JP2008259503A - 機能活性抗体を誘発する髄膜炎菌性bエピトープの分子模倣物 - Google Patents

機能活性抗体を誘発する髄膜炎菌性bエピトープの分子模倣物 Download PDF

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Abstract

【課題】Neisseria meningitidis血清型B細菌に対して、補体媒介性の殺菌活性および/またはオプソニン活性を示す抗体の産生を誘発する薬剤の提供。
【解決手段】N.meningitidis血清型B(MenB)P1.2血清亜型のPorAのループ4に対する表面に露出したエピトープの分子模倣物。この模倣物に対して産生される抗体。アミノ酸配列QTPを含むGNA33ペプチドであって、このペプチドが、N.meningitidis血清型B細菌に対して、補体媒介性の殺菌活性および/またはオプソニン活性を示す抗体の産生を誘発し得る。このような分子模倣物またはこれに対する抗体を含有する組成物は、MenB疾患を予防するため、およびMenB感染の診断のために使用され得る。
【選択図】なし

Description

(技術分野)
本発明は、一般的には、細菌性病原体に関する。特に、本発明は、Neisseria
meningitidis血清型B(MenB)P1.2血清亜型のPorAのループ4に対する表面に露出したエピトープの分子模倣物およびこの模倣物に対して産生される抗体に関する。
(発明の背景)
Neisseria meningitidisは、細菌性の髄膜炎および敗血症の原因物質である。髄膜炎菌は、莢膜抗原および細胞壁抗原の免疫学的特徴に基づいて血清学的な群に分類される。現在認識されている血清型は、A、B、C、W−135、X、Y、Zおよび29Eを含む。血清型特異性の原因である多糖類は、これらの群のいくつかから精製され、A、B、C、W−135およびYが挙げられる。
N.meningitidis血清型B(本明細書中で「MenB」または「NmB」と呼ばれる)は、アメリカ合衆国およびヨーロッパに居住している未成年者および小児における大部分の細菌性髄膜炎の原因となる。この生物はまた、若年成人における致死的な敗血症を引き起こす。青年では、外膜タンパク質(OMP)小胞からなる実験的なMenBワクチンが、幾分防御性である。しかし、ワクチン接種した未成年者(疾患の危険性が最大の年齢層)では、防御性は、観察されていない。さらに、OMPワクチンは、血清型特異性および亜型特異性であり、そして優性MenB株は、地理的な変異および時間的な変異の両方に制約され、このようなワクチンの有用性を制限している。
効果的な莢膜の多糖類に基づくワクチンは、血清型A、C、YおよびW135によって引き起こされる髄膜炎菌性疾患に対して開発されている。しかし、MenB多糖類ワクチンを開発する同様な試みは、莢膜MenB多糖類(本明細書中で「MenB PS」と呼ばれる)の乏しい免疫原性に起因して失敗している。MenB PSは、N−アセチル(α2−>8)ノイラミン酸のホモポリマーである。Escherichia coli K1は、同一の莢膜多糖類を有する。MenB PSにより誘発される抗体は、宿主のポリシアル酸(PSA)と交差反応する。PSAは、胎児および新生児の組織、特に、脳組織に見られる神経細胞接着分子(「NCAM」)上で大量に発現される。PSAはまた、腎臓、心臓および嗅神経を含む成人組織で、より少ない程度に見出される。従って、ほとんどの抗MenB PS抗体はまた、自己抗体である。それゆえ、このような抗体は、胎児の発育に悪影響を与えるか、または自己免疫疾患をもたらす可能性を有する。
MenB PS誘導体は、MenB PSの乏しい免疫原性を回避する試みにおいて調製されてきた。例えば、C〜CN−アシル置換MenB PS誘導体が、記載されている。Jenningsらに対するEP公開番号504,202Bを参照のこと。同様に、Jenningsらに対する米国特許第4,727,136号は、本明細書中で「NPr−MenB PS」と呼ばれるN−プロピオニル化MenB PS分子を記載している。NPr−MenB PS複合糖質で免疫したマウスが、高い力価のIgG抗体を誘発することが報告された。Jenningsら、(1986)J.Immunol.137:1708。ウサギでは、2つの異なる抗体の集団(2つの異なるエピトープと結合されるといわれ、1つは、ネイティブなMenB PSによって共有され、そして1つは共有されていない)を、誘導体を用いて作製した。殺菌活性は、MenB PSと交差反応しない抗体集団で見出された。Jenningsら、(1987)J.Exp.Med.16
5:1207。この結合体によって誘発される防御性抗体と反応する、細菌性表面エピトープの同一性は、未知のままである。さらに、このワクチンによって誘発される抗体の部分集合は、宿主のポリシアル酸と自己反応性を有するので(Granoffら、(1998)J.Immunol.160:5028)、ヒトにおけるこのワクチンの安全性は、不確かなままである。
これらの試みにも関わらず、従来のアプローチは、安全かつMenB感染に対して広範な防御性を付与し得る抗原の同定に失敗している。
種々の病原体に対して防御性の免疫応答を誘発するため、ならびに癌および自己免疫疾患の処置のために、分子模倣性抗原を使用することに、相当な関心が存在する。感染性疾患の予防のためにワクチンを開発するこのアプローチは、名目上の抗原が毒性であるかもしくは精製が困難である場合、または限定した数のエピトープに免疫応答を指向することが望ましい場合、最大の有用性を有する。それにも関わらず、病原体に対する防御性抗体を誘発する模倣性ワクチンの成功を報告する研究は、比較的わずかしかない。
MenB PS誘導体に対して指向される多数の機能的に活性な抗体は、米国特許第6,048,527号に記載されている。これらの抗体は、宿主組織と、交差反応しないかまたは最小限に交差反応し、従って、自己免疫疾患を惹起する最小限の危険性をもたらす。米国特許第6,030,619号は、これらの抗体を使用して同定されたMenB PSの固有なエピトープの分子模倣物を記述している。しかし、他のMenB抗原のペプチド模倣物の発見は、相当の関心を残している。
MenB(MC58株)の完全なゲノム配列は、記述されている。Tettelinら、Science(2000)287:1809。血清殺菌性抗体応答を誘発するいくつかのタンパク質が、全体のゲノム配列決定によって同定されている。これらのタンパク質は、保存された配列を有し、そしてカプセル化されたMenB株上の表面に露出されているようである。Pizzaら、Science(2000)287:1816.これらのタンパク質の1つは、GNA33(ゲノム由来の抗原)である。GNA33は、リポタンパク質であり、そして推定されたアミノ酸配列は、E.coliおよびSynechocystis sp.由来の膜結合溶解性ムレイントランスグリコシラーゼ(MltA)と相同性を示す。Lommatzschら、J.Bacteriol.(1997)179:5465〜5470。GNA33は、Neisseria meningitidisの中で高度に保存されている。Pizzaら、Science(2000)287:1816。組換えGNA33で免疫したマウスは、カプセル化MenB2996株に対して測定された場合、高い血清殺菌性抗体力価を発生した。抗体応答の大きさは、2996株から調製されたOMP小胞で免疫したコントロール動物の大きさと同様であった。しかし、GNA33が防御性抗体を誘発する機構は、同定されておらず、異なるMenB株に対する防御性応答の寛容も同定されていなかった。
MenBに対して安全かつ有効なワクチンの産生が、特に望ましいことが容易に理解される。
(発明の要旨)
本発明は、GNA33が、P1.2血清型亜型を有する株のPorAのループ4において、表面に露出したエピトープを模倣することによってMenBに対する保護抗体を誘発するという、思いがけない発見に基づく。このような抗体の機能活性は、本明細書中に記載されるように、ヒトにおける髄膜炎菌性疾患に対して保護する分子因子の能力を予測する
インビトロおよびインビボでの機能アッセイを用いることによって評価されている。
従って、一実施形態において、本発明は、MenB細菌に対する機能的活性を行う抗体の産生に有用なエピトープを含む、GNA33ペプチドに関する。このペプチドは、全長未満のGNA33配列を含む。特に好ましい実施形態において、このペプチドは、アミノ酸配列QTPおよび、必要に応じて、QTP配列に対してC末端またはN末端のいずれかに生じる、さらなるQTP配列の前または後ろのフランキング配列(好ましくは1〜50またはそれ以上であるが全長配列ではない(例えば、1〜3、1〜5、もしくは1〜10または1〜25あるいはこれらの範囲間の任意の整数値)アミノ酸)を含む。代表的なGNA33配列を図3(配列番号1)に示す。このQTPは、図3の106〜108位に生じる。この配列は、種々のMenB株(例えば、本明細書中に記載される)が異なるフランキング配列を有するように、図3に示されるように、QTPに隣接する配列に限定されないことが理解される。種々の菌株におけるPorA領域の配列は公知であり、そのいくつかが、表2に示される。
特定の実施形態において、GNA33ペプチドは、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む:FQTPV(配列番号2)、FQTPVHS(配列番号3)、AFQTPVHS(配列番号4)、QAFQTPVHS(配列番号5)、AQAFQTPVHS(配列番号6)、AQAFQTPVH(配列番号7)、AQAFQTPV(配列番号8)、QAFQTPVHSF(配列番号9)、AFQTPVHSFQ(配列番号10)、FQTPVHSFQA(配列番号11)、QTPVHSFQAK(配列番号12)、DVSAQAFQTP(配列番号12)、VSAQAFQTPV(配列番号13)およびSAQAFQTPVH(配列番号14)。
他の実施形態において、本発明は、血清学的に異なる外膜タンパク質の他のエピトープを挿入するためのキャリア、ならびに一般的なキャリアとしての、GNA33ポリペプチドの使用に関する。
別の実施形態において、本発明は、これらのペプチドをコードするポリヌクレオチドおよびこのポリヌクレオチドを含む組み換えベクター、このベクターを含む宿主細胞、ならびにこのペプチドを組み換え生成する方法に関する。
なお他の実施形態において、本発明は、GNA33エピトープに対する抗体に関し、ここで、この抗体は、GNA33エピトープによって結合され得、そして/またはMenB細菌に対する機能活性を立証する。さらに以下に説明されるように、本明細書中に記載されるアッセイを用いて決定されるように、この抗体分子がMenBに対して補体が媒介する殺菌活性および/またはオプソニン活性を示す場合、抗体は、MenB生物に対する機能活性を示す。代表的なGNA33エピトープとしては、QTP、FQTPV(配列番号2)、FQTPVHS(配列番号3)、AFQTPVHS(配列番号4)、QAFQTPVHS(配列番号5)、AQAFQTPVHS(配列番号6)、AQAFQTPVH(配列番号7)、AQAFQTPV(配列番号8)、QAFQTPVHSF(配列番号9)、AFQTPVHSFQ(配列番号10)、FQTPVHSFQA(配列番号11)、QTPVHSFQAK(配列番号12)、DVSAQAFQTP(配列番号12)、VSAQAFQTPV(配列番号13)およびSAQAFQTPVH(配列番号14)が挙げられる。
本発明の別の実施形態は、GNA33エピトープに対するモノクローナル抗体およびそれらのモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマに関する。好ましくは、このモノクローナル抗体は、MenB生物に対する機能活性を示す。
本発明のなおさらなる実施形態は、MenBのエピトープのさらなる分子模倣物(mimetic)を単離するための方法およびこの方法を用いて同定される分子模倣物に関する。この方法は、以下の工程を包含する:
(a)MenBのエピトープの推定分子模倣物を含む分子集団を提供する工程;
(b)存在する場合、複合体を提供するために、抗体および分子模倣物の間の免疫学的結合を可能にする条件下で、この分子集団を、本明細書中に記載される抗体と接触させる工程;および
(c)非結合分子から複合体を分離する工程。
別の実施形態において、本発明は、薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて、GNA33、または上記のようなエピトープを含むGNA33のペプチドを含む組成物に関する。
なお別の実施形態において、本発明は、薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて、GNA33ポリペプチドに対する抗体を含む組成物に関する。
別の実施形態において、本発明は、哺乳動物被験体におけるNeisseria meningitidis血清型Bに対する免疫応答を誘発する方法に関し、この方法は、被験体に対し、上記のようなGNA33ペプチドを投与する工程を包含する。
別の実施形態において、本発明は、哺乳動物被験体においてMenB疾患を処置または予防するための方法に関し、この方法は、有効量の上記組成物を被験体に投与する工程を包含する。
別の実施形態において、本発明は、生物学的サンプル中のNeisseria meningitidis血清型B抗体を検出するための方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:
(a)生物学的サンプルを提供する工程;
(b)Neisseria meningitidis血清型B抗体を、上記生物学的サンプル中に存在する場合、GNA33ポリペプチドに結合し得る条件下で、生物学的サンプルをGNA33ポリペプチドと反応させ、抗体/GNA33ポリペプチド複合体を形成する工程;および
(c)この複合体の存在または非存在を検出し、
これによって、サンプル中のNeisseria meningitidis血清型B抗体の存在または非存在を検出する工程。
代表的なGNA33ポリペプチドとしては、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、GNA33ペプチドが挙げられる:QTP、FQTPV(配列番号2)、FQTPVHS(配列番号3)、AFQTPVHS(配列番号4)、QAFQTPVHS(配列番号5)、AQAFQTPVHS(配列番号6)、AQAFQTPVH(配列番号7)、AQAFQTPV(配列番号8)、QAFQTPVHSF(配列番号9)、AFQTPVHSFQ(配列番号10)、FQTPVHSFQA(配列番号11)、QTPVHSFQAK(配列番号12)、DVSAQAFQTP(配列番号12)、VSAQAFQTPV(配列番号13)およびSAQAFQTPVH(配列番号14)。したがって、本発明は、以下を提供する。
(1)アミノ酸配列QTPを含むGNA33ペプチドであって、該ペプチドが、Neisseria meningitidis血清型B細菌に対して、補体媒介性の殺菌活性および/またはオプソニン活性を示す抗体の産生を誘発し得る、GNA33ペプチド。
(2)項目1に記載のGNA33ペプチドであって、該ペプチドが、FQTPV(配列番号2)、FQTPVHS(配列番号3)、AFQTPVHS(配列番号4)、QAFQTPVHS(配列番号5)、AQAFQTPVHS(配列番号6)、AQAFQTPVH(配列番号7)、AQAFQTPV(配列番号8)、QAFQTPVHSF(配列番号9)、AFQTPVHSFQ(配列番号10)、FQTPVHSFQA(配列番号11)、QTPVHSFQAK(配列番号12)、DVSAQAFQTP(配列番号12)、VSAQAFQTPV(配列番号13)およびSAQAFQTPVH(配列番号14)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、GNA33ペプチド。
(3)前記ペプチドが、アミノ酸配列FQTPV(配列番号2)を含む、項目2に記載のGNA33ペプチド。
(4)項目1〜3のいずれか1項に記載のGNA33ペプチド、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、組成物。
(5)哺乳動物被験体において、Neisseria meningitidis血清型B細菌に対する免疫応答を誘発するための方法における、項目4に記載の組成物の使用。
(6)哺乳動物被験体においてNeisseria meningitidis血清型B細菌に対する免疫応答を誘発するための方法であって、該被験体に有効量の項目4に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
(7)項目1〜3のいずれか1項に記載のGNA33ペプチドに対して指向されるモノクローナル抗体であって、該抗体が、Neisseria meningitidis血清型B細菌に対して、補体媒介性の殺菌活性および/またはオプソニン活性を示す、モノクローナル抗体。
(8)項目7に記載のモノクローナル抗体、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、組成物。
(9)GNA33ポリペプチドに対する抗体を含む組成物であって、該抗体が、Neisseria meningitidis血清型B細菌に対して、補体媒介性の殺菌活性および/またはオプソニン活性を示す、組成物。
(10)前記抗体が、モノクローナル抗体である、項目9に記載の組成物。
(11)哺乳動物被験体において、Neisseria meningitidis血清型B細菌に対する免疫応答を誘発するための方法における、項目8〜10のいずれか1項に記載の組成物の使用。
(12)哺乳動物被験体において、Neisseria meningitidis血清型B細菌に対する免疫応答を誘発するための方法であって、該被験体に有効量の項目8〜10のいずれか1項に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
(13)
項目1〜3のいずれか1項に記載のペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
(14)組換えベクターであって、以下:
(a)項目13に記載のポリヌクレオチド;および
(b)該ポリヌクレオチドに作動可能に連結される、少なくとも1つの異種制御エレメント、
を含む、組換えベクターであって、該組換えベクターによって、該ポリヌクレオチドが、宿主細胞中で転写および翻訳され得、そして該制御エレメントの少なくとも1つが、該ポリヌクレオチドに対して異種である、組換えベクター。
