JP2008253582A - 入浴装置および入浴方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バブルを形成する気体成分を、効率的に体内に吸収させ得る入浴装置および入浴方法を提供する。
【解決手段】浴槽1と、浴槽1内の浴槽水中にバブル含有水を吐出するための第1吐出部6とを備える入浴装置において、浴槽1には、入浴者の肛門35の位置を固定するための固定部70が設けられ、第1吐出部6は、肛門35に向かってバブル含有水を吐出するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、浴槽水中にバブルを発生させる入浴装置、および体に向かってバブルを吐出させながら入浴する入浴方法に関するものである。
小さな直径を有する気泡(バブル)には様々な生理作用があることが知られており、現在、このような気泡を作製する技術およびその効果に対する注目が高まっている。
上記気泡は、その直径に応じて、マイクロバブル、マイクロナノバブルおよびナノバブルに分類することができる。具体的には、マイクロバブルは、その発生時において10μm〜数十μmの直径を有する気泡であり、マイクロナノバブルは、その発生時において数百nm〜10μmの直径を有する気泡であり、ナノバブルは、その発生時において数百nm以下の直径を有する気泡である。なお、マイクロバブルは、発生後の収縮運動によって、その一部がマイクロナノバブルに変化することがある。
マイクロバブルに関しては研究が進んでおり、マイクロバブルが有する様々な生理作用が明らかにされている。例えば、マイクロバブルの生理作用として、1)牡蠣やホタテの成長促進作用、2)インスリン様成長因子−1の生産促進作用、3)血流量増加作用が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
より具体的には、従来から、オゾンガスからなるマイクロバブル(オゾンマイクロバブル)を利用する廃液処理装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。上記廃液処理装置では、オゾン発生装置によって作製されたオゾンガスと廃液とを、加圧ポンプを用いて混合することによって、オゾンガスからなるマイクロバブルを作製している。そして、当該マイクロバブルが廃液中の有機物と反応することによって、廃液中の有機物が酸化分解される。
また、従来から、二酸化炭素からなるマイクロバブル(炭酸ガスマイクロバブル)の製造方法および製造装置が用いられている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2には、マイクロバブル発生装置の空気導入系に炭酸ガス容器と減圧弁とを配し、ある条件の圧力と流量とで、炭酸ガスを空気導入系へ供給することによって、二酸化炭素からなるマイクロバブルを作製することが可能であることが記載されている。なお、炭酸ガスの溶解効率は、理論量の100%に近く、使用ガスの量が少なくて良いとともに、経済的である。また、製造装置もコンパクトであることが記載されている。
一方、ナノバブルに関しても、その製造方法および利用方法に関して、様々な研究が進んでいる。
例えば、従来から、液体を原料としてナノバブルを作製する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。上記作製方法は、液体中において、1)上記液体の一部を分解ガス化する工程、2)上記液体に超音波を印加する工程、または3)上記液体の一部を分解ガス化する工程および上記液体に超音波を印加する工程、からなるものである。なお、液体の一部を分解ガス化する工程として、電気分解法または光分解法を用いることができることが記載されている。
また、従来から、ナノバブルの利用方法、およびナノバブルを利用した各種装置が知られている(例えば、特許文献4参照)。より具体的には、上記特許文献4には、ナノバブルが、浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、または静電分極の実現によって、界面活性作用および殺菌作用を示すことが記載されている。更に、特許文献4には、ナノバブルが有する界面活性作用および殺菌作用を用いて、各種物体を洗浄する技術および汚濁水を浄化する技術が記載されている。更に、特許文献4には、ナノバブルを用いて生体の疲労を回復する方法が記載されている。なお、特許文献4では、水を電気分解するとともに、当該水に超音波振動を加えることによって、ナノバブルを作製している。
特開2004−321959号公報(平成16年11月18日公開) 特開2006−320675号公報(平成18年11月30日公開) 特開2003−334548号公報(平成15年11月25日公開) 特開2004−121962号公報(平成16年4月22日公開) 岡嶋等著、「マイクロバブルの医療への応用と可能性」、クリーンテクノロジー、2007、Vol.17、No.1
しかしながら、上記従来の技術を用いた入浴装置および入浴方法では、バブルを形成する気体成分を、効率的に体内に吸収させることができないという問題点を有している。
つまり、マイクロバブルを利用した入浴装置などでは、入浴者の皮膚を介して体内に取り込まれるマイクロバブルの気体成分の量が少ないので、その結果、マイクロバブルが有する各種生理活性作用を体内にて十分に発揮させることができないという問題点を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、バブルを形成する気体成分を、効率的に体内に吸収させ得る入浴装置および入浴方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、入浴者の肛門に向かってバブル含有水を吐出することによって、バブルを形成する気体成分が効率よく体内に吸収されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の入浴装置は、上記課題を解決するために、浴槽と、前記浴槽内の浴槽水中にバブル含有水を吐出するための第1吐出手段とを備える入浴装置において、前記浴槽には、入浴者の肛門の位置を固定するための固定手段が設けられ、前記第1吐出手段は、前記肛門に向かって前記バブル含有水を吐出するものであることを特徴としている。
上記構成によれば、浴槽に固定手段が設けられていることによって、入浴者の肛門の位置を固定することができる。換言すれば、入浴者の肛門は、上記第1吐出手段に対して固定されている。その結果、上記第1吐出手段によって吐出されたバブル含有水を、入浴者の肛門に向かって正確に吐出することができる。バブルを形成する気体成分は、肛門および肛門よりも内部の直腸を介して効率よく体内に吸収されたのち、毛細血管を介して体内に十分に拡散される。そして、体内に、バブルが有する様々な生理活性効果を及ぼすことができる。
