JP2011105611A - ノイラミニダーゼ阻害成分 - Google Patents

ノイラミニダーゼ阻害成分 Download PDF

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Abstract

【課題】 サツマイモ茎葉に由来する成分から優れた生理活性作用を見出すことによって、サツマイモ茎葉の新規の需要を創出し、有効利用する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 サツマイモ茎葉ポリフェノール抽出物(特にカフェ酸誘導体)を有効成分として含有してなる、ノイラミニダーゼ阻害作用(具体的にはA型およびB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ阻害作用)を有する薬剤を提供する。また、カフェ酸誘導体(具体的には、カフェ酸、クロロゲン酸、3,4-ジ-O-カフェオイルキナ酸、3,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸、4,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸、および3,4,5-トリ-O-カフェオイルキナ酸)、のいずれか1以上、を有効成分として含有してなることを特徴とする、ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤、を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サツマイモ茎葉ポリフェノール抽出物(特にカフェ酸誘導体)を有効成分として含有してなる、ノイラミニダーゼ阻害作用(具体的にはA型およびB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ阻害作用)を有する薬剤に関する。
サツマイモは、ヒルガオ科に属する多年性草本で、その塊根は特に澱粉やビタミン類を豊富に含む栄養価が高い重要な作物である。また、サツマイモは、食用以外にも澱粉や焼酎原料として栽培され、その塊根は幅広く利用されている。
しかし、‘茎葉’については、戦後の食糧難の時代の食糧や、家畜飼料として利用されていたものの、現在では一部の地域を除いてほとんど利用されておらず、大部分が廃棄あるいは畑に鋤き込まれたりして、未利用の状態にある。
サツマイモの茎葉には、ビタミン類、ミネラル、タンパク質および食物繊維、さらにはポリフェノールやカロテノイド類のような機能性成分も豊富に含まれている(非特許文献1参照)。また、茎葉に豊富に含まれるポリフェノール類は、例えば、ラジカル消去活性(特許文献1)、抗糖尿病(特許文献2)、抗高血圧効果(特許文献3)、などが報告されている。
そこで、サツマイモ茎葉を、緑黄色野菜として利用できる品種(すいおう、エレガントサマー等)が開発されている。
しかしながら、茎葉利用品種以外の大部分の品種の茎葉については、ほとんどが実用的に有効利用されていないのが現状である。そのため、サツマイモ茎葉の機能性効果を生かした利用方法を開発し、新規の需要創出をはかることが期待されている。
特開2005−278596号公報 特開2007−119346号公報 特開2005−330240号公報
Acta Hort. 703, 107-115 and 253-256, 2006.
本発明は、上記課題を解決し、サツマイモ茎葉に由来する成分から優れた生理活性作用を見出すことによって、サツマイモ茎葉の新規の需要を創出し、有効利用する技術を提供することを目的とする。
これによって、本発明は、優れた生理活性作用を有する薬剤を容易に製造し、安価に提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、サツマイモ茎葉ポリフェノール抽出物に、A型およびB型インフルエンザウイルスの増殖に必須なノイラミニダーゼを、顕著に阻害する作用があることを見出した。
そして、本発明者らは、その有効成分がカフェ酸誘導体であることを見出し、さらにカフェオイル基の数が多い程、ノイラミニダーゼの阻害作用が強いことを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、請求項1に係る本発明は、サツマイモ茎葉からの熱水抽出物、アルコール濃度10%以上の含水アルコール抽出物、もしくはアルコール抽出物を、有効成分として含有してなることを特徴とする、ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤に関するものである。
請求項2に係る本発明は、請求項1の記載のサツマイモ茎葉からの前記抽出物を、合成吸着樹脂カラム又はODSカラムにアプライし、アルコール濃度20%以上の含水アルコール又はアルコールで溶出し、当該得られた溶出物を有効成分として含有してなることを特徴とする、ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤に関するものである。
