JP2008253419A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 遊技の公平性を担保しながら、大当り遊技状態への移行に偏りを持たせ、遊技者の期待感を高めることができる遊技機を提供する。
【解決手段】 第1特別図柄J1と第2特別図柄J2とは並行して変動表示可能とされている。確変遊技状態中に第1特別図柄J1に大当り特別図柄が表示されると決定された場合には、第2特別図柄J2の変動時間として、第1特別図柄J1の変動時間よりも短い特殊短時間を決定可能とされている。
【選択図】 図16
【解決手段】 第1特別図柄J1と第2特別図柄J2とは並行して変動表示可能とされている。確変遊技状態中に第1特別図柄J1に大当り特別図柄が表示されると決定された場合には、第2特別図柄J2の変動時間として、第1特別図柄J1の変動時間よりも短い特殊短時間を決定可能とされている。
【選択図】 図16
Description
本発明は、遊技機に関する。
弾球遊技機であるパチンコ遊技機において、遊技者は、多くの賞球を得ることを目的として遊技を行っている。また、パチンコ遊技機としては、多くの賞球を得ることができる大当り遊技状態と、賞球を得る機会の少ない通常遊技状態とを備えるものが知られている。この大当り遊技状態が一定の時間間隔で移行するよりも、短時間で多くの大当り遊技状態に移行するように偏りを持たせた方が遊技者に対して多くの遊技球を得ることに対する期待感を与えることができる。
ここで、従来の遊技機として、大当り遊技状態に移行するための大当り抽選として、乱数を用いたものがある(たとえば特許文献1)。この遊技機では、複数の乱数を大当り抽選に当選する大当り乱数と落選するはずれ乱数とに振分け、通常遊技状態中に複数の乱数の中から1の乱数をランダムに抽出している。このときに抽出した乱数が大当り乱数である場合には大当り遊技状態に移行し、はずれ乱数である場合には、通常遊技状態のままとしている。
また、大当り遊技状態への移行に偏りを持たせた遊技機として、いわゆるストック機能を備えるものがある(たとえば、特許文献2)。この遊技機では、大当り抽選に当選した後、ストック放出抽選を行う。このストック放出抽選に落選すると、大当り遊技状態に移行することなく、そのまま大当り抽選の結果をストックする。そして、その後大当り抽選に当選し、さらにストック放出抽選に当選した際に、ストックした大当り抽選の結果を放出し、ストックした数分の大当り遊技状態を消化するものである。このように大当り抽選の結果をストックすることにより、大当り遊技状態への移行について偏りを持たせることができる。
特開2005−312839号公報
特開2003−199936号公報
しかし、上記特許文献1に開示された遊技機では、大当り乱数とはずれ乱数との中から、乱数をランダムに抽出している。このため、短時間で多くの大当り遊技状態に移行するように偏りを持たせることができず、遊技者に与える期待感を増大させることが困難なものであった。
また、上記特許文献2に開示された遊技機では、ストック放出抽選を行うことにより、大当り遊技状態への移行に偏りを持たせることができる。しかし、ストックされている大当り抽選の結果が少ない場合には、たとえストック放出抽選に当選したとしても放出される大当り遊技状態は少ないものとなる。このため、ストックがある場合とストックがない場合とで、遊技の公平性を担保することができないという問題があった。また、遊技者からみると、せっかく大当り抽選に当選したとしてもストック放出抽選に当選しなければ大当り遊技状態に移行しないことから、遊技者の期待感を減殺するおそれがあるという問題があった。
そこで、本発明の課題は、遊技の公平性を担保しながら、大当り遊技状態への移行に偏りを持たせ、遊技者の期待感を高めることができる遊技機を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る遊技機は、所定の変動開始条件が成立した場合に、識別図柄の変動表示および停止表示を行う複数の図柄表示装置と、変動開始条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させるか否かを判定する大当り判定手段と、大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行させると判定された場合に、図柄表示装置に大当り識別図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行させると判定され、複数の図柄表示装置のいずれかに大当り識別図柄が停止表示された後に、遊技状態を大当り遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、遊技状態を通常遊技状態よりも大当り遊技状態に移行しやすい特定遊技状態に移行させるか否かを判定する特定遊技状態移行判定手段と、特定遊技状態移行判定手段によって特定遊技状態に移行させると判定されたことを条件として、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態を特定遊技状態に移行させる特定遊技状態制御手段と、変動開始条件が成立した場合に、この変動開始条件に対応する図柄表示装置で変動表示される識別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、変動開始条件が成立して大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行すると判定された際における識別図柄の変動表示である大当り変動表示が、複数の図柄表示装置のいずれで行われているかを判定する大当り変動確認手段と、を備え、図柄表示制御手段は、変動開始条件が成立した場合に、複数の図柄表示装置のうち、この変動開始条件に対応する図柄表示装置の識別図柄を変動時間決定手段によって決定された変動時間が経過するまで変動表示させるとともに、変動時間の経過後に識別図柄を停止表示させ、複数の図柄表示装置における識別図柄の変動表示を並行して行うことが可能であり、変動時間決定手段は、特定遊技状態制御手段によって遊技状態が特定遊技状態に制御されているときに、変動開始条件が成立したことと、この変動開始条件の成立に対応する図柄表示装置以外の図柄表示装置で大当り変動表示が行われていると大当り変動確認手段によって判定されたことと、を条件に、この変動開始条件の成立に対応する図柄表示装置における識別図柄の変動時間を、この変動開始条件の成立に対応する図柄表示装置以外の図柄表示装置における大当り変動表示の変動時間よりも短い特殊短時間として決定可能とされているものである。
本発明に係る遊技機においては、特定遊技状態に制御されているときに、変動開始条件が成立したことと、この変動開始条件の成立に対応する図柄表示装置以外の図柄表示装置(以下「第1図柄表示装置」ともいう)で大当り変動表示が行われていると大当り変動確認手段によって判定されたことと、を条件に、この変動開始条件の成立に対応する図柄表示装置(以下「第2図柄表示装置」ともいう)における大当り変動表示の変動時間を、第1図柄表示装置における識別図柄の変動時間よりも短い特殊短時間として決定可能とされている。このため、第1図柄表示装置で大当り識別図柄が停止表示されるまでの間、第2図柄表示装置での識別図柄の変動表示を数多く行わせることができる。したがって、第2図柄表示装置における大当り抽選を、大当り遊技状態に移行しやすい特定遊技状態中に数多く行うことができるので、大当り遊技状態への移行に偏りを持たせることができる。よって、遊技の公平性を担保しながら、大当り遊技状態への移行に偏りを持たせ、遊技者の期待感を高めることができる。
ここで、変動時間決定手段は、特殊短時間として、変動開始条件に対応する図柄表示装置以外の図柄表示装置で変動表示される識別図柄の最長変動時間の1/2以下の長さの時間を決定する態様とすることができる。
このように、特殊短時間として、第1図柄表示装置で変動表示される識別図柄の最長変動時間の1/2以上の長さの時間を決定することにより、第2図柄表示装置における大当り抽選を、特定遊技状態中に複数回行うことができる。したがって、大当り遊技状態への移行に偏りを持たせることができ、その分遊技者の期待感を高めることができる。
さらに、変動時間決定手段は、特定遊技状態制御手段によって遊技状態が特定遊技状態に制御されているときに、変動開始条件が成立して大当り遊技状態移行判定手段によって大当り遊技状態に移行すると判定されたことを条件に、この変動開始条件の成立に対応する図柄表示装置における識別図柄の変動時間を、この変動開始条件に対応する図柄表示装置以外の図柄表示装置で変動表示される識別図柄の変動時間よりも長い特殊長時間として決定可能とされている態様とすることができる。
このように、特定遊技状態に制御されているときに、第1図柄表示装置における識別図柄の変動時間を第2図柄表示装置における識別図柄の変動時間よりも長い特殊長時間とすることにより、第1図柄表示装置で大当り識別図柄が停止表示されるまでの間、第2図柄表示装置での識別図柄の変動表示を数多く行わせることができる。したがって、第2図柄表示装置における大当り抽選を、大当り遊技状態に移行しやすい特定遊技状態中にさらに数多く行うことができる。よって、遊技の公平性を担保しながら、大当り遊技状態への移行にさらに偏りを持たせ、遊技者の期待感を高めることができる。
また、変動時間決定手段は、特殊長時間を決定する際、特定遊技状態移行判定手段によって、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を特定遊技状態に移行させると判定することを条件とする態様とすることもできる。
このように、特殊長時間を決定する際、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を特定遊技状態に移行させると判定することを条件とすることにより、第1図柄表示装置の変動表示中に、第2図柄表示装置において、大当り遊技状態が終了した後に通常遊技状態に移行すると判定したとしても、その後に第1図柄表示装置に大当り識別図柄が停止表示されて移行した大当り遊技状態が終了した後には特定遊技状態に移行する。このため、一旦通常遊技状態に移行すると判定された場合にも、再度特定遊技状態への移行が行われるので、その分遊技者の期待感を高めることができる。
また、変動時間決定手段は、特定遊技状態制御手段によって遊技状態が特定遊技状態に制御されているときに、大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行させると判定されるとともに特定遊技状態移行判定手段によって特定遊技状態に移行させると判定された場合に、この変動開始条件に対応する図柄表示装置で変動表示される識別図柄の変動時間を、特殊長時間より長い第2特殊長時間として決定し、特定遊技状態制御手段によって遊技状態が特定遊技状態に制御されているときに、大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行させると判定されるとともに特定遊技状態移行判定手段によって特定遊技状態に移行させないと判定された場合に、この変動開始条件に対応する図柄表示装置で変動表示される識別図柄の変動時間を、特殊長時間よりも短い第2特殊短時間として決定する態様とすることができる。
このように、特定遊技状態に制御されているときに、特定遊技状態移行判定手段によって特定遊技状態に移行させると判定された場合に、第2図柄表示装置で表示される識別図柄の変動時間を特殊長時間より長い第2特殊長時間として決定する。このため、特定遊技状態に制御されているときに、特定遊技状態に移行させると判定された場合には、第2図柄表示装置における識別図柄が第1図柄表示装置における識別図柄よりも後に停止表示されるので、第1図柄表示装置における特定遊技状態移行判定手段の判定結果によらず、特定遊技状態に移行する。また、特定遊技状態に制御されているときに、特定遊技状態移行判定手段によって特定遊技状態に移行させないと判定された場合には、第2図柄表示装置で表示される識別図柄の変動時間を特殊長時間より短い第2特殊短時間として決定する。このため、特定遊技状態に制御されているときに、特定遊技状態に移行させないと判定された場合には、第2図柄表示装置における識別図柄が第1図柄表示装置における識別図柄よりも先に停止表示されるので第1図柄表示装置に特定遊技状態への移行を示す大当り識別図柄が停止表示される場合には、第2図柄表示装置における特定遊技状態移行判定手段の判定結果によらず、特定遊技状態に移行する。したがって、最終的に大当り遊技状態が終了した後に、特定遊技状態となっている状況を多くすることができ、その分遊技の興趣向上に寄与することができる。
