JP2008259554A - 組織の挙上システム並びに留置具 - Google Patents

組織の挙上システム並びに留置具 Download PDF

Info

Publication number
JP2008259554A
JP2008259554A JP2007102491A JP2007102491A JP2008259554A JP 2008259554 A JP2008259554 A JP 2008259554A JP 2007102491 A JP2007102491 A JP 2007102491A JP 2007102491 A JP2007102491 A JP 2007102491A JP 2008259554 A JP2008259554 A JP 2008259554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic body
indwelling
longitudinal axis
forceps
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007102491A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5106908B2 (ja
Inventor
Takayuki Suzuki
孝之 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Medical Systems Corp
Original Assignee
Olympus Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Medical Systems Corp filed Critical Olympus Medical Systems Corp
Priority to JP2007102491A priority Critical patent/JP5106908B2/ja
Publication of JP2008259554A publication Critical patent/JP2008259554A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5106908B2 publication Critical patent/JP5106908B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】留置具を体内に簡単に、かつ確実に留置できるようにする。
【解決手段】留置具は、生体に留置されるクリップと、磁性体20とをワイヤで連結させた構成を有する。磁性体20は、長手軸に平行な平面を境界として2つに分極されており、その一方の部分20AがN極、他方の部分20BがS極に着磁されている。管腔器官W1の外側から磁力発生装置である磁石鉗子30を近づけると、磁石鉗子30のN極に引き寄せられる。このとき、磁性体20のS極の部分20Bが管腔器官W1の内壁に密着させられ、病変部を含む組織が挙上させられる。
【選択図】図10