請求項3に係る本発明は、前記アルコールが、エタノールもしくはメタノールである、請求項1又は2に記載の薬剤に関するものである。
請求項4に係る本発明は、前記溶出が、アルコール濃度40%以上の含水アルコール又はアルコールで行うものである、請求項2又は3に記載の薬剤に関するものである。
請求項5に係る本発明は、前記有効成分が、カフェ酸誘導体である、請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤に関するものである。
請求項6に係る本発明は、カフェ酸誘導体である、カフェ酸、キナ酸の環状骨格炭素にカフェオイル基を1〜4個有する化合物、前記カフェオイル基を有する化合物のメチルエステル化物、並びに、前記カフェオイル基を有する化合物が2個もしくは3個結合した重合体、から選ばれる1以上、を有効成分として含有してなることを特徴とする、ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤に関するものである。
請求項7に係る本発明は、前記カフェ酸誘導体が、前記カフェ酸誘導体が、キナ酸の環状骨格炭素にカフェオイル基を2〜4個有する化合物、から選ばれる1以上のものである、請求項6に記載ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤に関するものである。
請求項8に係る本発明は、カフェ酸誘導体である、カフェ酸、クロロゲン酸、3,4-ジ-O-カフェオイルキナ酸、3,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸、4,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸、および3,4,5-トリ-O-カフェオイルキナ酸、のいずれか1以上、を有効成分として含有してなることを特徴とする、ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤に関するものである。
請求項9に係る本発明は、前記薬剤が、A型およびB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ阻害作用を有するものである、請求項1〜8のいずれかに記載の薬剤に関するものである。
本発明は、サツマイモ茎葉から、A型およびB型インフルエンザウイルスの増殖に必須なノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤、を製造することを可能とする。
また、本発明は、原料がサツマイモ茎葉であるため、安価に大量入手が可能であり、さらに摂取上の安全性に優れた薬剤を提供することが可能とする。
また、本発明は、サツマイモ茎葉以外の原料からのカフェ酸誘導体も、前記有効成分として利用することを可能とする。
また、本発明は、インフルエンザの有効な治療薬となるリード化合物を提供することを可能とする。
これにより、本発明は、A型およびB型インフルエンザの治療作用を有する薬剤を容易に製造し、安価に提供できることが期待される。
従って、本発明は、外国企業から入手しなければならないタミフルやリレンザに代わって、安価で大量に製造できるインフルエンザの治療薬として利用できることが期待される。また、新型インフルエンザの流行に対する備蓄薬として利用できることが期待される。
さらに、本発明は、家禽や家畜用飼料に混合して使用することによって、鳥や豚インフルエンザの予防作用を有する飼料を提供することを可能とする。これによって、本発明は、新型インフルエンザの発生と流行を予防できることが期待される。
以上により、本発明は、サツマイモ茎葉の新規の需要を創出し、有効利用する技術を提供することを可能とする。
サツマイモ茎葉に含有される主なカフェ酸誘導体の種類と構造を示す図である。
本発明は、サツマイモ茎葉ポリフェノール抽出物(特にカフェ酸誘導体)を有効成分として含有してなる、ノイラミニダーゼ阻害作用(具体的にはA型およびB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ阻害作用)を有する薬剤に関する。
<サツマイモ茎葉>
本発明の原料としては、「サツマイモ植物体の茎葉」を用いるものである。
ここで茎葉部としては、葉、葉身、葉柄、つる、茎、茎頂などを指すものである。特に、カフェ酸誘導体の含量の点で、葉身が好ましい。
なお、塊根(イモ)は、カフェ酸誘導体含量は、葉身部の1/10以下であり、さらにトリカフェオイルキナ酸を含まないため、本発明の原料としては好ましくない。
本発明におけるサツマイモの種類としては、サツマイモ(薩摩芋、甘藷:Ipomoea batas)に属する品種、亜種、系統のものであれば如何なるものも用いることができる。
