JP2008252202A - 超音波送受信器およびそれを用いた超音波流量計 - Google Patents

超音波送受信器およびそれを用いた超音波流量計 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波送受信器における整合層の耐環境性能を向上させ、且つ、超音波送受信器の送受信特性を維持させることを目的とする。
【解決手段】金属製筒状ケース2の天部内面に取り付けた圧電体4と電気的接続形態を有して密閉状態とした超音波振動子1の天部表面に多孔体等よりなる音響整合層5を取り付けて送受信感度を高めた超音波を送信または受信する超音波送受信器であって、超音波送受信器1は、筒状ケース2の側壁面周囲及び音響整合層5の表面を覆う保護カバー7を備え、保護カバー7の天面には、音響整合層5の表面積に対して予め定めた所定の開口面積が確保できる範囲で、音響整合層5の損傷防止用の遮蔽部を形成した構成としてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体の流量を計測する超音波流量計などに用いる超音波送受信器に関するものである。
従来、この種の超音波送受信器は、図10に示すように、導電性を有する密閉ケース23の蓋部と、その蓋部内壁面に正方柱状の圧電素子24を、蓋部外壁面に整合層25をそれぞれ接着剤で固定し、密閉ケース23の下方開放部に、所望の配線、および駆動端子を形成することで、超音波送受波器26を構成している。ここでの整合層25は、多孔質体からなる第1層と充填材料第2層に積層された構成である(例えば、特許文献1参照)。
また、図11に示すように、整合層の表面にエポキシ樹脂からなる保護膜27を接着塗布しているものや、図12に示すようにケースの側壁部と整合層の側壁の一部を覆うように振動規制体28を設けているものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−45389号公報 特許第3518268号公報
しかしながら、前記従来の超音波送受信器の構成では、ケースの天部外壁面に接着されている整合層の表面あるいは端部が露出しているため、製造過程や流量計として組み込み時に整合層への人の指の直接接触による損傷や異物付着、または超音波送受信器の落下による整合層の破壊などから、超音波送受信器の出力特性の異常あるいは、超音波出力特性が正常な感度で出現しないという課題を有していた。
また、整合層の損傷を防止する目的で整合層の表面に保護膜を直接塗布する方法にあっては、超音波振動子の送受信特性を低下させるために、使用する超音波の周波数から適した整合層に塗布する保護膜の材料、厚みを設計、選択しなければならないという、塗布条件の設定作業及びその条件を管理する作業管理の面で困難を強いられるという課題があり、また、整合層側壁に振動規制体を設けるという点では、整合層の横方向の振動を押さえ、不要な振動モード発生を防ぐことはできるが、整合層表面の機械的破損の防止にはならないという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、製造過程や流量計への組み込み時における整合層への直接接触を防止して、整合層の欠け、割れのような損傷、整合層表面への異物付着への防止の信頼性を高めると共に送受信出力特性が安定する超音波送受信器とそれを利用した超音波流量計を提供するものである。
前記従来の課題を解決するために本発明の超音波送受信器は、金属製筒状ケースの天部内面に取り付けた圧電体と電気的接続形態を有して密閉状態とした超音波振動子の天部表面に多孔体等よりなる音響整合層を取り付けて送受信感度を高めた超音波を送信または受信する超音波送受信器であって、前記超音波送受信器は、前記筒状ケースの側壁面周囲及び前記音響整合層の表面を覆う保護カバーを備え、前記保護カバーの天面には、前記音響整合層の表面積に対して予め定めた所定の開口面積が確保できる範囲で、前記音響整合層の損傷防止用の遮蔽部を形成したものである。
