実施の形態1
以下本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は電子機器の外観を示す模式的斜視図である。以下では電子機器は撮像装置であり、また光ビームはレーザであるものとして説明する。撮像装置は撮像装置を覆う筐体1、レンズ3、収容体たるビューファインダ2(以下VF2という)、アイキャップ4及び回動部121を含んで構成される。撮像装置は丸みを帯びた直方体状の筐体1に覆われており、筐体1は各種回路等の他、レンズ3及び撮像部34を収容する。筐体1の一側面下部の長手方向に伸びる筒状のレンズホルダ30は先端においてレンズ3の一面を露出させて保持すると共に、内部に図示しないズームレンズ等その他複数のレンズを保持している。レンズ3は被写体光を取り込みレンズホルダ30内部に設けられる撮像部34へ取り込んだ被写体光を入射する。
筐体1の一側面であってレンズホルダ30の上側にはVF2が取り付けられている。VF2は回動部121を中心に回動することができるように、その一端が回動部121にて軸支されている。VF2の他端にはアイキャップ4が跳ね上げ自在に取り付けられている。後述するように、筒状のVF2はレーザ光発生装置21を収容し、レーザ光発生装置21からのレーザ光の強度を変化させることで、レンズ3により撮像する映像の確認等、または、図示しないスクリーン等への投影等を行う。
図1における点線矢印は撮像部34による撮像方向を示し、一点鎖線の矢印はVF2内部のレーザ光発生装置21から出力されるレーザ光の出射方向を示す。撮像方向はレンズ3の光軸上であって、撮像部34からレンズ3へ向かう方向である。一方レーザ光の出射方向はレーザ光発生装置21からレーザ光が出力され、当該レーザ光が筒状のVF2の中心軸に沿って外部へ出射される方向である。図1に示す如く、撮像部34による撮像方向とレーザ光の出射方向とが別方向である場合は、ユーザがアイキャップ4を通じてVF2をのぞき込む虞があるため、レーザ光発生装置21は人間の目に安全な強度でレーザ光を出力する。この場合例えば1mW(第2出力基準)程度で出力するようにすればよい。なお、この値はあくまで一例であって第2出力基準が第1出力基準よりも低ければこれに限定するものではない。
図2はVF2を前側へ回動させた場合の撮像装置の外観を示す斜視図である。筐体1側面に取り付けられるVF2は回動部121を中心に、側面視における2時位置から9時位置にかけて回動することが可能である。図2はVF2を筒状のレンズホルダ30の頂部に当接する9時位置まで回転させた状態を示している。図2の一点鎖線で示すように、VF2が9時位置まで回転した場合、レーザ光発生装置21からのレーザ光出射方向と、撮像方向とが略水平の同方向となる。この場合、スクリーン等への投影を行うべく、第2出力基準よりも出力が高い第1出力基準でレーザ光を出力する。なお、第1出力基準及び目視が可能な第1出力基準よりもレベルの低い第2出力基準については、国際電気標準会議の60825-1「レーザー機器及びその使用者のための安全指針」によるクラス分けを参照して
決めればよい。
図3はVF2の縦断面を示す模式的断面図である。VF2は回動部121、レーザ光発生装置21、光走査部22、ヒンジ42、アイキャップ4、拡散板41、無線タグ510、アイキャップセンサ451、凹部45、突起部43及び突起部61を含んで構成される。回動部121は回動軸23及び貫通孔231を含んで構成される。回動軸23は円柱の軸及び当該円柱軸の両先端に2つの球体が設けられたアレイ形状をなす。回動軸23の一方の球体は、図3に示す如くVF2外壁から貫通孔231を貫通してVF2内壁へ突出している。なお、球体の直径は、貫通孔231の口径よりも若干大きく形成してある。図示しないが、回動軸23の他方の球体は、貫通孔231に対向する筐体1の貫通孔を貫通しており、筐体1内部の内壁へ突出している。このようにVF2は回動軸23に軸支され、回動部121を中心に回動する。なお、回動部121の構成はあくまで一例であり他の機構を採用しても良い。
図4はレーザ光発生装置21の内部構造を示す模式的断面図である。レーザ光発生装置21は、第1色レーザ光を出射する第1色レーザ光源21Rと、第2色レーザ光を出射する第2色レーザ光源21Gと、第3色レーザ光を出射する第3色レーザ光源21Bとを有する。ここで、第1色レーザ光は赤色レーザ光(以下、「R光」という)、第2色レーザ光は緑色レーザ光(以下、「G光」という)、第3色レーザ光は青色レーザ光(以下、「B光」という)である。R光、G光、B光の各色レーザ光は、光源駆動部24によりそれぞれ映像データに応じて変調され、開口部28から出射する。各レーザ光源21R、21G、21Bは、光源駆動部24により、駆動を制御される。各レーザ光源21R、21G、21Bには、半導体レーザまたは固体レーザ等を用いることができる。
ダイクロイックミラー21DGは、R光を透過し、G光を反射する。ダイクロイックミラー21DBは、R光とG光とを透過し、B光を反射する。各レーザ光源21R、21G、21Bからの各色レーザ光は、ダイクロイックミラー21DG、21DBで合成されて、開口部28から出射する。このようにして、レーザ光発生装置21は、各色レーザ光の変調光を出射する。なお、レーザ光の出力及び反射はこの形態に限るものではなく、例えばDMD(Digital Mirror Device)またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等を用いても良い。
図3に示すように、レーザ光発生装置21は、各色レーザ光を、例えば、直径0.5mmのビーム形状として射出する。なお、映像データに応じた変調は、振幅変調、パルス幅変調のいずれを用いても良い。レーザ光発生装置21からの各色レーザ光の変調光は、光走査部22に入射する。光走査部22は、各色レーザ光を反射する反射面を有する。光走査部22は、互いに直交する所定の2軸を中心として反射面を回動させることにより、各色レーザ光を二次元方向に走査させる。光走査部22には、例えば、2軸のガルバノミラー、2軸のティルトミラーデバイス等を用いることができる。このようにして光走査部22からの各色レーザ光は、外部へ出射される。
