JP2008251655A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板に乾燥欠陥が生じることを十分に防止することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】内槽40内で洗浄された基板Wが、基板移動機構30により内槽40の上方へ引き上げる。そこで、処理槽4上では、引き上げられた基板WにドライエアDFが供給される。これにより、基板Wに付着した純水がドライエアDFにより置換され、基板Wの表面が乾燥される。ここで、基板Wが内槽40から引き上げられる直前において、処理液ミキシング装置50は、一時的に内槽40へ供給する処理液の量を増加させる。これにより、内槽40の上端から外槽43に流れ出る純水の量が増加する。このとき外槽43に流れ込む純水の一部は、処理液排出管44から排出される。さらに、外槽43に流れ込む純水のうち処理液排出管44から排出しきれない純水は、外槽43のドライエア排気ダクト63側の上端からさらに補助槽45に流れ出る。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板に種々の処理を行う基板処理装置に関する。
従来より、半導体ウェハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等の基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられている。
複数の基板を処理槽に貯留された処理液に浸漬し、洗浄処理を行う基板処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。この基板処理装置においては、処理槽内で基板の表面が薬液および純水により洗浄処理される。洗浄処理の施された基板は処理槽内から引き上げられる。
洗浄処理後の基板に純水が付着していると、基板にパーティクルが付着し易くなる。また、基板に付着した純水が自然乾燥すると、基板にウォーターマークが形成される。したがって、特許文献1の基板処理装置においては、基板の処理槽内からの引き上げ時に乾燥処理が行われている。乾燥処理は、次のように行われる。
図7は、特許文献1の基板処理装置による基板の乾燥処理を説明するための図である。図7(a)に示すように、洗浄処理終了時において、基板Wは純水L1の満たされた処理槽562内に存在する。
その後、図7(b)に示すように、基板Wはリフタ563とともに上昇を開始する。それにより、基板Wは純水L1から外部雰囲気中に徐々に露出していく。
そこで、基板Wと純水L1の液面TL1との相対移動と並行して、窒素ガスFGが窒素ガス噴射部565から液面TL1の直上で露出する基板Wの表面に対して連続的に噴射される。窒素ガスFGは、処理槽562に貯留された純水L1の液面TL1の直上を通過し、窒素ガス排気部568から排気される。
窒素ガスFGが基板Wに吹き付けられることにより、露出する基板Wに付着した純水L1が吹き飛ばされる。また、窒素ガスFGにより発生する気流は、液面TL1近傍の雰囲気の湿度を低下させるので、基板Wに付着する純水L1の蒸発が促進される。
上記のように乾燥処理が行われることにより、基板Wが処理槽562から完全に引き上げられる際には基板Wの全面が乾燥する。
特開平11−354488号公報
ここで、上記の特許文献1の基板処理装置においては、乾燥処理時に窒素ガスFGが純水L1の液面TL1の直上を通過する。これにより、液面TL1の純水L1が、気流により窒素ガス噴射部565側から窒素ガス排気部568側に押し流される。それにより、その液面TL1に波立ちが発生する場合がある。このように、液面TL1に波立ちが発生すると、処理液の飛沫が乾燥中の基板Wに付着し、基板にウォータマーク等の乾燥欠陥が生じる。
本発明の目的は、基板に乾燥欠陥が生じることを十分に防止することができる基板処理装置を提供することである。
(1)本発明に係る基板処理装置は、基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、処理液を貯留する処理槽と、処理槽内の処理液中と処理槽の上方位置との間で基板を昇降させる基板昇降機構と、処理槽の上端に沿って、処理槽の一側方から他側方へ気体を供給して、基板昇降機構により処理槽から引き上げられる基板に気体を供給する気体供給部と、処理槽に処理液を供給する処理液供給部とを備え、処理槽は、処理液を貯留するとともに基板を収容可能な内槽と、内槽の周囲を取囲むように設けられ、内槽から溢れる処理液が流入する外槽とを備え、処理槽の他側方に位置する外槽の側壁の少なくとも一部の上端は、他の部分の上端よりも低くかつ内槽の側壁の上端よりも高く形成され、処理液供給部は、基板が基板昇降機構により処理槽から引き上げられる際に、内槽から外槽に流入する処理液がさらに外槽から溢れ出るように内槽に処理液を供給するものである。