Description

本発明は、生体の体内で処置を行う際に病変部の挙上に用いる留置具、留置具を含む組織の挙上システムに関する。
者の体内に病変部が生じたときは、病変部を切除したり、焼灼したりする。この際には、外科手術によって患者の体を切開する場合と、口又は肛門から挿入された内視鏡を用いた経内視鏡的な処置とがあげられる。例えば、管腔器官に生じた病変部を内視鏡で切除する方法としては、特許文献1の図6から図11に開示されているものがある。最初に、オーバーチューブを管腔器官内の病変部に挿入してから、オーバーチューブ内に内視鏡を通す。内視鏡のチャンネルにクリップ取り付け具を通し、クリップ取り付け具の先端に取り付けられているクリップを病変部に取り付ける。内視鏡を一旦オーバーチューブから抜いて、磁気アンカーを内視鏡の先端側からチャンネルに通す。再び、内視鏡をオーバーチューブに挿入し、クリップに磁気アンカーを引っ掛ける。体外に磁気誘導部材を配置し、磁気誘導部材の磁力で磁気アンカーを引き寄せる。クリップを介して病変部が引っ張られ、管腔器官内で持ち上げられる。持ち上げられた病変部は、内視鏡のチャンネルに通した切除具で切除される。
特開2004−105247号公報
しかしながら、従来では内視鏡のチャンネルに通した把持鉗子に磁気アンカーを保持させ、この状態で磁気アンカーを内視鏡と共に体内に導入し、アンカーを体内に留置した後に、把持鉗子をチャンネルから引き抜いて代わりにクリップを組織に打ち込むための処置具を通さなければならず、作業が煩雑であった。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、留置具を体内に簡単に、かつ確実に留置できるようにすることを主な目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、生体の管腔器官の内部側に係止されるアンカーと、細長形状を有して長手軸方向の一方の端部と他方の端部とで2つの磁極に分極した磁性体とを有する留置具と、前記管腔器官の外部側に配置され、前記管腔器官に臨む端部に、前記磁性体の2つの端部に対応して2つの磁極を配列した磁性体を備える磁力発生装置と、を含む組織の挙上システムとした。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の組織の挙上システムにおいて、前記磁性体の側面の少なくとも一部が、前記長手軸に平行な平面からなることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、管腔器官の内部側に係止されるアンカーと、磁界に晒したときに、磁化する軟磁性体と、を有し、前記軟磁性体は、長手軸を有し、前記管腔器官の内部側の組織に押圧する側面が前記長手軸に沿って設けられ、前記長手軸方向の一方の端部と、他方の端部とに非磁性体が取り付けられていることを特徴とする留置具とした。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の留置具において、前記磁性体の側面の少なくとも一部が、前記長手軸に平行な平面からなることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、生体の管腔器官の内部側に係止されるアンカーと、細長形状を有して長手軸を挟んだ一方の側面と他方の側面とで2つの磁極に分極した磁性体と、を備えることを特徴とする留置具とした。
本発明によれば、留置具がアンカーと磁性体を備えるので、処置具を入れ替えることなく体内に留置できる。さらに、磁性体を分極させることで長手軸に沿った外周面で組織に密着させることが可能になり、組織との接触面積を大きくとれる。このため、組織に与える負荷は少なくて済む。
本発明の望ましい実施態様について以下に説明する。なお、各実施態様において、同じ構成要素には同一の符号を付けてある。また、重複する説明は、省略する。
(第1の実施態様)
図1は、本実施態様に使用する留置具及び留置装置が示されている。留置装置1は、術者が操作する操作部2を有する。操作部2の本体部3の基端には、術者が指をかけるリング4が設けられている。この本体部3には、スライダ5が進退自在に取り付けられている。スライダ5は、圧縮型のコイルスプリング6で先端に向けて付勢されている。スライダ5には、パイプ7が接続されており、パイプ7内にワイヤが通されている。ワイヤは、本体部3の先端に固定されたコイルシース9内に進退自在に通されている。コイルシース9は、挿入管10に進退自在に通されている。挿入管10は、フッ素樹脂や、ポリエチレン樹脂などのプラスチックから製造されている。挿入管10の基端部には、術者が掴むグリップ11が設けられている。挿入管10及びコイルシース9は、長尺で可撓性を有し、不図示の内視鏡の作業用チャンネルに挿入される。コイルシース9内に延びるワイヤ8は、スライダ5に固定されている。ワイヤ8の先端部に、留置具15の接続板16が溶接されている。
