JP2008260869A - 新規な含フッ素エーテル系化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いフッ素含率を有するエーテル系含フッ素ポリマーを提供する。
【解決手段】一般式(I)で表される繰り返し単位を含むポリマーをフッ素化することによって得られる前記ポリマーに対応する、フッ素含量を高めた含フッ素エーテル系化合物。
Figure 2008260869

(式中、Rh1は2価の連結基を示し、Rf2はペルフルオロアルキレン基を示し、Rf3、およびRf4はそれぞれ独立にフッ素原子、ペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロアルコキシ基を示し、Rf2、Rf3、Rf4はそれぞれ結合して環を形成してもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、高度にフッ素化されたエーテル系含フッ素化合物に関する。
含フッ素ポリマーは、その構造およびフッ素含有率に応じて、低屈折率、低誘電率、撥水・撥油性、低吸湿性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性、電気絶縁性等、他の原子ではなし得ない様々な特徴を発現させることができる。
含フッ素ポリマーの最も一般的な合成法として、含フッ素モノマーのラジカル重合による方法が知られている。しかしながら、一般に入手できる含フッ素モノマー種は必ずしも十分とは言えず、またこれらの反応性は、一部の含フッ素モノマーを除いて、一般には低い。すなわち、含フッ素モノマーのラジカル重合法においては、合成できるポリマーの構造が大きく限定されるという問題がある。
この問題を解決する手段として、様々な方法によって合成される多様なポリマーに対して、フッ素ガスを作用させることにより含フッ素ポリマーを得る方法が知られている。例えば、特許文献1や特許文献2等において、固体のポリマーとフッ素ガスを直接接触させてフッ素化する方法が記載されているが、これらの場合、ポリマー表面のフッ素化が優先し、ポリマー全体の均一なフッ素化ができないという問題がある。また、特許文献3には、ポリマーを液相中でフッ素化する例が記載されているが、用いている原料はいずれも分子量2,000程度の炭化水素系ポリエーテルであり、より高分子量のポリマーに適用した例は記載されていない。これはおそらく、高分子量ポリマーの場合、フッ素化溶媒に対する溶解性が低く、十分に反応が進行しないためと考えられる。この問題解決の例として、特許文献4には、側鎖を介してポリマーにフッ素成分を導入してフッ素化溶媒へのポリマーの溶解性を向上させることにより、比較的高い分子量のポリマーのフッ素化を実現した例が知られているが、得られるポリマーのフッ素含率は必ずしも満足できるものではない。
以上のように、多様な構造を有し、かつ高いフッ素含率を有する含フッ素化合物の簡便な合成法は従来知られていなかった。
米国特許第4076916号明細書 特開2002−95862号公報 WO90/03353号パンフレット 特開2002−332309号公報
本発明の目的は、所望の物性に応じて種々に構造を調製することが可能で、高いフッ素含率を有する種々のエーテル系含フッ素化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、以下の方法により本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)一般式(I)で表される繰り返し単位を含むポリマーをフッ素化することによって得られる前記ポリマーに対応する、フッ素含量を高めた含フッ素エーテル系化合物。
Figure 2008260869
(式中、Rh1は2価の連結基を示し、Rf2はペルフルオロアルキレン基を示し、Rf3、およびRf4はそれぞれ独立にフッ素原子、ペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロアルコキシ基を示し、Rf2、Rf3、Rf4はそれぞれ結合して環を形成してもよい。)
(2)一般式(I)で表される繰り返し単位が下記一般式(II)で表わされる繰り返し単位であることを特徴とする(1)項に記載の含フッ素エーテル系化合物。
Figure 2008260869
(式中、Rh1は上記と同義を示し、Rf5は4価のペルフルオロ連結基を表す。)
(3)一般式(II)で表される繰り返し単位が下記一般式(III)で表わされる繰り返し単位であることを特徴とする(2)項に記載の含フッ素エーテル系化合物。
Figure 2008260869
(式中、Rh1は上記と同義を表す。)
(4)一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有するポリマーを溶液とし、前記のフッ素化をフッ素ガスを用いて行うことによって得られる(1)〜(3)のいずれか1項に記載の含フッ素エーテル系化合物。
