JP2008253885A - 多層塗工シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スライドビードコータにより多層塗工しても、多層の塗工層を安定に形成できる多層塗工シートの製造方法を提供する。
【解決手段】多層塗工シートの製造方法は、スライドビードコータ10を用いて、2つ以上の塗工液を基材23上に多層塗工する多層塗工シートの製造方法において、2つ以上の塗工液のうちの少なくとも1つが微粒子およびバインダを含有し、全ての塗工液の粘度が10〜120[mPa・s]であり、かつ、互いに隣接する層を形成する2つ塗工液が、−40[mPa・s]≦(上層を形成する塗工液の粘度[mPa・s])−(下層を形成する塗工液の粘度[mPa・s])≦40[mPa・s]の関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録用シートなどの多層塗工シートを製造するための方法に関する。
インクジェット記録用シートなどにおいては、2つ以上の塗工層を有する多層塗工シートを用いることがある。多層塗工シートの製造方法としては、多くの方法が提案されており、例えば、スライドビードコータを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
スライドビードコータを用いた多層塗工シートの製造方法では、まず、傾斜したスライド面の各々異なる高さから2つ以上の塗工液を流出させて層状の塗工液の流れを各々形成し、それら層状の塗工液の流れを順次積層して多層流れを形成させる。そして、その多層流れをスライド面に沿って流下させ、スライド面末端に隣接した基材上に接触させて多層塗工する。この方法によれば、多層塗工シートを効率的にかつ小さなスペースで製造できる利点を有する。
特開2000−262960号公報
しかしながら、スライドビードコータによる多層塗工では、隣接する塗工液同士が液状で接触していることから、界面が不安定になりやすく、多層の塗工層を安定に形成できないことがあった。特に、微粒子を含む塗工液を塗工する場合には、多層の塗工層を安定に形成できる条件が知られていなかった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、スライドビードコータにより多層塗工しても、多層の塗工層を安定に形成できる多層塗工シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を包含する。
[1] スライドビードコータを用いて、2つ以上の塗工液を基材上に多層塗工する多層塗工シートの製造方法において、
2つ以上の塗工液のうちの少なくとも1つが微粒子およびバインダを含有し、
全ての塗工液の粘度が10〜120[mPa・s]であり、かつ、互いに隣接する層を形成する2つ塗工液が、−40[mPa・s]≦(上層を形成する塗工液の粘度[mPa・s])−(下層を形成する塗工液の粘度[mPa・s])≦40[mPa・s]の関係を満たすことを特徴とする多層塗工シートの製造方法。
[2] 互いに隣接する層を形成する2つの塗工液が、それぞれ異なる組成である[1]に記載の多層塗工シートの製造方法。
[3] 多層塗工シートがインクジェット記録用シートである[1]または[2]に記載の多層塗工シートの製造方法。
本発明の多層塗工シートの製造方法によれば、スライドビードコータにより多層塗工しても、多層の塗工層を安定に形成できる。
本発明の多層塗工シートの製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の多層塗工シートの製造方法は、図1に示すようなスライドビードコータ10を用い、塗工液である第1のインク受容層形成用塗液21a、中間層形成用塗液21b、第2のインク受容層形成用塗液21cを基材23上に塗工してインクジェット記録用シート(多層塗工シート)20を製造する方法である。
ここで、スライドビードコータ10は、基材23を周面に巻き付けて移送するバックアップロール11と、バックアップロール11に隣接し、バックアップロール11に向けて下方に傾斜したスライド面12aが形成されたスライドヘッド12とを具備するものである。また、スライドヘッド12には、スライド面12aにて開口し、第1のインク受容層形成用塗液21a、中間層形成用塗液21b、第2のインク受容層形成用塗液21cをそれぞれスライド面12aに供給する流路12b,12c,12dが形成されている。なお、流路12cは、スライド面12aにおいて流路12bよりも高く、かつ、バックアップロール11から離れた位置にて開口しており、流路12dは、流路12cよりも高く、かつ、バックアップロール11から離れた位置にて開口している。