図1及び図2に示すように、留置具15は、接続板16と、チューブ17と、クリップ(アンカー)18と、磁性体20とから構成されている。接続板16は、ワイヤ8に溶接され、筒状のチューブ17内を通ってチューブ17の先端に引き出されている。接続板16の先端に、フック19が形成されている。フック19は、クリップ18のループ部21が係合される。クリップ18は、細長の部材の中央部分を曲げてループ部21を形成し、自然状態で一対の腕部22が先端に向かって開いた形状を有する。
磁性体20は、本体部25の基端が縮径された保持部26になっている。本体部25の外径は、挿入管10の内径よりも太く、挿入管10の外径に略等しい。保持部26は、挿入管10の内周に圧入などによって緩く嵌め込まれる。磁性体20の長手軸は、磁性体20の直径よりも十分に大きい、磁性体20の長手軸と、留置装置1の先端部の長手方向とは略一致する。磁性体(磁性材料)は、軟磁性体と硬磁性体の2つのタイプに分けられ、本実施の形態では、この磁性体20は、硬磁性体から製造されている。
ここで、図3に拡大して示すように、磁性体20は、長手軸に平行な平面を境界として2つに分極されており、その一方の部分20AがN極、他方の部分20BがS極に着磁されている。分極の境界線L1は、磁性体20の長手方向の中心を通っているがオフセットさせても良い。
図1に示すように、保持部26は、長手方向に略直交する貫通孔27を有する。貫通孔27の開口部を含む溝28が保持部26の基端まで形成されている。貫通孔27には、ワイヤ29が通されている。ワイヤ29は、貫通孔27から溝28を通って、クリップ18のループ部21の内側を通って環状になっている。
図4は、本実施態様で使用される磁石鉗子を示す。磁力発生装置である磁石鉗子30は、先端部がカバー31Aで閉鎖された筒状の挿入部31を有している。挿入部31内には、プッシャロッド31Bが挿入されている。プッシャロッド31Bの先端部に、磁石32が固定されている。挿入部31の基端部には、操作部33が設けられている。操作部33のレバー33Aを操作すると、挿入部31内の磁石32をカバー31Aに近接させたり、カバー31Aから離隔させたりできる。挿入部31は、円筒状で硬質のシース34内に通されている。なお、磁石鉗子30の構成及び使用方法の更なる詳細については、本願出願人らによるによる米国特許出願第11/076662号に開示されている。なお、米国特許出願第11/076662号に開示されている内容は、本実施態様に取り込まれているものとする。
この実施態様の作用について説明する。
図5に示すように、生体内の自然の開口(口、肛門、鼻、耳など)から管腔器官W1に内視鏡41を挿入する。内視鏡41の先端部に設けられた照明42及び観察装置43で管腔器官W1の内部を観察し、管腔器官W1の内部側に生じた病変部W2を確認する。内視鏡41の作業用チャンネル44に、1つ目の留置具15が装着された留置装置1を通す。留置装置1は、先端部の長手方向が作業用チャンネル44の長さ方向の軸線に沿って挿入される。したがって、留置具15の磁性体20は、軸線が作業用チャンネル44及び内視鏡41の長手軸方向と平行になるように挿入される。
図1に示す留置装置1のグリップ11を掴んで挿入管10を固定し、操作部2を押し込む。コイルシース9及び留置具15が、挿入管10の先端開口から出る。クリップ18は、管腔器官W1の病変部W2の周囲に所定距離だけ離れた組織に向ける。図6に示すように、クリップ18が、コイルシース9と共に前進して磁性体20を挿入管10から押し出す。磁性体20とクリップ18とは、ワイヤ29を介して連結されているので、磁性体20は落下しない。
クリップ18は、管腔器官W1の病変部W2の周囲に所定距離だけ離れた組織に向けられる。スライダ5を引くと、ワイヤ8が接続板16を引っ張り、クリップ18のループ部21がチューブ17の内孔17Aに引き込まれて、一対の腕部22が開く。腕部22を開いたままで、クリップ18を留置位置の組織に押し付ける。スライダ5を引くと、ループ部21がチューブ17内に引き込まれて、腕部22がチューブ17の端部に押し当てられてクリップ18が閉じる。クリップ18の腕部22の間に、生体組織が挟み込まれる。スライダ5を更に引くと、最終的には、接続板16の先端部に形成されたフック19の湾曲が変化して直線化される。これによって、接続板16とループ部21の係合が外れて留置具15と留置装置1とが分離する。コイルシース9及び挿入管10を引き戻すと、図7に示すように、留置具15が組織を挟んだ状態で留置される。磁性体20は、ワイヤ29によってクリップ18の近傍にある。なお、クリップ18は、チューブ17に嵌まっているので、閉じたままである。なお、留置具15とワイヤ8の他の接続方法や、留置手順の更なる詳細については、本願の出願人による米国特許第2002/0173805号に開示されている。なお、米国特許出願第国特許第2002/0173805号に開示されている内容は、本実施態様に取り込まれているものとする。