図5はアイキャップ4を跳ね上げた状態を示す模式的斜視図である。VF2の回動部121に対向する他端先端にはヒンジ部42を中心に跳ね上げが可能なアイキャップ4が取り付けられている。アイキャップ4は円柱状をなし、先端にかけてテーパ状に口径が大きくなるよう構成されている。アイキャップ4内部の略中央付近には矩形平板状の拡散板41がアイキャップ4内壁から突出する支持部410に取り付けられている。支持部410は円形の平板に拡散板41を嵌め込むための開口が設けられた形状をなし、接着剤等により開口に拡散板41を固定している。拡散板41は例えばプラスチックまたは紙等が用いられ、第2出力基準に基づくレーザ光が、レーザ光発生装置21から出射される場合に、出射されたレーザ光に基づく映像を拡散板41上に投影する。
VF2の上部及びアイキャップ4の上部にはヒンジ42がそれぞれ取り付けられており、ヒンジ42を中心に、図3で示す取り付け位置または図5で示す、跳ね上げ位置のいずれかにアイキャップ4を回動することができる。ヒンジ42内部には図示しないバネが挿入されており、当該バネはアイキャップ4を跳ね上げる方向へ付勢している。アイキャップ4のVF2先端への接合面の下部には突起部43が設けられている。同様に、VF2先端のアイキャップ4への接合面の下部には、突起部43に対応する凹部45が設けられている。突起部43は例えば柱状であり、凹部45は例えば筒孔形状をなし、これらは略同一径となるよう構成されている。突起部43を凹部45へ挿入することにより、アイキャップ4のVF2に対する取り付けが完了する。
VF2の内部先端下面には突起部43が凹部45に挿入されたことを検出するアイキャップセンサ451が設けられている。アイキャップセンサ451は例えば突起部43の突入を検出する光センサまたは感圧センサ等が用いられる。アイキャップセンサ451は、突起部43の凹部45に対する突入を検出した場合、アイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を外部へ出力する。一方、アイキャップセンサ451は、突起部43の凹部45に対する突入を検出しない場合、跳ね上げ位置にあることを示す情報を外部へ出力する。VF2の外壁下面には突起部61が下方向に向けて垂設されている。またVF2内壁下面には無線タグ510が取り付けられている。
図6はVF2をレンズホルダ30へ近接させた状態を示す模式的斜視図である。レンズホルダ30の外壁上面の突起部61に対応する位置には、凹部62が設けられている。VF2を、回動部121を中心に9時位置まで回動させた場合、VF2の外壁底面から突出する突起部61がレンズホルダ30の外壁正面に凹設される凹部62に挿入され回動が停止する。レンズホルダ30内壁上面にはセンサ620が取り付けられている。センサ620は例えば突起部61の凹部62に対する突入を検出する光センサまたは感圧センサ等が用いられる。センサ620は、突起部61の凹部62に対する突入を検出した場合、レーザ光の出射方向がレンズ3の撮像方向と同方向であることの情報を外部へ出力する。一方、センサ620は突起部61の凹部62に対する突入を検出しない場合、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を外部へ出力する。
VF2の内壁先端下面であってアイキャップ4及び突起部61の近傍には無線タグ510が取り付けられている。またこれに対応して、レンズホルダ30の内壁先端上面であってレンズ3及び凹部62の近傍にはリーダ520が取り付けられている。リーダ520は無線タグ510が所定距離内(例えば0.5cm内)に存在すると判断した場合に、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と同方向であることの情報を外部へ出力する。なお、所定距離の例として0.5cmとしたが、あくまで一例でありこの距離に限定するものではない。一方、リーダ520は無線タグ510を認識しない場合、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を外部へ出力する。なお、本実施の形態においては無線タグ510及びリーダ520を用いた例を説明するが、非接触センサであればこれに限るものではなく、超音波センサまたは近接センサ等を適宜利用すればよい。
図7は無線タグ510及びリーダ520のハードウェア構成を示すブロック図である。無線タグ510は制御部511、通信部516及びID記憶部515を含んで構成される。制御部511はロジック回路等からなり内部のプログラムに従って伝送線517を介して接続される通信部516及びID記憶部515の制御を行う。通信部516はコイル及び無線通信用のRF回路等から構成されリーダ520との間でID記憶部515に記憶されたID等の送受信を行う。
ID記憶部515は例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)またはフラッシュROM等から構成される。ID記憶部515は各撮像装置に付与される固有のIDを記憶している。リーダ520は通信部526、制御部521、ID記憶部525及び出力部523を含んで構成される。制御部521はロジック回路等からなり内部のプログラムに従って伝送線527を介して接続される通信部526及びID記憶部525の制御を行う。通信部526はコイル及び無線通信用のRF回路等から構成され所定距離内に通信部516が接近した場合に、無線タグ510から送信されるIDを受信し制御部521へ出力する。
ID記憶部525は無線タグ510内のID記憶部515に記憶されたものと同一のIDを記憶している。制御部521は無線タグ510から送信されたIDと自身のID記憶部525に記憶されたIDとが一致するか否かを判断し、一致する場合に、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と同方向であることの情報を、出力部523を介して外部へ出力する。一方、リーダ520の制御部521はIDが一致しない場合、及びIDを認識しない場合、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を、出力部523を介して外部へ出力する。