上記スライドビードコータ10を用いた塗工では、回転するバックアップロール11の周面の下側に基材23を接触させ、バックアップロール11を回転させて、基材23をバックアップロール11の周面の下側から上側にかけて巻き付けながら搬送する。
また、スライドヘッド12の流路12b,12c,12dに第1のインク受容層形成用塗液21a、中間層形成用塗液21b、第2のインク受容層形成用塗液21cを各々供給し、スライド面12aに層状に流出させる。そして、スライド面12a上にて、第1のインク受容層形成用塗液21aの流れの上に中間層形成用塗液21bの流れを積層させ、中間層形成用塗液21bの流れの上に第2のインク受容層形成用塗液21cの流れを積層させる。これにより、上から順に第2のインク受容層形成用塗液21c、中間層形成用塗液21b、第1のインク受容層形成用塗液21aの流れが積層した多層流れ22を形成する。そして、スライド面12aに流出した第1のインク受容層形成用塗液21a、中間層形成用塗液21b、第2のインク受容層形成用塗液21cを多層流れ22を保ったままスライド面12aに沿って流下させ、バックアップロール11上の基材23に接触させて付着させる。ここで、基材23はバックアップロール11の回転に伴って搬送されて、多層流れ22が付着する位置が連続的にずれていくため、第1のインク受容層形成用塗液21aと中間層形成用塗液21bと第2のインク受容層形成用塗液21cが基材23上に膜状に塗工される。このような多層塗工を連続的に行って、図2に示すような、基材23上に第1のインク受容層24、中間層25、第2のインク受容層26が順次形成されたインクジェット記録用シート20を得る。
本実施形態におけるインク受容層形成用塗液(第1のインク受容層形成用塗液21aおよび第2のインク受容層形成用塗液21c)は、水および/または有機溶媒中に微粒子およびバインダが含まれる塗液である。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトンなど水溶性のものが挙げられる。
微粒子としては、例えば、非晶質シリカ(湿式法及び乾式法によって製造される合成非晶質シリカ、及びアルミナ等によるカチオン変性シリカを含む)、非晶質シリカとカチオン性化合物を混合し凝集させることによって得られる非晶質シリカ−カチオン性化合物凝集体粒子、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナおよびアルミナ水和物、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等が挙げられる。微粒子の平均二次粒子径は、特に光沢性の観点から、0.7μm以下であることが好ましい。
インクジェット記録用シートの最表層を形成する第2のインク受容層形成用塗液21cにおいては、上記微粒子の中でも、光沢性、インク吸収性のバランスが取り易い点から、平均二次粒子径0.7μm以下の非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
インク受容層形成用塗液中に含まれるバインダとしては、分散媒として水を用いることができる点で、水溶性樹脂が好ましい。水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、澱粉、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルアクリルアミド及びポリビニルピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、インク吸収性、耐水性、ひび割れ防止の点から、ポリビニルアルコールが好ましい。さらに、ポリビニルアルコールは、重合度が3000〜5000であることが好ましい。重合度が3000未満では、得られるインク受容層の耐水性が不充分になる傾向にあり、5000を超えるものは、実用上、入手が困難である。
インク受容層形成用塗液において、バインダは、微粒子100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部の範囲で使用される。
インク受容層形成用塗液には、例えば、水分散性樹脂(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス等)等のような、一般に塗工紙分野で用いられている各種接着剤が含まれていてもよい。