本発明の入浴装置では、前記第1吐出手段は、前記浴槽の底部に設けられることが好ましい。
上記構成によれば、浴槽の底部に第1吐出手段が設けられていることによって、入浴者の肛門に向かって、正確にバブル含有水を吐出することができる。
本発明の入浴装置では、前記浴槽内の浴槽水の水面よりも上に第2吐出手段を備え、前記第2吐出手段は、前記水面に対して略水平方向に向かってバブル含有水を吐出するものであることが好ましい。
上記構成によれば、浴槽水の水面よりも上に第2吐出手段が設けられていることによって、入浴者の体の一部であって、浴槽水の水面よりも上に位置する部位(例えば、頭部および上半身)に向かってバブル含有水を吐出することができる。その結果、入浴者の下半身のみならず上半身および頭部に向かって、つまり入浴者の全身に向かってバブル含有水を吐出することができるので、バブルが有する生理活性効果をより短時間で効率的に入浴者の全身に及ぼすことができる。
本発明の入浴装置では、前記浴槽には蓋が設けられており、前記第2吐出手段は、前記蓋と前記浴槽水の水面との間に前記バブル含有水を吐出するものであることが好ましい。
上記構成によれば、上記第2吐出手段から吐出されたバブル含有水は、上記蓋と上記浴槽水の水面との間に、霧状になって充満する。したがって、上記蓋と上記浴槽水の水面との間のバブルの濃度を高めることができるので、バブルを形成する気体成分をより短時間で効率的に入浴者の体内に取り込ませることができる。その結果、バブルが有する生理活性効果をより短時間で効率的に入浴者の全身に及ぼすことができる。
本発明の入浴装置では、前記浴槽内の浴槽水の水面よりも上に第3吐出手段を備え、前記第3吐出手段は、前記水面に対して略垂直方向に向かってバブル含有水を吐出するものであることが好ましい。
上記構成によれば、浴槽水の水面よりも上に第3吐出手段が設けられていることによって、入浴者の頭部に向かってバブル含有水を吐出することができる。その結果、バブルが有する生理活性効果をより短時間で効率的に入浴者の全身に及ぼすことができる。
本発明の入浴装置では、前記浴槽の上部には、入浴者の頭部を収納するための収納手段が設けられており、前記第3吐出手段は、前記収納手段の内部に前記バブル含有水を吐出するものであることが好ましい。
上記構成によれば、バブル含有水は、上記第3吐出手段によって上記収納手段の内部に吐出されて、上記収納手段の内部に霧状となって充満する。また、上記収納手段の内部には、入浴者の頭部が配置されている。したがって、上記収納手段内部のバブルの濃度を高めることができるので、入浴者の頭部を介して、バブルを形成する気体成分をより短時間で効率的に入浴者の体内に取り込ませることができる。その結果、バブルが有する生理活性効果をより短時間で効率的に入浴者の全身に及ぼすことができる。
本発明の入浴装置では、前記バブル含有水を作製するためのバブル発生手段を備え、前記バブル発生手段は、発泡固形剤から供給される気体と、前記浴槽内の浴槽水とを混合するものであることが好ましい。
上記構成によれば、発泡固形剤から放出される気体を用いてバブルを作製することができるので、発泡固形剤の種類を選択することによって、様々な気体成分を含むバブル含有水を容易に作製することができる。
本発明の入浴装置では、前記バブル含有水は、ナノバブルを含むことが好ましい。
上記構成によれば、ナノバブルを含むバブル含有水を入浴者に向かって吐出することができる。ナノバブルは、マイクロバブル等と比較して、生理活性作用が高い。したがって、上記構成によれば、入浴者に対して、高い生理活性作用を及ぼすことができる。
本発明の入浴装置では、前記ナノバブルは、炭酸ガスナノバブルであることが好ましい。
上記構成によれば、炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水を入浴者に向かって吐出することができるので、炭酸ガスが有する生理活性作用を、より効果的に入浴者に及ぼすことができる。
本発明の入浴装置では、前記バブル含有水には、薬効成分が含まれていることが好ましい。
また、本発明の入浴装置では、前記薬効成分は、生薬由来の成分であることが好ましい。
上記構成によれば、入浴者の体内にバブルの気体成分を吸収させる時に、薬効成分を同時に吸収させることができる。また、バブルの気体成分が体内に吸収されることによって体内の血流量が増加しているので、毛細血管等を介して薬効成分を体内に拡散させることができ、その結果、薬効成分の効果を上昇させることができる。
本発明の入浴方法は、上記課題を解決するために、入浴者の肛門に向かってバブル含有水が吐出されながら、前記入浴者が入浴することを特徴としている。
上記構成によれば、入浴者の肛門に向かってバブル含有水が吐出されている状態で、当該入浴者は入浴を行う。その結果、当該バブルを形成する気体成分は、肛門および肛門よりも内部の直腸を介して効率よく体内に吸収されたのち、毛細血管を介して体内に十分に拡散される。そして、体内に、バブルが有する様々な生理活性効果を及ぼすことができる。
本発明の入浴方法では、前記バブル含有水は、ナノバブルを含むことが好ましい。
上記構成によれば、ナノバブルを含むバブル含有水が入浴者に向かって吐出されている。ナノバブルは、マイクロバブル等と比較して、生理活性作用が高い。したがって、上記構成によれば、入浴者に対して、高い生理活性作用を及ぼすことができる。
本発明の入浴方法では、前記ナノバブルは炭酸ガスナノバブルであることが好ましい。
上記構成によれば、炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水を入浴者に向かって吐出することができるので、炭酸ガスが有する生理活性作用を、より効果的に入浴者に及ぼすことができる。
本発明の入浴方法では、薬剤の服用を併用することが好ましい。
上記構成によれば、入浴前、入浴中または入浴後に薬剤が服用されている。また、入浴者に対してバブル含有水が吐出されることによって、入浴者の血流量が増加している。したがって、服用された薬剤を、容易に全身に拡散させることができる。また、薬剤の拡散効果を高めることができるので、服用する薬剤の量を少なくすることができる。
本発明の入浴装置は、以上のように、浴槽と、上記浴槽内の浴槽水中にバブル含有水を吐出するための第1吐出手段とを備え、上記浴槽には、入浴者の肛門の位置を固定するための固定手段が設けられ、上記第1吐出手段は、上記肛門に向かって上記バブル含有水を吐出するものである。
また、本発明の入浴方法は、入浴者の肛門に向かってバブル含有水が吐出されながら、当該入浴者が入浴するものである。