図8は撮像装置のレーザ光発生装置21側のハードウェア構成を示すブロック図であり、図9は撮像部34側のハードウェア構成を示すブロック図である。まずレーザ光発生装置21側のハードウェア構成を中心に説明する。図8に示す如く、レーザ光発生装置21側の撮像装置は、制御部51、アイキャップセンサ451、RAM52、映像処理部25、レーザ光発生装置21、光走査部22、入力部53、記憶部55及びI/F56を含んで構成される。マイクロプロセッサ等の制御部51は、バス57を介してハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部55に格納された制御プログラム55Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
RAM52は制御部51が行う演算処理の結果等を一時的に記憶する。入力部53は筐体1の表面に設けられる各操作ボタンであり、早送り、再生、巻き戻し、録画、または電源のオン/オフ等の各操作情報を制御部51へ入力する。I/F56は撮像部34側と情報を送受信するためのインターフェース回路である。記憶部55は例えばハードディスク等から構成され内部に上述した制御プログラム55P、映像データファイル551及び出力基準記憶部552を記憶している。映像データファイル551は撮像部34にて撮像した映像データを例えばMPEG等の形式で記憶している。出力基準記憶部552はレーザ光発生装置21内の光源駆動部24がレーザ光を出射する際に参照する第1出力基準及び第2出力基準をそれぞれ記憶している。制御部51は第1出力基準または第2出力基準いずれかの出力でレーザ光を出力させるべく、光源駆動部24へその情報を出力する。なおレーザ光発生装置21及び光走査部22等はVF2内に格納されるが、VF2内のハードウェアと制御部51とはバス57を、回動軸23の中心軸近傍に貫設された図示しない円筒状の筒体内を通過させることにより、これらを接続する形態としている。
制御部51は映像データファイル551に記憶された映像データを読み出し、映像処理部25へ出力する。映像処理部25は映像の拡大、縮小または回転処理等を行うスケーラ等を備える。映像処理が行われた後の映像データは光源駆動部24及び光走査部22へそれぞれ出力され、上述した処理により映像データのレーザ光による投影が行われる。アイキャップセンサ451は上述したように、突起部43の凹部45に対する突入を検出した場合、アイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を制御部51へ出力する。一方、アイキャップセンサ451は、突起部43の凹部45に対する突入を検出しない場合、跳ね上げ位置にあることを示す情報を制御部51へ出力する。
続いて撮像部34側について説明する。図9に示すように撮像部34側の撮像装置は、制御部31、撮像部34、表示部36、映像データ処理部341、RAM32、記憶部35、センサ620、リーダ520、I/F56を含んで構成される。マイクロプロセッサ等の制御部31は、バス37を介してハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部35に格納された制御プログラム35Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。表示部36は小型の液晶ディスプレイ等であり、再生、早送り等現在の状態を示す情報、現在日時、及び警告等の各種情報を制御部31の指示に基づき表示する。レンズ3から取り込まれた被写体光はCCD(Charge Coupled Device)等を含む撮像部34へ入力される。撮像部34は被写体光を光電変換し、光電変換後の映像データを映像データ処理部341へ出力する。
映像データ処理部341にて所定の処理が施された後の映像データはRAM32にて一時的に記憶される。制御部31はRAM32に記憶した映像データを、I/F56を介してRAM52へ出力する。入力部53から録画に対する操作信号が入力された場合、RAM52に一時的に格納している映像データを記憶部55内の映像データファイル551に記憶する。
センサ620は、突起部61の凹部62に対する突入を検出した場合、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と同方向であることの情報を、I/F56を介して制御部51へ出力する。一方、センサ620は突起部61の凹部62に対する突入を検出しない場合、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を、I/F56を介して制御部51へ出力する。リーダ520の出力部523から出力される、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と同方向であることの情報は、I/F56を介して制御部51へ出力される。また出力部523から出力される、レーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報も、I/F56を介して制御部51へ出力される。
制御部51は、センサ620及びリーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と同方向であることの情報を受け付け、かつ、アイキャップセンサ451から跳ね上げ位置にあることを示す情報を受け付けた場合に、出力基準記憶部552から第1出力基準を読み出し光源駆動部24へ出力する。そして、入力部53から再生を示す操作情報が入力された場合、映像データファイル551に記憶した映像データを読み出し、読み出した映像データを光走査部22及び光源駆動部24へ出力する。これにより、プロジェクタとして撮像装置は機能する。制御部51は入力部53から再生を示す操作情報が入力されていない場合、撮像部34から取り込まれRAM52に一時的に格納されている映像データを、第1出力基準の下で、光走査部22及び光源駆動部24へ出力する。
