JP5106908B2 - 組織の挙上システム - Google Patents
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Description
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、留置具を体内に簡単に、かつ確実に留置できるようにすることを主な目的とする。
図1は、本実施態様に使用する留置具及び留置装置が示されている。留置装置1は、術者が操作する操作部2を有する。操作部2の本体部3の基端には、術者が指をかけるリング4が設けられている。この本体部3には、スライダ5が進退自在に取り付けられている。スライダ5は、圧縮型のコイルスプリング6で先端に向けて付勢されている。スライダ5には、パイプ7が接続されており、パイプ7内にワイヤが通されている。ワイヤは、本体部3の先端に固定されたコイルシース9内に進退自在に通されている。コイルシース9は、挿入管10に進退自在に通されている。挿入管10は、フッ素樹脂や、ポリエチレン樹脂などのプラスチックから製造されている。挿入管10の基端部には、術者が掴むグリップ11が設けられている。挿入管10及びコイルシース9は、長尺で可撓性を有し、不図示の内視鏡の作業用チャンネルに挿入される。コイルシース9内に延びるワイヤ8は、スライダ5に固定されている。ワイヤ8の先端部に、留置具15の接続板16が溶接されている。
磁性体20は、本体部25の基端が縮径された保持部26になっている。本体部25の外径は、挿入管10の内径よりも太く、挿入管10の外径に略等しい。保持部26は、挿入管10の内周に圧入などによって緩く嵌め込まれる。磁性体20の長手軸は、磁性体20の直径よりも十分に大きい、磁性体20の長手軸と、留置装置1の先端部の長手方向とは略一致する。磁性体(磁性材料)は、軟磁性体と硬磁性体の2つのタイプに分けられ、本実施の形態では、この磁性体20は、硬磁性体から製造されている。
図5に示すように、生体内の自然の開口(口、肛門、鼻、耳など)から管腔器官W1に内視鏡41を挿入する。内視鏡41の先端部に設けられた照明42及び観察装置43で管腔器官W1の内部を観察し、管腔器官W1の内部側に生じた病変部W2を確認する。内視鏡41の作業用チャンネル44に、1つ目の留置具15が装着された留置装置1を通す。留置装置1は、先端部の長手方向が作業用チャンネル44の長さ方向の軸線に沿って挿入される。したがって、留置具15の磁性体20は、軸線が作業用チャンネル44及び内視鏡41の長手軸方向と平行になるように挿入される。
留置具15を留置したら、内視鏡41を管腔器官W1から引き抜く。図8に示すように、腹壁W4の病変部W2に近い位置に穿孔を2つ形成し、その各々に鉗子ポートW5を挿入する。
図11は、本実施態様に使用される磁性体を示す。磁性体ユニット60は、円柱形の本体部61を有する。本体部61は、本実施の態様においては軟磁性体材料から製造される。軟磁性体(軟磁性材料や軟質磁性材料とも呼ぶ)とは、磁性体のうち、磁気の影響を取り去ると磁石ではなくなってしまう性質を有するものである。すなわち、磁場の中に置くと磁化(着磁)し、磁場の中から出す(磁場を取り去る)と実質的に脱磁してしまう性質を有するものであって、軟磁性体の材料としては、鉄、純鉄、ケイ素鉄、パーマロイ鉄等が知られている。
磁性体ユニット60は、ワイヤ29と、クリップ18と、チューブ17と、接続板16と共に留置具65を構成する。留置具65は、留置装置1に装着される。本体部61の外径は、挿入管10の外径に略等しい。第二の部分63の保持部26は、挿入管10に緩く嵌め込み可能である。留置具65を留置装置1に装着したときは、本体部61の長手軸と、留置装置1の先端部の軸線とが一致する。
留置具65を装着した留置装置1を内視鏡41の作業用チャンネル44を通して病変部W2の周囲に挿入する。このとき、磁性体ユニット60の軸線は、作業用チャンネル44の長手軸の軸線及び内視鏡41の軸線と略平行に挿入される。ワイヤ8を後退させて、留置具65のクリップ18を病変部W2の周囲に係止させたら、磁石鉗子30を管腔器官W1の外部側から近接させる。磁石鉗子30の磁界によって磁性体ユニット60の本体部61が磁化して磁石鉗子30に吸い寄せられる。
図13は、本実施態様に使用される磁性体を示す。磁性体70は、円柱形状を有し、永久磁石から製造される。磁性体70は、先端部が球状に成形された円柱形の本体部71と、本体部71の基端に設けられて縮径された保持部72とを有する。磁性体70の長手方向の軸線は、本体部71の直径よりも十分に大きい。本体部71は、長手方向の中央付近で、長手軸と直交するように2つに分極されている。本体部71の先端側の一方の端部70Aは、N極になっている。本体部71の基端側の他方の端部70Bは、S極になっている。