留置具15を留置したら、内視鏡41を管腔器官W1から引き抜く。図8に示すように、腹壁W4の病変部W2に近い位置に穿孔を2つ形成し、その各々に鉗子ポートW5を挿入する。
1つ目の鉗子ポートW5に磁石鉗子30を挿入し、2つ目の鉗子ポートW5に切開鉗子50を挿入する。図4に示す磁石鉗子30の操作部33のレバー33Aを引いて磁石32を先端のカバー31Aに近接させる。図9に示すように、磁石鉗子30の磁石32の磁場によって、磁性体20が磁化して吸い寄せられる。このとき、磁性体20は、長手軸に沿った本体部25の側面である外周面25Aが磁石32に向かうように管腔器官W1の内部側の壁面に密着する。図10に示すように、この磁性体20では、磁石鉗子30を管腔器官W1の外部側から近接させると、磁石鉗子30の磁石32の磁極に対応する向きに磁性体20が向く。磁石鉗子30のN極を管腔器官W1に臨ませた場合に、磁性体20のS極となる部分20Bが外周面25Aで管腔器官W1の内部側の壁面に密着する。
これによって、留置具15が磁石鉗子30に向かって移動する。留置具15が磁石鉗子30に吸い寄せられて移動すると、留置具15の周囲の組織(病変部W2を含む)が磁石鉗子30に向かって引き出される。管腔器官W1は、病変部W2を含む組織を腹壁W4に向けて突出させた姿勢になる。言い換えると、病変部W2を含む組織の位置が自然状態における位置よりも腹腔W4側に変位(腹腔W4側に挙上した)状態になる。2つ目の鉗子ポートW5から切開鉗子50を挿入し、留置具15の留置位置の外周で、引き出された管腔器官W1の湾曲した部分(図9に破線で示す部分)を切除する。病変部W2を含む組織が切り取られるので、切り取った組織を鉗子ポートW5から取り出し、残った管腔器官W1を縫合する。
この実施態様では、磁性体20を有する留置具15を病変部W2の周囲に留置したので、管腔器官W1の外部側から磁石鉗子30を近接させて磁性体20を引き寄せると、病変部W2を含む組織を腹壁W4側に挙上させることができる。病変部W2を含む管腔器官W1以外の臓器や管腔器官などのその他の組織から病変部W2が確実に隔離できるようになり、切除が容易になる。磁性体20の長手軸に平行な平面に対して一方の面側と他方の面側に分極することによって、長手軸に沿った外周面25Aで組織に密着するので、組織との接触面積を大きくとれる。このため、組織に与える負荷は少なくて済む。
(第2の実施態様)
図11は、本実施態様に使用される磁性体を示す。磁性体ユニット60は、円柱形の本体部61を有する。本体部61は、本実施の態様においては軟磁性体材料から製造される。軟磁性体(軟磁性材料や軟質磁性材料とも呼ぶ)とは、磁性体のうち、磁気の影響を取り去ると磁石ではなくなってしまう性質を有するものである。すなわち、磁場の中に置くと磁化(着磁)し、磁場の中から出す(磁場を取り去る)と実質的に脱磁してしまう性質を有するものであって、軟磁性体の材料としては、鉄、純鉄、ケイ素鉄、パーマロイ鉄等が知られている。
本体部61の軸線の長さは、直径よりも十分に大きい。長手方向の一方の端部61Aに、非磁性体からなる第一の部分62が固定されている。第一の部分62は、本体部61と同じ外径を有し、その端部が球径になっている。本体部61の長手方向の他方の端部61Bに、非磁性体からなる第二の部分63が固定されている。第二の部分63は、本体部61と同じ外径を有する。第二の部分63の端部に、縮径された保持部26が形成されている。保持部26は、貫通孔27と、溝28とが形成されており、ワイヤ29が通されている。第一の部分62及び第二の部分63は、例えば、ゴムや、樹脂などから製造できる。
磁性体ユニット60は、ワイヤ29と、クリップ18と、チューブ17と、接続板16と共に留置具65を構成する。留置具65は、留置装置1に装着される。本体部61の外径は、挿入管10の外径に略等しい。第二の部分63の保持部26は、挿入管10に緩く嵌め込み可能である。留置具65を留置装置1に装着したときは、本体部61の長手軸と、留置装置1の先端部の軸線とが一致する。
この実施態様の作用を説明する。
