JP2008254545A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動モータ7の出力軸10からウォーム減速機のウォーム8にトルク伝達を行なわせるスプライン係合部の隙間を或る程度確保したまま、このスプライン係合部での摩擦損失を低減する。
【解決手段】スプライン軸部12の先端面とスプライン孔11の奥端面との間に、軸方向寸法を拡縮自在な弾性を有する弾性部材15を設ける。この弾性部材15は、上記スプライン軸部12の先端面に基端部を、この先端面と同心に支持する。この弾性部材15の先端面に設けた円すい状凸面16と、上記スプライン孔11の奥端面に設けた円すい状凹面17との突き合わせに基づく調心機能により、上記このスプライン孔11と上記スプライン軸部12との径方向に関するずれを抑える。そして、上記出力軸10の中心軸と上記ウォーム8の中心軸とを一致若しくはほぼ一致させ、上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

この発明に係る電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力源として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。本発明は、この様な電動式パワーステアリング装置を構成する減速機のウォーム軸の基端部と、上記電動モータの出力軸の先端部との接続部に設けるトルク継手部での動力損失の低減を図るべく発明したものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。
電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、上記電動モータにより回転駆動されるウォームと、上記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、上記電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。
例えば特許文献1には、図5〜6に示す様な電動式パワーステアリング装置が記載されている。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられる、回転軸であるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持しており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5をウォーム軸6の軸方向中間部に設け、電動モータ7により回転駆動されるウォーム8の両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、上記ハウジング3内に回転自在に支持されている。
上記ウォーム8を上記電動モータ7の出力軸10により回転駆動する為に、上記ウォーム軸6の基端部にスプライン孔11を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で形成している。又、上記出力軸10の先端部にスプライン軸部12を形成している。そして、このスプライン軸部12と上記スプライン孔11とをスプライン係合させる事で、上記出力軸12と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を自在に結合している。
更に、図6に示した従来構造の場合、上記ウォームホイール4と上記ウォーム歯5との噛合部のバックラッシュをなくす為に、上記ウォーム軸6の先端部(図6の右端部)を上記ウォームホイール4に向け弾性的に押圧する様にしている。即ち、上記ウォーム軸6の先端部で先端側の転がり軸受9aよりも突出した部分に押圧駒13を外嵌し、この押圧駒13と上記ハウジング3との間にコイルばね14等の弾性部材を設けている。そして、このコイルばね14により、上記押圧駒13を介して、上記ウォーム歯5を上記ウォームホイール4に向け押圧している。この様な構成により、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、上記電動モータ7の回転方向の変換時に、上記ウォームホイール4と上記ウォーム歯5との噛合部での歯打ち音の発生を抑えている。
上述の様な電動式パワーステアリング装置の作動時の動作を安定させるべく、上記電動モータ7の出力軸10(と共に回転するロータ)や上記ウォーム軸6の軸方向のがたつきをなくす事が、特許文献2、3に記載されている様に、従来から考えられている。これら各特許文献に記載された構造では、出力軸とウォーム軸との間に、Oリング(特許文献2の図9)或いは圧縮コイルばね(特許文献3の図1、3)を、弾性的に圧縮した状態で挟持している。そして、上記出力軸と上記ウォーム軸とに、互いに離れる方向の弾力を付与し、これら出力軸(と共に回転するロータ)及びウォーム軸が軸方向にがたつく事を防止する。