例えば、シロユタカ、ダイチノユメ、コナホマレ、シロサツマ、コガネセンガン、クイックスイート、ベニアズマ、ベニコマチ、べにはるか、べにまさり、高系14号、パープルスイートロード、アヤムラサキ、ムラサキマサリ、アケムラサキ、アヤコマチ、ジェイレッド、すいおう、エレガントサマー、ベニハヤト、金時、サツマヒカリ、タマユタカ、護国、シモン1号、九系17-3046、S912-98、九州1号、九系7114-39などを挙げることができる。
これらのうち、総ポリフェノールを高含有量する種類(アントシアニン高含有量種を含む)であれば好適に用いることができ、例えば、九系17-3046、S912-98、九州1号、九系7114-39などを挙げることができる。さらに特には、カフェ酸誘導体を高含有する種類が好適である。
また、総ポリフェノール(特にカフェ酸誘導体)の含有量が高くなる栽培条件、例えば高日照条件下での栽培のものが好適である。
なお、総ポリフェノール含量が極端に低い種類のものは、本発明の原料としてはあまり適さないが、通常の青果用、食品加工用、澱粉製造用、焼酎製造用、などの通常品種(例えば、ベニアズマ、高系14号、コガネセンガン、シロユタカ、ダイチノユメ、べにまさり、べにはるか、ベニコマチなど)は、イモを収穫した後の茎葉を回収して、十分に用いることができる。また、茎葉利用品種(例えば、すいおう、エレガントサマー、ツルセンガンなど)も十分に用いることができる。
<ポリフェノール成分抽出>
本発明では、前記原料であるサツマイモ茎葉からポリフェノール成分を抽出する。
原料であるサツマイモ茎葉は、生のまま用いることもできるが、乾燥、冷蔵、冷凍状態で保存したものを用いることもできる。
また、当該原料は、そのままの形状のまま用いることもできるが、例えば、切断、細断、細砕、磨砕、擂潰、粉末化、などを行うことが、抽出効率の点で望ましい。
具体的には、茎葉を生のまま用いる場合は、切断、細断、磨砕、擂潰などの処理をしてから、;乾燥や凍結状態で用いる場合は、粉末化してから用いることが望ましい。
抽出工程に用いる抽出溶媒としては、熱水、含水アルコール(アルコール濃度10%以上)、アルコールを、挙げることができる。
本発明では、これらのうち、抽出効率や純度の点から、含水アルコールを用いることが好適であるが、アルコール濃度の上限としては、95%以下、特に90%以下、さらには85%以下、特にさらには80%以下の含水アルコールを用いることが特に好適である。
なお、アルコール濃度の下限としては、10%以上であれば多くのポリフェノール成分の抽出が可能であるが、ジカフェオイル基の多いカフェ酸の抽出効率を踏まえると、40%以上、特に60%以上、のものを用いることが望ましい。
本発明に用いることができるアルコールとしては、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノールなどのモノアルコール類、を挙げることができる。
本発明に用いるアルコールとしては、上記のうち、特に極性の高い炭素数の少ない低級アルコール類である、メタノールやエタノールを用いることが望ましい。
抽出溶媒は、前記原料に対して、10〜50倍量程度となるように加えて行うことができるが、抽出効率を踏まえると、好ましくは20〜40倍量程度を加えて行うことが望ましい。
抽出条件としては、抽出溶媒として‘熱水’を用いた場合、60℃以上(好ましくは沸騰状態)で、数分〜数時間程度(例えば10分〜1時間)の加熱を行うことで抽出を行うことができる。
また、抽出溶媒として‘含水アルコール’や‘アルコール’を用いた場合も、上記加熱条件と同じ条件で抽出を行うことができるが、室温程度(例えば10〜40℃)で、数時間〜数日程度(例えば1時間〜3日)浸漬することでも、行うことができる。
また、当該抽出処理では、混合、攪拌、振盪、加圧など(特に、攪拌や振盪)を行うことによって、抽出効率を向上させることができる。
上記より得られた抽出液は、総ポリフェノール(特にカフェ酸誘導体)の含有量の高いものであることが望ましいため、当該含有量を高める処理を行うことが望ましい。
例えば、遠心分離(例えばフィルター付きの遠心脱水機、高速遠心分離機)、濾過(吸引濾過、濾紙による濾過)、などを行って、固形分である残渣を除去することが好ましい。
また、残った残渣は、上記抽出条件と同様の条件で再抽出を行うことで、再度抽出液を得ることができる。なお、この再抽出処理は、複数回(例えば1〜3回)繰り返して行うことができる。
得られたこれらの再抽出液は、上記1回目の抽出液と混合して用いることができる。また、それぞれの抽出液を混合せずに、そのまま用いることもできる。
また、上記より得られた抽出液は、無極性有機溶媒を用いた分液処理を行い、無極性有機溶媒可溶性の不純物の除去を行うことが望ましい。
なお、当該分液処理は、エバポレーターで濃縮させてアルコール分を蒸発させ、水に溶解させてから行うことが望ましい(前記抽出溶媒として熱水を用いた場合は不要)。
具体的には、当該抽出物を溶解した水(もしくは抽出液)に、0.5〜2倍量程度、好ましくは1倍量程度の無極性有機溶媒を加えて、混合、混和、攪拌などの操作を(分液漏斗、ローテーター、ボルテックス等で)行い、分液することで水層画分を回収することができる。