留置具65を装着した留置装置1を内視鏡41の作業用チャンネル44を通して病変部W2の周囲に挿入する。このとき、磁性体ユニット60の軸線は、作業用チャンネル44の長手軸の軸線及び内視鏡41の軸線と略平行に挿入される。ワイヤ8を後退させて、留置具65のクリップ18を病変部W2の周囲に係止させたら、磁石鉗子30を管腔器官W1の外部側から近接させる。磁石鉗子30の磁界によって磁性体ユニット60の本体部61が磁化して磁石鉗子30に吸い寄せられる。
ここで、図12に破線で示すように、磁性体ユニット60が、第二の部分63が管腔器官W1の内部側の壁部に接し、ここを起点にして立つように配置されていた場合は、第二の部分63を支点として磁性体ユニット60が倒れる。第二の部分63が非磁性体で製造されているため、磁性体ユニット60の本体部61と磁石鉗子30の磁石32までの距離は、立った状態、つまり磁石鉗子30の長手方向と、磁性体ユニット60の長手軸とが略平行なときの距離L2よりも、倒れた状態、つまり本体61の側面である外周面61Cを磁石32に向けた状態の距離L3の方が短くなるので、強い吸引力を発生させることが可能になる。したがって、磁性体ユニット60は、軸線に沿った本体部61の外周面61Cを磁石鉗子30に向けた方が安定する。その結果、本体部61の外周面61Cが管腔器官W1の内部側の壁面を押圧し、留置具65が留置されている部分を中心にして挙上される。第一の部分62側を起点として立つように磁性体ユニット60が配置されていた場合は、第一の部分62を支点にして磁性体ユニット60が倒れて外周面61Cが磁石32に向き合う。以降の手術手順は、第1の実施態様と同じである。
この実施態様によれば、磁性体ユニット60の両端部(第一、第二の部分62,63)が非磁性体から製造されているので、磁石鉗子30を近接させたときに、常に外周面61Cで管腔器官W1の内周面を押圧することが可能になる。磁性体ユニット60は、作業用チャンネル44に通すために細長形状にする必要があるので、長手軸方向の両端部の面積に比べて外周面61Cの面積が遥かに大きい。したがって、磁性体61の両端部で組織に密着する場合に比べて、外周面61Cで密着させた方が組織との接触面積を大きくできる。これによって、磁石鉗子30で吸引したときの磁性体61の位置が安定する。さらに、磁性体61に押圧される組織への負担が低減される。磁性体61の向きを磁石32の向きに合わせることができる。
(第3の実施態様)
図13は、本実施態様に使用される磁性体を示す。磁性体70は、円柱形状を有し、永久磁石から製造される。磁性体70は、先端部が球状に成形された円柱形の本体部71と、本体部71の基端に設けられて縮径された保持部72とを有する。磁性体70の長手方向の軸線は、本体部71の直径よりも十分に大きい。本体部71は、長手方向の中央付近で、長手軸と直交するように2つに分極されている。本体部71の先端側の一方の端部70Aは、N極になっている。本体部71の基端側の他方の端部70Bは、S極になっている。
この磁性体70は、ワイヤ29と、クリップ18と、チューブ17と、接続板16と共に、留置具75を構成する。留置具75は、留置装置1に装着される。磁性体70の外径は、挿入管10の外径に略等しい。保持部72は、挿入管10に緩く嵌め込み可能である。留置具75を留置装置1に装着すると、磁性体70の長手軸と、留置装置1の先端部の軸線とが一致する。
図14は、本実施態様で使用する磁界発生装置である磁石鉗子80を示す。磁石鉗子80は、挿入部81内に磁石82が進退自在に収納されている。磁石82は、挿入部81の長手方向に平行に2つに分極されており、一方の部分82AがN極に、他方の部分82BがS極に着磁されている。
この実施態様の作用を説明する。
留置具75を装着した留置装置1を内視鏡41の作業用チャンネル44を通して病変部W2の周囲に挿入する。このとき、磁性体70の長手軸の軸線は、作業用チャンネル44の軸線及び内視鏡41の軸線と略平行に挿入される。留置具75のクリップ18を病変部W2の周囲に係止させたら、磁石鉗子80を管腔器官W1の外部側から近接させる。
ここで、磁石鉗子80の磁石82のN極は、磁性体70のS極の端部70Bが引き寄せられる。磁石82のS極は、磁性体70のN極の端部70Aが引き寄せられる。図15に示すように、磁性体70は、軸線に沿った本体部71の側面、つまり外周面71Cが管腔器官W1の内部側の平面に密着する。以降の手術手順は、第1の実施態様と同じである。
この実施態様によれば、磁性体70が長手方向に2つに分極されているので、磁石82によって磁性体70の本体部71の外周面71Cを確実に引き寄せることができる。磁性体70は、作業用チャンネル44に通すために細長形状にする必要があるので、長手軸方向の両端部の面積に比べて外周面71Cの面積が遥かに大きい。したがって、磁性体70の両端部で組織に密着する場合に比べて、外周面71Cで密着させた方が組織との接触面積を大きくできる。これによって、磁石鉗子80で吸引したときの磁性体70の位置が、安定する。さらに、磁性体70に押圧される組織への負担が低減される。磁性体70の向きを磁石82の向きに合わせることができる。
