JP2008251344A - プラズマディスプレイ用背面板 - Google Patents

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Abstract

【課題】隔壁の損壊による放電セルの不灯、異常点灯が抑制された高性能なディスプレイを提供すること。
【解決手段】ガラス基板上に、略ストライプ状の電極、該電極を覆う、ガラスを主成分とする誘電体層、および該誘電体層上に位置し、ガラスを主成分とする隔壁を有するプラズマディスプレイ用背面板であって、該隔壁の頂部を構成する材料の熱膨張係数をαL1(/K)、該隔壁の底部を構成する材料の熱膨張係数をαL2(/K)としたときに、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ用背面板とする。
60×10−7<αL1<αL2<90×10−7(1)
3×10−7<αL2−αL1<20×10−7(2)
【選択図】図4

Description

本発明はプラズマディスプレ用背面板に関する。
プラズマディスプレイは前面ガラス基板と背面ガラス基板との間に設けられた隔壁で仕切られた放電空間内で対向するアノード電極およびカソード電極間にプラズマ放電を生じさせ、この空間内に封入されているガスから発生する紫外線を放電空間内に塗布された蛍光体に当てることで表示を行う。
図1はプラズマディスプレイの一例の構造を模式的に示した断面図、図2はプラズマディスプレイの一例の構造を模式的に示した斜視断面図である。プラズマディスプレイの基本的な構造を、図1および図2を用いて説明する。この図に示すプラズマディスプレイはマトリクス表示方式放電構造のプラズマディスプレイであって、前面基板10と背面基板20の2枚のガラス基板が、所定の距離を隔てて対面している。これら2枚の基板はそれぞれ長方形をしていて、図示はしないが、各基板の縁辺に配置された額縁状の封止枠を挟んで向い合っている。そして、前面基板10と上記封止枠との間及び、背面基板20と封止枠との間はそれぞれ気密的に融着(封着)されていて、両基板の間が中空の放電空間30となっている。放電空間の内部には、例えばNeとXeとを混合したもののような、放電用のガスが封入されている。
尚、完成した後のプラズマディスプレイでは、前面基板10と背面基板20とは、背面基板上に形成されている隔壁24の上面が前面基板10に接していて、ほぼ隔壁の高さに等しい距離を保って対面しているのであるが、図2には、理解を容易にするために、両基板が離れた状態、つまり2つの基板を封着する前の状態を描いてある。
前面基板10の内面(放電空間側の面)には、ストライプ状の表示電極12が複数本、紙面左右方向に並行して走っていて、その表示電極12の表面を透明な誘電体層13が覆っている。尚、表示電極は隣りどうしの2本で一対となって、1走査線をなしている。
対する背面基板20には、その内面に、やはりストライプ状のアドレス電極22が複数本、前面基板10側の表示電極12と直交する方向に並走している。アドレス電極22の上には誘電体層23が全面に形成されており、更にその誘電体層23の上の、それぞれのアドレス電極22どうしの間の位置に、これもストライプ状の隔壁24がそれぞれ1本ずつ、アドレス電極22に略平行に設けられている。そして、誘電体層23の上には、各隔壁24の側面上も含めて、蛍光体膜25が形成されている。この蛍光体膜25は可視光発光のためのもので、カラー表示のプラズマディスプレイであれば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の蛍光体膜25が交互に規則的に形成されている。
