JP2008255254A - 超低硫黄軽油基材の製造方法 - Google Patents

超低硫黄軽油基材の製造方法 Download PDF

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】水素化脱硫と吸着脱硫を組み合わせて、低い水素消費量の低減、触媒の長寿命化や触媒使用量の削減などにより、省エネルギーと省資源に資する超低硫黄軽油基材の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)軽油留分を、水素化脱硫触媒で特定の反応条件下で水素化精製し、硫黄分10〜85質量ppmの低硫黄軽油留分を得る水素化脱硫工程、(B)水素化脱硫工程で得た低硫黄軽油留分の10〜80容量部を吸着脱硫剤と接触させて硫黄分1質量ppm以下の超低硫黄軽油留分を得る吸着脱硫工程、及び(C)前記低硫黄軽油留分と超低硫黄軽油留分を混合し、硫黄分10ppm以下の超低硫黄軽油基材を得る混合工程を含む超低硫黄軽油基材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、硫黄分を極めて高度に低減した超低硫黄軽油基材の製造方法に関する。
近年、大気環境改善のために、軽油の品質規制値が世界的に厳しくなる傾向にある。特に、軽油中の硫黄分はディーゼル車の排気ガス対策として期待されている酸化触媒、窒素酸化物(NOx)還元触媒、連続再生式ディーゼル排気微粒子除去フィルター等の後処理装置の耐久性に影響を及ぼす懸念があるため、軽油の低硫黄化が要請されている。一般的に、軽油中の硫黄分は低減すればするほど、排気ガス中の硫酸塩の生成が抑えられ、窒素酸化物還元触媒の劣化が抑制され、また後処理触媒上での粒子状物質の生成も低減して窒素酸化物及び粒子状物質の排出量の低減が期待される。
このような状況下で、軽油中の硫黄分を大幅に除去する超深度脱硫技術の開発が進められている。原油を常圧蒸留して得られる直留軽油留分と直脱軽質軽油留分を混合した原料油を水素化脱硫して低硫黄軽油を製造する方法(特許文献1)が開示されているが、30ppm程度の脱硫軽油しか得られていない。軽油中の硫黄分の低減化技術としては、通常、特許文献2、3等に開示される高性能触媒を反応塔に充填し、より脱硫が進みやすい過酷な運転条件で脱硫すること、例えば、反応温度を上げることや液空間速度(LHSV)を下げること等が考えられる。しかし、反応温度を上げると、触媒上に炭素質が析出して触媒の活性が急速に低下し、また、LHSVを下げると、脱硫能は向上するものの、触媒寿命が短くなり精製処理能力が低下する。このため、例えば4年間の連続運転を可能とするには、設備の規模、特には反応塔のサイズを大幅に拡張する必要がある。さらに、運転条件を過酷にすると芳香族の水素化反応が過度に進行し、多量の水素消費を伴い、製造コストが高くなるため好ましくない。
これに対して、本出願人は、先に吸着脱硫によって軽油中の硫黄分を10質量ppm以下に低減する方法を提案した(特許文献4)。しかし、水素化脱硫装置で精製した脱硫軽油を全量吸着脱硫剤にて脱硫するため、吸着脱硫剤への負荷や設備規模が過大となり、好ましくない。
特開2002−146365号公報 特開平3−281596号公報 特開2004−250554号公報 国際公開第03/097771号パンフレット
本発明は、上記問題を解決して硫黄分10質量ppm以下の超低硫黄軽油基材を製造するもので、水素化脱硫と吸着脱硫を巧みに組み合わせ、低い水素消費量、低い処理温度に基づく触媒の長寿命化や触媒使用量の低減などにより、省エネルギーと省資源に資する超低硫黄軽油基材の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、軽油留分を水素化脱硫、吸着脱硫などの脱硫技術で処理して硫黄含有量が極めて低い超低硫黄軽油基材を効率的に製造するため、鋭意研究を進めた結果、水素化脱硫と吸着脱硫を特定の条件で組み合わせて処理すると、超低硫黄軽油基材を効率的に製造できることを見出し本発明に想到した。
すなわち、本発明は、次に示す超低硫黄軽油基材の製造方法である。
