JP2008260697A - ジカフェオイルキナ酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 植物の地上部より、高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ、大量に製造しうる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 サツマイモ,ヨモギ,ゴボウ及びコーヒーよりなる群から選ばれた1種類以上の植物の地上部を、エタノール又は含水エタノールを用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られた濃縮液又は濃縮物を水に溶解し、無極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分を吸着カラムに吸着させ、水、次いで10〜30%エタノールにより吸着カラムを洗浄した後、35〜50%エタノールを用いて溶出し回収する、ジカフェオイルキナ酸の製造方法を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】 サツマイモ,ヨモギ,ゴボウ及びコーヒーよりなる群から選ばれた1種類以上の植物の地上部を、エタノール又は含水エタノールを用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られた濃縮液又は濃縮物を水に溶解し、無極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分を吸着カラムに吸着させ、水、次いで10〜30%エタノールにより吸着カラムを洗浄した後、35〜50%エタノールを用いて溶出し回収する、ジカフェオイルキナ酸の製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ジカフェオイルキナ酸の製造方法に関し、詳しくは、植物の地上部、特にサツマイモの葉、葉柄および茎よりなる群から選ばれた1種類以上から、高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ大量に製造する方法に関する。
現在、サツマイモ(以下、甘藷と称することがある。)茎葉は、わが国ではほとんど利用されていないが、東南アジアやアフリカなどの国々においては野菜として利用されている。これまで我が国で茎葉が利用されなかった理由のひとつに、栄養成分や機能性等の成分特性を明らかにされていなかったことが挙げられる。また、焼酎用やデンプン用の原料甘藷の地上部は、地下部収穫時に、破棄されているのが現状である。
しかしながら、近年、葉柄を利用する品種「エレガントサマー」や、葉を利用できる品種「すいおう」が開発されるともに、サツマイモ地上部の有効利用を目的に、健康の維持・増進に寄与する薬理活性のデータが蓄積されている。
サツマイモ葉のポリフェノール類には、抗酸化能、抗腫瘍作用、抗糖尿病作用、抗HIV活性、メラニン生成抑制作用等の顕著に多様で有用な機能性を有していることが報告されている。このサツマイモ葉に含まれるポリフェノール類の主成分はカフェ酸誘導体であり、そのうちの約83%がジカフェオイルキナ酸である(例えば、非特許文献1参照)。
この非特許文献1には、ジカフェオイルキナ酸が、抗糖尿病作用、抗腫瘍作用などを有することが報告されており、今後、上記したような各種の薬理効果などが明らかにされることが期待されている。
サツマイモ葉のポリフェノール類には、抗酸化能、抗腫瘍作用、抗糖尿病作用、抗HIV活性、メラニン生成抑制作用等の顕著に多様で有用な機能性を有していることが報告されている。このサツマイモ葉に含まれるポリフェノール類の主成分はカフェ酸誘導体であり、そのうちの約83%がジカフェオイルキナ酸である(例えば、非特許文献1参照)。
この非特許文献1には、ジカフェオイルキナ酸が、抗糖尿病作用、抗腫瘍作用などを有することが報告されており、今後、上記したような各種の薬理効果などが明らかにされることが期待されている。
ジカフェオイルキナ酸を含有する組成物を製造する方法としては、例えば、植物の地上部から粗抽出した抽出液を粉末化し、経口用の錠剤にする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この粗抽出液の粉末に含有されるポリフェノールの含有率は約4%と認められ、ジカフェオイルキナ酸の含有率はさらに微量であると認められる。
現在のところ、ジカフェオイルキナ酸の化学的合成法は確立されていないことから、当該化合物を得るためには植物から抽出するしか手段がないのが現状である。
しかしながら、この粗抽出液の粉末に含有されるポリフェノールの含有率は約4%と認められ、ジカフェオイルキナ酸の含有率はさらに微量であると認められる。
現在のところ、ジカフェオイルキナ酸の化学的合成法は確立されていないことから、当該化合物を得るためには植物から抽出するしか手段がないのが現状である。
このように、現在、産業上利用されているポリフェノールは、原材料から直接抽出した粗抽出物、もしくはある特定のポリフェノール類を分離、精製したものである。
最近の研究では、ポリフェノール中の各成分の生理機能が徐々に明らかにされつつある。産業上利用する際にも、特定の成分群のみを利用することによる利点も見出されてきた。
最近の研究では、ポリフェノール中の各成分の生理機能が徐々に明らかにされつつある。産業上利用する際にも、特定の成分群のみを利用することによる利点も見出されてきた。
従来、これらの成分を植物から単離するためには、高価な分取用カラムを装備した高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による精製法が常法である。
例えば、非特許文献2には、サツマイモの葉からジカフェオイルキナ酸を精製する方法が開示されているが、単一成分としての精製は、HPLCにより行っている。