(15)項目14に記載の組換えベクターを含む、宿主細胞。
(16)GNA33ペプチドを産生するための方法であって、該方法が、タンパク質を産生するための条件下で、項目15に記載の宿主細胞を培養する工程を包含する、方法。
(17)Neisseria meningitidis血清型B細菌のエピトープの分子模倣物を単離するための方法であって、該方法が、以下:
(a)Neisseria meningitidis血清型B細菌のエピトープの推定上の分子模倣物を含む分子の集団を提供する工程;
(b)該分子の集団を抗GNA33抗体と接触させる工程であって、該抗体と該分子模倣物(存在する場合)との間の免疫学的結合を可能にして、複合体を提供する条件下で接触させる工程;および
(c)非結合分子から該複合体を分離する工程、
を包含する、方法。
(18)生物学的サンプル中でNeisseria meningitidis血清型B抗体を検出するための方法における、GNA33ポリペプチドの使用。
(19)生物学的サンプル中でNeisseria meningitidis血清型B抗体を検出するための方法における、項目1〜3のいずれか1項に記載のGNA33ペプチドの使用。
(20)生物学的サンプル中でNeisseria meningitidis血清型B抗体を検出するための方法であって、該方法が、以下:
(a)生物学的サンプルを提供する工程;
(b)該生物学的サンプルをGNA33ポリペプチドと反応させる工程であって、該生物学的サンプル中に存在する場合、Neisseria meningitidis血清型B抗体を、該GNA33ポリペプチドと結合させて、抗体/GNA33ポリペプチド複合体を形成する条件下で反応させる工程、および
(c)該複合体の存在または非存在を検出する工程であって、それによって、該サンプル中のNeisseria meningitidis血清型B抗体の存在または非存在を検出する工程、
を包含する、方法。
(21)生物学的サンプル中のNeisseria meningitidis血清型B抗体を検出するための方法であって、該方法が、以下:
(a)生物学的サンプルを提供する工程;
(b)該生物学的サンプルを項目1〜3に記載のいずれか1項に記載のGNA33ペプチドと反応させる工程であって、該生物学的サンプル中に存在する場合、Neisseria meningitidis血清型B抗体を、該GNA33ポリペプチドと結合さ
せて、抗体/GNA33ポリペプチド複合体を形成する条件下で反応させる工程;および
(c)該複合体の存在または非存在を検出する工程であって、それによって、該サンプル中のNeisseria meningitidis血清型B抗体の存在または非存在を検出する工程、
を包含する、方法。
本発明のこれらまたは他の実施形態は、本明細書中の開示を考慮して、当業者に容易になされ得る。
(本発明の詳細な説明)
本発明の実施は、他に示されなければ、免疫学、微生物学および分子生物学の慣習的な
技術を使用し、これらは当該分野の技術の範囲内である。このような技術は以下の文献で十分説明されている。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、1989);SambrookおよびRussell、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2001);MorrisonおよびBoyd、Organic Chemistry(第3版、1973);CareyおよびSundberg、Advanced Organic Chemistry(第2版、1985);Smith,M.B.,Organic Synthesis(1994);Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning(1984);およびHandbook of Experimental Immunology,第I巻−第IV巻(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編、1986,Blackwell Scientific Publications)を参照のこと。
本明細書中および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形態「a」「an」および「the」は、他に指示されなければ、複数の言及を含む。
(I.定義)
本発明の記載において、以下の用語が使用され、そして以下に示されるように定義されることが意図される。
「GNA33ポリペプチド」とは、GNA33タンパク質由来のポリペプチドを意味し、このポリペプチドは、MenBに対する免疫学的応答(例えば、以下に示すようなMenB細菌に対する機能的活性を実証する抗体の産生)を誘発し得る。この用語は、GNA33由来の個々の高分子または抗原性高分子の相同性集団もしくは異種集団を示すために用いられ得る。本発明の目的のために、GNA33ポリペプチドは、種々の公知のMenB株のいずれかから誘導され得る。2996株についてのGNA33配列を、図3(配列番号1)に示す。しかし、他のMenB株由来の多数のGNA33配列が知られている。例えば、GenBank登録番号C81244、B82023、AF226395、AF226392、AF226390、AF226403、AF226413、AF226412、AF226387、AF226409、AF22641、AF226397、AF226389、AF226393、AF226416、AF226414、AF226402、AF226404、AF235145、AF235144、AF235143、Neisseria meningitidis;E83491、Pseudomonas
aeruginosa(PAO1株);AF300471、Zymomonas mobilis;AAK85834、Agrobacterium tumefaciens;CAC41396、Sinorhizobium meliloti;AAK25702、Caulobacter crescentus;S76334、Synechocystis sp.(PCC 6803株);AAK03012、Pasteurella multocida;Q9KPQ4、Vibrio cholerae;AAB40463、AAC45723、P46885、Escherichia coli;P57531、Buchnera aphidicola(Acyrthosiphon pisum);NP143714、Pyrococcus horikoshiiを参照のこと。
本明細書中に使用される場合、「GNA33ポリペプチド」はまた、シグナル配列(図3のアミノ酸1〜21)を有するか、またはそれを有さない、全長GNA33参照配列を含む、ネイティブのGNA33配列由来の分子、および組換え産生または化学合成されたGNA33ポリペプチド、ならびに下記のように免疫原性を保持するGNA33ペプチドを含む。
用語「アナログ」とは、参照分子の誘導体をいう。アナログは、上記のような、生物学的活性(例えば、MenBに対する機能的活性を有する抗体の形成を誘発する能力)を保持し得る。一般に、用語「アナログ」とは、改変が活性を損なわない限りにおける、ネイティブの分子に対して1以上のアミノ酸の付加、(一般的には、性質が保存される)置換、および/または欠失を有するネイティブのポリペプチドの配列および構造を有する化合物をいう。好ましくは、アナログは、親分子と少なくとも同じ生物学的活性を有し、そして親分子よりも増強された活性さえ示し得る。ポリペプチドアナログを作製するための方法は、当該分野において公知であり、以下にさらに記載される。
例えば、アナログは、一般的には、参照分子に対して少なくとも約50%のアミノ酸同一性を有し、より好ましくは、問題のネイティブペプチド配列の関連する部分に対して約75〜85%の同一性、そして最も好ましくはそれに対して約90〜95%以上の同一性を有する。そのアミノ酸配列は、約10〜75アミノ酸以下の置換を有するか、約5〜50アミノ酸以下の置換を有するか、または1、2、3もしくは5つまでの置換有するのみであるか、あるいは上記の範囲の間の任意の置換を有する。特に好ましい置換は、一般に、性質を保存する(すなわち、これらの置換は、アミノ酸のファミリー内で起こり得る)。この事について、アミノ酸は、一般的に、以下の4つのファミリーに分類される:(1)酸性−−アスパラギン酸およびグルタミン酸;(2)塩基性−−リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性−−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、;ならびに(4)非荷電極性−−グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンは、しばしば、芳香族アミノ酸として分類される。例えば、ロイシンとイソロイシンまたはバリンとの単発的置換、またはその逆;アスパラギン酸とグルタミン酸との単発的置換またはその逆;トレオニンとセリンとの単発的置換またはその逆;あるいは、アミノ酸と、構造的に関連するアミノ酸との類似の保存的置換が、その活性に対する主要な効果を有さないことは、理論的に予想できる。従って、参照分子と本質的に同じアミノ酸配列を有するが、そのタンパク質の免疫原性に実質的に影響しない、主要でないアミノ酸置換を有するタンパク質は、GNA33ポリペプチドの定義の範囲内である。当業者は、本明細書中で規定される生物学的活性を保持するという理論的な見こみをもって改変され得る目的の分子の領域を容易に決定し得る。
「GNA33ペプチド」とは、全長に満たない問題の参照GNA33分子を含み、かつ以下に規定される少なくとも1つのエピトープを含む、本明細書中に記載されるGNA33ポリペプチドである。従って、GNA33ペプチドを含む組成物は、全長分子の一部を含むが、問題のGNA33ペプチドの全ては含まない。GNA33ペプチドの非限定の例としては、QTP、FQTPV(配列番号2)、FQTRVHS(配列番号3)、AFQTPVHS(配列番号4)、QAFQTPVHS(配列番号5)、AQAFQTPVHS(配列番号6)、AQAFQTPVH(配列番号7)、AQAFQTPV(配列番号8)、QAFQTPVHSF(配列番号9)、AFQTPVHSFQ(配列番号10)、FQTPVHSFQA(配列番号11)、QTPVHSFQAK(配列番号12)、DVSAQAFQTP(配列番号12)、VSAQAFQTPV(配列番号13)およびSAQAFQTPVH(配列番号14)が挙げられる。
MenBの「分子模倣物」とは、MenB細菌上で発現される少なくとも1つのエピトープを機能的に模倣する分子である。そのような分子模倣物は、ワクチン組成物として、および以下にさらに記載されるような、診断適用または治療適用のための抗体の誘発に有用である。分子模倣物としては、以下:低分子有機化合物、核酸および核酸誘導体;多糖またはオリゴ糖;ペプチド、タンパク質およびそれらの誘導体を含むペプチド模倣物(例えば、非ペプチド有機部分を含有するペプチド、合成ペプチド(これらはアミノ酸結合および/またはペプチド結合を保有していても、保有してなくてもよいが、ペプチドリガン
ドの構造的特徴および機能的特徴を保持している));ピロリジン;ペプトイドおよびオリゴペプトイド(これらはN置換グリシン(例えば、Simonら、(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:9367により記載されるN置換グリシン)を含む分子である)ならびに抗体(抗イディオタイプ抗体を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。分子模倣物を同定および産生するための方法が、以下により詳細に記載される。
用語「抗体」は、ポリクローナル抗体調製物およびモノクローナル抗体調製物、ならびにハイブリッド抗体、変更された抗体、ヒト化抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab)分子、Fvフラグメント、ファージ上に提示された単鎖フラグメント改変体(scFv)、単一ドメイン抗体、キメラ抗体および本発明の抗体分子の免疫学的結合特性を示すそれらの機能性フラグメントを含む調製物を包含する。
本明細書中で使用される場合、「モノクローナル抗体」とは、相同性抗体集団を有する抗体組成物をいう。この用語は、それが作製される様式により限定されない。この用語は、免疫グロブリン分子、ならびにFab分子、F(ab’)フラグメント、Fvフラグメント、ファージ上に提示された単鎖フラグメント改変体(scFv)、ヒト化抗体および本発明のモノクローナル抗体分子の免疫学的結合特性を示す他の分子を包含する。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を作製する方法は、当該分野において公知であり、そして以下により十分に記載される。
「エピトープ」とは、特異的なB細胞およびT細胞が応答する抗原上の部位を意味する。この用語はまた、「抗原決定基」または「抗原決定部位」と互換的に使用され得る。タンパク質、多糖、またはその他の生体ポリマー上のB細胞エピトープ部位は、折りたたみによって同時に送達される高分子の異なる部分由来の部分で構成され得る。この種のエピトープは、コンフォメーショナルエピトープまたは不連続なエピトープとして参照される。なぜなら、この部位は、そのポリマーが直鎖状配列においては不連続だが、折りたたまれたコンフォメーションにおいて連続的であるポリマーのセグメントからなるためである。生体ポリマーまたは他の分子の単一セグメントからなるエピトープは、連続的エピトープまたは直鎖状エピトープと呼ばれる。T細胞エピトープは、一般的に、直鎖状のペプチドに切断される。ペプチドエピトープは、このエピトープに特異的な空間的なコンフォメーションの5以上のアミノ酸を含み得る。一般的に、エピトープは、少なくとも5〜8のそのようなアミノ酸からなり、より一般には、少なくとも8〜10以上のそのようなアミノ酸からなる。アミノ酸の空間的コンフォメーションを決定する方法は、当該分野において公知であり、例えば、X線結晶解析および二次元核磁気共鳴分光法を含む。
エピトープは、任意の多くの当該分野において周知のエピトープマッピング技術を用いて同定され得る。例えば、Epitope Mapping Protocols in
Methods in Molecular Biology、Vol.66(Glenn E. Morris編、1996)Humana Press、Totowa、New Jerseyを参照のこと。例えば、直鎖状エピトープは、例えば、固体支持体上に多数のペプチドを同時に合成し(これらのペプチドは、タンパク質分子の部分に対応する)そしてこれらのペプチドがなお、支持体に付着されている状態で、これらのペプチドと抗体とを反応させることによって決定される。そのような技術は、当該分野において公知であり、例えば、米国特許第4,708,871号;Geysenら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998−4002;Geysenら、(1986)Molec.Immunol.23:709−715(これらのすべては、その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載される。同様に、コンフォメーショナルエピトープは、例えば、X線結晶学および二次元核磁気共鳴分光法により、アミノ酸の空間的コンフォメーションを決定することによって容易に同定される。例えば、
Epitope Mapping Protocols(前出)を参照のこと。例えば、Kyteら、J.Mol.Biol.(1982)157:105−132;ならびにHoppおよびWoods、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1981)78:3824−3828に記載されるように、20のアミノ酸の各々の疎水特性および親水特性を利用して、タンパク質のアミノ酸配列からヒドロパシー(hydropathy)スケールを公式化するコンピュータープログラムもまた用いられて、所定の分子の抗原性部分を決定し得る。例えば、HoppおよびWoodの技術は、各々のアミノ酸に複数の親水性値を割り当て、次いでペプチド鎖に沿って、反復的にこれらの値を平均する。局所的平均親水性の最も高い点は、その分子の抗原性部分を示す。
抗体は、その抗体分子が補体により媒介される細菌活性を示し、そして/または本明細書中に記載されるアッセイを用いて決定されるようなMenBに対するオプソニン活性を示す場合に、MenB生物に対する「機能的活性」を示す。
ポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対していう場合、「精製された」または「単離された」とは、同じ型の他の生体高分子の実質的非存在下で、指示された分子が存在することを意味する。本明細書中で使用される場合、用語「精製された」とは、同じ型の生物学的高分子が、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、なおより好ましくは少なくとも95重量%、そして最も好ましくは少なくとも98重量%が存在することを意味する。特定のポリペプチドをコードする「単離された」ポリヌクレオチドとは、目的のポリペプチドをコードしない他の核酸分子を実質的に含まない核酸分子をいう;しかし、この分子は、その組成物の塩基特性に有害な影響を与えない幾分かの追加の塩基または部分を含み得る。
「組換えGNA33ポリペプチド」とは、上記の技術を用いて測定される生物学的活性を有し、本明細書中に記載されるような組換えDNA技術により調製される、GNA33ポリペプチドが意図される。一般的に、所望のGNA33ポリペプチドをコードする遺伝子は、以下でさらに記載されるように、クローニングされ、次いで形質転換された生物中で発現される。宿主生物は、発現条件下で、外来遺伝子を発現してGNA33ポリペプチドを産生する。組換え的に調製される場合、本発明のポリペプチドは、通常細胞中に存在する他の分子の非存在下で産生され得る。例えば、組換え非MenB宿主細胞により産生される唯一のMenBタンパク質は、組換えGNA33ポリペプチドであるので、MenBタンパク質汚染のいかなる痕跡もないGNA33ポリペプチド組成物は、容易に得ることができる。