(5)下記一般式(IV)で表されるエーテル系ペルフルオロ化合物。
Figure 2008260869
(式中、Rfはペルフルオロアルキル基を表す。)
本発明の化合物は、高フッ素含率化合物の中でも、とりわけフッ素含率の高いものであり、所望の物性に応じて種々に構造を調製することが可能である。この高いフッ素含率を有するエーテル系含フッ素化合物は効率よく得ることができる。これらの高含フッ素系ポリマーは、低屈折率、低誘電率、撥水・撥油性、低吸湿性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性、電気絶縁性等のフッ素化合物に特有の特性が期待でき、透明材料としての応用も可能である。
一般式(I)において、Rh1は2価の連結基であり、好ましくはアルキレン基、アリーレン基およびこれらの連結基がさらに別の2価の連結基(E)で連結されたものが挙げられる。
Rh1として好ましいアルキレン基としては、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキレン基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。好ましい炭素数としては1〜20であり、より好ましくは2〜10である。
置換基としては、例えば以下の置換基が挙げられる。ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数20以下のアルキル基(例えば、メチル、エチル)、炭素数30以下のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、炭素数20以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル)、炭素数30以下のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、炭素数20以下のアルキルカルボニル基(例えば、アセチル)、炭素数30以下のアリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル)、ニトロ基、アミノ基(例えば、アミノ、ジメチルアミノ、アニリノ)、炭素数20以下のアシルアミノ基(例えば、アセトアミド、エトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド)、イミド基(例えば、スクシンイミド、フタルイミド)、イミノ基(例えば、ベンジリデンアミノ)、
ヒドロキシ基、炭素数20以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、炭素数20以下のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、炭素数20以下のアルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、炭素数30以下のアリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、スルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、炭素数20以下のアルキルチオ基(例えばメチルチオ)、炭素数30以下のアリールチオ基(例えばフェニルチオ)、炭素数20以下のアルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、炭素数30以下のアリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、ヘテロ環基等。これらの置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
好ましい置換基としては、ハロゲン原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
Rh1として好ましいアリーレン基としては、炭素数6〜30の置換または無置換のアリーレン基である。さらに好ましい炭素数としては6〜20であり、より好ましくは6〜10である。置換基の例としては上述のものを挙げることができる。
アルキレン基および/またはアリーレン基を連結する別の2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO2−、単なる結合手などを挙げることができる。
Rh1は、好ましくは少なくとも一つのフッ素原子が置換したアルキレン基またはアリーレン基であり、より好ましくは−CH2Rf11CH2−で表されるアルキレン基である。ここで、Rf11は、炭素数1〜28のペルフルオロアルキレン基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。好ましい炭素数としては1〜18であり、より好ましくは2〜8である。
