JP2010201727A - インクジェット記録材料の製造方法 - Google Patents

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貴之 森川
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Abstract

【課題】アルミナ水和物微粒子、ポリビニルアルコール及びその架橋剤を含む塗布液を支持体上に塗布するインクジェット記録材料の製造方法において、インク吸収性に優れ、乾燥時の風紋及び塗布欠陥の発生が改善されたインクジェット記録材料の製造方法を提供する。
【解決手段】支持体上にアルミナ水和物微粒子、ポリビニルアルコール及びその架橋剤を含むインク受容層塗布液を150ml/m以上の塗布量で塗設してなるインクジェット記録材料の製造方法において、該インク受容層塗布液を1層あたりの塗布量が130ml/m以下となるよう複数の塗布液とし、該複数のインク受容層塗布液の層の間に前記ポリビニルアルコールの架橋剤を含む架橋剤塗布液の層を介在させて同時重層塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミナ水和物微粒子、水溶性バインダー及びその架橋剤を含む塗布液を支持体上に塗布するインクジェット記録材料の製造方法に関し、特に乾燥時の風紋や塗布欠陥等に優れたインクジェット記録材料の製造方法に関する。
近年におけるインクジェット記録技術の向上は著しく、最近では写真等の高品位な出力にインクジェット記録方式が広く用いられている。こういった高品位な出力の際には記録材料の品質も非常に重要であり、特に写真用途の出力においては、銀塩写真並みの高い光沢、優れた色再現性を有する記録材料として、紙や樹脂フィルム等の支持体上に無機顔料微粒子と水溶性バインダー及びその架橋剤からなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が広く知られ、用いられている。
このような記録材料としては、例えば、特公平3−56552号公報、特開平10−119423号公報、特開2000−211235号公報、特開2000−309157号公報等には無機微粒子として気相法シリカを用いた例が、特開平9−286165号公報、特開平10−181190号公報等には沈降法シリカを用いた例がそれぞれ開示されている。これらのように無機微粒子を用いた記録材料においては、顔料を微粒化することで高い光沢、優れた発色を得ながら、多孔質顔料により構成された空隙を利用して優れたインク吸収を得ることができる。
また、特開平10−193777号公報、特開2002−225424号公報等には無機顔料微粒子としてアルミナまたはアルミナ水和物を用いた例が開示されている。一般に、アルミナまたはアルミナ水和物は異方性を有する微結晶を構成する場合が多く、シリカ微粒子等の球状粒子よりもパッキングが密になりやすい。従って、インク受容層としても、より高い光沢が得やすい一方で、インク吸収容量が小さく高塗布量のインク受容層が要求される(例えば、非特許文献1参照)。
一方、これらの無機顔料微粒子及び水溶性バインダーからなるインク受容層においては、耐水性向上やインク吸収性向上といった目的で架橋剤が一般に添加される。しかしながら、塗布液中に架橋剤が存在していると経時で塗布液が増粘し、「塗布スジ」が発生して平滑な塗布面が得られないばかりか、塗布液凝集による「塗布欠陥」が多発するという問題があった。一方、塗布液増粘の影響を回避できるまで塗布液を希釈した場合や架橋剤を添加しない場合においても、特に高塗布量のインク受容層塗布液を塗布した場合に、塗布・乾燥工程において塗布液が偏ってムラとなる「液ヨレ」、あるいは乾燥工程においてドライヤーの風圧によりムラが生じる「風紋」等、別の弊害が生じる。これら架橋剤による塗布液の増粘を抑制する方法として、塗布液と架橋剤をインラインにて塗布直前に混合する方法も広く知られているが、この場合も架橋剤混合後の配管内、コーターヘッド内における滞留部で同様の塗布液増粘が生じ、根本的な解決には至っていない。
これらの問題を解決するため、従来から様々な提案がなされている。例えば、特開2007−38651号公報(特許文献1)には下塗り層に含有させた架橋剤をインク受容層塗設後に移行させる方法が、また、特開平11−115308号公報(特許文献2)、特開2007−8030号公報(特許文献3)にはインク受容層塗布液と架橋剤を含む塗布液を重層塗布する方法が記載されている。しかしながら、無機顔料微粒子としてアルミナ水和物を用いた場合、気相法シリカや沈降法シリカ等の無機顔料微粒子を利用した多孔質層と比較してインク吸収容量が小さく高塗布量のインク受容層が必要とされ、単に下塗り層あるいは隣接層から架橋剤を移行させるだけではインク受容層内での架橋剤の拡散が不十分となり、液ヨレや風紋が生じるという問題があった。
特開2007−38651号公報 特開平11−115308号公報 特開2007−8030号公報
池沢秀男、「フォト光沢インクジェット用紙」、日本画像学会誌 41、185−188(2002)