この基板処理装置においては、処理槽に処理液が貯留され、基板昇降機構により処理槽内の処理液中と処理槽の上方位置との間で基板が昇降される。
基板が基板昇降機構により処理槽から引き上げられる際には、処理液供給部により内槽から外槽に流入する処理液がさらに外槽から溢れ出るように内槽に処理液が供給される。
このとき、気体供給部により処理槽の上端に沿って、処理槽の一側方から他側方へ気体が供給される。それにより、処理槽内の処理液中から引き上げられる基板の表面が乾燥する。そして、気体の供給により発生する気流は、処理槽に貯留された処理液の表面の処理液を処理槽の一側方から他側方に押し流す。
ここで、処理槽の他側方に位置する外槽の側壁の少なくとも一部の上端は、他の部分の上端よりも低くかつ内槽の側壁の上端よりも高く形成されている。これにより、気流により押し流される処理液は、外槽の側壁の少なくとも一部の上端から溢れて円滑に流れ出る。それにより、気流に起因して処理液の表面に発生する波立ちが低減される。
その結果、処理液の飛沫が乾燥中の基板に付着することが防止され、基板に乾燥痕等の乾燥欠陥が生じることが十分に防止される。
(2)処理槽は、外槽の少なくとも一部の上端から溢れる処理液が流入する補助槽をさらに備えてもよい。
この場合、外槽の少なくとも一部の上端から溢れる処理液が補助槽に流入する。これにより、処理液を効率的に回収することができる。
(3)外槽の少なくとも一部の上端は、他の部分の上端よりも5mm以上10mm以下の範囲で低く形成されてもよい。これにより、処理液の表面に発生する波立ちがより十分に低減される。
(4)気体供給部は、処理槽の一側方に配置され、処理槽の上端に沿って一側方から他側方へ気体を供給する気体流出口を有する気体供給ダクトと、気体供給ダクトに気体を供給する気体供給系とを備え、外槽の他の部分の上端から気体供給ダクトの気体流出口の下端までの高さが3mmよりも大きく10mm以下となるように、気体流出口が配置されてもよい。
この場合、気体供給系から気体供給ダクトに気体が供給され、気体供給ダクトの気体流出口から処理槽の上端に沿って、処理槽の一側方から他側方へ気体が供給される。
ここで、外槽の他の部分の上端から気体供給ダクトの気体流出口の下端までの高さが3mmよりも大きく10mm以下となるように、気体流出口が配置されている。これにより、気体流出口からの気流が処理槽の一側方側で処理液の表面に接触することが防止される。その結果、処理液の表面に発生する波立ちがより十分に低減される。
(5)基板処理装置は、処理槽の他側方に配置され、処理槽上の雰囲気を排出するための気体排出部をさらに備えてもよい。
この場合、処理槽の一方側に配置された気体供給部から処理槽の他方側に配置された気体排出部へ円滑に気体が流れ、処理槽上の空間における乱流の発生が防止される。これにより、基板をより均一かつより効率的に乾燥させることができる。
本発明によれば、基板に乾燥欠陥が生じることを十分に防止することができる。
本発明の一実施の形態に係る基板処理装置について説明する。以下の説明において、基板とは、半導体ウェハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等をいう。
(1)基板処理装置の構成および動作
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す模式的断面図である。図1に示すように、本実施の形態に係る基板処理装置100は、処理槽4、ダウンフローダクト20、基板移動機構30、処理液ミキシング装置50、ドライエア発生装置60、制御部70およびファンフィルタユニットFFUを備える。
ダウンフローダクト20の上方にファンフィルタユニットFFUが配置されている。ファンフィルタユニットFFUは、ファンおよびフィルタを備える。ファンフィルタユニットFFUのファンが動作することにより、ダウンフローダクト20内に清浄な下降気流(ダウンフロー)が発生する。
ダウンフローダクト20内の下部に処理槽4が設けられている。処理槽4は複数の基板Wを収納可能な内槽40、内槽40の上部外周を取囲むように設けられた外槽43、および外槽43の外側に設けられた補助槽45により形成されている。内槽40は略直方体形状を有する。