以下に、Rh1の具体的を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。(式中、*は酸素原子との結合位置を表す。複数の立体異性体が存在する可能性のある場合は、いずれか一つの構造であってもよいし、複数の立体異性体の混合であってもよい。)
Figure 2008260869
Figure 2008260869
Figure 2008260869
Figure 2008260869
Figure 2008260869
Figure 2008260869
一般式(I)において、Rf2はペルフルオロアルキレン基を示し、Rf3、およびRf4はそれぞれ独立にフッ素原子、ペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロアルコキシ基を示し、Rf2,Rf3,Rf4はそれぞれ結合して環を形成してもよい。
Rf2で表されるペルフルオロアルキレン基は、好ましくは炭素数1〜30のペルフルオロアルキレン基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。さらに好ましい炭素数としては1〜20であり、より好ましくは2〜10である。
Rf3およびRf4で示されるペルフルオロアルキル基は、好ましくは炭素数1〜30のペルフルオロアルキル基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。さらに好ましい炭素数としては1〜20であり、より好ましくは2〜10である。
Rf3およびRf4で示されるペルフルオロアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜30のペルフルオロアルコキシ基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。さらに好ましい炭素数としては1〜20であり、より好ましくは2〜10である。
一般式(I)において、Rf3、Rf4は、好ましくはRf3およびRf4がともにフッ素原子またはペルフルオロアルコキシ基であり、Rf3およびRf4がともにペルフルオロアルコキシ基の場合、一般式(I)は下記一般式(II)であることがより好ましい。
Figure 2008260869
式中、Rf5は4価のペルフルオロ連結基を示す。Rf5で示される4価のペルフルオロ連結基は、好ましくは炭素数1〜30のペルフルオロアルキレン基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。さらに好ましい炭素数としては4〜20であり、より好ましくは5〜10である。
本発明において、フッ素化前の上記の一般式(I)又は(II)で表わされる繰り返し単位を有する含フッ素エーテル系化合物は文献未載の新規物質である。
以下に一般式(I)および(II)で表される化合物の具体的な例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。式中、Rh1の部分は、例えば上記で述べた具体例との任意の組み合わせを考えることができる。
Figure 2008260869
Figure 2008260869
Figure 2008260869
Figure 2008260869
本発明の含フッ素エーテル系化合物は、一般式(I)[好ましくは一般式(II)であり、より好ましくは上記具体例に記載した一般式(III)]で表される繰り返し単位を含む化合物をフッ素化して得られる。本発明においてポリマーとは、低重合度のもの、すなわちオリゴマーも包含する意味である。その分子量は特に制限はないが、数平均分子量が好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは10,000〜100,000のものである。
本発明は上記のポリマーのみならず、モノマー分子にも応用することができる。すなわち一般式(V)で表される化合物をフッ素化することにより一般式(IV)で表されるペルフルオロ化合物を得ることができる。
Figure 2008260869
式中、Rfは炭素数1〜30のペルフルオロアルキル基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、鎖中にエーテル結合を有していてもよい。好ましい炭素数としては1〜20であり、より好ましくは2〜10である。Rはフッ素化することによりRfとなる含フッ素アルキル基であり、好ましくは−CH(Rf’)Rf”(Rf’は水素原子またはペルフルオロアルキル基を表し、Rf”はペルフルオロアルキル基を表す。)または−Ar(Arはアリール基を表す。)で表される基であり、より好ましくは−CH2Rf”で表される基である。
以下に一般式(IV)で表される化合物の具体的な例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2008260869
