しかしながら、特許文献1に記載の撮像装置は投影レンズからレーザ光を照射するため、照射先に人間がいる場合は目等に思わぬ傷害を与える危険性がある。特に、カメラと共通のレンズからレーザ光が出力されるため、被写体を撮像する場合に誤ってレーザ光を出力する虞もある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ビームの出射方向と撮像部による撮像方向とが別方向である場合に、光ビームの出力を低下させることにより、安全性の高い電子機器を提供することにある。
本発明の他の目的は、回動可能な収容体内部にビーム光源を設け、回動に応じてビーム光源を、記憶部に記憶した映像データまたは撮像部から出力される映像データに基づく出力へ択一的に切り替えることにより、安全性に配慮しつつより鮮明な画像の表示を可能とする電子機器を提供することにある。
本発明の他の目的は、複数の検出部を設けることにより、光ビームを出射する際の安全性をより向上することが可能な電子機器を提供することにある。
本発明に係る電子機器は、被写体光を光電変換し映像データを出力する撮像部と、映像データに応じた光ビームを出射する複数色のビーム光源と、該ビーム光源から出射される光ビームの出射方向と前記撮像部による撮像方向とが別方向である場合に、前記ビーム光源から出力される光ビームの出力を低下する低下手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、前記ビーム光源を収容し、前記撮像部による撮像方向または該撮像方向とは別方向へ回動することが可能な収容体を備えることを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、前記ビーム光源は、映像データを記憶する記憶部に記憶した映像データ、または、前記撮像部から出力される映像データに応じた光ビームを択一的に出射するよう構成してあることを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、前記低下手段は、前記収容体が前記撮像部による撮像方向と同方向に位置する場合に、第1出力基準に基づき光ビームを出力するよう構成してあり、前記収容体が前記撮像部による撮像方向と別方向に位置する場合に、前記第1出力基準よりも低い第2出力基準の光ビームを出力するよう構成してあることを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、前記収容体が前記撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出する検出部を備え、前記低下手段は、前記検出部により前記収容体が前記撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出した場合に、第1出力基準に基づき光ビームを出力し、前記検出部により前記収容体が前記撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出しない場合、前記第1出力基準よりも低い第2出力基準の光ビームを出力するよう構成してあることを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、被写体光を取り込むレンズ及び前記撮像部を収容する筐体を備え、前記収容体一端は前記筐体に回動可能に軸支されており、前記収容体他端に跳ね上げ自在に設けられるアイキャップを備え、該アイキャップは光ビームを投影するための拡散板を備えることを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、前記拡散板が前記アイキャップに取り付けられているか否かを検出する拡散板検出部と、該拡散板検出部により前記拡散板が前記アイキャップに取り付けられていないことを検出した場合に、光ビームの出射を停止する停止手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、前記アイキャップの取り付け状態を検出するアイキャップ検出部と、前記検出部により前記収容体が前記撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出しない場合であり、かつ、前記アイキャップ検出部によりアイキャップが取り付けられていないと判断した場合に、光ビームの出射を停止する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、レンズから被写体光が取り込まれ、これが撮像部により光電変換され映像データが出力される。複数色のビーム光源は映像データに応じた光ビームを出射する。そして、ビーム光源から出射される光ビームの出射方向と撮像部による撮像方向とが別方向である場合、低下手段は、ビーム光源から出力される光ビームの出力を低下させる。