ところで、図6に示した構造で、上記出力軸10と上記ウォーム軸6とのトルク継手部、即ち、前記スプライン孔11と前記スプライン軸部12とのスプライン係合部の伝達効率を確保する為には、これらスプライン孔11の中心軸とスプライン軸部12の中心軸とのずれ(偏心量)をできるだけ小さく抑える事が好ましい。これら両中心軸同士がずれていると、上記出力軸10から上記ウォーム軸6へのトルク伝達時に、上記スプライン孔11の内周面に形成した雌スプライン歯の円周方向側面と、上記スプライン軸部12の外周面に形成した雄スプライン歯の円周方向側面とが、径方向に関して互いに擦れ合う。又、この擦れ合う程度(擦れ合い長さ)は、上記偏心量が大きくなる程長くなる。そして、この擦れ合いに基づいて、上記スプライン係合部の伝達効率が低下する。
電動式パワーステアリング装置の性能向上(所定の補助トルクを付与する為に必要とされる電力の低減)を図る為には、上記スプライン係合部の伝達効率の向上を図るべく、上記スプライン孔11の中心軸と上記スプライン軸部12の中心軸とのずれを小さくする事が考えられる。但し、単にこれらスプライン孔11をスプライン軸部12とのスプライン係合部の隙間を小さくすると、電動式パワーステアリング装置の組立時に、上記スプライン孔11とスプライン軸部12とをスプライン係合させる作業が面倒になる。又、上記図6に示した様に、コイルばね14等の弾性部材により前記ウォーム8の先端部を前記ウォームホイール4に向け弾性的に押圧して、ウォーム減速機のバックラッシュを解消する構造の場合には、上記ウォーム8を上記スプライン係合部を中心として揺動変位させる必要がある。従って、このスプライン係合部の隙間をあまり小さくする事はできない。これらの事を考慮すれば、このスプライン係合部の隙間を或る程度確保したまま、上記スプライン孔11の中心軸と上記スプライン軸部12の中心軸とを一致させられる構造の実現が望まれる。これに対して、前述の様な特許文献2、3に記載された構造の場合には、出力軸及びウォーム軸が軸方向にがたつく事は抑えられても、これら出力軸とウォーム軸との中心軸同士を一致させる事はできない。
特開2004−306898号公報 特開2002−255047号公報 特開2004−181990号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、スプライン係合等の、断面形状が非円形の周面同士の係合に基づき、電動モータの出力軸からウォーム減速機のウォームにトルク伝達を行なわせるトルク継手部の隙間を或る程度確保したまま、上記出力軸の中心軸とウォームの中心軸とを一致若しくはほぼ一致させられる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の電動式パワーステアリング装置は、例えば前述した特許文献2に記載されて従来から知られている電動式パワーステアリング装置と同様に、ハウジングと、回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータと、トルク継手部とを備える。
このうちのハウジングは、ステアリングコラム、或いは、ステアリングギヤユニットのケースの如き固定の部分に支持されて、回転する事がない。
又、上記回転軸は、上記ステアリングコラム内に設けられたステアリングシャフト、或いは、上記ステアリングギヤユニットのケースに回転自在に支持されたピニオン軸の如く、上記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。
又、上記ウォームホイールは、上記ハウジングの内部で上記回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転する。
又、上記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向端部を転がり軸受により、上記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
又、上記電動モータは、上記ウォームを回転駆動する為のものである。
又、上記トルク継手部は、上記電動モータの出力軸の先端部と上記ウォームの基端部との間に設けられて、この出力軸からこのウォームへのトルクの伝達を可能としたもので、継手受孔と継手軸部とにより構成される。
このうちの継手受孔は、上記出力軸と上記ウォームとのうちの一方の部材の軸方向端面に開口したもので、内周面の断面形状が非円形である。
又、上記継手軸部は、上記出力軸と上記ウォームとのうちの他方の部材の端部であって、上記継手受孔の内周面とトルク伝達を可能に継手係合すべく、外周面の断面形状が非円形である。