(1) (A)軽油留分を、周期律表第6族の元素と第9族及び/又は第10族の元素を含む水素化脱硫触媒と、反応温度250〜450℃、液空間速度(LHSV)0.1〜10hr−1、水素/油比50〜1,000Nm/KL、水素圧力0.5〜10MPa(ゲージ圧力)の条件下に接触して水素化精製し、硫黄分10〜85質量ppmの低硫黄軽油留分を得る水素化脱硫工程、(B)水素化脱硫工程で得られた低硫黄軽油留分の10〜80容量部を吸着脱硫剤と接触させて硫黄分1質量ppm以下の超低硫黄軽油留分を得る吸着脱硫工程、及び、(C)水素化脱硫工程で得られた低硫黄軽油留分と吸着脱硫工程で得られた超低硫黄軽油留分を混合し、硫黄分が10質量ppm以下の超低硫黄軽油基材を得る混合工程を含む超低硫黄軽油基材の製造方法。
(2) 吸着脱硫工程で使用する吸着脱硫剤が、固体酸系脱硫剤、活性炭系脱硫剤および金属系脱硫剤から選ばれる1種類以上の脱硫剤である前記(1)項に記載の超低硫黄軽油基材の製造方法。
(3) 活性炭系脱硫剤は、500m/g以上の比表面積を有し、かつマイクロポア比表面積(Smicro[m/g])、マイクロポア外部細孔容積(Vext[cm/g])及びマイクロポア外部比表面積(Sext[m/g])が、下記の式(1)を満足する炭素材料を含む前記(2)項に記載の超低硫黄軽油基材の製造方法。
Smicro×2×Vext/Sext>3.0 (1)
(4) 吸着脱硫が、水素の非存在下、温度150℃以下で行われる上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の超低硫黄軽油基材の製造方法。
本発明の超低硫黄軽油基材の製造方法は、水素化脱硫、吸着脱硫を組み合わせて硫黄含有量の高い軽油留分を処理し、硫黄分10質量ppm以下の超低硫黄軽油基材を製造する方法である。本発明の超低硫黄軽油基材の製造方法によれば、2種類の脱硫手段を組み合わせることにより水素化脱硫工程では比較的マイルドな条件で運転することが可能となり、エネルギーや水素の消費が抑制されて、さらに、触媒の長寿命化が図られ、精製コストを低く押さえることができ、また、吸着脱硫工程では水素を用いず高圧を要しないことから、高圧、高機能仕様の反応器等を必要としない。したがって、硫黄分10質量ppm以下といった超低硫黄軽油基材を、抑制された設備費、低い精製コストで製造することができるといった格別の効果を奏する。
さらに、この超低硫黄軽油基材は硫黄含有量が少ないため、これを用いて製造された超低硫黄軽油組成物をディーゼル自動車に用いると、排気ガス中の硫黄酸化物の排出量が減少して窒素酸化物還元触媒の劣化が抑制され、さらに、後処理触媒やフィルター上への粒子状物質の堆積が低減する。したがって、硫黄酸化物、窒素酸化物及び粒子状物質の排出量を抑制できるとともに窒素酸化物還元触媒の長期間使用が可能になる等の環境負荷の低減、資源の有効活用に資する。
〔軽油留分〕
本発明の超低硫黄軽油基材の製造方法における原料となる軽油留分は、好ましくは、硫黄分が0.5〜5質量%、特には1〜2質量%であり、窒素分が50質量ppm以上、特には80〜500質量ppmであり、密度(15℃)が0.80〜0.90g/cmであり、蒸留性状において、10容量%留出温度が180〜290℃、特には200〜280℃、50容量%留出温度が250〜320℃、特には260〜310℃、90容量%留出温度が310〜370℃、特には320〜360℃、そして95容量%留出温度が320〜390℃、特には330〜380℃である。
この軽油留分としては、原油を常圧蒸留して得られる直留軽油留分、重質油の熱分解油や接触分解油の分解軽油留分、常圧残渣の直接脱硫あるいは間接脱硫で得られる軽油留分や重質油の水素化分解で得られる水素化分解軽油留分などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に直留軽油留分を用いることが好ましく、直留軽油留分単独でもよいが、熱分解油や接触分解油を直留軽油留分に混合した混合軽油留分でもよい。さらには、軽油留分よりさらに軽い留分である灯油留分を混合して用いることもできる。
熱分解油とは、常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、減圧軽油留分などの重質油留分に熱を加えて、ラジカル反応を主体にした分解反応により得られる軽質留分で、例えば、ディレードコーキング法、フルードコーキング法あるいはビスブレーキング法等により得られる留分をいう。本発明の超低硫黄軽油基材の製造方法における原料の軽油留分として、得られた熱分解油の全留分を用いてもよいが、留出温度が150〜520℃の範囲内にある留分を用いることが好ましい。