本明細書中で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」または「核酸分子」とは、任意の長さのリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかの、ヌクレオチドの重合体形態をいう。この用語は、この分子の1次構造のみをいい、従って、二本鎖および一本鎖のDNAおよびRNAを含む。それはまた、公知の型の改変、例えば、当該分野において公知の標識、メチル化、「キャップ」、天然に存在する1つ以上のヌクレオチドとアナログとの置換、例えば、非荷電の連結(例えば、メチルホスフェート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメート等)および荷電された連結(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート等)を有する内部ヌクレオチド改変、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリLリジン等を含む)のようなペンダント基を有する改変、インターカレーター(intercalator)(例えば、アクリジン、ソラレン等)での改変、キレート(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属等)を含む改変、アルキル化剤(alkylator)を含む改変、改変された連結(例えば、αアノマー核酸等)での改変、ならびに改変されていない形態のポリヌクレオチドもまた含む。
本明細書中で使用される用語「組換えDNA分子」または「組換えポリヌクレオチド」は、ゲノム起源のポリヌクレオチド、cDNA起源のポリヌクレオチド、半合成起源ポリヌクレオチド、または合成起源のポリヌクレオチドをいい、それらは、その起源または操作によって、以下:(1)それが天然で会合するポリヌクレオチドの全てまたは一部と会合していないか、(2)それが天然で連結するポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチドに連結しているか、(3)天然に存在しないポリヌクレオチドである。従って、この用語は、「合成により誘導された」核酸分子を包含する。
「コード配列」とは、適切な調節配列の制御下に配置される場合に、通常、mRNAを介して、ポリペプチドへと翻訳される核酸分子である。コード配列の境界は、5’末端の翻訳開始コドンおよび3’末端の翻訳終結コドンにより決定され得る。コード配列としては、cDNAおよび組換えヌクレオチド配列が挙げられ得るが、これらに限定されない。
「制御配列」とは、それらが連結しているコード配列の発現をもたらすのに必要な核酸配列をいう。そのような制御配列の性質は、宿主生物に依存して異なる;原核生物において、そのような制御配列は、一般的に、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終結配列を含む;真核生物において、そのような制御配列は、プロモーターおよび転写終結配列を含む。用語「制御配列」とは、最小で、コード配列の発現に必要な全ての成分を含み、そして追加の成分(例えば、リーダー配列および融合パートナー配列)も含み得ることが意図される。
制御エレメント(例えば、プロモーター)は、RNAポリメラーゼがこのプロモーターに結合し、そしてコード配列をmRNAに転写するときに細胞内のコード配列の「転写を指向し」、次いでこのmRNAは、そのコード配列によりコードされるポリヌクレオチドへと翻訳される。
「作動可能に連結される」とは、そのように記載された成分が、それらの意図された様式にて機能することを可能にする関係にある近位をいう。コード配列に「作動可能に連結される」制御配列は、コード配列の発現が、制御配列と適合する条件下で達成されるような方法にて連結される。制御エレメントは、そのコード配列の発現を方向づけるように機能する限り、コード配列と連続している必要はない。従って、例えば、介在する、翻訳されないが転写される配列は、プロモーターとコード配列との間に存在し得、そのプロモーターは、コード配列に「作動可能に連結される」と考えられ得る。
本明細書中で使用される場合、用語「発現カセット」とは、制御配列(これは、コード配列のクローニングされたコピーの転写および適切な宿主細胞におけるmRNAの翻訳に必要な全てのヌクレオチド配列を含む)に作動可能に連結される少なくとも1つのコード配列を含む分子をいう。このような発現カセットは、細菌、藍藻類、植物細胞、酵母細胞、昆虫細胞および動物細胞のような種々の宿主において真核生物遺伝子を発現させるために使用され得る。本発明において、発現カセットとしては、クローニングベクター、具体的に指定されたプラスミド、ウイルスまたはウイルス粒子が挙げられ得るが、これらに限定されない。このカセットは、宿主細胞中での自律複製のための複製起点、選択マーカー、種々の制限部位、高コピー数のための能力および強いプロモーターをさらに含み得る。
「ベクター」とは、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルスなどのような任意の遺伝エレメントを意味する。これらは、適切な制御エレメントと関連づけられた場合に複製し得、細胞間で遺伝子配列を移動させ得る。従って、この用語は、クローニングビヒクルおよび発現ビヒクル、ならびにウイルスベクターを含む。
細胞は、ポリヌクレオチドが細胞膜内部に挿入された場合に外因性ポリヌクレオチドに
より「形質転換される」。この外因性ポリヌクレオチドは、細胞のゲノムを構成する染色体DNAに組み込まれても(共有結合されても)よいし、されなくてもよい。原核生物細胞および酵母において、例えば、外因性DNAは、エピソームエレメント(例えば、プラスミド)上で維持され得る。真核生物細胞に関して、安定に形質転換された細胞は、外因性DNAが染色体複製を通じて娘細胞により遺伝されるように染色体へと組み込まれた細胞である。この安定性は、真核生物細胞が、この外因性DNAを含む細胞株または娘細胞の集団から構成されるクローンを樹立する能力により示される。
「宿主細胞」は、形質転換された細胞または外因性核酸分子により形質転換され得る細胞である。
「相同性」とは、2つのポリヌクレオチド間または2つのポリペプチド部分間での同一性%をいう。2つのDNA、または2つのポリペプチドの配列が、その分子の規定の長さにわたり、少なくとも約50%、好ましくは、少なくとも約75%、より好ましくは、少なくとも約80〜85%、好ましくは、少なくとも約90%、そしてもっとも好ましくは、少なくとも約95〜98%の配列同一性を示すか、または特定の範囲の間で任意の同一性%を示す場合、これら2つのDNA、または2つのポリペプチド配列は、互いに「実質的に同じ」である。本明細書中で使用される場合、実質的に相同な、はまた、特定のDNA配列または特定のポリペプチド配列に対して完全な同一性を示す配列をいう。
概して、「同一性」とは、2つのポリヌクレオチド配列または2つのポリペプチド配列に、それぞれ、正確なヌクレオチド間の対応またはアミノ酸間の対応があることをいう。同一性%は、2つの分子の配列を整列させ、この2つの整列された配列間の正確なマッチ数を係数し、短い方の配列の長さで除し、結果に100をかけることによるこれら分子間の配列情報の直接比較により決定され得る。整列は、目的の配列と同一数のアミノ酸を有する配列を用いて行われ得る。
好ましくは、天然に存在するタンパク質改変体または天然に存在しないタンパク質改変体は、図3(配列番号1)に由来する特定のGNA33ポリペプチドと、少なくとも70%、80%、85%、90%、92%または95%以上同一のアミノ酸配列を有する。より好ましくは、この分子は、98%または99%同一である。配列同一性%は、ギャップオープンペナルティー12およびギャップ伸長ペナルティー2、BLOSUMマトリクス62による、アフィンギャップ検索を使用するSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムを使用して決定される。このSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、SmithおよびWaterman,Adv.Appl.Math.2:482−489(1981)において教示される。
あるいは、相同性は、相同領域間で安定な二重鎖を形成する条件下でポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、続いて一本鎖特異的ヌクレアーゼでの消化、および消化したフラグメントのサイズ決定により決定され得る。実質的に相同なDNA配列は、例えば、特定の系について規定されるストリンジェントな条件下で、サザンハイブリダイゼーション実験において同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件を規定することは、当該分野の技術範囲内である。例えば、Sambrookら(前出);DNA Cloning(前出);Nucleic Acid Hybridization(前出)を参照のこと。
用語「有効量」または「薬学的に有効な量」とは、非毒性であるが、所望の生物学的結果を提供するに十分な薬剤の量をいう。その結果は、本明細書中のアッセイを使用して決定される、MenBに対する機能的活性を有する抗体の生成であり得る。さらに、その量は、髄膜炎菌性疾患の症状、徴候または原因の軽減および/または改善を引き起こすに十
分であり得る。任意の個々の症例における適切な「有効」量は、慣用的な実験法を使用して、当業者により決定され得る。
「薬学的に受容可能な」または「薬理学的に受容可能な」とは、生物学的でない、さもなければ所望でない材料を意味する。すなわち、その材料は、所望でない生物学的効果を引き起こすことも、含まれる組成物の成分のいずれによっても有害な様式にて相互作用することもなく、個体に投与され得る。
「生理学的pH」または「生理学的範囲のpH」とは、約7.2〜8.0の範囲のpH、より代表的には、約7.2〜7.6の範囲のpHを意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「哺乳動物」としては、哺乳動物網の任意のメンバー:ヒト、非ヒト霊長類(例えば、チンパンジー)、および他のサル(ape)およびサル(monkey)種:家畜(farm animal)(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ);ペット(domestic animal)(例えば、ウサギ、イヌ、およびネコ);実験動物(ラット、マウスおよびモルモットなどのような齧歯類を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。この用語は、特定の年齢も性別も意味しない。
本明細書中で使用される場合、用語「免疫学的に結合(する)」および「免疫学的な結合特性」とは、免疫グロブリン分子と抗原(これに、その免疫グロブリンが特異的である)との間に生じる、非共有結合的相互作用の型をいう。
本明細書中で使用される場合、「生物学的サンプル」とは、被験体から単離された組織または流体のサンプル(このサンプルとしては、例えば、血液、血漿、血清、糞便、尿、骨髄、胆汁、髄液、リンパ液、皮膚サンプル、皮膚、呼吸管、腸管および尿生殖管の外分泌物、涙、唾液、乳汁、血球、器官、生検が挙げられるが、これらに限定されない)そしてまた、インビトロの細胞培養物の構成成分のサンプル(このサンプルとしては、培養培地中の細胞および組織(例えば、組換え細胞)および細胞成分の増殖から得られた馴化培地が挙げられるが、これらに限定されない)をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「標識」および「検出可能な標識」とは、検出し得る分子をいい、これらとしては、放射活性同位体、蛍光剤(fluorescer)、化学発光剤(chemiluminescer)、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素インヒビター、発色団、色素、金属イオン、金属ゾル、リガンド(例えば、ビオチンまたはハプテン)などが挙げられるが、これらに限定されない。用語「蛍光分子」とは、検出可能な範囲にて蛍光を示し得る物質またはその部分をいう。本発明において使用され得る標識の特定の例としては、フルオレセイン、ローダミン、ダンシル、ウンベリフェロン、テキサスレッド、ルミノール、NADPH、およびβ−ガラクトシダーゼが挙げられる。
(II.本発明を実施する態様)
本発明は、GNA33(E.coli ムレイントランスグリコシラーゼと相同性を有するリポタンパク質)が、血清型P1.2の株においてPorAのループ4上のエピトープを模倣する結果として、防御抗体を惹起するという発見に基づく。GNA33は、生細菌では表面に露出していないが、細胞質周辺腔に位置する。重複ペプチドを使用した殺菌性抗GNA33 mAbのエピトープマッピングにより、このmAbがGNA33由来のペプチドおよびPorA(結合に必要なQTP配列を共有する)由来のペプチドを認識することが示される。フローサイトメトリーにより、抗GNA33 mAbは、コントロール抗PorA(P1.2)mAbと同様に、P1.2血清型の大部分のMenB株の細菌表面に結合する。抗GNA33抗体は、P1.2株でチャレンジした新生仔ラットにおいて受動性防御を付与する。従って、GNA33は、PorAに対する防御抗体を惹起する
新規な模倣物である。PorAとは異なり、GNA33は、投与された場合、タンパク質を再生する必要性なくして防御抗体を惹起する。本明細書中において本発明者らは、GNA33が今日までに同定されたもっとも強力な模倣抗原のうちの1つであることを発見した。
GNA33が、PorA P1.2エピトープの免疫学的模倣を示すという発見は、P1.2株(これは、米国における血清型B単離株の約8%を示す(Tondellaら、J.Clin.Microbiol.(2000)38:3323−3328))により引き起こされる疾患の予防のためのワクチンにおける使用についてのGNA33の有用性を立証する。さらに、他のPorAループをGNA33またはGNA33のサブドメインに弛緩することにより、髄膜炎菌の多価ワクチンにおける抗原として有用な他の血清亜型PorAエピトープの免疫学的模倣物を生成することが可能である。このようなワクチンは、組換えPorAに基づくワクチンを超える多くの利点を有する。例えば、このようなワクチンの調製は、界面活性剤による抽出も、再折りたたみも、脂質ビヒクル中での再構成もする必要なく、従来のように非感染性E.coliにおいて大量に発現され得るrGNA33として非常に簡単にされる。また、疾患を引き起こす新たに出現したNmB株由来のPorA改変体のエピトープ含有セグメントは、必要に応じて、GNA33に置換され得る。
従って、GNA33ポリペプチド、GNA33ペプチド、GNA33抗体および他のMenB模倣物は、診断試薬として、および/またはMenB疾患を予防するための組成物中で使用され得る。GNA33に対して調製される抗体は、MenB細菌に対する機能的活性を示し、ここで、機能的活性は、MenB疾患に対する防御を付与する際に重要である。この抗体は、アイソタイプに関して、抗原的特異性および機能的活性が十分に特徴づけられ得る。
本発明での使用のためのGNA33ポリペプチドは、当該分野で公知の技術を使用して、このポリペプチドを生成する細菌から直接単離され得る。あるいは、このポリペプチドは、ペプチド分野の当業者に公知のいくつかの技術のいずれかにより、化学合成され得る。例えば、固相ペプチド合成技術については、J.M.StewartおよびJ.D.Young,Solid Phase Peptide Synthesis(Pierce Chemical Co.,Rockford,IL,1984)ならびにG.BaranyおよびR.B.Merrifield,The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology,E.GrossおよびJ.Meienhofer編,第2巻(Academic Press,New York,1980),pp.3−254、ならびに従来の溶液合成については、M.Bodansky,Principles of Peptide Synthesis(Springer−Verlag,Berlin 1984)ならびにE.GrossおよびJ.Meienhofer編,The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology,第1巻を参照のこと。本発明のポリペプチドはまた、同時に複数のペプチドを合成する方法により化学的に調製され得る。例えば、Houghten Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)82:5131−5135;米国特許第4,631,211号を参照のこと。
好ましくは、ポリペプチドは、分子生物学の標準的な技術を使用して、このポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現により組換え生成される。例えば、上記の分子をコードするポリヌクレオチド配列は、例えば、その遺伝子を発現する細菌に由来する、cDNAライブラリーおよびゲノムライブラリーをスクリーニングするか、またはこの遺伝子を含むことが公知のベクターからこの遺伝子を得ることにより、組換え方法を使用して得られ得る。さらに所望の遺伝子は、この遺伝子を含む細胞から、標準的な技術(例えば
、フェノール抽出およびcDNAまたはゲノムDNAのPCR)を使用して、直接単離され得る。例えば、DNAを獲得および単離するために使用される技術の記載については、Sambrookら(前出)を参照のこと。目的の遺伝子はまた、クローニングされるよりむしろ、合成により生成され得る。この分子は、特定の配列についての適切なコドンを使用して設計され得る。次いで、完全な配列は、標準的な方法により調製される重複オリゴヌクレオチドから組み立てられ、完全なコード配列へと組み立てられる。例えば、Edge(1981)Nature 292:756;Nambairら(1984)Science 223:1299;およびJayら(1984)J.Biol.Chem.259:6311を参照のこと。