一方、制御部51はセンサ620からレーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を受け付けた場合、または、リーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向が撮像部34による撮像方向と別方向であることの情報を受け付けた場合のいずれかであり、かつアイキャップセンサ451から取り付け位置にあることを示す情報を受け付けた場合、出力基準記憶部552から第2出力基準を読み出し、光源駆動部24へ出力する。そして、入力部53から再生を示す操作情報が入力された場合、映像データファイル551に記憶した映像データを読み出し、読み出した映像データを、第2出力基準下で、光走査部22及び光源駆動部24へ出力する。
また制御部51は入力部53から再生を示す操作情報が入力されていない場合、撮像部34から取り込まれRAM52に一時的に格納されている映像データを、第2出力基準の下で、光走査部22及び光源駆動部24へ出力する。さらに、第2出力基準下でレーザ光を出力している場合に、アイキャップセンサ451から跳ね上げ位置にあることを示す情報を受け付けた場合、光源駆動部24に対しレーザ光の出力の停止信号を出力する。光源駆動部24は停止信号を受け付けた場合、各色のレーザ光の出力を停止する。
以上のハードウェア構成においてレーザ光の制御処理手順を、フローチャートを用いて説明する。図10乃至図12はレーザ光の制御処理手順を示すフローチャートである。制御部51は入力部53から再生の操作信号を受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。制御部51は再生の操作信号を受け付けた場合(ステップS101でYES)、映像データファイル551に既に記憶済みの映像データを読み出す(ステップS102)。なおステップS102においては、図示しないDVD等の記録媒体の読み取り部から出力される映像データを読み出すようにしても良い。制御部51は再生の操作信号を受け付けていないと判断した場合(ステップS101でNO)、撮像部34から取り込んだ映像データをRAM52から読み出す(ステップS103)。
ステップS103及びステップS102の処理の後、制御部51はセンサ620からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS104)。制御部51はセンサ620からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたと判断した場合(ステップS104でYES)、リーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS105)。
制御部51はリーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたと判断した場合(ステップS105でYES)、アイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS106)。制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けた場合(ステップS106でYES)、アイキャップ4を跳ね上げさせるべく、アイキャップ4を跳ね上げる旨の情報を記憶部55から読み出し表示部36へ表示する(ステップS107)。その後制御部51はステップS106へ移行する。
制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けていないと判断した場合(ステップS106でNO)、出力基準記憶部552から第1出力基準を読み出し(ステップS108)、読み出した第1出力基準を光源駆動部24へ出力する(ステップS109)。そしてステップS102またはステップS103で読み出した映像データを光源駆動部24及び光走査部22へ出力する(ステップS1010)。これにより図示しないスクリーンへ映像データが第1出力基準の下、投影される。
制御部51は入力部53から電源オフの操作信号を受け付けたか否かを判断する(ステップS111)。制御部51は電源オフの操作信号を受け付けていない場合(ステップS111でNO)、ステップS104へ移行し、以上の処理を繰り返す。一方、制御部51は電源オフの操作信号を受け付けた場合(ステップS111でYES)、映像データの出力を停止し、またレーザ光の出力を停止した上で一連の処理を終了する。
ステップS104において、センサ620からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であるとの情報を受け付けていない場合(ステップS104でNO)、及びステップS105において、リーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であるとの情報を受け付けていない場合(ステップS105でNO)、制御部51は処理をステップS112へ移行させる。制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS112)。
制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けていない場合(ステップS112でNO)、アイキャップ4の取り付けを促すべく、記憶部55に記憶したアイキャップ4を取り付ける旨の情報を表示部36へ表示する(ステップS113)。その後制御部51は処理を再びステップS112へ戻す。制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたと判断した場合(ステップS112でYES)、出力基準記憶部552から第2出力基準を読み出し(ステップS114)、読み出した第2出力基準を光源駆動部24へ出力する(ステップS115)。そして制御部51は映像処理部25を介してステップS102またはステップS103で読み出した映像データを光源駆動部24及び光走査部22へ出力する(ステップS116)。なお、VF2が反対方向に傾くことから映像処理部25は入力された映像データを180度反転させた上で、光源駆動部24及び光走査部22へ出力するようにすれば良い。これによりアイキャップ4内の拡散板41に映像データが第2出力基準の下、投影される。