しかしながら、HPLCによる精製方法は、前記のようにコストがかかり、生産量のスケールアップも困難であるのが現状である。
現在のところ、純粋もしくは非常に高純度な単一成分としての天然物由来ポリフェノールは、一部の低分子成分のみが試薬として市販されているだけである。
例えば、非特許文献2には、サツマイモの葉からジカフェオイルキナ酸を精製する方法が開示されているが、単一成分としての精製は、HPLCにより行っている。
しかしながら、HPLCによる精製方法は、前記のようにコストがかかり、生産量のスケールアップも困難であるのが現状である。
現在のところ、純粋もしくは非常に高純度な単一成分としての天然物由来ポリフェノールは、一部の低分子成分のみが試薬として市販されているだけである。
吉元 誠著、「サツマイモ茎葉に含まれるポリフェノール類の薬理作用」、『食品工業』2005年3月30日号(vol.48,No.6)別冊
Biosci. Biotechnol. Biochem., 66(11), p2336-2341, (2002)
特開2006−45212号公報
本発明は、上記従来の問題点を解消し、植物の地上部より、高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ、効率よく大量に製造しうる方法を提供することを目的とするものである。
特に、本発明の目的は、上記実状に鑑み、バイオリサイクルの観点より、サツマイモ葉、葉柄及び茎に含まれるジカフェオイルキナ酸を、高純度に、簡便な方法で、かつ、効率よく大量に製造する方法を提供することにある。
併せて、本発明は、焼酎用やデンプン用の原料甘藷の地下部収穫時に破棄されている地上部について、有効利用することをも目的とするものである。
特に、本発明の目的は、上記実状に鑑み、バイオリサイクルの観点より、サツマイモ葉、葉柄及び茎に含まれるジカフェオイルキナ酸を、高純度に、簡便な方法で、かつ、効率よく大量に製造する方法を提供することにある。
併せて、本発明は、焼酎用やデンプン用の原料甘藷の地下部収穫時に破棄されている地上部について、有効利用することをも目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行い、植物の地上部、特に、サツマイモの葉、葉柄及び茎よりなる群から選ばれた1種類以上を、エタノール又は含水エタノールを用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られた濃縮液又は濃縮物を水に溶解し、無極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分を吸着カラムに吸着させ、水、次いで10〜30%エタノールにより吸着カラムを洗浄した後、35〜50%エタノールを用いて溶出し回収することにより、ジカフェオイルキナ酸を、高純度に、簡便な方法で、かつ、効率よく大量に製造できることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、請求項1に係る本発明は、サツマイモ,ヨモギ,ゴボウ及びコーヒーよりなる群から選ばれた1種類以上の植物の地上部を、エタノール又は含水エタノールを用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られた濃縮液又は濃縮物を水に溶解し、無極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分を吸着カラムに吸着させ、水、次いで10〜30%エタノールにより吸着カラムを洗浄した後、35〜50%エタノールを用いて溶出し回収する、ジカフェオイルキナ酸の製造方法を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、植物の地上部が、サツマイモの葉、葉柄及び茎よりなる群から選ばれた1種類以上である請求項1記載の製造方法を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、前記吸着カラムからジカフェオイルキナ酸溶出画分を回収した後、ジカフェオイルキナ酸溶出画分を乾燥させて、ジカフェオイルキナ酸乾燥物もしくは乾燥粉末にする工程を含む、請求項1又は2に記載の製造方法を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、植物の地上部が、サツマイモの葉、葉柄及び茎よりなる群から選ばれた1種類以上である請求項1記載の製造方法を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、前記吸着カラムからジカフェオイルキナ酸溶出画分を回収した後、ジカフェオイルキナ酸溶出画分を乾燥させて、ジカフェオイルキナ酸乾燥物もしくは乾燥粉末にする工程を含む、請求項1又は2に記載の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ、効率よく大量に製造することができる。
さらに、本発明によれば、青果用として栽培されたサツマイモの葉、葉柄及び茎はもとより、バイオリサイクルの観点から、焼酎用やデンプン用の原料甘藷の地下部収穫時に破棄されている地上部(葉、葉柄及び茎)から、高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ、効率よく大量に製造することができる。