従って、特定のヌクレオチド配列は、所望の配列を有するベクターから得られ得るか、または当該分野で公知の種々のオリゴヌクレオチド合成技術(例えば、適切な場合、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術)を使用して完全にまたは一部合成され得る。例えば、Sambrookら(前出)を参照のこと。特に、所望の配列をコードするヌクレオチド配列を得る1つの方法は、従来の自動化ポリヌクレオチド合成機にて生成された重複合成オリゴヌクレオチドの相補的なセットをアニーリングさせ、続いて、適切なDNAリガーゼと連結し、連結したヌクレオチド配列を、PCRを介して増幅させることによる。例えば、Jayaramanら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
88:4084−4088を参照のこと。さらに、オリゴヌクレオチド特異的合成(Jonesら(1986)Nature 54:75−82)、すでに存在するヌクレオチド領域のオリゴヌクレオチド特異的変異誘発(Riechmannら(1988)Nature 332:323−327およびVerhoeyenら(1988)Science 239:1534−1536)、およびギャップ形成されたオリゴヌクレオチド(gapped oligonucleotide)のT DNAポリメラーゼを使用した酵素的充填(Queenら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
86:10029−10033)は、改変された抗原結合能力または増強された抗原結合能力を有する分子を提供するために、本発明にて使用され得る。
一旦、コード配列が調製または単離されると、このような配列は、任意の適切なベクターまたはレプリコンにクローン化され得る。多数のクローニングベクターが当業者に公知であり、そして適切なクローニングベクターの選択が可能である。適切なベクターとしては、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体または適切なコントロールエレメントと会合した場合に複製し得るウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
次いで、コード配列は、発現のために使用される系に依存して、適切なコントロールエレメントの制御下に置かれる。従って、このコード配列は、プロモータ、リボソーム結合部位(細菌の発現のため)、および必要に応じて、オペレーターの制御下に置かれ得、その結果、目的のDNA配列は、適切な形質転換体によってRNAに転写される。このコード配列は、シグナルペプチドまたはリーダー配列をコードする配列(これは後に、翻訳後プロセシングにおいて、宿主によって除去され得る)を含んでも含まなくても良い。例えば、米国特許第4,431,739号;同第4,425,437号;同第4,338,397号を参照のこと。シグナル配列が存在する場合、ネイティブな配列であり得るか、または非相同的なシグナル配列のいずれかであり得る。
制御配列に加えて、宿主細胞の増殖に関連した配列の発現の調節を可能にする調節配列を加えることが所望であり得る。調節配列は、当業者に公知であり、そして例としては、調節化合物の存在を含む、化学的刺激または物理的刺激に対してオンまたはオフにされる遺伝子の発現を引き起こすものが挙げられる。他の型の調節エレメントはまた、ベクター中に存在し得る。例えば、エンハンサーエレメントは、構築物の発現レベルを増加するた
めに本明細書中で使用され得る。例としては、SV40初期遺伝子エンハンサー(Dijkemaら(1985)EMBO J.4:761)、ラウス肉腫ウイルスの長末端反復(LTR)に由来するエンハンサー/プロモーター(Gormanら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6777)およびヒトCMVに由来するエレメント(Boshartら(1985)Cell 41:521)(例えば、CMVイントロンA配列に含まれるエレメント(米国特許第5,688,688))が挙げられる。発現カセットはさらに、適切な宿主細胞において自律的に複製するための複製起点、1つ以上の選択マーカー、1つ以上の制限部位、高いコピー数についての可能性および強力なプロモーターを含む。
発現ベクターは、特定のコード配列が適切な制御配列と共にベクター中に位置するように構築され、制御配列に対するコード配列の位置および配向は、コード配列が制御配列の「制御」下で転写されるように存在する(すなわち、制御配列のDNA分子に結合するRNAポリメラーゼは、コード配列を転写する)。目的の分子をコードする配列の改変は、この目的を達成するために所望であり得る。例えば、いくつかの場合において、適切な配向で配列が制御配列に付着し得るように配列を改変することすなわち、リーディングフレームを維持することが必要であり得る。制御配列および他の調節配列は、ベクターへの挿入の前にコード配列に連結され得る。あるいは、コード配列は、制御配列および適切な制限部位をすでに含む発現ベクターに直接クローニングされ得る。
上に説明されるように、参照GNA33ポリペプチドの変異体またはアナログを生成することが所望であり得る。変異体またはアナログは、GNA33ポリペプチドをコードする配列の一部の欠損によって、配列の挿入によって、および/または配列内での1つ以上のヌクレオチドの置換によって、調製され得る。ヌクレオチド配列を改変するための技術(例えば、部位特異的変異誘発など)は、当業者に周知である。例えば、Sambrookら、前出;Kunkel,T.A.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)82:448;Geisselsoderら(1987)BioTechniques 5:786;ZollerおよびSmith(1983)Methods Enzymol.100:468;Dalbabie−McFarlandら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci USA 79:6409を参照のこと。
分子は、昆虫発現系、哺乳動物発現系、細菌発現系、ウイルス発現系および酵母発現系を含む広範な種々の系において発現され得、これらは全て当該分野で公知である。例えば、昆虫細胞発現系(例えば、バキュロウイルス系)は、当業者に公知であり、そして例えば、SummersおよびSmith,Texas Agricultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987)において記載されている。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のための材料および方法は、特に、Invitrogen,San Diego CA(「MaxBac」キット)からキットの形態で市販されている。同様に、細菌および哺乳動物細胞発現系は、当該分野で周知であり、そして例えば、Sambrookら、前出、において記載されている。酵母発現系はまた、当該分野で公知であり、そして例えば、Yeast Genetic Engineering(Barrら編、1989)Butterworths,Londonにおいて記載されている。
上の系を用いる使用のための多数の適切な宿主細胞がまた公知である。例えば、哺乳動物細胞株は、当該分野で公知であり、そして例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、乳児ハムスター腎(BHK)細胞、サル腎細胞(COS)、ヒト胚腎細胞、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、Madin−Darbyウシ腎(「MDBK」)細胞、およびその他を含むがこれらに限定されない、America
n Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な不死化細胞株を含む。同様に、E.coli、Bacillus subtilis、およびStreptococcus spp.のような細菌宿主は、本発明の発現構築物を用いる用途を見出す。本発明において有用な酵母宿主としては特に、Saccharomyces cerevisiae、Candida albicans、Candida maltosa、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces fragilis、Kluyveromyces lactis、Pichia guillerimondii、Pichia pastoris、Schizosaccharomyces pombeおよびYarrowia lipolyticaが挙げられる。バキュロウイルス発現ベクターを用いる使用のための昆虫細胞としては特に、Aedes aegypti、Autographa californica、Bombyx mori、Drosophila melanogaster、Spodoptera frugiperdaおよびTrichoplusia niが挙げられる。
目的のヌクレオチド配列を含む核酸分子は、当該分野で周知の種々の遺伝子送達技術を使用して、宿主細胞ゲノムに安定に組み込まれ得るか、または適切な宿主細胞中の安定なエピソームエレメント上に維持され得る。例えば、米国特許第5,399,346号を参照のこと。
選択される発現系および宿主に依存して、分子は、タンパク質が発現される条件下で、上記の発現ベクターによって形質転換された宿主細胞を増殖することによって生成される。次いで、発現されたタンパク質は、宿主細胞から単離され、そして精製される。発現系が、タンパク質を増殖培地中に分泌する場合、生成物は、この培地から直接精製され得る。生成物が分泌されない場合、この生成物は細胞溶解物から単離され得る。適切な増殖条件および回収方法の選択は、当該分野内である。
一旦生成されると、GNA33ポリペプチドを使用して抗体を生成し得る。従って、ポリペプチドは、哺乳動物の被験体(げっ歯類およびウサギのような標準実験動物を含む)を免疫するための組成物中に提供される。この組成物は、ポリクローナル血清の生成を誘発するための適切なアジュバントを含む。動物のグループは、この組成物を用いて、一般的に免疫され、そして数回追加免疫される。免疫された動物由来の抗血清が、得られ得る。殺菌性抗血清の形成を誘発し得るGNA33ポリペプチドは、モノクローナル抗体の生成においての使用のために適切である。これらの抗体を、順に使用して、抗MenBワクチンに対するエピトープを提供するMenB抗原のさらなる模倣物を検索し得る。
従って、本発明の実行において、選択されたGNA33ポリペプチドを使用して、モノクローナル抗体およびその機能的等価物を提供する。特定のモノクローナル抗体に対しての用語「機能的等価物」は、本明細書中で使用される場合、以下に記載される標準アッセイによって決定されるように、以下のような分子を意味する:(a)例証されたモノクローナル抗体を相互にブロックする;(b)問題のGNA33ポリペプチドに選択的に結合する;(c)そして、必要に応じてに、MenB細菌細胞に対して機能的活性(例えば、補体媒介殺菌および/またはオプソニン活性)を示す。さらに、本発明の特定のモノクローナル抗体産生ハイブリドーマに関して本明細書中で使用される場合、用語「子孫」は、世代または核型同一性に関係なく、親によって産生されるモノクローナル抗体を産生する親ハイブリドーマ全ての誘導体、子孫(issueおよびoffspring)を含む。
モノクローナル抗体は、当該分野で周知の標準技術(例えば、KohlerおよびMilstein,Nature(1975)256:495の方法、またはその改変、Buckら(1982)In Vitro 18:377によって記載される)を用いて調製される。代表的に、マウスまたはラットは、タンパク質キャリアに結合されたGNA33
ポリペプチドを用いて免疫され、追加免疫され、そして脾臓(および必要であれば、いくつかの大きさのリンパ節)は、除去されそして単一細胞へと分離される。所望である場合、脾臓細胞は、(非特異性接着細胞の除去後)抗原でコーティングされたプレートまたはウェルに細胞懸濁液を適用することによって、スクリーニングされ得る。抗原に対して特異的な膜結合免疫グロブリンを発現するB細胞は、プレートに結合し、そして残りの懸濁液で洗い流されない。得られたB細胞または全ての分離された脾臓細胞は、次いで、骨髄腫細胞と融合するように誘導され、ハイブリドーマを形成する。ハイブリダイゼーションでの使用のための代表的なマウス骨髄腫株は、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能なものを含む。
より特定には、体細胞ハイブリッドは、アザグアニン耐性の非分泌マウス骨髄腫細胞株P3X63−Ag8.653(ATCCから入手可能)を用いてBuckら(前出)の方法によって調製され得る。ハイブリドーマ細胞株は、一般に、限界希釈によってクローン化され、そして免疫化抗原に特異的に結合し、そして無関係な抗原に結合しない抗体の産生についてアッセイされる。次いで、選択されたモノクローナル抗体分泌ハイブリドーマは、インビトロ(例えば、組織培養ボトルまたは中空繊維リアクター内で)か、またはインビボ(例えば、マウス中の腹水として)のいずれかで培養される。
ハイブリドーマの上清は、例えば、免疫GNA33ポリペプチドを用いた固相ELISAか、または標的抗原としてMenB細菌を用いる間接的な免疫蛍光アッセイのいずれかを使用して抗MenB反応性抗体についてアッセイされ得る。ハイブリドーマによって分泌されるモノクローナル抗体の選択性は、競合特異的結合アッセイ(例えば、阻害ELISAなど)を用いてアッセイされ得る。例えば、緩衝液か、または可溶性GNA33ポリペプチドを含む緩衝液のいずれかに希釈される抗体分子を、結合GNA33ポリペプチドの存在下、ELISA容器中で反応させる。洗浄の後、結合抗体は、二次抗体としての標識化抗Ig(抗IgM、IgGおよびIgA)によって決定される。可溶性GNA33ポリペプチドによって阻害される抗体は、特異的とみなされ得、従って、アイソタイピングおよびMenB結合および機能的活性についてのさらなるスクリーニングを含むさらなる研究のために選択される。
特に、部分的に精製されたモノクローナル抗体分子は、本明細書中の実施例に記載されるような標準アッセイを用いて、MenBの表面に結合するそれらの能力について個々に評価され得る。機能的活性は、補体媒介殺菌活性および/またはオプソニン活性を評価することによって決定され得る。特に、抗体の補体媒介殺菌活性は、Goldら(1970)Infect.Immun.1:479,Westerinkら(1988)Infect.Immun.56:1120,Mandrellら(1995)J Infect.Dis.172:1279,およびGranoffら(1995)Clin.Diagn.Laboratory Immunol.2:574によって記載されような標準アッセイを用いて評価され得る。これらのアッセイにおいて、N.meningitidisは、補体供給源ならびに試験されるべき抗体と反応される。細菌の計数は、種々のサンプリング時間でなされる。抗体および相補体と共に60分間インキュベートした後決定された、時間0でのコロニー数と比較される場合、生存可能な細菌細胞数において最少50%の減少によって示されるような補体媒介殺菌活性を示す抗体は、本発明の目的に対する殺菌活性を示すと考えられ、そしてさらなる使用のために適切である。
補体媒介溶菌は、侵襲性髄膜炎菌性疾患に対する宿主保護を担う主要な機構であると考えられる。しかし、証拠はまた、オプソニン作用に対する重要な保護的役割を支持する(例えば、Bjerknesら(1995)Infect.Immun.63:160を参照のこと)。従って、本明細書中で産生される抗体のオプソニン活性は、機能的活性を評価するために、二次手段かまたは代替の手段として評価され得る。オプソニンアッセイか
らの結果を使用して、殺菌データを追加し、そして保護を与え得る抗体の選択を助ける。オプソニン活性の評価はまた、IgG1アイソタイプを有する本発明のマウスモノクローナル抗体の評価のために本明細書中で特に有用である。マウスIgG1(ヒトIgG1とは著しく異なる)は、補体の活性化において効果がない。従って、マウスIgG1抗体は、上記のアッセイにおいてMenBの補体媒介溶菌を活性化しない。しかし、IgG1抗GNA33モノクローナル抗体の機能的活性は、補体の非存在下でオプソニン作用によって評価され得る。
種々のオプソニンアッセイ方法は、当該分野で公知であり、そして本発明のモノクローナル抗体の機能的活性を評価するために使用され得る。このような標準アッセイとしては、Sjursenら(1987)Acta Path.Microbiol.Immunol.Scand.,Sec.C 95:283,Halstensenら(1989)Scand.J.Infect.Dis.21:267,Lehmannら(1991)APMIS 99:769,Halstensenら(1991)NIPH Annals 14:157,Fredlundら(1992)APMIS 100:449,Guttormsenら(1992)Infect.Immun.60:2777,Guttormsenら(1993)J.Infec.Dis.167:1314,Bjerknesら(1995)Infect.Immun.63:160,Hayrinenら(1995)J.Infect.Dis.171:1481,de Velascoら(1995)J.Infect.Dis.172:262、およびVerheul,A.F.M.(1991)「Meningococcal LPS Derived Oligosaccharide−Protein Conjugate Vaccines,Immunochemical and Immunological Aspects」、Thesis,Utrecht University,The Netherlands,pp.112−135によって記載されるものが挙げられる。
目的の選択されたモノクローナル抗体は、慣用的な組織培養方法を用いてインビトロで、または哺乳動物の被験体を用いてインビボで、拡大され得る。例えば、プリスタンプライム化マウスは、腹水産生のために、PBS中のlog期のハイブリドーマ細胞を播種され得る。腹水は、さらなる精製の前に−70℃で保存され得る。