内槽40の底部には、内槽40内に処理液を供給するための処理液供給管41および内槽40内の処理液を排出するための処理液排出管42が接続されている。本実施の形態において、内槽40内では基板Wの洗浄処理が行われる。洗浄処理時に内槽40内に供給される処理液は、洗浄液またはリンス液である。
すなわち、内槽40内に洗浄液を供給し、洗浄液の貯留された内槽40内に基板Wを浸漬することにより、基板Wの表面を洗浄する。その後、内槽40内の洗浄液をリンス液に置換する。
洗浄液としては、BHF(バッファードフッ酸)、DHF(希フッ酸)、フッ酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸またはアンモニア等の薬液が用いられる。リンス液としては、純水、炭酸水、水素水、電解イオン水等が用いられる。
処理液供給管41の上流端が処理液ミキシング装置50に接続されている。処理液ミキシング装置50には、例えば薬液および純水が供給されている。処理液ミキシング装置50は、供給される薬液および純水を所定の割合で混合することができる。したがって、処理液ミキシング装置50は、薬液、純水またはそれらの混合液を洗浄液またはリンス液として処理液供給管41を介して内槽40内に供給する。本実施の形態では、洗浄液として薬液と純水との混合液を用い、リンス液として純水を用いる。
外槽43の底部には、内槽40の上部から溢れ出し(オーバーフロー)、外槽43内に流れ込む処理液を排出するための処理液排出管44が接続されている。
本実施の形態においては、後述する基板Wの乾燥処理時に、補助槽45により覆われる外槽43の上端の一部から処理液が溢れ出す。そして、その処理液は、補助槽45内に流れ込む。補助槽45の底部には、外槽43の一部から補助槽45に流れ込む処理液を排出するための処理液排出管46が接続されている。詳細は後述する。
内槽40の上方位置に基板移動機構30が設けられている。基板移動機構30は複数の基板Wを保持する保持部33を上下方向に移動させる。
ダウンフローダクト20の上部には、搬送エリアTEが設けられている。搬送エリアTEは、基板Wを保持する保持部33と図示しない搬送機構との間で基板Wの受け渡しを行う際に用いられる。
搬送エリアTEを取囲むダウンフローダクト20の部分において、対向する2つの側面にはそれぞれ開口20hが形成されている。2つの開口20hの近傍には、それぞれ開口20hを開閉可能なシャッタSHおよびシャッタ駆動部SDが設けられている。シャッタ駆動部SDは、シャッタSHを駆動することによりダウンフローダクト20の開口20hの開閉を行う。
例えば、シャッタSHが開くことにより、洗浄処理前の基板Wを保持する搬送機構(図示せず)がダウンフローダクト20内に搬入され、保持部33に基板Wが受け渡される。また、洗浄処理後の基板Wを保持部33から受け渡された搬送機構(図示せず)がダウンフローダクト20内から、ダウンフローダクト20外に搬出される。
処理槽4の上端部近傍に位置するダウンフローダクト20の部分において、対向する2つの側面にはそれぞれドライエア供給ダクト62およびドライエア排気ダクト63が取り付けられている。ドライエア供給ダクト62は配管61を介してドライエア発生装置60と接続されている。
ドライエア発生装置60により発生されたドライエアDFが、配管61を通じてドライエア供給ダクト62に送られる。それにより、内槽40から引き上げられる基板WにドライエアDFが吹き付けられ、基板Wの乾燥処理が行われる。基板WにドライエアDFが吹き付けられることにより、基板W周辺の雰囲気がドライエア排気ダクト63から排気される。
本実施の形態において、ドライエアDFとは、極めて露点の低い気体をいう。ドライエア供給ダクト62からダウンフローダクト20内に供給されるドライエアDFの露点は、例えば約−70℃である。
図1に示すように、制御部70は基板移動機構30、処理液ミキシング装置50、ドライエア発生装置60、シャッタ駆動部SDおよびファンフィルタユニットFFUと接続されている。制御部70がこれら構成部の動作を制御することにより、ダウンフローダクト20内のダウンフロー、基板処理装置100に対する基板Wの搬入搬出動作、基板Wの洗浄処理および基板Wの乾燥処理が制御される。
例えば、制御部70はファンフィルタユニットFFUを制御することにより、ダウンフローダクト20内にダウンフローを発生させる。
制御部70は基板移動機構30を制御することにより、洗浄処理の開始時に基板Wを保持する保持部33を内槽40内に移動させる。この状態で、制御部70は処理液ミキシング装置50を制御することにより、薬液と純水との混合液を洗浄液として内槽40内に供給する。これにより、基板Wが内槽40内で洗浄液に浸漬され、基板Wの表面が洗浄される。