本発明の目的は、アルミナ水和物微粒子、ポリビニルアルコール及びその架橋剤を含む塗布液を支持体上に塗布するインクジェット記録材料の製造方法において、インク吸収性に優れ、乾燥時の風紋及び塗布欠陥の発生が改善されたインクジェット記録材料の製造方法を提供することである。
上記の課題は、以下の発明によって達成された。
1)支持体上にアルミナ水和物微粒子、ポリビニルアルコール及びその架橋剤を含むインク受容層塗布液を150ml/m以上の塗布量で塗設してなるインクジェット記録材料の製造方法において、該インク受容層塗布液を1層あたりの塗布量が130ml/m以下となるよう複数の塗布液とし、該複数のインク受容層塗布液の層の間に前記ポリビニルアルコールの架橋剤を含む架橋剤塗布液の層を介在させて同時重層塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
本発明により、インク吸収性に優れ、乾燥時の風紋及び塗布欠陥の発生が改善されたインクジェット記録材料の製造方法を提供することができる。
本発明は支持体上にアルミナ水和物微粒子、ポリビニルアルコールを含むインク受容層塗布液を1層あたりの塗布量が130ml/m以下となるように複数の塗布液とし、その複数の塗布液の層間にポリビニルアルコールの架橋剤を含む架橋剤塗布液の層を介在させて同時重層塗布を行い、塗布後に架橋剤をそれぞれのインク受容層に拡散させることで、風紋及び塗布欠陥を改善するものである。
まず、インク受容層塗布液に含有される成分について説明する。本発明のインク受容層塗布液が含有するアルミナ水和物は、酸化アルミニウムの含水物でありAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。結晶質でも非晶質でもよく、不定形、球状、板状等の形態を有しているものが使用される。両者の何れかを使用してもよいし、併用してもよい。アルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、光沢性、発色性から、平均一次粒径が5〜50nmのものが好ましく、8〜30nmのものがより好ましい。また、本発明に用いられるアルミナ水和物の平均二次粒径は80〜250nmが好ましく、120〜200nmがより好ましい。更に、アスペクト比が2以上の平板状アルミナ水和物がより良好な光沢性、発色性が得られるので好ましい。
なお、本発明でいうアルミナ水和物の平均一次粒径とは、分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径より平均粒径を近似的に求めたものであり、また、平均二次粒径とは希薄分散液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定して求めたものである。また、本発明におけるアルミナ水和物の総固形分塗布量としては20〜50g/mが好ましく、25〜40g/mが特に好ましい。
本発明に用いられるインク受容層塗布液はアルミナ水和物の分散液を安定化させるために、ゾルの解膠剤やアルミナ水和物粉末の分散剤として、種々の酸類を添加することができる。ゾルの解膠に用いられる酸類としては公知のものが使用できるが、例えば、硝酸、塩酸、臭化水素酸等の無機酸や、酢酸、乳酸、蟻酸等のカルボン酸基を有する有機酸、あるいはメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸基を有する有機酸が挙げられる。またこれらは複数のインク受容層塗布液毎に異なる酸を用いてもよく、一方の塗布液の中で2種以上を併用してもよい。酸の添加量はアルミナ水和物のAl換算100gに対して8〜120mmolが好ましく、特に10〜50mmolがより好ましい。
本発明のインク受容層塗布液は、水溶性バインダーとしてポリビニルアルコールを含有する。本発明においては、ポリビニルアルコールがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い完全または部分ケン化のポリビニルアルコールが好ましく、中でもケン化度が80%以上のものが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500〜6000が好ましく、1000〜5000がより好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク受容層塗布液におけるポリビニルアルコールの含有量は、アルミナ水和物に対して3〜30質量%が好ましく、5〜22質量%が特に好ましい。
本発明におけるインク受容層の総固形分塗布量としては、20〜60g/mが好ましく、25〜45g/mが特に好ましい。インク受容層塗布液の固形分濃度は、10〜30質量%が好ましく、15〜25質量%が特に好ましい。固形分濃度が低すぎると塗布液粘度が低くなり、液ヨレ、風紋が発生しやすくなる場合があり、固形分濃度が高すぎると経時増粘が生じやすくハンドリング性に劣る場合がある。