特に、例えば、MenBに対する受動的保護を提供ための予防的または治療的薬学的調製物中ならびにMenB診断用調製物において、抗体が使用される場合、キメラ抗体を提供することが所望され得る。ヒトおよび非ヒトアミノ酸配列から構成されるキメラ抗体は、マウスモノクローナル抗体分子から形成され得、ヒトにおけるそれらの免疫原性を減少する(Winterら(1991)Nature 349:293;Lobuglioら(1989)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 86:4220;Shawら(1987)J Immunol.138:4534;およびBrownら(1987)Cancer Res.47:3577;Riechmannら(1988)Nature 332:323;Verhoeyenら(1988)Science 239:1534;およびJonesら(1986)Nature 321:522;1992年12月23日に公開された欧州公開番号第519,596号;および1994年9月21日に公開された英国特許公開番号第GB 2,276,169号)。
親のモノクローナル抗体分子の免疫学的結合特性を提示し得る、抗体分子フラグメント(例えば、F(ab’)、FvおよびsFvの分子)は、公知の技術を使用して産生され得る(Inbarら(1972)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 69:2659;Hochmanら(1976)Biochem 15:2706;Ehrlichら(1980)Biochem 19:4091;Hustonら(1988)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 85(16):5879;ならびにHus
tonらに対する米国特許第5,091,513号および同第5,132,405号;およびLadnerらに対する同第4,946,778号)。
代替的に、ファージディスプレイ系を使用して、インビトロでモノクローナル抗体分子集団を拡大し得る。Saikiら(1986)Nature 324:163;Scharfら(1986)Science 233:1076;米国特許第4,683,195および同第4,683,202号;Yangら(1995)J Mol Biol 254:392;Barbas,IIIら(1995)Methods:Comp.Meth
Enzymol 8:94;Barbas,IIIら(1991)Proc Natl
Acad Sci USA 88:7978。
一旦作製されると、ファージディスプレイライブラリーを使用して、公知の技術を使用して、Fab分子の免疫学的結合アフィニティーを改善し得る。例えば、Figiniら(1994)J.Mol.Biol.239:68を参照のこと。
ファージディスプレイライブラリーより選択されるFab分子の重鎖部分および軽鎖部分のコード配列を、単離または合成し得、そして発現のために任意の適切なベクターまたはレプリコンの中にクローニングし得る。例えば、細菌、酵母、昆虫、両生類および哺乳動物の系を含む、任意の適切な発現系を使用し得る。細菌における発現系としては、以下に記載される系が挙げられる:Changら(1978)Nature 275:615、Goeddelら(1979)Nature 281:544、Goeddelら(1980)Nucleic Acids Res.8:4057、欧州特許出願第EP36,776号、米国特許第4,551,433号、deBoerら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:21〜25、およびSiebenlistら(1980)Cell 20:269。
酵母における発現系としては、以下に記載される系が挙げられる:Hinnenら(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1929、Itoら(1983)J.Bacteriol.153:163、Kurtzら(1986)Mol.Cell.Biol.6:142、Kunzeら(1985)J.Basic Microbiol.25:141、Gleesonら(1986)J.Gen.Microbiol.132:3459、Roggenkampら(1986)Mol.Gen.Genet.202:302、Dasら(1984)J.Bacteriol.158:1165、De Louvencourtら(1983)J.Bacteriol.154:737、Van den Bergら(1990)Bio/Technology 8:135、Kunzeら(1985)J.Basic Microbiol.25:141、Creggら(1985)Mol.Cell.Biol.5:3376、米国特許第4,837,148号および同第4,929,555号、Beachら(1981)Nature 300:706、Davidowら(1985)Curr.Genet.10:380、Gaillardinら(1985)Curr.Genet.10:49、Ballanceら(1983)Biochem.Biophys.Res.Commun.112:284〜289、Tilburnら(1983)Gene 26:205−221、Yeltonら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:l470〜1474、Kellyら(1985)EMBO J.4:475479;欧州特許出願第EP244,234号、ならびに国際公開第WO91/00357号。
昆虫において異種性遺伝子の発現は、以下に記載されるように達成され得る:米国特許第4,745,051号、欧州特許出願第EP127,839および同EP155,476号、Vlakら(1988)J.Gen.Virol.69:765〜776、Millerら(1988)Ann.Rev.Microbiol.42:177、Carbo
nellら(1988)Gene 73:409、Maedaら(1985)Nature 315:592〜594、Lebacq−Verheydenら(1988)Mol.Cell.Biol.8:3129、Smithら(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:8404、Miyajimaら(1987)Gene
58:273、ならびにMartinら(1988)DNA 7:99。多くのバキュロウイルスの株および改変体、ならびに宿主由来の対応の許容な昆虫宿主細胞は、以下に記載される:Luckowら(1988)Bio/Technology 6:47〜55,Millerら(1986)GENERIC ENGINEERING、Setlow,J.K.ら編、Vol.8,Plenum Publishing,277〜279頁、およびMaedaら(1985)Nature 315:592〜594。
哺乳動物の発現は、以下に記載されるように達成され得る:Dijkemaら(1985)EMBO J.4:761、Gormanら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6777、Boshartら(1985)Cell 41:521、および米国特許第4,399,216号。哺乳動物の発現の他の特徴は、以下に記載されるように容易にされ得る:Hamら(1979)Meth.Enz.58:44、Barnesら(1980)Anal.Biochem.102:255、米国特許第4,767,704号、同第4,657,866号、同第4,927,762号、同第4,560,655号および再登録された米国特許第RE30,985、ならびに国際公開第WO90/103430号、同WO87/00195号。
任意の上記抗体分子を本発明中で使用して、抗MenB治療剤または抗MenB予防薬剤を提供し得る。さらに、例示のマウスモノクローナル抗体由来の抗原結合部位を含む、「ヒト化」抗体分子を、上記に記載される技術を使用して産生し得る。
上記に記載の本発明のMenB抗体は、米国特許第6,030,619号、および同第6,048,527号(本明細書中で参考としてそれらの全体が援用される)に記載されるような方法を使用して、レセプターとして便利に使用して、多様な分子ライブラリーをスクリーニングして、MenB由来のエピトープの分子模倣物を同定し得る。分子ライブラリーにおいて模倣物を同定する方法は、一般的に、以下の手順のうちの1つ以上の使用を含む:(1)固定化した標的レセプターを用いたアフィニティー精製;(2)連結されたリガンドとの可溶性レセプターの結合;および(3)可溶性化合物を直接的に抗原競合アッセイにおいて、または生物学的活性について試験する行程。分子模倣物についてスクリーニングされる分子としては、低分子有機化合物、有機化合物のコンビナトリアルライブラリー、核酸、核酸誘導体、サッカライドもしくはオリゴサッカライド、ペプトイド、可溶性ペプチド、固相上に連結されたペプチド、細菌ファージ表面タンパク質上に提示されるペプチド、細菌表面のタンパク質もしくは抗体、および/または非ペプチド有機部分を含むペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、コンビナトリアル有機合成を使用して、多様な分子種のライブラリーを作製し得る。例えば、Gordonら(1994)J.Med.Chem.37:1335を参照のこと。例示としては、ピロリジン;オリゴカルバメート(Choら(1993)Science 261:1303);N置換されたグリシンポリマーのようなペプトイド(Simonら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:9367);およびビニル基化(vinylogous)ペプチド(Hagiharaら(1992)J.Am.Chem.Soc.114:6568)が挙げられるが、これらに限定されない。
当該分野で公知の種々のアプローチを使用して、合成中に付加を受ける基礎単位を探索して、その結果個々のライブラリーのメンバーの変遷(history)を決定し得る。
これらのアプローチとしては、以下が挙げられる:フォトリトグラフのチップ上のアドレス可能な位置(オリゴカルバメート)、部分的に合成された(ペプトイド、ピロリジン、ペプチド)ライブラリーおよびヌクレオチドの分離合成によるコードのコンビナトリアルライブラリー(Nielsenら(1993)J.Am.Chem.Soc.115:9812)または他の有機部分の分離合成によるコードのコンビナトリアルライブラリー(Ohlmeyerら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10922)(「タグ(tag)」)へのモノマーの再帰的な付加により「ヒット」を同定する脱回旋(deconvolution)ストラテジー。次いで、模倣物を選択した後、各々のライブラリーのメンバーと結合するコードされるタグを、解読し得る。例えば、核酸タグを、DNA配列決定法によって解読し得る。
ペプトイドコンビナトリアルライブラリーは、MenBエピトープの分子模倣物を同定するために特に有用である。ペプトイドは、N置換されたグリシンのオリゴマーであり(Simonら、(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:9367)、そしてこれらを使用して、新規分子の多様なライブラリーを化学的に作製し得る。モノマーは、t−ブチルベースの側鎖保護および9−フルオレニル−メトキシ−カルボニルのα−アミン(a−amine)保護を含み得る。例えば、Zuckermannら(1992)J.Am.Chem.Soc.114:10646らの「副モノマー方法(submonomer method)」を使用して、固相上でモノマーのペプトイドオリゴマーへの組み立てを実施し得る。この方法において、Rinkアミドポリスチレン樹脂(Rinkら(1987)Tetrahedron Lett.28:3787)との化学合成を行い得る。ブロモ酢酸のジイソプロピロカルボジイミドとのインサイチュ活性化によって、樹脂に結合したアミンをブロモアセチル化する。その後、この樹脂に結合したブロモアセトアミドをアミンの付加によって置換する。このアミンは、さらなる反応基のt−ブチルベースの保護を含み得る。この2工程のサイクルを、所望の数のモノマーが付加するまで繰り返す。次いで、このオリゴペプチドを95%トリフルオロ酢酸/5%水での処置によって樹脂から切り離す。この合成を、好ましくはロボットの合成機を使用して実施する。例えば、Zuckermannら(1992)Pept.Protein
Res.40:498;およびZuckermannら(1996)Methods in Enzymology 267:437を参照のこと。代替的には、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(hexafluorphosphate)またはブロモトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートのどちらかによるインサイチュ活性化によって、ペプトイドモノマーのオリゴマー化を実施し得る。この代替の方法において、その他は、a−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ酸を使用して従来のペプチド合成と同じである(例えば、Simonら、(1992)、上述を参照のこと)。
一旦ペプチドライブラリーを作製すると、これらのライブラリーを、例えば、MenBポリペプトイドまたはMenB細菌でコーティングされたマイクロリッタープレートのウェルに、コンビナトリアルペプトイドの様々なプールと一緒に本発明のモノクローナル抗体を添加することによって、スクリーニングし得る。インキュベーションの期間および非結合抗体の除去のための洗浄の後、結合した抗体の存在を、標準的なELISAアッセイによって決定する。例えば、HarlowおよびLane,Antibodies:A Laboratory Manual(1988),Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY,553を参照のこと。結合した抗体を含まないウェルは、抗体に結合するペプトイド模倣物の存在を示す。プール中のペプトイド模倣物の特定の同定を、モノマー単位をライブラリーの部分的に合成したメンバーに再帰的に添加することによって決定する。Zuckermannら(1994)J.Med.Chem.37:2678。低分子プール中の活性化合物を同定する他の方法は、そのプールを逆相HPLCまたはアフィニティー選択/質量分析
によって分画する工程を包含する(Nedved M.L.ら(1996)Anal.Chem.68:4228)。
一旦、推定の分子模倣物を同定すると、上記のように、機能的に活性な(例えば、殺菌の、および/またはオプソニンの)抗体を導く能力について、それらを試験する。これらの特性を有する分子模倣物は、さらなる使用(例えば、ワクチン組成物における使用)について適切である。
本発明の機能的に活性な抗MenB抗体を使用して同定した分子模倣物、およびGNA33抗体をまた使用して、診断アッセイにおける使用のための抗体試薬を作製し得る。例えば、分子模倣物と反応性のさらなる抗体、および本明細書中に記載されるGNA33抗体を使用して、競合アッセイ、直接反応アッセイまたはサンドイッチ型アッセイのような免疫診断技術を使用して、生物学的サンプル中の細菌の抗原を検出し得る。このようなアッセイとしては、ウエスタンブロット;凝集試験;酵素標識免疫アッセイおよび酵素媒介免疫アッセイ(例えば、ELISA);ビオチン/アビジン型アッセイ;放射性免疫アッセイ;免疫電気泳動;免疫沈殿などが挙げられる。これらの反応は、一般的に、蛍光、化学発光、放射性、酵素性の標識分子もしくは色素分子のような標識を検出する工程、または模倣物とそれに反応した抗体との間の複合体形成を検出する他の方法を包含する。
前述のアッセイは、一般的に、抗原−抗体複合体が結合される固体支持体からの、液相中の非結合抗体の分離を包含する。本発明の実施において使用され得る固体支持体は、ニトロセルロース(例えば、膜またはマイクロタイターウェルの形態で);ポリビニルクロライド(例えば、シートまたはマイクロタイターウェルの形態で);ポリスチレンラテックス(例えば、ビーズまたはマイクロタイタープレートの形態で);ポリビニリジンフルオリド;ジアゾ化ペーパー;ナイロン膜;活性化ビーズ;磁気反応ビーズなどのような、基材を含む。
代表的に、固体支持体を、最初に、適切な結合条件下で固相の成分(例えば、一つ以上のMenB抗原またはMenB分子模倣物)と反応させて、その結果、その成分は支持体に十分に固定化される。時々、支持体への固定化を、最初により良い結合特性を有するタンパク質にカップリングすることによって増強し得る。適切なカップリングタンパク質として、血清アルブミン(ウシ血清アルブミン(BSA))、鍵穴吸着(keyhole limpet)ヘモシアニン、免疫グロブリン分子、チログロブリン、オブアルブミン、および当業者に周知の他のタンパク質のような高分子が挙げられるが、これに限定されない。その抗原または模倣物を支持体に固定化するために使用され得る他の分子としては、ポリサッカライド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸コポリマーなどが挙げられる。これらの分子およびこれらの分子を抗原とカップリングさせるこれらの方法は、当業者に周知である。例えば、Brinkley,M.A.Bioconjugate Chem.(1992)3:2−13;HashidaらJ.Appl.Biochem.(1984)6:56−63;ならびにAnjaneyuluおよびStaros,International J.of Peptide and Protein Res.(1987)30:117−124を参照のこと。
固体支持体の固相の成分との反応の後、任意の非固定化固相成分を洗浄によってこの支持体から除去し、次いで支持体に結合した成分を、適切な結合条件下でリガンド部分(例えば、MenB抗体)を含むと推定される生物学的サンプルと接触させる。洗浄して任意の非結合のリガンドを除去した後、二次的な結合体部分を、適切な結合条件下で添加する。ここで、二次的結合体は、結合したリガンドと選択的に結合し得る。次いで、二次的結合体の存在を、当該分野で周知の技術を使用して検出し得る。
さらに特定すると、ELISA方法を使用し得、ここで、マイクロタイタープレートのウェルを、本発明に従うMenBエピトープまたはMenB模倣物でコーティングする。次いで、抗MenB免疫グロブリン分子を含む、またはこれを含むと推定される生物学的サンプルを、コーティングされたウェルに添加する。抗体が固定化された分子に結合し得るのに十分な期間のインキュベーションの後、そのプレートを洗浄して、非結合部分を除去し、そして検出可能に標識された二次的な結合分子を添加する。この二次的結合分子は、任意の捕捉されたサンプル抗体と反応し得、そのプレートを洗浄し、そして二次的結合分子の存在を、当該分野で周知の方法を使用して検出する。