それ故、肛門に対して直接バブル含有水を吐出することができるので、バブルを形成する気体成分を、肛門および肛門よりも内部の直腸を介して体内へ効率よく吸収することができるという効果を奏する。さらに、体内へ効率よく吸収された上記気体成分は、短時間のうちに毛細血管内に取り込まれて全身に拡散することができる。その結果、バブルが有する生理活性作用を、効率よく全身に及ぼすことができるという効果を奏する。
バブルが有する生理活性作用としては、例えば、血流量増加作用およびインスリン様成長因子量の増加作用を挙げることができる。
インスリン様成長因子は各種疾患(例えば、中枢神経疾患、心血管系疾患、代謝異常疾患、消化器疾患、運動器疾患、皮膚科領域疾患)に関与することが知られている。更に具体的には、中枢神経疾患としては、うつ病、アルツハイマー病および認知症等を挙げることができる。また、心血管系疾患としては、慢性心不全、高血圧、脳梗塞、心筋梗塞等を挙げることができる。また、代謝異常疾患としては、糖尿病、肥満および高脂血症等を挙げることができる。また、消化器疾患としては、胃潰瘍および肝機能低下症等を挙げることができる。また、運動器疾患としては、関節リウマチおよび関節炎等を挙げることができる。また、皮膚科領域疾患としては、皮膚老化、しわ、たるみ、および脱毛等を挙げることができる。さらに、インスリン様成長因子は赤血球産生促進作用または免疫機能活性化作用(例えば、ナチュラルキラー細胞の活性化作用)等を介して、各種疾患の病状の改善に寄与することが知られている。したがって、本発明の血流量およびインスリン様成長因子増加装置、並びに血流量およびインスリン様成長因子増加方法は、血流量およびインスリン様成長因子を増加させることによって、これら各種疾患を治療することができるという効果を奏する。
また、バブルは人体の皮膚を洗浄する効果が高いので、本願発明のようにバブル含有水を用いることによって、体を洗浄する際に必要な洗顔料、シャンプー、またはボディーソープの量を減少させることもできるという効果を奏する。
また、血流量を増加させることができるので、薬物を服用した場合は、薬物の作用を高めることができる、つまり少量の薬物にて当該薬物の薬理作用を発揮させることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態について図1〜図6に基づいて、以下に説明する。
〔実施の形態1〕
図1に、本実施の形態の入浴装置を示す。
入浴装置34は、浴槽1およびバブル発生部33(バブル発生手段)を含む。上記バブル発生部33では、バブル含有水が作製される。なお、本明細書において「バブル含有水」とは、気体成分からなる気泡(バブル)を含む液体が意図される。以下に、入浴装置34の各構成について説明する。
本実施の形態の入浴装置では、浴槽1内に浴槽水が供給される。浴槽水の水位が満水時の水位8となれば、浴槽1内へ浴槽水を供給するのを止める。なお、浴槽1内に供給される浴槽水の温度は特に限定されず、適宜好適な温度の浴槽水を浴槽1内に供給すればよい。例えば、37℃〜42℃の温度に調節された浴槽水を、浴槽1内に供給することが好ましい。また、浴槽1内の浴槽水の温度を37℃〜42℃に維持するために、本実施の形態の入浴装置34に、浴槽水を沸騰させるための構成を追加することもできる。浴槽水を沸騰させる構成としては特に限定されず、適宜公知の構成を用いることができる。例えば、浴槽水を加熱するための加熱装置(例えば、ヒーターなど)を有するものであることが好ましい。
上記浴槽1内には、入浴者の肛門の位置を固定するための固定部70(固定手段)が設けられている。上記固定部70は、第1吐出部6から入浴者の肛門に向かってバブルを吐出できるように、入浴者の肛門の位置を固定できるものであればよく、特に限定されない。例えば、上記固定部70は、浴槽1の側面であって、傾斜が設けられた側面であり得る。上記構成によれば、入浴者が当該側面に対して背中を接した状態にて入浴すれば、浴槽1内にて体を安定に固定することができる。そして、体を安定に固定することによって、肛門の位置を固定することができる。また、上記固定部70は、入浴者の臀部を安定に支持するための支持部であり得る。当該支持部の形状および大きさは特に限定されないが、例えば、入浴者の臀部の形状に沿った表面を有するものであることが好ましい。上記構成によれば、上記表面上に入浴者の臀部を配置することによって、肛門の位置を固定することができる。なお、上記支持部は、浴槽1と一体化して設けられることも可能であるし、浴槽1とは別の構成として設けられることも可能である。上記支持部の材料も特に限定されず、例えば、浴槽1の材料と同じ材料にて形成され得る。また、上記固定部70は、浴槽1内に設けられる凸部であり得る。上記構成によれば、当該凸部を手で握ることによって、浴槽1内にて体を安定に固定することができる。そして、体を安定に固定することによって、肛門の位置を固定することができる。
次いで、本実施の形態の入浴装置では、バブル発生部33にてバブルを含むバブル含有水が作製される。バブル発生部33にて作製されるバブルの大きさは特に限定されない。例えば、上記バブルは、マイクロバブル、マイクロナノバブルまたはナノバブルであることが好ましい。上記各バブルを作製するための具体的な構成も特に限定されず、適宜公知の構成を用いることができる。
以下に、ナノバブルを含むバブル含有水を作製するためのバブル発生部33について説明するが、バブル発生部33は当該構成に限定されない。
バブル発生部33は、気液混合循環ポンプ20、マイクロバブル発生部21および気体せん断部25を含んでいる。
上記マイクロバブル発生部21へは、配管22および配管24を介してバブルを形成するための気体が供給され、それと同時に、配管26を介して浴槽水が供給される。上記配管24にはバルブ23が設けられており、当該バルブ23によって、マイクロバブル発生部21に供給される気体の量が調節されている。なお、上記バルブ23の開閉動作は、信号線16を介してシーケンサー19によって制御されている。なお、マイクロバブル発生部21に供給される気体の量は1分間あたり0.7リットル程度であることが好ましい。上記構成によれば、上記気体から多量のナノバブルを作製することができる。
上記気体の成分としては特に限定されない。例えば、上記気体としては、空気、二酸化炭素、酸素または窒素を用いることができる。なお、上記気体として、二酸化炭素などを用いる場合には、配管24を炭酸ガスボンベに連結し、当該炭酸ガスボンベからマイクロバブル発生部21へ二酸化炭素を供給することができる。そして、マイクロバブル発生部21中に二酸化炭素が供給された場合には、当該二酸化炭素と、配管26を介して供給される浴槽水とを用いて、炭酸ガスナノバブルが作製される。
