JP2008253877A - 排ガス処理装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】排ガス中に酸性ガス(HCl、SOx等)、窒素酸化物(NOx)、更にダイオキシン類等の他の有害物質を含む排ガスを浄化するための排ガス処理装置について、その装置全体としてのコンパクト化及びコストダウンを実現すること。
【解決手段】本発明にかかる排ガス処理装置は、脱硝触媒17を有する触媒バグフィルタ26と、前記触媒バグフィルタ26を通される排ガス中に、当該触媒バグフィルタ26の上流において脱硝還元剤としてアンモニアを供給するアンモニア供給部9と、前記アンモニア供給部9より上流において前記排ガス中にナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給するNa系中和剤供給部18とを備えたもの。
【選択図】図1
【解決手段】本発明にかかる排ガス処理装置は、脱硝触媒17を有する触媒バグフィルタ26と、前記触媒バグフィルタ26を通される排ガス中に、当該触媒バグフィルタ26の上流において脱硝還元剤としてアンモニアを供給するアンモニア供給部9と、前記アンモニア供給部9より上流において前記排ガス中にナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給するNa系中和剤供給部18とを備えたもの。
【選択図】図1
Description
本発明は、排ガス中の塩化水素(HCl)及び硫黄酸化物(SOx)等の酸性ガスを中和して除去し、窒素酸化物(NOx)を還元分解し、更にダイオキシン類等の他の有害物質を含む排ガス性状である場合は、それら他の有害物質も低減して浄化する排ガス処理装置及び方法に関するものである。
図3は、この種排ガス処理装置の従来の一例を示す概略構成図である(例えば特許文献1及び特許文献2)。都市ゴミ焼却炉等の排ガス発生源1から排出される排ガスの流路2は、集塵装置3に連通され、更に、バグフィルタ4、排ガス再過熱器5、触媒反応塔6、煙突7に順次連通されている。排ガス中には、被焼却物の種類によってその割合は変わるが、ダストの他に、塩化水素(HCl)や硫黄酸化物(SOx)等の酸性ガス、窒素酸化物、更にはダイオキシン類などの他の有害物質が通常含まれている。
排ガスは、先ず集塵装置3でダストを除去された後、酸性ガス中和剤供給部8から中和剤が排ガス流路2に供給され、酸性ガスが中和処理される。ここで、中和剤は消石灰等のカルシウム系のものが使われており、酸性ガス(HCl、SOx)は中和されてカルシウム塩(CaCl2、CaSO3等)となる。これらカルシウム塩はバグフィルタ4で捕獲され、排ガス中から除去される。但し、この中和除去によって排ガス中の酸性ガス(HCl、SOx)を充分な除去率(後段の他の浄化処理に影響を与えない程度までの除去率)で除去することはできない。中和剤の添加量を増やせば除去率は向上するが、それでも充分な除去率にはならず、中和処理後の排ガス中には酸性ガスが残留している。
続いて、排ガスは排ガス再加熱器5で200℃〜230℃程度の温度に昇温される。そして、昇温された排ガス中にアンモニア供給部9からアンモニアが供給されて触媒反応塔6に送られる。触媒反応塔6は脱硝触媒を備えており、前記アンモニアが脱硝還元剤として機能し、排ガス中の窒素酸化物が脱硝触媒と接触して還元分解されて除去される。
ここで、前記排ガス再加熱器5により排ガスを200℃〜230℃程度の温度に昇温する理由を説明する。
前記残留酸性ガスのSOxはSO2とSO3であるが、排ガス中に残存するSO3は前記供給されたアンモニアと反応して酸性硫酸アンモニウム(NH4HSO4)や硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)を生成する。この生成した酸性硫酸アンモニウム等はSO3とNH3の濃度によって定まる温度より低下すると触媒の表面に析出し、脱硝性能の低下(被毒)を引き起こす。そこで、酸性ガスが残留する排ガスを排ガス再加熱器5により200℃〜230℃程度の温度に昇温して、生成した前記酸性硫酸アンモニウム等が触媒表面に析出することを抑えて前記被毒を防止している。