本発明にあっては、収容体はビーム光源を収容し、撮像部による撮像方向または該方向とは別方向へ回動する。ビーム光源は、記憶部に記憶した映像データ、または、撮像部から出力される映像データに応じた光ビームを択一的に出射する。
本発明にあっては、低下手段は、収容体が前記撮像部による撮像方向と同方向に位置する場合に、第1出力基準に基づき光ビームを出力する。一方、収容体が撮像部による撮像方向と別方向に位置する場合、第1出力基準よりも低い第2出力基準の光ビームを出力する。
本発明にあっては、検出部は、収容体が撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出する。そして、低下手段は、検出部により収容体が撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出した場合、第1出力基準に基づき光ビームを出力する。一方、検出部により収容体が撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出しない場合、第1出力基準よりも低い第2出力基準の光ビームを出力する。
本発明にあっては、筐体はレンズ及び撮像部を収容する。収容体の一端は筐体に回動可能に軸支されている。一方、収容体の他端には、跳ね上げ自在なアイキャップが設けられる。このアイキャップは光ビームを投影するための拡散板が備わる。
本発明にあっては、拡散板検出部は、拡散板がアイキャップに取り付けられているか否かを検出する。この拡散板検出部により拡散板がアイキャップに取り付けられていないことを検出した場合、停止手段は光ビームの出射を停止する。
本発明にあっては、アイキャップ検出部は、アイキャップの取り付け状態を検出する。そして、検出部により収容体が撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出しない場合であり、かつ、アイキャップ検出部によりアイキャップが取り付けられていないと判断した場合、光ビームの出射が停止される。
本発明にあっては、ビーム光源から出射される光ビームの出射方向と撮像部による撮像方向とが別方向である場合、ビーム光源から出力される光ビームの出力が低下する。これにより、光ビームの出射方向が撮像部による撮像方向と別の場合には、安全なレベルにまで光ビームの出力を低減でき、安全性を高めることができる。
本発明にあっては、収容体はビーム光源を収容し、撮像部による撮像方向または該方向とは別方向へ回動する。ビーム光源は、記憶部に記憶した映像データ、または、撮像部から出力される映像データに応じた光ビームを択一的に出射する。これにより収容体が撮像部による撮像方向へ回動した場合、ビーム光源は記憶部に記憶した映像データを出射し、収容体が撮像部による撮像方向とは別方向へ回動した場合、ビーム光源は撮像部から出力される映像データに応じた光ビームを出射することが可能となる。
本発明にあっては、低下手段は、収容体が撮像部による撮像方向と同方向に位置する場合に、第1出力基準に基づき光ビームを出力する。一方、収容体が撮像部による撮像方向と別方向に位置する場合、第1出力基準よりも低い第2出力基準の光ビームを出力する。これにより、ユーザが撮像部からの映像データに基づく光ビームを目視する際の安全性を維持することができる。
本発明にあっては、検出部により収容体が撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出した場合、第1出力基準に基づき光ビームを出力する。一方、検出部により収容体が撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出しない場合、第1出力基準よりも低い第2出力基準の光ビームを出力する。これにより、ユーザが撮像部からの映像データに基づく光ビームを目視する際の安全性を維持することができる。
本発明にあっては、収容体の一端は筐体に回動可能に軸支されている。一方、収容体の他端には、跳ね上げ自在なアイキャップが設けられる。このアイキャップは光ビームを投影するための拡散板が備わる。このアイキャップ内部の拡散板へ光ビームが投影され、アイキャップを通じてユーザは撮像部からの映像データを確認することが可能となる。
本発明にあっては、拡散板検出部により拡散板がアイキャップに取り付けられていないことを検出した場合、停止手段は光ビームの出射を停止する。これにより何らかの理由により拡散板が取り外された場合でも、ユーザの目に直接光ビームが出射される事態を未然に回避することが可能となる。