フッ素化の方法としては、三フッ化コバルトを用いる方法、電解槽中で電気分解したフッ化水素をフッ素源としてフッ素化反応を行う方法(以下、電解フッ素化という。)および液相中でフッ素ガスを用いて直接フッ素化を行う方法(以下、液相直接フッ素化という。)等が知られており、いずれの方法によっても、含フッ素化合物中の水素原子をフッ素原子に置換できる可能性はある。但し、三フッ化コバルトを用いる方法および電解フッ素化によるフッ素化反応は、液相直接フッ素化反応と比べて主鎖の切断、再結合反応、異性化反応等の副反応が起こりやすいため、本発明においては、液相直接フッ素化反応を用いるのがより好ましい。
本発明における液相直接フッ素化反応は、米国特許第5093432号明細書に記載されているのと同様な方法、すなわち、フッ素で飽和した溶媒中に、一般式(I)[好ましくは一般式(II)であり、より好ましくは上記具体例に記載した一般式(III)](以下原料含フッ素ポリマーと呼ぶ)で表される化合物及び窒素やヘリウム等の不活性ガスで希釈されたフッ素ガス(以下、希釈フッ素ガスと呼ぶ)を同時に供給していく方法が好ましい。このとき原料含フッ素ポリマーは溶媒で希釈して添加してもよいし、ポリマーが液体の場合には希釈しないでそのまま添加してもよいが、好ましくは適切な溶媒に溶かして反応系に供給する。
希釈溶媒は、原料含フッ素ポリマーを溶かすことができれば何でもよいが、水素原子や不飽和結合を有する溶媒の場合には、これらの溶媒との反応にもフッ素ガスが消費されること、および、溶媒の沸点が低い場合には気相中でフッ素ガスと激しく反応(燃焼)する懸念があることを考慮しなければならない。好ましい希釈溶媒としては、含フッ素炭化水素系溶媒(例えば1H−ペルフルオロヘキサン、1H,6H−ペルフルオロヘキサン、1H,1H,2H−ペルフルオロヘキセン−1−エン等)、含フッ素エーテル系溶媒(例えば、メチルナノフルオロブチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルメチルエーテル、2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)テトラヒドロフラン等)、含フッ素ケトン系溶媒(例えば、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンタン−2−オン、4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロヘキサン−2−オン、ヘプタフルオロブチルフェノン、メチルペルフルオロブチルケトン等)、含フッ素エステル系溶媒(例えばエチルペンタフルオロプロピオネート、エチルヘキサフルオロブチラート、メチルヘプタフルオロイソブチラート、ジメチルオクタフルオロアジペート、メチルペルフルオロヘプタノエート、メチル−7H−メチルペルフルオロヘプタノエート、ジメチルオクタフルオロサクシネート、トリフルオロエチルトリフルオロエチルアセテート、メチル−2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオネート等)、含フッ素ベンゼン系溶媒(例えば、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオリド、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(ペルフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゼン、デカフルオロビフェニル等)およびこれらの混合溶媒などを挙げることができる。
これらの希釈溶媒は原料含フッ素ポリマーに対して重量で0.1〜100倍用いるのが好ましく、より好ましくは0.5〜10倍であり、特に好ましくは1〜5倍である。
上記希釈溶媒とは別に、液相直接フッ素化反応においては反応系に予めフッ素ガスを飽和させておくための溶媒(以下、単にフッ素化溶媒と呼ぶ)を用いる。フッ素化溶媒は、反応条件下フッ素ガスと反応しない溶媒、すなわちC−H結合及び、炭素−炭素不飽和結合を含まない溶媒であり、好ましくはペルフルオロアルカン類、または、塩素原子、窒素原子および酸素原子から選ばれる1種類以上の原子を構造中に有するペルフルオロ化合物である。
このような溶媒の例としては、ペルフルオロアルカン化合物[FC−72(商品名、住友スリーエム社製)等]、ペルフルオロエーテル化合物[FC−75,FC−77(共に商品名、住友スリーエム社製)等]、ペルフルオロポリエーテル化合物[商品名:クライトックス(KrytoxR、DuPont社商標)、フォブリン(FomblinR、AUSIMONT社商標)、ガルデン(GaldenR、AUSIMONT社商標)、デムナム{ダイキン工業(株)}等]、クロロフルオロカーボン類(CFC−11,CFC−113等)、クロロフルオロポリエーテル化合物、ペルフルオロトリアルキルアミン化合物、不活性流体(商品名:フロリナート、FluorinertR、3M社商標)等が挙げられる。
フッ素化溶媒は添加する原料含フッ素ポリマーに対して重量で50〜1000倍用いるのが好ましく、より好ましくは100〜500倍である。
