JP2008265084A - タイヤ加硫方法および装置並びに空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】装置が簡単かつ安価でありながら、ビードコア12を規定位置に高能率で位置させる。
【解決手段】上、下モールド29、28に、少なくとも加硫時にビード部13に押し込まれてその先端がビードコア12に接触することにより、該ビードコア12を規定位置に位置決めする位置決め部材45を設けたので、位置決め部材45の押込みによってビード部13のゴムが若干流動したり、ビードコア12の周囲のゴムゲージのばらつきにより、ビードコア12の位置がずれても、位置決め部材45がビードコア12に接触することで、ビードコア12の位置が修正され、規定位置に確実かつ高精度で位置決めすることができる。
【選択図】図3

Description

この発明は、少なくとも上、下モールドからなる加硫金型を用いて未加硫タイヤを加硫するタイヤ加硫方法および装置並びに空気入りタイヤに関する。
一般に、未加硫タイヤは、下モールド上に横置きで載置した後、加硫金型が上、下モールドから構成されているときには、上モールドを下降させることで、また、加硫金型が上、下、セクターモールドから構成されているときは、上モールドを下降させるとともに、セクターモールドを半径方向内側に同期移動させることで、閉止された加硫金型内の加硫空間に密閉収納した後、未加硫タイヤ(ブラダ)内等に高温・高圧の加硫媒体を供給することで加硫し、加硫済タイヤ(空気入りタイヤ)としている。
ここで、前述した未加硫タイヤのビード部は、フィラー付きビードコアの周囲にカーカス層、ゴムチェーファー等が貼付けられただけであるため、断面外輪郭は略U字形を呈しているが、加硫済タイヤでは断面外輪郭が開口側が狭くなった略コの字形を呈し、未加硫タイヤと形状がかなり異なっているため、加硫時にビード部のゴム(ゴムチェーファー)は大きく流動しなければならない。
このとき、未加硫タイヤにおけるビード部のゴムゲージが規定通りである場合には、加硫済タイヤのビードコアはタイヤ設計通りの規定位置に収まるが、前記ゴムゲージは場所によって異なっていることが多く、この場合には、加硫時のゴム流動量にばらつきが発生して、加硫済タイヤのビードコア位置が規定位置からずれたり偏芯し、タイヤユニフォミティが悪化するという課題があった。
このような課題を解決するため、従来、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが提案された。
特開2006−015708号公報
このものは、未加硫タイヤを加硫金型に入れて加硫する前の段階で、未加硫タイヤのビード部を、外側から加硫済タイヤのビード部外面の形状をした金属製の型で、内側からほぼ平らな金属板で挟み込むとともに、所定の圧力を加えることで、加硫済タイヤのビード形状に近い形状まで変形させ、これにより、その後の加硫工程でのゴム流動量を少なくしたものである。
しかしながら、このような従来のタイヤ加硫方法および装置にあっては、前述した加硫前の変形に基づくゴム流動によってビードコアが規定位置からずれたときには、このずれが加硫済タイヤにそのまま残留し、しかも、余分な作業、即ち、未加硫タイヤの成型装置への脱着、ビード部の変形作業が必要となって作業能率が低下するという課題もあった。また、ビード部を変形するために大掛かりな特別の成型装置が必要となり、設備全体が複雑で高価となるという課題もあった。
この発明は、装置が簡単かつ安価でありながら、ビードコアを規定位置に高能率で位置させることができるタイヤ加硫方法および装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、少なくとも上モールドおよび下モールドからなる加硫金型を閉止手段により閉止することで、ビードコアが埋設された一対のビード部を有する未加硫タイヤを加硫金型内の加硫空間に密閉収納する工程と、前記加硫空間に密閉収納された未加硫タイヤを加硫して加硫済タイヤとする工程とを備えたタイヤ加硫方法において、少なくとも加硫時に、前記上、下モールドに設けられた位置決め部材をビード部に押し込み、その先端をビードコアに接触させることで、該ビードコアを規定位置に位置決めするようにしたタイヤ加硫方法により、達成することができ、