本発明にあっては、検出部により収容体が撮像部による撮像方向と同方向に位置することを検出しない場合であり、かつ、アイキャップ検出部によりアイキャップが取り付けられていないと判断した場合、光ビームの出射が停止される。これにより、撮像部からの映像データを表示する際にアイキャップが取り付けられていない場合でも、ユーザの目に直接光ビームが出射される事態を未然に回避することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
実施の形態1
以下本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は電子機器の外観を示す模式的斜視図である。以下では電子機器は撮像装置であり、また光ビームはレーザであるものとして説明する。撮像装置は撮像装置を覆う筐体1、レンズ3、収容体たるビューファインダ2(以下VF2という)、アイキャップ4及び回動部121を含んで構成される。撮像装置は丸みを帯びた直方体状の筐体1に覆われており、筐体1は各種回路等の他、レンズ3及び撮像部34を収容する。筐体1の一側面下部の長手方向に伸びる筒状のレンズホルダ30は先端においてレンズ3の一面を露出させて保持すると共に、内部に図示しないズームレンズ等その他複数のレンズを保持している。レンズ3は被写体光を取り込みレンズホルダ30内部に設けられる撮像部34へ取り込んだ被写体光を入射する。
筐体1の一側面であってレンズホルダ30の上側にはVF2が取り付けられている。VF2は回動部121を中心に回動することができるように、その一端が回動部121にて軸支されている。VF2の他端にはアイキャップ4が跳ね上げ自在に取り付けられている。後述するように、筒状のVF2はレーザ光発生装置21を収容し、レーザ光発生装置21からのレーザ光の強度を変化させることで、レンズ3により撮像する映像の確認等、または、図示しないスクリーン等への投影等を行う。
図1における点線矢印は撮像部34による撮像方向を示し、一点鎖線の矢印はVF2内部のレーザ光発生装置21から出力されるレーザ光の出射方向を示す。撮像方向はレンズ3の光軸上であって、撮像部34からレンズ3へ向かう方向である。一方レーザ光の出射方向はレーザ光発生装置21からレーザ光が出力され、当該レーザ光が筒状のVF2の中心軸に沿って外部へ出射される方向である。図1に示す如く、撮像部34による撮像方向とレーザ光の出射方向とが別方向である場合は、ユーザがアイキャップ4を通じてVF2をのぞき込む虞があるため、レーザ光発生装置21は人間の目に安全な強度でレーザ光を出力する。この場合例えば1mW(第2出力基準)程度で出力するようにすればよい。なお、この値はあくまで一例であって第2出力基準が第1出力基準よりも低ければこれに限定するものではない。
図2はVF2を前側へ回動させた場合の撮像装置の外観を示す斜視図である。筐体1側面に取り付けられるVF2は回動部121を中心に、側面視における2時位置から9時位置にかけて回動することが可能である。図2はVF2を筒状のレンズホルダ30の頂部に当接する9時位置まで回転させた状態を示している。図2の一点鎖線で示すように、VF2が9時位置まで回転した場合、レーザ光発生装置21からのレーザ光出射方向と、撮像方向とが略水平の同方向となる。この場合、スクリーン等への投影を行うべく、第2出力基準よりも出力が高い第1出力基準でレーザ光を出力する。なお、第1出力基準及び目視が可能な第1出力基準よりもレベルの低い第2出力基準については、国際電気標準会議の60825-1「レーザー機器及びその使用者のための安全指針」によるクラス分けを参照して決めればよい。
図3はVF2の縦断面を示す模式的断面図である。VF2は回動部121、レーザ光発生装置21、光走査部22、ヒンジ42、アイキャップ4、拡散板41、無線タグ51、アイキャップセンサ451、凹部45、突起部43及び突起部61を含んで構成される。回動部121は回動軸23及び貫通孔231を含んで構成される。回動軸23は円柱の軸及び当該円柱軸の両先端に2つの球体が設けられたアレイ形状をなす。回動軸23の一方の球体は、図3に示す如くVF2外壁から貫通孔231を貫通してVF2内壁へ突出している。なお、球体の直径は、貫通孔231の口径よりも若干大きく形成してある。図示しないが、回動軸23の他方の球体は、貫通孔231に対向する筐体1の貫通孔を貫通しており、筐体1内部の内壁へ突出している。このようにVF2は回動軸23に軸支され、回動部121を中心に回動する。なお、回動部121の構成はあくまで一例であり他の機構を採用しても良い。
図4はレーザ光発生装置21の内部構造を示す模式的断面図である。レーザ光発生装置21は、第1色レーザ光を出射する第1色レーザ光源21Rと、第2色レーザ光を出射する第2色レーザ光源21Gと、第3色レーザ光を出射する第3色レーザ光源21Bとを有する。ここで、第1色レーザ光は赤色レーザ光(以下、「R光」という)、第2色レーザ光は緑色レーザ光(以下、「G光」という)、第3色レーザ光は青色レーザ光(以下、「B光」という)である。R光、G光、B光の各色レーザ光は、光源駆動部24によりそれぞれ映像データに応じて変調され、開口部28から出射する。各レーザ光源21R、21G、21Bは、光源駆動部24により、駆動を制御される。各レーザ光源21R、21G、21Bには、半導体レーザまたは固体レーザ等を用いることができる。