本発明のインク受容層塗布液は、1層あたりの塗布量が130ml/m以下である複数のインク受容層塗布液と、各インク受容層塗布液の層の間に架橋剤塗布液の層を介在させて同時重層塗布を行う。インク受容層塗布液の1層あたりの塗布量が130ml/mを超えるとインク受容層中への架橋剤の拡散が追いつかず、塗布・乾燥工程で液ヨレ、風紋が生じてしまう。下限は塗布安定性の観点から10ml/m以上であることが好ましい。
本発明において、130ml/m以下の塗布量になるよう、個々調整されたインク受容層塗布液の配合は同じであってもよいし、異なっていてもよい。各層のインク受容層塗布液を異なる配合とする場合、各層のアルミナ水和物に対するポリビニルアルコールの含有量を、支持体から離れた層ほど低く設定することでインク吸収性を高めることができるため好ましい。また、各層の塗布量は、最も塗布量の少ない層と最も塗布量の多い層の塗布量比率を10/1から1/10の範囲に設定することで本発明の効果を十分に得ることができるため好ましい。
本発明のインク受容層塗布液には本発明の効果を損ねない範囲であれば架橋剤をあらかじめ添加してもよい。この場合の架橋剤の量は塗布液中のポリビニルアルコールに対して2質量%以下である。更に、界面活性剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、粘度安定剤、pH調整剤、シランまたはチタンカップリング剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明の架橋剤塗布液にはインク受容層塗布液が含有するポリビニルアルコールの架橋剤を含有する。架橋剤としては公知の架橋剤が使用できるが、具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号明細書記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸、ほう酸塩、ほう砂の如き無機架橋剤等がある。本発明においてはほう酸またはほう酸塩が好ましい。本発明で使用されるほう酸は、オルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸等、ほう酸塩としてはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。架橋剤塗布液におけるほう酸またはほう酸塩の添加量は総インク受容層塗布液中のポリビニルアルコールに対して0.5〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。また、ほう酸またはほう酸塩と他のポリビニルアルコールの架橋剤(硬膜剤)を併用してもよい。
架橋剤塗布液には塗布安定性向上を目的に、粘度調整剤を添加することができる。粘度調整剤としては架橋剤と反応し増粘しない範囲において公知のものが使用できるが、インク吸収性の点で無機顔料微粒子を添加することによって粘度を調整する方法が好ましい。この理由は定かではないが、架橋剤塗布液とインク受容層塗布液の界面近傍で架橋密度が高まることにより塗膜乾燥後に隣接したインク受容層間に不連続性が生じインク吸収阻害が生じるが、架橋剤塗布液に無機顔料微粒子を含有させることにより適度な空隙構造が保持され上記の不連続性が緩和されるものと予想される。本発明の架橋剤塗布液に用いられる無機顔料微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、アルミナ水和物微粒子を用いることにより連続性が更に増すため特に好ましい。架橋剤塗布液に含有させる無機顔料微粒子の平均二次粒径としては80〜250nmが好ましく、120〜200nmがより好ましい。架橋剤塗布液中に無機顔料微粒子を含有させる場合の無機顔料微粒子の含有量としては、固形分濃度として10質量%以上が好ましく、15質量%以上が更に好ましい。上限は30質量%以下であることが望ましい。また、粘度調整等の目的で水溶性バインダーを利用すると架橋剤の拡散速度が低下する場合があるため、水溶性バインダーは含有しないことが好ましく、架橋剤塗布液中の水溶性バインダー量は固形分濃度として1質量%以下、更には0.1質量%以下とすることが望ましい。
本発明の架橋剤塗布液には、更に、界面活性剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、pH調整剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明のインクジェット記録材料には、上記のインク受容層及び架橋剤層に加え、更に下引き層や保護層、光沢発現層等の他の機能を有する層を設けてもよい。
本発明に用いられる支持体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム、ポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸収性支持体、上質紙、アート紙、コート紙等の吸収性支持体等が用いられる。中でも、非吸収性支持体は高い光沢が得られる点で好ましいが、その反面、インク中の溶媒成分を吸収しない。このような非吸収性支持体上にはインク吸収性に優れる多孔質なインク受容層が好ましく用いられるが、本発明はこのような構成のインクジェット記録材料に特に有用である。これらの支持体の厚みは、約50〜300μm程度のものが好ましく使用される。