さらに、本発明によれば、青果用として栽培されたサツマイモの葉、葉柄及び茎はもとより、バイオリサイクルの観点から、焼酎用やデンプン用の原料甘藷の地下部収穫時に破棄されている地上部(葉、葉柄及び茎)から、高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ、効率よく大量に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、植物の地上部から高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ、大量に製造する方法に関し、特定の植物の地上部を、エタノール又は含水エタノールを用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られた濃縮液又は濃縮物を水に溶解し、無極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分を吸着カラムに吸着させ、水、次いで10〜30%エタノールにより吸着カラムを洗浄した後、35〜50%エタノールを用いて溶出し回収することにより、純度の高いジカフェオイルキナ酸を精製する方法である。
本発明は、植物の地上部から高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ、大量に製造する方法に関し、特定の植物の地上部を、エタノール又は含水エタノールを用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られた濃縮液又は濃縮物を水に溶解し、無極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分を吸着カラムに吸着させ、水、次いで10〜30%エタノールにより吸着カラムを洗浄した後、35〜50%エタノールを用いて溶出し回収することにより、純度の高いジカフェオイルキナ酸を精製する方法である。
ジカフェオイルキナ酸は、ポリフェノール類の1種であり、1個のキナ酸に2個のカフェオイル基が結合したカフェ酸誘導体である。
本発明から得られるジカフェオイルキナ酸としては、4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸(下記の化学式1参照)、3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸(下記の化学式2参照)、3,4−ジ−o−カフェオイルキナ酸(下記の化学式3参照)などの異性体が挙げられる。
具体的には、本発明から得られるジカフェオイルキナ酸は、これら3種類の異性体の混合物であり、特に、4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸及び3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸の含有率が高い。
なお、ジカフェオイルキナ酸は、特に、サツマイモの葉に含まれるポリフェノール類の主成分であるカフェ酸誘導体のうち、約83%を占める成分として知られている。
ジカフェオイルキナ酸の薬理効果としては、抗糖尿病作用、抗腫瘍作用などを有することが知られているが、さらに、今後、サツマイモ葉のポリフェノール類で確認されている薬理効果である、抗酸化能、抗HIV活性、メラニン生成抑制作用等、多様で有用な機能性についても明らかになることが期待される。
本発明から得られるジカフェオイルキナ酸としては、4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸(下記の化学式1参照)、3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸(下記の化学式2参照)、3,4−ジ−o−カフェオイルキナ酸(下記の化学式3参照)などの異性体が挙げられる。
具体的には、本発明から得られるジカフェオイルキナ酸は、これら3種類の異性体の混合物であり、特に、4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸及び3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸の含有率が高い。
なお、ジカフェオイルキナ酸は、特に、サツマイモの葉に含まれるポリフェノール類の主成分であるカフェ酸誘導体のうち、約83%を占める成分として知られている。
ジカフェオイルキナ酸の薬理効果としては、抗糖尿病作用、抗腫瘍作用などを有することが知られているが、さらに、今後、サツマイモ葉のポリフェノール類で確認されている薬理効果である、抗酸化能、抗HIV活性、メラニン生成抑制作用等、多様で有用な機能性についても明らかになることが期待される。
本発明に用いる原材料は、植物の地上部であれば如何なるものでも利用可能である。
本発明に用いる植物の地上部としては、葉、葉柄、茎、芽、樹皮、種皮、花、花粉、果実など、植物の地上部を構成する組織ならば全てを挙げることができるが、具体的には、葉、葉柄及び茎を挙げることができる。なお、これらは、単独であっても、2種類以上のものを混合して用いることができる。
また、本発明における原材料に用いる植物としては、サツマイモ、ヨモギ、ゴボウ及びコーヒーを挙げることができ、これらを単独で、もしくは2種類以上のものを混合して用いることができる。
本発明に用いる植物の地上部としては、葉、葉柄、茎、芽、樹皮、種皮、花、花粉、果実など、植物の地上部を構成する組織ならば全てを挙げることができるが、具体的には、葉、葉柄及び茎を挙げることができる。なお、これらは、単独であっても、2種類以上のものを混合して用いることができる。
また、本発明における原材料に用いる植物としては、サツマイモ、ヨモギ、ゴボウ及びコーヒーを挙げることができ、これらを単独で、もしくは2種類以上のものを混合して用いることができる。
本発明に用いる植物の地上部は、具体的には上記のうち、サツマイモ、ヨモギもしくはゴボウの「葉、葉柄及び茎からなる群から選ばれた1種類以上」を用いることが好ましい。なお、葉、葉柄及び茎ではないが、生コーヒーの豆を用いることも好ましい。
これらのうち、さらに好ましくは、サツマイモの葉、葉柄及び茎からなる群から選ばれた1種類以上を用いることが望ましい。