本発明に係る遊技機によれば、遊技の公平性を担保しながら、大当り遊技状態への移行に偏りを持たせ、遊技者の期待感を高めることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図、図2は図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図、図3は図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図、図4は図2に示す遊技盤の正面図である。
(遊技機の構成)
図1に示すパチンコ遊技機1は、遊技場(ホール)の所定の設置枠に収容されて設置される外枠2を備えている。外枠2の正面側には、外枠2に対して回動可能に設けられたベースドア(内枠)3が配設され、ベースドア3内には、図2に示す遊技盤4が組み込まれている。また、外枠2の正面には、フロント扉5が設けられている。フロント扉5は、遊技盤4の正面を覆うとともに、ベースドア3の正面側に回動可能に設置されている。
図1に示すパチンコ遊技機1は、遊技場(ホール)の所定の設置枠に収容されて設置される外枠2を備えている。外枠2の正面側には、外枠2に対して回動可能に設けられたベースドア(内枠)3が配設され、ベースドア3内には、図2に示す遊技盤4が組み込まれている。また、外枠2の正面には、フロント扉5が設けられている。フロント扉5は、遊技盤4の正面を覆うとともに、ベースドア3の正面側に回動可能に設置されている。
また、パチンコ遊技機1には、プリペイドカードなどが挿入されると、当該プリペイドカードの残高に応じて、遊技球が貸し出されるように構成されたカードユニット84が隣接して併設されている。
フロント扉5は、その中央の略全域にガラス板5aを備え、その内側の遊技盤4が視認可能な構成とされている。フロント扉5の下部には、カードユニット84のカード返却操作や遊技球の貸し出し(玉貸し)操作等を行う玉貸し操作関連ボタンを有する玉貸し操作パネル28が設けられている。また、この玉貸し操作パネル28には、球貸し操作ボタン28aおよびカード取り出しボタン28bが設けられている。さらに、玉貸し操作パネル28には、キャラクタ選択などの際に用いる選択ボタン20a,20bが設けられている。
また、フロント扉5の下側には、外枠2に対して開閉可能な皿パネル6が設置されている。この皿パネル6の正面側には、カードユニット84により貸し出された遊技球および後述する入賞口に入球した場合に払い出される遊技球を受け止める上皿6aと、この上皿6aの満杯時に球出口6dの内方で溢れた遊技球を受け止める下皿6bと、この下皿6bの右側に設けられた発射ハンドル6cと、が配置されている。
発射ハンドル6cは、上皿6aに受け止められている遊技球を発射するためのもので、皿パネル6に対して回動自在に設けられ、遊技者は発射ハンドル6cを操作することによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6cが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて、発射ハンドル6cの背面側に設けられた発射モータに電力が供給され、遊技球が遊技盤4に順次発射される。
図4に示すように、遊技盤4の左側にはガイドレール7が設けられており、ガイドレール7の先端には、遊技球の戻りを防止するストッパ7Aが取り付けられている。また、遊技盤4の前面には、図示しない多数の遊技釘が打ち込まれている。発射ハンドル6cを操作して発射された遊技球は、ガイドレール7により案内され、遊技盤4の上部に移動し、その後、遊技釘等との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤4の下方に向かって流下する。
遊技盤4には、遊技球が転動可能であり、遊技球が流下する領域となる遊技領域4a(図2参照)が形成されており、この遊技領域4a内に、遊技球の流下方向を変更させる多数の遊技釘が設けられている。また、図4に示すように、遊技領域4a上において、遊技盤面を左右に仕切る中心線上であって、高さ方向の中央部には遊技球が通過可能であり、かつ入球可能である第1始動入賞口8が設けられており、第1始動入賞口8のやや下側の位置に、遊技球が通過可能であり、かつ入球可能である第2始動入賞口9が設けられている。さらに、その中心線の左側であって高さ方向の中央部および右下方部には、それぞれ普通図柄作動ゲート10が設けられている。
さらに、第2始動入賞口9のやや下側位置に可変入賞装置である大入賞口11が設けられ、始動入賞口8,9の側方には、一般入賞口12a〜12dが設けられている。また、遊技領域4aの中央部下端部には、アウト口13が設けられている。
第1始動入賞口8は、いわゆるチャッカーからなり、遊技球が常時入賞可能とされている。一方、第2始動入賞口9は、一対の羽根9a,9aを具備するいわゆる電動役物(電動チューリップ)からなり、一対の羽根9a,9aが閉鎖した状態では、遊技球が入賞不可能となり、電動役物が開放することによって遊技球が入賞可能となる。ただし、一対の羽根9a,9aが閉鎖した状態で入賞困難となり、電動役物が開放することによって遊技球が入賞容易となる態様とすることもできる。
第1始動入賞口8には、第1始動入賞口スイッチ8S(図5)が設けられており、第2始動入賞口9には、第2始動入賞口スイッチ9S(図5)が設けられている。これらの、始動入賞口8,9に遊技球が入賞することにより、始動入賞口スイッチ8S,9Sが遊技球を検出する。始動入賞口スイッチ8S,9Sが遊技球を検出すると、主制御回路30におけるメインCPU31では、大当り判定を行うための大当り判定用乱数値、大当り図柄を決定するための大当り図柄乱数値等の抽出を行う。
普通図柄作動ゲート10は、遊技球が通過可能とされたいわゆる通過ゲートからなる。普通図柄作動ゲート10には、作動ゲートスイッチ10S(図5)が設けられており、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過することにより、作動ゲートスイッチ10Sが遊技球を検出する。作動ゲートスイッチ10Sが遊技球を検出すると、主制御回路30におけるメインCPU31では、普通図柄当り判定用乱数値の抽出を行う。このように、普通図柄作動ゲート10は、普通図柄当り判定用乱数値を抽出するトリガーとなる通過ゲートとされている。メインCPU31は、普通図柄当り判定用乱数値の抽出により普通図柄の当り判定を行い、当り判定に当選した場合に、普通図柄表示部Nに当り普通図柄を表示するとともに、第2始動入賞口9に具備されている1対の羽根9a,9aが所定秒数の間開放する。
大入賞口11は、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、上述した大当り判定用乱数値に基づいて大当り判定を行い、特別図柄が大当りの表示結果となり、遊技状態が大当り遊技状態となったときに、閉じているシャッタが所定の態様で開閉する。このシャッタが開いている状態が遊技球を受け入れやすい開状態(入賞容易状態)となり、シャッタが閉じている状態が遊技球を受け入れ難い閉状態(入賞困難状態)となる。大入賞口11は、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(たとえば15個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。また、大入賞口11は、開状態と閉状態との一回の開閉動作を1ラウンドとした開閉動作を行う。ここでの1ラウンド中における開状態としては、1ラウンド中大入賞口11が一定時間開放し続ける状態のほか、1ラウンド中に開閉を断続的または間欠的に継続して、結果として遊技球を受け入れやすくする状態も含むものである。
一般入賞口12a〜12dは、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。これらの一般入賞口12a〜12dは、透光性基板15に設けられている。一般入賞口12a〜12dは、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(たとえば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
アウト口13は、始動入賞口8,9、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dなどの何れにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。
さらに、遊技領域4aの中央位置であり、第2始動入賞口9のやや上方位置には、ステージ14が設けられている。さらに、ステージ14の左上部には、ステージ誘導穴14aが設けられている。ステージ誘導穴14aに入球した遊技球は、遊技盤4の裏面に形成されたステージ誘導ルートを介してステージ14上に案内される。
ステージ誘導穴14aに入球しステージ誘導ルートを介して、またはステージ14の下方に設けられた遊技釘にあたって跳ね上がるなどしてステージ14上に乗った遊技球は、ステージ14上において不安定な状態で揺れ、最終的にステージ14から第2始動入賞口9の近辺に向けて落下する。こうして、ステージ14を経由した遊技球は、ステージ14を経由しない遊技球よりも始動入賞口8,9に入賞し易くされている。
また、遊技盤4は、透光性を有する透光性基板15からなっている。この透光性基板15は、たとえばポリカーボネートなどの合成樹脂あるいはその他の透明な部材(透光性部材)で形成された透明部を有している。ここで、「透明な部材」とは、その部材を通して対象を視認可能な程度に光透過率が高いものをいう。本実施形態の遊技領域4aはその大半が透明遊技領域となっている。この透光性基板15には、遊技釘が少なくともその先端部を埋設されて固定され、この透光性基板15とフロント扉5のガラス板5aにより形成された領域が遊技領域4aとなっている。
また、第1始動入賞口8の側方であって、透光性基板15の裏面側には、遊技球排出路13Aが設けられている。遊技球排出路13Aは、第1始動入賞口8が設けられた中央を頂点として、その側方にいくほど下降する斜面をなしている。第1始動入賞口8に入球した遊技球は、遊技球排出路13Aが設けられた盤面左側に誘導され、遊技球排出路13Aを通って盤面の外側に排出される。遊技球排出路13Aは透光性基板15の裏面側に設けられており、遊技球排出路13Aを通過する遊技球は透光性基板15を介して視認可能とされている。このため、第1始動入賞口8に入球した遊技球の遊技球排出路13Aの通過を視認させることにより、演出効果を高めている。
そして、図2に示すように、この透光性基板15の背面側に各種の画像を表示する大画面の表示領域16aを備えた表示装置である液晶表示装置16が配置されている。液晶表示装置16に表示された画像は、透光性基板15の略中央の遊技釘が設けられていない部分と、その周辺の遊技釘が設けられている部分を通して、遊技者がパチンコ遊技機1の正面側から視認できるようになっている。液晶表示装置16は、装飾図柄Dにおける成立ラインに、大当り遊技状態への移行を示す大当り識別情報である大当り図柄を表示することにより、大当り遊技状態への移行を遊技者に報知する。
この表示領域16aには、図4に示すように、装飾図柄Dが表示される。装飾図柄Dは、左右中の3桁の数字列によって構成されており、左中右図柄要素DL,DC,DRを備えている。この装飾図柄Dの表示態様により、大当り判定の結果、大当り遊技状態に移行するか否か、さらには確変大当り遊技状態に移行するか通常大当り遊技状態に移行するかを報知する。また、表示領域16aには、装飾図柄Dの他、第1特別図柄保留図柄H11〜H14、第2特別図柄保留図柄H21〜H24等が表示される。第1特別図柄保留図柄H11〜H14、第2特別図柄保留図柄H21〜H24は、始動入賞口8,9に遊技球が入賞していない状態では表示されておらず、第1始動入賞口8および第2始動入賞口9に遊技球が入賞した際に右側に点灯表示される。以後保留図柄が増えるごとに、先に表示された保留図柄が順次左側に移動して点灯表示される。ここで、第2特別図柄保留図柄H21〜H24は、第1特別図柄保留図柄H11〜H14よりも左側に表示される。