ここで、無極性有機溶媒としては、ヘキサン、トルエン、ベンゼンなどを上げることができる。特に、ヘキサン(n−ヘキサン)が好ましい。
上記工程により得られた抽出物(各種抽出液、分液後の水層画分)は、そのままの液状の状態、もしくは、乾燥物として、本発明の「サツマイモ茎葉ポリフェノール抽出物」として用いることができるが、ポリフェノール(特にカフェ酸誘導体)の純度の点を鑑みて、次の工程であるカラム精製を行うことが望ましい。
<カラム精製>
本発明においては、上記工程により得られた抽出物を、ODSカラムや合成吸着樹脂カラムを用いて、精製することができる。
なお、前記工程において、抽出物から抽出残渣や抽出溶媒の除去を行わなかった場合、これらの除去を行い、当該抽出物を水に溶解させた状態でカラムにアプライすることが望ましい。特にアルコールが残存している場合、ポリフェノール成分のカラムへの吸着効率を低下させてしまうため望ましくない。
なお、本発明で用いる‘ODSカラム’としては、オクタデシルシリル基が修飾されている樹脂担体を充填したものであれば如何なるものでも用いることができる。
また、‘合成吸着樹脂カラム’としては、ダイアイオンHP20,ダイアイオンHP2MG,セパビーズSP700,セパビーズSP70,セパビーズSP207,MCI GELCHP20P(以上三菱化学製),アンバーライトFPX66,アンバーライトXAD2000(オルガノ製)などを用いることができる。
アプライ後、水(吸着樹脂1〜5倍量程度)でカラムを洗浄することで、吸着樹脂に吸着しなかった夾雑物や糖分を除去することができる。
次いで、アルコール濃度20%以上の含水アルコール(吸着樹脂1〜5倍量程度)で溶出することで、ポリフェノール成分を高含有する溶出液を回収することができる。
なお、アルコールとの親和性の低い成分と中程度の成分(例えば、カフェ酸、クロロゲン酸、ジカフェオイルキナ酸など)は、この画分に多く含まれて回収することができるが、当該アルコール濃度の範囲ではアルコールとの親和性の高い成分(トリカフェオイルキナ酸など)、が回収できない場合がある。
そこで、特に、アルコールとの親和性の高い成分を(特にトリカフェオイルキナ酸)を含むように回収したい場合、アルコール濃度が高い含水アルコールを用いて溶出を行うことが望ましい。
具体的には、‘ODSカラム’を用いた場合、40%以上、好ましくは50%以上の含水アルコールを用いることで、トリカフェオイルキナ酸を含む画分を回収することができる。アルコール濃度の上限は特になく、100%のものも用いることもできるが、夾雑物である脂質も溶出してしまうため、上限は80%以下のものが好ましい。
また、‘合成吸着樹脂カラム’を用いた場合、70%以上、好ましくは80%以上の含水アルコールを用いることで、トリカフェオイルキナ酸を含む画分を回収することができる。なお、アルコール濃度が100%のものを用いることができるが、夾雑物である脂質も溶出してしまうため、上限は90%以下のものが好ましい。
なお、本工程で溶出に用いるアルコールとしては、エタノールもしくはメタノールを用いることができる。
また、水洗浄後、アルコール濃度が低い順(例えば、20%、40%、60%、80%、100%など)に順次溶出させて分画することで、アルコール親和性の低い成分(例えば、カフェ酸、クロロゲン酸など)、親和性が中程度の成分(ジカフェオイルキナ酸など)、親和性が高い成分(トリカフェオイルキナ酸など)を、それぞれ多く含む画分を分けて回収することもできる。
このようにして得られた画分(カラム精製物)は、そのままの液状の状態で、もしくは、乾燥物として、本発明の「サツマイモ茎葉ポリフェノール抽出物」として用いることができる。また、さらには、各カフェ酸誘導体の化合物として単離することもできる。
具体的には、ODSカラム、セファデックスLH-20カラム、などにアプライし、メジャーピークの分取を繰り返すことで、各化合物を単離することができる。
<ノイラミニダーゼ阻害作用>
上記工程を経て得られた「サツマイモ茎葉ポリフェノール抽出物」は、A型およびB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを、顕著に阻害する作用を有するものである。
ここで‘ノイラミニダーゼ’とは、A型およびB型インフルエンザウイルスの増殖に必須な酵素である。
即ち、当該抽出物は、ノイラミニダーゼの活性を阻害することによって、A型およびB型インフルエンザウイルスの増殖を抑制する作用が期待されるものである。
ここで、A型インフルエンザウイルスとしては、A型インフルエンザウイルスの如何なるウイルス株であっても挙げることができる。具体的には、これまで見つかっている16種類のHA型と9種類のNA型の組合せた亜型(H1N1型〜H16N9型)に属する如何なるウイルス株をも挙げることができる。
例えば、ヒトのインフルエンザの主な原因ウイルスである、H1N1型(Aソ連型、豚インフルエンザ〔新型インフルエンザ〕)、H3N2型(A香港型)、H1N2型、H2N2型、などを挙げることができる。また、ヒト−ヒト感染は弱いものの高い病原性を有するものを含むH5N1型(鳥インフルエンザウイルス)、H9N1型、なども挙げることができる。