(第4の実施態様)
図16は、本実施態様に使用される磁性体を示す。磁性体90は、細長の本体部91と、本体部91の基端部から延びる保持部92とを有する。本体部91には、円柱の一部が切り取られてできた平面93(側面)が長手方向の軸線に平行に形成されている。本体部91の先端部は、球形に成形されている。本体部91は、永久磁石からなり、これら平面93と平行にN極とS極に分極している。図16では、平面93側の部分91AがN極になり、反対側の切り欠かれていない部分91BがS極になっている。
なお、磁性体90は、ワイヤ29と、クリップ18と、チューブ17と、接続板16と共に、留置具95を構成する。留置具95は、留置装置1に装着される。磁性体90の本体部91の外径は、挿入管10の外径に略等しい。保持部92は、挿入管10に緩く嵌め込み可能である。留置具95を留置装置1に装着したときは、磁性体90の長手軸と、留置装置1の先端部の軸線とは一致する。
この実施態様の作用を説明する。
留置具95を装着した留置装置1を内視鏡41の作業用チャンネル44を通して病変部W2の周囲に挿入する。このとき、磁性体90の軸線は、作業用チャンネル44の軸線及び内視鏡41の軸線と略平行に挿入される。留置具95のクリップ18を病変部W2の周囲に係止させたら、磁石鉗子30を管腔器官W1の外部側から近接させる。
ここで、図17に示すように、磁性体90は、平面93(S極)が磁石鉗子30の磁石32のN極に向かうように引き寄せられる。仮想線で示すように、磁性体の断面が円形の場合は、中央部分は磁石32に近い(距離L4)ので強い力で吸引されるが、中央部分からずれるに従って磁石32までの距離(距離L5)が急に大きくなって、吸引力が小さくなる。これに対して、磁性体90は、平面93の広い範囲が距離L5よりも近い距離L6で組織に密着するので、安定して強い磁力が磁石32に作用し、磁性体90の断面が円形の場合と比較して強い吸引力で留置具95の周囲の組織(病変部W2を含む)を磁石鉗子30に引き寄せ、腹腔W4側に挙上させることができる。以降の手術手順は、第1の実施態様と同じである。
この実施態様では、作業用チャンネル44に挿入が可能になるように細長の円柱形状を有する磁性体90に平面93を設けた構成にしたので、平面93を磁石鉗子30に向けると、平面93を管腔器官W1の内部側に密着させることが可能になる。磁性体90の端部に比べて広い領域で磁石32に吸引されるので、磁性体90の位置を安定させられる。組織との接触面積を大きくできるので、組織への負担を低減できる。
本発明は、各実施態様に限定されずに広く応用することができる。
例えば、磁性体は、長手軸方向に直交する断面視で、多角形であっても良い。作業用チャンネル44は、内視鏡41の外周に取り付けられたチャンネルでも良い。複数の留置具を病変部W2の周囲に留置し、それぞれの磁性体を引き寄せて、病変部W2を含む組織を挙上しても良い。
また、作業用チャンネル44は、内視鏡41に一体的に設けられていなくても良い。この場合、例えば、カプセル内視鏡などのように飲み込み可能な観察装置で観察しながら、観察機能を持たない(観察機能を有しても良いが、観察機能がない方が細径化でき、患者の負担をより低減できる)作業用チャンネルを体内に導入して上記したような処置を行うことができる。
本発明の一実施態様に係る留置具と留置装置の構成を示す一部断面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 磁性体の拡大図である。 磁石鉗子を示す斜視図である。 内視鏡を管腔器官に挿入した状態を示す図である。 留置具を挿入管から突出させ、磁性体をクリップから吊り下げた図である。 留置具を留置した図である。 腹壁側から磁石鉗子を挿入するステップを示す図である。 病変部を含む組織を挙上した図である。 磁石鉗子で磁性体を引き寄せた図である。 留置具の構成を示す図である。 磁石鉗子で磁性体を引き寄せた図である。 留置具の構成を示す図である。 磁石鉗子の先端部の一部破断拡大図である。 磁石鉗子で磁性体を引き寄せた図である。 留置具の構成を示す図である。 磁石鉗子で磁性体を引き寄せた図である。
符号の説明
15 留置具
16 接続板
17 チューブ
18 クリップ
20 磁性体
20A 部分
20B 部分
30 磁石鉗子
60 磁性体ユニット
61 磁性体
62 第一の部分
63 第二の部分
65 留置具
70 磁性体
70A 一方の端部
70B 他方の端部
75 留置具
80 磁石鉗子
90 磁性体
91A,91B 部分
95 留置具