従って、1つの特定の実施形態において、生物学的サンプルからのMenB結合リガンドの存在を、抗体リガンドに対して特異的な抗体を含む二次的結合体を使用して、容易に検出し得る。当業者に公知の方法を使用して、検出可能な酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはウレアーゼ)と容易に結合体化され得る多くの抗ウシ免疫グロブリン(Ig)分子が、当該分野で公知である。次いで、適切な酵素基質を使用して、検出可能なシグナルを生成する。他の関連の実施形態において、当業者に公知の方法を使用して、競合型ELISA技術を実行し得る。
アッセイはまた、溶液中で行われ得、その結果、MenBエピトープまたは模倣物、およびこれらの分子に対して特異的な抗体は、沈殿条件下で複合体を形成する。1つの特定の実施形態において、これらの分子は、当該分野で公知のカップリング技術を使用して、例えば、直接的な化学的カップリングまたは間接的なカップリングによって、固相粒子(例えば、アガロースビーズなど)に結合され得る。次いでコーティングされた粒子を、適切な結合条件下で、MenBに対する抗体を含むことが予想される生物学的サンプルと接触させる。結合した抗体の間の架橋は、粒子−エピトープ−抗体または粒子−模倣物−抗体の複合凝集体の形成を生じ、この凝集体を、洗浄および/または遠心分離を使用して、サンプルから沈殿させ得、かつ分離させ得る。反応混合物を、任意の多くの標準的な方法(例えば、上記に記載のそれらの免疫診断方法)を使用して分析して、複合体の存在または不在を決定し得る。
なおさらなる実施形態において、免疫アフィニティーマトリクスを提供し得、ここで、MenB抗体を含むことが予想される生物学的サンプルから抗体のポリクローナル集団を、基材に固定化する。これに関して、サンプルの最初のアフィニティー精製を、固定化された抗原を使用して実施し得る。従って、生じたサンプル調製物は、アフィニティー支持中での潜在的な非特異的結合特性を回避しつつ、抗MenB部分のみを含む。高収量で、かつ抗原結合活性を良く保存して、免疫グロブリン(完全かまたは特定のフラグメントにおいて)を固定化する多くの方法は、当該分野で公知である。任意の特定の方法に限定されずに、固定化されたプロテインAおよびプロテインGを使用して、免疫グロブリンを固定化し得る。
従って、一旦免疫グロブリン分子を免疫アフィニティーマトリクスを提供するために固定化すると、標識された分子は適切な結合条件下で結合した抗体と接触する。非特異的に結合された任意のMenBエピトープまたはその模倣物を、免疫アフィニティー支持体から洗い落とした後、結合した抗原の存在を、当該分野で公知の方法を使用して、標識に対してアッセイすることによって決定し得る。
本発明のGNA33ポリペプチドおよび/もしくはその模倣物またはそれらに対する抗体を含む、上に記載されたアッセイ試薬は、上に記載される免疫アッセイを行うために、適切な指示書および他の必要な試薬と共に、キットで提供され得る。このキットはまた、使用される特定の免疫アッセイに依存して、適切な標識ならびに他の包装される試薬および材料(すなわち、洗浄緩衝液など)を含み得る。標準的な免疫アッセイ(例えば、上に
記載されるアッセイ)を、これらのキットを使用して行い得る。
さらに、このGNA33ポリペプチド、分子模倣物および抗体を本明細書中で使用して、哺乳動物の被験体においてMenBを妨げ得る。特に、これらの分子を含むワクチン組成物を、ワクチン接種された被験体においてMenB疾患の防止のために使用し得る。このワクチンを、他の抗原または免疫調節因子(例えば、IL−2、改変体IL−2(cys125からser125への改変体)、GM−CSF、IL−12、g−インターフェロン、IP−10、MIP1bおよびRANTESを含むがこれらに限定されない、免疫グロブリン、サイトカイン、リンフォカインおよびケモカイン)と組み合わせて投与し得る。
これらワクチンは、一般的に、水、生理食塩水、グリセリン、エタノールなどのような、1つ以上の「薬学的に受容可能な賦形剤またはビヒクル」を含む。さらに、補助物質(例えば、保湿剤または乳化剤、pH緩衝剤など)がそのようなビヒクル中に存在し得る。
また、アジュバントを使用して、ワクチンの有効性を増強し得る。アジュバントをワクチン組成物に直接添加し得るか、またはワクチン投与の同時もしくはその直後のいずれかで別々に投与し得る。このようなアジュバントとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(1)アルミニウム塩(alum)(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、など);(2)O/Wのエマルジョン処方物(ムラミルペプチド(以下を参照のこと)もしくは細菌細胞壁成分のような他の特異的免疫刺激因子を含むか、または含まない)(例えば、(a)MF59(国際出願公報第WO 90/14837;Vaccine design:the subunit and adjuvant approach、PowellおよびNewman編、Plenum Press 1995、第10節)、これは、Model 110Yマイクロフリューダイザ(Microfluidics,Newton,MA)のようなマイクロフリューダイザを使用してサブミクロンの粒子中に処方され、5% スクアレン、0.5% TWEEN 80TM、および0.5% SPAN85TM(必要ではないが、随意に種々の量のMTP−PE(以下を参照のこと)を含む)を含む;(b)SAF、(これは、サブミクロンのエマルジョン中にフリューダイズされるか、またはより大きな粒子サイズのエマルジョンを生成するようボルテックスされるかのいずれかで、10% スクアレン、0.4% TWEEN 80TM、5% プルロニックブロック(pluronic−blocked)ポリマー L121、およびthr−MDPを含む)、ならびに(c)RIBITMアジュバントシステム(RAS)、(Ribi Immunochem,Hamilton,MT)、これは、2% スクアレン、0.2% TWEEN 80TM、ならびにモノリン脂質A(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)および1つ以上の細胞壁骨格(CWS)からなる群からの細菌細胞壁成分(好ましくは、MPL+CWS(DETOXTM))を含む;(3)サポニンアジュバント(例えば、Q21またはSTIMULONTM(Cambridge Bioscience,Worcester,MA)を使用し得るか、またはこれらから生成される粒子(例えば、ISCOM(免疫刺激複合体))、ここで、ISCOMはさらなる界面活性剤を欠き得る(例えば、国際出願公開番号WO 00/07621を参照のこと);(4)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(5)サイトカイン(例えば、インターロイキン(IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12(国際公開番号第WO 99/44636号)など)、インターフェロン(例えば、γインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)、など;(6)細菌のADP−リボシル化を行う毒素の無害化変異体(例えば、コレラ毒素(CT)、百日咳毒素(PT)またはE.coli熱不安定毒素(LT)、具体的にはLT−K63(ここで、63位の野生型アミノ酸がリジンで置換される)、LT−R72(ここで、72位の野生型アミノ酸がアルギニンで置換される)、CT−
S109(ここで、109位の野生型アミノ酸がセリンで置換される)、およびPT−K9/G129(ここで、9位の野生型アミノ酸がリジンで置換され、そして129位の野生型アミノ酸がグリシンで置換される))(例えば、国際特許公開番号第WO93/13202号および同第WO92/19265号を参照のこと);(7)MPLまたは3−O−脱アセチル化MPL(3dMPL)(例えば、GB 2220221を参照のこと)、EP−A−0689454、肺炎球菌のサッカライドで使用される場合、必要に応じて、alumの実質的非存在下である、(例えば、国際特許公開第WO 00/56358号を参照のこと);(8)3dMPLと、例えばQS21および/またはO/Wエマルジョンの組み合わせ(例えば、EP−A−0835318、EP−A−0735898、EP−A−0761231を参照こと);(9)CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチド(例えば、Romanら(1997)Nat.Med.3:849−854;Weinerら(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:10833−10837;Davisら(1998)J.Immunol.160:870−876;Chuら(1997)J.Exp.Med.186:1623−1631;Lipfordら(1997)Eur.J.Immunol.27:2340−2344;Moldoveanuら(1988)Vaccine 16:1216−1224;Kriegら(1995)Nature 374:546−549;Klinmanら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:2879−2883;Ballasら(1996)J.Immunol.157:1840−1845;Cowderyら(1996)J.Immunol.156:4570−4575;Halpernら(1996)Cell Immunol.167:72−78;Yamamotoら(1988)Jpn.J.Cancer Res.79:866−873;Staceyら(1996)J.Immunol.157:2116−2122;Messinaら(1991)J.Immunol.147:1759−1764;Yiら(1996)J.Immunol.157:4918−4925;Yiら(1996)J.Immunol.157:5394−5402;Yiら(1998)J.Immunol.160:4755−4761;Yiら(1998)J.Immunol.160:5898−5906;国際公開第WO 96/02555号,同第WO 98/16247号,同第WO 98/18810号、同第WO 98/40100同,同第WO 98/55495号,同第WO 98/37919号および同第WO 98/52581号)、(例えば、これらを少なくともCGジヌクレオチド上に含み、シトシンは必要に応じて5−メチルシトシンで置換される);(10)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル(例えば、国際公開第WO 99/52549号を参照のこと);(11)オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(例えば、国際公開第WO 01/21207号)、または少なくとも1つのさらなる非イオン性界面活性剤(例えば、オクトキシノール)と組み合わせた、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤もしくはエステル界面活性剤(例えば、国際公開第WO 01/21152号);(12)CpGオリゴヌクレオチドのような、サポニンおよび免疫刺激性オリゴヌクレオチド(例えば、国際公開第WO 00/62800号);(13)免疫刺激剤および金属塩の粒子(例えば、国際公開第WO 00/23105号を参照のこと);ならびに(14)組成物の有効性を増強させるための免疫刺激因子として作用する他の物質。
ムラミルペプチドとしては、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(isogluatme)(nor−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PR)などが挙げられるが、これらに限定されない。
組成物の有効性を増強させるために、活性因子をキャリア分子と結合させることが必要
であり得る。このようなキャリア分子は、それ自体は有害な抗体の産生を誘導しない。適切なキャリアは、代表的に大きく、代謝の遅い巨大分子(例えば、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸コポリマー、脂質凝集体(例えば、油滴またはリポソーム)、不活性化ウイルス粒子、CRM197(無毒な変異ジフテリア毒素)など)である。このようなキャリアは、当業者に周知である。
代表的に、ワクチン組成物は注射可能なものとして、液体の溶液または懸濁液のいずれかとして調製される;注射前の液体ビヒクル中の溶液または懸濁液に適切な固体形態もまた調製され得る。これらの調製はまた、上に記載するように、アジュバントの効果を増強するために、エマルジョン化もしくはリポソーム中でカプセル封入され得るか、または粒子に吸収され得る。
ワクチンは、有効量の活性な因子(例えば、GNA33ポリペプチドまたはそれらに対する抗体)、および必要に応じて他の任意の上述の成分およびインヒビターを含む。「有効量」によって、ワクチンが投与される個体において免疫学的な応答を誘導する分子の量を意味する。このような応答は、一般的に、ワクチンに対して、分泌性免疫応答、細胞性免疫応答および/または抗体媒介性免疫応答の被験体における発達を生じる。通常は、このような応答としては、以下の効果のうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない:任意の免疫学的クラスの抗体の産生(例えば、免疫グロブリンA,免疫グロブリンD、免疫グロブリンE、免疫グロブリンGまたは免疫グロブリンM);Bリンパ球およびTリンパ球の増殖;免疫学的細胞の活性化シグナル、増殖シグナルおよび分化シグナルの提供;ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞および/もしくは細胞傷害性T細胞、ならびに/またはgdT細胞集団の増殖。
一旦処方されると、ワクチンは、皮下注射または筋肉内注射のいずれかによって、非経口で通常通りに投与される。他の投与形態に適切なさらなる処方物としては、経口処方物または肺の処方物、坐薬、ならびに経皮的適用が挙げられる。投薬処置は、単回投薬スケジュールか、または複数回投薬スケジュールであり得る。
(III.実験)
本発明を実施する為の具体的な実施形態の例を以下である。これらの例は、例示目的のみのために、提供され、そして、いかなる方法においても本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
使用される数値(例えば、量、温度など)に関する精度を保証するための努力がなされているが、実験誤差および偏差は、当然のこととして、許容されるべきである。
(材料および方法)
(細菌株)
本研究に含まれるN.meningitidis血清型B株を、異なる国に滞在する、髄膜炎菌性疾患を有する患者から単離し、36年の期間にわたって収集した。21株が、血清型B株であり、1株が血清型C株であった。これらの株を、表1に要約する。電気泳動分類(ET)に基づいて、これらの収集物は、疾患を引き起こすMenB株についての広範な遺伝的多様性を表す。
MC58株、BZ232株およびNMB株の変異体(それぞれ、MC58ΔGNA33、BZ232ΔGNA33およびNMBΔGNA33)(これらの株において、gna33遺伝子が欠失され、そして、抗生物質カセットを用いた対立遺伝子交換によって置きかえられている)を、プラスミドpBSUD33ERMで親株を形質転換することによって調製した。このプラスミドは、対立遺伝子交換のための上流および下流の隣接遺伝子領域
およびermC遺伝子(エリスロマイシン耐性)を含む。簡潔には、−867から+75の上流隣接領域(開始コドンを含む)、および+1268から+1744の下流隣接領域(終止コドンを含む)を、以下のプライマーを使用して、MC58から増幅した:
Figure 2008259503
これらのフラグメントを、pBluescript(Stratgene,Milan,Italy)にクローニングし、標準的技術(Sambrook and Russell,Molecular Cloning.A Laboratoty Manual(2001))を使用してE.coli DH5に形質転換した。一旦、全てのサブクローニングが完遂されると、天然のコンピテントNeisseria MC58株、Neisseria BZ232株およびNeisseria NMB株を、チョコレート寒天プレート(chocolate agar)(Remel,Laztakas,KA)上で一晩増殖したいくつかのコロニーを選択し、これらを、1μgのプラスミドDNAを含有する20μlの10mM Tris−HCl(pH6.5)と混合することによって形質転換した。この混合物をチョコレート寒天プレート上にスポティングし、5%CO、37℃で、6時間インキュベートし、次いで、PBS中に希釈し、そして、7μg/mlのエリスロマイシンを含有するチョコレート寒天プレートに塗った。これらの3つの株の各々についてエリスロマイシン耐性コロニーのゲノム中のgna33遺伝子の非存在を、以下のプライマーを使用するPCRによって確認した:
Figure 2008259503
。これらのプライマーは、それぞれ、gna33遺伝子の5’センス鎖およびgna33遺伝子の3’アンチセンス鎖に対応した。GNA33発現の欠失は、以下で説明されるようなウェスタンブロット分析によって確認された。
(モノクローナル抗体(mAb)試薬)
フローサイトメトリー、殺菌剤、およびインビボ保護実験(in vivo protection experiment)に使用される抗体としては、以下が挙げられた:Rijksinstituut Voor Volksgezondheid en Mileu,Bilthoven,The Netherlands、またはWendell Zollinger,Walter Reed Army Institute of Research,Washington DCから得られる髄膜炎菌Por A P 1.2特異的サブタイプmAb(MN 16C 13F4、サブクラスIgG2a);カプセル化した、血清型B,SEAM 12およびSEAM 3(Granoffら、J.Immunol.(1998)160:5028−5036),サブクラスIgG2a)ならびに、血清型C(mAb 181.1(Garcia−Ojedaら、Infect.Immun.(2000)68:239−246,サブクラスIgG3)に特異的である抗ポリサッカリドmAb。MAb 181.1は、Kathryn Stein,