また、B型インフルエンザウイルス(A型のような亜系が存在しない)としては、B型に属する如何なるウイルス株をも挙げることができる。
なお、後述の実施例で示すように、本発明の当該抽出物は、A型インフルエンザウイルスのH1N1型、H3N2型、および、B型インフルエンザウイルスへの有効性が示されている。
現在流通しているノイラミニダーゼ阻害剤の有効成分(例えばGS4071やZanamivir)の作用スペクトルを鑑みると、A型とB型のインフルエンザウイルスの殆どのものへの治療効果が示されている。
従って、本発明の当該抽出物の作用機構がノイラミニダーゼの活性を阻害することにあることを鑑みると、本発明の当該抽出物についても、A型とB型のインフルエンザウイルスの多くのものに対して、治療効果があることが示唆される。
<薬剤>
本発明における当該サツマイモ茎葉ポリフェノール抽出物は、前記生理活性作用を有する薬剤の形態にすることができる。
また、本発明において、当該抽出物における有効成分の一つは、「カフェ酸誘導体」である。
本発明の薬剤に有効成分として用いるカフェ酸誘導体としては、当該サツマイモ茎葉に由来するものだけでなく、他の植物(例えば、ヨモギ、コーヒー、ゴボウなど)から抽出したもの、人工的に化学合成したものなども用いることができる。
具体的には、カフェ酸、キナ酸の環状骨格炭素にカフェオイル基を1〜4個有する化合物、前記カフェオイル基を有する化合物のメチルエステル化物、並びに、前記カフェオイル基を有する化合物が2個もしくは3個結合した重合体(2量体や3量体)、から選ばれる1以上、を挙げることができる。
ここで、‘キナ酸の環状骨格炭素にカフェオイル基を有する化合物’としては、カフェオイル基を1個有する化合物である3-カフェオイルキナ酸(3-CQA)、4-カフェオイルキナ酸(4-CQA)、クロロゲン酸(5-CQA)、;カフェオイル基を2個有する化合物である1,3-ジ-O-カフェオイルキナ酸(1,3-diCQA)、1,4-ジ-O-カフェオイルキナ酸(1,4-diCQA)、1,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸(1,5-diCQA)、3,4-ジ-O-カフェオイルキナ酸(3,4-diCQA)、3,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸(3,5-diCQA)、4,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸(4,5-diCQA)、;カフェオイル基を3個有する化合物である1,3,5-トリ-O-カフェオイルキナ酸(1,3,5-triCQA)、1,4,5-トリ-O-カフェオイルキナ酸(1,4,5-triCQA)、3,4,5-トリ-O-カフェオイルキナ酸(3,4,5-triCQA)、;カフェオイル基を4個有する化合物である1,3,4,5-テトラ-O-カフェオイルキナ酸(1,3,4,5-tetraCQA)、を挙げることができる。
本発明においては、これらカフェ酸誘導体の中でも、カフェオイル基を多く含むほど阻害活性が高く、カフェオイル基を2〜4個有する化合物であるジカフェオイルキナ酸、トリカフェオイルキナ酸、テトラカフェオイルキナ酸、を用いることが好ましい。
なお、後述の実施例には、サツマイモ茎葉に多く含まれるカフェ酸誘導体である、カフェ酸、クロロゲン酸(5-CQA)、3,4-ジ-O-カフェオイルキナ酸(3,4-diCQA)、3,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸(3,5-diCQA)、4,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸(4,5-diCQA)、および3,4,5-トリ-O-カフェオイルキナ酸(3,4,5-triCQA)の有効性(特に、ジカフェオイルキナ酸とトリカフェオイルキナ酸の有効性)を示した。図1にこれらの構造式を示す。
前記インフルエンザウイルスの予防・治療効果を期待する場合、本発明における当該抽出物の有効量としては、当該抽出物に含有される‘カフェ酸誘導体’の含有量に換算して、成人一人一日あたり、予防の場合は1g以上(好ましくは6g以上)、また治療の場合は2g以上(好ましくは12g以上)、を摂取することにより、優れた効果が得られることが期待される(なお、これらの数値は、当該有効成分が活性を持った形で体内に導入され、気道粘膜に分泌されると仮定し、且つ、タミフルのノイラミニダーゼ阻害活性との比較から算出した値である)。
なお、上限値については特に制限はないが、実質的な利用形態を考慮すると、例えば200g程度以下(好ましくは40g程度以下)で摂取する形態が想定される。
従って、本発明の薬剤としては、この必要量を確保できる形態や摂取方法(回数、量)で、カフェ酸誘導体を前記所定の範囲の量を摂取できる形態であればよい。