これらのうち、さらに好ましくは、サツマイモの葉、葉柄及び茎からなる群から選ばれた1種類以上を用いることが望ましい。
本発明に用いるサツマイモ(和名:甘藷)(Ipomoea batatas)の品種としては、コガネセンガン、アヤムラサキ、べにまさり、シモン1号、鳴門金時、土佐紅、紅コトブキ、金時、護国、ベニアズマ、ベニコマチ、ベニハヤト、サツマヒカリ、タマユタカなど、通常栽培されている品種であれば特に制限はない。勿論、葉を利用する品種である、すいおうや、葉柄を利用する品種である、エレガントサマーなどを用いることもできる。これらの品種は、単独もしくは2種類以上のものを混合して用いることができる。
また、焼酎用やデンプン用の原料甘藷の地上部は、地下部収穫時に、破棄されているのが現状であり、本発明に用いる原材料として望ましい。
なお、上記の品種のうち、具体的にはコガネセンガンを用いることができる。
また、焼酎用やデンプン用の原料甘藷の地上部は、地下部収穫時に、破棄されているのが現状であり、本発明に用いる原材料として望ましい。
なお、上記の品種のうち、具体的にはコガネセンガンを用いることができる。
本発明に用いる、上記の植物の地上部は、収穫したての新鮮なもの、凍結したもの、蒸煮したもの、凍結乾燥したもの、天日乾燥したもの、温風或いは遠赤外線により乾燥したもの等を用いることが出来るが、特に乾燥粉末として用いると、抽出操作が容易で、効率よく抽出できるため好ましい。
次に、本発明によるジカフェオイルキナ酸の製造方法について説明する。
本発明によるジカフェオイルキナ酸の製造方法は、植物の地上部、特にサツマイモの葉、葉柄及び茎よりなる群から選ばれた1種類以上から、高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ、効率よく大量に製造する方法であり、次のようにして行う。
本発明によるジカフェオイルキナ酸の製造方法は、植物の地上部、特にサツマイモの葉、葉柄及び茎よりなる群から選ばれた1種類以上から、高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ、効率よく大量に製造する方法であり、次のようにして行う。
まず、本発明の原材料として用いる上記植物の地上部を、エタノール又は含水エタノールに浸漬することにより、ポリフェノール類の粗抽出を行う。
なお、上記のように、収率向上の観点から、本発明の原材料として用いる植物の地上部は乾燥粉末として用いることが好ましい。
乾燥粉末化の具体的な手順としては、例えば、食品乾燥機を用いて通風乾燥させ、粉砕機を用いて粉末化し、乾燥粉末を得ることができる。
なお、上記のように、収率向上の観点から、本発明の原材料として用いる植物の地上部は乾燥粉末として用いることが好ましい。
乾燥粉末化の具体的な手順としては、例えば、食品乾燥機を用いて通風乾燥させ、粉砕機を用いて粉末化し、乾燥粉末を得ることができる。
エタノール又は含水エタノールの使用量は、通常、原材料1質量部に対し、エタノール又は含水エタノール5〜100質量部、好ましくは10〜60質量部、さらに好ましくは15〜30質量部程度である。
本発明における粗抽出工程で用いるエタノールの含水率は特に制限されない。しかしながら、収率向上の観点から、好ましくは、含水率の少ない40〜100%エタノール、最も好ましくは、全く含水しない100%エタノールを用いることが望ましい。
エタノール又は含水エタノールによる粗抽出を行う温度は、10〜100℃、好ましくは20〜80℃で行うことができる。具体的には、室温である20〜30℃で行うことができる。
また、エタノール又は含水エタノールによる粗抽出を行う時間は、通常、1〜24時間であり、好ましくは8〜12時間である。抽出時間が1時間未満であると、抽出効率が低下するため好ましくない。
エタノール又は含水エタノールによる粗抽出を行う温度は、10〜100℃、好ましくは20〜80℃で行うことができる。具体的には、室温である20〜30℃で行うことができる。
また、エタノール又は含水エタノールによる粗抽出を行う時間は、通常、1〜24時間であり、好ましくは8〜12時間である。抽出時間が1時間未満であると、抽出効率が低下するため好ましくない。
得られた粗抽出液は、ろ紙、布、ガーゼなどでろ過することで残渣を分離し、ろ液を回収することが好ましい。当該工程におけるろ過は、具体的には、市販品のろ紙を用いればよく、具体的には例えば、ADVANTEC社製、ワットマン社製などのろ紙を用いることができる。
また、残渣にエタノール又は含水エタノールを加えて、上記の粗抽出条件と同じ条件で再粗抽出することもできる。得られた再粗抽出液は、上記と同様にろ過することで、再粗抽出液のろ液を回収する。
得られた再粗抽出液のろ液は、上記1回目のろ液と混合し、次の濃縮工程に用いることができる。
また、残渣にエタノール又は含水エタノールを加えて、上記の粗抽出条件と同じ条件で再粗抽出することもできる。得られた再粗抽出液は、上記と同様にろ過することで、再粗抽出液のろ液を回収する。
得られた再粗抽出液のろ液は、上記1回目のろ液と混合し、次の濃縮工程に用いることができる。
次いで、上記工程で得られた粗抽出液に含まれるエタノール及び水を気化し、濃縮する。
本発明における濃縮工程では、粗抽出液がほぼエタノール臭がしなくなるまで、好ましくは、乾固するまで行い、粗抽出液に含まれるエタノールを完全に気化させる。
本発明における粗抽出液の濃縮は、エバポレーター、凍結乾燥機、減圧乾燥機、恒温機などを用いることによって行うことができる。具体的には、エバポレーター(SE−100E(SHIMADZU製))を用いることができる。
なお、当該濃縮工程において、濃縮後の粗抽出液の体積が大きい場合、エタノールが残存する恐れがあり、当該工程の下流で行う吸着カラムでの精製における、カラムへの吸着効率を減少させてしまう。
本発明における濃縮工程では、粗抽出液がほぼエタノール臭がしなくなるまで、好ましくは、乾固するまで行い、粗抽出液に含まれるエタノールを完全に気化させる。