第2に、少なくとも上モールドおよび下モールドからなる加硫金型と、該加硫金型を閉止することで、ビードコアが埋設された一対のビード部を有する未加硫タイヤを加硫金型内の加硫空間に密閉収納する閉止手段とを備え、前記加硫空間に密閉収納された未加硫タイヤを加硫することで加硫済タイヤとするタイヤ加硫装置において、前記上、下モールドに、少なくとも加硫時にビード部に押し込まれてその先端がビードコアに接触することにより、該ビードコアを規定位置に位置決めする位置決め部材をそれぞれ設けたタイヤ加硫装置により、達成することができる。
この発明においては、上、下モールドに、少なくとも加硫時にビード部に押し込まれてその先端がビードコアに接触することにより、該ビードコアを規定位置に位置決めする位置決め部材を設けたので、位置決め部材の押込みによってビード部のゴムが若干流動したり、ビードコア周囲のゴムゲージのばらつきによりビードコアの位置がずれても、位置決め部材がビードコアに接触することで、ビードコアの位置が修正され、規定位置に確実かつ高精度で位置決めすることができる。
また、位置決め部材は上、下モールドに設けられているため、簡単にビード部に押し込むことができ、この結果、従来技術のような余計な作業は不要となって作業能率が向上する。しかも、上、下モールドに位置決め部材を設けるだけでよく、従来技術で説明したような大掛かりで特別な成型装置は不要で、装置が簡単となり、安価に製作することもできる。
また、請求項3に記載のように構成すれば、加硫済タイヤに位置決め部材が抜き出された後の残留凹みが残っていても、リムに装着したとき、該残留凹みの両側のビード部がリムに密着するため、エア漏れが生じることはなく、タイヤ内圧を長期に亘って保持することができる。さらに、請求項4に記載のように構成すれば、上、下モールドの旋盤加工時に位置決め部材を共に形成することができるため、その製作が簡単となり製作費も安価となる。また、請求項5に記載のように構成すれば、加硫時における上、下モールドと未加硫タイヤとの間のエア抜きを容易とすることができる。
さらに、請求項6に記載のように構成すれば、加硫金型の閉止作業が容易となるとともに、位置決め部材のビード部への押込みが容易となる。また、請求項7に記載の空気入りタイヤは、ビードコアが高精度で規定位置に位置しており、ユニフォミティが向上する。さらに、請求項8に記載のように構成すれば、水分が残留凹みを通じてビードコアに到達する事態を阻止することで、ビードコアの腐食を防止することができる。
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1において、11は子午線断面が略円弧状(略トロイダル状)をした未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)であり、この未加硫タイヤ11は一対のビード部13を有し、各ビード部13にはスチールからなるビードコア12がそれぞれ埋設されている。また、前記未加硫タイヤ11は、これらビード部13から略半径方向外側に向かってそれぞれ延びるサイドウォール部14と、両サイドウォール部14の半径方向外端同士を連結する略円筒状のトレッド部15とをさらに備えている。
そして、この未加硫タイヤ11は補強コードが内部に埋設され前記サイドウォール部14、トレッド部15を補強するカーカス層18を有し、このカーカス層18の両端部はフィラー16が装着されたビードコア12の回りに折り返されている。19はカーカス層18の半径方向外側に配置され、複数枚のベルトプライを積層することで構成したベルト層であり、このベルト層19のベルトプライ内には多数本の補強コードが埋設されている。
