JP2008265493A - 車室内空気制御装置 - Google Patents

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進士 梶本
Yukifumi Takigawa
幸史 瀧川
Shinichi Akiyama
真一 秋山
Akihiro Kobayashi
明宏 小林
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Abstract

【課題】帯電物質を車室内に確実に供給し得る車室内空気制御装置を提供する。
【解決手段】熱交換器、及び、熱交換器を通過した空調風を車室に導く複数の送風ダクトD1〜D5であって、各末端側及び所定の部位で車室にて開口し空調風を吹き出す吹出開口を備えた送風ダクトを有する空調手段と、空気環境の浄化特性を備えた帯電物質を発生する浄化手段と、を備えた車室内空気制御装置において、吹出開口として、車室への空調風の供給停止状態となるように吹出開口を遮断する遮断部を備えた第1の吹出開口と、常時開口する第2の吹出開口とを設け、また、上記浄化手段10を、第2の吹出開口に対応した送風ダクトに帯電物質を供給可能であるように配設する。
【選択図】図1

Description

この発明は、車室内空気制御装置に、より詳しくは、車両の車室内の空気を浄化する空気浄化デバイスを備えた車室内空気制御装置に関する。
従来、車両においては、車室内の空気を浄化する空気浄化デバイスが設置されることが一般的に行われるが、近年では、空気浄化デバイスとして、空気中に浮遊した臭い成分や車室内の壁面等に付着した臭い成分を除去する浄化特性を備えたナノメータサイズの帯電微粒子水(所謂ナノイオン)を発生させるデバイスを採用することが知られている。例えば下記特許文献1及び2には、ナノイオンを発生させる空気浄化デバイスが、空調ユニット内に設置される例、あるいは、車室内のインストルメントパネル上部又はピラーに設置されたりする例が開示されている。
また、別に、例えば下記特許文献3に開示されるように、除菌,消臭,リフレッシュ効果をもたらすとされる、プラスとマイナスの電荷を有するイオン粒子を発生させるプラズマクラスタシステムを採用した車室内空気清浄装置が知られている。
特開2006−151046号公報 特開2006−111227号公報 特開2005−075233号公報
ところで、帯電物質がダクト内壁と干渉することなく効率良く車室内に撒布されるには、帯電物質の発生器をベンチレータ等のダクト開口の近傍に設けることが望ましい。しかしながら、近年の車両では、ベンチレータを遮断するルーバが設けられることが一般的であり、帯電物質の発生器をベンチレータ近傍に設け、帯電物質を発生させても、ベンチレータが遮断されたままでは効果が得られない。
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、帯電物質を車室内に確実に供給し得る車室内空気制御装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、特に帯電物質としてナノイオンを採用した場合に、ウィンドウ内面の曇りをもたらすことなく、帯電物質を車室内に供給し得る車室内空気制御装置を提供することを目的とする。
そこで、本願の請求項1に係る発明は、熱交換器、及び、該熱交換器を通過した空調風を車室に導く複数の送風ダクトであって、各末端側及び所定の部位で車室にて開口し該空調風を吹き出す吹出開口を備えた送風ダクトを有する空調手段と、空気環境の浄化特性を備えた帯電物質を供給する浄化手段と、を備えた車室内空気制御装置において、上記吹出開口として、車室への空調風の供給停止状態となるように該吹出開口を遮断する遮断部を備えた第1の吹出開口と、常時開口する第2の吹出開口とが設けられており、上記浄化手段が、上記第2の吹出開口に対応した送風ダクトに帯電物質を供給可能であるように配設されている、ことを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記第2の吹出開口は、サイドウィンドウのドアミラー近傍部位に空調風を吹出し可能吹出開口である、ことを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、上記熱交換器が空気を加熱する機能を備え、上記第1の吹出開口は、車室内の前席乗員の