更に、上記継手軸部の軸方向端面と上記継手受孔の奥端面との間に、軸方向寸法を拡縮自在な弾性を有する弾性部材を設けている。
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置に於いては、上記弾性部材は、上記継手軸部の軸方向端面と上記継手受孔の奥端面とのうちの一方の端面にその基端部を、この一方の端面と同心に支持されている。又、上記弾性部材の先端面と、これら継手軸部の軸方向端面と上記継手受孔の奥端面とのうちの他方の端面とが、円すい状凸面と円すい状凹面との突き合わせに基づく、調心機能を持った状態で係合している。
この様な本発明の電動式パワーステアリング装置を実施する場合に、好ましくは、請求項2に記載した様に、上記弾性部材の軸方向端面に形成した円すい状凸面と、上記継手受孔の奥端面に形成した円すい状凹面とを、上記弾性部材の弾力に基づいて、弾性的に当接させる。
又、好ましくは、請求項3に記載した様に、上記弾性部材の基端部を、上記継手軸部の軸方向端面と継手受孔の奥端面とのうちの一方の端面に、凹凸係合に基づいて同心に支持する。
又、好ましくは、請求項4に記載した様に、上記弾性部材の基端部を、上記継手軸部の軸方向端面と上記継手受孔の奥端面とのうちの一方の端面に、不離に接合する。
又、好ましくは、請求項5に記載した様に、上記継手受孔を、前記ウォームの基端面に開口したスプライン孔とし、上記継手軸部を、前記出力軸の先端部に設けたスプライン軸部とする。又、上記弾性部材を、この出力軸の先端面にその基端部を支持したエラストマー製とする。そして、このエラストマー製の弾性部材の先端面に形成した円すい状凸面と、上記スプライン孔の奥端面に形成した円すい状凹面とを、上記弾性部材の弾力に基づいて、弾性的に当接させる。
更に、好ましくは、請求項6に記載した様に、円すい状凸面及び円すい状凹面の中心軸を含む仮想平面に関する断面形状に関して、この円すい状凸面の頂部の角度よりも、上記円すい状凹面の底部の角度を大きくする。
上述の様な構成を有する本発明の電動式パワーステアリング装置によれば、スプライン係合等の、断面形状が非円形の周面同士の係合に基づき、電動モータの出力軸からウォーム減速機のウォームにトルク伝達を行なわせるトルク継手部の隙間を或る程度確保したまま、上記出力軸の中心軸とウォームの中心軸とを、一致若しくはほぼ一致させられる。
即ち、その基端部を上記出力軸と上記ウォームとのうちの一方の部材に同心に結合した弾性部材の先端部が、円すい状凸面と円すい状凹面との係合に基づき、上記出力軸と上記ウォームとのうちの他方の部材に同心になる。この為、トルク継手部の隙間を或る程度確保したまま、上記出力軸の中心軸とウォームの中心軸とを、一致若しくはほぼ一致させられる。
この結果、上記出力軸から上記ウォームへのトルク伝達時に、上記トルク継手部で発生する摩擦損失を低減できて、電動式パワーステアリング装置の性能向上、即ち、所定の補助トルクを付与する為に必要とされる電力の低減(電動モータの小型・軽量化)を図れる。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1、2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の電動式パワーステアリング装置の特徴は、ウォーム軸6の基端面に開口したスプライン孔11と電動モータ7の出力軸10の先端部に形成したスプライン軸部12とのスプライン係合部の隙間を或る程度確保しつつ、上記ウォーム軸6の中心軸と上記出力軸10の中心軸とを一致若しくはほぼ一致させる為の構造にある。その他、電動式パワーステアリング装置全体の構造及び作用に就いては、前述した従来構造と同様であるから、この従来構造と同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。尚、前述の図5〜6と図1とで、ハウジング3に対する電動モータ7の取付方向が異なっているが、この点は、設置する自動車に応じ適宜設計的に変更するものであって、本発明の特徴部分とは関係がない。
上記ウォーム軸6の基端部に、特許請求の範囲に記載した継手受孔に相当するスプライン孔11を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で、このウォーム軸6と同心に形成している。又、電動モータ7の出力軸10の中間部先端寄り部分に、特許請求の範囲に記載した継手軸部であるスプライン軸部12を、この出力軸10と同心に形成している。そして、このスプライン軸部12と上記スプライン孔11とを、特許請求の範囲に記載した継手係合であるスプライン係合させる事で、上記出力軸10と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を可能に結合している。上記スプライン軸部12と上記スプライン孔11とのスプライン係合部には隙間を介在させて、上記出力軸10の中心軸に対し上記ウォーム軸6の中心軸が、多少傾斜する事を許容できる様にしている。