前記残留酸性ガスのSOxはSO2とSO3であるが、排ガス中に残存するSO3は前記供給されたアンモニアと反応して酸性硫酸アンモニウム(NH4HSO4)や硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)を生成する。この生成した酸性硫酸アンモニウム等はSO3とNH3の濃度によって定まる温度より低下すると触媒の表面に析出し、脱硝性能の低下(被毒)を引き起こす。そこで、酸性ガスが残留する排ガスを排ガス再加熱器5により200℃〜230℃程度の温度に昇温して、生成した前記酸性硫酸アンモニウム等が触媒表面に析出することを抑えて前記被毒を防止している。
また、触媒脱硝塔6内に、またはその前段或いは後段に更にダイオキシン類分解触媒を備えた排ガス処理装置は、前記脱硝に加えて、排ガス中のダイオキシン類も該ダイオキシン類分解触媒との接触により分解除去する。
更に従来排ガス処理設備として、一体型濾過集塵装置を備えた排ガス処理設備が提供されている(特許文献3)。この一体型濾過集塵装置を備えた排ガス処理設備は、排ガス中に供給する中和剤がカルシウム系とナトリウム系の両方であり、またダスト、脱塩残渣、未反応中和剤などの全ての処理物を一体型濾過集塵装置で分離除去する構成であるので、薬剤の処理効率が低いと共に、未反応中和剤が多くが最終処理物中に含まれ、排ガス浄化に伴う分離除去物が大量に発生し、その分離除去物の最終処理コストが嵩む問題があった。
特開2001−137663号公報
特開2001−104728号公報
特許第3706627号特許公報
従来の排ガス処理装置は、脱硝触媒の被毒の問題を防止するために、わざわざ排ガスを昇温しなければならず、その昇温のために排ガス再加熱器が必要となって装置構成点数が嵩み、更に昇温のためのエネルギーもかかり、排ガス処理装置全体としてのコンパクト化及びコストダウンの妨げとなっていた。
本発明の目的は、排ガス処理装置全体としてのコンパクト化及びコストダウンを実現することにある。
上記目的を達成するために、本発明にかかる排ガス処理装置の第1の態様は、脱硝触媒を有する触媒浄化処理部と、前記触媒浄化処理部を通される排ガス中に、当該触媒浄化処理部の上流において脱硝還元剤としてアンモニアを供給するアンモニア供給部と、前記アンモニア供給部より上流において前記排ガス中にナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給するNa系中和剤供給部とを備えたものである。
ナトリウム系の酸性ガス中和剤は、消石灰等のカルシウム系の中和剤より脱SOx率を高めることが可能である。従って、本態様によれば、アンモニア供給部より上流において前記排ガス中にナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給するので、中和処理後であってアンモニア供給前の排ガス中の残存SOx量を、後段の脱硝触媒に前記被毒の問題が生じない程度まで低減することが可能になる。これにより、脱硝触媒を通過する前の排ガスを昇温する必要がなくなり、もって、従来の排ガス再加熱器を不要にすることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様の排ガス処理装置において、前記触媒浄化処理部はダイオキシン類等の他の有害物質を低減する他の触媒も備えていることを特徴とするものである。
本態様によれば、第1の態様の作用効果に加えて、ダイオキシン類等の他の有害物質を低減するための他の触媒に対しても、前記触媒被毒の問題を、排ガス再加熱器が無い状態で同様に防止することができる。
本態様によれば、第1の態様の作用効果に加えて、ダイオキシン類等の他の有害物質を低減するための他の触媒に対しても、前記触媒被毒の問題を、排ガス再加熱器が無い状態で同様に防止することができる。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様の排ガス処理装置において、前記触媒浄化処理部は前記触媒を担持した触媒バグフィルタであることを特徴とするものである。
触媒バグフィルタは、触媒粉末が触媒ろ布によって挟み込まれて担持されている構造であるため、酸性硫酸アンモニウムの析出(目詰まり)による被毒の問題が特に生じやすいものである。しかし、本態様によれば、排ガス中の残存SOx量を充分に低減することができるので、触媒バグフィルタの使用が可能となる。従って、第1の態様または第2の態様の作用効果に加えて、排ガス処理装置の操作性向上と、コンパクト化を実現することができる。
触媒バグフィルタは、触媒粉末が触媒ろ布によって挟み込まれて担持されている構造であるため、酸性硫酸アンモニウムの析出(目詰まり)による被毒の問題が特に生じやすいものである。しかし、本態様によれば、排ガス中の残存SOx量を充分に低減することができるので、触媒バグフィルタの使用が可能となる。従って、第1の態様または第2の態様の作用効果に加えて、排ガス処理装置の操作性向上と、コンパクト化を実現することができる。