本発明における粗抽出液の濃縮は、エバポレーター、凍結乾燥機、減圧乾燥機、恒温機などを用いることによって行うことができる。具体的には、エバポレーター(SE−100E(SHIMADZU製))を用いることができる。
なお、当該濃縮工程において、濃縮後の粗抽出液の体積が大きい場合、エタノールが残存する恐れがあり、当該工程の下流で行う吸着カラムでの精製における、カラムへの吸着効率を減少させてしまう。
得られた濃縮液もしくは濃縮物は、水に溶解する。ここで用いる水としては、蒸留水、水道水、脱イオン水、超純水など、如何なる水を用いることもできるが、例えば、蒸留水を用いることができる。なお、アルコール分を含む水は好ましくない。
当該工程では、原材料(植物の陸上部)1質量部に対し、3〜10質量部、好ましくは5質量部程度の水を加え、上記工程で得られた濃縮液もしくは濃縮物を溶解する。
当該工程では、原材料(植物の陸上部)1質量部に対し、3〜10質量部、好ましくは5質量部程度の水を加え、上記工程で得られた濃縮液もしくは濃縮物を溶解する。
次に、この水溶液に、無極性有機溶媒を加えて分配し、無極性有機溶媒可溶成分を除去する。本発明で用いる無極性有機溶媒としては、ヘキサン、トルエン、ベンゼン等が挙げられるが、特にヘキサンが好ましい。
なお、本発明における無極性有機溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、前記工程で加えた水に対して、1〜2倍量程度、好ましくは前記工程で加えた水と等量程度を加えることが望ましい。
無極性有機溶媒を添加後の分配操作は、通常の方法で行えばよいが、無極性有機溶媒可溶成分の除去効率の観点から、混和や激しく攪拌するなどの操作を、ローテーター、シェーカー、ボルテックスなどで行ってもよい。
両液層を十分に混和した後は、遠心分離することで、水層画分と無極性有機溶媒画分を分配することができる。また、数時間から数日放置することによって、両液層の比重の違いで自然に分配させることもできる。
なお、本発明における無極性有機溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、前記工程で加えた水に対して、1〜2倍量程度、好ましくは前記工程で加えた水と等量程度を加えることが望ましい。
無極性有機溶媒を添加後の分配操作は、通常の方法で行えばよいが、無極性有機溶媒可溶成分の除去効率の観点から、混和や激しく攪拌するなどの操作を、ローテーター、シェーカー、ボルテックスなどで行ってもよい。
両液層を十分に混和した後は、遠心分離することで、水層画分と無極性有機溶媒画分を分配することができる。また、数時間から数日放置することによって、両液層の比重の違いで自然に分配させることもできる。
前記工程で分配して得た水層画分は、吸着カラムを使用し精製する。
まず、ヘキサンから分配して得た水層画分を、吸着樹脂である合成吸着剤が充填された吸着カラムにアプライし、吸着させる。
まず、ヘキサンから分配して得た水層画分を、吸着樹脂である合成吸着剤が充填された吸着カラムにアプライし、吸着させる。
ここで、本発明に用いることができる合成吸着剤としては、例えばMCI gel CHP20P(三菱化学(株)製)、ダイアイオンHP20(三菱化学(株)製)、ダイアイオンHP21(三菱化学(株)製)、セパビースSP825(三菱化学(株)製)、セパビースSP850(三菱化学(株)製)、セパビースSP207(三菱化学(株)製)、アンバーライトXAD4(オルガノ製)、アンバーライトXAD16HP(オルガノ製)、アンバーライトXAD2000(オルガノ製)、クロマトレックスODS(フジシリシア製)等が挙げられ、特にMCI gel CHP20Pが好ましい。
次に、用いた吸着樹脂容量の1.5〜5倍容量、好ましくは3倍容量程度の水で、吸着カラムを洗浄することにより、吸着樹脂に吸着しなかった非吸着夾雑物を除去する。ここで用いる水は、蒸留水、水道水、脱イオン水、超純水など、如何なる水を用いることもできるが、蒸留水を用いることが好ましい。
次に、用いた吸着樹脂容量の1.5〜5倍容量、好ましくは2倍容量程度の10〜30%エタノール、好ましくは10〜25%エタノール、さらに好ましくは20%エタノールで溶出することにより、クロロゲン酸を主成分とする爽雑物を除去する。
最後に、用いた吸着樹脂容量の1.5〜5倍容量、好ましくは2倍容量程度の35〜50%エタノール、好ましくは40〜50%エタノール、さらに好ましくは40%エタノールで溶出し、ジカフェオイルキナ酸の溶出画分を得ることができる。
次に、用いた吸着樹脂容量の1.5〜5倍容量、好ましくは2倍容量程度の10〜30%エタノール、好ましくは10〜25%エタノール、さらに好ましくは20%エタノールで溶出することにより、クロロゲン酸を主成分とする爽雑物を除去する。
最後に、用いた吸着樹脂容量の1.5〜5倍容量、好ましくは2倍容量程度の35〜50%エタノール、好ましくは40〜50%エタノール、さらに好ましくは40%エタノールで溶出し、ジカフェオイルキナ酸の溶出画分を得ることができる。
上記工程を経て回収したジカフェオイルキナ酸の溶出画分は、そのまま、即ち「35〜50%エタノールに溶解した液体」のまま、機能性食品、医薬品、化粧品、試薬などの原料に用いることもできるが、「乾燥物」もしくは「乾燥粉末」にしたものを用いることもできる。
ここで、ジカフェオイルキナ酸の溶出画分乾燥物化もしくは乾燥粉末化は、エバポレーター、凍結乾燥機、減圧乾燥機、恒温機などを用いることができるが、具体的には、エバポレーター(SE−100E(SHIMADZU製))を用いてエタノール及び水を完全に気化させることで行うことができる。
ここで、ジカフェオイルキナ酸の溶出画分乾燥物化もしくは乾燥粉末化は、エバポレーター、凍結乾燥機、減圧乾燥機、恒温機などを用いることができるが、具体的には、エバポレーター(SE−100E(SHIMADZU製))を用いてエタノール及び水を完全に気化させることで行うことができる。