接触分解油の分解軽油留分とは、中間留分や重質留分、特には減圧軽油留分や常圧蒸留残油等をゼオライト系触媒と接触分解する際に得られる留分、特に高オクタン価ガソリン製造を目的とした流動接触分解装置において副生する分解軽油留分である。この留分は、一般に、沸点が相対的に低いライトサイクルオイル(LCO)と沸点が相対的に高いヘビーサイクルオイル(HCO)として別々に採取される。本発明においては、これらの留分のいずれをも用いることができるが、前者のLCOを用いることが好ましい。このLCOの蒸留性状は、一般に、10容量%留出温度が200〜250℃、50容量%留出温度が250〜290℃、90容量%留出温度が300〜355℃の範囲内にある。また、HCOの蒸留性状は、10容量%留出温度が280〜340℃、50容量%留出温度が390〜420℃、90容量%留出温度が450℃以上である。
原料となる軽油留分には、灯油留分を混合して用いることもできる。この場合、灯油留分としては、硫黄分が10質量ppm以下、窒素分が1質量ppm以下、密度(15℃)が0.76〜0.82g/cmであり、95容量%留出温度が230〜300℃であり、引火点が40℃以上、煙点が23mm以上、セーボルト色が+25以上であることが好ましい。
〔水素化脱硫工程〕
石油精製において、原油を蒸留して得られる軽油留分には、硫黄分が通常5,000〜20,000質量ppm含まれる。これを何も処理せずに吸着脱硫剤による脱硫処理を行うと、多孔質脱硫剤の寿命が著しく短くなり好ましくない。このため、硫黄分が1質量ppm以下の超低硫黄軽油留分を製造する場合は、吸着脱硫剤による脱硫処理の前に、硫黄分が10〜85質量ppm、好ましくは10〜50質量ppmになるように水素化脱硫処理する。
この水素化脱硫処理に用いる水素化脱硫触媒としては、周期律表第6族の元素と第9族及び/又は第10族の元素を含む触媒を用いる。周期律表第6族の元素としてはモリブデン、タングステン、第9族の元素としてはコバルト、第10族の元素としてはニッケルが特に好ましい。これら周期律表第6族の元素と第9族及び/又は第10族の元素は、無機多孔質酸化物担体に担持して用いることが好ましい。無機多孔質酸化物担体としては、周期律表第2、第4、第13、及び第14族の元素の酸化物を用いることができる。このうちでも、シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、ボリア、カルシア等が好適であり、これらは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用すると良い。特には、アルミナ(γ、δ、η、χ等の各結晶構造を有するもの)、シリカ−アルミナ、シリカ、アルミナ−マグネシア、シリカ−マグネシア、アルミナ−シリカ−マグネシアが好ましい。
上記無機多孔質酸化物担体は、共沈法や混練法等により無機含水酸化物を製造し、これを成形した後、乾燥・焼成を行う方法により、容易に調製できる。
金属成分等の担持は、通常用いられるスプレー含浸法や浸漬法等で行うことが好ましく、無機多孔質酸化物担体の吸水率に相当する溶液を含浸させるポアフィリング法が特に好ましい。金属を担体にくまなく均一に分散させて担持するために、有機化合物又は有機塩類等を金属担持液に共存させるとよい。金属を含む溶液を含浸したのち50〜180℃、より好ましくは80〜150℃で、10分〜24時間乾燥し、さらに金属をより多く担持するために、含浸と乾燥とを繰り返して行ってもよい。所望の量の金属を担持した後乾燥、焼成処理することによって水素化脱硫触媒が製造される。焼成処理は、好ましくは400〜600℃、特には450〜580℃の温度範囲で行われ、焼成温度までの昇温時間は10〜240分、焼成温度での保持時間は1〜240分が好適である。
水素化脱硫触媒は、硫化処理することによって水素化脱硫触媒としての活性点を発現する。通常、硫化処理は、水素化脱硫触媒を、水素化脱硫に用いる反応器内に充填した後に行われる。この硫化処理は、硫化剤を水素化脱硫触媒に接触させながら徐々に昇温して行うが、最終的な硫化処理温度は450℃以下、好ましくは100〜400℃である。常圧あるいはそれ以上の水素分圧の水素雰囲気下、硫化剤として硫黄化合物を含む石油蒸留物、硫黄含有化合物を添加した石油蒸留物、あるいは硫化水素を用いて行う。硫黄含有化合物は、硫化処理条件下で分解して硫化水素に転化し得るものであれば特に限定はないが、好ましくは、チオール類、二硫化炭素、チオフェン類、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド及び種々のポリスルフィド類である。水素化脱硫触媒を反応器に充填した後、硫化処理を開始する前に、水素化脱硫触媒に付着した水分を除去するための乾燥処理を行うことが好ましい。この乾燥処理は、水素又は不活性ガスの雰囲気下で、常圧あるいはそれ以上の圧力でガスを流通させ、常温〜220℃、好ましくは200℃以下で行うことができる。