Claims (5)

  1. 生体の管腔器官の内部側に係止されるアンカーと、細長形状を有して長手軸方向の一方の端部と他方の端部とで2つの磁極に分極した磁性体とを有する留置具と、
    前記管腔器官の外部側に配置され、前記管腔器官に臨む端部に、前記磁性体の2つの端部に対応して2つの磁極を配列した磁性体を備える磁力発生装置と、
    を含む組織の挙上システム。
  2. 前記磁性体の側面の少なくとも一部が、前記長手軸に平行な平面からなることを特徴とする請求項1に記載の組織の挙上システム。
  3. 管腔器官の内部側に係止されるアンカーと、
    磁界に晒したときに、磁化する軟磁性体と、
    を有し、前記軟磁性体は、長手軸を有し、前記管腔器官の内部側の組織に押圧する側面が前記長手軸に沿って設けられ、前記長手軸方向の一方の端部と、他方の端部とに非磁性体が取り付けられていることを特徴とする留置具。
  4. 前記磁性体の側面の少なくとも一部が、前記長手軸に平行な平面からなることを特徴とする請求項3に記載の留置具。
  5. 生体の管腔器官の内部側に係止されるアンカーと、細長形状を有して長手軸を挟んだ一方の側面と他方の側面とで2つの磁極に分極した磁性体と、
    を備えることを特徴とする留置具。
JP2007102491A 2007-04-10 2007-04-10 組織の挙上システム Active JP5106908B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007102491A JP5106908B2 (ja) 2007-04-10 2007-04-10 組織の挙上システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007102491A JP5106908B2 (ja) 2007-04-10 2007-04-10 組織の挙上システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008259554A true JP2008259554A (ja) 2008-10-30
JP5106908B2 JP5106908B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=39982532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007102491A Active JP5106908B2 (ja) 2007-04-10 2007-04-10 組織の挙上システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5106908B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012517258A (ja) * 2009-02-06 2012-08-02 バイオテク イノヴェイションズ リミターダ 低侵襲手術のための案内/遠隔牽引システム
JP2018019764A (ja) * 2016-08-01 2018-02-08 有限会社 パックス オプティカ ジャパン 臓器吻合装置
JP7385061B2 (ja) 2020-07-14 2023-11-21 コリア ユニバーシティ リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション 腹腔鏡手術器具