上記工程を経て回収したジカフェオイルキナ酸の溶出画分に含まれる夾雑物は、成分分析のために行った高速液体クロマトグラフィ(HPLC)の検出限界以下であり、その夾雑物の含有率は15%以下である。
即ち、本発明からは、極めて純度の高いジカフェオイルキナ酸が製造できるといえる。
即ち、本発明からは、極めて純度の高いジカフェオイルキナ酸が製造できるといえる。
なお、本発明から得られるジカフェオイルキナ酸は、3種類の異性体、即ち、4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸(上記の化学式1参照)、3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸(上記の化学式2参照)及び3,4−ジ−o−カフェオイルキナ酸(上記の化学式3参照)の混合物である。また、特に、4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸及び3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸を高い割合で含有する。
また、上記工程を経て回収したジカフェオイルキナ酸の回収量は、具体的には、原材料にサツマイモの葉を100g用いた場合、ジカフェオイルキナ酸2〜4gが製造できる。
即ち、本発明からは、従来の技術に比べて、「顕著に高い回収率」でジカフェオイルキナ酸の回収することができる。
即ち、本発明からは、従来の技術に比べて、「顕著に高い回収率」でジカフェオイルキナ酸の回収することができる。
なお、本発明の製造方法における精製工程としては、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を行わずに、上記のように高純度のジカフェオイルキナ酸を回収できるカラムクロマトグラフィの溶出条件を見出すことで、用いた原材料あたりの高い回収率での製造を可能としている。さらに、カラムクロマトグラフィは、HPLCに比べてスケールアップが安価で、容易な方法である。
従って如上の如く、本発明により、高純度のジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、かつ、大量に製造することが可能となる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
サツマイモ葉から、次のようにしてジカフェオイルキナ酸を製造した。
まず、サツマイモ葉(品種名:コガネセンガン)を、食品乾燥機を用いて通風乾燥させ、粉砕機を用いて粉末化することによりサツマイモ葉の乾燥粉末を得た。
このサツマイモ葉の乾燥粉末50gに、1000mLの100%エタノールを加えて室温で一晩放置し、抽出した。これをろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した後、残渣に1000mLの100%エタノールを加え、再び一晩室温で抽出後、ろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した。
得られたろ液を合わせてエバポレーター(SE−100E(SHIMADZU製))で濃縮し乾固させ、250mLの蒸留水に溶解後、250mLのヘキサンで分配し、水層画分を得た。
サツマイモ葉から、次のようにしてジカフェオイルキナ酸を製造した。
まず、サツマイモ葉(品種名:コガネセンガン)を、食品乾燥機を用いて通風乾燥させ、粉砕機を用いて粉末化することによりサツマイモ葉の乾燥粉末を得た。
このサツマイモ葉の乾燥粉末50gに、1000mLの100%エタノールを加えて室温で一晩放置し、抽出した。これをろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した後、残渣に1000mLの100%エタノールを加え、再び一晩室温で抽出後、ろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した。
得られたろ液を合わせてエバポレーター(SE−100E(SHIMADZU製))で濃縮し乾固させ、250mLの蒸留水に溶解後、250mLのヘキサンで分配し、水層画分を得た。
次いで、この水層画分を、吸着樹脂であるMCI gel CHP20P(三菱化学(株)製)を用いたカラムクロマトグラフィにより分画し精製した。
まず、上記へキサン分配後の水層画分をMCI gel CHP20Pに吸着させた後、吸着樹脂容量の3倍の蒸留水で洗浄することにより、非吸着爽雑物を除去した。
次に、吸着樹脂容量の2倍容量の20%エタノールで溶出することにより、クロロゲン酸を主成分とする爽雑物を除去した後、吸着樹脂容量の2倍容量の40%エタノールで溶出し、ジカフェオイルキナ酸の溶出画分液を得た。得られた溶出画分液はエバポレーター(SE−100E(SHIMADZU製))で濃縮し乾固させた。
このような実施例1の製造工程の概略を図1に示す。
なお、上記工程により得られた、MCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィの40%エタノール溶出画分を本発明実施品1とした。さらに、上記工程において、エタノール粗抽出後のろ過液を比較製造品1とし、ヘキサン分配後の水層画分を比較製造品2とし、MCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィの水洗浄画分を比較製造品3とし、MCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィの20%エタノール溶出画分を比較製造品4とした。
まず、上記へキサン分配後の水層画分をMCI gel CHP20Pに吸着させた後、吸着樹脂容量の3倍の蒸留水で洗浄することにより、非吸着爽雑物を除去した。