図1、2に示すプラズマディスプレイにおいて、前面基板10から一走査線(一対の表示電極12)を選択し、また背面基板からも1つのアドレス(アドレス電極22)を選んで、表示電極12とアドレス電極22との間に電圧を印加すると、選択した電極どうしの交点の画素(放電セル)では、先ず表示電極12とアドレス電極22との間に放電が生じ、それが、一対の表示電極12どうしの間の面放電に移行し、その表示電極12間の放電で生じる紫外線によって蛍光体膜25が励起され発光する。
ここで、上述の隔壁24は、各アドレス電極22どうしの間を仕切って、隣り合うアドレスの放電セルの間で誤放電やクロストークが生じないようにするために設けられる。従って、どの隔壁24も確実に前面基板10に接触していて、隣り合うアドレスの放電セル間のガスの流通を遮断し、電気的にも両隣の放電セルどうしの間を絶縁していなければならない。
隔壁は一般に有機バインダーを主成分とする有機物とガラスを主成分とする無機物の混合物からなるペーストをガラス基板状に塗布し、サンドブラスト法やフォトリソグラフィー法等によりパターン加工後、焼成することによって形成することが多いが、前面基板に存在する大きな突起が隔壁と接触したり、背面基板に反りが発生して隔壁の一部に応力が集中するような状態が起こりやすく、封着時や衝撃が加わったときに隔壁が損壊し、不灯セルや異常点灯セルを発生させることがあった。これらの隔壁の損壊による不灯セルや異常点灯セルの発生を防止するための方法として、特許文献1に示される方法がある。この方法は隔壁上層、隔壁下層共にガラスフリットを含むペースト状材料を焼成することにより形成されるのであるが、圧縮破壊強度は隔壁上層が隔壁下層に比べ弱くなるように設定されている。
ここで、例えば前面基板の放電空間側の面に凹凸があったり、異物が前面基板と隔壁の上面との間、すなわち隔壁上層と前面基板との間に挟まれたりすると、前面基板の凸部や異物の部分では隔壁上層が圧力で細粒化し、凸部や異物の形状を吸収するので、隔壁の大きな損壊が起りにくくなる。特許文献1記載の方法では、隔壁上層の圧縮破壊強度を隔壁下層の圧縮破壊強度より小さくするに、ガラスフリットの焼結状態と圧縮破壊強度との関係を利用する。すなわち、隔壁下層には軟化点の低いガラスフリットを含むガラスペーストを用い、隔壁上層には軟化点の高いガラスフリットを含むガラスベーストを用い、背面基板上に先ず隔壁上層のパターンを形成し(この時点では、焼成はしない)、次いで、その隔壁下層のパターンの上に隔壁上層のパターンを重ねて形成した後、隔壁下層のガラスフリットの軟化点より高く隔壁上層のガラスフリットの軟化点より低い温度で、隔壁下層と隔壁上層とを同時に焼成する。こうすれば、隔壁下層は全焼結状態に焼成されて高い圧縮破壊強度をもち、隔壁上層は半焼結状態に焼成されて低い圧縮破壊強度を示すようになる。しかしながら、この場合でも隔壁の損壊を根絶することは困難であり、逆に隔壁の損壊が生じた場合には、その欠損部分が大きくなるという問題があった。
この他に、隔壁の気孔率を規定して隔壁強度を向上させたり(特許文献2参照)、隔壁頂部のラフネスを規定することで隔壁上部の凸部に発生する応力集中を低減したり(特許文献3参照)することが提案されている。しかしながら、特許文献2および3の方法では、前面基板に生じた異常突起が隔壁に応力集中を生じさせ隔壁の損壊により起こる不灯セルや異常点灯セルの発生対策としては効果的でなかった。応力集中が起こったとき、封着時やパネルの落下等によって生じる強い衝撃に隔壁は耐えきれないことが多いからである。
特開2000−149772号公報 特開平10−134723号公報 特開2003−234072号公報
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に着目し、高性能なディスプレイ部材およびディスプレイを実現提供することにある。具体的には、隔壁の損壊による放電セルの不灯、異常点灯が抑制された高性能なディスプレイを提供することを課題とする。