非吸収性支持体であるフィルムやオレフィン樹脂被覆紙を使用する場合に、インク受容層を設ける面上には、コロナ放電処理、火炎処理等の活性化処理を施すことができる。
支持体としてフィルムやオレフィン樹脂被覆紙を使用する場合には、インク受容層を設ける面上に天然高分子化合物や合成樹脂を主体とする下引き層を設けることが好ましく、特にゼラチンを主体とする下引き層が好ましい。
下引き層の塗布量としては特に制限はないが、固形分塗布量で0.005〜2.0g/mの範囲が好ましく、0.01〜1.0g/mの範囲がより好ましく、0.02〜0.5g/mの範囲が特に好ましい。
本発明における支持体には、帯電防止、搬送性改善、カール防止等のために各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機及び有機の帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめることができる。
本発明は上記支持体上にインク受容層塗布液と架橋剤塗布液を同時重層塗布により設けて実施される。同時重層塗布するための塗布方法としてはスライドビード方式、カーテン方式等の公知の塗布方法を用いることができる。スライドビード塗布方式は、特開平5−96223号公報、特開平11−290775号公報、特開2000−33314号公報等に記載の、スライド面を塗布液が流下し、塗布装置と支持体との間にビードを形成しながら塗布する方式である。カーテン塗布方式は、特開平10−277458号公報、特開2000−176344号公報、特開2001−46938号公報等に記載の、塗布液のカーテン膜を支持体上に落下させて塗布する方式である。
以下、本発明の実施例を示す。なお、部及び%は質量部、質量%を示す。
(実施例1)
[支持体の作製]
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調整した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100部の樹脂に対して、10%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、表面(インク受容層塗設面)とした。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmとなるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンの付着量が50mg/mとなるように塗布乾燥した。
<下引き層>
ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 8部
[アルミナ水和物分散液の作製]
水に解膠剤として硝酸をAl換算100gに対して25mmol添加した分散媒をディゾルバ(周速10m/s)で攪拌しながら擬ベーマイトアルミナ水和物(DISPERAL HP14、Sasol社製、平均一次粒径14nm)を徐々に添加し、固形分濃度がAl換算で25%、平均二次粒径が160nmのアルミナ水和物分散液を得た。
[インクジェット記録材料の作製]
上記支持体上に、下記組成に調整したインク受容層塗布液1及び架橋剤水溶液1を、支持体に近い側からインク受容層塗布液1/架橋剤塗布液1/インク受容層塗布液1の順で、それぞれの1平方メートルあたりの塗布量が120ml/40ml/40mlとなるようにスライドビード塗布方式で同時塗布した後、30〜55℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、実施例1のインクジェット記録材料を作製した。
<インク受容層塗布液1>
アルミナ水和物分散液 (固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 14部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塗布液の固形分濃度 18%
<架橋剤塗布液1>
アルミナ水和物分散液 (固形分として) 100部
ほう酸 9部
塗布液の固形分濃度 18%
(実施例2)
上記支持体上に、インク受容層塗布液1及び架橋剤水溶液1を、支持体に近い側からインク受容層塗布液1/架橋剤塗布液1/インク受容層塗布液1の順で、それぞれの1平方メートルあたりの塗布量が40ml/40ml/120mlとなるようにスライドビード塗布方式で同時塗布した後、30〜55℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、実施例2のインクジェット記録材料を作製した。
(実施例3)
上記支持体上に、インク受容層塗布液1、架橋剤水溶液1、及び下記組成に調整したインク受容層塗布液2を、支持体に近い側からインク受容層塗布液1/架橋剤塗布液1/インク受容層塗布液2の順で、それぞれの1平方メートルあたりの塗布量が120ml/40ml/40mlとなるようにスライドビード塗布方式で同時塗布した後、30〜55℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、実施例3のインクジェット記録材料を作製した。