次に、吸着樹脂容量の2倍容量の20%エタノールで溶出することにより、クロロゲン酸を主成分とする爽雑物を除去した後、吸着樹脂容量の2倍容量の40%エタノールで溶出し、ジカフェオイルキナ酸の溶出画分液を得た。得られた溶出画分液はエバポレーター(SE−100E(SHIMADZU製))で濃縮し乾固させた。
このような実施例1の製造工程の概略を図1に示す。
なお、上記工程により得られた、MCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィの40%エタノール溶出画分を本発明実施品1とした。さらに、上記工程において、エタノール粗抽出後のろ過液を比較製造品1とし、ヘキサン分配後の水層画分を比較製造品2とし、MCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィの水洗浄画分を比較製造品3とし、MCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィの20%エタノール溶出画分を比較製造品4とした。
また、本発明実施品1及び比較製造品1〜4を高速液体クロマトグラフィで確認した。高速液体クロマトグラフィは、SHIMADZU製を用い、ODSカラムを用いた2液(蟻酸・メチルアルコール)グラジェントシステムを用いた。本発明実施品1及び比較製造品1〜4の各含有成分を分離し、定量した。得られたクロマトグラムを図2〜6に示す。なお、図2〜6中の符号A〜Fは、以下の物質のピークを示す。
A:カフェ酸、
B:クロロゲン酸、
C:4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸、
D:3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸、
E:3,4−ジ−o−カフェオイルキナ酸、
F:3,4,5−トリ−o−カフェオイルキナ酸
A:カフェ酸、
B:クロロゲン酸、
C:4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸、
D:3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸、
E:3,4−ジ−o−カフェオイルキナ酸、
F:3,4,5−トリ−o−カフェオイルキナ酸
図2〜6が示すように、MCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィの40%エタノール溶出画分(本発明実施品1)、MCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィの水洗浄画分(比較製造品3)及びMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィの20%エタノール溶出画分(比較製造品4)のクロマトグラフの波形パターンの比較から、上記40%エタノールでの溶出画分(本発明実施品1)には、カフェオイルキナ酸を示すピークのみが検出され、その他の夾雑物を示すピークは検出されないことが示された。
具体的には、上記40%エタノール溶出画分(本発明実施品1)と上記水洗浄画分(比較製造品3)の示すクロマトグラフとの比較から、非吸着性の様々な夾雑物が除去できていることが示された。また、上記40%エタノール溶出画分(本発明実施品1)と上記20%エタノール溶出画分(比較製造品4)とのクロマトグラフとの比較から、主にカフェ酸およびクロロゲン酸が除去できていることが示された。
具体的には、上記40%エタノール溶出画分(本発明実施品1)と上記水洗浄画分(比較製造品3)の示すクロマトグラフとの比較から、非吸着性の様々な夾雑物が除去できていることが示された。また、上記40%エタノール溶出画分(本発明実施品1)と上記20%エタノール溶出画分(比較製造品4)とのクロマトグラフとの比較から、主にカフェ酸およびクロロゲン酸が除去できていることが示された。
以上の結果から、本発明の方法によりサツマイモ葉から製造されたジカフェオイルキナ酸(本発明実施品1)に含まれる夾雑物の含量は、本実施例における高速液体クロマトグラフィ(HPLC)の検出限界以下であることが示された。また、その夾雑物の含有率は15%以下であった。
また、本発明の方法によりサツマイモ葉から製造されたジカフェオイルキナ酸は、本発明実施品1では、4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸、3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸及び3,4−ジ−o−カフェオイルキナ酸の混合物であることが示され、特に、4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸及び3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸を高い割合で含有することが示された。
なお、本発明における中間生成物である、エタノール抽出後の粗抽出液(比較製造品1)には、カフェ酸、クロロゲン酸、3,4,5−トリ−o−カフェオイルキナ酸などの夾雑物を含有するものの、高濃度のジカフェオイルキナ酸を含有していることが示された。なお、特に、4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸及び3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸の含有率が高いことが示された。また、上記工程において、ヘキサン分配後の水層画分(比較製造品2)には、夾雑物の含有率が減少できることが示された。
次いで、上記工程から得られたMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィの40%エタノール溶出画分(本発明実施品1)に含まれるジカフェオイルキナ酸の定量を行った。