水素化脱硫処理における反応装置は、バッチ式、流通式、固定床式、流動床式等、反応形式に特に制限はないが、固定床流通式反応器に充填された水素化脱硫触媒に水素と原料油とを連続的に供給して接触させる形式が好ましい。水素化脱硫処理の好ましい反応条件は、反応温度が250〜450℃、特には280〜400℃、水素圧力が0.5〜10MPa、特には3〜8MPa、水素/油供給比が50〜1,000Nm/KL、特には100〜400Nm/KL、LHSVが0.1〜10hr−1、特には0.5〜5hr−1である。
水素化脱硫工程において生成した低硫黄軽油留分には、脱硫によって生成した硫化水素が溶存しており、その後に続く多孔質脱硫剤による吸着脱硫処理において多孔質脱硫剤の硫黄吸着容量をその分損なうことになるから、硫化水素は多孔質脱硫剤による吸着脱硫処理の前に極力取り除いておくことが好ましい。硫化水素除去方法については特に限定しないが、硫化水素を含まないガスやスチーム注入によるストリッピング、精留、吸着剤による除去等を単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。吸着脱硫工程にかける低硫黄軽油留分中の硫化水素含有量は硫黄分として1質量ppm以下が好ましく、さらには0.5質量ppm以下がより好ましい。
〔低硫黄軽油留分〕
軽油留分は、水素化脱硫工程で、水素の存在下に周期律表第6族の元素と第9族及び/又は第10族の元素を含む水素化脱硫触媒との接触により硫黄分が除去されて10〜85質量ppmの低硫黄軽油留分に変換される。この低硫黄軽油留分は、その10〜80容量部を吸着脱硫工程で処理されて硫黄分1質量ppm以下の超低硫黄軽油留分となり、そして吸着脱硫工程に送らなかった低硫黄軽油留分と混合されて硫黄分10質量ppm以下の超低硫黄軽油基材が製造される。超低硫黄軽油基材は、硫黄分が10質量ppm以下であればよく、その他の物性を特に限定するものでない。したがって、超低硫黄軽油留分と低硫黄軽油留分とは、硫黄分が10質量ppm以下の混合物(超低硫黄軽油基材)が得られるのであれば、どのような割合で混合してもよい。通常、水素化脱硫して得られた低硫黄軽油留分の10〜80容量部を吸着脱硫して得られた超低硫黄軽油留分全量と、吸着脱硫工程に送らなかった90〜20容量部の低硫黄軽油留分とを混合して超低硫黄軽油基材を製造することが、軽油のブレンド基材をいたずらに増やさず好ましい。
〔吸着脱硫剤による吸着脱硫工程〕
本発明の超低硫黄軽油基材の製造方法において吸着脱硫工程は、水素化脱硫工程で得られた低硫黄軽油留分の10〜80容量部、好ましくは20〜80容量部を、水素の非存在下で、硫黄吸着機能を持った吸着脱硫剤と接触させて脱硫する工程である。ここで、水素の非存在下とは、吸着脱硫工程において実質的に水素を添加したり、あるいは消費しないことを意味し、前工程の水素化脱硫工程から低硫黄軽油留分に不可避的に溶解し同伴して持ち込まれる微量の水素の存在を否定するものではない。
水素化脱硫工程において硫黄分が10〜85質量ppm、好ましくは10〜50質量ppmになるように水素化脱硫処理された低硫黄軽油留分は、吸着脱硫剤によって脱硫処理され、硫黄分が1質量ppm以下の吸着脱硫軽油留分に変換される。
なお、水素化脱硫工程からの低硫黄軽油留分を、80容量部を超えて吸着脱硫工程で処理して硫黄分が1質量ppm以下の超低硫黄軽油留分を得ようとすると、処理量(通油量)が増え、LHSVが大きくなって吸着脱硫剤の寿命が急激に短くなり、また、それ故に吸着脱硫剤の交換頻度が高まるなどの問題を生じるので好ましくない。
本発明に用いる吸着脱硫剤は、有機硫黄化合物(特にアルキルジベンゾチオフェン類)中の硫黄原子を固定化することに特徴を有する脱硫剤である。吸着脱硫は水素化脱硫とは異なり、生成物として硫化水素などの硫黄化合物を発生しない。吸着脱硫剤としては、固体酸系脱硫剤、活性炭系脱硫剤および金属系脱硫剤から選ばれる1種類以上の脱硫剤を好ましく用いることができる。