上記反応における、反応温度は好ましくは−78℃〜100℃であり、さらに好ましくは−50℃〜80℃であり、より好ましくは−20℃〜50℃である。反応圧力は常圧〜2MPaが好ましく、より好ましくは常圧である。
フッ素で飽和した溶媒中に原料含フッ素ポリマーと希釈フッ素ガスを同時に供給していく際、フッ素ガスの量は原料フッ素ポリマーおよび希釈溶媒をペルフルオロ化するために必要な理論量に対してモル比で、0.5〜10倍用いるのが好ましく、より好ましくは1〜3倍であり、さらに好ましくは1〜2倍である。
原料含フッ素ポリマーを供給後、フッ素化が十分に進行していない場合には、上記で述べた含フッ素希釈溶媒のような化合物をフッ素ガスとともに供給するか、または、フッ素ガスを供給しながら反応系に紫外線を照射することにより、ポリマーのフッ素化を促進できることがある。
フッ素化反応の進行とともにフッ化水素が副生するが、このフッ化水素を除去するには、反応系中にフッ化水素補足剤を共存させるか、または、反応器ガス出口でフッ化水素補足剤と出口ガスを接触させるのが好ましい。フッ化水素補足剤としてはトリアルキルアミン等の有機塩基およびNaFやKF等のアルカリ金属フッ化物が挙げられ、より好ましくはNaFである。
反応系中にフッ化水素補捉剤を共存させる場合、フッ化水素補捉剤は発生するフッ素の理論量の1〜10倍用いるのが好ましく、より好ましくは2〜5倍である。
一般式(I)、一般式(II)または一般式(III)で示される原料含フッ素ポリマーの合成法は特に限定されないが、例えば、それぞれ一般式(i)、一般式(ii)および一般式(iii)で示されるペルフルオロジエンと一般式(iv)で示されるジオールとを塩基性条件下で付加重合させることによって得ることができる。また、上記一般式(V)で示される化合物は、一般式(iii)で示される化合物とROHで示される化合物を塩基性条件下付加反応させることにより得られる。一般式(I)又は(II)で表される繰り返し単位を有する化合物または一般式(III)で表わされる化合物の合成法の詳細については、特願2007−7514号に記載されているが、以下にその概要を説明する。
Figure 2008260869
一般式(i)、一般式(ii)および一般式(iii)で示される化合物の合成は、例えば液相フッ素化反応を鍵反応として合成することができる。一般式(i)で示される化合物の合成ルートの例を以下に示す。
Figure 2008260869
各工程の詳細については例えば、特表平4−500520、国際公開特許00/56694、国際公開特許02/004397、特表2003−518051やこれらの文献に引用されている文献等を参考にすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[原料合成]
以下のスキームにしたがってペルフルオロジエン(iii)および含フッ素ジオール(iv−1)を合成した。
Figure 2008260869
化合物Bの合成
ヒドロキシアセトン(7.4g)およびピリジン(8.1ml)の酢酸エチル(100ml)溶液に室温(25℃)にてウンデカフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサン酸)フルオリド(10g)を滴下した。室温にて2時間攪拌後、反応液を希塩酸水に注加した。分液後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン)にて精製することにより化合物B(10.2g,88%)を得た。
1H NMR(CDCl3) δ 2.22(s,3H),4.85(d,J=16.2Hz,1H),4.96(d,J=16.2Hz,1H)
19F NMR(CDCl3) δ -80.3(1F),-81.8(3F),-82.5(3F),-86.7(1F),-130.2(2F),-132.8(1F)
化合物Cの合成
化合物B(9.9g)、ペンタエリスリトール(1.74g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.25g)およびトルエン(50ml)を脱水しながら4時間還流した。反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン)にて精製することにより化合物C(5.9g,53%)を得た。
1H NMR(CDCl3) δ 1.41(s,3H),3.64〜3.85(m,4H),4.31(d,J=11.1Hz,1H),4.48(d,J=11.1Hz,1H)
19F NMR(CDCl3) δ -80.2(1F),-81.7(3F),-82.5(3F),-86.8(1F),-130.1(2F),-132.3(1F)
化合物Dの合成