また、上述したように、マイクロバブル発生部21には、配管26を介して浴槽1内の浴槽水が供給される。そのため、浴槽1内には第4収納部28が設けられており、当該第4収納部28内に取水部27が設けられている。そして、取水部27によって浴槽1内の浴槽水が取り込まれ、当該浴槽水は、配管26を介してマイクロバブル発生部21へ供給される。
マイクロバブル発生部21に供給された気体と浴槽水とは、気液混合循環ポンプ20によって混合・せん断される。上記気液混合循環ポンプ20では、ポンプの圧力が制御されることが必要である。なお、圧力の制御とは、ポンプの回転数を回転数制御器(例えば、インバーター)によって調節することによって、目的にあった圧力を気液混合物に対してかけることである。目的にあった圧力を気液混合物に対してかけることによって、バブルサイズが纏まったバブルを製造することができる。
上記気液混合循環ポンプ20は高揚程のポンプであればよく、適宜公知のポンプを用いることができる。具体的には、上記気液混合循環ポンプ20は、揚程40m以上の高揚程のポンプ、換言すれば4kg/cm以上の圧力で気液混合物を押し出すことができるポンプであることが好ましい。上記構成によれば、多量のナノバブルを作製することができる。さらに、気液混合循環ポンプ20は、2ポールを有するポンプであることが好ましい。ポンプには、2ポールを有するポンプと4ポールを有するポンプとが存在し、2ポールを有するポンプの方が、4ポールを有するポンプと比較してトルクが安定している。したがって、より安定に多量のナノバブルを作製することができる。
マイクロバブル発生部21の形状は特に限定されないが、当該マイクロバブル発生部21中にて回転せん断流を効率よく発生させるためにも、円筒形であることが好ましい。
マイクロバブル発生部21中の気体および浴槽水には気液混合循環ポンプ20によって圧力がかけられ、その結果、マイクロバブル発生部21中に、液体(浴槽水)および気体の混相旋回流が発生する。更に詳細には、気液混合循環ポンプ20中にはインペラと呼ばれる羽根が備えられており、当該羽根を高速回転させることによって、混相旋回流が形成される。マイクロバブル発生部21の中心部には、上記混相旋回流が高速にて旋回する結果生じる気体空洞部が形成される。そして、気液混合循環ポンプ20によって更に上記気体空洞部に圧力を加えることによって、気体空洞部は竜巻状の細長い形状になる。その結果、より高速で旋回する回転せん断流を発生させることができる。
上記気体空洞部に気体を供給しながら混相旋回流を高速旋回させることによって、上記混相旋回流をせん断・粉砕することができる。なお、せん断・粉砕は、マイクロバブル発生部21の出口近傍における、マイクロバブル発生部21の内外の気液混合物の旋回速度の差によって生じる。
上記回転せん断流の回転速度は特に限定されないが、500〜600回転/秒であることが好ましい。なお、上記回転せん断流の回転速度は、上記羽根(インペラ)の回転速度を調節することによって設定することができる。上記構成によれば、マイクロバブル発生部21にて多量のマイクロバブルを作製することができる。
すなわち、マイクロバブル発生部21において、流体力学的に気液混合物の圧力を制御することによって当該気液混合物中に気体を吸入し、気液混合循環ポンプ20によって上記気液混合物を高速流体運動させることによって負圧部が形成される。これによって、マイクロバブルを発生させることができる。換言すれば、気液混合循環ポンプ20によって浴槽水と気体とを効果的に自給混合溶解して気液混合物を作製し、当該気液混合物をマイクロバブル発生部21内にて圧送することによって、マイクロバブルを含む白濁水を製造することができる。
マイクロバブル発生部21にて作製されたマイクロバブルは、配管を介して気体せん断部25に圧送される。なお、上記管は、直径が短い配管であることが好ましい。つまり、上記マイクロバブルを含む白濁水に圧力をかけた状態にて、当該白濁水を気体せん断部25内に送り込む。このとき気液混合循環ポンプ20は高揚程のポンプであるので、揚程が40m以上であれば、4kg/cm以上の圧力をかけた状態にて、上記白濁水を気体せん断部25内に送り込むことができる。
気体せん断部25の形は、上記マイクロバブル発生部21よりも上面および下面の直径が短い円筒形であることが好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル発生部21にて形成された回転せん断流を気体せん断部25に圧送することによって、気体せん断部25中にて、マイクロバブル発生部21にて形成された回転せん断流をより細くすることができるとともに、回転せん断流の回転速度を上昇させることができる。その結果、マイクロバブル発生部21にて形成されたマイクロバブルからナノバブルを作製することができるとともに、超高温の極限反応場を形成することができる。超高温の極限反応場では、熱が発生するとともに、フリーラジカルが発生する。そして、フリーラジカルはマイナスの電荷を有しており皮膚に付着し易いので、フリーラジカルを含むナノバブルは更に皮膚から吸収され易くなる。また、このとき発生する熱は、浴槽水の温度を上昇させるために用いることが可能である。
以上のようにして、マイクロバブル発生部21においてマイクロバブルが形成された後、気体せん断部25において、上記炭マイクロバブルからナノバブルが形成される。そして、上記ナノバブルは、取水部27から取り込まれた浴槽水と気体成分からなるバブルとの混合物、つまりバブル含有水として、後述する第1吐出部6、第2吐出部11または第3吐出部61から吐出される。
なお、気液混合循環ポンプ20、マイクロバブル発生部21、気体せん断部25およびバルブ23は、市販されているものを用いることができる。具体的には、株式会社 協和機設の商品を用いることができる(例えば、バビダスHYK型など)。
本実施の形態の入浴装置では、バブル発生部33にて作製されるバブル含有水は3種類の方法で、浴槽1内の入浴者に向かって吐出され得る。つまり、上記バブル含有水は、第1吐出部6(第1吐出手段)、第2吐出部11(第2吐出手段)または第3吐出部61(第3吐出手段)によって吐出され得る。以下に、各吐出部に関して説明する。
まず、第1吐出部6について説明する。浴槽1には第1収納部10が設けられており当該第1収納部10内に第1吐出部6が配置されている。上記第1吐出部6は配管7を介して気体せん断部25に連結されており、気体せん断部25から第1吐出部6にバブル含有水が供給される。その後、上記第1吐出部6から入浴者の肛門35に向かって、バブル含有水が吐出される。上記配管7にはバルブ18が設けられており、当該バルブ18の開閉動作は、信号線16を介してシーケンサー19によって制御されている。