固体酸系脱硫剤として具体的には、ゼオライト、シリカ、アルミナ、活性白土などの固体酸のほかに、硫酸根ジルコニア、硫酸根アルミナ、硫酸根酸化すず、硫酸根酸化鉄、タングステン酸ジルコニア、タングステン酸酸化すずなどの固体超強酸も挙げることができる。これらのなかでも、ゼオライトとしてはプロトンタイプのフオージャサイト型ゼオライト、プロトンタイプのモルデナイト及びプロトンタイプのβゼオライトの中から選ばれる少なくとも1種のゼオライ卜が好ましい。特には、シリカ/アルミナ比が小さい方が吸着サイトとなる酸量が多いことから、シリカ/アルミナ比が100mol/mol以下であるものが好ましく、さらには30mol/mol以下であるものが好ましい。
活性炭系脱硫剤としては、特許文献4に記載の繊維状活性炭を好ましく用いることができる。繊維状活性炭は、比表面積が500m/g以上であることが好ましく、より好ましくは1,000m/g以上であり、特に好ましくは2,000m/g以上である。また繊維状活性炭は平均長さ100μm以上、より好ましくは1mm以上のものを用いることが好ましい。吸着脱硫剤として繊維状活性炭を用いた場合、繊維状活性炭は繊維状の半径方向に沿った細孔を有するので、吸着容量を一層大きくすることができる。特に、細孔半径1nm以上のメソ孔の存在量の多い繊維状活性炭は吸着速度が大きいので好ましく用いられる。吸着脱硫は、主に物理的吸着であるので、液相状態で、かつ好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃以下で行う。また、繊維状活性炭は、繊維同士が互いに絡み合うため、粒状活性炭や粉末状活性と比較して吸着槽(塔)に充填しやすく、しかも吸着槽から流出し難い。また、長期間運転しても吸着槽の差圧上昇が比較的少ないために、安定した運転を長期継続することができ、操作の観点からも好ましい。
さらに、活性炭系脱硫剤は、マイクロポア比表面積(Smicro)、マイクロポア外部細孔容積(Vext)及びマイクロポア外部比表面積(Sext)が、次の式(1)を満足する炭素材料を含むことが好ましく、式(1)の左辺の値が5.0以上であることがより好ましい。
Smicro×2×Vext/Sext>3.0 (1)
なお、式(1)において、各項目は次の単位を用いる。
マイクロポア比表面積(Smicro)・・・ [m/g]
マイクロポア外部細孔容積(Vext)・・[cm/g]
マイクロポア外部比表面積(Sext)・・[m/g]
また、式中2×Vext/Sextはメソポア平均細孔径と称することもある。
金属系脱硫剤としては、多孔質担体に遷移金属酸化物を担持させたものが挙げられ、遷移金属酸化物の種類としては、銀、水銀、銅、カドミウム、モリブデン、亜鉛、コバルト、マンガン、ニッケル、白金、パラジウム及び鉄の酸化物を挙げることができる。安全性や経済性などから、好ましいのは銅、亜鉛、ニッケルの酸化物である。多孔質担体としては、活性炭、ゼオライト、活性白土、シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、ボリア、カルシア等が好適であり、これらは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、多孔質担体は、共沈法や混練法等により無機含水酸化物を製造し、これを成形した後、乾燥、焼成して簡単に調製できる。
〔吸着脱硫剤の脱着再生〕
吸着脱硫剤と低硫黄軽油留分とを接触させて脱硫を進めると、吸着脱硫剤の硫黄化合物の吸着能力が低下する。しかし、ある程度低下しても、吸着脱硫剤に吸着した有機硫黄化合物を脱着して吸着脱硫剤を再生すると通常吸着能力を取り戻すため、再び吸着脱硫剤と低硫黄軽油留分とを接触させて吸着脱硫することができる。
吸着能力が低下した吸着脱硫剤を、トルエン、アルコール及びアセトン、アルキルベンゼン類などの溶剤と接触させて、あるいは非酸化雰囲気下及び/又は減圧下で加熱して、硫黄化合物を脱着して脱硫剤を再生し、繰り返し使用することが可能である。吸着脱硫剤を溶剤と接触する方法は、吸着脱硫剤が充填された層に溶剤を流す方法、吸着脱硫剤を溶剤の中に浸漬する方法、吸着脱硫剤に溶剤を噴射して吹き付ける方法など、公知の任意の方法で行うことができる。また、前記方法の2種以上を組み合わせてもよい。さらに、前記方法に攪拌、揺動、振動、超音波照射、エアバブリングなどの1種以上を組み合わせることも効果的である。脱着された硫黄化合物は溶剤に溶解して除去されるが、例えば、さらに蒸留して溶剤と硫黄化合物を分離し、溶剤を回収して繰り返し使用することもできる。また、硫黄化合物は非酸化雰囲気下(通常は窒素雰囲気下)及び/又は減圧下で、