又、上記スプライン軸部12の先端面と上記スプライン孔11の奥端面との間に、弾性部材15を設けている。この弾性部材15は、ゴム、ビニルの如きエラストマー(熱可塑性エラストマーを含む)等のうちから選択される、耐油性を有する弾性材製で、軸方向寸法を拡縮自在な弾性を有する。本例の場合、上記弾性部材15は、全体を円柱状に造られており、基端面(図1〜2の右端面)を、中心軸に対し直角方向に拡がる平坦面としている。これに対して、上記弾性部材15の先端面(図1〜2の左端面)を、円すい状凸面16としている。この円すい状凸面16の中心軸は、上記弾性部材15の中心軸と一致している。この様な弾性部材15は、その基端面を上記スプライン軸部12の先端面に、接着、焼き付等により接合し、このスプライン軸部12に対し、同心に(スプライン軸部12の中心軸と弾性部材15の中心軸とを一致させた状態で)結合固定している。
一方、上記スプライン孔11の奥端面は、円すい状凹面17としている。この円すい状凹面17の中心軸は、このスプライン孔11の中心軸と一致している。更に、本実施例の場合には、このスプライン孔11の中心軸を含む仮想平面に関する、上記円すい状凹面17の断面形状の底部の角度と、上記スプライン軸部12の中心軸を含む仮想平面に関する、上記円すい状凸面16の断面形状の頂部の角度とを、互いに等しくしている。
構成各部材を組立てた状態で、上記弾性部材15は、上記出力軸10の先端面と上記スプライン孔11の奥端面との間で、軸方向に関して弾性的に圧縮され、上記円すい状凸面16が上記円すい状凹面17に向け、弾性的に押し付けられる。そして、これら円すい状凸面16と円すい状凹面17との押し付け合いに基づいて、上記弾性部材15の先端部の中心位置と上記スプライン孔11の奥端部の中心位置とが一致する傾向になる。即ち、上記弾性部材15の先端面である上記円すい状凸面16と、上記スプライン孔11の奥端面である上記円すい状凹面17とが、調心機能を持った状態で係合する。言い換えれば、上記スプライン軸部12と上記スプライン孔11とのスプライン係合部に存在する、径方向に関する隙間に拘らず、少なくとも上記弾性部材15の先端部と上記スプライン孔11の奥端部とで、互いの中心位置が一致若しくはほぼ一致する。これら両端部で互いの中心位置が、上記隙間分、径方向にずれる事はなくなる。この為、この隙間に基づいて、上記出力軸10の中心軸に対し上記ウォーム軸6の中心軸が多少傾斜しても、上記スプライン孔11の内周面の雌スプライン歯と、上記スプライン軸部12の外周面の雄スプライン歯との、径方向に関するずれを最小限に抑えられる。この為、これら各スプライン歯の側面同士の摩擦を抑えて、上記スプライン係合部での摩擦損失を低減し、上記出力軸10から前記ウォーム軸6へのトルク伝達の効率を向上させられる。
[実施の形態の第2例]
図3は、請求項1〜5に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、弾性部材15aの基端面の中心部に突設した係合突起18を、スプライン軸部12の先端面の中心部に突設した係合凹部19に隙間なく係合させる事で、上記弾性部材15aを上記スプライン軸部12に対し、同心に支持固定している。その他の部分の構成及び作用は上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図4は、請求項1、2、4〜6に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、スプライン孔11の中心軸を含む仮想平面に関する、円すい状凹面17の断面形状の底部の角度αを、スプライン軸部12の中心軸を含む仮想平面に関する、円すい状凸面16の断面形状の頂部の角度βよりも大きく(α>β)している。本例の場合、この様に、円すい状凹面17の底部の角度αを円すい状凸面16の頂部の角度βよりも大きくする事で、この円すい状凸面16が上記円すい状凹面17の底部に入り込み易くしている。即ち、上記両角度α、βの大小関係を適切に規制する事で、上記円すい状凸面16と上記円すい状凹面17との係合に基づく調心機能を向上させている。その他の部分の構成及び作用は上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