上記第1収納部10の位置は、その内部に配置された第1吐出部6によって入浴者の肛門に向かってバブル含有水を吐出することができる位置であればよく、特に限定されない。例えば、上記第1収納部10は、浴槽1の底部に設けられることが好ましい。上記構成によれば、第1吐出部6によって、入浴者の肛門に向かって容易にバブル含有水を吐出することができる。
次いで、第2吐出部11について説明する。浴槽1には第2収納部12が設けられており、当該第2収納部12内に第2吐出部11が配置されている。上記第2吐出部11は配管17を介して気体せん断部25に連結されており、気体せん断部25から第2吐出部11にバブル含有水が供給される。その後、バブル含有水は、霧状の気液混合液体(ミスト含有気液混合液体9)として、水位8にて示される浴槽水の水面よりも上方で、当該水面に対して略水平方向に向かって吐出される。上記構成によれば、浴槽水中に位置する体の部分(例えば、下半身59)のみならず、水面よりも上に位置する体の部分(例えば、上半身3および頭部51)に対してもバブル含有水を噴射することができる。
上記配管17には、バルブ13、減圧バルブ14および減圧バルブ15が設けられており、当該バルブの開閉動作は、信号線16を介してシーケンサー19によって制御されている。上記バルブ13、減圧バルブ14および減圧バルブ15の開閉動作によって、第2吐出部11から吐出されるバブル含有水の量を調節することができる。この場合、第2吐出部11から吐出されるバブル含有水は、減圧バルブ14および減圧バルブ15によって、徐々に減圧された後、吐出される。第2吐出部11から吐出されるバブル含有水の吐出圧は特に限定されない。例えば、上記吐出圧は1kg/cm以下であることが好ましい。上記構成によれば、第2吐出部11から吐出されるバブル含有水の状態を、霧状の気液混合液体(ミスト含有気液混合液体9)とすることができる。なお、配管7には減圧バルブが設けられていないので、第1吐出部6から吐出されるバブル含有水は、高圧にて入浴者の肛門に向かって吐出される。その結果、バブルを形成する気体成分が肛門周囲の皮膚および肛門より内部の直腸の粘膜を介して入浴者の体内に取り込まれる。そして、上記気体成分は毛細血管内に取り込まれ、その結果、様々な生理活性作用(例えば、血流量の増加など)を入浴者におよぼすことができる。なお、血流量の増加は、肌の色が赤くなることによって確認することができる。
また、本実施の形態の入浴装置には、浴槽1を覆うことができるように、蓋4が設けられている。上記蓋4の形状は、浴槽1を覆うことができる形状であればよく、特に限定されない。例えば、上記蓋4は、複数の板を組み合わせてなるものであってもよい。また、上記蓋4の材料も特に限定されない。例えば、上記蓋4の材料は、耐久性があり、重量的に軽い材料であることが好ましい。更に具体的には、上記蓋4の材料としては、発泡スチロール等を挙げることができる。また、上記蓋4には、入浴者の頭部を浴槽1の外部に露出させるための開口が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、第2吐出部11から吐出されたバブル含有水、および第1吐出部6から吐出されたバブル含有水を霧化した状態にて、浴槽水の表面と蓋4との間に充満させることができる。その結果、浴槽水の表面と蓋4との間に配置されている入浴者の体の部位(例えば、上半身3)に対しても、バブル含有水を接触させることができる。例えば、バブル発生部33にてナノバブルを含むバブル含有水が作製される場合には、第2吐出部11から浴槽水の表面と蓋4との間の空間に、霧化された状態のバブル含有水(ナノバブルミスト52)が吐出される。また、バブル発生部33にてナノバブルを含むバブル含有水が作製される場合には、第1吐出部6から入浴者の肛門に向かってナノバブルを含むバブル含有水が吐出される。当該バブル含有水中に含まれるナノバブルは浴槽水中を上昇し、その後、霧化された状態のバブル含有水(ナノバブルミスト44)として、浴槽水から浴槽水の表面と蓋4との間の空間に放出される。以上のようにして、浴槽水の表面と蓋4との間に霧化したバブル含有水を濃縮することができる。
第2吐出部11から吐出されるバブルを形成する気体成分は、主として入浴者の上半身から体内へ吸収される。そして、上記気体成分は毛細血管内に取り込まれ、その結果、血流量を増加させることができる。血流量の増加は、肌の色が赤くなることによって確認することができる。
次いで、第3吐出部61について説明する。本実施の形態の入浴装置では、浴槽水の水面に向かって略垂直方向にバブル含有水を吐出するように第3吐出部61が設けられている。そして、当該第3吐出部61によって入浴者の頭部に向かってバブル含有水が吐出される。
上記第3吐出部61はカバー32(収納手段)内にバブル含有水を吐出するように設けられており、上記カバー32内には、入浴者の頭部51が配置されている。なお、入浴者の頭部を安定に配置することを目的として、浴槽1上には枕2が配置されている。
上記吐出部61は、ホース50および配管58を介して気体せん断部25に連結されており、気体せん断部25から第3吐出部61にバブル含有水が供給される。上記配管58にはバルブ29が設けられており、配管58は配管17に連結されている。上記バルブ29の開閉動作は、信号線16を介してシーケンサー19によって制御されている。そして、上記バルブ29、減圧バルブ14および減圧バルブ15の開閉動作によって、第3吐出部61から吐出されるバブル含有水の量を調節することができる。
上記構成によれば、第3吐出部61から吐出されたバブル含有水を霧化した状態にて、カバー32内に充満させることができる。その結果、カバー32内に配置されている入浴者の体の部位に対しても、バブル含有水を接触させることができる。例えば、バブル発生部33にてナノバブルを含むバブル含有水が作製される場合には、第3吐出部61からカバー32内に、ナノバブルを含むバブル含有水(ナノバブルミスト30)が霧化された状態にて吐出される。
上記構成によれば、入浴者の顔面(顔31)の洗浄や発汗作用のみならず、バブルを形成する気体成分が入浴者の頭部の皮膚から吸収された後、頭部の毛細血管に入り、血流量を増加させることができる。その結果、顔の皮膚の美容効果、美白効果および頭部の育毛効果が期待できる。なお、血流量の増加は、肌の色が赤くなることによって確認することができる。
本実施の形態の入浴装置にて入浴する場合、入浴前、入浴中または入浴後に薬剤を服用することも可能である。なお、薬物の服用方法としては特に限定されないが、経口投与であることが好ましい。また、上記薬物としても特に限定されず、適宜公知の薬物を服用することができる。上記構成によれば、入浴者に対してバブル含有水が吐出されることによって、入浴者の血流量が増加する。したがって、服用された薬剤を、容易に全身に拡散させることができる。また、薬剤の拡散効果を高めることができるので、服用する薬剤の量を少なくすることができる。