また、前記ベルト層19の半径方向外側にはトップトレッド20が、カーカス層18の軸方向両外側にはサイドトレッド21が配置されている。23は前記カーカス層18の内側に積層された耐空気透過性の高いゴムからなるインナーライナーであり、このインナーライナー23とサイドトレッド21との間でビードコア12を囲むビード部13にはゴムからなるゴムチェーファー24が配置されている。
そして、前述のような未加硫タイヤ11は、図2に示すような加硫装置27によって加硫される。ここで、前記加硫装置27は図示していない下基台に固定された下モールド28を有し、この下モールド28は加硫時、未加硫タイヤ11の下側サイドウォール部14を主に、ここでは下側ビード部13も型付けすることができる。29は下モールド28の上方に設置された上モールドであり、この上モールド29は昇降可能な図示していない上プレートに固定されており、この結果、前記上プレートが昇降すると、上モールド29も上プレートと共に昇降する。
そして、この上モールド29が前述のようにして下降すると、該上モールド29は下モールド28に接近し未加硫タイヤ11に接触する。この結果、前記上モールド29は、加硫時に、未加硫タイヤ11の上側サイドウォール部14を主に、ここでは上側ビード部13も型付けすることができる。31は周方向に沿って配置された複数(例えば9個)の弧状を呈するホルダーであり、これらのホルダー31の上端は前記上プレートに半径方向に移動可能に支持されている。
これらホルダー31は上プレートと別個に昇降するアウターリングにあり継手を介して連結されており、この結果、上プレートに対して前記アウターリングが昇降すると、ホルダー31は半径方向に同期して等距離だけ移動する。そして、前記ホルダー31は、半径方向内側限まで移動したとき、ホルダー31の周方向端面同士が密着して連続したリング状となる。
前記ホルダー31の半径方向内側面には弧状を呈するセクターモールド32がそれぞれ固定されており、この結果、これら複数(ホルダー31と同数)のセクターモールド32は周方向に沿って配置されるとともに、ホルダー31と一体となって半径方向に等距離だけ同期移動することができる。また、各セクターモールド32は、加硫時に、未加硫タイヤ11のトレッド部15を主に型付けすることができる。
そして、前記セクターモールド32は、ホルダー31と共に半径方向内側限まで移動したとき、その周方向端面同士が密着して連続したリング状となるが、このとき、該セクターモールド32は下降限まで移動してきた上モールド29および下モールド28に密着するため、これらセクターモールド32は下、上モールド28、29と共に、内部に未加硫タイヤ11を密閉収納するドーナツ状の加硫空間33を形成する。
前述した下、上モールド28、29、セクターモールド32は全体として、加硫金型34を構成する。ここで、前記加硫金型は上モールドおよび下モールドのみから構成してもよく、要するに、少なくとも上、下モールドから構成されていればよい。そして、前述の上プレート、アウターリングおよびこれらを昇降させる手段、例えばシリンダは全体として、加硫金型34を閉止することで、前記未加硫タイヤ11を加硫金型34内の加硫空間33に密閉収納する閉止手段を構成する。
36は昇降可能な下クランプリングであり、この下クランプリング36は下降したとき、下モールド28の内端部に当接する。37は前記下クランプリング36の上方に設置され、下クランプリング36と別個に昇降可能な上クランプリングであり、この上クランプリング37は上昇したとき、上モールド29の内端部に当接する。38は下端部が下クランプリング36に、上端部が上クランプリング37にそれぞれ気密状態で保持された屈曲可能な加硫ブラダであり、この加硫ブラダ38は内部に高温、高圧の加硫媒体が供給されると、未加硫タイヤ11内でドーナツ状に膨張し、加硫空間33に密閉収納された未加硫タイヤ11を加硫金型34に押し付けながら加硫して加硫済タイヤ40とする。