上記発明によれば、送受信感度を高めるための音響整合層の表面を指などの接触ができないように遮蔽部を設けた保護カバーで覆い、かつ超音波の放射効率を所定値以上確保するための開口面積を確保するようにしているため、製造過程や流量計への組み込み時における音響整合層への直接接触を回避して、整合層の欠け、割れのような損傷、整合層表面への異物付着を防止することができると共に、送受信感度を所望の感度に保つことができ、安定して超音波の送受信を行うことができる。
また、本発明の超音波送受信器は、音響整合層の表面を覆う保護カバーを、音響整合層側壁の厚みより高く突出させ、音響整合層の損傷防止用の突出部を形成したものである。
上記発明によれば、突出部を形成したことにより、製造過程や流量計への組み込み時において音響整合層に直接指などが接触することを回避することができ、かつ整合層の放射面前方に遮蔽物が存在しないため、放射効率を最大限高めることができ、簡単な構成で整合層の損傷防止を図りつつ、送受信感度の安定性を高めることができる。
また、本発明の超音波流量計は、超音波送受信器をガス流路への取り付けるに際し、音響整合層が破損することを防止する整合層破損防止手段を有したものであり、流量計への組み込み時における音響整合層への直接接触を回避して、整合層の欠け、割れのような損傷、整合層表面への異物付着を防止することができると共に、送受信感度を所望の感度に保つことができ、安定して超音波の送受信を行うことで、正確な流量測定を行うことができる。
本発明によれば、製造過程や流量計への組み込み時における音響整合層への直接接触を回避して、整合層の欠け、割れのような損傷、整合層表面への異物付着を防止することができると共に、送受信感度を所望の感度に保つことができ、安定して超音波の送受信を行うことができる。
第1の発明は、金属製筒状ケースの天部内面に取り付けた圧電体と電気的接続形態を有して密閉状態とした超音波振動子の天部表面に多孔体等よりなる音響整合層を取り付けて送受信感度を高めた超音波を送信または受信する超音波送受信器であって、前記超音波送受信器は、前記筒状ケースの側壁面周囲及び前記音響整合層の表面を覆う保護カバーを備え、前記保護カバーの天面には、前記音響整合層の表面積に対して予め定めた所定の開口面積が確保できる範囲で、前記音響整合層の損傷防止用の遮蔽部を形成したことを特徴とするものである。
そして、送受信感度を高めるための音響整合層の表面を指などの接触ができないように遮蔽部を設けた保護カバーで覆い、かつ超音波の放射効率を所定値以上確保するための開口面積を確保するようにしているため、製造過程や流量計への組み込み時における音響整合層への直接接触を回避して、整合層の欠け、割れのような損傷、整合層表面への異物付着を防止することができると共に、送受信感度を所望の感度に保つことができ、安定して超音波の送受信を行うことができる。
第2の発明は、音響整合層表面の保護カバーは、前記整合層表面から所定の間隔を保持して前記整合層表面上に設けたことを特徴とするものである。
そして、整合層表面に直接接触することなく保護カバーを設けることで、整合層表面の超音波振動を減衰させることなく、整合層の損傷防止を図りつつ、送受信感度の安定性を高めることができる。
第3の発明は、音響整合層表面の保護カバーの天面形状として、一文字状、十文字状、あるいはリング状を有して形成したことを特徴とするものである。
そして、整合層の損傷防止と送受信感度の安定性を共に満足する保護カバー形状を提供することができる。
第4の発明は、保護カバーの天面形状を一文字状とした場合、保護カバーの取付位置を、筒状ケース内壁面に固定される圧電体の表面形状に対応した位置となるように規制したことを特徴とするものである。
そして、筒状ケース内壁面に接着されて外部から見えない圧電体表面の形状方向を、整合層表面に具備される保護カバーの方向を確認することで、圧電体の表面形状の方向を知ることができるので、流体の流れ方向に間隔をおいて設置される超音波流量計に設置する一対の超音波振動子の送受信特性を発信・受信する圧電体の形状面の方向性を常に均一にすることが可能となる。