また、インク受容層形成用塗液には、カチオン性化合物が含まれていてもよい。カチオン性化合物としては、例えば、ポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等のカチオン性ポリマーや、アミノ基含有シランカップリング剤、多価金属化合物等が挙げられる。カチオン性化合物の含有量としては、微粒子100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
さらに、インク受容層形成用塗液には、各種分散剤、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤、紫外線吸収剤、保存性改良剤、蛍光増白剤等の各種助剤が含まれていてもよい。
第1のインク受容層形成用塗液21aおよび第2のインク受容層形成用塗液21cは、それぞれ異なる組成であることが好ましい。異なる組成の具体的態様としては、例えば、各塗液中に含まれる微粒子の材質または粒子径、バインダの種類、微粒子とバインダとの比率などが異なること、カチオン性化合物など他の成分の有無などが挙げられる。
第1のインク受容層形成用塗液21aおよび第2のインク受容層形成用塗液21cが、それぞれ異なる組成であれば、粘度を前記範囲に調整しやすい上に、得られるインクジェット記録用シート20の性能を目的に応じたものにしやすい。
中間層形成用塗液21bとしては特に制限されず、例えば、樹脂を含み、微粒子を含まない塗液などが挙げられ、樹脂としては、インク受容層形成用塗液中に含まれるバインダと同じ樹脂が挙げられる。
本実施形態においては、第1のインク受容層形成用塗液21a、中間層形成用塗液21b、第2のインク受容層形成用塗液21cの粘度が10〜120[mPa・s]である。また、互いに隣接する層を形成する第1のインク受容層形成用塗液21aおよび中間層形成用塗液21bが、−40[mPa・s]≦(上層を形成する中間層形成用塗液21bの粘度[mPa・s])−(下層を形成する第1のインク受容層形成用塗液21aの粘度[mPa・s])≦40[mPa・s]の関係を満たす。また、中間層形成用塗液21bおよび第2のインク受容層形成用塗液21cが、−40[mPa・s]≦(上層を形成する第2のインク受容層形成用塗液21cの粘度[mPa・s])−(下層を形成する中間層形成用塗液21bの粘度[mPa・s])≦40[mPa・s]の関係を満たす。
ここで、第1のインク受容層形成用塗液21a、中間層形成用塗液21b、第2のインク受容層形成用塗液21cのいずれかの粘度が10[mPa・s]未満であると、粘度が10[mPa・s]未満の塗液とそれに隣接する塗液との界面が乱れて安定に多層塗工できない。また、いずれかの粘度が120[mPa・s]を超えると、粘度が120[mPa・s]を超える塗液が流下しにくくなる。
また、(上層を形成する中間層形成用塗液21bの粘度[mPa・s])−(下層を形成する第1のインク受容層形成用塗液21aの粘度[mPa・s])の値が−40[mPa・s]より小さい場合には、第1のインク受容層形成用塗液21aおよび中間層形成用塗液21bの界面が乱れる。(上層を形成する第2のインク受容層形成用塗液21cの粘度[mPa・s])−(下層を形成する中間層形成用塗液21bの粘度[mPa・s])の値が−40[mPa・s]より小さい場合には、中間層形成用塗液21bおよび第2のインク受容層形成用塗液21cの界面が乱れる。
なお、ここでいう粘度とは、B型粘度計(カップ形状:直径60mm、高さ80mm、No.2ローター使用、60rpmで測定)により20℃で測定した値である。多層塗工時の温度は15〜50℃である場合が多いが、20℃で測定した粘度の傾向は、前記多層塗工時の温度範囲における粘度の傾向と同じである。
さらに、互いに隣接する層を形成する第1のインク受容層形成用塗液21aおよび中間層形成用塗液21bが、(上層を形成する中間層形成用塗液21bの粘度[mPa・s])−(下層を形成する第1のインク受容層形成用塗液21aの粘度[mPa・s])の値を40[mPa・s]以下とすることにより、流下速度を揃えやすくなり、第1のインク受容層形成用塗液21aと中間層形成用塗液21bの液々界面において、両方のスライド流下性が良好になる。これに対し、(上層を形成する中間層形成用塗液21bの粘度[mPa・s])−(下層を形成する第1のインク受容層形成用塗液21aの粘度[mPa・s])の値が40[mPa・s]を超えると、上層の流下速度が下層の流下速度より速くなる。その結果、上層のみの液状溜りが下層上で形成してしまい、均一な塗布面の形成が困難になる。