以下に、本願発明の入浴装置について、複数の別の実施の形態について説明する。なお、先に説明した実施の形態と同じ構成については同じ符号を付け、その詳細な説明は省略する。
〔実施の形態2〕
本実施の形態の入浴装置では、図2に示すように、「実施の形態1」にて説明した構成に対して、ガスボンベ38が設けられている。上記ガスボンベ38は、減圧バルブ37およびバルブ36を介して配管24に連結されている。そして、ガスボンベ38から配管24に供給される気体は、減圧バルブ37によって減圧されるとともに、バルブ36によって、配管24に供給される気体の量が調節される。さらに、配管24にはバルブ23か設けられているので、当該バルブ23によって、マイクロバブル発生部21に供給される気体の量を調節することができる。
上記ガスボンベ38内に貯蔵されている気体は特に限定されない。例えば、炭酸ガス、または酸素ガスなどであることが好ましい。また、ガスボンベ36には、上記気体が、液化された状態で貯蔵されていることが好ましい。上記構成によれば、ガスボンベ38を変えることによって、所望の気体成分を含むバブル含有水を作製することができる。
ガスボンベ38からマイクロバブル発生部21へ供給される気体の量は特に限定されないが、1分間あたり約0.7リットルであることが好ましい。上記構成によれば、多量のバブルを含むバブル含有水を作製することが可能になる。
例えば、バブルを形成する気体成分として炭酸ガスを用いれば、炭酸ガスバブルを含むバブル含有水を作製することができる。上記構成によれば、上記気体成分が毛細血管内に取り込まれ、各種疾患を治療することができる。
〔実施の形態3〕
本実施の形態の入浴装置では、図3に示すように、「実施の形態1」にて説明した構成に対して、薬効成分槽40が設けられている。薬効成分槽40は、バルブ36を介して配管24に連結されている。また、本実施の形態の入浴装置では、気体供給部71がバルブ72を介して配管24に連結されている。
薬効成分槽40内には薬物が投入されて攪拌された後、上記薬効成分槽40内の水溶液が、ポンプ39によって、配管24に向かって供給される。なお、配管24に供給される水溶液の量は、バルブ36によって調節することができる。
上記薬物としては特に限定されない。例えば、上記薬物としては、アミノ安息香酸エチル、塩酸ジブカインまたはヒドロコルチゾンなどを用いることが可能である。
薬効成分槽40からマイクロバブル発生部21へ供給される水溶液の量は特に限定されないが、1分間あたり約0.7リットルであることが好ましい。
また、本実施の形態の入浴装置では、気体供給部71によって、マイクロ発生部21へ気体が供給されている。その結果、バブル発生部33では、薬効成分を含んだバブル含有水を作製することが可能になる。上記気体供給部71は、マイクロバブル発生部21へ気体を供給できるものであればよく、特に限定されない。例えば、気体供給部71は送風機(blower)であり得る。更に上記送風機としても特に限定されず、適宜公知の送風機を用いることができる。
上記構成によれば、バブルを形成する気体成分は、人体の皮膚から吸収されて毛細血管に取り込まれるので、各種疾患を治療することができる。また、上記構成によれば、バブル含有水に、薬物を含有させることができる。その結果、バブルを形成する気体成分が皮膚を介して体内に取り込まれるときに、同時に上記薬物を体内に取り込ませることができる。
〔実施の形態4〕
本実施の形態の入浴装置では、図4に示すように、「実施の形態1」にて説明した構成に対して、薬効成分槽40が設けられている。薬効成分槽40は、バルブ36を介して配管24に連結されている。また、本実施の形態の入浴装置では、気体供給部71がバルブ72を介して配管24に連結されている。
薬効成分槽40内には生薬41が投入されて攪拌された後、上記薬効成分槽40内の水溶液が、ポンプ39によって、配管24に向かって供給される。なお、配管24に供給される水溶液の量は、バルブ36によって調節することができる。なお、薬効成分槽40内では、生薬41から薬効成分が抽出される。
上記生薬41としては特に限定されない。例えば、上記生薬41としては、薬用植物であることが好ましい。上記生薬としては、例えば、ショウブ、ユズ、トウキ、カミツレ、センキュウ、チンピ、人参、ウイキョウ、オウゴン、オウバク、カミツレ、トウヒ、アロエ、ショウキョウ、カンゾウおよびケイヒからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
薬効成分槽40からマイクロバブル発生部21へ供給される水溶液の量は特に限定されないが、1分間あたり約0.7リットルであることが好ましい。
また、本実施の形態の入浴装置では、気体供給部71によって、マイクロ発生部21へ気体が供給されている。その結果、バブル発生部33では、薬効成分を含んだバブル含有水を作製することが可能になる。上記気体供給部71は、マイクロバブル発生部21へ気体を供給できるものであればよく、特に限定されない。例えば、気体供給部71は送風機(blower)であり得る。更に上記送風機としても特に限定されず、適宜公知の送風機を用いることができる。
上記構成によれば、バブルを形成する気体成分は、人体の皮膚から吸収されて毛細血管に取り込まれるので、各種疾患を治療することができる。また、上記構成によれば、バブル含有水に、生薬41由来の薬効成分を含有させることができる。その結果、バブルを形成する気体成分が皮膚を介して体内に取り込まれるときに、同時に上記薬効成分を体内に取り込ませることができる。
〔実施の形態5〕
本実施の形態の入浴装置では、図5に示すように、「実施の形態1」にて説明した構成に対して、入浴剤投入槽42が設けられている。入浴剤投入槽42は、バルブ36を介して配管24に連結されている。また、本実施の形態の入浴装置では、気体供給部71がバルブ72を介して配管24に連結されている。
入浴剤投入槽42内には入浴剤が投入されて攪拌された後、上記入浴剤投入槽42内の水溶液が、ポンプ39によって、配管24に向かって供給される。このとき、配管24に供給される水溶液の量は、バルブ36によって調節することができる。なお、入浴剤投入槽42内では、入浴剤から当該入浴剤に含まれる各種成分(例えば、薬効成分または気体成分)が抽出される。
上記入浴剤としては特に限定されない。例えば、上記入浴剤としては、公知の入浴剤を適宜用いることが可能である。
上記入浴剤としては、気体(例えば、炭酸ガスなど)を放出し得るものであることが好ましい。上記構成によれば、入浴剤から放出される気体成分を含むバブル含有水を入浴者に対して吐出することが可能になる。