上記問題を解決するため、本発明は、ガラス基板上に、略ストライプ状の電極、該電極を覆うガラスを主成分とする誘電体層、および該誘電体層上に位置し、ガラスを主成分とする隔壁を有するプラズマディスプレイ用背面板であって、該隔壁の頂部を構成する材料の熱膨張係数をαL1(/K)、該隔壁の底部を構成する材料の熱膨張係数をαL2(/K)としたときに、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ用部材。
60×10−7<αL1<αL2<90×10−7(1)
3×10−7<αL2−αL1<20×10−7(2)
封着時やディスプレイパネルに衝撃等が加わる際に発生する隔壁の損壊による放電セルの不灯、異常点灯が抑制された高性能なディスプレイを実現することができる。
発明者らは、ディスプレイパネルに衝撃等が加わる際に発生する隔壁の損壊による放電セルの不灯、異常点灯が抑制された高性能なディスプレイが得られるプラズマディスプレイ用背面板について鋭意検討を行った結果、以下に述べる構造を有した隔壁によって達成されることを見出した。以下に、ディスプレイとしてAC型プラズマディスプレイを例に説明するが、本発明はこれに限定されるわけではなく他のディスプレイにも適用可能なものである。
すなわち、本発明は隔壁がガラス基板上に、略ストライプ状の電極、該電極を覆う、ガラスを主成分とする誘電体層、および該誘電体層上に位置し、ガラスを主成分とする隔壁を有するプラズマディスプレイ用背面板であって、該隔壁の頂部を構成する材料の熱膨張係数をαL1(/K)、該隔壁の底部を構成する材料の熱膨張係数をαL2(/K)としたときに、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ部材であることが重要である。
60×10−7<αL1<αL2<90×10−7(1)
3×10−7<αL2−αL1<20×10−7(2)
隔壁の損壊は、前面基板に生じた異常突起による隔壁への応力集中や、ディスプレイパネルに加わる振動、衝撃等に対して、隔壁の強度が低い場合に発生する。
ガラスは従来、圧縮の応力には強く、一方引っ張りの応力には弱いことが知られている。このことから本発明の表示パネルは、前面基板と接触する隔壁の頂部が引っ張りの状態にならないようにするために、表面にあらかじめ圧縮の応力を付加した状態にあるガラスからなるようにするものである。ガラスの表面に圧縮の応力を付加する具体的な方法としては、一般的にはいったん加熱した部材の表面を急冷する方法(風冷強化)や、イオン交換するなど化学的に圧縮応力を付加する方法などがあるが、本発明は、圧縮させたい層(隔壁頂部)の膨張係数に対し、該層と密着する層の熱膨張係数を大きくし、一度両層を軟化させた状態から冷却することにより、隔壁の頂部に圧縮の応力をかけることができる。
図3(a)、図3(b)に前面基板上に存在する突起との接触部分で隔壁が損壊する状態を表した模式図を示す。例えば、隔壁を1種類の材料を用いて設け、誘電体層に用いる材料の熱膨張係数を隔壁に用いる材料の熱膨張係数よりも大きくすることによって隔壁に圧縮応力を持たせ、隔壁の強度を向上させることもできるが、隔壁に大きな衝撃が閾値を超えて隔壁が破砕した場合には、隔壁全体が均一であるため、損壊が伝播しやすく、図3(a)に示すように大きな損壊となるため好ましくない。同様に、上述の特許文献2のように隔壁の空隙率を低下させることによって隔壁強度を向上させた場合も、隔壁強度は向上することができるが、一方で脆性は逆に大きくなるために隔壁に加わる衝撃等が閾値を超えると大きく損壊してしまう。そこで、本発明においては、隔壁全体に圧縮応力をかけるのではなく、図4に示すように、隔壁頂部26を構成する材料の熱膨張係数を隔壁底部27を構成する材料の熱膨張係数よりも小さくすることによって、隔壁頂部のみに圧縮応力を持たせて全面基板と接触する隔壁頂部の強度を高め、かつ、ディスプレイパネルに振動、衝撃等が加わり隔壁が損壊した場合も、隔壁が損壊する部分を微小化することができる。