同様の理由から、中間層形成用塗液21bおよび第2のインク受容層形成用塗液21cが、(上層を形成する第2のインク受容層形成用塗液21cの粘度[mPa・s])−(下層を形成する中間層形成用塗液21bの粘度[mPa・s])の値が40[mPa・s]以下である必要がある。
第1のインク受容層形成用塗液21a、中間層形成用塗液21b、第2のインク受容層形成用塗液21cを上記の粘度範囲にするためには、各塗液の固形分濃度、微粒子含有量、バインダ含有量などを適宜調整すればよい。
基材23としては、支持体または支持体上にゲル化剤を含むゲル化剤含有層が形成されたものなどが挙げられる。ここで、ゲル化剤とは、インク受容層形成用塗液に含まれるバインダをゲル化するものである。
支持体としては、透気性支持体、非透気性支持体のいずれでも使用できるが、非透気性支持体が好ましい。非透気性支持体を用いた場合には、印字した際に、インク中に含まれる水分等の溶媒の影響で記録用シートが伸びて波打つ、いわゆるコックリングという欠陥を抑制できるからである。ただし、非透気性支持体の場合、支持体でインクを吸収することができないので、インク受容層で充分な吸収力を持たせることが必要である。
また、支持体は透明であってもよいし、不透明であってもよい。
具体的な支持体としては、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のフィルム類、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、ポリオレフィン樹脂被覆紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金属フォイル、合成紙などのシート類が例示されるが、写真調のインクジェット記録用シートにするためには、アート紙、コート紙、バライタ紙、印画紙原紙、合成紙、ポリオレフィン樹脂被覆紙が好ましい。中でも、合成紙、ポリエチレン樹脂被覆紙が好ましく、とりわけ、酸化チタンを練り込んだポリエチレン樹脂被覆紙、所謂RC紙からなる支持体は、仕上がった外観が写真印画紙と同等であるため、特に好ましく用いられる。また、支持体としてRC紙を用いた場合には、本発明の効果がとりわけ発揮される。
ポリエチレン樹脂被覆紙では、ポリエチレン層の厚みは3〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。ポリエチレン層の厚みが3μm未満であると、樹脂被覆時にポリエチレン樹脂の穴等の欠陥が多くなりやすく、厚みのコントロールが困難になる場合が多く、平滑性も得にくくなる。一方、50μmを超えると、コストが増加する割には、得られる効果が小さく、不経済である。
塗工適性を高めるために、下引き層が設けられていてもよい。
基材23が、支持体上にゲル化剤層が形成されたものである場合、ゲル化剤としては、例えば、グリオキザールなどのアルデヒド系架橋剤、エチレングリコールジグリシジルエーテルなどのエポキシ系架橋剤、ビスビニルスルホニルメチルエーテルなどのビニル系架橋剤、ホウ酸及びホウ砂などのホウ素含有化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等が挙げられる。これらの中でも、増粘又はゲル化が速いことから、架橋剤が好ましく、ホウ素含有化合物がより好ましい。
基材23として、前記支持体上にゲル化剤を含むゲル化剤含有層が形成されたものを用いる場合には、塗工層のひび割れを防止できるため、好ましい。
ここで、ホウ素含有化合物とは、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことである。具体例としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。これらのなかでも、塗工液を適度に増粘させる効果がある点から、オルトホウ酸と四ホウ酸二ナトリウムが好ましく用いられる。
以上説明した実施形態では、スライドビードコータを用いて2つのインク受容層形成用塗液および中間層形成用塗液を基材上に多層塗工する方法であって、2つのインク受容層形成用塗液(第1のインク受容層形成用塗液21aおよび第2のインク受容層形成用塗液21c)および中間層形成用塗液21bが特定範囲の粘度にある。さらに、互いに隣接する上下の層を形成する塗工液の粘度が特定の関係にあるので、第1のインク受容層形成用塗液21aと中間層形成用塗液21b、中間層形成用塗液21bと第2のインク受容層形成用塗液21cとの界面が乱れにくく、多層のインク受容層を安定に形成できる。