図2、3、4において、前記下、上モールド28、29の内側部には、閉止された加硫金型34の軸方向両外側から軸方向中央に向かうに従い半径方向外側に傾斜した複数のガイドスリット43がそれぞれ形成され、これらのガイドスリット43は半径方向外端がビード部13のビードヒール部42を型付けするヒール部型付け面44に開口するとともに、周方向に等距離離れて配置されている。これらガイドスリット43内には該ガイドスリット43に沿って移動することができる複数の帯板状を呈する位置決め部材45が摺動可能に収納され、これらの位置決め部材45の半径方向内端部にはカムフォロア46が回転可能に支持されている。尚、前記位置決め部材45は角柱状、円柱状を呈していてもよい。
また、前記下、上モールド28、29の内側部には、ガイドスリット43に平行な截頭円錐形で下、上モールド28、29と同軸の略リング状を呈するガイド溝48が形成され、これらのガイド溝48にはガイド溝48と同一形状のリング体49が下、上モールド28、29の軸線回りに回転できるよう収納されている。また、前記リング体49には周方向一側に向かうに従い軸方向中央に向かうよう(ビードコア12に接近するよう)傾斜した複数(位置決め部材45と同数)の傾斜溝50が形成され、これらの傾斜溝50は周方向に等距離離れて配置されるとともに、その内部に前記カムフォロア46が移動可能に収納されている。
この結果、前記リング体49が周方向他側に向かって回転すると、位置決め部材45は傾斜溝50によって下、上モールド28、29の内面、詳しくはヒール部型付け面44から突出して未加硫タイヤ11のビード部13(ゴムチェーファー24)内に押し込まれ、その先端がカーカス層18を介してビードコア12に当接する。この結果、位置決め部材45の押込みによってビード部13のゴムが若干流動したり、ビードコア12の周囲のゴムゲージのばらつきによりビードコア12の位置がずれても、位置決め部材45がビードコア12に接触することで、ビードコア12の位置が修正され、ビードコア12を規定位置に確実かつ高精度で位置決めすることができる。なお、この発明においては、位置決め部材45の先端に細い針を複数形成し、この針でカーカス層18を貫通しビードコア12に直接位置決め部材45を接触させるようにしてもよい。
また、位置決め部材45は下、上モールド28、29に設けられているため、簡単にビード部13に押し込むことができ、この結果、従来技術のような余計な作業は不要となって作業能率が向上する。しかも、下、上モールド28、29に位置決め部材45を設けるだけでよいため、従来技術で説明したような大掛かりで特別な成型装置は不要となり、装置が簡単となって安価に製作することもできる。
一方、前記リング体49が周方向一側に向かって回転すると、位置決め部材45は傾斜溝50によって下、上モールド28、29内に没入し、その先端が下、上モールド28、29の内面、詳しくはヒール部型付け面44と同一面上に位置する。ここで、前述した位置決め部材45は、加硫金型34の閉止完了までは下、上モールド28、29内に没入しているが、加硫金型34の閉止が完了して未加硫タイヤ11の加硫が開始すると、下、上モールド28、29から突出し、その後、未加硫タイヤ11の加硫が完了すると、再び下、上モールド28、29内に没入する。
このように位置決め部材45を下、上モールド28、29にこれらの内面から出没できるよう設け、加硫金型34の閉止前は位置決め部材45を前記下、上モールド28、29内に没入させておく一方、閉止後に位置決め部材45を前記内面から突出させるようにすれば、下モールド28への載置時および上モールド29の下降時に位置決め部材45が邪魔とならないので、加硫金型34の閉止作業が容易となるとともに、位置決め部材45のビード部13への押込みが容易となる。
また、未加硫タイヤ11の加硫が完了した後、加硫金型34の開放前に、位置決め部材45を再び下、上モールド28、29内に没入するようにすれば、加硫済タイヤ40の下、上モールド28、29からの離脱が容易となる。さらに、前述のように位置決め部材45を周方向に断続的に複数配置するようにすれば、加硫時における下、上モールド28、29と未加硫タイヤ11との間のエア抜きを容易とすることができる。