本発明の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれか1つの排ガス処理装置において、前記ナトリウム系の酸性ガス中和剤は、重曹の粉末を主成分とするものであることを特徴とするものである。
重曹(NaHCO3)の粉末を主成分とする酸性ガス中和剤は、酸性ガスとの中和反応の際にCO2とH2Oのガスが発生する。このCO2とH2Oのガスが重曹粉末の粒子内部から放出されると、該粒子の比表面積が大きくなり、また、これによって反応生成物Na2SO4で覆われた粒子表面が更新されフレッシュな重曹が再び脱SOx反応を開始するため、SOx除去率がカルシウム系の中和剤より高くなると考えられる。本態様によれば、重曹の粉末を主成分とする中和剤で脱SOx反応をさせるため、SOx除去率を確実に向上することができ、第1の態様から第3の態様のいずれか1つの態様の作用効果を一層の確実性をもって得ることができる。
本発明の第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれか1つの排ガス処理装置において、前記Na系中和剤供給部の上流に除塵バグフィルタが設けられていることを特徴とするものである。
本態様によれば、除塵バグフィルタによって排ガス中のダストを除去した排ガスにナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給するので、該中和剤を無駄なく効果的に脱SOx反応に供することができる。
本態様によれば、除塵バグフィルタによって排ガス中のダストを除去した排ガスにナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給するので、該中和剤を無駄なく効果的に脱SOx反応に供することができる。
本発明の第6の態様は、排ガス中にナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給して該排ガス中のHClとSOxを中和処理する酸性ガス中和工程と、前記酸性ガス中和工程を経た排ガス中に脱硝還元剤としてアンモニアを供給するアンモニア供給工程と、前記アンモニア供給工程後の排ガスを脱硝触媒と接触させて排ガス中のNOxを還元して分解する脱硝工程とを有する排ガス処理方法である。本態様によれば、第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第7の態様は、第6の態様の排ガス処理方法において、前記脱硝工程の際に前記排ガスをダイオキシン類等の他の有害物質を低減する触媒とも接触させて排ガス中の他の有害物質も低減することを特徴とするものである。本態様によれば、第6の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第8の態様は、第6の態様または第7の態様の排ガス処理方法において、前記触媒を担持させた触媒バグフィルタに前記排ガスを通すことにより前記触媒と前記排ガスを接触させて分解することを特徴とするものである。本態様によれば、第3の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第9の態様は、第6の態様から第8の態様のいずれか1つの態様の排ガス処理方法において、前記ナトリウム系の酸性ガス中和剤は、重曹の粉末を主成分とするものであることを特徴とするものである。本態様によれば、第4の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第10の態様は、第6の態様から第9の態様のいずれか1つの態様の排ガス処理方法において、前記酸性ガス中和工程の前に除塵バグフィルタによる除塵工程を有することを特徴とするものである。本態様によれば、第5の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、アンモニア供給部より上流において排ガス中にナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給するので、中和処理後であってアンモニア供給前の排ガス中の残存SOx量を、後段の脱硝触媒に前記被毒の問題が生じない程度まで低減することが可能になる。これにより、脱硝触媒を通過する前の排ガスを昇温する必要がなくなり、もって、従来の排ガス再加熱器を不要にすることができる。