U.S.Food and Drug Administrationによって提供された。このネガティブコントロールは、関連のない特異性のマウスIgG mAb(VIG10)、またはrGNA33を発現するのに使用された株由来のE.coliタンパク質に対して調製されたマウスポリクローナル抗血清からなった。
(GNA33の発現および精製)
gna33 ORFを、プライマーとして使用される合成オリゴヌクレオチドを用いて、2996株(P.van der Ley and J.T.Poolman,Infect.Immun.(1992)60:3156,1992)由来の染色体DNAにおけるPCRによって増幅された。増幅されたDNAフラグメントを、Hisタグ化(HT−GNA33)されたタンパク質またはシグナル配列または脂質改変配列のない可溶性タンパク質(rGNA33)として、タンパク質を発現するためにpET−21b+ベクター(Novagen,Madison,WI)にクローニングした。組換えタンパク質の発現を、上述のように実施されたSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって評価した。このHisタグ化タンパク質は、Ni2+結合体化キレートファーストフローSepharose(Amersham−Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)のアフィニティクロマトグラグフィによって精製し、そして非タグ化形態を、モノSイオン交換樹脂(Amersham−Pharmacia)を使用するFPLCによって精製した。
(ポリクローナル抗GNA33抗血清の調製)
GNA33に対する抗血清を調製するために、20μgの精製した、HT−GNA33または非タグ化rGNA33を、6週齢のCD1雌性マウス(1グループ当たり4〜10のマウス)を免疫するために使用された。これらのマウスを、Charles River(Italia S.P.A.,Calco,Italy,またはHollister,California)から入手した。組換えタンパク質は、初回投薬について完全フロイントアジュバント(CFA)と共にi.p.で投与し、第2回追加免疫投薬(第21日目)および第3回投薬(第35日目)について不完全フロイントアジュバント(IFA)と共にi.p.で投与した。血液サンプルを第34日目および第49日目に採取した。
(モノクローナル抗体の調製)
4〜6週齢の雌性CD1マウスを、第3回目の投薬はアジュバントなしで投与した以外、上述のように免疫した。3日後に、マウスを屠殺し、そして、それらの肝細胞を、1黒色腫細胞に対して5脾臓細胞の比で黒色腫細胞P3X63−Ag8.653と融合した。HAT選択培地中での2週間のインキュベーション後に、ハイブリドーマ上清は、ELISAによって抗体結合活性についてスクリーニングした。このELISAを、このN.meningitidis M7株は、0.025%パラホルムアルデヒドで処理することによって不活性化されているナノカプセル化したN.meningitidis M7株(Stephensら、Infect.Immun.(1991)59:4097−4102)でコートされたマイクロタイタープレート上で実施した。GNA33特異的抗体を分泌するハイブリドーマを、限界希釈によって2回クローン化し、次いで、増殖し、組織培養における次なる使用またはBALB/cマウスにおける腹水産生の為に凍結した。
これらのモノクローナル抗体のサブクラスを、マウスモノクローナル抗体アイソタイピングキット(Amersham−Pharmacia.)を使用して決定した。選択されたmAbの中に、1つのIgG2a抗GNA33mAb(mAb 25と命名した)を、以下に説明した、結合研究または機能研究の全てにおいて使用された。このモノクローナル抗体を、Hi−Trap親和性カラム(Amersham−Pharmacia)によってマウス腹水から精製し、PBS緩衝液での徹底的な透析の後に、精製したmAbの濃度は、基準としてBSAを使用する改変Lowry法(DC,Bio−Rad,Rome
,Italy)を使用して決定した。mAb 25結合の特異性を、MC58株、BZ232株およびNMB株ならびにそれぞれのGNA33ノックアウト体(MC58ΔGNA33,BZ232ΔGNA33およびNMBΔGNA33;以下を参照のこと)から調製された膜タンパク質を使用するウェスタンブロットによって決定された。
(生カプセル化髄膜炎菌の表面に対する抗血清の結合)
ポリクローナル抗GNA33抗血清およびmAb 25の、生NmB株の表面に結合する能力は、以前に記載されたように実行される(Moeら,Infect.Immun.(1999)67:5664−5675)、間接蛍光アッセイのフローサイトメトリー検出を使用して決定された。図1Aは、代表的な4つのNmB株、親株2996(P1.5,2)および他の3つの株である、M3735(P1.5,2)、M4207(P1.5)およびMC58(P1.7,16)に対するポリクローナル抗rGNA33抗血清の結合を示す。抗GNA33ポリクローナル抗血清は、2996株およびM3735株とのみ反応した。この抗カプセルポジティブコントロールmAbは、4つ全ての株に結合した一方、E.coliのタンパク質で免疫された動物から調製されたネガティブコントロール抗血清は、バックグラウンド結合のみを示した。図lBは、3つの株(M3735[P1.5,2],M4207[P1.5]およびMC58[P1.7,16])の細菌細胞表面への抗GNA33 mAb 25の結合を測定する類似の実験の結果を示す。このmAbは、M3735(P1.5,2)株にのみ結合した。
表Iは、22の遺伝的に多様なカプセル化された髄膜炎菌株(21の血清型Bおよび1つの血清型C)由来の生きている細菌の表面に結合する、抗GNA33抗血清またはmAb 25の能力を測定するフローサイトメトリの結果をまとめている。この抗GNA33抗体は、P1.5,2血清亜型またはP1.2血清亜型を有する株にのみ結合した(9のうち9に対して、他のPorA血清亜型を有する13株のうち0である;P<0.001)。9つのポジティブ株のうちの1つである、M986は、他の8つの株よりも弱い結合を示した(以下を参照のこと)。PorAのループ1上に存在するP 1.5エピトープを発現するが、P1.2エピトープ(ループ4)を発現しない3つの株(M4207、1000およびBZ83)に対して結合はなかった。PorA(すなわち、P1−)を発現しないM136株に対する結合も存在なかった。これらのデータは、細菌表面に対する抗GNA33抗体の結合はPorA血清亜型P1.2の発現と相関することを示している。
(補体依存的殺菌抗体活性)
殺菌活性を、以前に説明されたように測定された(Moeら,Infect.Immun.(2001)69:3762−3771)。述べない限り、この補体供給源は、ELISAで試験した場合に、血清型Bまたは血清型Cのポリサッカリドに対して検出可能な抗カプセル抗体も、20%または40%の最終血清濃度で、標的株に対する検出可能な内因性の殺菌活性を有さない健康な成人(MAS)に由来するヒト血清であった。以下のようないくつかの実施形態において、未処置の無ガンマグロブリン血症の患者に由来する血清(Steeleら,Infect.Immun.(1984)44:452−458)、仔ウサギ血清、または成体ラット血清を補体供給源として使用して、殺菌活性は測定した。
(動物防御)
抗GNA33抗体が、N.meningitidis血清型B菌血症に対する受動的防御を付与する能力を、腹腔内チャレンジした乳児ラットにおいて試験した。このアッセイを、以前に記載されるように実行した(Moeら、Infect.Immun.(1999)67:5664−5675)。簡潔には、チャレンジの開始時にコロニーを取り、ブロス培養物中に接種し、そして増殖させ、殺菌アッセイについて上記したように調製した。感受性を最大化するために株M986を用いて、その動物に、0時点で、約5×10
のチャレンジMenB試験株と混合した試験抗血清およびコントロール抗血清の異なる希釈物100μlを、腹腔内注射した。他の試験株を用いた実験において、この抗体を、0時点で腹腔内投与し、そして細菌チャレンジを2時間後に腹腔内で行った。使用したポジティブコントロール抗莢膜mAbは、SEAM3であった。細菌チャレンジの18時間後に、針と約10μlのヘパリン(1000単位/ml;Fujisawa USA、Deerfield、IL)(保存料なし)を含むシリンジとを用いて、心臓穿刺によって血液試料を獲得した。1μL、10μLおよび100μLの血液アリコートを、チョコレート寒天上に配置した。血液1ml当たりのCFUを、このプレートを37℃で5%CO中にて一晩インキュベートした後に決定した。相乗平均CFR/mlの計算のために、滅菌培養物を受けた動物に、1CFR/mlという値を割り当てた。
(SDS−PAGEおよびウェスタンブロット)
髄膜炎菌株の総細胞抽出物を、以下のように調製した。シングルコロニーを、0.25%グルコースを補充したMueller−Hintonブロス(Difco、Detroit、MI)7ml中で、0.5〜0.7のA620nmまで増殖させた。その細菌を、5000×gで15分間遠心分離することによって収集し、そしてPBS中に再懸濁した。凍結−解凍後、細菌懸濁物をサンプル緩衝液(0.06M Tris−HCl(pH6.8)、10%(V/V)グリセロール、2%(W/V)SDS、5%(V/V)2−メル
カプトエタノール)と混合し、そして10分間煮沸した。髄膜炎菌株由来の精製タンパク質(0.5μg/レーン)または総細胞抽出物(25μg)を、12.5%のSDS−ポリアクリルアミドゲル上(Laemmli、U.K、Nature(1970)227:680−685)にロードし、そしてニトロセルロース膜上に移した(Towbinら、Proc.Natl.Acad.Sci.(1979)76:4350−4354)。トランスファー緩衝液(0.3% Tris塩基、1.44%グリシン、20%(v/v)メタノール)を使用して、4℃にて150mAで2時間トランスファーを実行した。このニトロセルロース膜を、飽和緩衝液(PBS中10%スキムミルク、0.1% Triton X100)中で4℃で一晩インキュベートすることによって飽和した。この膜を洗浄緩衝液(PBS中の3%スキムミルク、0.1%Triton X100)で2回洗浄し、洗浄緩衝液で200倍希釈されたマウス抗血清、最終濃度が6μg/mlのmAb 25、または抗PorA P1.2mAbの100倍希釈希物と共にその後、ホースラディッシュペルオキシダーゼで標識された抗マウスIg(Dako、Glostrup、Denmark)の2000倍希釈物と共に37℃で2時間インキュベートした。膜を、PBS中の0.1%Triton X100で2回洗浄し、Opti−4CN Substrate Kit(Bio−Rad)を用いて発色させた。水を加えることによって反応を停止させた。
(ペプチドスポット合成)
ペプチドスポット合成を、モデルASP 222自動スポット合成機(ABIMED)およびジイソプロピルカーボジイミド(DIC)/N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)活性化(FrankおよびOverwin、Methods Mol.Biol.(1996)66:149−169)を用いて、アミノ−PEGセルロース膜(ABIMED、Langerfeld,Germany)上で行なった。インサイチュ調製された、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)−アミノ酸誘導体のHOBtエステル(0.2M)をカップリング反応にした。スポット上の遊離アミノ官能基を、ジメチルホルムアミド中のブロモフェノールブルーの溶液で処理した。これにより、青色染色を生じる、この染色により、全ての合成工程を可視的に観察することができた。最終サイクルの後、全てのペプチドを2%無水酢酸でN末端をアセチル化した。合成の最後に、トリフルオロ酢酸/トリイソブチルシラン/水/ジクロロメタン(50/3/2/45)の混合物を用いて、側鎖保護基を取り除いた。
(ペプチド結合アッセイ)
セルロース結合ペプチドを、ペプチド間の疎水性相互作用を防ぐためにエタノールに浸した。非特異性結合を、0.05%のTween 20を含むTris緩衝化生理食塩水(TBS:50mM Tris−HCl、137mM NaCl、27mM KCl、pH7.0)(T−TBS)中の2%カゼイン(10ml)と共に、4℃で一晩セルロースシートをインキュベートすることによって、ブロックした。このシートを、T−TBSブロッキング緩衝液で100倍希釈した、抗GNA33mAb25(6μg/ml)または抗PorA 1.2mAbと共に37℃で2時間インキュベートした。次にアルカリホスフォターゼ結合体化ヤギ抗マウスIgG(BioRad)を、37℃で1時間、T−TBSブロッキング緩衝液中3000倍希釈で加えた。シートをT−TBSで3回洗浄し、基質緩衝液(100mM Tris、pH8.9、100mM NaCl、2mM MgCl)中のブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ホスフェート(BCIP)(Sigma、Steinheim、Germany)および3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5ジフェニル−テトラゾリウムブロミド(MTT;Sigma)と共にそのシートをインキュベートすることにより、結合の検出を達成した。シグナルの定量評価を、Umax Speedy II 2200オプティカルスキャナを用いて行なった。
(実施例1)
(間接蛍光フローサイトメトリーにより測定される、細菌細胞表面への抗GNA33抗体の結合)
CD1マウスをrGNA33(2996株由来の遺伝子によってコードされる)を用いて免疫化した。得られたポリクローナル抗体含有抗血清を、間接免疫蛍光結合アッセイのフローサイトメトリー検出により測定される、様々なMenB株の生細菌細胞への結合能力について試験した。図1Aは、4つの代表的なMenB株、親2996株(P1.5,2)および3つの他の株(M3735株(P1.5,2)、M4207株(P1.5)およびMC58株(P1.7,16))へのポリクローナル抗rGNA33抗血清の結合を示す。抗GNA33ポリクロナール抗血清は、2996株およびM3735株のみと反応した。抗莢膜ポジティブコントロールmAbは4つの株全てと結合したが、E.coliタンパク質で免疫化された動物から調製されたネガティブコントロール抗血清は、バックグラウンド結合のみを示した。図1Bは、3つの株(M3735株(P1.5,2)、M4207株(P1.5)およびMC58株(P1.7,16)の細菌細胞表面への抗GNA33mAb25の結合を測定する、同様の実験の結果を示す。mAbはM3735株(P1.5,2)のみと結合した。
表1は、22個の遺伝的に多様な莢膜化髄膜炎菌株(21個の血清型Bおよび1つの血清型C)からの生細菌の表面に結合する、抗GNA33抗体またはmAb25の能力を測定するフローサイトメトリー実験の結果を要約したものである。抗GNA33抗体は、P1.5,2血清亜型またはP1.2血清亜型を有する株にのみと結合した(9株中9株;これに対して、他のPor A血清亜型を有する13株中0株;P<0.001)。9個のポジティブ株の1つであるM986株は、他の8個の株より低い結合を示した(下記参照)。P1.5エピトープ(PorAのループ1上に存在、Sacchiら、Infect.Dis.(2000)182:1169−1176)を発現するが、P1.2エピトープ(ループ4)を発現しない、3つの株(M4207株、1000株およびBZ83株)への結合はなかった。PorAを発現しない(すなわち、P1−)M136株への結合もまたなかった。これらのデータは、細菌表面への抗GNA−GNA33抗体の結合がPorA血清亜型P1.2の発現と関連することを示している。
(実施例2)
(異なるN.meningitidis B群株から調製された総膜画分のウェスタンブロット)
細菌表面への抗GNA33抗体の結合とP1.2血清亜型の明らか関係は、予想外であった。この関係を代表的な株から調製した総タンパク質のウェスタンブロットによりさらに研究し、そしてSDS−PAGEにより解決した。4つの血清亜型B株(フローサイトメトリーで抗GNA33表面結合についてネガティブであった2つの株(NG3/88株(P1.7,1)およびMC58株(P1.17,16)、およびポジティブであった2つの株(BZ232株およびNMB株(共にP1.5,2))からの結果を図2に示す。データはまた、GNA33をコードする遺伝子が不活性化された3つの株(MC58株、BZ232株およびNMB株)からの総膜調製物について示す。
図2Aにおいて、約48kDaの見かけの質量を有する単一バンドを、2つの非P1.2株(NG3/88株(レーン3)およびMC58株(レーン4))からの膜調製物中の抗GNA33mAb25によって検出した。バンドは、rGNA33(レーン1)に予想される見かけの分子量を有し、コントロールE.coli株(レーン2)から、およびMC58株(レーン5)中のGNA33ノックアウトから調製された総タンパク質中に存在しなかった。レーン6およびレーン8は、それぞれBZ232株およびNMB株から調製される総タンパク質を含む。これらの株は共に、PorA血清亜型P1.5,2を有する。それぞれのレーンにおいて、2つの抗GNA33反応性バンドが存在する。より高分子量である48kDaバンドはBZ232株およびNMB株(それぞれレーン7とレーン9)から誘導されるGNA33ノックアウトに存在せず、この結果はこのタンパク質がGNA33であることを確証する。より低分子量である抗GNA33反応性バンドは、P1.2と反応性であるmAbとの反応性に基づきPorAであるようである(図2Bを参照のこと)。