そして、前記位置決め部材45は、以下のような傾斜線Mに沿って延在させることが好ましい。その理由は、加硫済タイヤ40に位置決め部材45が抜き出された後の残留凹み53が、図5に示すように残っていても、該加硫済タイヤ40をリムに装着したとき、該残留凹み53の両側のビード部13がリムに密着するため、エア漏れが生じることはなく、タイヤ内圧を長期に亘って保持することができるが、前述の範囲を外れると、エア漏れが生じるおそれがあるからである。ここで、前記傾斜線Mとは、規定位置に位置するビードコア12の子午線断面における図心Zを通るとともに、下、上モールド28、29の軸線に平行な直線をLとしたとき、前記直線Lに対して10〜80度の角度Aの範囲で傾斜し、かつ、前記ヒール部型付け面44と交差する直線のことである。なお、前述した角度Aの範囲は35〜55度の範囲がさらに好ましい。
56は各リング体49の軸方向外端でその周上1箇所に固定された半径方向に延びるブラケットであり、これらのブラケット56は下、上モールド28、29に形成された周方向に延びる貫通孔57に摺動可能に挿入されるとともに、内端部が下、上モールド28、29の内周から半径方向内側に向かって突出している。
58は駆動手段としてのシリンダであり、これらのシリンダ58のヘッド側は下、上モールド28、29に連結され、一方、そのピストンロッド59の先端は前記ブラケット56の半径方向内端部に連結されている。この結果、前記シリンダ58が作動してピストンロッド59が突出したり引っ込んだりすると、リング体49はガイド溝48内で軸線回りに回転し、これにより、位置決め部材45がカムフォロア46、傾斜溝50により傾斜線Mに沿って移動し、ビードコア12に接近離隔する。
そして、前述のように位置決め部材45がビード部13(ゴムチェーファー24)に押し込まれながら加硫された加硫済タイヤ40は、加硫後にビード部13に残留凹み53が形成されるが、このような残留凹み53全体にゴムからなる嵌入部材62を、図5に示すように、嵌入して該残留凹み53を塞ぐようにしている。ここで、前記嵌入部材62としては残留凹み53と補完関係にある形状の加硫済みゴムを圧入により、あるいは、挿入するとともに接着剤により接着することで、さらには、ねじ込みによってビード部13に固着するようにしてもよく、あるいは、残留凹み53に未加硫ゴムを供給した後、部分加硫を行って加硫接着するようにしてもよい。このようにすれば、水分が残留凹み53を通じてビードコア12に到達する事態を阻止することができ、ビードコア12の腐食を防止することができる。
次に、前記実施形態1の作用について説明する。
前述のような加硫装置27を用いて未加硫タイヤ11を加硫する場合には、位置決め部材45が下、上モールド28、29内に没入してその先端が下、上モールド28、29の内面と同一面上に位置しているとき、未加硫タイヤ11を搬入して円筒状をした加硫ブラダ38の外側に嵌合するとともに、下モールド28上に横置きで載置する。このとき、未加硫タイヤ11の下側サイドウォール部14および下側ビード部13は下モールド28に接触し、下方から支持される。次に、上クランプリング37を下降させながら加硫ブラダ38内に加硫媒体を供給して該加硫ブラダ38をドーナツ状に膨張させ未加硫タイヤ11内に侵入させる。
これと同時に、閉止手段により上モールド29、ホルダー31、セクターモールド32を一体的に下降させ、これらを下モールド28に接近させる。この下降の途中で、ホルダー31はその下端が下基台に当接するため、該ホルダー31、セクターモールド32は下降を停止するが、このとき、上モールド29も下降限に到達して未加硫タイヤ11に当接するため、その下降を停止する。このようなセクターモールド32等の下降停止後もアウターリングは継続して下降するため、ホルダー31、セクターモールド32は半径方向内側限まで同期して移動する。
このとき、これらセクターモールド32は密着して連続リング状となる一方、前記セクターモールド32、下降端に位置する上モールド29および下モールド28は互いに密着して加硫金型34が閉止手段により閉止され、これにより、前記加硫金型34内の加硫空間33に未加硫タイヤ11が密閉収納される。次に、シリンダ58を作動してリング体49をガイド溝48内で周方向他側に回転させ、これにより、全位置決め部材45をカムフォロア46、傾斜溝50により傾斜線Mに沿ってビードコア12に接近するよう同期移動させ、下、上モールド28、29の内面、詳しくはヒール部型付け面44から突出させる。