上体側に向けて該熱交換器を通過した後の温かい空調風を供給可能に配置されている、ことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1〜3に係る発明のいずれかにおいて、上記浄化手段は、帯電物質として帯電微粒子水を供給する手段である、ことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、上記熱交換器は空気を除湿する機能を備え、該熱交換器を通過した後の乾燥した空調風を、上記第2の吹出開口から車室に供給可能に構成されており、上記浄化手段は、少なくとも上記熱交換器を通過した後の乾燥した空調風が上記第2の吹出開口から車室に供給されるときには、上記帯電微粒子水を車室内に供給する、ことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項6に係る発明は、請求項4又は5に係る発明において、上記浄化手段は、外気温又は内気温が低いときに、上記帯電微粒子水の供給を抑制するように作動規制される、ことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項7に係る発明は、請求項4〜6に係る発明のいずれかにおいて、上記浄化手段は、車両の運転停止時に作動させられる、ことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項8に係る発明は、請求項4〜7に係る発明のいずれかにおいて、上記浄化手段は、帯電微粒子水の供給状態と供給停止状態とが交互に切り替わるように作動制御される、ことを特徴としたものである。
本願の請求項1に係る発明によれば、上記浄化手段が第2の吹出開口に対応した送風ダクトに帯電物質を供給可能であるように配設されるため、上記遮断部により第1の吹出開口が供給停止状態にされた場合にも、帯電物質を車室内に確実に供給可能である。
また、本願の請求項2に係る発明によれば、乗員に比較的近い吹出開口から帯電物質を供給することができ、乗員周囲の空気環境の浄化を効率良く実現することができる。
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、例えば冬季など暖気が直接に乗員の上体側に供給されることで乗員の眠気等を催すのを防止するために、上記遮断部により第1の吹出開口が供給停止状態にされた場合には、眠気等の発生を抑制しつつ、車室内へ帯電物質を供給することができる。
また、更に、本願の請求項4に係る発明によれば、帯電物質として帯電微粒子水を供給することで、空気中に浮遊した臭い成分や車室内の壁面等に付着した臭い成分を除去することができる。
また、更に、本願の請求項5に係る発明によれば、上記熱交換器を通過した後の乾燥した空調風が上記第2の吹出開口から車室に供給されるときに、上記帯電微粒子水を車室内に供給することで、ウィンドウの曇りの発生を抑制することができる。
また、更に、本願の請求項6に係る発明によれば、外気温又は内気温が低いときに帯電微粒子水の供給を抑制して、ウィンドウの曇りの発生を抑制することができる。
また、更に、本願の請求項7に係る発明によれば、ウィンドウが曇っても支障のない車両の運転停止時に帯電微粒子水を供給することで、空気環境を効率的に浄化することができる。
また、更に、本願の請求項8に係る発明によれば、帯電物質を間欠的に供給することでウィンドウの曇りの発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1及び2は、それぞれ、本発明の実施形態に係る車両用空気制御装置の基本構成を概略的に示す平面図及び図1中のX−X線に沿った縦断面説明図である。車両用空気制御装置は、インストルメントパネル20内に組み込まれ、車室内の空気の換気や温度,湿度及び風量の制御を行うように構成される空調ユニット1を有している。この空調ユニット1は、基本的に、各種構成を収容する本体部2と、本体部2から延び空気流路を規定する各種送風ダクトD1〜D5と、本体部2内に取り込まれる空気を車室内と車室外との間で切り換える外内気切換ユニット15とを有している。外内気切換ユニット15は、空気の導入口を外気導入口16と内気導入口17との間で切り換える機構を備え、本体部2とは直通通路18を介して空気の流通が可能であるように接続されている。