特に、カフェ酸誘導体(特に、カフェオイル基を多く有するカフェオイルキナ酸)の純度の高い精製物や、単離物そのもの、を有効成分として含有する薬剤が好適である。
また、薬剤の形態としては、経口摂取、吸引摂取、注射(特に経静脈投与)できるものならば如何なる形態にすることもできる。例えば、粉末状、細粒状、顆粒状、などとすることができ、カプセルに充填する形態の他、水に分散した溶液の形態、賦形剤等と混和して得られる錠剤の形態、などにすることができる。
<家禽・家畜用飼料>
また、本発明では、当該サツマイモ茎葉ポリフェノール抽出物は、家禽や家畜用飼料に含有させて用いることができる。
即ち、A型インフルエンザウイルスによって引き起こされる鳥インフルエンザの予防作用を有する、家禽や家畜用飼料を提供できることが期待される。
ここで家禽としては、鶏、あひる、うずら、ダチョウ、ホロホロ鳥、七面鳥などを挙げることができる。また、家畜としては、豚などを挙げることができる。
当該飼料を用いることによって、新型インフルエンザの発生と流行を予防できることが期待される。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の技術範囲はこれらにより限定されるものではない。
<実施例1> サツマイモ葉ポリフェノール抽出物のノイラミニダーゼ阻害作用1
(1)ポリフェノール成分の抽出(ODSカラム)
表1に示す各サツマイモ品種の葉身部の凍結乾燥粉末(0.25g)に、80%エタノール(エタノール濃度が80%の含水エタノール、以下同様。)(5ml)を加えて懸濁し、煮沸抽出を5分間行った。そして、遠心分離(3000rpm、5分間)を行って上清を回収した。また、残渣に対して、この80%エタノールでの煮沸抽出処理を3回繰り返して、さらに上清を回収した。
得られた上清は、スピードバックにより濃縮乾固した。そして、蒸留水(5ml)を加えて超音波洗浄機内で溶解し、遠心分離(3000rpm、5分間)を行って上清を回収した。
次いで、その上清を、‘ODSカラム’であるSep-Pack(C18, 1g/6ml)にアプライし、蒸留水で洗浄して、夾雑物である糖質成分を除去した。そして、50%メタノールで溶出して溶出画分を回収した。なお、当該画分は、ポリフェノール成分を多く含む画分である。
得られた画分は、凍結乾燥して凍結乾燥物とした。
(2)ノイラミニダーゼ阻害活性の測定
上記で得られた凍結乾燥物(サツマイモ葉ポリフェノール抽出物)のノイラミニダーゼ阻害活性を測定した。
まず、インフルエンザウイルスの各代表株〔Aソ連型H1N1(A/Texas/36/91)、A香港型H3N2(A/Texas/131/02)、B型(B/Memphis/20/96)〕、と蛍光基質2'-(4 methylumbelliferyl)-a-D-N-acetyneuraminic acid (MUNANA)を0.05mM含む溶液を、37℃で1時間インキュベートした。
そこへ、上記抽出物(被検試料)を加えて、最終濃度が20mg葉凍結乾燥粉末/ml(原料である葉凍結粉末あたりに換算した濃度)からの3倍段階希釈系列の溶液シリーズを作成し、37℃で1時間インキュベート後の蛍光強度を測定した。
そして、ウイルスコントロール(被検試料無添加)における強度を100%とした際の50%阻止濃度(IC50)を算出し、「mg葉凍結乾燥粉末/ml」で示した。結果を表1に示す。なお、当該阻止濃度は、数値が小さい程阻害活性が強いことを示す。
その結果、サツマイモ葉ポリフェノール抽出物は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ活性を阻害することが示された。その阻害効果は、A型およびB型インフルエンザウイルス3株において認められたが、サツマイモの品種によって各ウイルス株のノイラミニダーゼに対する阻害活性が異なった。
特に、総ポリフェノールやトリカフェオイルキナ酸を高含有する品種において、阻害活性が高いことが示された。一方、低含有品種では、特にH1N1とB型のノイラミニダーゼ阻害活性に弱い傾向が見られた。
なお、一般的なサツマイモ品種であるコガネセンガンや、茎葉利用品種のすいおうにおいても、阻害活性が認められた。
Figure 2011105611
<実施例2> サツマイモ葉ポリフェノール抽出物のノイラミニダーゼ阻害作用2
(1)ポリフェノール成分の抽出(合成吸着樹脂カラム)
表2に示す各サツマイモ品種の葉身部の凍結乾燥粉末(25g)に、80%メタノール(1L)を加えて、1日間攪拌して抽出を行った。そして、吸引濾過(ADVANTEC 4A)を行って濾液を回収した。また、残渣に対して、この80%メタノールでの抽出処理を2回繰り返して、さらに濾液を回収した。
得られた濾液は、ロータリーエバポレーターによって濃縮乾固した。そして、蒸留水(500ml)に溶解し、n-ヘキサン(500ml)を加えて分液漏斗でよく攪拌して水層を回収し、さらに濾紙(ADVANTEC 4A)およびセライトカラム(Biotage, Isolute Celite 545)で順次濾過した。