制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたか否か引き続き判断する(ステップS117)。制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けない場合(ステップS117でNO)、光源駆動部24へレーザ光の出力を停止する信号を出力する(ステップS118)。これにより、一連の処理は終了する。一方、制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたと判断した場合(ステップS117でYES)、入力部53から電源オフの操作信号を受け付けたか否かを判断する(ステップS119)。制御部51は電源オフの操作信号を受け付けていない場合(ステップS119でNO)、ステップS114へ移行し、以上の処理を繰り返す。一方、制御部51は電源オフの操作信号を受け付けた場合(ステップS119でYES)、映像データの出力を停止し、またレーザ光の出力を停止した上で一連の処理を終了する。
実施の形態2
実施の形態2は拡散板41の取り外しを検出する形態に関する。図13はVF2先端のアイキャップ4を示す斜視図である。アイキャップ4の先端は拡散板41及び支持部410を含んで構成される。支持部410は円形の平板に拡散板41を嵌め込むための開口が設けられた形状をなし、接着剤等により開口に拡散板41を固定している。図14は拡散板41の取り付け状態を検出する回路構成を示す回路図である。図のハッチングで示す矩形状の拡散板41の厚み方向における周囲には、アルミニウム箔等の導電性部材411が接着剤等により貼り付けられている。例えば厚さ1mm程度のアルミニウム箔を貼り付けておけば良い。
導電性部材411の適宜の2箇所には電圧供給部412から所定の電圧が印加されている。例えば、矩形状の拡散板41厚み方向における長辺上及び短辺上の導電性部材411上2点に導線をそれぞれハンダ付けしておけばよい。電圧供給部412には直列に電流検出用の抵抗413が挿入されており、これと並列に電流検出回路414が接続されている。電流検出回路414は導電性部材411を流れる電流を検出し、検出した電流値をA/D415へ出力する。A/D415は電流値をデジタル化し、デジタル化した電流値を制御部51へ出力する。支持部410は導電性部材411を介在させて拡散板41の周囲を接着剤等で固定している。拡散板41が何らかの原因で取り外された場合、導電性部材411が剥離し、電流検出回路414により検出される電流値が0または所定電流値以下となる。
図15は実施の形態2に係る撮像装置のレーザ光発生装置21側のハードウェア構成を示すブロック図である。実施の形態1の構成に加えA/D415及び電流検出回路414、並びに、A/D212及び電流検出回路211が新たに設けられている。A/D415は電流検出回路414から出力される電流値を制御部51へ出力する。制御部51はA/D415から出力される電流値が所定値から0または所定電流値以下へ減少した場合、光源駆動部24に対しレーザ光の出射を停止させる信号を出力する。光源駆動部24は停止信号を制御部51から受け付けた場合、直ちにレーザ光の出射を停止する。
光源駆動部24の周囲も拡散板41と同様にアルミニウム箔等の導電性部材411が貼り付けられており、電流検出回路211により導電性部材411を流れる電流が検出される。A/D212は電流検出回路211から出力される電流値を制御部51へ出力する。制御部51はA/D212から出力される電流値が所定値から0または所定電流値以下へ減少した場合、光源駆動部24に対しレーザ光の出射を停止させる信号を出力する。光源駆動部24は停止信号を制御部51から受け付けた場合、直ちにレーザ光の出射を停止する。これにより何らかの理由により光源駆動部24が取り外された場合でも、速やかにレーザ光の出射が停止される。
本実施の形態2は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態3
実施の形態3は画像処理により人物を認識した場合にレーザ光を低下させる形態に関する。図16は取り込み画像のイメージを示す説明図である。制御部51は映像データを投影する場合、映像データを映像データファイル551から読み出し、読み出した映像データを光源駆動部24及び光走査部22へ出力する。そして制御部51は出力基準記憶部552に記憶した第1出力基準を読み出し光源駆動部24へ出力する。光源駆動部24は第1出力基準の下、レーザ光を出射し図示しないスクリーンに投影を行う。
実施の形態1で述べたように、レーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とは一致しているため、撮像部34にはレンズ3を介して図16に示す画像が取り込まれる。取り込まれた画像はRAM52へ出力される。図16に示す取り込み画像70は映像データに係るレーザ光の投影に基づく投影画像71及びその周囲のハッチングで示す画像(以下、除去画像72という)により構成される。制御部51の制御に従い光源駆動部24は映像データファイル551から事前にR光、G光、及びB光の全ての色に係るレーザ光を第1出力基準のもと出力し、白色の画像を投影する。
制御部51は撮像部34から取り込まれ、RAM52に記憶された取り込み画像70の内、例えばエッジ検出等を用いて輝度の高い投影画像71を囲む領域の座標値を算出する。制御部51は算出したエッジを構成する座標値をRAM52に記憶する。これにより、取り込み画像70中の投影画像71を除く除去画像72の領域を認識することができる。制御部51は除去画像72をRAM52に取り込み、除去画像72のフレーム間各画素の明度の時間的変化を算出する。この時間的変化が記憶部55に記憶した閾値以上の場合、人物が除去画像72内に存在すると判断し、レーザ光を第2出力基準にまで低下させる。