原料供給口、フッ素供給口、へリウムガス供給口およびドライアイスで冷却した還流装置を経由してフッ素トラップに接続されている排気口を備えた300mlテフロン(登録商標)製容器に、FC−72 180mlおよびフッ化ナトリウム10gを入れて、攪拌しながら内温20℃にてヘリウムガスを流速50ml/minで30分間吹き込んだ。引き続き20%F2/N2ガスを100ml/minで30分間吹き込んだ後、フッ素流量はそのままで、化合物C(4.25g)のFC−72(13.5ml)溶を6.2ml/hの速度で添加し、さらに同速度でヘキサフルオロベンゼン(1g)のFC−72(5ml)溶液を添加した。その後、20%F2/N2ガスを100ml/minで30分間吹き込み、さらにヘリウムガスを200ml/minで30分間吹き込み、不溶物を濾別した。FC−72を常圧にて濃縮後、さらに減圧にて濃縮することにより、化合物D(5.1g,粗収率88%)をほぼ単一生成物として得た。
19F NMR(CDCl3) δ -60.6〜-64.4(m,8F),-76.7(s,6F),-79.8〜-80.0(m,1F),-80.3〜-80.6(m,1F),82.0(m,6F),82.1(s,6F),-83.4〜-83.8(m,4F),-86.7(bs,1F),-86.9(bs,1F),-130.2(s,4F),-132.0(s,1F),-132.1(s,1F)
化合物Eの合成
フッ化ナトリウム(10g)のメタノール(200ml)分散液に上記で得られた粗化合物D(5.1g)を滴下し、室温にて3時間攪拌した。不溶物をろ過により除去した後、濾液を約30mlになるまで濃縮し、酢酸エチル/炭酸水素ナトリウム溶液で抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン)にて精製することにより化合物E(1.8g,78%)を得た。
1H NMR(CDCl3) δ 3.99(s,3H)
19F NMR(CDCl3) δ -62.5〜-63.8(m,4F),-69.9〜-71.3(m,4F),-81.2(s,3F),-81.4(s,3F)
含フッ素ジオール(iv−1)の合成
化合物E(0.28g)のジエチルエーテル(10ml)溶液にリチウムアルミニウムヒドリド(0.038g)を5℃にて添加した。室温にて4時間攪拌後、反応液に希塩酸水をゆっくり加えた。酢酸エチルで抽出後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン)にて精製することにより化合物(iv−1)(0.2g,80%)を得た。
1H NMR(CDCl3) δ 2.20(bs,1H),4.21(bs,2H),
19F NMR(CDCl3) δ -56.2〜-58.6(m,4F),-66.0〜-67.3(m,4F),-80.9〜81.0(m,6F)
ペルフルオロジエン(iii)の合成
化合物E(16.2g)のメタノール(200ml)/水(40ml)溶液に室温にて8N水酸化カリウム水溶液を10ml滴下した。反応液を室温にて2時間攪拌した後、減圧にて溶媒を留去した。濃縮残渣に水30mlを加え、さらに濃塩酸水をpH試験紙で酸性を示すまで滴下した。析出した白色結晶をろ過後、水(30ml)に分散し、1N水酸化カリウム水溶液を滴下し、pH=8に調整した。反応液を減圧にて濃縮し、残渣を100℃にて真空ポンプで十分に乾燥することにより化合物F(16.5g,93%)を得た。得られた化合物Fを減圧下(4mmHg)280℃にて熱分解し、揮発成分を−78℃のトラップで捕集した。同様の操作を繰り返し、得られた液体を合わせて減圧蒸留することにより化合物(iii)の粗体(20g)を得た。粗体のガスクロ純度は95%であり、残りの5%はモノエン(vi)であった。ペルフルオロジエン(iii)の粗体(15g)の無水ジエチルエーテル(150ml)溶液に、窒素雰囲気下、5℃にてリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.6M THF溶液(3ml)を滴下した。室温にて16時間攪拌後、希塩酸水を注加して反応を停止した。有機層を食塩水で3回洗浄後、40〜80℃にて溶媒を留去した。さらに温度を上げて常圧にて蒸留精製することにより、ガスクロ純度99%以上のペルフルオロジエン(iii)(9.6g)を得た。
19F NMR(CDCl3) δ -70.7(s,8F),-111.2(s,4F)、b.p.55℃(20mmHg)、b.p.=148℃
ペルフルオロジエン(iii)と含フッ素ジオール(iv−1)との重合による含フッ素ポリマー(iii−1)の合成
ペルフルオロジエン(iii)の粗体(1.12g)、含フッ素ジオール(iv−1)(1.34g)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.18g)、アセトニトリル(1ml)、ベンゾトリフルオリド(10ml)および水酸化カリウム(0.32g)の水(10ml)溶液を50℃にて41時間攪拌した。室温まで冷却後、分液した。有機層を水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。濃縮残渣(2.1g)をアセトン(2ml)に溶解し、メタノール(300ml)で再沈、乾燥することにより0.5gの白色結晶を得た。得られた結晶を重クロロホルムに溶解し、1H−NMRおよび19F−NMRを測定した結果、下記繰り返し単位を有するポリマー(iii−1)であることおよび、脱HFによる不飽和結合は存在しないことを確認した。