入浴剤投入槽42からマイクロバブル発生部21へ供給される水溶液の量は特に限定されないが、1分間あたり約0.7リットルであることが好ましい。
また、本実施の形態の入浴装置では、気体供給部71によって、マイクロ発生部21へ気体が供給されている。その結果、バブル発生部33では、入浴剤由来の各種成分を含んだバブル含有水を作製することが可能になる。上記気体供給部71は、マイクロバブル発生部21へ気体を供給できるものであればよく、特に限定されない。例えば、気体供給部71は送風機(blower)であり得る。更に上記送風機としても特に限定されず、適宜公知の送風機を用いることができる。
上記構成によれば、バブルを形成する気体成分は、人体の皮膚から吸収されて毛細血管に取り込まれるので、各種疾患を治療することができる。また、上記構成によれば、バブル含有水に、入浴剤由来の各種成分を含有させることができる。その結果、バブルを形成する気体成分が皮膚を介して体内に取り込まれるときに、同時に上記各種成分を体内に取り込ませることができる。
〔実施の形態6〕
本実施の形態の入浴装置では、図6に示すように、「実施の形態1」にて説明した構成に対して、入浴剤投入槽42が設けられている。入浴剤投入槽42は、バルブ36を介して配管24に連結されている。また、本実施の形態の入浴装置では、気体供給部71がバルブ72を介して配管24に連結されている。
入浴剤投入槽42内には入浴剤および発泡固形剤43が投入されて攪拌された後、上記入浴剤投入槽42内の水溶液が、ポンプ39によって、配管24に向かって供給される。したがって、配管24に向かって供給される水溶液には、発泡固形剤から放出される気体が含まれている。つまり、バブル含有水を作製するためにマイクロバブル発生部21に供給される気体として、発泡固形剤43から放出される気体を用いることができる。なお、配管24に供給される水溶液の量は、バルブ36によって調節することができる。なお、入浴剤投入槽42内では、入浴剤から当該入浴剤に含まれる各種成分が抽出される。
上記発泡固形剤43としては特に限定されない。例えば、上記発泡固形剤43としては、炭酸ガスなどを放出し得る発泡固形剤を用いることが好ましい。上記構成によれば、発泡固形剤43から放出される気体からなるバブルを含むバブル含有水を入浴者に対して吐出することが可能になる。
入浴剤投入槽42からマイクロバブル発生部21へ供給される水溶液の量(液体と気体との合計量)は特に限定されないが、1分間あたり約0.7リットルであることが好ましい。上記構成によれば、所望の気体成分を含むバブル含有水を容易に作製することができると共に、当該バブル含有水を用いて各種疾患を治療することができる。
また、本実施の形態の入浴装置では、気体供給部71によって、マイクロ発生部21へ気体を供給することも可能である。上記気体供給部71からは、上記発泡固形剤43から放出される気体の量に応じて、マイクロバブル発生部21へ気体を供給することができる。つまり、発泡固形剤43から放出される気体の量が多い場合には、バルブ72を閉じることによって、気体供給部71からマイクロバブル発生部21へ気体を供給することを止める。一方、発泡固形剤43から放出される気体の量が少ない場合には、バルブ72を開けることによって、気体供給部71からマイクロバブル発生部21へ気体が供給される。これによって、バブル含有水中のバブル濃度を一定に保つことができる。上記気体供給部71は、マイクロバブル発生部21へ気体を供給できるものであればよく、特に限定されない。例えば、気体供給部71は送風機(blower)であり得る。更に上記送風機としても特に限定されず、適宜公知の送風機を用いることができる。
〔実施例1〕
図1に示す入浴装置を作製した。
更に具体的には、浴槽1として容積が0.2mのものを用い、気液混合循環ポンプ20として3.7kwのものを用いた。
〔実施例2〕
実施例1に示した本願発明の入浴装置を用いて、炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水を1日あたり約20分間、肛門(57歳ヒト)に対して噴射する処置を行った。なお、当該処置は、60日間行った。上記処置の後、インスリンの分泌量および血糖値を測定した。
インスリン分泌量および血糖値は、ブドウ糖負荷試験によって測定した。具体的には、75gのブドウ糖液を飲んだ後、0分後、30分後、60分後、120分後、180分後の各時間におけるインスリン分泌量および血糖値を測定した。なお、測定は、日赤病院にて周知の方法にて行った。また、対照実験としては、上記処置を行う前に、同様の実験を行った。表1および表2に、実験結果を示す。
Figure 2008253582
Figure 2008253582
表1には、炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水による処置を行う前の測定結果を示し、表2には、上記バブル含有水による処置を行った後の測定結果を示す。上記測定結果から、炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水による処置を行うことによって、インスリン量が増加するとともに血糖値が低下することが明らかになった。また、このことから、炭酸ガスナノバブルによる処置を行うことによって、インスリン分泌量が増加していることが明らかになった。
〔実施例3〕
実施例1に示した本願発明の入浴装置を用いて、炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水を1日あたり約20分間、肛門に対して噴射する処置を行った。なお、当該処置は、60日間、3人の被験者に対して行った(表中における「番号」は、各被験者を示す)。
表3には、炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水による処置を行う前の血糖値、血圧、食事量、および体重に関する測定結果を示し、表4には、上記バブル含有水による処置を行った後の血糖値、血圧、食事量、および体重に関する測定結果を示す。具体的には、表3に示すように、処置を行う前の空腹時血糖値は平均164mg/dlであり、処置を行う前の夕食後の血糖値は平均233mg/dlであった。一方、表4に示すように、処置を行った後の空腹時血糖値は平均139mg/dlであり、処置を行った後の夕食後の血糖値は平均126mg/dlであった。上記測定結果から、炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水による処置を行うことによって、血糖値が低下することが明らかになった。
Figure 2008253582
Figure 2008253582