<インク受容層塗布液2>
アルミナ水和物分散液 (固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 9部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ノニオン性界面活性剤 1部
塗布液の固形分濃度 18%
(実施例4)
上記支持体上に、インク受容層塗布液1、及び下記組成に調整した架橋剤水溶液2を、支持体に近い側からインク受容層塗布液1/架橋剤塗布液2/インク受容層塗布液1の順で、それぞれの1平方メートルあたりの塗布量が120ml/40ml/40mlとなるようにスライドビード塗布方式で同時塗布した後、30〜55℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、実施例4のインクジェット記録材料を作製した。
<架橋剤塗布液2>
ほう酸 9部
塗布液の固形分濃度 1.48%
(比較例1)
上記支持体上に、インク受容層塗布液1及び架橋剤水溶液1を、支持体に近い側から架橋剤塗布液1/インク受容層塗布液1の順で、それぞれの1平方メートルあたりの塗布量が40ml/160mlとなるようにスライドビード塗布方式で同時塗布した以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例2)
上記支持体上に、インク受容層塗布液1及び架橋剤水溶液1を、支持体に近い側からインク受容層塗布液1/架橋剤塗布液1の順で、それぞれの1平方メートルあたりの塗布量が160ml/40mlとなるようにスライドビード塗布方式で同時塗布した以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例3)
実施例1におけるインク受容層塗布液1/架橋剤塗布液1/インク受容層塗布液1の塗布量を、140ml/40ml/20mlとした以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例4)
上記支持体上に、インク受容層塗布液1に対して架橋剤水溶液1をインラインミキサーにより混合、均一化した塗布液をスライドビード塗布方式で塗布し、比較例4のインクジェット記録材料を得た。この時、インク受容層塗布液1、架橋剤塗布液1は、1平方メートルあたりの塗布量がそれぞれ160ml、40mlとなるように供給し、混合を行った。
(比較例5)
実施例1における各層を、1層ずつ逐次塗布により設けることにより比較例5のインクジェット記録材料を得た。この時、塗布はスライドビード塗布方式を用い、1工程塗布毎に30〜55℃の空気を順次吹き付けて乾燥させた後に次工程の塗布を実施した。
得られた各々のインクジェット記録材料について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<風紋>
塗布面における風紋の状態を目視観察し評価した。
○;風紋ムラが見られない
△;風紋ムラがわずかに見られるが、問題にならないレベル
×;風紋ムラが著しい
<塗布欠陥>
記録材料5m中に存在する1mm以上の塗布欠陥のうち、塗液凝集物の頻度を目視で評価し、下記の基準で評価した。
○;5個未満
△;5個以上20個未満
×;20個以上
<インク吸収性>
市販のインクジェットプリンター(キヤノン社製PIXUS 850i)にてグリーンのベタ印字を行い、ベタ印字部のインク吸収の程度を目視により評価した。なお、塗布ムラに起因するインク吸収ムラについても同一の指標にて評価を行った。
○;ベタ印字部にムラが見られない
△;ベタ印字部にムラが若干見られるが、問題にならないレベル
×;ベタ印字部にムラが目立つ(塗布ムラに起因するインク吸収ムラを含む)
Figure 2010201727
表1から、本発明の方法によって製造したインクジェット記録材料は、インク吸収性に優れ、風紋及び塗布欠陥の発生が改善されていることがわかる。

Claims (1)

  1. 支持体上にアルミナ水和物微粒子、ポリビニルアルコール及びその架橋剤を含むインク受容層塗布液を150ml/m以上の塗布量で塗設してなるインクジェット記録材料の製造方法において、該インク受容層塗布液を1層あたりの塗布量が130ml/m以下となるよう複数の塗布液とし、該複数のインク受容層塗布液の層の間に前記ポリビニルアルコールの架橋剤を含む架橋剤塗布液の層を介在させて同時重層塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013103387A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Dainippon Printing Co Ltd 昇華転写受像シート及び昇華転写受像シートの製造方法

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