図17は投影画像領域以外の領域内の人物認識処理の手順を示すフローチャートである。制御部51は出力基準記憶部552から第1出力基準を読み出す(ステップS171)。制御部51は白色の映像を投影すべくR光、G光及びB光のレーザ光を全て略同レベルで、第1出力基準の下出射する(ステップS172)。撮像部34は映像データを取り込む(ステップS173)。撮像部34は映像データを制御部51へ出力する。制御部51はフレーム毎の取り込み画像70をRAM52に記憶する(ステップS174)。制御部51は任意のフレームの取り込み画像70に対しエッジ検出を行い投影画像71の周囲の座標値を算出する(ステップS175)。制御部51は算出した座標値をRAM52に記憶しておく。
これにより、取り込み画像70のうち除去画像72に対する領域の認識処理が終了する。その後、制御部51は映像データファイル551から再生対象の映像データを読み出す(ステップS176)。制御部51は第1出力基準を出力基準記憶部52から読み出し、光源駆動部24へ出力する。制御部51は読み出した映像データを、映像処理部25を介して光源駆動部24及び光走査部22へ出力する。これにより第1出力基準の下、映像データに基づくレーザ光がレーザ光発生装置21から出射される(ステップS177)。具体的には第1出力基準のワット数を超えないよう、光源駆動部24は各レーザ光源21R、21G、21Bの出力を制御する。
撮像部34は図示しないスクリーンに投影された映像データ、換言すれば投影画像71及び除去画像72を含む画像を取り込む(ステップS178)。撮像部34は取り込んだ映像データを制御部51へ出力する。制御部51は各フレームの取り込み画像をRAM52に記憶する(ステップS179)。制御部51はステップS175で算出した座標値に基づき各フレームの投影画像71を除去し、除去画像72をフレーム別にRAM52に記憶する(ステップS1710)。
制御部51はRAM52に記憶した除去画像のフレーム間の時間的変化を算出する(ステップS1711)。この時間的変化はフレーム間の対応する各画素の明度の差等を算出するようにすれば良い。制御部51は時間的変化が記憶部55に記憶した閾値以上であるか否かを判断する(ステップS1712)。制御部51は時間的変化が記憶部55に記憶した閾値以上でない場合(ステップS1712でNO)、ステップS178へ移行し以上の処理を繰り返す。一方、制御部51は時間的変化が記憶部55に記憶した閾値以上である場合(ステップS1712でYES)、制御部51は第2出力基準を出力基準記憶部52から読み出し、光源駆動部24へ出力する。制御部51は読み出した映像データを、映像処理部25を介して光源駆動部24及び光走査部22へ出力する。これにより出力レベルが低下した第2出力基準の下、映像データに基づくレーザ光がレーザ光発生装置21から出射される(ステップS1713)。具体的には第2出力基準のワット数を超えないよう、光源駆動部24は各レーザ光源21R、21G、21Bの出力を制御する。
制御部51は除去画像72領域内で人物を認識しなかった場合、投影画像71領域内の認識処理を行う。投影画像71領域内での認識は、投影中の映像と取り込んだ映像との比較を行う。図示しないスクリーンと撮像装置との間に人物が存在しない場合、これらの映像は一致する。一致しない場合に人物が存在すると判断する。以下に詳細な処理内容を説明する。
制御部51はステップS1710の処理と同様に投影画像70を抽出し、縦及び横方向の画素数を検出する。制御部51は映像データファイル551から読み出した映像データ1フレームを、検出した縦方向の画素数及び横方向の画素数に基づき縮小する処理を行う。制御部51はこのようにして縦及び横方向の画素数が等しい投影画像70と映像データに基づく縮小画像との相関度を算出する。制御部51は記憶部55に記憶した下記式(1)に従い相関度を算出する。投影画像70の系列をx={xij}、縮小画像の系列をy={yij}(縦方向の画素i=1、2、・・・n、横方向の画素j=1、2、・・・m)とした場合、相関度Rは以下の式(1)により算出される。
ここで、xA 及びyB はそれぞれ系列x={xij}及び系列y={yij}の相加平均を示す。ここで、相関度は−1から+1の値をとり、相関度が+1に近いほど2つの系列の相関が同一ベクトル方向に強くなる。また相関度が0に近づくほど2つの系列の相関は弱くなる。さらに相関係数が−1に近いほど2つの系列の相関が逆ベクトル方向に強くなる。制御部51はフレーム毎に相関度を算出し、相関度が予め定めた閾値(例えば+0.3)以下であるか否かを判断し、閾値以下である場合は、人物が存在する可能性があるとして第2出力基準を出力基準記憶部52から読み出し、光源駆動部24へ出力する。制御部51は読み出した映像データを、映像処理部25を介して光源駆動部24及び光走査部22へ出力する。これにより第2出力基準の下、映像データに基づくレーザ光がレーザ光発生装置21から出射される。
図18は投影画像71中の人物認識処理の手順を示すフローチャートである。制御部51はステップS175で述べたように、エッジ検出により撮像部34から取り込んだ投影画像71の周囲の座標値を算出する(ステップS175)。制御部51は算出した座標値に基づき、投影画像71の縦及び横の画素数をそれぞれ算出する(ステップS181)。制御部51は映像データファイル551から再生対象の映像データを読み出す(ステップS182)。制御部51は読み出した映像データの各フレームの画像を、ステップS181で算出した縦及び横の画素数に基づき縮小する処理を行う(ステップS183)。具体的には、映像データのフレーム画像の縦及び横の画素数を、算出した投影画像71の縦及び横の画素数へ一致させる処理を行う。
制御部51は縮小した各フレームの画像をRAM52に記憶する(ステップS184)。制御部51は第1出力基準を出力基準記憶部52から読み出し、光源駆動部24へ出力する。制御部51は読み出した映像データを、映像処理部25を介して光源駆動部24及び光走査部22へ出力する。これにより第1出力基準の下、映像データに基づくレーザ光がレーザ光発生装置21から出射される(ステップS185)。これらの処理と並行して撮像部34は映像データを取り込む(ステップS186)。制御部51は撮像部34からの各フレームの取り込み画像をRAM52に記憶する(ステップS187)。