これにより、これら位置決め部材45は。ビード部13(ゴムチェーファー24)内に押し込まれ、その先端がカーカス層18を介してビードコア12に当接する。この結果、位置決め部材45の押込みによってビード部13のゴムが若干流動したり、ビードコア12の周囲のゴムゲージのばらつきにより、ビードコア12の位置がずれても、位置決め部材45がビードコア12に接触することで、ビードコア12の位置が修正され、該ビードコア12は規定位置に確実かつ高精度で位置決めされる。その後、未加硫タイヤ11(加硫ブラダ38)、下基台等に高温、高圧の加硫媒体が供給されると、未加硫タイヤ11は加硫金型34に押し付けられて型付けされながら加硫され、ユニフォミティが向上した加硫済タイヤ40となる。
次に、シリンダ58を作動してリング体49を周方向一側に回転させ、全位置決め部材45を下、上モールド28、29内に没入させる。その後、閉止手段により上モールド29、ホルダー31、セクターモールド32を上昇させて加硫金型34を開放した後、加硫済タイヤ40を搬送手段により次工程に搬出する。そして、この次工程において、必要に応じビード部13に形成された残留凹み53を嵌入部材62で埋める。
図6は、この発明の実施形態2を示す図である。この実施形態においては、下、上モールド28、29の内面、ここではヒール部型付け面44にビードコア12に向かって傾斜線Mと平行に突出する位置決め部材63を一体形成しているが、これら位置決め部材63は略リング状を呈し周方向に連続して延在している。このように、この実施形態においては、位置決め部材63が下、上モールド28、29に一体形成されているので、加硫金型34の閉止時または加硫時の少なくともいずれか一方において、ここでは閉止時、加硫時の双方において未加硫タイヤ11のビード部13にこれら位置決め部材63が押し込まれてその先端がカーカス層18を介してビードコア12に接触し、該ビードコア12を規定位置に位置決めする。
その後、加硫を行って未加硫タイヤ11を加硫済タイヤ40とする。ここで、前述した下、上モールド28、29は、通常、旋盤加工によって形成されるが、このような旋盤加工時に位置決め部材63も同時に形成することができるため、その製作が簡単となり製作費も安価となる。そして、前記位置決め部材63は前記第1実施形態のように加硫時のみにビード部13に押し込むようにしてもよいが、この実施形態2のように加硫金型34の閉止時にも押し込むようにしてもよく、要するに少なくとも加硫時に押し込めばよい。また、この発明においては、位置決め部材をヒール部型付け面に周方向に断続的に一体形成することで設けるようにしてもよい。
次に、試験例について説明する。この試験に当たっては、位置決め部材が設けられていない通常の上、下、セクターモールドからなる加硫金型を用いて加硫を行った従来タイヤと、上、下モールドにヒール部型付け面から出没可能な16個の位置決め部材を周方向に等間隔離して配置し、該位置決め部材をビードコアに接触するまで未加硫タイヤのビード部に押し込んで加硫した実施タイヤ1〜4と、上、下モールドに、周方向に連続して延びるとともに、ヒール部型付け面から突出した位置決め部材を一体形成し、該位置決め部材をビードコアに接触するまで未加硫タイヤのビード部に押し込んで加硫した実施タイヤ5とを準備した。
ここで、各タイヤのサイズは195/65R15であった。また、前記実施タイヤ1、2、5においては、位置決め部材の直線Lに対する傾斜角度Aをいずれも45度とし、実施タイヤ3、4では傾斜角度Aをそれぞれ90度、 5度とした。また、前記位置決め部材のヒール部型付け面からの突出量は 3mm、位置決め部材の断面積は実施タイヤ1〜4では合計で48mm2、実施タイヤ5では 380mm2であった。さらに、実施タイヤ2に対してのみ位置決め部材が抜き出された残留凹みに加硫ゴムを圧入して該残留凹みを塞いだ。