本体部2においては、外内気切換ユニット15を通じて車内外の空気を吸い込むとともに各種送風ダクトD1〜D5を通じて車室内に供給するブロワファン3が設けられている。また、ブロワファン3よりも下流側には、順に、本体部2に取り込まれた空気を冷却及び除湿する熱交換器であるエバポレータ4と、その空気を加熱する熱交換器であるヒータコア5とが設けられている。更に、エバポレータ4及びヒータコア5の近傍には、車室内に供給される空調風の温度を調節するために、エバポレータ4を通過して冷却された空気及びヒータコア5を通過して加熱された空気を所定の割合で混合するように、本体部2内の空気流路を変更するエアミックスドア6が設けられている。
また、エアミックスドア6の下流側には、運転席や助手席に着座する乗員の足元に空調風を吹き出すための足元吹出用ダクトD1が本体部2から下方へ延びるように設けられている。更に、その足元吹出用ダクトD1の延出部分の下流側には、足元吹出用ダクトD1及び他の送風ダクトD2〜D5への空気の流量を調整するように本体部2内の空気流路を変更する足元吹出切換ドア7が設けられている。
また、更に、足元吹出切換ドア7の下流側には、乗員の上体側若しくは車室後方に向けて空調風を吹き出す吹出開口としてのベンチレータ用のダクトD2〜D4への空調風の流量を調整するとともに、フロントウィンドウW1(図1参照)及びサイドウィンドウW2(図2参照)の曇りや露を除去すべく、それらウィンドウW1,W2に対して少なくともエバポレータ4を通過させられることで乾燥した空調風を吹き出す吹出開口としてのデフ吹出開口P1及びデフ吹出開口P2用のダクトD5への空調風の流量を調整するように、本体部2内の空気流路を変更するベンチレータ/デフ吹出開口切換ドア8が設けられている。
続いて、本体部2から延び空気流路を規定する各送風ダクトD1〜D5についてより詳しく説明すると、まず、送風ダクトD1は、運転席や助手席に着座する乗員の足元に空調風を吹き出すように本体部2から下方へ延びる足元吹出用ダクトであり、その末端側では、乗員の足元近傍にて開口するフット吹出開口S1を備えている。また、送風ダクトD2は、車室内の前側シートに着座する乗員の上体側に向けて空調風を吹き出すように本体部2から延びるベンチレータ用ダクトであり、その末端側で、インストルメントパネル20の前側上部にて開口するベンチレータS2を備えている。なお、このベンチレータS2は、空調風の吹出し方向を調整可能であるとともに車室への空調風の供給停止状態となるようにベンチレータS2を遮断するルーバRを備えている。ルーバRは、自動で若しくは手動で制御されるもので、例えば冬季など暖気が直接に乗員の上体側に供給されることで乗員の眠気等を催すのを防止する場合に、ベンチレータS2を遮断するように手動若しくは自動制御される。なお、ルーバによる遮断に代えて、遮断用の弁を設けてもよい。
更に、送風ダクトD3は、車室の後方に向けて空調風を吹き出すように本体部2から延びるベンチレータ用ダクトであり、その末端側で、インストルメントパネル20の上部にて開口するベンチレータS3を備えている。また、更に、送風ダクト4は、車室内の前側シートに着座する乗員の上体側に向けて車幅方向外側から空調風を吹き出すように本体部2から延びるベンチレータ用ダクトであり、その末端側で、インストルメントパネル20の車幅方向側部にて開口するベンチレータS4を備えている。なお、このベンチレータS4は、ベンチレータS2と同様に、空調風の吹出し方向を調整可能であるとともに車室への空調風の供給停止状態となるようにベンチレータS4を遮断するルーバRを備えている。
そして、送風ダクト5は、サイドウィンドウW2に少なくともエバポレータ4を通過せられて乾燥した空調風を導くように本体部2から延びるダクトであり、略車幅方向に沿って延びる途中部で、フロントウィンドウW1に空調風を吹き付けるデフ吹出開口P1を備えるとともに、その末端側で、インストルメントパネル20の車幅方向側部にて開口し、サイドウィンドウW2のドアミラーM近傍部位に空調風を吹き付けるデフ吹出開口P2を備えている。
乗員は、以上の構成を備えた空調ユニット1を、インストルメントパネル20に組み込まれる操作部13(図1参照)を介して操作することができる。空調ユニット1の制御方式としては、基本的に、外気温度に応じて車室内温度を自動的に設定し得るオート設定方式と、乗員が車室内温度を任意に設定し得るマニュアル設定方式とがある。オート設定方式では、日射量,車室内の空気温度,外気温等の情報に基づき、吹き出す空調風の温度,風量,吹出開口が決定される。