第5の発明は、金属製筒状ケースの天部内面に取り付けた圧電体と電気的接続形態を有して密閉状態とした超音波振動子の天部表面に多孔体よりなる音響整合層を取り付けて送受信感度を高めた超音波を送信または受信する超音波送受信器であって、前記超音波送受信器は、前記音響整合層の表面を覆う保護カバーを備え、前記保護カバーは、前記音響整合層側壁の厚みより高く突出させ、前記音響整合層の損傷防止用の突出部を形成したことを特徴とするものである。
そして、突出部を形成したことにより、製造過程や流量計への組み込み時において音響整合層に直接指などが接触することを回避することができ、かつ整合層の放射面前方に遮蔽物が存在しないため、放射効率を最大限高めることができ、簡単な構成で整合層の損傷防止を図りつつ、送受信感度の安定性を高めることができる。
第6の発明は、保護カバーは、筒状ケースの天部あるいは側壁部を利用して前記筒状ケースに具備されることを特徴とするものである。
そして、保護カバーと筒状ケースが一体化することで、保護カバーの外れがなく、機械的強度を確保することができる。
第7の発明は、請求項1〜7のいずれか1項記載の超音波送受信器を備えた超音波流量計であって、ガスが流れるガス流路と、このガス流路に取り付けられ超音波を送受信する一対の超音波送受信器と、前記超音波送受信器間の超音波伝搬時間を計測する計測回路と、この計測回路からの信号に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備え、前記超音波送受信器は、前記ガス流路への取り付けに際し、音響整合層が破損することを防止する整合層破損防止手段を有したことを特徴とするものである。
そして、超音波送受信器をガス流路への取り付けるに際し、音響整合層が破損することを防止する整合層破損防止手段を有したものであり、流量計への組み込み時における音響整合層への直接接触を回避して、整合層の欠け、割れのような損傷、整合層表面への異物付着を防止することができると共に、送受信感度を所望の感度に保つことができ、安定して超音波の送受信を行うことで、正確な流量測定を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における超音波送受信器の断面図を示すものである。
図1において、超音波送受信器1は、導電性材料からなる筒状のケース2の天部3内面にエポキシ樹脂などで接着された圧電体4と、天部3の外面に接着された音響整合層5と、さらに、音響整合層5の表面から所定の間隔を保ちつつ、筒状ケース2の側壁部6に沿って一体化するように嵌合された保護カバー7とから構成されている。
音響整合層5は、気孔を含有しているセラミック多孔体とその気孔に有機ガラスの乾燥ゲルを浸透させた構成とした。音響整合層5と筒状ケース2の天部3を接着固定するために、エポキシ系接着剤を用いた。この音響整合層5の外径は10.8mmで、板厚はを1mmとした。
圧電体4は、約7.4mm角の角柱状とし、その上面、下面には銀ペーストなどで焼成して構成された電極が形成されている。
また、筒状ケース2の下方開口部は一方の端子8aを接続した端子板9で閉塞されている。他方の端子8bは、ハーメチックシールなどの電気絶縁材料10を介して端子板9を貫通し、圧電体4の下面の電極に導電体11を介して接続されている。
導電体11は、ゴムに金属粒子等を配合した導電性を有する材料で、圧電体4の下面電極と端子8bとを電気的に接続している。他方の端子8aは、導電性を有する端子板9に直接固定され、筒状ケース2を介して圧電体4の上面電極に電気的に接続されている。
超音波送受信器1の発振動作は、圧電体4を約500KHzで振動させ、その振動が筒状ケース2に伝わり音響整合層5に伝搬され、音響整合層5の振動は、音響整合層5に接する流体に音波として発信される。
同じく受信動作は、先ほどの伝搬の流れとは逆で、音響整合層5が流体中を通過してきた音波を感受して、筒状ケース2を介して圧電体5が振動し、端子8a、8b間で出力電圧として検知する。