その後、制御部70は処理液ミキシング装置50を制御することにより、純水をリンス液として内槽40内に供給し、内槽40内の洗浄液を純水に置換する。これにより、基板Wが内槽40内で純水に浸漬される。それにより、基板Wの洗浄処理が完了する。
制御部70は基板移動機構30を制御することにより、洗浄処理が完了した基板Wを内槽40の上方へ引き上げる。そこで、制御部70はドライエア発生装置60を制御することにより、引き上げられた基板WにドライエアDFを供給する。これにより、基板Wに付着した純水がドライエアDFにより置換され、基板Wの表面が乾燥される(乾燥処理)。
なお、乾燥処理時以外において、制御部70はドライエア発生装置60を制御することにより、ダウンフローダクト20内へのドライエアDFの供給量を低減している(スローリーク)。
基板Wを内槽40から引き上げる直前(乾燥処理直前)において、制御部70は、処理液ミキシング装置50を制御することにより、一時的に内槽40へ供給する純水の量を増加させる。これにより、内槽40の上端から外槽43に流れ出る純水の量が増加する。
このとき外槽43に流れ込む純水の一部は、処理液排出管44から排出される。さらに、外槽43に流れ込む純水のうち処理液排出管44から排出しきれない純水は、外槽43の上端からさらに補助槽45に流れ出る。補助槽45に流れ出た純水は、処理液排出管46から排出される。これにより、処理槽4における純水の液面の高さが変化する(液面制御)。
このように、制御部70は、乾燥処理の直前に、内槽40へ供給する純水の量を増加させることにより、内槽40のみならず外槽43から補助槽45へ純水を溢れさせる。そして、制御部70は、外槽43から純水が溢れることにより、外槽43から一定量の純水が補助槽45へ流れ出るように、内槽40に供給する純水の量を調整する。この状態で、基板Wが内槽40から引き上げられ、乾燥処理時が行われる。詳細は後述する。
処理液供給管41および処理液排出管42,44には、それぞれ図示しないバルブが設けられている。制御部70はこれらのバルブの開閉動作も制御する。これにより、処理槽4内の処理液の供給系および排出系の開閉動作が、制御部70により制御される。
(2)処理槽の構造の詳細
図2は図1の処理槽4の外観斜視図であり、図3は図2の処理槽4の上面図であり、図4は図3のK−K線断面図である。図2〜図4においては、図1のドライエア供給ダクト62、ドライエア排気ダクト63および処理槽4が図示されている。
図2の太線で示すように、処理槽4の上部においては、内槽40の上端部近傍を取り囲むように、外槽43が設けられている。図3に示すように、外槽43は、内槽40の4つの側壁にそれぞれ沿うように配置された第1の側壁43a、第2の側壁43b、第3の側壁43cおよび第4の側壁43dを有する。
本例では、第1の側壁43aがドライエア供給ダクト62側に位置し、第3の側壁43cがドライエア排気ダクト63側に位置する。
これらの側壁43a〜43dの上端は、それぞれ内槽40の側壁の上端よりも高くなるように形成されている。さらに、図4に示すように、第1〜第4の側壁43a〜43dのうち、ドライエア排気ダクト63側に位置する第3の側壁43cの上端は、他の側壁43a,43b,43dの上端よりも低くなるようにかつ内槽40の側壁の上端40Tよりも高くなるように形成されている。
第3の側壁43cの上端と、他の側壁43a,43b,43dの上端との高さの差dh1は、例えば約5mm以上約10mm以下の範囲内であることが好ましい。
また、外槽43の第1、第2および第4の側壁43a,43b,43dの上端は、ドライエア供給ダクト62の下端よりも低く形成される。これらの側壁43a,43b,43dの上端と、ドライエア供給ダクト62の下端との高さの差dh2は、例えば約3mm以上約10mm以下の範囲内であることが好ましい。
第3の側壁43cの外側、すなわちドライエア排気ダクト63側に、補助槽45が設けられている。補助槽45は、第3の側壁43cに沿うように形成された側壁45aを有する。図4に示すように、この側壁45aの上端は、第1、第2および第4の側壁43a,43b,43dの上端の高さと等しくなるように形成されている。
図2および図3には、内槽40の内部に収容される複数の基板Wとそれらの基板Wを保持する保持部33が図示されている。また、図3には、外槽43におけるドライエア供給ダクト62側の底部に設けられる処理液排出口44X、補助槽45の底部に設けられる処理液排出口45X、およびダウンフローダクト20に形成される開口部20Mが図示されている。