[実施例1]
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る排ガス処理装置の構成図を示す。排ガス発生源1から排出される排ガスの流路2は、集塵装置3に連通され、更に、触媒浄化処理部16、煙突7に順次連通されている。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る排ガス処理装置の構成図を示す。排ガス発生源1から排出される排ガスの流路2は、集塵装置3に連通され、更に、触媒浄化処理部16、煙突7に順次連通されている。
本実施の形態では、触媒浄化処理部16は、脱硝触媒17を有する触媒バグフィルタ26で構成されていることに加えて、当該触媒浄化処理部16はダイオキシン類等の他の有害物質を低減する他の公知の触媒19(特開2001-104728号公報等)も備えている。前記脱硝触媒17も公知のものが使用でき、例えば酸化チタン(TiO2)を担体とし、酸化タングステン(WO3)や酸化バナジウム(V2O5)を触媒活性体とするものが挙げられる。触媒バグフィルタ26は、前記触媒17、19の粉末が触媒ろ布によって挟み込まれて担持されている構造である。尚、脱硝触媒17とダイオキシン類等の他の有害物質を低減する他の触媒19は、共通の触媒で構成してもよい。
そして、当該触媒浄化処理部16の上流には、脱硝還元剤としてアンモニアを排ガス中に供給するアンモニア供給部9が設けられている。更に、前記アンモニア供給部9より上流において前記排ガス中にナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給するNa系中和剤供給部18を備えている。アンモニア供給部9の排ガス流路2への接続位置20と、Na系中和剤供給部18の排ガス流路2への接続位置21は、排ガス中の酸性ガス(HCl、SOx)がNa系中和剤で充分に中和反応が進んでからアンモニアが供給されるように互いの間隔をあけて配設されている。
前記ナトリウム系の酸性ガス中和剤は、本実施例では平均粒径20μm以下の微粉重曹を主成分とするものが用いられる。当該ナトリウム系の酸性ガス中和剤は、具体的には前記微粉重曹に親水性の湿式シリカの粉末と、疎水性の金属石鹸の粉末とを含有してなり、前記湿式シリカの含有率が1乃至10wt%、前記金属石鹸の含有率が0.1乃至0.5wt%であるものが用いられる(特許第3745765号特許公報)。この中和剤を用いることにより触媒バグフィルタ26の圧力損失を低減でき、触媒バグフィルタ26を一層実用的に使用することが可能になっている。
前記排ガス発生源1は、都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉、汚泥焼却炉などの各種焼却炉や熱分解炉、溶融炉等が具体的に挙げられるが、排ガス中に酸性ガス(HCl、SOx)とNOxを含む排ガスを発生するもの全てが本発明の対象となる。
前記集塵装置3は排ガス中からダストを除去するためのものであり、公知のものを使用できる。ここでは集塵装置3として集塵バグフィルタ13が使われ、その部分の温度は通常150℃〜200℃である。集塵バグフィルタ13を用いたことにより、集塵能力の回復工程を簡単化しやすくなる。
次に、図1に記載された排ガス処理装置の作用を説明する。
排ガス発生源1から発生した塩化水素(HCl)及び硫黄酸化物(SOx)等の酸性ガス、窒素酸化物(NOx)、更にダイオキシン類等の他の有害物質を含む排ガスは、排ガス流路2を通って集塵バグフィルタ13に至り、ここでダストを除去される。ダストを除去された排ガスは、Na系中和剤供給部18から供給される微粉重曹を主成分とする中和剤で排ガス中の酸性ガス(HCl、SOx)が中和される。その脱塩および脱硫の中和反応式(1)(2)を以下に記す。
NaHCO3+HCl → NaCl+H2O+CO2 (1)
2NaHCO3+SO2 → Na2SO3+H2O+2CO2 (2)
微粉重曹を主成分とする酸性ガス中和剤は、酸性ガスとの中和反応の際に上記反応式(1)(2)に示したように、CO2とH2Oのガスが発生する。このCO2とH2Oのガスが重曹粉末の粒子内部から放出されることにより、該粒子の比表面積が大きくなり、また、これによって反応生成物Na2SO4で覆われた粒子表面が更新されフレッシュな重曹が再び脱SOx反応を開始するため、SOx除去率がカルシウム系の中和剤より高くなると考えられる。この中和反応によって、排ガス中の酸性ガスを充分に低減することができる。