超音波送受信器1の音響整合層5の役割は、圧電体4からの振動を効率よく流体中に伝搬させることである。このため、物質の音速Cと密度ρの積で定義される音響インピーダンスZが小さい物質にする必要がある。そのため、実施の形態1で使用される音響整合層5は、セラミック中に多くの気泡を含有させ、さらに、音波の伝搬効率を上げる有機ガラスの乾燥ゲルを気泡中に形成させている構成を使用する。このような構成の音響整合層5は、密度が約0.3程度と非常に小さい。また、流体中への超音波発信や、流体中からの超音波受信を効率よく実施するため、超音波送受信器1で音響整合層5は、露出した構成を採らざるを得ない。
密度の小さい音響整合層5を露出させた構成は、外部からの機械的ストレスによって直ぐに音響整合層5を損傷してしまう。流体の流れを測定するような流量測定装置に超音波送受信器1を設置する作業中などに、音響整合層5の表面や側壁部を当ててしまい、音響整合層5を破壊してしまう危険性がある。また、同作業中に人の指等で音響整合層5の表面や側壁部を接触し、異物を付着させる原因にもなる。これを回避するために従来にあっては、音響整合層5の表面や側壁部に樹脂材料や塗料を塗布して表面を被覆してしまう方法が採られているが、この方法においては、整合層表面の超音波発信、受信強度を減衰させてしまうため、超音波送受信器1の送受信特性から見れば音響整合層の被膜体は無いほ
うが良い。また、整合層表面に接触した遮蔽物を設置するのも同様な理由で適切ではない。
そこで、本発明の実施の形態1における超音波送受信器1は、音響整合層5の表面から所定の間隔を保って保護カバー7が設置される。
この保護カバー7の音響整合層5表面での形状は図2に示すように、音響整合層5の表面積に対して予め定めた所定の開口面積が確保できる範囲で、音響整合層5の損傷防止用の遮蔽部7aを形成し、その形状として一文字状、十文字状、リング状として形成し、音響整合層5表面上への人の指の直接接触や外部からの整合層表面や側壁部を保護することができる。それぞれ、一文字形状保護カバー12、十文字形状保護カバー13、リング形状保護カバー14である。この保護カバーの材質は、ポリカーボネート樹脂材料で製作した。なお、この保護カバーの材質は、上記条件に限定されるわけではなく、保護カバー7の厚み、材料、形状は適宜変えて構成することができる。
また、音響整合層5の表面から表面上に設置されるカバーの距離を0.5〜1mm以内とした。この距離は、保護カバー7整合層5の表面に直接接触せずに整合層表面を保護させる構成で、超音波送受信器1の送受信感度特性の低下が問題とならなければ、この数値に限定されるわけではない。
図3には、別の実施形態として、整合層5の側壁保護を目的にした側壁保護カバーの断面概略図を超音波送受信器1と共に示す。
これは、音響整合層5の側壁部15の周囲に、整合層5の厚みよりも高い突出部16aを形成した側壁保護カバー16を設置し、音響整合層5の側面端部をぶつけることを防止して、音響整合層5の破損を防止する。整合層表面は開口しているので、超音波送受信器1の感度特性の低下は最小限に抑えられる。
また、保護カバー7は、超音波送受信器1の筒状ケース2の側壁部を利用して、超音波送受信器1に設置されてきたが、図4に示すように筒状ケース2の天部3を用いて側壁保護カバー16を形成しても整合層5の保護に支障はないので、この構成を用いてもよい。
図4は、筒状ケース2の天部3の上に設置した保護カバー7を、エポキシ系接着剤で整合層5の側壁部15や天部3に接着して固定したものである。これは、筒状ケース2の天部3を利用して側壁保護カバー16を固定すればよく、必ずしも整合層5の側壁部15と接着させる必要はない。保護カバー7の整合層5表面の形状は、一文字状、十文字状、リング状でも構成されるが、整合層5の側壁部15より厚くなるように周囲にのみ形成される側壁保護カバー16であってもなんら支障はない。