〔実施例4〕
糖尿病患者の症状を示すデータとしてヘモグロビンAlc(糖化ヘモグロビン)すなわちHbAlc(%)がある。HbAlc(%)は、糖尿病患者の長期における症状変化を示すデータである。血液中のヘモグロビンは、1〜2ヶ月で代謝されるので、HbAlc(%)は、1〜2ヶ月の血糖値の平均を示すと考えられており、HbAlc(%)の値をもって糖尿病の進行度合いが判定される。
そこで、実施例1に示した入浴装置を用いて、炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水による処置を行うことによって、HbAlc(%)がどの程度変化するか検討した。具体的には、HbAlc(%)の値は、炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水による処置を行う前と、処置を行い始めてから7ヵ月後に測定した。なお、HbAlc(%)の値は、日赤病院および診療所にて周知の方法によって測定した。なお、57歳ヒトにおけるHbAlc(%)の値の変化を検討した。
炭酸ガスナノバブルを含むバブル含有水による処置を行う前は、HbAlc(%)の値は9.4(%)であった。一方、上記バブル含有水による処置を行い始めてから7ヵ月後には、HbAlc(%)の値は5.4(%)であった。なお、HbAlc(%)の正常値は、4.3〜5.8(%)である。また、軽度の糖尿病であれば、HbAlc(%)の値は5.8〜6.5(%)である。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以上のように、本発明では、肛門に向かってバブル含有水を吐出するので、バブルを形成する気体成分を、肛門および肛門より内部の直腸を介して体内へ効率よく吸収することが可能となる。そのため、本発明は、各種入浴装置やその部品を製造する分野に広く利用することができる。
本発明における入浴装置の実施の一形態を示す模式図である。 本発明における入浴装置の他の実施の形態を示す模式図である。 本発明における入浴装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。 本発明における入浴装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。 本発明における入浴装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。 本発明における入浴装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
符号の説明
1 浴槽
2 枕
3 上半身
4 蓋
6 第1吐出部(第1吐出手段)
7・17・22・24・26・58 配管
8 水位
9 ミスト含有気液混合液体
10 第1収納部
11 第2吐出部(第2吐出手段)
12 第2収納部
13・18・23・29・36・72 バルブ
14・15・37 減圧バルブ
16 信号線
20 気液混合循環ポンプ
21 マイクロバブル発生部
25 気体せん断部
27 取水部
28 第4収納部
30・44・52 ナノバブルミスト
31 顔
32 カバー(収納手段)
33 バブル発生部(バブル発生手段)
34 入浴装置
35 肛門
38 ガスボンベ
39 ポンプ
40 薬効成分槽
41 生薬
42 入浴剤投入槽
43 発泡固形剤
50 ホース
51 頭部
59 下半身
61 第3吐出部(第3吐出手段)
70 固定部(固定手段)
71 気体供給部

Claims (15)

  1. 浴槽と、前記浴槽内の浴槽水中にバブル含有水を吐出するための第1吐出手段とを備える入浴装置において、
    前記浴槽には、入浴者の肛門の位置を固定するための固定手段が設けられ、
    前記第1吐出手段は、前記肛門に向かって前記バブル含有水を吐出するものであることを特徴とする入浴装置。
  2. 前記第1吐出手段は、前記浴槽の底部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の入浴装置。
  3. 前記浴槽内の浴槽水の水面よりも上に第2吐出手段を備え、
    前記第2吐出手段は、前記水面に対して略水平方向に向かってバブル含有水を吐出するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の入浴装置。
  4. 前記浴槽には蓋が設けられており、
    前記第2吐出手段は、前記蓋と前記浴槽水の水面との間に前記バブル含有水を吐出するものであることを特徴とする請求項3に記載の入浴装置。
  5. 前記浴槽内の浴槽水の水面よりも上に第3吐出手段を備え、
    前記第3吐出手段は、前記水面に対して略垂直方向に向かってバブル含有水を吐出するものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の入浴装置。
  6. 前記浴槽の上部には、入浴者の頭部を収納するための収納手段が設けられており、
    前記第3吐出手段は、前記収納手段の内部に前記バブル含有水を吐出するものであることを特徴とする請求項5に記載の入浴装置。
  7. 前記バブル含有水を作製するためのバブル発生手段を備え、
    前記バブル発生手段は、発泡固形剤から供給される気体と、前記浴槽内の浴槽水とを混合するものであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の入浴装置。
  8. 前記バブル含有水は、ナノバブルを含むことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の入浴装置。
  9. 前記ナノバブルは、炭酸ガスナノバブルであることを特徴とする請求項8に記載の入浴装置。
  10. 前記バブル含有水には、薬効成分が含まれていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の入浴装置。
  11. 前記薬効成分は、生薬由来の成分であることを特徴とする請求項10に記載の入浴装置。
  12. 入浴者の肛門に向かってバブル含有水が吐出されながら、前記入浴者が入浴することを特徴とする入浴方法。
  13. 前記バブル含有水は、ナノバブルを含むことを特徴とする請求項12に記載の入浴方法。
  14. 前記ナノバブルは、炭酸ガスナノバブルであることを特徴とする請求項13に記載の入浴方法。
  15. 薬剤の服用を併用することを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載の入浴方法。
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