なお、上述した実施形態では、塗工液を3つ積層したが、塗工液を2つ積層しても構わないし、4つ以上積層しても構わない。いずれの場合でも、いうまでもなく、全ての塗工液の粘度が10〜120[mPa・s]であり、かつ、互いに隣接する層を形成する2つ塗工液が、−40[mPa・s]≦(上層を形成する塗工液の粘度[mPa・s])−(下層を形成する塗工液の粘度[mPa・s])≦40[mPa・s]の関係を満たす必要がある。
また、上記実施形態では、中間層形成用塗液21bを塗工していたが、中間層形成用塗液21bの塗工は任意である。
また、本発明では、インクジェット記録用シート以外の多層塗工シート(例えば、熱転写シート、印刷用シート等)を製造することもできる。
(実施例1)
ポリビニルアルコールと非晶質シリカと増粘剤と水との組成を調整して、表1に示すような粘度の、第1のインク受容層形成用塗液、中間層形成用塗液、第2のインク受容層形成用塗液を得た。ここで、粘度は、B型粘度計(カップ形状:直径60mm、高さ80mm、No.2ローター使用、60rpmで測定)により20℃で測定した値である。
次いで、3層の塗液を同時塗工可能なスライドビードコータを用い、下層を第1のインク受容層形成用塗液、中間層を中間層形成用塗液、上層を第2のインク受容層形成用塗液とし、これらを基材であるポリエチレンラミネート紙に多層塗工して、多層塗工シートを得た。その際、塗工面を目視により評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2008253885
(実施例2〜5、比較例1〜3)
第1のインク受容層形成用塗液、中間層形成用塗液、第2のインク受容層形成用塗液の粘度を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、多層塗工時の塗工面を目視により評価した。その結果を表1に示す。
第1のインク受容層形成用塗液、中間層形成用塗液、第2のインク受容層形成用塗液の各々の粘度が特定の関係を有していた実施例1〜5の多層塗工シートの製造方法では、塗工が安定していた。
第1のインク受容層形成用塗液の粘度と中間層形成用塗液の粘度との差が40mPa・sを超えていた比較例1,2の多層塗工シートの製造方法では、第1のインク受容層形成用塗液と中間層形成用塗液の塗工が不安定で、塗工欠陥が生じた。
中間層形成用塗液の粘度と第2のインク受容層形成用塗液の粘度との差が40mPa・sを超えていた比較例3の多層塗工シートの製造方法では、中間層形成用塗液と第1のインク受容層形成用塗液の塗工が不安定で、塗工欠陥が生じた。
本発明の多層塗工シートの製造方法の一実施形態を説明する図である。 本発明の多層塗工シートの製造方法の一実施形態で製造されるインクジェット記録用シートを示す断面図である。
符号の説明
10 スライドビードコータ
11 バックアップロール
12 スライドヘッド
12a スライド面
12b,12c,12d 流路
20 インクジェット記録用シート
21a 第1のインク受容層形成用塗液
21b 中間層形成用塗液
21c 第2のインク受容層形成用塗液
22 多層流れ
23 基材

Claims (3)

  1. スライドビードコータを用いて、2つ以上の塗工液を基材上に多層塗工する多層塗工シートの製造方法において、
    2つ以上の塗工液のうちの少なくとも1つが微粒子およびバインダを含有し、
    全ての塗工液の粘度が10〜120[mPa・s]であり、かつ、互いに隣接する層を形成する2つ塗工液が、−40[mPa・s]≦(上層を形成する塗工液の粘度[mPa・s])−(下層を形成する塗工液の粘度[mPa・s])≦40[mPa・s]の関係を満たすことを特徴とする多層塗工シートの製造方法。
  2. 互いに隣接する層を形成する2つの塗工液が、それぞれ異なる組成である請求項1に記載の多層塗工シートの製造方法。
  3. 多層塗工シートがインクジェット記録用シートである請求項1または2に記載の多層塗工シートの製造方法。
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JP2011104571A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Dainippon Printing Co Ltd 多層塗工膜の製造装置及び多層塗工膜の製造方法

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