次いで、その濾液を、‘合成吸着樹脂カラム’であるDiaion HP-20カラム(Biotage, FLASH75M)にアプライし、蒸留水で洗浄して、夾雑物である糖質成分を除去した。そして、80%メタノールで溶出して溶出画分を回収した。なお、当該画分は、ポリフェノール成分を多く含む画分である。
得られた画分は、凍結乾燥して凍結乾燥物とした。なお、回収率は、原料の5.6〜7.8%であった。
(2)ノイラミニダーゼ阻害活性の測定
上記で得られた凍結乾燥物(サツマイモ葉ポリフェノール抽出物)のノイラミニダーゼ阻害活性を測定した。測定は、上記抽出物そのものの最終濃度で行ったことを除いて、実施例1と同様にして行った。なお、活性はウイルスコントロールにおける強度を100%とした際の50%阻止濃度(IC50)を算出し、「mgポリフェノール抽出物/ml」で示した。結果を表2に示す。なお、当該阻止濃度は、数値が小さい程阻害活性が強いことを示す。
その結果、サツマイモ葉ポリフェノール含有物は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ活性を阻害することが示された。その阻害効果は、A型およびB型インフルエンザウイルス3株において同程度に認められた。
Figure 2011105611
<実施例3> サツマイモ葉に含まれるカフェ酸誘導体含有量の測定
上記実施例から、トリカフェオイルキナ酸(3,4,5-triCQA)を高含有する品種においてノイラミニダーゼ阻害活性が高いことが示された。
そこで、実施例1,2で用いた各サツマイモ品種の葉におけるカフェ酸誘導体である、カフェ酸、クロロゲン酸(5-CQA)、ジカフェオイルキナ酸(3,4-diCQA、3,5-diCQA、4,5-diCQA)、トリカフェオイルキナ酸(3,4.5-triCQA)、の各含有量(凍結乾燥粉末100gあたり含有量)を測定した。
測定は、表3に示す条件のHPLCにより、標品を用いて定量した。実施例1で用いた品種の結果を表4に、実施例2で用いた品種の結果を表5に示す(なお、実施例1で用いた品種と実施例2で用いた品種は、それぞれ異なる条件で栽培したものであるため、それぞれを別表で示した)。また、測定したカフェ酸誘導体の種類と構造を図1に示す。
Figure 2011105611
その結果、実施例1,2において高いノイラミニダーゼ阻害活性を示したサツマイモ品種の葉には、カフェ酸誘導体が多く含まれることが示された。一方、ノイラミニダーゼ阻害活性が低かった品種(Naura-5、KNL-1、宮農36号)の葉には、カフェ酸誘導体の含有量が顕著に少ないことが示された。
Figure 2011105611
Figure 2011105611
<実施例4> カフェ酸誘導体のノイラミニダーゼ阻害作用
次に、カフェ酸誘導体の各化合物におけるノイラミニダーゼ阻害活性を調べた。
(1)カフェ酸誘導体の精製
サツマイモ葉身部(コガネセンガン)の凍結乾燥粉末(100g)に、80%メタノール(2L)を加えて、1日間攪拌して抽出を行った。そして、吸引濾過(ADVANTEC 4A)を行って濾液を回収した。また、残渣に対して、この80%メタノールでの抽出処理を2回繰り返して、さらに濾液を回収した。
得られた濾液は、ロータリーエバポレーターによって濃縮乾固した。そして、蒸留水(250ml)に溶解し、n-ヘキサン(250ml)を加えて分液漏斗でよく攪拌して水層を回収した。
次いで、その水層を、‘合成吸着樹脂カラム’であるMCI GEL CHP20Pカラム(三菱化学製)にアプライし、蒸留水で洗浄して、夾雑物である糖質成分を除去した。そして、20%、40%、60%、80%メタノールの順で溶出して各溶出画分を回収した。
得られた画分のうち、20%、40%、60%メタノールの画分から、ODSカラム(富士シリンシア製)およびセファデックスLH-20カラム(ファルマシア製)を用いて、ジカフェオイルキナ酸である3,4-diCQA、3,5-diCQA、4,5-diCQAをそれぞれ精製した。
また、80%メタノールの画分から、ODSカラムおよびセファデックスLH-20カラム(ファルマシア製)を用いて、トリカフェオイルキナ酸(3,4.5-triCQA)を精製した。
(2)ノイラミニダーゼ阻害活性の測定
カフェ酸誘導体である、カフェ酸(和光純薬社製)、クロロゲン酸(5-CQA:シグマ社製)、ジカフェオイルキナ酸(上記工程で得られた3,4-diCQA、3,5-diCQA、4,5-diCQA)、トリカフェオイルキナ酸(上記工程で得られた3,4.5-triCQA)について、ノイラミニダーゼ阻害活性を測定した。また、陽性対照として、GS4071(タミフル活性体)とZanamivir(商品名:リレンザ)の活性を測定した。
測定は、被検試料の最終濃度が1mMからの3倍段階希釈系列の溶液シリーズを作成したことを除いては、実施例1と同様にして行った。結果を表6に示す。