本発明のように隔壁の頂部と底部を構成する材料の熱膨張係数が異なる隔壁とすると、隔壁の頂部と底部の衝撃伝播特性に差が生じるため、図3(b)に示すように隔壁に加わる衝撃等が閾値を超えて隔壁が損壊した場合でも、損壊の伝播を頂部で止めることができ、大きな損壊にはつながりにくい。そのため、前面基板に存在する大きな突起によって隔壁に応力集中が発生し、衝撃等によって隔壁が損壊しても、応力集中が起こった部位の隔壁頂部でごく微小に損壊するが、隔壁自体が大きく損壊するようなケースは起こりにくくなり、不灯セルや異常点灯セルは発生しにくくなる。
αL2−αL1が20×10−7(/K)を超えると、隔壁頂部への圧縮応力が大きくなり過ぎ、脆性が大きくなり、また、隔壁頂部と隔壁底部の界面に過度な応力が加わるため界面の接合が弱くなり隔壁頂部の損壊が起こりやすくなるため好ましくない。また、αL2−αL1が3×10−7より小さくなると、隔壁頂部に十分な圧縮応力を与えることが出来ず、所望の効果を得ることができない。より好ましくは3×10−7<αL2−αL1<15×10−7である。
隔壁頂部と隔壁底部の熱膨張係数の差を3×10−7<αL2−αL1<15×10−7とすることで、特に隔壁頂部に十分な圧縮応力をかけることができ、隔壁にかかる振動、衝撃に対する耐性を効果的にすることができる。
本発明における熱膨張係数の定義は次のとおりである。すなわち、50℃から400℃までのガラスの長さ寸法がlからlになったときに熱膨張係数αは、次のように定義される。
l=l{1+α×(400−50)}
すなわち、α={(l−l0)/l}/(400−50)
膨張係数の測定には、測定プローブとして半導体レーザを使用した線熱膨張率測定装置(望遠測微方式)を使用することができる。レーザ光を試料の測定方向に対して一定速度で走査し、試料によってレーザ光が遮られている時間を計測し、走査速度をもとに試料長さに換算する。また、試料は加熱炉中にセットされ、長さ測定中に設定温度まで適当なプログラムによって昇降温することにより、任意の温度間での試料長さ変化を計測し、熱膨張係数を測定することができる。
また、本発明において隔壁頂部とは、隔壁の高さを100%とすると隔壁の上部5%の部分を指すが、隔壁の上部5〜25%を同じ材料で形成することが好ましい。25%を超えると、隔壁に加わる衝撃等が閾値を超えて隔壁が破砕した場合、大きな損壊が起こる場合があるため好ましくない。
また、5%より小さいと隔壁頂部に所望の効果を得ることができない。
一方、隔壁底部の材料の熱膨張係数は隔壁の高さを100%とすると隔壁底部5%の部分を構成する材料の熱膨張係数を測定することによって求めることができる。また、隔壁の下部5〜95%を同じ材料で形成することが好ましい。
また、誘電体を構成する材料の熱膨張係数をαLu(/K)とした場合、下記式(3)および(4)を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ部材であることが好ましい。
60×10−7<αL1<αL2<αLu<90×10−7(3)
4×10−7<α−αL1<20×10−7(4)
上記式(3)および(4)を満たすことによって、隔壁頂部に係る圧縮応力を適度な範囲とすることができ、隔壁の大きな損壊が特に起こりにくいプラズマディスプレイ用背面板を得ることができる
α−αL1が15×10−7を超えると隔壁頂部への圧縮応力が大きくなり過ぎ、脆性が逆に大きくなる場合があり、隔壁に加わる衝撃等が閾値を超えて隔壁が破砕した場合、隔壁頂部の損壊が大きくなることがあるため好ましくない。
また、α−αL1が4×10−7より小さいと隔壁頂部に十分な圧縮応力を与えることが出来ず所望の効果を得ることができない場合がある。
さらに、ガラス基板の熱膨張係数をα(/K)とした場合、下記式(5)および(6)を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ部材であることが好ましい。