100〜800℃、好ましくは100〜500℃、より好ましくは100〜400℃で加熱することにより、短時間で脱着できる。また、直接的に脱着剤としては機能しないが、加熱源として水蒸気を使用することも可能である。分離した硫黄化合物は液体であり、硫黄濃度などの性状が許容できる範囲で重油等に混合したり、あるいは排煙脱硫設備が完備したコ-クスボイラ−などの燃料として利用することができる。
〔超低硫黄軽油留分〕
本発明の超低硫黄軽油基材の製造方法において、吸着脱硫工程で得られる超低硫黄軽油留分の硫黄分は1質量ppm以下であり、少ないほど好ましい。このため吸着脱硫工程に供する低硫黄軽油留分の硫黄分は、10〜85質量ppm、好ましくは10〜50質量ppmである。
〔混合工程〕
水素化脱硫工程で得られた低硫黄軽油留分のうち10〜80容量部、好ましくは20〜80容量部を吸着脱硫工程で処理して得た超低硫黄軽油留分と、吸着工程での処理を行わなかった水素化脱硫工程で得られた低硫黄軽油留分の残りの90〜20容量部、好ましくは80〜20容量部は、それぞれ混合工程に送られ、そこで混合され、超低硫黄軽油基材となる。混合工程は、水素化脱硫工程及び吸着脱硫工程からそれぞれ流出した低硫黄軽油留分と超低硫黄軽油留分とを混合するだけの工程であり、石油精製やその他の産業で多用されている周知の適宜な混合方法を用いて均一な組成物(超低硫黄軽油基材)が得られるよう行えばよい。
〔超低硫黄軽油基材〕
本発明において、超低硫黄軽油基材としては硫黄分を10質量ppm以下、好ましくは5〜10質量ppmにコントロールする。しかし、超低硫黄軽油基材の硫黄分は、水素化脱硫軽油留分と吸着脱硫軽油留分のそれぞれに含まれている硫黄分によって決まり、混合工程では、硫黄分を低減することは本質的にできない。したがって、所望の硫黄分を有する超低硫黄軽油基材が得られるように、低硫黄軽油留分及び超低硫黄軽油留分のそれぞれに含まれている硫黄分を、それぞれ水素化脱硫工程及び吸着脱硫工程の運転条件や、低硫黄軽油留分を吸着脱硫工程で処理する配分比率などの制御可能なパラメータで前もって調整しておくことが好ましい。この硫黄分はASTM D5453(紫外蛍光法)に規定された方法により測定されるものである。
芳香族分は10〜20容量%が好ましく、13〜18容量%が特に好ましい。芳香族分が10容量%未満であると発熱量が低下し、燃費が低下するので好ましくない。逆に芳香族分が多いと、例えば20容量%を超えるとエンジンから排出される粒子状物質の量が増えるので好ましくない。ここで、この芳香族分はJPI−5S−49−97に規定された方法により測定されるものである。
蒸留性状において、90容量%留出温度は360℃以下が好ましく、さらに好ましくは350℃以下である。90容量%留出温度が360℃を超えるとエンジンから排出される粒子状物質の量が増え好ましくない。この90容量%留出温度はJIS K2254に規定された石油製品−蒸留試験方法により測定されるものである。
15℃における密度は0.80〜0.87g/cmが好ましく、さらに好ましく0.82〜0.86g/cmであり、特に好ましくは0.83〜0.85g/cmである。15℃における密度が0.80g/cm未満であると発熱量が低下し燃費及び加速性の悪化を招く傾向がある。15℃における密度が0.87g/cmを超えると、排出ガスの粒子状物質濃度が増加し好ましくない。この15℃における密度はJIS K2249に規定された方法により測定されるものである。
真発熱量は34.5MJ/L以上が好ましく、さらに好ましくは35MJ/L以上である。真発熱量が34.5MJ/L未満であると出力低下を招くので好ましくない。この真発熱量はJIS K2279に規定された方法により測定されるものである。
30℃における動粘度は1.5〜5.0mm/sが好ましく、2.5〜5.0mm/sがさらに好ましい。30℃における動粘度が1.5mm/s未満であると、ディーゼル車の燃料噴射量が少なくなり出力低下を引き起こすおそれがあり、又は、エンジンに搭載された燃料噴射ポンプの各部における潤滑性が損なわれ、好ましくない。30℃における動粘度が5.0mm/sを超えると、燃料噴射システム内部の抵抗が増加して噴射系が不安定化し、排出ガス中のNOx、粒子状物質濃度が高くなり好ましくない。この30℃における動粘度はJIS K2283に規定された方法により測定されるものである。
〔超低硫黄軽油組成物〕
超低硫黄軽油組成物は超低硫黄軽油基材それだけで、あるいは、超低硫黄軽油基材とその他の軽油基材とを混合して調製することができる。