その結果、カフェ酸誘導体は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ活性を阻害することが示された。阻害効果は、A型およびB型インフルエンザウイルス3株において認められた。そして、その阻害活性の強さは、概ねトリカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、クロロゲン酸、カフェ酸、の順であり、カフェオイル基の数が多いほど阻害効果が強いことが示された。
このことから、サツマイモ葉ポリフェノール抽出物が有するノイラミニダーゼ阻害作用の有効成分の一つは、カフェ酸誘導体であることが示された。
なお、カフェ酸誘導体の阻害活性の強さは、タミフルの活性体であるGS4071やZanamivir(リレンザ)の阻害活性には及ばないものの、インフルエンザ治療薬のリード化合物として、十分に利用が期待できることが示された。
Figure 2011105611
本発明は、ヒトおよび家畜のインフルエンザの予防または治療のため、医療分野および家畜飼料分野における利用が期待される。
特に、鳥インフルエンザはヒトへの感染も危惧されており、鳥インフルエンザ多発国および国内鶏飼育地域において、家禽や家畜飼料に混合して利用することで、感染予防効果が期待される。
また、新型インフルエンザの流行に対して、十分な量の入手が困難なタミフルやリレンザに代わるインフルエンザ治療薬として、安価で大量に製造して備蓄できる技術として期待される。

Claims (9)

  1. サツマイモ茎葉からの熱水抽出物、アルコール濃度10%以上の含水アルコール抽出物、もしくはアルコール抽出物を、有効成分として含有してなることを特徴とする、ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤。
  2. 請求項1の記載のサツマイモ茎葉からの前記抽出物を、合成吸着樹脂カラム又はODSカラムにアプライし、アルコール濃度20%以上の含水アルコール又はアルコールで溶出し、当該得られた溶出物を有効成分として含有してなることを特徴とする、ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤。
  3. 前記アルコールが、エタノールもしくはメタノールである、請求項1又は2に記載の薬剤。
  4. 前記溶出が、アルコール濃度40%以上の含水アルコール又はアルコールで行うものである、請求項2又は3に記載の薬剤。
  5. 前記有効成分が、カフェ酸誘導体である、請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤。
  6. カフェ酸誘導体である、カフェ酸、キナ酸の環状骨格炭素にカフェオイル基を1〜4個有する化合物、前記カフェオイル基を有する化合物のメチルエステル化物、並びに、前記カフェオイル基を有する化合物が2個もしくは3個結合した重合体、から選ばれる1以上、を有効成分として含有してなることを特徴とする、ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤。
  7. 前記カフェ酸誘導体が、キナ酸の環状骨格炭素にカフェオイル基を2〜4個有する化合物、から選ばれる1以上のものである、請求項6に記載ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤。
  8. カフェ酸誘導体である、カフェ酸、クロロゲン酸、3,4-ジ-O-カフェオイルキナ酸、3,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸、4,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸、および3,4,5-トリ-O-カフェオイルキナ酸、のいずれか1以上、を有効成分として含有してなることを特徴とする、ノイラミニダーゼ阻害作用を有する薬剤。
  9. 前記薬剤が、A型およびB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ阻害作用を有するものである、請求項1〜8のいずれかに記載の薬剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015036370A (ja) * 2013-08-13 2015-02-23 晨星興産株式会社 サツマイモポリフェノール抽出液を用いた毛生え組成物
JP2015209401A (ja) * 2014-04-25 2015-11-24 学校法人上智学院 カフェオイルキナ酸類抽出方法及びカフェオイルキナ酸類製造方法
EP2968431A4 (en) * 2013-03-15 2016-11-02 Univ Georgia State Res Found COMPOSITIONS OF SWEET POTATO CRYSTALS AND METHOD OF MANUFACTURE AND USE THEREOF

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