65×10−7<α<α<105×10−7(5)
4×10−7<α−α<15×10−7(6)
α−αが15×10−7を超えると、隔壁および誘電体の形成面側に基板がそるような応力がかかり、4×10−7未満では隔壁および誘電体のない面側に基板がそるような応力がかかり、不灯セルや異常点灯セルが発生する原因となる場合がある。
上記式(6)の範囲とすることでガラス基板に誘電体および隔壁を形成した基板のそりを制御し、前面ガラス基板との封着の際、両基板間全面にわたって均一な間隔で封着することが可能となる。
また、ディスプレイパネルに振動、衝撃等が加わる際に発生する隔壁の損壊抑制効果の確認方法について以下に述べる。例えば株式会社島津製作所製微小圧縮試験機(MCTM−500)を用いることができる。ダイヤモンド三角錐圧子(稜間隔115°)を隔壁線幅の中央部に当て負荷速度、最大荷重を指定して得られる荷重−変位曲線から、負荷過程の初めての屈曲点を破壊点とし、隔壁の耐衝撃性を試験することができる。
また、パネル作製後、あるいは隔壁上にガラス板をのせ、その上に所定の金属またはセラミックからなる球を表面に落下させて不灯セルや異常点灯セルの発生数を確認したり、直接隔壁を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して損壊状況を確認したりして隔壁の耐衝撃性を試験することができる。
また、例えばパネル作製後、あるいは隔壁上にガラス板をのせ、吉田精機株式会社製の衝撃試験装置(ASQシリーズ、MDSTシリーズ等)を用いて、台形波や正弦半波パルスを作用させることによって生じる不灯セルや異常点灯セルの発生数を確認したり、直接隔壁をSEM観察して損壊状況を確認したりして隔壁の耐衝撃性を試験することができる。
以下に、本発明の実施態様を示す。ただし、本発明はこれに限定されるわけではない。
図5は本発明のプラズマディスプレイ用背面板の第一の実施態様の隔壁の形状を示す模式図である。アドレス電極、誘電体層(いずれも図示しない)の形成されたガラス基板上にストライプ状隔壁が形成され、隔壁の頂部を構成する材料の熱膨張係数αL1を隔壁の底部を構成する材料の熱膨張係数αL2より小さくしている。
図6は本発明のプラズマディスプレイ用背面板の第二の実施態様の隔壁の形状を示す模式図である。アドレス電極、誘電体層(いずれも図示しない)の形成されたガラス基板上にアドレス電極に平行な主隔壁と主隔壁に直交する補助隔壁からなる格子状隔壁が形成され、主隔壁および補助隔壁の頂部を構成する材料αL1を主隔壁および補助隔壁の底部を構成する材料の熱膨張係数αL2より小さくしている。
隔壁パターンを格子状とすることで、蛍光体の塗布面積を増加させることができ、発光効率を向上させることができる。図7に模式的に示すように隔壁はワッフル状であってもよい。
図8は本発明のプラズマディスプレイ用背面板の第三の実施態様の隔壁の形状を示す模式図である。アドレス電極、誘電体層(いずれも図示しない)の形成されたガラス基板上に格子状隔壁が形成され、アドレス電極と平行な隔壁を主隔壁、主格壁に直交する隔壁を補助隔壁とし、主隔壁を補助隔壁よりも高くし、主隔壁の頂部を構成する材料の熱膨張係数αL1を主隔壁の底部を構成する材料の熱膨張係数αL2より小さくしている。隔壁パターンを格子状とすることで、蛍光体の塗布面積を増加させることができ、発光効率を向上させることができるとともに、また、主隔壁を補助隔壁より高くすることによって、後の前面基板との封着工程において排気がスムーズに行うことができる。補助隔壁の高さは、主隔壁の10〜95%であることが好ましい。10%より小さいと、蛍光体の塗布面積の増加が少ないのでプロセス増加の割には発光効率を効果的に向上させることができない。95%を超えると排気抵抗が増加してしまうため好ましくない。より好ましくは60〜90%である。図9に模式的に示すように隔壁はワッフル状であっても良い。