ダイクロイックミラー21DGは、R光を透過し、G光を反射する。ダイクロイックミラー21DBは、R光とG光とを透過し、B光を反射する。各レーザ光源21R、21G、21Bからの各色レーザ光は、ダイクロイックミラー21DG、21DBで合成されて、開口部28から出射する。このようにして、レーザ光発生装置21は、各色レーザ光の変調光を出射する。なお、レーザ光の出力及び反射はこの形態に限るものではなく、例えばDMD(Digital Mirror Device)またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等を用いても良い。
図3に示すように、レーザ光発生装置21は、各色レーザ光を、例えば、直径0.5mmのビーム形状として射出する。なお、映像データに応じた変調は、振幅変調、パルス幅変調のいずれを用いても良い。レーザ光発生装置21からの各色レーザ光の変調光は、光走査部22に入射する。光走査部22は、各色レーザ光を反射する反射面を有する。光走査部22は、互いに直交する所定の2軸を中心として反射面を回動させることにより、各色レーザ光を二次元方向に走査させる。光走査部22には、例えば、2軸のガルバノミラー、2軸のティルトミラーデバイス等を用いることができる。このようにして光走査部22からの各色レーザ光は、外部へ出射される。
図5はアイキャップ4を跳ね上げた状態を示す模式的斜視図である。VF2の回動部121に対向する他端先端にはヒンジ部42を中心に跳ね上げが可能なアイキャップ4が取り付けられている。アイキャップ4は円柱状をなし、先端にかけてテーパ状に口径が大きくなるよう構成されている。アイキャップ4内部の略中央付近には矩形平板状の拡散板41がアイキャップ4内壁から突出する支持部410に取り付けられている。支持部410は円形の平板に拡散板41を嵌め込むための開口が設けられた形状をなし、接着剤等により開口に拡散板41を固定している。拡散板41は例えばプラスチックまたは紙等が用いられ、第2出力基準に基づくレーザ光が、レーザ光発生装置21から出射される場合に、出射されたレーザ光に基づく映像を拡散板41上に投影する。
VF2の上部及びアイキャップ4の上部にはヒンジ42がそれぞれ取り付けられており、ヒンジ42を中心に、図3で示す取り付け位置または図5で示す、跳ね上げ位置のいずれかにアイキャップ4を回動することができる。ヒンジ42内部には図示しないバネが挿入されており、当該バネはアイキャップ4を跳ね上げる方向へ付勢している。アイキャップ4のVF2先端への接合面の下部には突起部43が設けられている。同様に、VF2先端のアイキャップ4への接合面の下部には、突起部43に対応する凹部45が設けられている。突起部43は例えば柱状であり、凹部45は例えば筒孔形状をなし、これらは略同一径となるよう構成されている。突起部43を凹部45へ挿入することにより、アイキャップ4のVF2に対する取り付けが完了する。
VF2の内部先端下面には突起部43が凹部45に挿入されたことを検出するアイキャップセンサ451が設けられている。アイキャップセンサ451は例えば突起部43の突入を検出する光センサまたは感圧センサ等が用いられる。アイキャップセンサ451は、突起部43の凹部45に対する突入を検出した場合、アイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を外部へ出力する。一方、アイキャップセンサ451は、突起部43の凹部45に対する突入を検出しない場合、跳ね上げ位置にあることを示す情報を外部へ出力する。VF2の外壁下面には突起部61が下方向に向けて垂設されている。またVF2内壁下面には無線タグ51が取り付けられている。
図6はVF2をレンズホルダ30へ近接させた状態を示す模式的斜視図である。レンズホルダ30の外壁上面の突起部61に対応する位置には、凹部62が設けられている。VF2を、回動部121を中心に9時位置まで回動させた場合、VF2の外壁底面から突出する突起部61がレンズホルダ30の外壁正面に凹設される凹部62に挿入され回動が停止する。レンズホルダ30内壁上面にはセンサ620が取り付けられている。センサ620は例えば突起部61の凹部62に対する突入を検出する光センサまたは感圧センサ等が用いられる。センサ620は、突起部61の凹部62に対する突入を検出した場合、レーザ光の出射方向がレンズ3の撮像方向と同方向であることの情報を外部へ出力する。一方、センサ620は突起部61の凹部62に対する突入を検出しない場合、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を外部へ出力する。