加えて、本実施形態では、図1に示すように、デフ吹出開口P2用のダクトD5の途中部に、空気中に浮遊した臭い成分や車室内の壁面等に付着した臭い成分を除去する浄化特性を備えた帯電微粒子水(ナノイオン)を発生する浄化デバイス10が設けられている。この浄化デバイス10は、空気を結露点以下にまで冷却することで結露水を生成しつつ、その結露水を用いてナノイオンを発生させるナノイオン発生ユニット10aと、発生したナノイオンをデフ吹出開口P2用のダクトD5に送り出す小型のファン10bとを有している。乗員は、かかる浄化デバイス10を、前述した空調ユニット1とは別に、インストルメントパネル20に組み込まれた操作部13(図1参照)に含まれるオンオフ切換スイッチ等の手段を介して操作することができる。
このように、本実施形態では、ナノイオンを発生する浄化デバイス10が、デフ吹出開口P2用のダクトD5の途中部に設けられるため、乗員から比較的近いデフ吹出開口P2からナノイオンを供給することができ、また、例えば冬季など、暖気が乗員の上体側に直接に供給されて乗員の眠気等を催すのを防止するために、ベンチレータS2又はS4がルーバRにより遮断された場合にも、デフ吹出開口P2から車室内へナノイオンを確実に供給することができる。しかし、その一方で、デフロスタの非作動時に浄化デバイス10が作動させられると、浄化デバイス10から放出されたナノイオンによりサイドウィンドウW2が曇るおそれがある。これに対処すべく、本実施形態では、サイドウィンドウW2が曇らない条件で浄化デバイス10が作動させられる工夫がなされている。
具体的に、本実施形態では、デフロスタの非作動時に、外気温又は内気温が所定値を越えれば、サイドウィンドウW2が曇る可能性が低いとして、例えばファン10bが高速回転するように浄化デバイス10が強作動させられ、他方、外気温又は内気温が所定値以下であれば、サイドウィンドウW2が曇る可能性が高いとして、例えばファン10bが低速回転するように浄化デバイス10が弱作動させられる。この場合、外気温及び内気温を測定する手段として車両に設けられた温度センサ11(図3参照)が用いられる。
また、車両の運転停止時には、サイドウィンドウW2が曇っても支障がないため、浄化デバイス10が作動させられる。ここで、車両が運転停止状態にあることは、車両に設けられたドライバ着座センサ12(図3参照)により検出されるドライバの着座状態に基づいて判断される。
更に、浄化デバイス10の作動時には、常時、ナノイオンを供給する状態と非供給状態とを交互に切り替えることで、ナノイオンを間欠的に供給するような制御が行われてもよい。
図3は、空調ユニット1及び浄化デバイス10を制御する上で関連する電気的な構成を示すブロック図である。空調ユニット1を構成するブロワファン3,各種切換ドア6,7,8とともに、浄化デバイス10,温度センサ11,ドライバ着座センサ12,各種操作部13は、共に、ECU30に電気的に接続されている。ECU30は、温度センサ11,ドライバ着座センサ12若しくは各種操作部13からの信号入力に応じて、空調ユニット1及び浄化デバイス10に制御信号を出力し、それらを制御する。
図4は、空調ユニット1に組み込まれた浄化デバイス10の制御処理に関するフローチャートである。この処理では、まず、各種センサからの信号が読み込まれ(#12)、その後、空調ユニット1が、インストルメントパネル20に組み込まれた操作部13を介して、ブロワファン3がオンにされるように乗員により操作されたか否かが判断される(#12)。その結果、空調ユニット1が操作されていないと判断された場合には、ステップ#14へ直接に進み、他方、空調ユニット1が操作されたと判断された場合には、続いて、空調制御が行われた上で(#13)、ステップ#14へ進む。
なお、ステップ#13における空調制御においては、モード制御や温度制御が自動的に行われる。モード制御とは、外気温又は内気温の高低に応じて、エアミックスドア6,足元吹出切換ドア7,ベンチレータ/デフ吹出開口切換ドア8の姿勢を調整し、車室内への各種送風供給口を採用するモードを変更する制御であり、例えば、外気温又は内気温が高い場合に、ベンチレータS2〜S4のみ若しくはフット吹出開口S1及びベンチレータS2〜S4から車室内への送風を行うモード(以下、ベンチモードという)が設定されるように、他方、外気温又は内気温が低い場合には、デフ吹出開口P1,P2及びフット吹出開口S1から車室内への送風を行うモード(以下、デフモードという)が設定されるように、制御が行われる。また、一方、温度制御では、外気温,内気温,乗員設定温度,日射等の条件から決まる目標室内温度を達成するために、エアミックスドア6の姿勢が調整される。