次に、図1に記載された排ガス処理装置の作用を説明する。
排ガス発生源1から発生した塩化水素(HCl)及び硫黄酸化物(SOx)等の酸性ガス、窒素酸化物(NOx)、更にダイオキシン類等の他の有害物質を含む排ガスは、排ガス流路2を通って集塵バグフィルタ13に至り、ここでダストを除去される。ダストを除去された排ガスは、Na系中和剤供給部18から供給される微粉重曹を主成分とする中和剤で排ガス中の酸性ガス(HCl、SOx)が中和される。その脱塩および脱硫の中和反応式(1)(2)を以下に記す。
NaHCO3+HCl → NaCl+H2O+CO2 (1)
2NaHCO3+SO2 → Na2SO3+H2O+2CO2 (2)
微粉重曹を主成分とする酸性ガス中和剤は、酸性ガスとの中和反応の際に上記反応式(1)(2)に示したように、CO2とH2Oのガスが発生する。このCO2とH2Oのガスが重曹粉末の粒子内部から放出されることにより、該粒子の比表面積が大きくなり、また、これによって反応生成物Na2SO4で覆われた粒子表面が更新されフレッシュな重曹が再び脱SOx反応を開始するため、SOx除去率がカルシウム系の中和剤より高くなると考えられる。この中和反応によって、排ガス中の酸性ガスを充分に低減することができる。
前記中和処理後であってアンモニア供給前の排ガス中の残存SOx量は、アンモニアが供給されても、酸性硫酸アンモニウム等の析出により触媒被毒の問題が生じない程度まで低減されている。この状態の排ガスにアンモニア供給部9からアンモニアが供給され、そのまま触媒バグフィルタ16に到達する。触媒バグフィルタ16部分の温度は、前記集塵バグフィルタ13と当該触媒バグフィルタ26との間に昇温手段は設けられていないため、前記集塵バグフィルタ13部分の温度とほぼ同じで通常150℃〜200℃である。触媒バグフィルタ26に担持されている脱硝触媒17に排ガスが接触することによって、前記アンモニアが脱硝還元剤として機能してNOxが還元されて脱硝される。その際、排ガスの温度を従来のように200℃〜230℃程度の温度に昇温する必要がない。
触媒バグフィルタ26には、ダイオキシン類等の他の有害物質を低減する他の触媒19も担持されている。脱硝触媒と同じく触媒被毒(酸性硫酸アンモニウム等の析出)の問題がなく、ダイオキシン類等の他の有害物質も効果的に分解除去される。
そして、浄化処理が完了した排ガスは浄化済みガスとなって煙突7に送られ、大気中に放出される。
[実施例2]
図2は本発明の他の実施の形態に係る排ガス処理装置の構成図を示す。本実施例では集塵バグフィルタ13と触媒バグフィルタ26との間であって、Na系中和剤供給部18の排ガス流路2への接続位置21より上流側に排ガスの再加熱器25が設けられている。その他の構成は図1に示した実施例1と同様なので、同一部分に同一符号を付してその説明は省略する。
図2は本発明の他の実施の形態に係る排ガス処理装置の構成図を示す。本実施例では集塵バグフィルタ13と触媒バグフィルタ26との間であって、Na系中和剤供給部18の排ガス流路2への接続位置21より上流側に排ガスの再加熱器25が設けられている。その他の構成は図1に示した実施例1と同様なので、同一部分に同一符号を付してその説明は省略する。
排ガスの再加熱器25を上記のように設けた理由を以下に説明する。
実施例1の排ガス処理装置は、集塵バグフィルタ13と触媒バグフィルタ26との間に昇温手段である排ガス再加熱器は設けられていない構成である。これは、当該ナトリウム系の酸性ガス中和剤を用いたことにより、従来より脱SOx率が高まり、中和処理後の残存SOx量を、既述のように脱硝触媒に対する触媒被毒(酸性硫酸アンモニウム等の析出)の問題を実質的に影響の出ないレベルまで低減することが可能になったからである。
実施例1の排ガス処理装置は、集塵バグフィルタ13と触媒バグフィルタ26との間に昇温手段である排ガス再加熱器は設けられていない構成である。これは、当該ナトリウム系の酸性ガス中和剤を用いたことにより、従来より脱SOx率が高まり、中和処理後の残存SOx量を、既述のように脱硝触媒に対する触媒被毒(酸性硫酸アンモニウム等の析出)の問題を実質的に影響の出ないレベルまで低減することが可能になったからである。