次に、前述した各タイヤの直線L上、および、図心Zを通るとともに直線Lに直交する直線上でのカーカス層外側のビード部ゴムゲージを測定し、タイヤ設計値のゴムゲージとの差をそれぞれ求めて合計した。その結果を従来タイヤを指数 100で表すと、実施タイヤ1〜5のいずれもが90となり、ビード部におけるゴムゲージがより設計値に近似しビードコアのずれ、偏芯が抑制されていた。
また、前述した各タイヤを6JJのリムに装着した後、 230kPaの内圧を充填するとともに、30± 5度Cの恒温室に1昼夜放置して初期内圧を測定し、その後、国産乗用車に各タイヤを2本ずつ装着し約1ヶ月に亘って3000km程度を走行させた。次に、前記各タイヤを前述の恒温室に再び1昼夜放置して内圧を測定した。その結果を従来タイヤを指数 100で表すと、実施タイヤ1、2、5では 100と差はなかったが、実施タイヤ3、4では98と内圧が若干低下していた。
この発明は、加硫金型を用いて未加硫タイヤを加硫する産業分野に適用できる。
この発明の実施形態1を示す未加硫タイヤの子午線断面図である。 加硫装置の正面断面図である。 位置決め部材近傍の正面断面図である。 図3のI−I矢視断面図である。 加硫済タイヤのビード部を示す子午線断面図である。 この発明の実施形態2を示す図3と同様の正面断面図である。
符号の説明
11…未加硫タイヤ 12…ビードコア
13…ビード部 27…加硫装置
28…下モールド 29…上モールド
33…加硫空間 34…加硫金型
40…加硫済タイヤ 42…ビードヒール部
44…ヒール部型付け面 45…位置決め部材
53…残留凹み 62…嵌入部材

Claims (8)

  1. 少なくとも上モールドおよび下モールドからなる加硫金型を閉止手段により閉止することで、ビードコアが埋設された一対のビード部を有する未加硫タイヤを加硫金型内の加硫空間に密閉収納する工程と、前記加硫空間に密閉収納された未加硫タイヤを加硫して加硫済タイヤとする工程とを備えたタイヤ加硫方法において、少なくとも加硫時に、前記上、下モールドに設けられた位置決め部材をビード部に押し込み、その先端をビードコアに接触させることで、該ビードコアを規定位置に位置決めするようにしたことを特徴とするタイヤ加硫方法。
  2. 少なくとも上モールドおよび下モールドからなる加硫金型と、該加硫金型を閉止することで、ビードコアが埋設された一対のビード部を有する未加硫タイヤを加硫金型内の加硫空間に密閉収納する閉止手段とを備え、前記加硫空間に密閉収納された未加硫タイヤを加硫することで加硫済タイヤとするタイヤ加硫装置において、前記上、下モールドに、少なくとも加硫時にビード部に押し込まれてその先端がビードコアに接触することにより、該ビードコアを規定位置に位置決めする位置決め部材をそれぞれ設けたことを特徴とするタイヤ加硫装置。
  3. 前記位置決め部材を、規定位置に位置するビードコアの子午線断面における図心Zを通るとともに、上、下モールドの軸線に平行な直線Lに対して10〜80度の範囲で傾斜し、かつ、ビード部のビードヒール部を型付けするヒール部型付け面と交差する傾斜線Mに沿って延在させた請求項2記載のタイヤ加硫装置。
  4. 前記位置決め部材を上、下モールドに一体形成するとともに、周方向に連続して延在させた請求項2または3記載のタイヤ加硫装置。
  5. 前記位置決め部材を周方向に断続的に複数配置した請求項2または3記載のタイヤ加硫装置。
  6. 前記位置決め部材を上、下モールドにこれらの内面から出没できるよう設け、加硫金型閉止後に位置決め部材を前記内面から突出させるようにした請求項5記載のタイヤ加硫装置。
  7. 前記請求項1記載のタイヤ加硫方法を用いて加硫することで製造したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  8. 加硫済タイヤから位置決め部材を抜き出すことで形成された残留凹み全体に、ゴムからなる嵌入部材を嵌入して該残留凹みを塞ぐようにした請求項7記載の空気入りタイヤ。
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