超低硫黄軽油組成物の硫黄分は5〜20質量ppm、特には5〜10質量ppm、芳香族分は10〜20容量%、密度(15℃)は0.80〜0.87g/cm、真発熱量が34.5MJ/L以上を満たすよう、その他の基材を混合して調製できる。超低硫黄軽油基材が前記性状を満たせば、そのまま超低硫黄軽油基材だけで超低硫黄軽油組成物とすることもできる。その他の基材と混合する場合、超低硫黄軽油基材は50容量%以上、特には80容量%以上含むことが好ましい。その他の基材としては、直留灯油、直留軽油、熱分解灯油、熱分解軽油、接触分解軽油など、さらにそれらを水素化脱硫触媒による水素化脱硫処理等によって硫黄分を20質量ppm以下にした超低硫黄灯油、減圧軽油を水素化分解して得られる水素化分解灯油及び水素化分解軽油、天然ガスやアスファルト分解ガス等を化学合成させて得られる合成灯油及び合成軽油などが挙げられる。
〔軽油添加剤〕
超低硫黄軽油基材又は超低硫黄軽油組成物には、従来軽油への添加剤として用いられている低温流動性向上剤、耐摩耗性向上剤、セタン価向上剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、腐食防止剤等の公知の燃料添加剤を添加してもよい。低温流動性向上剤としては、エチレン共重合体などを用いることができるが、特には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどの飽和脂肪酸のビニルエステルが好ましく用いられる。耐摩耗性向上剤としては、例えば長鎖脂肪酸(炭素数12〜24)又はその脂肪酸エステルが好ましく用いられる。10〜500ppm、好ましくは50〜100ppmの添加量で十分に耐摩耗性が向上する。
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
〔軽油留分〕
本実施例では原料油として、すなわち水素化脱硫工程で用いる軽油留分としては、中東系の原油を常圧蒸留して得られた直留軽油を用いた。その性状を表1に示す。
Figure 2008255254
なお、表1の直留軽油の物性測定で、密度はJIS K2249、蒸留性状はJIS K2254、窒素分はJIS K2609、硫黄分はASTM D5453(紫外蛍光法)に準拠して測定した。
〔評価試験〕
直留軽油を水素化脱硫工程で水素化脱硫し、低硫黄軽油留分を得、低硫黄軽油留分の一部を吸着脱硫工程で処理して超低硫黄軽油留分を得る。次いで、吸着脱硫工程に送らない低硫黄軽油留分の残部と吸着脱硫処理して得た超低硫黄軽油留分とを混合して超低硫黄軽油基材を得る。このとき吸着脱硫工程に送って処理する水素化脱硫軽油留分の量(吸着脱硫工程への分配率)を変えて、水素化脱硫触媒の寿命、脱硫剤の寿命、水素消費量などを評価する。このとき、得られる超低硫黄軽油基材の全硫黄分は、9質量ppm前後にほぼ一定になるように水素化脱硫工程の反応温度を調節して制御する。なお、吸着脱硫工程は、反応温度、水素圧力、水素/油比は皆同じ条件下に行い、LHSVのみ吸着脱硫工程への分配率に比例して変わる。
試験結果を水素化脱硫工程及び吸着脱硫工程の運転条件とともに表2に示す。なお、吸着脱硫工程への分配率100%は、水素化脱硫工程から流出する水素化脱硫軽油留分は全量そのまま吸着脱硫工程で処理するケースであり、分配率0%は、水素化脱硫のみで、吸着脱硫工程での処理がないケースである。
Figure 2008255254
水素化脱硫工程及び吸着脱硫工程について、評価試験を行う水素化脱硫触媒、吸着脱硫剤、各装置条件などの詳細は次のとおりである。
〔水素化脱硫〕
アルミナにモリブデン15質量%及びコバルト3質量%を担持した水素化脱硫触媒(触媒A)100cmを内径2.5cm長さ103cmの反応器に充填する。水素化脱硫を行う前に二硫化炭素1質量%を含む軽油を300℃、5MPaの水素共存下で通油し、いわゆる予備硫化を行う。硫化後、水素を流しながら昇温し、水素圧力8.0MPa、液空間速度(LHSV)0.9hr-1、水素/油供給比(H/Oil)300NL/Lの条件下で、表1に示す物性の直留軽油を通油して水素化脱硫し、低硫黄軽油留分を得る。このとき、低硫黄軽油留分と、後述の吸着脱硫で得られた超低硫黄軽油留分とを混合して得られる超低硫黄軽油基材の硫黄分が9質量ppm前後にほぼ一定になるように、反応温度を変えて低硫黄軽油留分の硫黄分を調節する。