さらに、パチンコ遊技機1は、図2に示すように、液晶表示装置16の上方に、所定の遊技状態となったことを遊技者に報知する効果音や音声などを出力するスピーカ18L,18R、図4に示すように、遊技盤4の下部に、所定の遊技状態となったことを所定のパターンで点灯・消灯することによって報知する装飾ランプ19L,19R、上述したカードユニット84により貸し出された遊技球および始動入賞口8,9、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dにより賞球された遊技球を上皿6aに払い出す払出装置81(図5参照)等を具備している。
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3に示すように、大当り遊技状態に移行するか否かを判定する主制御回路30を備える主制御基板21、映像および音声等の演出を制御する副制御回路40を備える副制御基板22、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路80を備える払出・発射制御基板23、電源を供給する電源供給ユニット24、電源スイッチ25、およびバックアップクリアスイッチ26が、それぞれ配置されている。
さらに、遊技領域4aの左下部には、図柄表示装置16bが設けられている。図柄表示装置16bには、第1始動入賞口8に入球した遊技球を第1始動入賞口スイッチ8Sが検出して特別図柄を変動表示させる保留球数(第1特別図柄保留個数)を報知する2つの第1特別図柄保留ランプR11,R12および第2始動入賞口9に入球した遊技球を第2始動入賞口スイッチ9Sが検出して特別図柄を変動表示させる保留球数(第2特別図柄保留個数)を報知する2つの第2特別図柄保留ランプR21,R22が設けられている。また、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過して普通図柄を変動表示させる保留球数(普通図柄保留個数)を報知する2つの普通図柄保留ランプr1,r2が設けられている。
また、図柄表示装置16bには、第1始動入賞口8に入球した遊技球を第1始動入賞口スイッチ8Sが検出することによって変動表示される第1特別図柄J1を表示する第1特別図柄表示部および第2始動入賞口9に入球した遊技球を第2始動入賞口スイッチ9Sが検出することによって変動表示される第2特別図柄J2を表示する第2特別図柄表示部が設けられている。さらに、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過することによって変動表示される普通図柄表示部Nが設けられている。これらの特別図柄J1,J2を表示する特別図柄表示部が図柄表示装置を構成する。
特別図柄J1,J2は、大当りか否かの判定の結果を示す図柄であり、いずれも1桁の数字を表示する7セグメントを備えるセグメント表示装置によって構成される。第1特別図柄J1としては、「A」「F」「H」「−」の4種類が用意され、第2特別図柄J2としては、「J」「P」、「−」の3種類が用意されている。また、普通図柄表示装置は、特別図柄J1,J2を表示する特別図柄表示部の表示位置の右下方に配置された2つのLEDランプからなる。これらのLEDランプは異なる色で点灯および点滅し、最終的に点灯されたLEDによって普通図柄を表示する。
これら特別図柄J1,J2のうち、「A」「F」「H」「J」「P」が大当り図柄となる。また、「A」は、2R継続確変大当り特別図柄、「F」は、14R継続確変大当り特別図柄、「H」は、14R継続通常大当り特別図柄、「J」は、16R継続確変大当り特別図柄、「P」は、16R継続通常大当り特別図柄となる。また、「−」はハズレ特別図柄となる。さらに、普通図柄表示部Nでは、左側のLEDランプが赤く点灯したときにハズレ普通図柄となり、右側のLEDランプが緑色に点灯したときに当り普通図柄となる。
表示領域16aに停止表示される装飾図柄Dは、特別図柄表示部に停止表示された特別図柄J1,J2に対応して停止表示され、その表示態様によって大当り抽選の結果を報知する。第1特別図柄J1が「F」である場合、第2特別図柄J2が「J」である場合には、確変大当り装飾図柄が停止表示される。確変大当り装飾図柄を構成する3つの図柄要素は、いずれも互いに同一種類の奇数とされる。また、第1特別図柄J1が「H」である場合、第2特別図柄J2が「P」である場合には、通常大当り装飾図柄停止表示される。通常大当り装飾図柄を構成する3つの図柄要素は、いずれも互いに同一種類の偶数とされる。さらに、第1特別図柄J1が「A」または「−」である場合、第2特別図柄J2が「−」である場合には、通常装飾図柄として、上記以外大当り図柄以外の装飾図柄が停止表示される。
図5は、図1〜図4に示すパチンコ遊技機1の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。パチンコ遊技機1は、上述した主制御回路30、副制御回路40、払出・発射制御回路80、電源供給ユニット24を中心に複数の構成要素を有し、この電源供給ユニット24は、主制御回路30、副制御回路40および払出・発射制御回路80にそれぞれ接続され各々への電力供給が可能とされている。主制御回路30は、1チップマイコンより構成されているメインCPU(Central Processing Unit)31、メインROM(Read Only Memory)32およびメインRAM(Random Access Memory)33を有し、他に初期リセット回路34とコマンド出力ポート35を有している。
メインCPU31は、後述するカウントスイッチ11CSなどから遊技球の検出信号を入力する一方、メインROM32に記憶されている制御プログラムにしたがい作動して、パチンコ遊技機1における大当り抽選や、賞球排出といったパチンコ遊技機1全体の動作制御を司り、コマンド出力ポート35を介して副制御回路40に各種のコマンドを送信する。メインCPU31は、大当り抽選の結果や遊技状態の消化などにより、通常遊技状態と通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態との間を移行制御している。メインCPU31は、遊技状態制御手段を構成する。また、メインCPU31は、大当り判定手段を構成し、始動入賞口スイッチ8S,9Sによって遊技球が検出されたことに基づいて、大当り遊技状態に移行するか否かを判定しており、大当り抽選に当選することが、通常遊技状態から大当り遊技状態への移行を行う移行条件となる。
また、遊技状態としては、通常遊技状態および大当り遊技状態のほか、通常遊技状態よりも大当り遊技状態に移行しやすい特定遊技状態が設定されている。特定遊技状態としては、確変遊技状態と、時短遊技状態とが設定されている。確変遊技状態は、高確率遊技状態および変動短縮遊技状態によって構成されている。時短遊技状態は、低確率遊技状態および変動短縮遊技状態によって構成される。また、通常遊技状態は、低確率遊技状態および非変動短縮遊技状態によって構成される。
高確率遊技状態は、通常遊技状態(低確率遊技状態)よりも、メインCPU31における大当り抽選の当選確率を高く設定して、大当り遊技状態に移行しやすくしている。また、変動短縮遊技状態では、通常遊技状態(非変動短縮遊技状態)よりも普通図柄の変動時間を短縮する。こうして、第2始動入賞口9の羽根9aを開きやすくし、場合によっては普通図柄の当選確率を高く設定して、さらに第2始動入賞口9の羽根9aを開きやすくして第2始動入賞口9への入賞割合を高めている。こうして、短時間で多くの大当り抽選を行うことを可能とすることにより、結果として大当り遊技状態に移行しやすくしている。
メインCPU31は、確変大当り遊技状態が終了した後は遊技状態を確変遊技状態に移行させ、通常大当り遊技状態が終了した後は遊技状態を時短遊技状態へと移行させる。確変遊技状態は、次に大当り抽選に当選するまで継続する。時短遊技状態は、次に大当り抽選に当選するか、所定回数、たとえば100回の特別図柄の変動表示が終了するまで継続する。このように、メインCPU31では、各遊技状態のいずれに移行するかを制御している。メインCPUは、特定遊技状態制御手段および特定遊技状態移行判定手段を構成する。さらに、メインCPU31は、確変遊技状態および時短遊技状態に移行すると、装飾図柄の変動表示時間を短縮する制御を行う。
また、メインROM32には、メインCPU31が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。具体的には、図6(a)に示す第1特別図柄決定テーブル、図6(b)に示す第2特別図柄決定テーブル、図7(a)に示すラウンド数決定テーブル、図7(b)に示す確変移行決定テーブル、図7(c)に示す時短回数決定テーブル、図8および図9に示す変動パターンテーブルなどが記憶されている。さらに、メインRAM33は、メインCPU31が作動する際に用いるデータやプログラムが一時的に記憶されるようになっている。このメインRAM33に、図柄指定コマンドおよび変動パターン指定コマンドなどの各種コマンドを副制御回路40に送信するための送信バッファが設けられている。
メインCPU31は、図6(a)、(b)に示す特別図柄決定テーブルから選択された特別図柄を図柄表示装置16bにおける特別図柄表示部に表示させる。ここで、メインCPU31は、大当り判定用乱数値を抽出する大当り判定用乱数値抽出処理と、大当りか否かを判定する大当り判定とからなる大当り抽選を行う。大当り判定用乱数値抽出処理は、第1始動入賞口8または第2始動入賞口9に入球した遊技球を検出した第1始動入賞口スイッチ8Sまたは第2始動入賞口スイッチ9Sが送信した検出信号を受信した場合に行われる。大当り判定用乱数値抽出処理では、第1始動入賞口8に入球した遊技球を検出した第1始動入賞口スイッチ8Sが送信した検出信号を受信した場合に、大当り判定用乱数値として大当り判定用カウンタに設定された「0」〜「299」の大当り判定用乱数値から一つの大当り判定用乱数値を抽出する。また、第2始動入賞口9に入球した遊技球を検出した第2始動入賞口スイッチ9Sが送信した検出信号を受信した場合にも同様に、大当り判定用乱数値として大当り判定用カウンタに設定された「0」〜「299」の大当り判定用乱数値から一つの大当り判定用乱数値を抽出する。
また、大当り判定は、第1特別図柄表示部の第1特別図柄J1または第2特別図柄表示部の第2特別図柄J2が変動表示を開始する際に行われる。大当り判定は、大当り判定用乱数値抽出処理によって抽出された大当り判定用乱数値を図6に示す特別図柄決定テーブルに参照することによって行われる。
ここで、大当り判定を行うにあたり第1特別図柄表示部の第1特別図柄J1の変動表示を開始する際には、図6(a)に示す第1特別図柄決定テーブルを選択する。また、第2特別図柄表示部の第2特別図柄J2の変動表示を開始する際には、図6(b)に示す第2特別図柄決定テーブルを選択する。
大当り判定は、第1特別図柄J1および第2特別図柄J2のいずれが変動表示を開始する場合でも同様にして行われる。大当り判定を行うにあたり、特別図柄が変動表示を開始したときが低確率遊技状態(通常遊技状態または時短遊技状態)の場合、大当り判定用乱数値抽出処理で抽出された大当り判定用乱数値が大当り乱数値「7」である場合に「大当り」となり、高確率遊技状態(確変遊技状態)の場合、大当り乱数値抽出処理で抽出された大当り判定用乱数値が大当り乱数値「3」、「5」、「7」、「11」、「13」、「17」の場合に「大当り」となり、それ以外の場合には「ハズレ」となる。
また、大当り抽選と同時に、大当り図柄乱数値を抽出する大当り図柄乱数値抽出処理と、大当り図柄を決定する大当り図柄決定処理とからなる大当り図柄抽選を行っている。大当り図柄乱数値抽出処理は、第1始動入賞口8または第2始動入賞口9に遊技球が入球した遊技球を検出した第1始動入賞口スイッチ8Sまたは第2始動入賞口スイッチ9Sが送信した検出信号を受信した場合に行われる。大当り図柄乱数値抽出処理では、第1始動入賞口8に入球した遊技球を検出した第1始動入賞口スイッチ8Sが送信した検出信号を受信した場合に、大当り図柄乱数値として大当り特別図柄カウンタに設定された「0」〜「99」の大当り図柄乱数値から一つの大当り図柄乱数値を抽出する。また、第2始動入賞口9に入球した遊技球を検出した第2始動入賞口スイッチ9Sが送信した検出信号を受信した場合も同様に、大当り図柄乱数値として大当り特別図柄カウンタに設定された「0」〜「99」の大当り図柄乱数値から一つの大当り図柄乱数値を抽出する。
