吊下物が上限位置又は下限位置の少なくともいずれか一方の位置にある時のドラムに接触するドラム被接触部を設け、該ドラム被接触部にドラムが接触することにより切り替えられるスイッチを設けて成ることを特徴とする昇降装置。
- 前記ドラム被接触部として、ドラムの回転軸方向における一方側に位置する上限用ドラム被接触部と他方側に位置する下限用ドラム被接触部を設け、前記スイッチは上限用ドラム被接触部にドラムが接触した場合及び下限用ドラム被接触部にドラムが接触した場合のいずれの場合にも切り替えられるものであることを特徴とする請求項1に記載の昇降装置。
- 前記上限用ドラム被接触部及び下限用ドラム被接触部を一体に連結したスイッチ切替部材を構成し、ドラムの回転軸方向における一方側の端部に上限用ドラム被接触部に接触する上限用接触部を設けると共に他方側の端部に下限用ドラム被接触部に接触する下限用接触部を設け、上限用接触部及び上限用ドラム被接触部の接触面のうち少なくともいずれか一方、及び、下限用接触部及び下限用ドラム被接触部の接触面のうち少なくともいずれか一方を、ドラムの回転軸方向に対して同一方向に傾斜した傾斜面とし、上限用接触部及び上限用ドラム被接触部の接触面同士が接触した場合、及び、下限用接触部及び下限用ドラム被接触部の接触面同士が接触した場合のいずれの場合も、上限用ドラム被接触部又は下限用ドラム被接触部が前記傾斜面に沿ってドラムの回転軸方向と直交する同一方向に移動すると共に、スイッチ切替部材がドラムの回転軸方向と直交する同一方向に運動して該スイッチ切替部材により前記スイッチを切り替えるものであることを特徴とする請求項2に記載の昇降装置。
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JP (1) | JP2008265999A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108100904A (zh) * | 2018-01-29 | 2018-06-01 | 赖季谷 | 升降机构 |
-
2007
- 2007-04-24 JP JP2007114692A patent/JP2008265999A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108100904A (zh) * | 2018-01-29 | 2018-06-01 | 赖季谷 | 升降机构 |
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