図10に本発明の第四の実施態様を示す。第三の実施態様と同様にアドレス電極、誘電体層(いずれも図示しない)の形成されたガラス基板上にアドレス電極に平行な主隔壁と主隔壁に直交する補助隔壁からなる格子状隔壁が形成され、主隔壁の高さが補助隔壁の高さよりも高くなっているが、主隔壁および補助隔壁の頂部を構成する材料の熱膨張係数αL1を主隔壁および補助隔壁の底部を構成する材料の熱膨張係数αL2より小さくしている。
隔壁パターンを格子状とすることで、蛍光体の塗布面積を増加させることができ、発光効率を向上させると同時に、良好な排気効率を得ることができる。 図11に模式的に示すように隔壁はワッフル状であってもよい。
第一、第二、第三、第四の実施態様において、隔壁底部27を構成する材料の熱膨張係数を、隔壁頂部26を構成する材料の熱膨張係数よりも大きくすることにより、隔壁頂部26に圧縮応力を持たせて強度を高めることができる。さらに、隔壁頂部26と隔壁底部27を構成する材料の熱膨張係数が異なることによって、隔壁の頂部と底部の衝撃伝播特性に差を生じさせ、隔壁に加わる衝撃等が閾値を超えて隔壁が損壊した場合でも、損壊の伝播を頂部で止めることができる。
本発明のディスプレイ用基板は、通常、ソーダガラスや高歪み点ガラス(旭硝子社製のPD−200など)を基板として構成されるものである。このガラス基板上には、予め電極が形成されており、その上にガラス成分からなる誘電体層が形成され、さらにその上に隔壁が形成されている。背面基板と前面基板との間に間隙が生じ、プラズマ放電のリークによる誤放電(クロストーク)を防止するため、また、背面基板に反りが生じ前面基板と局所的に接触して隔壁が損壊することを防止するため、背面基板を構成する材料の熱膨張係数は、誘電体および隔壁の熱膨張係数を考慮し、上記式(5)および(6)を満足することが好ましい。
誘電体層は電極を被覆して保護し絶縁する作用を有すると共に、その上に形成される隔壁の形成性を改良する効果を有するものである。
誘電体層および隔壁は、それぞれの特性を有するガラス成分を用いた無機材料を含有するペーストを全面またはパターン状に塗布、乾燥し、焼成して形成されるもので、ガラスヲ主成分とする無機材料で構成されている。
誘電体層は、ガラス転移点430〜500℃、軟化点450〜530℃であるガラスを50〜90重量%、600℃以下で軟化しない材料からなるフィラーを10〜50重量%含有する無機材料から形成されることが好ましい。
誘電体層に用いるガラスのガラス転移点が500℃、軟化点が530℃より高いと、高温焼成が必要となり、焼成の際にガラス基板に歪みを生じる場合がある。また、ガラス転移点が430℃、軟化点が450℃より低いと、後工程で、隔壁の形成、蛍光体の形成の際に誘電体に歪みを生じ、膜厚精度が保たれないなどの問題を生じることがあるので好ましくない。
誘電体層の形成に用いられるガラスとしては、酸化物表記で、酸化ビスマス 20〜70重量%酸化珪素 3〜30重量%酸化ホウ素 10〜30重量%酸化亜鉛 2〜40重量%酸化バリウム 8〜20重量%の組成からなるものを含有するものが好ましい。この組成範囲であると530〜580℃でガラス基板上に焼き付けることができるガラス粉末が得られる。
上記ガラスの組成において酸化ビスマスは、20〜70重量%の範囲で配合される。20重量%未満では、焼き付け温度や軟化点を制御するのに効果が少ない。70重量%を超えるとガラスの耐熱温度が低くなりすぎてガラス基板上への焼き付けが難しくなる。
酸化珪素は、3〜30重量%の範囲で配合できるが、3重量%未満の場合は、ガラス層の緻密性、強度や安定性が低下し、またガラス基板と熱膨張係数のミスマッチが起こり、所望の値から外れることがある。30重量%を超えると軟化点やガラス転移点が上昇し、耐熱温度が増加する。このため580℃以下でガラス基板上に緻密に焼き付けることが難しくなり、気泡が残留し、電気絶縁性が低下する傾向がある。