また、大当り図柄決定処理は、第1特別図柄表示部の第1特別図柄J1または第2特別図柄表示部の第2特別図柄J2が変動表示を開始する際に行われる。大当り図柄決定処理は、大当り図柄乱数値抽出処理によって抽出された大当り図柄乱数値を図6に示す特別図柄決定テーブルに参照することによって行われる。
ここで、大当り図柄決定処理を行うにあたり第1特別図柄表示部の第1特別図柄J1の変動表示を開始する際には、図6(a)に示す第1特別図柄決定テーブルを選択する。また、第2特別図柄表示部の第2特別図柄J2の変動表示を開始する際には、図6(b)に示す第2特別図柄決定テーブルを選択する。
大当り図柄決定処理は、第1特別図柄J1が変動表示を開始した場合と、第2特別図柄J2が変動表示を開始した場合とでは異なる態様で行われる。第1特別図柄J1が変動表示を開始した場合、大当り図柄乱数値抽出処理で抽出された大当り図柄乱数値が「0」〜「15」のいずれかである場合には、第1特別図柄J1として「A」が決定され、大当り図柄乱数値抽出処理で抽出された大当り図柄乱数値が「16」〜「65」のいずれかである場合には第1特別図柄J1として「F」が決定され、大当り図柄乱数値抽出処理で抽出された大当り図柄乱数値が「66」〜「99」のいずれかである場合には第1特別図柄J1として「H」が決定される。
一方、第2特別図柄J2が変動表示を開始した場合、大当り図柄乱数値抽出処理で抽出された大当り図柄乱数値が「0」〜「65」のいずれかである場合には第2特別図柄J2として「J」が決定され、大当り図柄乱数値抽出処理で抽出された大当り図柄乱数値が「66」〜「99」のいずれかである場合には第2特別図柄J2として「P」が決定される。
また、大当り判定において大当りでないと判定され、大当り抽選に当選しなかった場合には、抽出した大当り図柄乱数値を破棄して特別図柄「−」が決定される。こうして決定された特別図柄は、第1始動入賞口スイッチ8Sが遊技球を検出した場合には第1特別図柄J1として表示され、第2始動入賞口スイッチ9Sが遊技球を検出した場合には第2特別図柄J2として表示される。なお、大当り特別図柄抽選は、大当り判定によって大当りと判定された際に行う態様とすることもできる。
さらに、メインCPU31は、選択された特別図柄に基づいて、図柄指定コマンドを決定する。具体的に、第1始動入賞口スイッチ8Sが遊技球を検出した場合に選択された第1特別図柄J1が「A」である場合には、図柄指定コマンドを「81H00H」と決定し、選択された第1特別図柄J1が「F」である場合には、図柄指定コマンドを「81H01H」と決定し、選択された第1特別図柄J1が「H」である場合には、図柄指定コマンドを「81H02H」と決定し、選択された第1特別図柄J1が「−」である場合には、図柄指定コマンドを「81H03H」と決定する。
また、第2始動入賞口スイッチ9Sが遊技球を検出した場合に選択された第2特別図柄J2が「J」である場合には、図柄指定コマンドを「81H04H」と決定し、選択された第2特別図柄J2が「P」である場合には、図柄指定コマンドを「81H05H」と決定し、選択された第2特別図柄J2が「−」である場合には、図柄指定コマンドを「81H06H」と決定する。主制御回路30は、メインCPU31で決定した図柄指定コマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
また、メインCPU31は、決定した特別図柄を図7(a)に示すラウンド数決定テーブル、図7(b)に示す確変移行決定テーブル、図7(c)に示す時短回数決定テーブルに参照して大当り遊技状態における最大ラウンド数、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態、および大当り遊技状態が終了した後の時短回数を決定する。決定した特別図柄が「A」の場合には2ラウンド、「F」「H」の場合には14ラウンド、「J」「P」の場合には16ラウンドがそれぞれ決定される。また、決定した特別図柄が「A」「F」「J」の場合には、大当り遊技状態が終了した後に確変遊技状態に移行し、「H」「J」の場合には時短遊技状態に移行する。さらに、決定した特別図柄が「A」「F」「P」の場合には、大当り遊技状態が終了した後に、次回に大当り特別図柄が停止表示されるまで時短遊技状態が継続し、「H」「P」の場合には時短回数が100回とされる。
また、メインCPU31は、図8および図9に示す変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する。また、この変動パターンとともに、変動パターン指定コマンド、変動時間、および演出内容をそれぞれ決定する。メインCPU31は、変動時間決定手段および大当り変動確認手段を構成する。ここで、他方の特別図柄の変動パターンが「変動パターン7」でない場合には図8(a)または図9(a)に示す通常変動パターンテーブルを参照し、他方の特別図柄の変動パターンが「変動パターン7」である場合には図8(b)または図9(b)に示す通常変動パターンテーブルを参照する。
また、決定した特別図柄が「−」である場合に、図8に示すハズレ用変動パターンテーブルを参照して、特別図柄の変動パターンを決定する。一方、決定した特別図柄が「F」「H」「A」「J」「P」のいずれかである場合には、図9に示す大当り用変動パターンテーブルを参照して、特別図柄の変動パターンを決定する。
変動パターンを決定する際には、変動パターン決定抽選を行う。変動パターン決定抽選では、変動パターン決定カウンタに設定された「0」〜「99」の変動パターン決定用乱数値から一つの変動パターン決定用乱数値を抽出する。ここで抽出した変動パターン決定用乱数値のほか、特別図柄の種類、および現在の遊技状態、および保留個数を図8〜図9に示す変動パターンテーブルに参照して、変動パターン指定コマンドを決定する。
具体的に、図8(a)に示すように、他方の特別図柄の変動パターンが「変動パターン7」となっておらず、特別図柄「−」、現在の遊技状態が通常遊技状態、保留個数0〜3である場合において、変動パターン決定用乱数値が「0」〜「89」のいずれかである場合には「変動パターン2」を決定し、「90」〜「98」のいずれかである場合には「変動パターン3」を決定し、「99」である場合には「変動パターン3」を決定する。また、特別図柄「−」、現在の遊技状態が通常遊技状態、保留個数4である場合において、変動パターン決定乱数が「0」〜「89」のいずれかである場合には「変動パターン1」を決定し、「90」〜「98」のいずれかである場合には「変動パターン3」を決定し、「99」である場合には「変動パターン4」を決定する。
さらに、他方の特別図柄の変動パターンが「変動パターン7」となっておらず、特別図柄「−」、現在の遊技状態が時短遊技状態または確変遊技状態、保留個数0〜1である場合において、変動パターン決定用乱数値が「0」〜「89」のいずれかである場合には「変動パターン2」を決定し、「90」〜「98」のいずれかである場合には「変動パターン3」を決定し、「99」である場合には「変動パターン4」を決定する。また、特別図柄「−」、現在の遊技状態が通常遊技状態、保留個数2〜4である場合において、変動パターン決定用乱数値が「0」〜「89」のいずれかである場合には「変動パターン1」を決定し、「90」〜「98」のいずれかである場合には「変動パターン3」を決定し、「99」である場合には「変動パターン4」を決定する。
その一方で、図8(b)に示すように、他方の特別図柄の変動パターンが「変動パターン7」となっている場合には、変動パターンとして「変動パターン9」を決定する。
また、図9(a)に示すように、他方の特別図柄の変動パターンが「変動パターン7」となっておらず、第1特別図柄「F」または第2特別図柄「J」、現在の遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態である場合において、変動パターン決定用乱数値が「0」〜「19」のいずれかである場合には「変動パターン5」を決定し、「20」〜「99」のいずれかである場合には「変動パターン6」を決定する。また、第1特別図柄「F」または第2特別図柄「J」、現在の遊技状態が確変遊技状態である場合において、変動パターン決定用乱数値が「0」〜「9」のいずれかである場合には「変動パターン5」を決定し、「10」〜「49」のいずれかである場合には「変動パターン6」を決定し、「50」〜「99」のいずれかである場合には「変動パターン7」を決定する。
さらに、他方の特別図柄の変動パターンが「変動パターン7」となっておらず、第1特別図柄「H」または第2特別図柄「P」、現在の遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態である場合において、変動パターン決定用乱数値が「0」〜「19」のいずれかである場合には「変動パターン5」を決定し、「20」〜「99」のいずれかである場合には「変動パターン6」を決定する。また、第1特別図柄「H」または第2特別図柄「P」、現在の遊技状態が確変遊技状態である場合において、変動パターン決定用乱数値が「0」〜「9」のいずれかである場合には「変動パターン5」を決定し、「20」〜「89」のいずれかである場合には「変動パターン6」を決定し、「90」〜「99」のいずれかである場合には「変動パターン7」を決定する。そして、他方の特別図柄の変動パターンが「変動パターン7」となっておらず、第1特別図柄「A」の場合には、変動パターンとして「変動パターン8」を決定する。
また、他方の特別図柄の変動パターンが「変動パターン7」となっている場合において、第1特別図柄「F」、第2特別図柄「J」のいずれかである場合には、変動パターンとして「変動パターン10」が決定され、第1特別図柄「H」、第2特別図柄「P」のいずれかである場合には、変動パターンとして「変動パターン11」が決定され、第1特別図柄「A」である場合には、変動パターンとして「変動パターン12」が決定される。
ここで「変動パターン7」に対応する変動時間は、他方の特別図柄の変動パターンが「変動パターン7」以外である場合に選択されるいずれの変動パターンの変動時間よりも長く設定されている。特に、「変動パターン7」に対応する変動時間は、変動パターンとしての最短変動時間である1.5秒や、他方の特別図柄の変動時間として「変動パターン7」が選択されていない場合の最短変動時間である3秒の2倍以上の長さとされている。「変動パターン7」に対応する変動時間が「特殊長時間」となる。なお、ここでいう「他方の特別図柄」とは、第1特別図柄J1の変動パターンを決定する際には第2特別図柄J2をいい、第2特別図柄J2の変動パターンを決定する際には第2特別図柄J1をいう。
また、変動パターン9」に対応する変動時間は、「変動パターン7」に対応する変動時間よりも短く設定されている。「変動パターン9」に対応する変動時間が「特殊短時間」となる。さらに、「変動パターン10」に対応する変動時間は、「変動パターン7」に対応する変動時間よりも長く設定されている。そして、「変動パターン11」に対応する変動時間は、他方の特別図柄が「変動パターン7」に対応する変動時間よりも短く設定されている。「変動パターン10」に対応する変動時間が「第2特殊長時間」となり、「変動パターン11」に対応する変動時間が「特殊第2短時間」となる。
また、メインCPU31は、第1特別図柄表示部における第1特別図柄J1、第2特別図柄表示部における第2特別図柄J2、および普通図柄表示部Nにおける普通図柄を変動表示させる。ここで、メインCPU31は、特別図柄J1,J2の変動表示を開始する際に、変動表示を開始する特別図柄J1,J2の変動時間を決定する。また、決定した変動時間が経過するまで特別図柄J1,J2を変動表示させるとともに、変動時間が経過後に特別図柄J1,J2を停止表示させる。このとき、第1特別図柄J1と第2特別図柄J2とは変動表示を並行して行うことが可能とされている。メインCPU31は、図柄表示制御手段を構成する。さらに、メインCPU31は、決定した図柄指定コマンドおよび決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドをメインRAM33における送信バッファに格納する。