なお、水素化脱硫触媒の相対寿命は次のようにして求めた値である。水素化脱硫軽油留分の硫黄分を、水素圧力、水素/油比、LHSVが一定の条件下に、表2に示す一定の濃度に維持するためには反応温度を昇温させることが必要であり、そのときの昇温速度の逆数を水素化脱硫触媒の相対寿命と定義し、吸着脱硫工程への分配率が0%の時の昇温速度を1.0とした相対値で示す。
〔吸着脱硫〕
吸着脱硫剤として、クラレケミカル社製の繊維状活性炭(FR−25)を繊維状のままで用いた。吸着脱硫剤における比表面積は2749m/g、全細孔容積は0.96cm/g、平均細孔直径は1.4nm、Smicroは2,741m/g、Vmicroは0.94cm/g、Sextは8m/g、Vextは0.012cm/g、そして、Smicro×2×Vext/Sextは8.2cm/gであった。まず、吸着脱硫剤を150℃で3時間乾燥した後、長さ60cm、内容積54cmの吸着塔(以下、カラムという)に吸着脱硫剤を19.6g充填した。吸着脱硫剤を充填した後、表2に示す水素化脱硫した低硫黄軽油留分をカラムに流通し、LHSVを、吸着脱硫工程への分配率に合わせて0.3〜2.8hr−1で供給して、吸着脱硫して超低硫黄軽油留分を得た。その際、カラムから流出する累積流出量に対する超低硫黄軽油留分中の硫黄分を紫外蛍光法により測定した。
結果を表2に示す。なお、吸着脱硫剤の相対寿命は、吸着脱硫処理して得た超低硫黄軽油留分中の硫黄分が1質量ppmを超えた時点までの通油時間を吸着脱硫剤の寿命と定義し、吸着脱硫工程への分配率を100%とした時の寿命(通油時間)を1.0とした相対値で示す。
〔吸着脱硫剤の再生〕
吸着脱硫処理して得た超低硫黄軽油留分中の硫黄分が1質量ppmを超えた段階で吸着脱硫処理を停止して、100℃に加熱したトルエン(脱着剤)をそのカラムに2mL/minで流して吸着脱硫剤に吸着されている硫黄化合物を脱着し、その際、カラムから流出する流出液の硫黄分を測定した。脱着剤としてトルエンをカラムに流すと、流出する流出液中の硫黄分の濃度は当初次第に増加してゆく。しかしながら、ある累積流出量でピークとなり、その後、流出液中の硫黄分の濃度は漸次減少してゆく。流出液中の硫黄分が1ppm以下となる時点で再生完了とした。こうして再生したカラムに硫黄分約40質量ppmの低硫黄軽油留分をLHSV2.2hr-1、温度25℃で通油したところ硫黄分1ppm以下の超低硫黄軽油留分が得られ、カラム内の吸着脱硫剤はほぼ完全に脱着再生された。
表2から、吸着脱硫工程で処理する割合が増えるほど、水素化脱硫工程での水素消費量を低減し、水素化精製装置の反応温度を低下させることができる上、水素化脱硫触媒の寿命が伸び、長期運転が可能となることが分かる。ただし、吸着脱硫工程で処理する割合が増え過ぎると、吸着脱硫工程における脱硫剤の寿命が著しく低下してしまうため、結局、特に10〜80容量部を吸着工程で処理することで、格別な効果が得られることが分かる。

Claims (4)

  1. (A)軽油留分を、周期律表第6族の元素と第9族及び/又は第10族の元素を含む水素化脱硫触媒と、反応温度250〜450℃、液空間速度0.1〜10hr−1、水素/油比50〜1,000Nm/KL、水素圧力0.5〜10MPa(ゲージ圧力)の条件下に接触して水素化精製し、硫黄分10〜85質量ppmの低硫黄軽油留分を得る水素化脱硫工程、(B)水素化脱硫工程で得られた低硫黄軽油留分の10〜80容量部を吸着脱硫剤と接触させて硫黄分1質量ppm以下の超低硫黄軽油留分を得る吸着脱硫工程、及び、(C)水素化脱硫工程で得られた低硫黄軽油留分と吸着脱硫工程で得られた超低硫黄軽油留分を混合し、硫黄分が10質量ppm以下の超低硫黄軽油基材を得る混合工程を含むことを特徴とする超低硫黄軽油基材の製造方法。
  2. 吸着脱硫工程で使用する吸着脱硫剤が、固体酸系脱硫剤、活性炭系脱硫剤および金属系脱硫剤から選ばれる1種類以上の脱硫剤である請求項1に記載の超低硫黄軽油基材の製造方法。
  3. 活性炭系脱硫剤は、500m/g以上の比表面積を有し、かつマイクロポア比表面積(Smicro[m/g])、マイクロポア外部細孔容積(Vext[cm/g])及びマイクロポア外部比表面積(Sext[m/g])が、次の式(1)を満足する炭素材料を含む請求項2に記載の超低硫黄軽油基材の製造方法。
    Smicro×2×Vext/Sext>3.0 (1)
  4. 吸着脱硫が、水素の非存在下、温度150℃以下で行われる請求項1〜3のいずれかに記載の超低硫黄軽油基材の製造方法。
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