図2Bは、図2Aに記載されるものと同じタンパク質試料のウェスタンブロットを示すが、一次検出抗体として抗PorA P1.2mAbを使用する。予想されるように、rGNA33(レーン1)と、ネガティブコントロールE.coliタンパク質(レーン2)とまたはPorA P1.2(レーン3,4および5)を発現しない株から調製される総膜と、抗PorA mAbとの反応性はなかった。しかしながら、PorAに期待される見かけの質量を有するタンパク質が、BZ232株(レーン6)、BZ232ΔGNA33(レーン7)、NMB(レーン8)およびNMBΔGNA33(レーン9)からの膜調製物中に検出された。それらはPorA P1.2を発現する。このタンパク質はまた、それらのそれぞれのGNA33ノックアウトからの調製物(それぞれレーン7およびレーン9)中に存在する。これらの結果は、図2Aの抗GNA33 mAbと反応する41kDaの見かけの質量を有するタンパク質がPorAであったことを確証する。対照的に、抗PorA P1.2mAbは、ウェスタンブロットでGNA33と反応しなかった。
(実施例3)
(抗GNA33 mAb25によって認識される表面露出したPorAエピトープのペプチドマッピング)
抗P1.2 mAbは、ループ4上に存在するPorA上のエピトープを認識することが知られている。表2は、本研究に含まれる選択されたMenB株についてのループ4可変領域(VR)アミノ酸配列の比較を示す(最近改訂されたPorA VR命名の慣例会議についてSacchiら、Infect.Dis.(2000)182:1169−1176、またはhttp://mlst.zoo.ox.ac.uk/Meningococcusを参照のこと)。表2中に、抗GNA33mAbによる表面結合についてネガティブであった、2つの密接に関連するVR型(それぞれ、BZ83株(P1.10)からのP1.10およびM4207株(P1.10−1)からのP1.10−1)の配列を含む。2つのネガティブ株のループ4配列は、6個のアミノ酸ペプチドで抗GNA3
3ポジティブ株と異なる。ポジティブP1.2株は、ヘキサペプチドQTPKSQ(配列番号16)またはQTPQSQ(配列番号17)を含むが、ネガティブP1.10株またはP1.10−1株は、ヘキサペプチドNKQNQR(配列番号18)またはNKQNQP(配列番号19)をそれぞれ含む(表2)。
特に、抗GNA33 mAb25によって認識される特定のアミノ酸配列を同定するために、GNA33のアミノ酸配列全体(表3)およびPorA(2996株からのP1.2−2)のループ4のアミノ酸配列全体に広がるオーバーラップ直鎖デカペプチド、GenBank登録番号X57180)を合成した(注釈:X57180中に与えられる配列は、配列QTPE(配列番号20)を有するVRをコードする)。しかしながら、この配列はその後間違いであることが見出されている(C.T.Sacchi、CDC、Atlanta、GA,私信)。正しい配列はQTPQ(配列番号21)である。mAb25で8色素単位以上ポジティブであったペプチドが表3に詳述される。8個のポジティブGNA33ペプチドは全て、トリペプチドQTPを共有する。QTP配列はまた、mAb25と反応した5つの全てのポジティブPorA P1.2ペプチドの中に存在する。しかしながら、QTPを含むがその前のFVQ配列を含まない3つのループ4ペプチドへのmAb結合が存在しなかったので、QTP配列は、抗GNA33結合に十分でない。
抗GNA mAb25結合に十分である、それぞれのタンパク質の最小ペプチド配列を規定するために、AQAFQTPVHS(図4A;配列番号6)から始めて、次第に小さくなるペプチド、およびTPAHFVQQTP(図4B;配列番号22)で始めてPorA P1.2ペプチドを合成した。mAbは、FQTPV(配列番号2)を含むGNA33ペプチド、およびFVQQTP(配列番号23)を含むPorA P1.2ペプチドと強く結合したが、より小さいどのペプチドとも結合しなかった。それぞれのタンパク質について同じ最小エピトープを、PorAのループ4の適切なペプチドおよびGNA33内に含まれる、アミノ酸の体系的なアラニン置換またはグリシン置換により、同定した。PorAループ4VR型P1.2−2についてのアラニン置換のデータの概要について、表4を参照のこと。
これらのデータは、rGNA33によって惹起された抗体が、QTP配列を含むPorAのP1.2エピトープとの交差反応性の結果として、P1.2エピトープを発現するNm株に対して殺菌作用を有することを示唆している。
(実施例4)
(抗GNA33抗体および抗PorA P1.2抗体のP1.2 NmB株への比較結合)
抗rGNA33抗体がPorA P1.2エピトープと交差反応するという予想外の発見は、PorA血清亜型P1.2.によって惹起された抗体の活性とrGNA33によって産出された抗体の活性を比較する機会を与えた。1つの例外を除いて、試験した9個のP1.2株について、抗GNA33mAbの濃度依存結合は、コントロール抗PorA P1.2mAbの濃度依存結合と類似していた(図5Aの8047株およびBZ232株についての代表的なデータを参照のこと)。例外のM986株は、他のP1.2株への結合と比較した場合に、相対的に弱い抗GNA33抗体結合を示した(表5B)。対照的に、抗PorA P1.2mAbによる結合は、M986を含む全てのP1.2株について同様であった。
M986株のVR配列型はP1.2であると報告され(GenBank登録番号U92912)、それは、FVQQTPKセグメント(配列番号24)を含むループ4配列によって定義され、8047株およびBZ232(VR型P1.2−2;表1)についてのFVQQTPQ(配列番号25)と対照的である。このVR型は、特定のP1.2エ
ピトープのアミノ酸配列に基づく。VR配列型P1.2(M3735株およびM5682株)を有することが報告されている他の2つの株は、それぞれの株中に、コントロール抗PorA P1.2mAbのそれぞれの結合と匹敵した、強い抗GNA33抗体結合を示した(例えば、M3735株(図1A)およびM5682(図5B)を用いた結合のデータ)。M986株、M3735株およびM5682株中のPorAループ4のVR配列型は、2回目のヌクレオチド配列決定によってP1.2であることが確証された。従って、配列の差異(Qに対するK)は、M986株との減少した抗GNA33結合活性を説明するために十分であることが明らかではない。
(実施例5)
(殺菌活性)
PorA P1.2(rGNA33)に対するマウスmAb(mAb25)ならびに血清B型に対するマウスmAb(SEAM12)および血清C型に対するマウスmAb(mAB181.1)多糖莢膜に対するマウスmAbの補体依存殺菌活性を比較した。NmC株M5954を試験するために使用した血清C型抗莢膜mAb(サブクラスIgG3)を除いて、他のmAbの全サブクラスはIgG2aであった。ヒト補体の存在下において抗PorA P1.2mAbのBC50は、全ての9株について0.5μg/ml未満であった。血清B型抗莢膜mAbの対応するBC50値は高く(5〜12μg/mlの範囲)、そして血清C型mAb(株M5954)については1μg/ml未満であった。表5にまとめたように、抗GNA33mAbの殺菌活性は多様であり、そして使用した補体供給源に依存した。3つの株(8047、NMBおよびM3735)について、ヒト補体の存在下において抗GNA33mAbのBC50値は、7〜15μg/mlの範囲であった。これらの株の値は、抗莢膜抗体の値と類似した。残りの6つの株(2996、BZ232、M5545、M5682、M5954およびM986)について、ヒト補体の存在下において、抗GNA33mAbを用いて観察された殺傷は存在しなかった(内在性殺菌活性のない正常成体由来の血清を用いて試験した場合、BC50は60μg/ml未満(表5)であり、そして無γグロブリン血症を有する患者由来の血清を用いて試験した場合、30μg/ml未満であった)。胎仔ウサギ血清を補体供給源として使用した場合、6株のうち1つを除いて全てが、抗GNA33誘導溶解に対して感受性であった。感受性株のBC50値は、1μg/ml以上8μg/mlの範囲であった(表5)。一方、例外は株M986であり、ここで、ヒトおよびウサギ補体で試験した場合、抗GNA33mAbを用いて観察された殺傷は存在しなかった(BC50値は、それぞれ150μg/ml超および30μg/ml超である)。この株に対する細菌溶解の欠如は、フローサイトメトリーによって測定されるように、mAbのより低い表面結合に関連し得る(図5B)。試験した5株に対して、ヒト補体を用いたポリクローナルマウス抗rGNA33抗血清のそれぞれの殺菌力価は、抗GNA33mAb25を用いて測定した結果と一致した(表5)。
(実施例6)
(抗GNA33抗血清による受動性防御)
MenB菌血症に対する受動性防御を与えるポリクローナルマウス抗GNA33抗体の能力を、胎仔ラットモデルにおいて評価した。3株を使用した:8047、ヒトまたはウサギの補体の存在下で抗GNA33細菌溶解に感受性である株;BZ232、すなわちヒト補体での抗GNA33細菌溶解に耐性であるが、ウサギまたはラットの補体に感受性である株;およびM986、すなわちヒト、ウサギまたはラットの補体の存在下で抗GNA33細菌溶解に耐性である株。このモデルにおいて試験する受動性防御の結果を、表6にまとめる。
実験1において、ポリクローナルマウス抗GNA33抗血清の1:5または1:25希釈物(100μl)を株8047の5.8×10CFUと混合し、そして菌血症に対して完全に保護したラットにi.p.で与え、チャレンジの18時間後に測定した。同様の
実験において、株M986(抗GNA33細菌溶解に対して耐性の株)の6.5×10CFUと混合した抗GNA33抗血清の1:5または1:25(100μl)を与えた全ての動物は、細菌血症を発症した。殺菌活性の欠如にかかわらず、抗GNA33抗血清で処理し、そして株M986でチャレンジした動物血液の幾何平均CFU/mlは、E.coliタンパク質に対して調製したネガティブコントロール抗血清を用いて試験したコントロール動物よりも、10〜20培低かった(P=0.02)。同様の結果は、抗GNA33mAb25を用いた第2の実験(実験2)において観察された。全6匹のラットを、i.p.によりmAb25の20μgで前処理し(時点0)、2時間後に株M986の3.5×10CFUでチャレンジし、チャレンジの18時間後に採集した血液サンプルには細菌が存在した。しかし、幾何平均CFU/mlは、無関係のmAbを用いて前処理したコントロール動物の幾何平均CFU/mlの0.3%よりも少なかった(p<0.02)。同様の実験において、ラット1匹あたり20μgの抗P1.2mAbは、株M986に対して完全な防御であり、そしてラット1匹あたり2μgは部分的防御であった(試験した6匹のうち1匹のみが菌血症を発症した)。
第3および第4(実験3および4)において、ラットを株BZ232(ヒト補体での抗GNA33細菌溶解に耐性であるが、ウサギまたはラットの補体に感受性である)でチャレンジした。この実験において、この株に対する抗GNA33mAbの保護活性は、コントロールの抗莢膜抗体の防御活性と同じであるか、または高く、そして抗PorA P1.2mAbの防御活性よりもわずかに少ないだけである。
上に示すように、rGNA33を用いた免疫の結果として生じたマウス抗体は、補体の存在下においてN.meningitidis株の細菌溶解を媒介し得る。なぜなら、抗GNA33抗体と、ポーリン(porin)タンパク質(PorA)のP1.2エピトープとの交差活性に起因するからである。この結果は、予測した結果ではなかった。なぜなら、GNA33およびPorAは十分な配列相同性を有しておらず、構造的および機能的に関連がなく、そして異なる細菌的亜構造に物理的に局在するからである。従って、GNA33はPorAの免疫学的模倣物として記載され得る。
GNA33によって示される分子模倣は例外的である。第1に、GNA33は上記のような非免疫グロブリンタンパク質であり、PorAとは関連がない。第2に、rGAN33は抗体反応を誘発し、これは、(多くの点において)外部膜ビヒクル調製物におけるネイティブなPorAによって誘発される抗体反応と機能活性が類似する。第3に、本明細書中に記載されるポリクローナルマウス抗rGNA33抗血清を、2つの独立した研究室において調製し、そして殺菌データを独立して繰り返した。
以前の研究において、PorA P1.2のループ4に対応するペプチドを用いた免疫は、ネイティブタンパク質に結合されたか、または補体の存在下で細菌溶解を媒介する抗体を惹起することに失敗した(McGuinnessら、J.Exp.Med(1990)171:1871−1872)。おそらく、より小さなペプチドフラグメントは、ネイティブポーリンに示される安定なコンフォメーションをとることは出来なかった。同様に、E.coliまたはB.subtilusにおいて発現されるrPorAを用いた免疫は、組換えタンパク質において表面受容可能なPorAエピトープのコンフォメーションがリポソームまたは界面活性剤を用いて再構築される場合を除いては、殺菌抗体を惹起することに失敗した(Christodoulidesら、Microbiology(1998)144:3027−3037およびIdanpaan−Heikkilaら、Vaccine(1995)13:1501−1508)。これらの結果は、殺菌抗体の惹起を担うPorAのエピトープが立体的であることを示唆する。対照的に、本明細書中に示されるように、rGNA33模倣物を用いた免疫は、PorAループ4のP1.2エピトープと交差反応する殺菌抗体を惹起した。rPorAと違って、免疫源として使用され
る組換えGNA33タンパク質が、組換え分子の再生についての必要性を有さず、フロイントのアジュバントと単に混合される場合に、これが生じる。
従って、GNA33ポリペプチド、エピトープ、GNA33に対して指向された抗体およびこれらの分子の使用は、記載されている。上記より、本発明の特定の実施形態が本明細書中に、例示目的のために記載されているが、種々の改変が、添付の特許請求の範囲によって規定される精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解される。
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実験1において、細菌を、i.p.によるチャンレンジの直前に、抗血清またはコントロールmAbと一緒に混合した。実験2、3および4において、0時間において、動物をmAbを用いてi.p.で処理した。2時間後、その動物を、細菌を用いてi.p.チャレンジした。両方の実験において、血液培養物をチャレンジの18時間後に得た。
幾何平均のCFU/mlの計算のために、滅菌培地を用いた動物に、1CFU/mlの値を割り当てた。実験1において、抗GNA33抗血清の1:5または1.25希釈を与えそして、株M986(28.8×10)でチャレンジした動物の組み合わせ群の幾何平均CFU/mlは、無関係なmAbまたはE.coli抗血清(350×10、P=0.02)を与えたコントロールの組み合わせた群のものよりも低かった。実験2、3および4において、抗GNA33 mAbで処置された動物の幾何平均CFU/mlは、無
関係なmAbを与えたコントロールの物より低かった(P<0.02)。
図1は、抗GNA33抗血清(1A)と生存する被包性のNmB株の表面に対する抗体との結合を示す。図1Aは、間接性蛍光フローサイトメトリーによって決定された、ポリクローナル抗GNA33抗血清と、生存する被包性のNmB株2996、M3735、M4207、およびMC58に対するコントロールmAbとの結合を示す。コントロールmAbsおよび抗血清としては、抗血清型Bの被膜特異的マウスmAb(SEAM 12,Granoffら、J.Immunol.(1998)160:5028−5036)、N.meningitidis血清亜型mAb抗PorA P1.2、およびE.coliの外膜小胞によって免役したマウス由来のポリクローナル抗血清が挙げられる。図1Bは、抗GNA33 mAb25とNmB株M3735、M4207、およびMC58に対するコントロールmAbとの結合を示す。このマウスコントロールmAbとしては、無関係の特異性を有するmAb(VIG10)および図1Aについて上記と同じ抗被包性mAbおよび抗PorA P1.2 mAbが挙げられる。 図2は、異なるMenB菌株から調製され、そしてSDS−PAGEによって分離された総膜分画のウェスタンブロットを示す。図2Aは、抗GNA33 mAb 25との反応性を示す。レーン1、rGNA33。レーン2、コントロールE.coli細胞から調製された総タンパク質。レーン3、4および5:それぞれ、MenB菌株である、NG3/88(Pl.1)、MC58(P1.7,16)、MC58の変異体から調製された総タンパク質、MC58変異体において、GNA33をコードする遺伝子が不活化されている(MC58ΔGNA33)。レーン6、7、8および9:それぞれ、MenB菌株であるBZ232、BZ232ΔGNA33、NMBおよびNMBΔGNA33から調製された総タンパク質。4つの菌株全ては、血清亜型P1.5,2である。図2Bは、図2Aに記載されるのと同じタンパク質サンプルのウェスタンブロットを示すが、一次検出抗体として抗PorA P1.2 mAbを用いている。 図3(配列番号1)は、代表的なGNA33ポリペプチドの全長アミノ酸配列を示す。下線を引かれた1〜21位に存在するアミノ酸は、リーダー配列に一致する。 図4は、(A)GNA33および(B)PorA P1.2(菌株2996)由来のセグメントに対応する連続的小ペプチドへの抗GNA33 mAb 25の結合を示す。示される個々のペプチドは、各タンパク質から調製された重複する10マーのペプチドを用いたマッピング研究から同定され、そしてmAb 25によって認識されているエピトープを含むことが示された。 図5は、間接性蛍光フローサイトメトリーによって決定されるように、生存する被包性NmBへのマウスmAbの結合を示す。試験されるmAbは、図1Bに整列して記載されている。図5Aは、菌株8047(ヒト補体を有する、BC50=15μg/ml)およびBZ232(ヒト補体を有する、BC50>150μg/ml)への抗GNA33 mAb 25の濃度依存性結合を示す。両方の菌株は、ウサギ(原文参照のこと)を用いて試験した場合、溶菌作用に対して感受性であった。図5Bは、菌株8047(PorA VR型P1.2−2)と比較した場合の、菌株M986(PorA VR型P1.2)および菌株M5682(PorA VR型P1.2)への抗GNA3の濃度依存性の結合を示す。M986は、抗GNA33溶菌作用(ヒトまたはウサギ)に対して耐性であり、M5682は感受性であり(ウサギ補体)、そして菌株8047は感受性であった(ヒトまたはウサギ)。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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