メインRAM33は、各種コマンドがセットされる送信バッファなどを備えている。メインRAM33は、送信バッファにセットされている図柄指定コマンドや変動パターン指定コマンドなどの各種コマンドをコマンド出力ポート35より、副制御回路40に送信する。初期リセット回路34は、リセット信号をメインCPU31に定期的に出力する。このリセット信号により、メインCPU31は制御プログラムの先頭から処理を実行する。
また、主制御回路30には、カウントスイッチ11CSをはじめとする各スイッチ等が接続されている。カウントスイッチ11CSは大入賞口11に入賞した遊技球の個数を計測し、計測結果を示す検出信号を主制御回路30に出力する。一般入賞口スイッチ12Sは各一般入賞口12a〜12dに入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。作動ゲートスイッチ10Sは普通図柄作動ゲート10を通過する遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。第1始動入賞口スイッチ8Sは第1始動入賞口8に入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。第2始動入賞口スイッチ9Sは第2始動入賞口9に入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。
始動口ソレノイド9Lは第2始動入賞口9に設けられた一対の羽根9a,9aを開閉させ、大入賞口ソレノイド11Lは大入賞口11に設けられたシャッタを開閉させる。バックアップクリアスイッチ26は、電断時等におけるバックアップデータを操作者の操作に応じてクリアする。
また、パチンコ遊技機1では、第1始動入賞口スイッチ8Sまたは第2始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに、主制御回路30におけるメインCPU31は、上記の大当り判定用乱数値の抽出および大当り図柄乱数値の抽出を行う。さらに、抽出した大当り判定用乱数値および大当り図柄乱数値を用いた大当り抽選および大当り図柄抽選の結果、通常大当りまたは確変大当りが決定された場合には、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させる。
また、第1特別図柄J1の変動表示が行われている最中には、大当り判定用乱数値と大当り図柄乱数値とを第1特別図柄記憶領域に最大4つ保留し、その保留個数に応じて第1特別図柄保留ランプR11,R12を点灯・点滅させる。保留個数が0の場合には、第1特別図柄保留第1ランプR11および第1特別図柄保留第2ランプR12を消灯させる。保留個数が1の場合には、第1特別図柄保留第1ランプR11を点灯させるとともに、第1特別図柄保留第2ランプR12を消灯させる。保留個数が2の場合には、第1特別図柄保留第1ランプR11および第1特別図柄保留第2ランプR12を点灯させる。また、保留個数が3の場合には、第1特別図柄保留第1ランプR11を点滅させるとともに第1特別図柄保留第2ランプR12を点灯させ、保留個数が4の場合には、第1特別図柄保留第1ランプR11および第1特別図柄保留第2ランプR12を点滅させる。さらに、第2特別図柄J2の変動表示が行われている最中には、大当り判定用乱数値と大当り図柄乱数値とを第2特別図柄記憶領域に最大4つ保留し、その保留個数に応じて第2特別図柄保留ランプR21,R22を点灯・点滅させる。第2特別図柄保留ランプR21,R22の点灯・点滅と保留個数との関係は、第1特別図柄保留ランプR11,R12と保留個数との関係と同一である。また、第1特別図柄保留ランプR11,R12および第2特別図柄保留ランプR21,R22を点灯・点滅させる際には、その点灯・点滅態様に応じた個数に対応する特別図柄保留個数コマンドをメインRAM33における送信バッファにセットする。
さらに、大当り抽選の結果がハズレとなった場合には、大入賞口11の開閉制御を行うことはないが、大当りとなった場合には、大入賞口11を開閉制御する。大入賞口11の開閉制御では、大入賞口11の開状態と閉状態との1回の開閉動作を1ラウンドとして、図7(a)に示すラウンド数決定テーブルを参照して決定されたラウンド数まで大入賞口11の開閉動作の駆動制御を行う。
副制御回路40は、主制御回路30からコマンドを入力し、その入力したコマンドにしたがい、液晶表示装置16を用いた装飾図柄の可変表示、リーチ演出、予告演出といった演出に必要な制御を行う一方、所定の画像を液晶表示装置16に表示させる。また、副制御回路40は、スピーカ18L、18Rを用いた音声出力による演出や装飾ランプ19L、19Rを用いた点滅表示による演出を行うのに必要な制御も行う。
この副制御回路40は、サブCPU41を中心に構成され、サブROM42と、サブRAM43およびコマンド入力ポート48を有し、画像制御回路50と、音声制御回路60、およびランプ制御回路70を有している。
サブCPU41は、主制御回路30から入力したコマンドにしたがいサブROM42に記憶されているプログラムに沿った処理を実行し、画像制御回路50、音声制御回路60およびランプ制御回路70を作動させる一方、選択ボタン20a,20bからの信号等にしたがい電源供給ユニット24を制御する。
サブROM42には、サブCPU41が実行するプログラムと、恒久的なデータとして、装飾図柄を決定する装飾図柄決定テーブルやリーチ演出などの演出内容を決定する演出内容決定テーブル等が記憶されている。さらに、サブRAM43には、サブCPU41が作動する際に用いるデータやプログラムおよび主制御回路30から送信される図柄指定コマンドおよび変動パターン指定コマンドなどの各種コマンドを格納するための受信バッファが設けられている。
サブCPU41は、装飾図柄決定抽選を行って装飾図柄決定用乱数値を抽出するとともに、抽出した装飾図柄決定用乱数値と主制御回路30から送信された図柄指定コマンドを装飾図柄決定テーブルに参照し、装飾図柄Dを決定する。主制御回路30から送信された特別図柄指定コマンドが特別図柄「F」「J」に対応する「81H01H」「81H04H」である場合には、装飾図柄Dにおける3つの図柄要素として互いに同一種類の奇数を決定する。また、図柄指定コマンドが「H」「P」に対応する「81H02H」「81H05H」である場合には、装飾図柄Dにおける3つの図柄要素として互いに同一種類の偶数を決定する。さらに、図柄指定コマンドが特別図柄「A」「−」に対応する「81H00H」「81H03H」「81H06H」場合には、装飾図柄として上記の図柄以外の図柄を決定する。
さらに、サブCPU41は、演出内容決定抽選を行って演出内容決定用乱数値を抽出するとともに、抽出した演出内容決定用乱数値と主制御回路30から送信された変動パターン指定コマンドを演出内容決定テーブルに参照し、リーチ演出などの演出内容を決定する。
また、サブCPU41は、装飾図柄D、演出内容を液晶表示装置16の表示領域16aに表示させる。その他、サブCPU41は、主制御回路30から送信された特別図柄保留個数コマンドに基づく保留個数に応じて、特別図柄保留図柄H11〜H14,H21〜H24を液晶表示装置16の表示領域16aに表示させる。
画像制御回路50は、VDP(Video Display Processor)51と、D/Aコンバータ52と、初期リセット回路53と、画像データROM(画像記憶手段)54a,54bとを有している。VDP51は、サブCPU41で決定された液晶表示装置16に表示させる内容に応じた画像を形成し、その形成された画像をD/Aコンバータ52に出力する。D/Aコンバータ52はVDP51から出力される画像データをD/A変換して、変換により得られたアナログ信号を液晶表示装置16に出力し、画像を表示させる。初期リセット回路53はサブCPU41からのリセット命令を受けて、VDP51を初期状態に戻す処理を実行する。画像データROM54aには、装飾図柄、液晶特別図柄(液晶第1特別図柄および液晶第2特別図柄)、キャラクタ、背景などを示す画像のデータ(画像データ)を記憶し、画像データROM54bには、各種画像データを液晶表示装置16に表示させるための画像データを記憶している。VDP51は、サブCPU41から出力される装飾図柄に対応する画像データを画像データROM54a,54bから読み出し、この画像データに基づく図柄等の画像を液晶表示装置16に表示させる。
音声制御回路60は、音源IC61と、アンプ(以下「AMP」という)62と、音声データROM63とを有している。音源IC61は、サブCPU41からの指示にしたがい、音声データROM63に記憶されている音声データを用いて音声信号を生成する。AMP62は、音源IC61により生成された音声信号を適切なレベルに増幅し、増幅した音声信号をスピーカ18L、18Rに供給して音声を出力させる。音声データROM63は予告演出、リーチ演出、大当り演出などに用いられる音楽、音声、効果音などのデータ(音声データ)を記憶している。
ランプ制御回路70は、装飾ランプ19L、19Rの点滅パターンを示す装飾データを記憶した装飾データROM71と、サブCPU41からの指示にしたがい、装飾データROM71に記憶されている装飾データを用いて装飾ランプ19L、19Rを点滅させるドライブ回路72とを有している。
払出・発射制御回路80は、主制御回路30の制御にしたがい払出装置81と、発射ハンドル6cおよび発射モータを有する発射装置82とを作動させて、所定数の遊技球を賞球として払出させるとともに、遊技球を遊技盤4上の遊技領域4aに向けて発射させる。
電源供給ユニット24は、副制御回路40の制御にしたがい副制御回路40、主制御回路30および払出・発射制御回路80への電力供給を行う。
(パチンコ遊技機の動作内容)
次に、パチンコ遊技機1の動作内容のうち、主制御回路30および副制御回路40による制御処理の手順について、図10〜図15までのフローチャートを参照して説明する。図10はパチンコ遊技機1において、電源を投入したあとに主制御回路30により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。
次に、パチンコ遊技機1の動作内容のうち、主制御回路30および副制御回路40による制御処理の手順について、図10〜図15までのフローチャートを参照して説明する。図10はパチンコ遊技機1において、電源を投入したあとに主制御回路30により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。
(メイン制御処理の動作手順)
図10に示すように、パチンコ遊技機1は、電源投入に伴い主制御回路30のメインCPU31がメイン制御処理を開始し、初期化設定処理を行い(S1)、次に、タイマ更新処理を行う(S2)。タイマ更新処理では、待ち時間タイマなどを減算することによって更新する。続いて、初期値乱数更新処理を行い、各乱数値の更新処理を行う。それから、第1特別図柄制御処理を行う(S3)。第1特別図柄制御処理は、図11に示す手順に沿って行われる。
図10に示すように、パチンコ遊技機1は、電源投入に伴い主制御回路30のメインCPU31がメイン制御処理を開始し、初期化設定処理を行い(S1)、次に、タイマ更新処理を行う(S2)。タイマ更新処理では、待ち時間タイマなどを減算することによって更新する。続いて、初期値乱数更新処理を行い、各乱数値の更新処理を行う。それから、第1特別図柄制御処理を行う(S3)。第1特別図柄制御処理は、図11に示す手順に沿って行われる。
図11に示すように、第1特別図柄制御処理では、まず、第1遊技状態フラグをロードする(S21)。この第1遊技状態フラグは、液晶表示装置16における図柄の可変表示画像を用いた特別図柄ゲームの状態を示すフラグであって、メインCPU31が後続の各ステップいずれを実行するかを判定するためのデータが設定されている。