制御部51はステップS175で算出した座標値に基づき、投影画像をRAM52に記憶する(ステップS188)。制御部51は各フレームに割り振られた時間情報を参照し、対応する時間のフレームに係る投影画像と縮小画像との相関度を算出する(ステップS189)。なお、ステップS184において記憶した縮小画像の時間情報は、元の映像データの制御情報として各フレームに記憶されている時間情報を参照するようにすればよい。またステップS188で記憶する投影画像71の時間情報は撮像部34が、投影画像71を取り込んだ時間を図示しないクロックからの出力に基づき対応づけて付与するようにすればよい。リアルタイム処理が制御部51のプロセッサの性能により困難な場合は、予め数フレームの余裕時間を付与しておき、投影画像71の時間情報に余裕時間を加算したフレームの画像を用いて相関度を算出するようにすれば良い。また、制御部51は相関度の算出にあたっては、記憶部55に記憶した式(1)を読み出し、これに代入することで相関度を算出する。
制御部51は記憶部55から閾値を読み出し、算出した相関度が閾値以下であるか否かを判断する(ステップS1810)。制御部51は閾値以下でないと判断した場合(ステップS1810でNO)、次のフレームの投影画像及び縮小画像をRAM52からそれぞれ読み出し(ステップS1811)、処理をステップS189へ戻す。一方、制御部51は算出した相関度が閾値以下であると判断した場合(ステップS1810でYES)、人物が存在する可能性があるとして第1出力基準よりもレベルの低い第2出力基準を出力基準記憶部52から読み出し、光源駆動部24へ出力する。制御部51は読み出した映像データを、映像処理部25を介して光源駆動部24及び光走査部22へ出力する。これにより第2出力基準の下、映像データに基づくレーザ光がレーザ光発生装置21から出射される(ステップS1812)。
本実施の形態3は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1及び2と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態4
実施の形態4は音声認識によりレーザ光の出力を低下させる形態に関する。図19は実施の形態4に係る撮像装置のレーザ光発生装置21側のハードウェア構成を示すブロック図である。実施の形態2の構成に加えて、マイク58及びスピーカ59が設けられている。映像データファイル551に記憶された映像データには、これに対応する音声データが記憶されている。制御部51は映像データファイル551内の音声データを読み出し、デコード等の音声処理を行った後、音声データをスピーカ59または図示しない音声出力端子へ出力する。以下では、音声データをスピーカ59へ出力するものとして説明する。
マイク58は外部から入力された音声信号を電気信号へ変換する。変換後の電気信号は図示しないA/D変換器によりデジタルデータへ変換されて制御部51へ出力される。制御部51は映像データファイル551から読み出した音声データをスピーカ59から出力すると共に、RAM52に逐次記憶する。また制御部51はマイク58から入力された音声データを比較のためRAM52に逐次記憶する。なお、RAM52への音声データの記憶の際には図示しないクロックからの日時情報に対応づけて音声データが記憶される。制御部51はRAM52に記憶した所定時間分(例えば1秒間分)の音声データを読み出し、両者が一致するか否かを判断する。一致しない場合は、音声を発する人物が近傍に存在すると判断し、レーザ光の出力を第1出力基準から第2出力基準へ低下させる。
音声が一致するか否かは、相関度を算出することにより行う。制御部51は記憶部55に記憶した下記式(2)に従い相関度を算出する。映像データファイル551から読み出した音声データの系列をx={xi}、マイク58から入力された音声データの系列をy={yi}(i=1、2、・・・n)とした場合、相関度Rは以下の式(2)により算出される。
ここで、xA 及びyB はそれぞれ系列x={xi}及び系列y={yi}の相加平均を示す。制御部51は所定時間毎の音声データ同士の相関度を算出し、相関度が予め定めた閾値(例えば+0.3)以下であるか否かを判断し、閾値以下である場合は、人物が存在する可能性があるとして第2出力基準を出力基準記憶部52から読み出し、光源駆動部24へ出力する。制御部51は読み出した映像データを、映像処理部25を介して光源駆動部24及び光走査部22へ出力する。これにより第2出力基準の下、映像データに基づくレーザ光がレーザ光発生装置21から出射される。
図20は音声認識処理の手順を示すフローチャートである。制御部51は映像データファイル551から再生対象の映像データ及びこれに対応する音声データを読み出す(ステップS201)。制御部51は第1出力基準を出力基準記憶部52から読み出し、光源駆動部24へ出力する。制御部51は読み出した映像データを、映像処理部25を介して光源駆動部24及び光走査部22へ出力する。これにより第1出力基準の下、映像データに基づくレーザ光がレーザ光発生装置21から出射される(ステップS202)。映像データの出力に同期させて制御部51は音声データをスピーカ59から出力する(ステップS203)。また制御部51はステップS203で出力する音声データをRAM52に時間情報に対応づけて記憶する(ステップS204)。
制御部51はこれらの処理と並行してマイク58から音声データを取り込み、RAM52に取り込んだ音声データを時間情報に対応づけて記憶する(ステップS205)。制御部51はステップS204及びS205でRAM52にそれぞれ記憶した所定時間分(例えば取り込み開始時刻tからt+Δtの間分)の音声データを読み出し(ステップS206)、記憶部55に記憶した式(2)に従い相関度を算出する(ステップS207)。