このようにして、保護カバー7を具備した超音波送受信器1の感度出力の測定をした。使用した超音波振動子1の整合層5はセラミック多孔体に有機ガラスの乾燥ゲルを浸透させて構成され、保護カバー7の整合層5表面を覆う形状は、図2で示す一文字形状12、十文字形状13、リング形状14である。さらに、図3に示すような整合層5の側壁部15の厚みより高い側壁保護カバー16を整合層5の外径円周に設けた超音波振動子1も用いて出力特性を比較した。
これは、音響整合層5の側壁部にエポキシ材料を塗布して、円柱状の側壁保護カバー7を接着固定したものである。
各々感度出力を測定した結果を図5に示す。グラフの横軸は、音響整合層5の表面面積
から音響整合層5の表面上に設けた各種形状の保護カバ−が占める保護部分面積を差し引いて算出した各種保護カバーを設置したときの音響整合層5表面上の開口面積を示す。同グラフの縦軸はその面積値に対する各種保護カバーを設置した際の感度出力値を示した。
この感度出力の測定方法について述べる。71mmの距離を置いて外部環境を排除した円筒の上面と下面に、音響整合層面が相対するように直線上に、配置した2つの超音波送受信器において、一方は基準となる超音波送受信器、もう片方は、通常の超音波送受信器と、本実施の形態における音響整合層5に側壁保護カバー16を具備した超音波送受信器や一文字形状12、十字形状13、リング形状14のそれぞれの保護カバー7を具備した整合層を有する超音波送受信器1であり、本発明の超音波送受信器1からの一定時間発信した発信出力を、基準の超音波送受信器が受信感度として測定した最高出力電圧値を感度出力とした。
図5の結果から、感度出力が高い順から、保護カバーなし、側壁保護カバー、一文字形状、十文字形状、リング形状14であった。
これは、各形状が、超音波送受信器の発信出力が、整合層表面を覆っている保護面積に比例して、感度出力が低下していることを示す。
保護カバーなしの感度出力値と比較して、保護カバーをした超音波送受信器の感度出力が△30%以内であれば、超音波送受信器としての実用上問題はない。
図5の場合、保護カバーなしの感度出力値60(mV)に対して、リング形状の保護カバー14を具備した超音波送受信器の感度出力値は、43.2(mV)であり、出力減少は△28%であった。
整合層5表面の外径は10.8(mm)であるので、開口面積は91.6(mm)である。リング形状14の保護面積は13.6(mm)であるので、リング形状14を搭載した整合層5表面の開口面積は、78(mm)である。整合層の開口面積に対して、整合層5表面上に位置する保護ケース7は約14.8%以下の形状面積であれば、実用上支障がない超音波送受信器1の感度出力を維持することができる。
このように、整合層5表面の超音波の送受信面積を考慮した保護ケース7の表面形状を決定すれば、超音波送受信器1の感度出力を維持しながら、整合層5への人の指先等の直接接触による破壊、異物付着や、超音波送受信器1の落下やぶつけるなどの整合層5の破損を防止することが可能である。
なお、ここに用いられた整合層5はセラミック多孔体に有機ガラスの乾燥ゲルを浸透させて構成されていたが、たとえば、エポキシ樹脂材料にガラスの中空球体を分散配合して固化させたようなものであってもよく、上記整合層の材質条件に限定されるわけではない。
以上のように、本実施の形態では、整合層側壁部に側壁カバー、あるいは、整合層表面に一定の形状を有する保護カバーを具備することにより、整合層の破損防止や異物付着を防ぐと共に、送受信感度出力を保持した超音波送受信器を実現することができる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2の一文字状保護カバー12を搭載した超音波送受信器を上面から見た透視図である。
図6の一文字状の保護カバー12は、超音波送受信器1の筒状ケース2の天部3上に接着された整合層5の表面に配置されている。図6では、説明の都合上、筒状ケース2内部にエポキシ樹脂で接着された圧電体4の接着面を透視して図示している。