図14は、本実施態様で使用する磁界発生装置である磁石鉗子80を示す。磁石鉗子80は、挿入部81内に磁石82が進退自在に収納されている。磁石82は、挿入部81の長手方向に平行に2つに分極されており、一方の部分82AがN極に、他方の部分82BがS極に着磁されている。
留置具75を装着した留置装置1を内視鏡41の作業用チャンネル44を通して病変部W2の周囲に挿入する。このとき、磁性体70の長手軸の軸線は、作業用チャンネル44の軸線及び内視鏡41の軸線と略平行に挿入される。留置具75のクリップ18を病変部W2の周囲に係止させたら、磁石鉗子80を管腔器官W1の外部側から近接させる。
図16は、本実施態様に使用される磁性体を示す。磁性体90は、細長の本体部91と、本体部91の基端部から延びる保持部92とを有する。本体部91には、円柱の一部が切り取られてできた平面93(側面)が長手方向の軸線に平行に形成されている。本体部91の先端部は、球形に成形されている。本体部91は、永久磁石からなり、これら平面93と平行にN極とS極に分極している。図16では、平面93側の部分91AがN極になり、反対側の切り欠かれていない部分91BがS極になっている。
なお、磁性体90は、ワイヤ29と、クリップ18と、チューブ17と、接続板16と共に、留置具95を構成する。留置具95は、留置装置1に装着される。磁性体90の本体部91の外径は、挿入管10の外径に略等しい。保持部92は、挿入管10に緩く嵌め込み可能である。留置具95を留置装置1に装着したときは、磁性体90の長手軸と、留置装置1の先端部の軸線とは一致する。
留置具95を装着した留置装置1を内視鏡41の作業用チャンネル44を通して病変部W2の周囲に挿入する。このとき、磁性体90の軸線は、作業用チャンネル44の軸線及び内視鏡41の軸線と略平行に挿入される。留置具95のクリップ18を病変部W2の周囲に係止させたら、磁石鉗子30を管腔器官W1の外部側から近接させる。
例えば、磁性体は、長手軸方向に直交する断面視で、多角形であっても良い。作業用チャンネル44は、内視鏡41の外周に取り付けられたチャンネルでも良い。複数の留置具を病変部W2の周囲に留置し、それぞれの磁性体を引き寄せて、病変部W2を含む組織を挙上しても良い。
また、作業用チャンネル44は、内視鏡41に一体的に設けられていなくても良い。この場合、例えば、カプセル内視鏡などのように飲み込み可能な観察装置で観察しながら、観察機能を持たない(観察機能を有しても良いが、観察機能がない方が細径化でき、患者の負担をより低減できる)作業用チャンネルを体内に導入して上記したような処置を行うことができる。
16 接続板
17 チューブ
18 クリップ
20 磁性体
20A 部分
20B 部分
30 磁石鉗子
60 磁性体ユニット
61 磁性体
62 第一の部分
63 第二の部分
65 留置具
70 磁性体
70A 一方の端部
70B 他方の端部
75 留置具
80 磁石鉗子
90 磁性体
91A,91B 部分
95 留置具
Claims (2)
- 生体の管腔器官の内部側に係止されるアンカーと、細長形状を有して長手軸方向の一方の端部がN極となり他方の端部がS極となるように分極した磁性体とを有し、内視鏡の作業用チャンネルを通じて前記管腔器官内へ導入される留置具と、
前記管腔器官の外部側に配置され、前記管腔器官に臨む端部に、前記磁性体の2つの端部に対応してN極及びS極を配列した磁性体を備える磁力発生装置と、
を含み、
前記留置具に設けられた磁性体は、前記長手軸方向に測った長さが前記作業用チャンネルの内径よりも大きく、且つ、前記長手軸方向と直交する方向に測った幅が前記作業用チャンネルの内径よりも小さな細長形状とされており、
前記磁力発生装置は、磁石が進退自在に収納された挿入部を有する磁石鉗子であり、
前記磁石は、前記挿入部の長手方向に平行に2つに分極されており、
前記磁石のN極に前記留置具の磁性体のS極が引き寄せられ、且つ前記磁石のS極に前記留置具の磁性体のN極が引き寄せられることにより、前記留置具の磁性体の前記長手軸方向の向きは、前記挿入部の長手方向に対して直交する方向で、かつ、前記磁石のN極とS極の並び方向に合わせられる
組織の挙上システム。 - 前記磁性体の側面の少なくとも一部が、前記長手軸に平行な平面からなることを特徴とする請求項1に記載の組織の挙上システム。
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