しかし、触媒バグフィルタ26部分に至る前の排ガスの温度を200℃〜230℃程度に昇温しても、触媒バグフィルタ26の触媒の能力が低下することはなく、また、当該ナトリウム系の酸性ガス中和剤の脱SOx性能が落ちることもない。すなわち、排ガスを昇温しても各構成要素(触媒バグフィルタ26の触媒やナトリウム系の酸性ガス中和剤)の性能が落ちる訳ではない。一方、当該ナトリウム系の酸性ガス中和剤により脱SOx率は高まり、残存SOx量が実施的に問題を引き起こさない極微量のレベルにすることができたとしても、残存している以上、触媒被毒の虞は僅かに残る。
そこで、排ガス温度を200℃〜230℃程度に昇温して、触媒バグフィルタ26に至るようにすれば、仮に排ガス中に極微量で残存するSOxとアンモニアが反応して酸性硫酸アンモニウムが極微量生成したとしても、触媒表面におけるその析出を確実に防止できることになる。すなわち、酸性硫酸アンモニウムによる触媒被毒の虞を完全に近いレベルで防止することができる効果が得られる。
或いは、本実施例のように排ガスの再加熱器25を設けることで、高い脱SOx率を維持したまま当該ナトリウム系の酸性ガス中和剤の添加量を低減することが可能になる。
本発明は、排ガス中の酸性ガス(HCl、SOx等)を中和して除去し、窒素酸化物(NOx)を還元分解し、更にダイオキシン類等の他の有害物質を含む排ガス性状である場合は、それら他の有害物質も低減して浄化する排ガス処理装置及び方法に利用可能である。
1 排ガス発生源、 2 排ガスの流路、 3 集塵装置、 4 バグフィルタ、 5 排ガス再加熱器、 6 触媒反応塔、 7 煙突、 8 酸性ガス中和剤供給部、 9 アンモニア供給部、 13 集塵バグフィルタ、 16 触媒浄化処理部、 17 脱硝触媒、 18 Na系中和剤供給部、 19 ダイオキシン類等の他の有害物質を低減する他の触媒、 25 排ガスの再加熱器、 26 触媒バグフィルタ
Claims (10)
- 脱硝触媒を有する触媒浄化処理部と、
前記触媒浄化処理部を通される排ガス中に、当該触媒浄化処理部の上流において脱硝還元剤としてアンモニアを供給するアンモニア供給部と、
前記アンモニア供給部より上流において前記排ガス中にナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給するNa系中和剤供給部と、を備えた排ガス処理装置。 - 請求項1に記載の排ガス処理装置において、前記触媒浄化処理部はダイオキシン類等の他の有害物質を低減する他の触媒も備えていることを特徴とする排ガス処理装置。
- 請求項1または2に記載の排ガス処理装置において、前記触媒浄化処理部は前記触媒を担持した触媒バグフィルタであることを特徴とする排ガス処理装置。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の排ガス処理装置において、前記ナトリウム系の酸性ガス中和剤は、重曹の粉末を主成分とするものであることを特徴とする排ガス処理装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の排ガス処理装置において、前記Na系中和剤供給部の上流に除塵バグフィルタが設けられていることを特徴とする排ガス処理装置。
- 排ガス中にナトリウム系の酸性ガス中和剤を供給して該排ガス中のHClとSOxを中和処理する酸性ガス中和工程と、
前記酸性ガス中和工程を経た排ガス中に脱硝還元剤としてアンモニアを供給するアンモニア供給工程と、
前記アンモニア供給工程後の排ガスを脱硝触媒と接触させて排ガス中のNOxを還元して分解する脱硝工程と、を有する排ガス処理方法。 - 請求項6に記載の排ガス処理方法において、前記脱硝工程の際に前記排ガスをダイオキシン類等の他の有害物質を低減する触媒とも接触させて排ガス中の他の有害物質も低減することを特徴とする排ガス処理方法。
- 請求項6又は7に記載の排ガス処理方法において、前記触媒を担持させた触媒バグフィルタに前記排ガスを通すことにより前記触媒と前記排ガスを接触させて分解することを特徴とする排ガス処理方法。
- 請求項6から8のいずれか1項に記載の排ガス処理方法において、前記ナトリウム系の酸性ガス中和剤は、重曹の粉末を主成分とするものであることを特徴とする排ガス処理方法。
- 請求項6から9のいずれか1項に記載の排ガス処理方法において、前記酸性ガス中和工程の前に除塵バグフィルタによる除塵工程を有することを特徴とする排ガス処理方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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