酸化ホウ素は10〜30重量%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨張係数、緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上することができる。30重量%を超えるとガラスの安定性が低下する傾向がある。
酸化亜鉛は2〜40重量%の範囲で配合されるのが好ましい。2重量%未満では緻密性向上の効果がなく、40重量%を超えると、焼き付け温度が低くなり過ぎて制御が難しくなり、また絶縁抵抗が低くなるので好ましくない。
酸化バリウムは、8〜20重量%の範囲で配合する。8重量%未満ではガラス焼き付け温度および電気絶縁性を制御することが難しくなる。20重量%を超えるとガラス層の安定性や緻密性が低下する傾向がある。
また誘電体層は、電極が形成されたガラス基板上に形成されるため、誘電体を構成するガラスの成分と電極中の銀イオンやガラス基板の成分とがイオン交換などの反応を起こし、黄色化するなどの問題が起らないよう、ガラスは、アルカリ金属を実質的に含まないことが好ましい。なお、実質的に含まないとは、アルカリ金属の合計含有量が0.5重量%以下であること、好ましくは、0.1重量%以下であることを意味する。
上記したガラスと共に誘電体を形成するフィラーとしては、チタニア、アルミナ、ジルコニア、コーディエライト、ムライトおよびスピネルの群から選ばれた少なくとも一種が好ましく用いられる。
フィラーを用いることにより、焼成時の収縮率を小さくし、基板にかかる応力を低下させるなどの効果が得られる。フィラーの量が10重量%未満では、焼成収縮率を低くしたり、熱膨張係数を制御する効果が少ない。また、フィラーの添加量が50重量%を超えると、焼成後の誘電体が緻密性の点で劣るものとなり、強度が不足し、クラック発生などの欠陥を生じることがあるので好ましくない。
誘電体層の厚みは、焼成後で3〜20μm、より好ましくは8〜18μmであることが均一で緻密な誘電体を形成できる点で好ましい。厚さが20μmを超えると、焼成の際、脱バインダーが困難となりクラックが生じやすく、またガラス基板にかかる応力が大きいために基板が反るなどの問題が生じることがある。また、3μm未満では平坦で均一かつ緻密な誘電体を形成するのが難しくなり、電極部分の凹凸によって誘電体にクラックが入るなどの問題が生じることがある。
本発明において、誘電体層を構成する材料の熱膨張係数αは、上述のガラスおよびフィラーとして適切な熱膨張係数を有するものを選択することによって、またガラスおよびフィラーの混合比率を変更することによって調節することができる。
本発明において誘電体層は、ガラスとフィラーとからなる無機粉末とバインダーとなる有機成分とからなるペーストをガラス基板上に塗布し、焼成することによって形成される。この時ペースト中の無機粉末の量は、65〜85重量%であることが好ましい。65重量%未満では、焼成時の収縮率が大きくなり、緻密な誘電体が得られにくい。また85重量%を超えるとペーストの粘度が上昇し、塗布時の厚みムラが大きくなり、平坦な膜が得られにくい。
なお、誘電体ペースト塗布膜の焼成は、乾燥した塗布膜上に隔壁パターンを形成した後、隔壁パターンと同時に焼成する方法と、ペースト塗布膜のみを焼成して誘電体を形成した上に、隔壁を形成する方法の二つがある。いずれの方法をも用いることができるが、前者の焼成方法は、工程数が少なくなると共に剥がれや倒れのない均一な隔壁を形成でき、歩留まりよくディスプレイ用基板を製造できる利点があるので好ましい。
次に誘電体の上に形成される隔壁について説明する。隔壁も無機成分とバインダーとなる有機成分とからなるペーストをパターン状に塗布するか、全面に塗布したペースト膜をパターン化した後、焼成して形成される。