VF2の内壁先端下面であってアイキャップ4及び突起部61の近傍には無線タグ51が取り付けられている。またこれに対応して、レンズホルダ30の内壁先端上面であってレンズ3及び凹部62の近傍にはリーダ520が取り付けられている。リーダ520は無線タグ51が所定距離内(例えば0.5cm内)に存在すると判断した場合に、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と同方向であることの情報を外部へ出力する。なお、所定距離の例として0.5cmとしたが、あくまで一例でありこの距離に限定するものではない。一方、リーダ520は無線タグ51を認識しない場合、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を外部へ出力する。なお、本実施の形態においては無線タグ51及びリーダ520を用いた例を説明するが、非接触センサであればこれに限るものではなく、超音波センサまたは近接センサ等を適宜利用すればよい。
図7は無線タグ51及びリーダ520のハードウェア構成を示すブロック図である。無線タグ51は制御部511、通信部516及びID記憶部515を含んで構成される。制御部511はロジック回路等からなり内部のプログラムに従って伝送線517を介して接続される通信部516及びID記憶部515の制御を行う。通信部516はコイル及び無線通信用のRF回路等から構成されリーダ520との間でID記憶部515に記憶されたID等の送受信を行う。
ID記憶部515は例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)またはフラッシュROM等から構成される。ID記憶部515は各撮像装置に付与される固有のIDを記憶している。リーダ520は通信部526、制御部521、ID記憶部525及び出力部523を含んで構成される。制御部521はロジック回路等からなり内部のプログラムに従って伝送線527を介して接続される通信部526及びID記憶部525の制御を行う。通信部526はコイル及び無線通信用のRF回路等から構成され所定距離内に通信部516が接近した場合に、無線タグ51から送信されるIDを受信し制御部521へ出力する。
ID記憶部525は無線タグ51内のID記憶部515に記憶されたものと同一のIDを記憶している。制御部521は無線タグ51から送信されたIDと自身のID記憶部525に記憶されたIDとが一致するか否かを判断し、一致する場合に、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と同方向であることの情報を、出力部523を介して外部へ出力する。一方、リーダ520の制御部521はIDが一致しない場合、及びIDを認識しない場合、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を、出力部523を介して外部へ出力する。
図8は撮像装置のレーザ光発生装置21側のハードウェア構成を示すブロック図であり、図9は撮像部34側のハードウェア構成を示すブロック図である。まずレーザ光発生装置21側のハードウェア構成を中心に説明する。図8に示す如く、レーザ光発生装置21側の撮像装置は、制御部51、アイキャップセンサ451、RAM52、映像処理部25、レーザ光発生装置21、光走査部22、入力部53、記憶部55及びI/F56を含んで構成される。マイクロプロセッサ等の制御部51は、バス57を介してハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部55に格納された制御プログラム55Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
RAM52は制御部51が行う演算処理の結果等を一時的に記憶する。入力部53は筐体1の表面に設けられる各操作ボタンであり、早送り、再生、巻き戻し、録画、または電源のオン/オフ等の各操作情報を制御部51へ入力する。I/F56は撮像部34側と情報を送受信するためのインターフェース回路である。記憶部55は例えばハードディスク等から構成され内部に上述した制御プログラム55P、映像データファイル551及び出力基準記憶部552を記憶している。映像データファイル551は撮像部34にて撮像した映像データを例えばMPEG等の形式で記憶している。出力基準記憶部552はレーザ光発生装置21内の光源駆動部24がレーザ光を出射する際に参照する第1出力基準及び第2出力基準をそれぞれ記憶している。制御部51は第1出力基準または第2出力基準いずれかの出力でレーザ光を出力させるべく、光源駆動部24へその情報を出力する。なおレーザ光発生装置21及び光走査部22等はVF2内に格納されるが、VF2内のハードウェアと制御部51とはバス57を、回動軸23の中心軸近傍に貫設された図示しない円筒状の筒体内を通過させることにより、これらを接続する形態としている。