図6や図7に示すように超音波送受信器1に用いる圧電体4の振動発振面であり、筒状ケース2内面に接着する面に溝を設けている。直方体の圧電体では、使用する周波数によっては、厚み縦振動と広がり振動が混在するため、圧電体から発信される超音波を効率よく送受信できない。そのため、厚み縦振動を主要なモードとするため圧電体4に溝17を設けている。溝17の本数や深さ等のおのおのの寸法は、超音波送受信器1の特性と圧電体4の構造的強度から判断されて決定されている。
超音波送受信器の圧電体4中の溝17の方向は、圧電体4が筒状ケース2に接着固定されているので、超音波送受信器1の外観からは知ることはできない。
図8に本発明に基づく超音波送受信器1を用いた超音波流量計の一例として、ガス流量等を測定するガス流量測定装置18を示す。また、図9に溝17を設けた圧電体4の面から発振される超音波の伝搬状態を示す。
溝17の方向が圧電体4から放射される超音波の伝搬方向を矢印19が示すとおり、扇状に伝搬することが知られている。このように伝搬方向を有する圧電体4の超音波送受信器1を、図8に示すようなガス流量測定装置18に用いる場合、流体の流れる流路20中の流体であるガスが流れる方向21に対して上流側および下流側に対向して設けられる。それぞれの超音波送受信器1が送受信する超音波の伝搬する方向22において、超音波の伝搬方向が同一であるので伝搬強度を低減させることなく、一対の超音波送受信器1は効率的に送受信特性を発現させることができる。そして、超音波送受信器1の送受方向を制御し各方向における伝搬時間を計測回路23で計測し、その計測データを流量演算手段24に送って所定の演算処理を用いて流量を求める。
ガス流量測定装置18において、上流側と下流側のそれぞれの超音波送受信器1が圧電体4の溝17の形成方向が90度ずれている状態で配置されれば、お互いに送受信する超音波の伝搬方向が90度ずれるので、超音波の伝搬効率が低下し、測定精度が低下する場合がある。超音波振動子1の設置方向で、ガス流量測定装置18の流量測定精度の器差が生じてしまう場合がある。
本発明の実施の形態2によれば、音響整合層5表面に配置させる保護カバー7の形状と、圧電体4の溝の方向の位置と相関性があるように配置するので、保護カバー7を設置した超音波送受信器1の外観から、圧電体4の溝方向を判断することができる。
これにより、流体測定装置18に設置する一対の超音波送受信器1の配置方向を固定することができるので、流量測定の信頼性の高い流量測定装置を実現することができる。
さらに、ガス流量測定装置18におけるガス流路19中に超音波振動子1を取り付ける際にも、保護カバー7が音響整合層5を保護するので、超音波送受信器1の整合層破損を防止し、安全に超音波送受信器1を組み込むことができる。
なお、図6では、超音波振動子1の保護ケース7に一文字形状12を用いたが、超音波振動子1の圧電体4の溝17方向と保護ケース7の表面形状の相対位置関係が決定すれば、保護ケース7の表面形状は一文字形状12に限定されるものではなく、適宜形状を変えて構成することができる。
以上のように、本発明によれば、送受信感度を高めるための音響整合層の表面を指などの接触ができないように遮蔽部を設けた保護カバーで覆い、かつ超音波の放射効率を所定値以上確保するための開口面積を確保するようにしているため、製造過程や流量計への組み込み時における音響整合層への直接接触を回避して、整合層の欠け、割れのような損傷、整合層表面への異物付着を防止することができると共に、送受信感度を所望の感度に保つことができ、安定して超音波の送受信を行うことができる。
また、音響整合層の表面を覆う保護カバーを、音響整合層側壁の厚みより高く突出させ、音響整合層の損傷防止用の突出部を形成したものにあっては、突出部を形成したことにより、製造過程や流量計への組み込み時において音響整合層に直接指などが接触することを回避することができ、かつ整合層の放射面前方に遮蔽物が存在しないため、放射効率を最大限高めることができ、簡単な構成で整合層の損傷防止を図りつつ、送受信感度の安定性を高めることができる。