各実施の形態で、円すい状凸面16と円すい状凹面17との突き合わせに基づく調心作用を良好に得る為に、これら円すい状凸面16と円すい状凹面17との一方又は双方の面に、グリース、グラファイト、二硫化モリブデン等の潤滑剤を介在させる事が好ましい。この様な潤滑剤は、上記調心作用を向上させられるだけでなく、スプライン孔11の内周面の雌スプライン歯の側面とスプライン軸部12の外周面の雄スプライン歯の側面との擦れ合い部の摩擦を低減させて、スプライン係合部の伝達効率の向上に寄与する。又、継手受孔及び継手軸部は、スプラインに限らず、セレーション、断面欠円状、断面小判形等、トルク伝達可能な嵌合構造を採用できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図5の拡大A−A断面に相当する図。 図1のB部を拡大した状態で示す模式図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、出力軸の先端部及び弾性部材の、一部切断側面図。 同第3例を示す、図2の中央部に相当する図。 従来構造の1例を示す、部分切断側面図。 図5の拡大A−A断面図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6 ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10 出力軸
11 スプライン孔
12 スプライン軸部
13 押圧駒
14 コイルばね
15、15a 弾性部材
16 円すい状凸面
17 円すい状凹面
18 係合突起
19 係合凹部

Claims (6)

  1. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸と、上記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向端部を転がり軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する為の電動モータと、この電動モータの出力軸の先端部とこのウォームの基端部との間に設けられて、この出力軸からこのウォームへのトルクの伝達を可能としたトルク継手部とを備え、このトルク継手部は、上記出力軸と上記ウォームとのうちの一方の部材の軸方向端面に開口した、内周面の断面形状が非円形である継手受孔と、上記出力軸と上記ウォームとのうちの他方の部材の端部であってこの継手受孔の内周面とトルク伝達を可能に継手係合する、外周面の断面形状が非円形である継手軸部とにより構成されるものであり、この継手軸部の軸方向端面と上記継手受孔の奥端面との間に、軸方向寸法を拡縮自在な弾性を有する弾性部材を設けた電動式パワーステアリング装置に於いて、この弾性部材は、上記継手軸部の軸方向端面と上記継手受孔の奥端面とのうちの一方の端面にその基端部を、この一方の端面と同心に支持されており、上記弾性部材の先端面と、これら継手軸部の軸方向端面と上記継手受孔の奥端面とのうちの他方の端面とが、円すい状凸面と円すい状凹面との突き合わせに基づく、調心機能を持った状態で係合している事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 弾性部材の軸方向端面に形成した円すい状凸面と、継手受孔の奥端面に形成した円すい状凹面とを、この弾性部材の弾力に基づいて、弾性的に当接させている、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置。
  3. 弾性部材の基端部が、継手軸部の軸方向端面と継手受孔の奥端面とのうちの一方の端面に、凹凸係合に基づいて同心に支持されている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
  4. 弾性部材の基端部が、継手軸部の軸方向端面と継手受孔の奥端面とのうちの一方の端面に、不離に接合されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
  5. 継手受孔が、ウォームの基端面に開口したスプライン孔であり、継手軸部が、出力軸の先端部に設けたスプライン軸部であり、弾性部材が、この出力軸の先端面にその基端部を支持したエラストマー製であり、この弾性部材の先端面に形成した円すい状凸面と、上記スプライン孔の奥端面に形成した円すい状凹面とを、上記弾性部材の弾力に基づいて、弾性的に当接させている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
  6. 円すい状凸面及び円すい状凹面の中心軸を含む仮想平面に関する断面形状に関して、この円すい状凸面の頂部の角度よりも上記円すい状凹面の底部の角度が大きい、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
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