Mw=11,000(ポリスチレン換算)
1H NMR(CDCl3) δ 4.90(bs,4H),6.44(bs,2H)
19F NMR(CDCl3) δ -57.5〜-73.5(m,16F),-81.7(s,6F),-88.7〜-89.3(s,4F)
Figure 2008260869
ペルフルオロジエン(iii)と2,2,3,3−テトラフルオロブタンジオール(iv−2)との重合による含フッ素ポリマー(iii−2)の合成
ペルフルオロジエン(iii)(8.08g)、2,2,3,3−テトラフルオロブタンジオール(iv−2)(3.31g)、炭酸カリウム(6.05g)およびアセトニトリル(100ml)を室温にて64時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(300ml)/水(300ml)に注加し、分液した。有機層を食塩水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧にて留去することにより、アモルファス状のポリマー(11.4g)を得た。このポリマーをアセトン(40ml)に溶かし、クロロホルム(2000ml)で再沈、乾燥することにより7.85gのアモルファス状ポリマーを得た。得られた結晶を重クロロホルムに溶解し、1H−NMRおよび19F−NMRを測定した結果、下記繰り返し単位を有するポリマー(iii−2)であることおよび、脱HFによる不飽和結合は存在しないことを確認した。
Mn=33,000(ポリスチレン換算),Mw/Mn=2.2
1H NMR(CDCl3) δ 4.73(t,J=13.8Hz,4H),6.41(s,2H)
19F NMR(CDCl3) δ -67.8〜-73.4(m,8F),-87.7〜-89.3(m,4F),-122.7(t,J=13.8Hz,4F)
Figure 2008260869
ペルフルオロジエン(iii)とトリフルオロエタノールとの反応による含フッ素化合物(V−1)の合成
ペルフルオロジエン(iii)の粗体(4.0g)、トリフルオロエタノール(2.1g)、炭酸カリウム(3.1g)およびアセトニトリルを室温で4時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(150ml)/水(150ml)に注加し、分液した。有機層を食塩水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧にて留去した。モノエン(vi)に由来する副生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/9)で除くことにより、下式(V−1)で表される含フッ素化合物(5.3g)を得た。
1H NMR(CDCl3) δ 4.32(q,J=7.8Hz,4H),5.60(s,2H)
19F NMR(CDCl3) δ -68.1〜-73.0(m,8F),-74.4(t,J=7.8Hz,6F),-88.1(s,4F)
Figure 2008260869
実施例1
含フッ素化合物(V−1)のフッ素化によるペルフルオロ化合物(IV−1)の合成
原料供給口、フッ素供給口、へリウムガス供給口およびドライアイスで冷却した還流装置を経由してフッ素トラップに接続されている排気口を備えた300mlテフロン(登録商標)製容器に、FC−72 180mlおよびフッ化ナトリウム2.5gを入れて、攪拌しながら内温0℃にてヘリウムガスを流速50ml/minで30分間吹き込んだ。引き続き20%F2/N2ガスを100ml/minで30分間吹き込んだ後、フッ素流量はそのままで、含フッ素化合物(V−1)(3.0g)のFC−72(5ml)溶液を10ml/hの速度で添加し、さらに、ヘキサフルオロベンゼン(2.1g)のFC−72(8ml)溶液を4.5ml/hの速度で添加した。その後、20%F2/N2ガスを100ml/minで30分間吹き込み、さらにヘリウムガスを200ml/minで1時間吹き込み、不溶物を濾別した。FC−72を常圧にて留去した。ヘキサフルオロベンゼンを内部標準に用いNMRを測定したところ、ペルフルオロ化合物(IV−1)が定量的に生成していることを確認した。また、残留物を減圧蒸留により精製することにより、ペルフルオロ化合物(IV−1)2.6gを得た。ペルフルオロ化合物(IV−1)の屈折率をアッベ屈折計により測定したところ1.30であり、原料(V−1)の値(1.36)と比べて低下した。
19F NMR(CDCl3) δ -57.8〜-73.0(m,8F),-86.5(s,6F),-87.2(t,J=14.1Hz,2F),-88.1(m,4F),-88.4(m,4F)、b.p.=55℃(5mmHg)
実施例2
含フッ素ポリマー(iii−1)のフッ素化