制御部51は映像データファイル551に記憶された映像データを読み出し、映像処理部25へ出力する。映像処理部25は映像の拡大、縮小または回転処理等を行うスケーラ等を備える。映像処理が行われた後の映像データは光源駆動部24及び光走査部22へそれぞれ出力され、上述した処理により映像データのレーザ光による投影が行われる。アイキャップセンサ451は上述したように、突起部43の凹部45に対する突入を検出した場合、アイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を制御部51へ出力する。一方、アイキャップセンサ451は、突起部43の凹部45に対する突入を検出しない場合、跳ね上げ位置にあることを示す情報を制御部51へ出力する。
続いて撮像部34側について説明する。図9に示すように撮像部34側の撮像装置は、制御部31、撮像部34、表示部36、映像データ処理部341、RAM32、記憶部35、センサ620、リーダ520、I/F56を含んで構成される。マイクロプロセッサ等の制御部31は、バス37を介してハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部35に格納された制御プログラム35Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。表示部36は小型の液晶ディスプレイ等であり、再生、早送り等現在の状態を示す情報、現在日時、及び警告等の各種情報を制御部31の指示に基づき表示する。レンズ3から取り込まれた被写体光はCCD(Charge Coupled Device)等を含む撮像部34へ入力される。撮像部34は被写体光を光電変換し、光電変換後の映像データを映像データ処理部341へ出力する。
映像データ処理部341にて所定の処理が施された後の映像データはRAM32にて一時的に記憶される。制御部31はRAM32に記憶した映像データを、I/F56を介してRAM52へ出力する。入力部53から録画に対する操作信号が入力された場合、RAM52に一時的に格納している映像データを記憶部55内の映像データファイル551に記憶する。
センサ620は、突起部61の凹部62に対する突入を検出した場合、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と同方向であることの情報を、I/F56を介して制御部51へ出力する。一方、センサ620は突起部61の凹部62に対する突入を検出しない場合、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を、I/F56を介して制御部51へ出力する。リーダ520の出力部523から出力される、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と同方向であることの情報は、I/F56を介して制御部51へ出力される。また出力部523から出力される、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報も、I/F56を介して制御部51へ出力される。
制御部51は、センサ620及びリーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と同方向であることの情報を受け付け、かつ、アイキャップセンサ451から跳ね上げ位置にあることを示す情報を受け付けた場合に、出力基準記憶部552から第1出力基準を読み出し光源駆動部24へ出力する。そして、入力部53から再生を示す操作情報が入力された場合、映像データファイル551に記憶した映像データを読み出し、読み出した映像データを光走査部22及び光源駆動部24へ出力する。これにより、プロジェクタとして撮像装置は機能する。制御部51は入力部53から再生を示す操作情報が入力されていない場合、撮像部34から取り込まれRAM52に一時的に格納されている映像データを、第1出力基準の下で、光走査部22及び光源駆動部24へ出力する。
一方、制御部51はセンサ620からレーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を受け付けた場合、または、リーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を受け付けた場合のいずれかであり、かつアイキャップセンサ451から取り付け位置にあることを示す情報を受け付けた場合、出力基準記憶部552から第2出力基準を読み出し、光源駆動部24へ出力する。そして、入力部53から再生を示す操作情報が入力された場合、映像データファイル551に記憶した映像データを読み出し、読み出した映像データを、第2出力基準下で、光走査部22及び光源駆動部24へ出力する。