制御部51は記憶部55から閾値を読み出し、算出した相関度が閾値以下であるか否かを判断する(ステップS208)。制御部51は閾値以下でないと判断した場合(ステップS208でNO)、次の所定時間分(上述の例では、t+Δtからt+2Δtの間分)の音声データをRAM52からそれぞれ読み出し(ステップS209)、処理をステップS207へ戻す。一方、制御部51は算出した相関度が閾値以下であると判断した場合(ステップS208でYES)、人物が存在する可能性があるとして第1出力基準よりもレベルの低い第2出力基準を出力基準記憶部552から読み出し、光源駆動部24へ出力する。制御部51は読み出した映像データを、映像処理部25を介して光源駆動部24及び光走査部22へ出力する。これにより第2出力基準の下、映像データに基づくレーザ光がレーザ光発生装置21から出射される(ステップS2010)。
本実施の形態4は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1乃至3と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態5
実施の形態5はレーザ光発生装置21を合焦用の補助光またはストロボ等として利用する形態に関する。入力部53から静止画の撮像ボタンが操作された場合、撮像部34は静止画に係る画像データを取り込む。この場合、撮像部34から取り込まれる画像データの輝度が所定値よりも低いと制御部51が判断した場合、合焦用の補助光またはストロボ等として利用すべく、制御部51は出力基準記憶部552から第2出力基準を読み出す。なお、これ以前には、レーザ光発生装置21からはレーザ光が照射されていないものとする。また以下では、レーザ光発生装置21を暗所での撮影を可能とすべくストロボとして利用する形態につき説明する。制御部51は、光源駆動部24へ第2出力基準を出力する。また制御部51は映像処理部25に対し、ストロボ光を出力するコマンドを出力する。映像処理部25は、ストロボ光の出力コマンドを受け付けた場合、白色の発光を生じさせるべくR光、G光、及びB光の出力が略同一となるよう光源駆動部24を制御する。これにより、暗所において撮像する場合、レーザ光発生装置21が安全なレベルでストロボとして活用することが可能となる。
図21及び図22はストロボ制御の処理手順を示すフローチャートである。制御部51はレーザ光を停止させるべくレーザ光の停止コマンドを映像処理部25へ出力する(ステップS211)。映像処理部25は停止コマンドを受けて光源駆動部24のR光、G光及びB光の全てのレーザ光の出力を停止する。制御部51はセンサ620からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS212)。制御部51はセンサ620からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたと判断した場合(ステップS212でYES)、リーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS213)。
制御部51はリーダ520の出力部523からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であることの情報を受け付けたと判断した場合(ステップS213でYES)、アイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS215)。制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップが取り付け位置にあることを示す情報を受け付けた場合(ステップS215でYES)、アイキャップ4を跳ね上げさせるべく、アイキャップ4を跳ね上げる旨の情報を記憶部55から読み出し、表示部36へ表示する(ステップS216)。その後制御部51はステップS215へ移行する。
ステップS212においてセンサからレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であるとの情報を受け付けていない場合(ステップS212でNO)、またはステップS213において、リーダの出力部523からレーザ光の出射方向と撮像部34による撮像方向とが同方向であるとの情報を受け付けていない場合(ステップS213でNO)、VF2を撮像方向へ倒す旨の情報を、記憶部55から読み出し、表示部36へ表示する(ステップS214)。その後制御部51は処理をステップS212へ戻す。
制御部51はアイキャップセンサ451からアイキャップ4が取り付け位置にあることを示す情報を受け付けていないと判断した場合(ステップS215でNO)、静止画の撮像指示を入力部53から受け付けたか否かを判断する(ステップS217)。制御部51は入力部53から静止画の撮像指示を受け付けていない場合(ステップS217でNO)、当該指示を受け付けるまで待機する。制御部51は入力部53から静止画の撮像指示を受け付けた場合(ステップS217でYES)、制御部51は取り込み画像の輝度が記憶部55に記憶した所定値以下であるか否かを判断する(ステップS221)。これは例えば取り込み画像データの平均輝度が所定輝度以下か否かにより判断すればよい。なお、撮像部34から静止画像を取り込む場合、取り込み画像を表示部36に表示しても良い。
制御部51は輝度が所定輝度以下であると判断した場合(ステップS221でYES)、出力基準記憶部552から第2出力基準を読み出す(ステップS222)。制御部51は読み出した第2出力基準を映像処理部25へ出力すると共に、ストロボ光の出力コマンドをも映像処理部25へ出力する(ステップS223)。映像処理部25は、ストロボ光の出力コマンドを受け付けた場合、第2出力基準のもと、略同レベルのR光、G光、及びB光に係るレーザ光を出力するよう光源駆動部24を制御する(ステップS224)。ステップS224によりレーザ光に基づくストロボ光の点灯の後、または、ステップS221において輝度が所定値以下でないと判断した場合(ステップS221でNO)、撮像部34により静止画像データを取り込む(ステップS225)。撮像された静止画像データは映像データファイル551に記憶される。
本実施の形態5は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1乃至4と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。