原料供給口、フッ素供給口、へリウムガス供給口およびドライアイスで冷却した還流装置を経由してフッ素トラップに接続されている排気口を備えた300mlテフロン(登録商標)製容器に、FC−72 180mlおよびフッ化ナトリウム9.3gを入れて、攪拌しながら内温0℃にてヘリウムガスを流速50ml/minで30分間吹き込んだ。引き続き20%F2/N2ガスを100ml/minで30分間吹き込んだ後、フッ素流量はそのままで、含フッ素ポリマー(iii−1)(0.5g)のヘキサフルオロベンゼン(2.5g)/トリデカフルオロヘプタン酸メチルエステル(2.5g)溶液を2.9ml/hの速度で添加し、さらに、0.9ml/hの速度でヘキサフルオロベンゼン(1.6g)を添加した。その後、20%F2/N2ガスを100ml/minで30分間吹き込み、さらにヘリウムガスを200ml/minで1時間吹き込み、不溶物を濾別した。減圧にて揮発成分を除去、乾燥することにより、アモルファス状ポリマー(0.4g)を得た。ヘキサフルオロベンゼン/クロロホルム系でこのポリマーのNMR測定を行ったところ、原料のプロトンはすべて消失しており、下記繰り返し構造を有するポリマーであることが示唆された。得られたポリマーの10%質量減少温度(昇温速度10℃/min)を熱分析装置により測定したところ450℃であり、原料ポリマー(iii−1)の値(380℃)と比べて熱安定性が向上した。
Figure 2008260869
実施例3
含フッ素ポリマー(iii−2)のフッ素化
原料供給口、フッ素供給口、へリウムガス供給口およびドライアイスで冷却した還流装置を経由してフッ素トラップに接続されている排気口を備えた300mlテフロン(登録商標)製容器に、FC−72 180mlおよびフッ化ナトリウム9.3gを入れて、攪拌しながら内温0℃にてヘリウムガスを流速50ml/minで30分間吹き込んだ。引き続き20%F2/N2ガスを100ml/minで30分間吹き込んだ後、フッ素流量はそのままで、含フッ素ポリマー(iii−2)(1g)のヘキサフルオロベンゼン(2.5g)/トリデカフルオロヘプタン酸メチルエステル(2.5g)溶液を2.8ml/hの速度で添加し、さらに、0.9ml/hの速度でヘキサフルオロベンゼン(1.6g)を添加した。その後、20%F2/N2ガスを100ml/minで30分間吹き込み、さらにヘリウムガスを200ml/minで1時間吹き込み、不溶物を濾別した。減圧にて揮発成分を除去、乾燥することにより、粘稠なオイル(0.65g)を得た。原料の含フッ素ポリマー(iii−2)はアセトンやTHFに比較的よく溶けたのに対し、得られたオイルはこれらの溶媒には不溶であった。
ヘキサフルオロベンゼン/クロロホルム系でこのオイルのNMR測定を行ったところ、原料のプロトンはすべて消失しており、下記繰り返し構造を有するポリマーであることが示唆された。得られたポリマーの屈折率をアッベ屈折計により測定したところ1.34であり、原料ポリマー(iii−2)の値(1.36)と比べて低下した。
19F NMR(CDCl3) δ -59.0〜-74.2(m,8F),-84.5(m,4F),-88.2(m,2F),-89.3(m,4F),-127.1(m,4F)
Figure 2008260869

Claims (5)

  1. 一般式(I)で表される繰り返し単位を含むポリマーをフッ素化することによって得られる前記ポリマーに対応する、フッ素含量を高めた含フッ素エーテル系化合物。
    Figure 2008260869
    (式中、Rh1は2価の連結基を示し、Rf2はペルフルオロアルキレン基を示し、Rf3、およびRf4はそれぞれ独立にフッ素原子、ペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロアルコキシ基を示し、Rf2、Rf3、Rf4はそれぞれ結合して環を形成してもよい。)
  2. 一般式(I)で表される繰り返し単位が下記一般式(II)で表わされる繰り返し単位であることを特徴とする請求項1記載の含フッ素エーテル系化合物。
    Figure 2008260869
    (式中、Rh1は上記と同義を示し、Rf5は4価のペルフルオロ連結基を表す。)
  3. 一般式(II)で表される繰り返し単位が下記一般式(III)で表わされる繰り返し単位であることを特徴とする請求項2記載の含フッ素エーテル系化合物。
    Figure 2008260869
    (式中、Rh1は上記と同義を表す。)
  4. 一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有するポリマーを溶液とし、前記のフッ素化をフッ素ガスを用いて行うことによって得られる請求項1〜3のいずれか1項に記載の含フッ素エーテル系化合物。
  5. 下記一般式(IV)で表されるエーテル系ペルフルオロ化合物。
    Figure 2008260869
    (式中、Rfはペルフルオロアルキル基を表す。)
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