また制御部51は入力部53から再生を示す操作情報が入力されていない場合、撮像部34から取り込まれRAM52に一時的に格納されている映像データを、第2出力基準の下で、光走査部22及び光源駆動部24へ出力する。さらに、第2出力基準下でレーザ光を出力している場合に、アイキャップセンサ451から跳ね上げ位置にあることを示す情報を受け付けた場合、光源駆動部24に対しレーザ光の出力の停止信号を出力する。光源駆動部24は停止信号を受け付けた場合、各色のレーザ光の出力を停止する。
以上のハードウェア構成においてレーザ光の制御処理手順を、フローチャートを用いて説明する。図10乃至図12はレーザ光の制御処理手順を示すフローチャートである。制御部51は入力部53から再生の操作信号を受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。制御部51は再生の操作信号を受け付けた場合(ステップS101でYES)、映像データファイル551に既に記憶済みの映像データを読み出す(ステップS102)。なおステップS102においては、図示しないDVD等の記録媒体の読み取り部から出力される映像データを読み出すようにしても良い。制御部51は再生の操作信号を受け付けていないと判断した場合(ステップS101でNO)、撮像部34から取り込んだ映像データをRAM52から読み出す(ステップS103)。
ステップS103及びステップS102の処理の後、制御部51はセンサ620からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS104)。制御部51はセンサ620からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたと判断した場合(ステップS104でYES)、リーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS105)。
制御部51はリーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたと判断した場合(ステップS105でYES)、アイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS106)。制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けた場合(ステップS106でYES)、アイキャップ4を跳ね上げさせるべく、アイキャップ4を跳ね上げる旨の情報を記憶部55から読み出し表示部36へ表示する(ステップS107)。その後制御部51はステップS106へ移行する。
制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けていないと判断した場合(ステップS106でNO)、出力基準記憶部552から第1出力基準を読み出し(ステップS108)、読み出した第1出力基準を光源駆動部24へ出力する(ステップS109)。そしてステップS102またはステップS103で読み出した映像データを光源駆動部24及び光走査部22へ出力する(ステップS1010)。これにより図示しないスクリーンへ映像データが第1出力基準の下、投影される。
制御部51は入力部53から電源オフの操作信号を受け付けたか否かを判断する(ステップS111)。制御部51は電源オフの操作信号を受け付けていない場合(ステップS111でNO)、ステップS104へ移行し、以上の処理を繰り返す。一方、制御部51は電源オフの操作信号を受け付けた場合(ステップS111でYES)、映像データの出力を停止し、またレーザ光の出力を停止した上で一連の処理を終了する。
ステップS104において、センサ620からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であるとの情報を受け付けていない場合(ステップS104でNO)、及びステップS105において、リーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であるとの情報を受け付けていない場合(ステップS105でNO)、制御部51は処理をステップS112へ移行させる。制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS112)。