(3)洗浄処理時および乾燥処理時における液面制御の詳細
図5および図6は、洗浄処理時および乾燥処理時に処理槽4に貯留される処理液の液面制御を説明するための図である。
図5(a)に、洗浄処理時の処理液の液面状態が示されている。洗浄処理時には、上述のように、内槽40内に処理液としての洗浄液(例えば薬液と純水との混合液)およびリンス液(例えば純水)がこの順で図1の処理液ミキシング装置50から供給される。
ここで、処理液ミキシング装置50は、洗浄処理時に内槽40内に貯留される処理液が、内槽40からわずかに溢れるように処理液の供給量を調整する。その結果、図5(a)に示すように、洗浄処理時には、処理液の液面LSが、内槽40の側壁の上端40Tよりもわずかに高くなるように維持される。
なお、このとき、ドライエア供給ダクト62からは、スローリークによる微量のドライエアDFが処理槽4上の空間に供給されている(図5(a)破線参照)。
図5(b)に、乾燥処理直前の処理液の液面状態が示されている。乾燥処理直前には、上述のように、処理液ミキシング装置50から内槽40内への処理液の供給量が増加する。
これにより、内槽40の上端から外槽43に流れ出る処理液の量が増加すると、図1の処理液排出管44から排出しきれない処理液が、外槽43内に滞留する。その結果、図5(b)に示すように、処理液の液面LSが外槽43内で徐々に上昇する。
そして、図6(c)に示すように、処理液の液面LSが、外槽43の第3の側壁43cの上端に達した後、外槽43の第3の側壁43cの上端よりもわずかに高くなると、外槽43内の処理液が第3の側壁43cの上端から補助槽45内に流れ出る。
処理液ミキシング装置50は、処理液の液面LSが第3の側壁43cの上端よりもわずかに高くなる状態で維持されるように、内槽40への処理液の供給量を調整する。
なお、上述のように、外槽43の第1、第2および第4の側壁43a,43b,43dの上端は、いずれも第3の側壁43cの上端よりも高い。したがって、外槽43から溢れる処理液が、補助槽45以外の場所に流れ出ることが防止されている。
図6(d)に、乾燥処理時の処理液の液面状態が示されている。乾燥処理時には、ドライエア供給ダクト62から処理槽4の上端に沿って供給されるドライエアDFの供給量が増加する。そして、複数の基板Wが内槽40内から引き上げられる。これにより、処理液の液面LSから露出する基板Wの部分にドライエアDFが吹き付けられ、基板Wの表面が迅速に乾燥する。
この乾燥処理時において、ドライエアDFの供給により発生する気流は、液面LSを形成する処理液を、処理槽4のドライエア供給ダクト62側からドライエア排気ダクト63側に押し流す。
それにより、処理槽4に貯留される処理液の液面LSでは、ドライエア供給ダクト62側からドライエア排気ダクト63側に処理液の流れが発生する。
ここで、外槽43のドライエア排気ダクト63側に位置する第3の側壁43cの上端からは、処理液が継続して補助槽45に流れ出る。それにより、気流に起因して処理液の液面LSに発生する波立ちが低減される。
その結果、処理液の飛沫が乾燥中の基板Wに付着することが防止され、基板Wにウォータマーク等の乾燥欠陥が生じることが十分に防止される。
上述のように、本実施の形態において、外槽43の第1、第2および第4の側壁43a,43b,43dの上端は、ドライエア供給ダクト62の下端よりも低く形成される。
この場合、ドライエアDFの供給により発生する気流が、処理槽4のドライエア供給ダクト62側で処理液の液面LSに接触することが防止される。これにより、処理液の液面LSの波立ちがより十分に低減される。
本実施の形態に係る基板処理装置100には、処理槽4上の空間の雰囲気を排気するドライエア排気ダクト63が設けられている。これにより、基板Wの乾燥処理時には、ドライエア供給ダクト62からドライエア排気ダクト63に円滑な気流が形成される。それにより、処理槽4上の空間における乱流の発生が防止される。その結果、基板Wをより均一かつより効率的に乾燥させることができる。
本実施の形態において、乾燥処理時に基板Wに供給されるドライエアDFの流速は、例えば約6m/s以上約7m/s以下に設定される。
また、本実施の形態では、乾燥処理は基板WにドライエアDFを供給することにより行われているが、基板Wに供給する気体はドライエアDFに限られない。ドライエアDFに代えて、例えばIPA(イソプロピルアルコール)蒸気を用いてもよいし、低温のN(窒素)ガスを用いてもよい。