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005000230A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Pentax Corp 内視鏡用アンカー遠隔誘導システム、及びアンカー遠隔誘導システムを用いた内視鏡による処置方法
JP2005006753A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Pentax Corp 内視鏡用アンカー遠隔誘導システム、及びアンカー遠隔誘導システムを用いた内視鏡による処置方法
JP2006061363A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Pentax Corp 内視鏡用把持装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005000230A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Pentax Corp 内視鏡用アンカー遠隔誘導システム、及びアンカー遠隔誘導システムを用いた内視鏡による処置方法
JP2005006753A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Pentax Corp 内視鏡用アンカー遠隔誘導システム、及びアンカー遠隔誘導システムを用いた内視鏡による処置方法
JP2006061363A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Pentax Corp 内視鏡用把持装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012517258A (ja) * 2009-02-06 2012-08-02 バイオテク イノヴェイションズ リミターダ 低侵襲手術のための案内/遠隔牽引システム
JP2018019764A (ja) * 2016-08-01 2018-02-08 有限会社 パックス オプティカ ジャパン 臓器吻合装置
JP7385061B2 (ja) 2020-07-14 2023-11-21 コリア ユニバーシティ リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション 腹腔鏡手術器具

Also Published As

Publication number Publication date
JP5106908B2 (ja) 2012-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10779809B2 (en) Method of lifting diseased part, tissue lifting system, and indwelling tool
US8136888B2 (en) Lifting method for lesion area, and anchoring device
JP4790549B2 (ja) 縫合具
JP4961534B2 (ja) 医療用保持具および医療用保持具の使用方法
US9962148B2 (en) Magnaretractor system and method
US20090043246A1 (en) Magnetic Surgical Device to Manipulate Tissue in Laparoscopic Surgeries Performed with a Single Trocar or Via Natural Orifices
US20100204727A1 (en) Magnetic Surgical Device to Manipulate Tissue in Laparoscopic Surgeries or via Natural Holes Performed with a Single Trocar
WO2008131128A1 (en) Magnetic manipulation and retraction for surgical procedures
US20120130164A1 (en) Magnetic based device for retrieving a misplaced article
WO2021120462A1 (zh) 一种微创手术的辅助装置
JP2005021576A (ja) 内視鏡用磁気アンカー遠隔誘導システム、及び磁気アンカー遠隔誘導システムを用いた内視鏡による処置方法
JP2010220876A (ja) 磁石式鉗子
JP5106908B2 (ja) 組織の挙上システム
JP4505361B2 (ja) 把持鉗子
JP2014171629A (ja) 内視鏡装置用補助具及びこれを用いた内視鏡装置
JP2012024607A (ja) 縫合器
JP4847037B2 (ja) 磁性体鉗子
JP4505360B2 (ja) 磁性体留置具の探知及び把持装置
JP2009291492A (ja) 臓器把持具
JP6049583B2 (ja) 喉頭鏡及びこれを用いた医療システム
JP5224279B2 (ja) 内視鏡用磁気アンカー誘導装置
EP1797824A1 (en) Laparoscopy surgical device
EP1972283B1 (en) Tissue lifting system, and indwelling tool
JP4349847B2 (ja) 内視鏡用磁気アンカー遠隔誘導システム
JP4446050B2 (ja) 把持装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120110

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120327

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120731

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120918

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121003

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5106908

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250