制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けていない場合(ステップS112でNO)、アイキャップ4の取り付けを促すべく、記憶部55に記憶したアイキャップ4を取り付ける旨の情報を表示部36へ表示する(ステップS113)。その後制御部51は処理を再びステップS112へ戻す。制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたと判断した場合(ステップS112でYES)、出力基準記憶部552から第2出力基準を読み出し(ステップS114)、読み出した第2出力基準を光源駆動部24へ出力する(ステップS115)。そして制御部51は映像処理部25を介してステップS102またはステップS103で読み出した映像データを光源駆動部24及び光走査部22へ出力する(ステップS116)。なお、VF2が反対方向に傾くことから映像処理部25は入力された映像データを180度反転させた上で、光源駆動部24及び光走査部22へ出力するようにすれば良い。これによりアイキャップ4内の拡散板41に映像データが第2出力基準の下、投影される。
制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたか否か引き続き判断する(ステップS117)。制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けない場合(ステップS117でNO)、光源駆動部24へレーザ光の出力を停止する信号を出力する(ステップS118)。これにより、一連の処理は終了する。一方、制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたと判断した場合(ステップS117でYES)、入力部53から電源オフの操作信号を受け付けたか否かを判断する(ステップS119)。制御部51は電源オフの操作信号を受け付けていない場合(ステップS119でNO)、ステップS114へ移行し、以上の処理を繰り返す。一方、制御部51は電源オフの操作信号を受け付けた場合(ステップS119でYES)、映像データの出力を停止し、またレーザ光の出力を停止した上で一連の処理を終了する。
実施の形態2
実施の形態2は拡散板41の取り外しを検出する形態に関する。図13はVF2先端のアイキャップ4を示す斜視図である。アイキャップ4の先端は拡散板41及び支持部410を含んで構成される。支持部410は円形の平板に拡散板41を嵌め込むための開口が設けられた形状をなし、接着剤等により開口に拡散板41を固定している。図14は拡散板41の取り付け状態を検出する回路構成を示す回路図である。図のハッチングで示す矩形状の拡散板41の厚み方向における周囲には、アルミニウム箔等の導電性部材411が接着剤等により貼り付けられている。例えば厚さ1mm程度のアルミニウム箔を貼り付けておけば良い。
導電性部材411の適宜の2箇所には電圧供給部412から所定の電圧が印加されている。例えば、矩形状の拡散板41厚み方向における長辺上及び短辺上の導電性部材411上2点に導線をそれぞれハンダ付けしておけばよい。電圧供給部412には直列に電流検出用の抵抗413が挿入されており、これと並列に電流検出回路414が接続されている。電流検出回路414は導電性部材411を流れる電流を検出し、検出した電流値をA/D415へ出力する。A/D415は電流値をデジタル化し、デジタル化した電流値を制御部51へ出力する。支持部410は導電性部材411を介在させて拡散板41の周囲を接着剤等で固定している。拡散板41が何らかの原因で取り外された場合、導電性部材411が剥離し、電流検出回路414により検出される電流値が0または所定電流値以下となる。
図15は実施の形態2に係る撮像装置のレーザ光発生装置21側のハードウェア構成を示すブロック図である。実施の形態1の構成に加えA/D415及び電流検出回路414、並びに、A/D212及び電流検出回路211が新たに設けられている。A/D415は電流検出回路414から出力される電流値を制御部51へ出力する。制御部51はA/D415から出力される電流値が所定値から0または所定電流値以下へ減少した場合、光源駆動部24に対しレーザ光の出射を停止させる信号を出力する。光源駆動部24は停止信号を制御部51から受け付けた場合、直ちにレーザ光の出射を停止する。
光源駆動部24の周囲も拡散板41と同様にアルミニウム箔等の導電性部材411が貼り付けられており、電流検出回路211により導電性部材411を流れる電流が検出される。A/D212は電流検出回路211から出力される電流値を制御部51へ出力する。制御部51はA/D212から出力される電流値が所定値から0または所定電流値以下へ減少した場合、光源駆動部24に対しレーザ光の出射を停止させる信号を出力する。光源駆動部24は停止信号を制御部51から受け付けた場合、直ちにレーザ光の出射を停止する。これにより何らかの理由により光源駆動部24が取り外された場合でも、速やかにレーザ光の出射が停止される。
本実施の形態2は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。