ステップ#14では、空調ユニット1に組み込まれた浄化デバイス10が、インストルメントパネル20に組み込まれた操作部13を介して乗員により操作されたか否かが判断される。その結果、浄化デバイス10が操作されたと判断された場合には、続いて、デフモードが設定されているか否かが判断され(#15)、他方、浄化デバイス10が操作されていないと判断された場合には、ステップ#19へ進む。なお、ステップ#19以降のステップについては、後述する。
ステップ#15の結果、デフモードが設定されているとは判断された場合には、サイドウィンドウW2が曇る可能性が低いとして、ファン10bが高速回転させられるように、つまりファン10bの風量が大となるように浄化デバイス10が強作動させられ(#16)、以上で処理がリターンされる。また、一方、ステップ#15の結果、デフモードが設定されていないと判断された場合には、続いて、外気温又は内気温が所定値以下であるか否かが判断され(#17)、その結果、外気温/内気温が所定値を越えると判断された場合には、サイドウィンドウW2が曇る可能性が低いとして、ファン10bが高速回転させられるように、つまりファン10bの風量が大となるように浄化デバイス10が強作動させられ(#16)、他方、外気温/内気温が所定値以下であると判断された場合には、
サイドウィンドウW2が曇る可能性が高いとして、ファン10bが低速回転させられるように、つまりファン10bの風量が小となりナノイオンの供給が抑制されるように浄化デバイス10が弱作動させられる(#18)。ステップ#18の後には、処理がリターンされる。
また、ステップ#19では、ドライバが着座していないか否かが判断され、その結果、ドライバが着座していると判断された場合には、即時に処理がリターンされ、他方、ドライバが着座していないと判断された場合には、サイドウィンドウW2が曇っても支障がないとして、浄化デバイス10が強作動させられる(#20)。この浄化デバイス10の強作動(#20)の開始に伴い、タイマーカウントが開始され(#21)、その後、所定時間Tが経過したか否かが判断される(#22)。その結果、所定時間Tが経過していないと判断された場合には、ステップ#22が繰り返され、他方、所定時間Tが経過したと判断された場合には、即時に、浄化デバイス10の強作動が停止させられる(#23)。ステップ#23の後には、処理がリターンされる。
以上のような説明から明らかなように、本実施形態によれば、浄化デバイス10が、ベンチレータS2,S4のようにルーバRを備えていないデフ吹出開口P2に対応した送風ダクトD2〜D4にナノイオンを供給可能に配設されるため、ナノイオンを車室内に確実に供給することができる。その結果、空気中に浮遊した臭い成分や車室内の壁面等に付着した臭い成分を効果的に除去することができる。また、乗員に比較的近いデフ吹出開口P2からナノイオンが供給されるため、乗員周囲の空気環境の浄化を効率良く実現することができる。
更に、基本的には、デフ吹出開口P1,P2から乾いた空調風を吹き出す場合に、ナノイオンを車室内に供給することで、サイドウィンドウW2の曇りの発生を抑制することができる。また、外気温又は内気温が所定値以下であるように低いときにナノイオンの供給を抑制することで、サイドウィンドウW2の曇りの発生を抑制することができる。また、更に、サイドウィンドウW2が曇っても支障のない車両の運転停止時にナノイオンを供給することで、空気環境を効率的に浄化することができる。
なお、本発明は、例示された実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、図4中の浄化デバイス10の弱作動(#18)では、ファン10bが風量小となるように低速回転させられたが、これに限定されることなく、所定間隔(例えば1〜3分)でファン10bの作動のオンオフが交互に切り換えられてもよい。また、図4中の空調制御(#13)では、モード制御が自動化に限定されず、手動で行われてもよい。更に、図4中のステップ#16及び#18における浄化デバイス10の作動時にも、ステップ#20における浄化デバイス10の作動と同様に、作動開始後から所定時間だけ継続するように制御されてもよい。また、更に、車両が運転停止状態にあることは、ドライバ着座センサ12により検出されるドライバの着座状態に基づいて判断されたが、これに限定されることなく、例えば、イグニッションのオンオフ状態やドアの施錠状態に基づいて判断されてもよい。