また、本発明の超音波流量計は、超音波送受信器をガス流路への取り付けるに際し、音響整合層が破損することを防止する整合層破損防止手段を有したものであり、流量計への組み込み時における音響整合層への直接接触を回避して、整合層の欠け、割れのような損傷、整合層表面への異物付着を防止することができると共に、送受信感度を所望の感度に保つことができ、安定して超音波の送受信を行うことで、正確な流量測定を行うことができる。
以上のように、本発明に係る超音波送受信器およびそれを用いた超音波流量計は、超音波送受信器が保護カバーを搭載しているので、外部ストレスや落下により整合層表面や側壁の損傷や破壊から保護し、かつ超音波送受信器としての感度出力を維持することができ、流量測定精度の器差が小さい流体の流れ測定装置を実現することができる。
本発明の実施の形態1における超音波送受信器の断面図 同実施の形態における保護カバーの表面形状の平面図 同実施の形態における側壁カバーを搭載した超音波送受信器の断面図 同実施の形態における筒状ケース天部を利用した保護カバーを有する超音波送受信器の断面図 同実施の形態における感度出力変化の結果を示す図 本発明の実施の形態2における超音波送受信器の一部平面透視図 同実施の形態における圧電体の斜視図 同実施の形態におけるガス流量測定装置の概略図 同実施の形態における圧電体から発振する超音波伝搬方向の概念図 従来の超音波送受信器の断面図 従来の超音波送受信器の断面図 従来の超音波送受信器の断面図
符号の説明
1 超音波振動子
2 筒状ケース
5 整合層
7 保護カバー
12 一文字形状保護カバー
13 十文字形状保護カバー
14 リング形状保護カバー
16 側壁保護カバー
17 溝
18 ガス流量測定装置

Claims (7)

  1. 金属製筒状ケースの天部内面に取り付けた圧電体と電気的接続形態を有して密閉状態とした超音波振動子の天部表面に多孔体等よりなる音響整合層を取り付けて送受信感度を高めた超音波を送信または受信する超音波送受信器であって、
    前記超音波送受信器は、前記筒状ケースの側壁面周囲及び前記音響整合層の表面を覆う保護カバーを備え、
    前記保護カバーの天面には、前記音響整合層の表面積に対して予め定めた所定の開口面積が確保できる範囲で、前記音響整合層の損傷防止用の遮蔽部を形成した超音波送受信器。
  2. 音響整合層表面の保護カバーは、前記整合層表面から所定の間隔を保持して前記整合層表面上に設けた請求項1記載の超音波送受信器。
  3. 音響整合層表面の保護カバーの天面形状として、一文字状、十文字状、あるいはリング状を有して形成した請求項1〜3のいずれか1項記載の超音波送受信器。
  4. 保護カバーの天面形状を一文字状とした場合、保護カバーの取付位置を、筒状ケース内壁面に固定される圧電体の表面形状に対応した位置となるように規制した請求項3記載の超音波送受信器。
  5. 金属製筒状ケースの天部内面に取り付けた圧電体と電気的接続形態を有して密閉状態とした超音波振動子の天部表面に多孔体よりなる音響整合層を取り付けて送受信感度を高めた超音波を送信または受信する超音波送受信器であって、
    前記超音波送受信器は、前記音響整合層の表面を覆う保護カバーを備え、
    前記保護カバーは、前記音響整合層側壁の厚みより高く突出させ、前記音響整合層の損傷防止用の突出部を形成した超音波送受信器。
  6. 保護カバーは、筒状ケースの天部あるいは側壁部を利用して前記筒状ケースに具備される請求項1〜5のいずれか1項記載の超音波送受信器。
  7. 請求項1〜7のいずれか1項記載の超音波送受信器を備えた超音波流量計であって、
    ガスが流れるガス流路と、このガス流路に取り付けられ超音波を送受信する一対の超音波送受信器と、前記超音波送受信器間の超音波伝搬時間を計測する計測回路と、この計測回路からの信号に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備え、
    前記超音波送受信器は、前記ガス流路への取り付けに際し、音響整合層が破損することを防止する整合層破損防止手段を有した超音波流量計。
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