次に、第1特別図柄記憶チェック処理(S22)が図12に示すフローチャートの手順に沿って行われる。図12に示すように、この第1特別図柄記憶チェック処理を開始すると、メインCPU31は、第1制御状態フラグが第1特別図柄記憶チェック処理を示すデータ“00”である否かを判断する(S31)。その結果、第1制御状態フラグが“00”でなければ第1特別図柄記憶チェック処理を終了する。また、第1制御状態フラグが“00”である場合には、メインRAM33における第1特別図柄記憶領域にデータがセットされている(保留個数が0でない)か否かを判定する(S32)。その結果、データが記憶されていなければデモ表示処理を行って(S33)第1特別図柄記憶チェック処理を終了する。一方、データが記憶されていれば、第1制御状態フラグに第1特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”をセットする(S34)。
続いて、大当り判定処理を行う(S35)。大当り判定処理では、大当り判定用カウンタを用いて抽出され、第1特別図柄記憶領域に記憶された大当り判定用乱数値を図6(a)に示す第1特別図柄決定テーブルに参照し、遊技球が第1始動入賞口8に入賞した際に抽出した大当り判定用乱数値が大当り乱数値と一致するか否か、すなわち大当りであるか否かを判定する。それから、大当り判定の結果が大当りとなっているか否かを判断する(S36)。その結果、大当りである場合には、大当り図柄の決定処理を行い(S37)、大当りでなければハズレ図柄の決定処理を行う(S38)。
大当り図柄の決定処理(S37)では、遊技球が第1始動入賞口8Aに入賞した際に抽出した大当り図柄乱数値に基づいて大当りの種別を決定する。ここでは、大当り図柄として「A」「F」「H」のいずれかを決定し、それぞれに対応する図柄指定コマンド「81H00H」「81H01H」「81H02H」のいずれかを選択してメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。また、ハズレ図柄の決定処理(S38)では、特別図柄として「−」を決定し、この特別図柄に対応する図柄指定コマンド「81H03H」を選択してメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
続いて、変動パターン決定処理を行う(S39)。変動パターン決定処理については、第1特別図柄記憶チェック処理の説明が終了した後に説明する。それから、特別図柄の変動時間の待ち時間タイマ(t)を、決定した変動パターンに対応する変動時間にセットする(S40)。そして、今回の変動に用いられた記憶領域に記憶されたデータをクリアして(S41)、第1特別図柄記憶チェック処理を終了する。
それでは、変動パターン決定処理について説明する。図13は、変動パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。図13に示すように、変動パターン決定処理では、ステップS35で行われた大当り判定の結果が大当りであるか否かを判断する(S51)。その結果、大当りでないと判断した場合には、第2特別図柄J2で「変動パターン7」による図柄変動が実行中であるか否かを判断する(S52)。その結果、第2特別図柄J2で「変動パターン7」が実行中でないと判断した場合には、変動パターンテーブルとして、図8(a)に示すハズレ用通常変動パターンテーブルを決定する(S53)。また、第2特別図柄J2で「変動パターン7」による図柄変動が実行中であると判断した場合には、変動パターンテーブルとして、図8(b)に示すハズレ用特殊変動パターンテーブルを決定する(S54)。
さらに、ステップS51における判断の結果、大当りであると判断した場合には、第2特別図柄J2で「変動パターン7」による図柄変動が実行中であるか否かを判断する(S55)。その結果、第2特別図柄J2で「変動パターン7」による図柄変動が実行中でないと判断した場合には、変動パターンテーブルとして、図9(a)に示す大当り用通常変動パターンテーブルを決定する(S56)。また、第2特別図柄J2で「変動パターン7」による図柄変動が実行中であると判断した場合には、変動パターンテーブルとして、図9(b)に示す大当り用特殊変動パターンテーブルを決定する(S57)。
こうして、ステップS53,S54,S56,S57において変動パターンテーブルを決定したら、決定した変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定する(S58)。変動パターンを決定する際には、変動パターン決定抽選を行って変動パターン決定用乱数値を抽出する。ここで抽出した変動パターン決定用乱数値と、特別図柄の種類、現在の遊技状態、保留個数を決定した変動パターンテーブルに参照することによって変動パターンを決定する。その後、決定した変動パターンデータをメインRAM33にセットするとともに、変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドをメインRAM33における送信バッファにセットし(S59)、変動パターン決定処理を終了する。
図11に示すフローに戻り、第1特別図柄記憶チェック処理が済んだら、第1特別図柄変動時間管理処理を行う(S23)。第1特別図柄変動時間管理処理は、図14に示すフローチャートに沿って行われる。図14に示すように、第1特別図柄変動時間管理処理では、第1制御状態フラグが第1特別図柄変動時間管理処理を示すデータ“01”であるか否かを判断する(S61)。その結果、第1制御状態フラグがデータ“01”でない場合には、第1特別図柄変動時間管理処理を終了する。
また、第1制御状態フラグがデータ“01”である場合には、第1特別図柄の変動時間の計測が中断されているか否かを判断する(S62)。その結果、第1特別図柄の変動時間の計測が中断されていると判断した場合には、第2特別図柄による大当り抽選の結果、大当り遊技状態に移行した状態であるか否かを判断する(S63)。ここで、大当り遊技状態に移行した状態であると判断した場合には、第1特別図柄の変動時間の計測を中断する(S64)。
一方、ステップS62において、第1特別図柄の変動時間の計測が中断中であると判断した場合には、第2特別図柄による大当り抽選の結果、大当り遊技状態に移行した状態であるか否かを判断する(S65)。ここで、大当り遊技状態に移行した状態であると判断した場合には、第1特別図柄変動時間管理処理を終了する。大当り遊技状態に移行した状態でないと判断した場合には、第1特別図柄の変動時間の計測を再開し(S66)、第1特別図柄変動時間管理処理を終了する。
また、ステップS63において大当り遊技状態に移行した状態でないと判断した場合、ステップ64に続いて、ステップS40でセットした待ち時間タイマが0となっているか否かを判断する(S67)。その結果、待ち時間タイマが0となっていない場合には、第1特別図柄変動時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマが0となっている場合には、第1制御状態フラグに特別図柄表示時間管理処理を示すデータ“02”をセットする(S68)。その後、特別図柄変動時間が確定した後の時間に対応する確定後待ち時間(たとえば1秒)を待ち時間タイマ(t)にセットする(S69)。こうして、第1特別図柄変動時間管理処理を終了する。
図11に示すフローに戻り、第1特別図柄変動時間管理処理が済んだら、第1特別図柄表示時間管理処理を行う(S24)。特別図柄表示時間管理処理では、第1制御状態フラグが第1特別図柄表示時間管理を示す値“02”である場合に、第1特別図柄変動時間管理処理のステップS69でセットされた確定後待ち時間タイマ(t)が0となったら、ステップS35における大当り判定処理の結果に基づく第1制御状態フラグをセットする。具体的に、大当り判定処理の結果が大当りであった場合には、第1制御状態フラグに大当り開始インターバル管理を示すデータ“03”をセットし、続いて大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットして、第1特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、大当り判定処理の結果がハズレであった場合には、第1制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示すデータ“07”をセットして、第1特別図柄表示時間管理処理を終了する。
第1特別図柄表示時間管理処理が済んだら、大当り開始インターバル管理処理を行う(S25)。大当り開始インターバル管理処理では、第1遊技状態フラグが大当り開始インターバル管理を示すデータ“03”であるときは、第1特別図柄表示時間管理処理(S24)でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間だけ待機し、大当り開始インターバルに対応する時間が経過したのち、大入賞口を開放させるため、メインROM32から読み出されたデータに基づいてメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。さらに、メインCPU31は大入賞口開放中を示すデータ“05”を第1遊技状態フラグにセットし、開放上限時間、たとえば25秒を大入賞口時間タイマにセットして、大当り開始インターバル管理処理を終了する。
さらに、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S26)。大入賞口再開放前待ち時間管理処理では、第1遊技状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示すデータ“04”であるときは、大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S27)でセットされたラウンド間インターバルに対応する時間だけ待機する。メインCPU31はラウンド間インターバルに対応する時間を経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”加算して更新し、大入賞口開放中を示すデータ“05”を第1遊技状態フラグにセットし、開放上限時間(たとえば25秒)を大入賞口時間タイマにセットする。こうして、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を終了する。
大入賞口再開放前待ち時間管理処理が済んだら、大入賞口開放中処理を行う(S27)。大入賞口開放中処理では、第1遊技状態フラグが大入賞口開放中処理を示すデータ“05”でないときには処理を終了する。また、データ“05”であるときには、大入賞口入賞カウンタのカウント数が10以上であるかを判定し、10以上でない場合には、開放上限時間を経過(大入賞口時間タイマが“0”)したかを判定する。その結果、大入賞口入賞カウンタが10以上であるか開放上限時間が経過している場合には、大入賞口閉鎖データをセットする。開放上限時間を経過していない場合には、大入賞口開放中処理を終了する。大入賞口閉鎖データをセットしたら、大入賞口開放回数カウンタが上限値となっているか否かを判定し、上限値となっていないと判定した場合には、ラウンド間インターバルに対応する時間、たとえば2秒にセットし、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示すデータ“04”を第1遊技状態フラグにセットし、さらにラウンド間表示コマンドをセットして大入賞口開放中処理を終了する。一方、上限値となっていると判定した場合には、大当りインターバル待ち時間タイマ(t)を、たとえば5秒にセットし、大当り終了インターバル処理を示すデータ“06”を第1遊技状態フラグにセットして大入賞口開放中処理を終了する。
それから、大当り終了インターバル処理を行う(S28)。大当り終了インターバル処理では、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す“06”であれば以下の処理を行い、“06”でなければ以下の処理を行うことなく大当り終了インターバル処理を終了する。制御フラグが“06”である場合、大入賞口開放中処理(S27)でセットされた大当り終了インターバルに対応する待ち時間タイマ(t)が“0”でなければ大当り終了インターバル処理が終了し、“0”であれば、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す“07”をセットする。