まず、当該40%エタノール溶出画分(本発明実施品1)を、エバポレーター(SE−100E(SHIMADZU製))を用いてエタノール及び水を完全に気化させ、乾燥粉末とした。ここで、当該40%エタノール溶出画分乾燥粉末を(本発明実施品2)とした。
まず、当該40%エタノール溶出画分(本発明実施品1)を、エバポレーター(SE−100E(SHIMADZU製))を用いてエタノール及び水を完全に気化させ、乾燥粉末とした。ここで、当該40%エタノール溶出画分乾燥粉末を(本発明実施品2)とした。
なお、上記したように、当該40%エタノール溶出画分(本発明実施品1)には、夾雑物を含有しないことから、この乾燥粉末(本発明実施品2)の質量を、サツマイモ葉から回収できたジカフェオイルキナ酸の質量として測定した。
その結果、上記製造工程から得られるジカフェオイルキナ酸の回収量は、サツマイモ葉の乾燥粉末50gから1.2gであった。
その結果、上記製造工程から得られるジカフェオイルキナ酸の回収量は、サツマイモ葉の乾燥粉末50gから1.2gであった。
本発明によれば、高純度なジカフェオイルキナ酸を、簡便な方法で、大量、かつ、安価に提供することが可能である。
ポリフェノールであるジカフェオイルキナ酸は、抗糖尿病作用、抗腫瘍作用などを有し、今後、各種の薬理効果などが明らかにされることが予想される。本発明は、今後、ジカフェオイルキナ酸に関する試験研究に寄与するだけではなく、ジカフェオイルキナ酸を含有する試薬や医薬品、機能性食品素材、化粧品、医薬品、飲料水などの開発への利用が期待できる。
更に、本発明は、焼酎用やデンプン用の原料カンショの地下部収穫時に破棄されている地上部の有効利用にも繋がる。
ポリフェノールであるジカフェオイルキナ酸は、抗糖尿病作用、抗腫瘍作用などを有し、今後、各種の薬理効果などが明らかにされることが予想される。本発明は、今後、ジカフェオイルキナ酸に関する試験研究に寄与するだけではなく、ジカフェオイルキナ酸を含有する試薬や医薬品、機能性食品素材、化粧品、医薬品、飲料水などの開発への利用が期待できる。
更に、本発明は、焼酎用やデンプン用の原料カンショの地下部収穫時に破棄されている地上部の有効利用にも繋がる。
A: カフェ酸
B: クロロゲン酸
C: 4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸
D: 3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸
E: 3,4−ジ−o−カフェオイルキナ酸
F: 3,4,5−トリ−o−カフェオイルキナ酸
B: クロロゲン酸
C: 4,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸
D: 3,5−ジ−o−カフェオイルキナ酸
E: 3,4−ジ−o−カフェオイルキナ酸
F: 3,4,5−トリ−o−カフェオイルキナ酸
Claims (3)
- サツマイモ,ヨモギ,ゴボウ及びコーヒーよりなる群から選ばれた1種類以上の植物の地上部を、エタノール又は含水エタノールを用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られた濃縮液又は濃縮物を水に溶解し、無極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分を吸着カラムに吸着させ、水、次いで10〜30%エタノールにより吸着カラムを洗浄した後、35〜50%エタノールを用いて溶出し回収する、ジカフェオイルキナ酸の製造方法。
- 植物の地上部が、サツマイモの葉、葉柄及び茎よりなる群から選ばれた1種類以上である請求項1記載の製造方法。
- 前記吸着カラムからジカフェオイルキナ酸溶出画分を回収した後、ジカフェオイルキナ酸溶出画分を乾燥させて、ジカフェオイルキナ酸乾燥物もしくは乾燥粉末にする工程を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
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CN103393882A (zh) * | 2013-07-30 | 2013-11-20 | 中国农业科学院农产品加工研究所 | 一种甘薯茎叶多酚及其制备方法 |
JP2014114283A (ja) * | 2012-11-19 | 2014-06-26 | Fujifilm Corp | ポリフェノールの製造方法 |
JP2015017040A (ja) * | 2013-07-08 | 2015-01-29 | 晨星興産株式会社 | サツマイモ茎葉を用いたポリフェノール抽出濃縮液の製造方法 |
EP2968431A4 (en) * | 2013-03-15 | 2016-11-02 | Univ Georgia State Res Found | COMPOSITIONS OF SWEET POTATO CRYSTALS AND METHOD OF MANUFACTURE AND USE THEREOF |
-
2007
- 2007-04-10 JP JP2007102909A patent/JP2008260697A/ja not_active Withdrawn
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CN103393882A (zh) * | 2013-07-30 | 2013-11-20 | 中国农业科学院农产品加工研究所 | 一种甘薯茎叶多酚及其制备方法 |
CN103393882B (zh) * | 2013-07-30 | 2016-04-13 | 中国农业科学院农产品加工研究所 | 一种甘薯茎叶多酚及其制备方法 |
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