(4) 請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、基板移動機構30が基板昇降機構の例であり、ドライエア発生装置60、配管61およびドライエア供給ダクト62が気体供給部の例であり、処理液ミキシング装置50および制御部70が処理液供給部の例である。
また、第1の側壁43a、第2の側壁43b、第3の側壁43cおよび第4の側壁43dが外槽の側壁の例であり、第3の側壁43cの上端が外槽の側壁の少なくとも一部の上端の例であり、ドライエア発生装置60および配管61が気体供給系の例であり、ドライエア排気ダクト63が気体排出部の例である。
なお、請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明に係る基板処理装置は、半導体ウェハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等の基板の製造に有効に利用できる。
本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す模式的断面図である。 図1の処理槽4の外観斜視図である。 図2の処理槽4の上面図である。 図3のK−K線断面図である。 洗浄処理時および乾燥処理時に処理槽に貯留される処理液の液面制御を説明するための図である。 洗浄処理時および乾燥処理時に処理槽に貯留される処理液の液面制御を説明するための図である。 特許文献1の基板処理装置による基板の乾燥処理を説明するための図である。
符号の説明
4 処理槽
30 基板移動機構
40 内槽
40T 内槽の側壁の上端
43 外槽
43a 第1の側壁
43b 第2の側壁
43c 第3の側壁
43d 第4の側壁
45 補助槽
50 処理液ミキシング装置
60 ドライエア発生装置
61 配管
62 ドライエア供給ダクト
63 ドライエア排気ダクト
70 制御部
100 基板処理装置
W 基板

Claims (5)

  1. 基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、
    処理液を貯留する処理槽と、
    前記処理槽内の前記処理液中と前記処理槽の上方位置との間で基板を昇降させる基板昇降機構と、
    前記処理槽の上端に沿って、前記処理槽の一側方から他側方へ気体を供給して、前記基板昇降機構により前記処理槽から引き上げられる基板に気体を供給する気体供給部と、
    前記処理槽に処理液を供給する処理液供給部とを備え、
    前記処理槽は、
    前記処理液を貯留するとともに基板を収容可能な内槽と、
    前記内槽の周囲を取囲むように設けられ、前記内槽から溢れる処理液が流入する外槽とを備え、
    前記処理槽の前記他側方に位置する前記外槽の側壁の少なくとも一部の上端は、他の部分の上端よりも低くかつ前記内槽の側壁の上端よりも高く形成され、
    前記処理液供給部は、基板が前記基板昇降機構により前記処理槽から引き上げられる際に、前記内槽から前記外槽に流入する処理液がさらに前記外槽から溢れ出るように前記内槽に処理液を供給することを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記処理槽は、前記外槽の前記少なくとも一部の上端から溢れる処理液が流入する補助槽をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記外槽の前記少なくとも一部の上端は、前記他の部分の上端よりも5mm以上10mm以下の範囲で低く形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 前記気体供給部は、
    前記処理槽の前記一側方に配置され、前記処理槽の上端に沿って前記一側方から前記他側方へ気体を供給する気体流出口を有する気体供給ダクトと、
    前記気体供給ダクトに気体を供給する気体供給系とを備え、
    前記外槽の前記他の部分の上端から前記気体供給ダクトの前記気体流出口の下端までの高さが3mmよりも大きく10mm以下となるように、前記気体流出口が配置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 前記処理槽の前記他側方に配置され、前記処理槽上の雰囲気を排出するための気体排出部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
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