次に、大当り図柄が確変大当り図柄であるか通常大当り図柄であるかを判定する。その結果、大当り図柄が確変大当り図柄である場合には、確変遊技状態コマンドおよび時短遊技状態コマンドを送信バッファにセットし、高確率フラグおよび時短フラグをセットする。また、大当り図柄が通常大当り図柄である場合には、時短フラグを送信バッファにセットし、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタを所定数、たとえば100にセットする。こうして、大当り終了インターバル処理を終了する。
大当り終了インターバル処理が済んだら、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S29)。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示すデータ“07”であるときに以下の処理を行い、“07”でなければ行わないようになっている。特別図柄ゲーム終了処理では、時短フラグがセットされている場合には、時短回数カウンタから1減算し、時短回数カウンタが0になったら、時短フラグをクリアする。ステップS29が終了すると、図11に示すステップS3の第1特別図柄制御処理が終了する。
第1特別図柄制御処理が終了したら、続いて第2特別図柄制御処理を行う(S4)。第2特別図柄制御処理は、図11に示す第1特別図柄制御処理における「第1特別図柄」を「第2特別図柄」に「第1制御状態フラグ」を「第2制御状態フラグ」に置き換え、同様の手順によって行われる。
第2特別図柄制御処理が終了したら、普通図柄制御処理を行う(S5)。普通図柄制御処理では、図柄表示装置16bに表示される普通図柄に関する制御を行う。普通図柄制御処理を開始すると、普通図柄制御状態フラグを読出し、そのフラグに応じて普通図柄の変動時間、停止表示された普通図柄を監視する。そして、停止表示された普通図柄が所定の普通当り図柄であるときは羽根9aの開放、閉鎖を示す変数をメインRAM33に記憶して、普通図柄制御処理を終了する。
それから、図柄表示装置制御処理を行う(S6)。図柄表示装置制御処理では、第1特別図柄制御処理(S3)、第2特別図柄制御処理(S4)、および普通図柄制御処理(S5)の結果に基づいて、図4に示す特別図柄表示部における特別図柄J1,J2、普通図柄表示部Nなどの可変表示の表示制御を行う。
続いて、遊技情報データ生成処理を行う(S7)。遊技情報データ生成処理では、パチンコ遊技機1から図示しないホールコンピュータへの出力信号を生成する。その後、図柄保留個数データ生成処理を行う(S8)。図柄保留個数データ生成処理では、第1特別図柄制御処理制御処理(S3)、第2特別図柄制御処理(S4)、および普通図柄制御処理(S5)において増減する図柄記憶領域における特別図柄保留個数および普通図柄保留個数に対応するデータをそれぞれ生成する。図柄保留個数データ生成処理に続いて、ポート出力処理を行う(S9)。ポート出力処理では、第1特別図柄制御処理(S3)、第2特別図柄制御処理(S4)、および普通図柄制御処理(S5)などで決定される大入賞口11や第2始動入賞口9における羽根9aの開放制御を行う。
続いて、入賞口関連コマンド制御処理を行う(S10)。入賞口関連コマンド制御処理では、第1特別図柄制御処理(S3)および第2特別図柄制御処理(S4)でセットされる大当り遊技状態開始コマンドなどに基づく制御を行う。入賞口関連コマンド制御処理が済んだら、記憶・遊技状態コマンド制御処理を行う(S11)。記憶・遊技状態コマンド制御処理では、第1特別図柄制御処理(S3)および第2特別図柄制御処理(S4)でセットされる遊技状態コマンドなどに基づく制御を行う。記憶・遊技状態コマンド制御処理が済んだら、コマンド出力制御処理を行う(S12)。コマンド出力制御処理では、メインRAM33における送信バッファにセットされた各コマンドを副制御回路40に送信する。コマンド出力制御処理が済んだら、ステップS2に戻り、繰返しルーチンが繰り返し行われる。
主制御回路30では、上述したメイン制御処理とともに、割込許可フラグが設定されていることを条件に、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、定期的(たとえば2msごと)にメイン制御処理に割り込むシステムタイマ割込処理を行う。
(副制御回路の動作手順)
次に、副制御回路40の動作について説明する。副制御回路40では、主制御回路30から送信されたコマンドを受信することにより、図柄制御、音制御、およびランプ制御等を行う。図15は、副制御回路40により繰り返し実行されるサブ制御処理の手順を示すフローチャートである。
次に、副制御回路40の動作について説明する。副制御回路40では、主制御回路30から送信されたコマンドを受信することにより、図柄制御、音制御、およびランプ制御等を行う。図15は、副制御回路40により繰り返し実行されるサブ制御処理の手順を示すフローチャートである。
図15に示すように、サブCPU41では、最初に所定の初期設定処理を行い(S101)、次に乱数更新処理を行う(S102)。続いて、主制御回路30から送信され、受信バッファに格納されている各種コマンドのコマンド解析制御処理を行う(S103)。コマンド解析制御処理では、主制御回路30から図柄指定コマンドが送信された際、特別図柄指定コマンドを装飾図柄決定テーブルに参照することにより、大当り図柄またはハズレ図柄といった装飾図柄を決定する。また、主制御回路30から変動パターン指定コマンドが送信された際、変動パターン指定コマンドを演出内容決定テーブルに参照することにより、リーチ演出などの演出内容を決定する。コマンド解析処理では、その他主制御回路30から送信されたコマンドがある場合に、そのコマンドに応じた処理を実行する。
コマンド解析処理が済んだら、続いて表示制御処理を行う(S104)。表示制御処理では、コマンド解析処理で決定された装飾図柄および表示パターンなどに基づいて、図柄表示制御を行い、続いて背景表示制御処理を行う。
その後、音声制御処理を行う(S105)。音声制御処理では、主制御回路30からのコマンドに基づいてスピーカ18L,18Rから発生させる音声に関する音声制御処理を行う。この音声制御処理では、音源IC61は、音声データROM63から音声データを読み出し、音声データを所定の音声信号に変換して、その音声信号をAMP62に供給する。このAMP62は、音声信号を増幅して、スピーカ18L,18Rから音声を発生させる。
続いて、ランプ制御処理を行う(S106)。ランプ制御処理では、主制御回路30からのコマンドに基づいて装飾ランプ19L,19Rの点滅に関するランプ制御処理を実行する。このランプ制御処理では、サブCPU41は、装飾データROM71からランプ装飾パターンを読み出し、ドライブ回路72を介して、装飾ランプ19L,19Rを点滅させる。以降ステップS102〜ステップS106を繰り返し実行する。
以上の構成を有する本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、第1始動入賞口8に遊技球が入賞することによって、第1特別図柄J1が変動表示された後に停止表示され、第2始動入賞口9に遊技球が入賞することによって、第2特別図柄J2が変動表示された後に停止表示される。また、第1特別図柄J1または第2特別図柄J2の変動表示に合わせて、装飾図柄Dが変動表示される。
ここで、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、確変遊技状態中に特別図柄J1,J2に大当り特別図柄「F」「J」「H」「P」が停止表示される場合に、他方の特別図柄の変動時間よりも長い特殊長時間を決定可能とされている。特殊長時間が決定されるのは、「変動パターン7」の場合である。特別図柄の変動パターンとして特殊長時間が決定されることにより、他方の特別図柄の変動表示を数多く行わせることができるので、他方の特別図柄における大当り抽選を、大当り遊技状態に移行しやすい確変遊技状態中に数多く行うことができる。
いま、このような特殊長時間が決定可能とされていない場合と、特殊長時間が決定されている場合との比較について、図16に示すタイムチャートを参照して説明する。ここでは、説明を簡単にするために、第1特別図柄J1に大当り特別図柄が表示される場合を例として説明する。
たとえば、特殊長時間が設定されておらず、特別図柄の変動時間が一定である遊技機について説明する。ここで、確変遊技状態中に、まず遊技球が第2始動入賞口9に入賞し、その変動中に遊技球が第1始動入賞口8に入賞し、さらにその変動中に遊技球が第2始動入賞口9に入賞し、その変動中に遊技球が第1始動入賞口8に入賞したとして、2番目に第1始動入賞口8に入賞した遊技球によって大当り遊技状態に移行する変動(以下「大当り変動」という)が開始したとする。また、ここで、大当りは通常大当りであるとする。
この場合、このような特殊長時間が決定可能とされていないパチンコ遊技機では、16(a)に示すように、まず第2特別図柄が1度目の変動V21を開始し、続いて第1特別図柄が変動V11を開始する。また、第1特別図柄の1度目の変動V11中に第2特別図柄が停止し、第2特別図柄の2度目の変動V21が終了した後に第2特別図柄が2度目の変動V22を開始する。この第2特別図柄の2度目の変動中V22であって、第1特別図柄の1度目の変動V11が終了した後に、第1特別図柄が2度目の変動V12を開始し、第1特別図柄の2度目V12変動中に第2特別図柄が停止する。この第1特別図柄が2度目の変動V12が大当り変動となる。その後、第1特別図柄が停止して大当り遊技状態へと移行する。このように、第1特別図柄における大当り変動中に、第2特別図柄は一回しか停止表示されず、大当り抽選もこの一回のみとなっている。
これに対して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、「変動パターン7」が選択されることにより、特殊長時間が決定可能とされている。この場合、図16(b)に示すように、第1特別図柄が大当り変動である2度目の変動V12を開始するまでは16(a)に示す例と同様の挙動を示す。続いて、第1特別図柄の2度目の変動V12として、「変動パターン7」が選択された通常大当りとなる第1特別図柄「J」が決定され、特殊長時間変動が決定されて大当り変動を開始すると、この大当り変動が特殊長時間(180秒間)継続する。その一方で、第2特別図柄の変動時間は、最長でも30秒間とされている。このため、第1特別図柄における特殊長時間変動となる2度目の変動V12が行われている間に、第2特別図柄は複数回の変動V23,V24…を行うことができ、各変動のたびに大当り抽選を行うことができる。ここでの第2特別図柄における大当り抽選は、大当り遊技状態に移行しやすい確変遊技状態中に行われているので、大当り遊技状態への移行に偏りを持たせることができる。しかも、ストック機能などを設けていないため、遊技の公平性を担保することができる。
しかも、第1特別図柄が特殊長時間変動を開始した後、第2特別図柄がハズレとなる場合は、その変動時間が1.5秒と特殊長時間変動より短い第1特殊短時間に設定されている。このため、第1特別図柄が大当り変動を行っている間に、第2特別図柄における多数回の大当り抽選を行うことができる。また、ここでの第2特別図柄における大当り抽選についても、大当り遊技状態に移行しやすい確変遊技状態中に行われているので、大当り遊技状態への移行により大きな偏りを持たせることができる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、一方の特別図柄が変動表示されているときに、他方の特別図柄における大当り変動が終了して大当り特別図柄が停止表示される際には、一方の特別図柄の変動表示の計測時間が中断される。
たとえば、図17(a)に示すように、第1特別図柄の2度目の変動V12として「変動パターン7」が選択された通常大当りとなる第1特別図柄「J」が決定され、特殊長時間変動が決定されたとする。このとき、第2特別図柄では、3度目の変動V23から図8(b)および図9(b)に示す特殊変動パターンテーブルを参照して変動時間が決定されるため、その変動時間が短くなる。ここで、たとえばN度目の変動V2Nで通常大当りとなる特別図柄「P」が決定されたとする。この場合には、第2特別図柄のN度目の変動V2Nが終了して第2特別図柄「P」が停止表示されることにより、1度目の大当り遊技状態BT1に移行する。このとき、第1特別図柄は変動を継続しているが、変動時間の計測を中断する。そして、第2特別図柄のN度目の変動V2Nによる大当り遊技状態BT1が終了したら、第1特別図柄における2度目の変動V12の時間計測を再開する。