また、更に、梅雨等でガラスが曇り易い場合などには、前述したものとは別のロジックでデフロスタ(不図示)及び浄化デバイス10の作動が調整されてもよい。また、更に、前述した実施形態では、ナノイオンを発生する浄化デバイス10が用いられたが、これに限定されることなく、帯電物質として、プラスとマイナスの電荷を有するイオン粒子を発生させるプラズマクラスタシステムが採用されてもよい。
本発明の実施形態に係る車両用空気制御装置の基本構成を概略的に示す平面図である。 図1中のX−X線に沿った縦断面説明図である。 上記車両用空気制御装置を構成する空調ユニット及び浄化デバイスを制御する上で関連する電気的な構成を示すブロック図である。 上記浄化デバイスの制御処理に関するフローチャートである。
符号の説明
1…空調ユニット,2…本体部,3…ブロワファン,4…エバポレータ,5…ヒータコア,6…エアミックスドア,7…足元吹出切換ドア,8…ベンチレータ/デフ吹出開口切換ドア,10…浄化デバイス,10a…ナノイオン発生ユニット,10b…ファン,11…温度センサ,12…乗員着座センサ,13…操作部,20…インストルメントパネル,30…ECU,D1〜D5…送風ダクト,M…ドアミラー,S1…フット吹出開口,S2〜S4…ベンチレータ,P1,P2…デフ吹出開口,R…ルーバ,W2…サイドウィンドウ。

Claims (8)

  1. 熱交換器、及び、該熱交換器を通過した空調風を車室に導く複数の送風ダクトであって、各末端側及び所定の部位で車室にて開口し該空調風を吹き出す吹出開口を備えた送風ダクトを有する空調手段と、空気環境の浄化特性を備えた帯電物質を供給する浄化手段と、を備えた車室内空気制御装置において、
    上記吹出開口として、車室への空調風の供給停止状態となるように該吹出開口を遮断する遮断部を備えた第1の吹出開口と、常時開口する第2の吹出開口とが設けられており、
    上記浄化手段が、上記第2の吹出開口に対応した送風ダクトに帯電物質を供給可能であるように配設されている、ことを特徴とする車室内空気制御装置。
  2. 上記第2の吹出開口は、サイドウィンドウのドアミラー近傍部位に空調風を吹出し可能吹出開口である、ことを特徴とする請求項1記載の車室内空気制御装置。
  3. 上記熱交換器が空気を加熱する機能を備え、上記第1の吹出開口は、車室内の前席乗員の上体側に向けて該熱交換器を通過した後の温かい空調風を供給可能に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車室内空気制御装置。
  4. 上記浄化手段は、帯電物質として帯電微粒子水を供給する手段である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の車室内空気制御装置。
  5. 上記熱交換器は空気を除湿する機能を備え、該熱交換器を通過した後の乾燥した空調風を、上記第2の吹出開口から車室に供給可能に構成されており、
    上記浄化手段は、少なくとも上記熱交換器を通過した後の乾燥した空調風が上記第2の吹出開口から車室に供給されるときには、上記帯電微粒子水を車室内に供給する、ことを特徴とする請求項4記載の車室内空気制御装置。
  6. 上記浄化手段は、外気温又は内気温が低いときに、上記帯電微粒子水の供給を抑制するように作動規制される、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の車室内空気制御装置。
  7. 上記浄化手段は、車両の運転停止時に作動させられる、ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一に記載の車室内空気制御装置。
  8. 上記浄化手段は、帯電微粒子水の供給状態と供給停止状態とが交互に切り替わるように作動制御される、ことを特徴とする請求項4〜7のいずれか一に記載の車室内空気制御装置。
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