その後、第2特別図柄のM度目の変動V2Mにおいて再び通常大当りとなる特別図柄「P」が決定された場合には、第2特別図柄のM度目の変動V2Mが終了して第2特別図柄「P」が停止表示されることにより、2度目の大当り遊技状態BT2に移行する。このとき、第1特別図柄は変動を継続しているが、変動時間の計測を再び中断する。その後、第2特別図柄のM度目の変動V2Mによる大当り遊技状態BT2が終了したら、第1特別図柄における2度目の変動V12の時間計測を再開する。
それから、第1特別図柄の2度目の変動V12における変動時間が中断時間を除いて消化し、第1特別図柄として「F」が停止表示されたときに、大当り遊技状態として、3度目の大当り遊技状態BT3に移行する。このとき、タイムチャートでは第2特別図柄は停止しているが、第2特別図柄が変動してれば、その変動は中断される。このため、第1特別図柄の変動表示を、大当り遊技状態によって短縮されることなく消化することができる。したがって、確変遊技状態中に第1特別図柄が、変動時間が特殊長時間となる大当り変動を行う場合に、第2特別図柄では、特殊長時間に見合った時間分の間、確変遊技状態における確率で大当り抽選を受けることができる。
また、第1特別図柄の2度目の変動V12として「変動パターン7」が選択された通常大当りとなる第1特別図柄「H」が決定され、特殊長時間変動が決定されたとする。このとき、第2特別図柄では、3度目の変動V23から図8(b)および図9(b)に示す特殊変動パターンテーブルを参照して変動時間が決定される。ここで、図17(b)に示すように、第2特別図柄のN度目の変動V2Nにおいて、確変大当りとなる第2特別図柄「J」が決定されたとする。図9(b)に示すように、特殊変動パターンテーブルにおける確変大当りの変動時間は「変動パターン10」の第2特殊長時間となる。第2特殊長時間は第1特殊長時間よりも長い185秒に設定されているため、第2特別図柄が停止する前に、第1特別図柄が停止されることになる。
したがって、第2特別図柄のN度目の変動V2Nが継続しているときに第1特別図柄の2度目の変動V12が終了して第1特別図柄「H」が停止表示され、第2特別図柄の変動時間の計測を中断する。ここで第1特別図柄「H」が停止表示されることにより、1度目の大当り遊技状態BT1に移行する。それから、1度目の大当り遊技状態BT1が終了したら、第2特別図柄におけるN度目の変動V2Nの時間計測を再開する。そして、第2特別図柄におけるN度目の変動V2Nが終了して第2特別図柄「J」が停止表示されることにより、2度目の大当り遊技状態BT2に移行する。
このように、第2特別図柄で確変大当りが決定された場合には、第2特別図柄が停止する前に第1特別図柄が停止することになるので、両方の大当り遊技状態が終了した後には、第1特別図柄が確変大当りまたは通常大当りのいずれであった場合でも最終的に確変遊技状態に移行することになる。したがって、両方の大当り遊技状態確変遊技状態が終了した後、最終的に確変遊技状態に移行させることができるので、遊技者に対して大きな興味を与えることができる。
さらに、第1特別図柄の2度目の変動V12として「変動パターン7」が選択された確変大当りとなる第1特別図柄「F」が決定され、特殊長時間変動が決定されたとする。このとき、第2特別図柄では、3度目の変動V23から図8(b)および図9(b)に示す特殊変動パターンテーブルを参照して変動時間が決定される。ここで、図17(c)に示すように、第2特別図柄のN度目の変動V2Nにおいて、通常大当りとなる第2特別図柄「P」が決定されたとする。図9(b)に示すように、特殊変動パターンテーブルにおける通常大当りの変動時間は「変動パターン11」の第2特殊短時間となる。第2特殊短時間は、第1特殊長時間よりも短い2.0秒に設定されている。このため、第1特別図柄が停止する前に、第2特別図柄が停止されることになる。
したがって、第1特別図柄の2度目の変動V12が継続しているときに第2特別図柄のN度目の変動V2Nが終了して第2特別図柄「P」が停止表示され、第1特別図柄の変動時間の計測を中断する。ここで第2特別図柄「P」が停止表示されることにより、1度目の大当り遊技状態BT1に移行する。それから、1度目の大当り遊技状態BT1が終了したら、第1特別図柄における2度目の変動V12の時間計測を再開する。そして、第1特別図柄における2度目の変動V12が終了して第1特別図柄「F」が停止表示されることにより、2度目の大当り遊技状態BT2に移行する。
このように、第2特別図柄で通常大当りが決定された場合には、第2特別図柄が停止する前に第1特別図柄が停止することになる。このため、両方の大当り遊技状態が終了した後には、第2特別図柄が通常大当りであるにもかかわらず、最終的に第1特別図柄で決定された遊技状態に移行する。したがって、確変遊技状態への移行に対する期待を維持させることができるので、遊技者に対して大きな興味を与えることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、確変大当りと通常大当りとのいずれにおいても特殊長時間変動を決定可能とされているが、確変大当り(第1特別大当り図柄が「F」、第2特別大当り図柄が「J」)の場合にのみ特殊長時間変動が決定可能となる態様とすることもできる。このように、確変大当りの場合にのみ特殊長時間変動が決定可能となる態様とすることにより、他方の特別図柄で大当りが発生した際にも、最終的に確変遊技状態に移行する割合を高くすることができるので、その分遊技者の期待感を高めることができる。
また、上記実施形態では、第1始動入賞口8および第2始動入賞口9に遊技球が入賞した順に第1特別図柄J1と第2特別図柄とを変動表示させるようにしているが、たとえば、第1特別図柄J1に優先させて第2特別図柄を変動表示させることもできるし、第2特別図柄に優先させて第1特別図柄を変動表示させる態様とすることもできる。また、上記実施形態では普通当りによって開放する羽根9aを第2始動入賞口9に設けているが、羽根を第1始動入賞口8に設けたり、第1始動入賞口8および第2始動入賞口9の両方に設けたりする態様とすることもできる。
また、上記各実施形態では始動領域として、第1始動入賞口8および第2始動入賞口9の2つを設けているが、3つ以上の始動入賞口を設ける態様とすることもできる。あるいは、上記各実施形態では、通過領域として遊技球が入球可能な始動入賞口を設けているが、遊技球が通過可能な通過ゲートなどとすることもできる。また、図柄表示装置として、7セグメントの表示装置としては、液晶表示装置、CRT、ドット式、EL管など種々の態様のものを用いることができる。
1…パチンコ遊技機、4…遊技盤、8…第1始動入賞口、8S…第1始動入賞口スイッチ、9…第2始動入賞口、9S…第2始動入賞口スイッチ、11…大入賞口、16…液晶表示装置、16a…表示領域、21…主制御基板、22…副制御基板、30…主制御回路、31…メインCPU、40…副制御回路、41…サブCPU、50…画像制御回路、60…音声制御回路、70…ランプ制御回路、80…払出・発射制御回路。
Claims (5)
- 所定の変動開始条件が成立した場合に、識別図柄の変動表示および停止表示を行う複数の図柄表示装置と、
前記変動開始条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させるか否かを判定する大当り判定手段と、
前記大当り判定手段によって前記大当り遊技状態に移行させると判定された場合に、前記図柄表示装置に大当り識別図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
前記大当り判定手段によって前記大当り遊技状態に移行させると判定され、前記複数の図柄表示装置のいずれかに前記大当り識別図柄が停止表示された後に、遊技状態を前記大当り遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、
遊技状態を前記通常遊技状態よりも前記大当り遊技状態に移行しやすい特定遊技状態に移行させるか否かを判定する特定遊技状態移行判定手段と、
前記特定遊技状態移行判定手段によって前記特定遊技状態に移行させると判定されたことを条件として、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態を前記特定遊技状態に移行させる特定遊技状態制御手段と、
前記変動開始条件が成立した場合に、この変動開始条件に対応する前記図柄表示装置で変動表示される識別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
前記変動開始条件が成立して前記大当り判定手段によって前記大当り遊技状態に移行すると判定された際における前記識別図柄の変動表示である大当り変動表示が、前記複数の図柄表示装置のいずれで行われているかを判定する大当り変動確認手段と、を備え、
前記図柄表示制御手段は、前記変動開始条件が成立した場合に、前記複数の図柄表示装置のうち、この変動開始条件に対応する図柄表示装置の識別図柄を前記変動時間決定手段によって決定された変動時間が経過するまで変動表示させるとともに、前記変動時間の経過後に前記識別図柄を停止表示させ、前記複数の図柄表示装置における前記識別図柄の変動表示を並行して行うことが可能であり、
前記変動時間決定手段は、前記特定遊技状態制御手段によって遊技状態が前記特定遊技状態に制御されているときに、前記変動開始条件が成立したことと、この変動開始条件の成立に対応する図柄表示装置以外の図柄表示装置で大当り変動表示が行われていると前記大当り変動確認手段によって判定されたことと、を条件に、この変動開始条件の成立に対応する図柄表示装置における識別図柄の変動時間を、この変動開始条件の成立に対応する図柄表示装置以外の図柄表示装置における前記大当り変動表示の変動時間よりも短い特殊短時間として決定可能とされていることを特徴とする遊技機。 - 前記変動時間決定手段は、前記特殊短時間として、前記変動開始条件に対応する図柄表示装置以外の図柄表示装置で変動表示される識別図柄の最長変動時間の1/2以下の長さの時間を決定する請求項1に記載の遊技機。
- 前記変動時間決定手段は、前記特定遊技状態制御手段によって遊技状態が前記特定遊技状態に制御されているときに、前記変動開始条件が成立して前記大当り遊技状態移行判定手段によって大当り遊技状態に移行すると判定されたことを条件に、この変動開始条件の成立に対応する図柄表示装置における識別図柄の変動時間を、この変動開始条件に対応する図柄表示装置以外の図柄表示装置で変動表示される識別図柄の変動時間よりも長い特殊長時間として決定可能とされている請求項1または請求項2に記載の遊技機。
- 前記変動時間決定手段は、前記特殊長時間を決定する際、前記特定遊技状態移行判定手段によって、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を前記特定遊技状態に移行させると判定されることを条件とする請求項3に記載の遊技機。
- 前記変動時間決定手段は、前記特定遊技状態制御手段によって遊技状態が前記特定遊技状態に制御されているときに、前記大当り判定手段によって前記大当り遊技状態に移行させると判定されるとともに前記特定遊技状態移行判定手段によって前記特定遊技状態に移行させると判定された場合に、この変動開始条件に対応する図柄表示装置で変動表示される識別図柄の変動時間を、前記特殊長時間より長い第2特殊長時間として決定し、
前記特定遊技状態制御手段によって遊技状態が前記特定遊技状態に制御されているときに、前記大当り判定手段によって前記大当り遊技状態に移行させると判定されるとともに前記特定遊技状態移行判定手段によって前記特定遊技状態に移行させないと判定された場合に、この変動開始条件に対応する図柄表示装置で変動表示される識別図柄の変動時間を、前記特殊長時間よりも短い第2特殊短時間として決定する請求項3または請求項4に記載の遊技機。
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