本発明において隔壁は、ピッチ100〜250μm、高さ60〜170μm、幅15〜60μmを有するものが好ましく、ストライプ状に形成される場合の他、格子状やワッフル状に形成される場合もある。このような高アスペクト比、高精細なパターン状の隔壁を形成し、ガラス基板への適合、先に形成されている誘電体との密着性および熱特性の近似性、後工程への対応、さらには前面板との接触による隔壁損壊を抑制するための隔壁強度を考慮する場合、隔壁を構成する無機成分の熱特性および熱膨張係数が重要な要素となる。
この点からも上記したように、隔壁の頂部と隔壁の底部を構成する材料の熱膨張係数は上記式(1)および(2)を満足することが必要である。
また、先に述べた誘電体層と隔壁の熱膨張係数の差は、上記式(3)および(4)を満足することが好ましい。 誘電体層、隔壁それぞれを形成するガラス成分の組成を選択し、混合するフィラーの種類と量をコントロールすることにより、所望の熱膨張係数にすることができる。
基板となるガラスへ悪影響を与えず、誘電体ペースト塗布膜と同時にまたは既に形成された誘電体層に熱的なショックを与えずに隔壁形成の焼成工程を行うには、隔壁のガラス成分の熱特性は誘電体のものと同等であることが好ましい。この点から、隔壁は、ガラス転移点450〜520℃、軟化点480〜560℃であるガラスを主成分とするか、あるいはガラスを50〜90重量%とフィラーを10〜50重量%含有する無機成分からなることが好ましい。隔壁ガラスの熱特性の範囲を規制する理由は、誘電体層に用いたガラスにおける理由と同様である。また、隔壁にフィラーを含有させ、その含有量を上記範囲とする理由も誘電体層の場合と同様である。
隔壁は、隔壁形成用ペーストのパターン状塗布(スクリーン印刷法)や全面に塗布したペースト膜にフォトレジストを用いてエッチングする方法または感光性の隔壁形成用ペーストを用いる方法(感光性ペースト法)などで形成できる。
本発明のディスプレイ用基板は大面積、高精細な画像表示装置にも適用するものであり、形成する隔壁パターンは、高アスペクト比、高精細であり、簡便にその目的を達成するには、感光性ペースト法で形成することが好ましい。すなわち、ガラスを主成分とするか、ガラスとフィラーとからなる無機微粒子と感光性有機成分からなる感光性ペーストを塗布・乾燥し、パターン露光して、現像する工程を経た後、焼成することにより隔壁が形成される。
隔壁の焼成後の高さは60〜170μmであり、焼成収縮を考慮すると隔壁パターン形成のために塗布される感光性ペースト塗布膜の厚さは100〜220μmあることが好ましい。このような厚さの感光性ペースト塗布膜に高精細なパターンを露光し、高アスペクト比のパターンを解像度高く形成するためには、露光用の活性光線を塗布膜の最下部まで出来るだけ直進的に透過させることが必須である。このため、感光性ペーストに配合される無機成分および感光性有機成分が共に光透過性の高いものを選び、これらを均一に混合することが重要である。さらに、感光性ペーストのような感光性有機成分中に無機粉末が分散しているような混合物系では、これらの成分のそれぞれの平均屈折率が近似していることが光透過度を高めるために最も重要になる。
一般的に、有機成分の屈折率は1.45〜1.7であるが、無機成分の屈折率は通常より高くなるので、両者の屈折率を整合させるためには、無機成分の平均屈折率を1.5〜1.8、好ましくは1.5〜1.65にコントロールし、有機成分の平均屈折率との差を0.05程度になるようにすることが最も好ましい。すなわち、隔壁形成に用いられる感光性ペーストの無機成分は、平均屈折率が1.5〜1.8であると共に、50〜400℃の温度範囲においての熱膨張係数α(/K)が71〜85×10−7であり、かつガラス転移点450〜520℃、軟化点480〜560℃であることが好ましい。
上記のような条件を満足するガラス成分として下記のような成分と配合量を有するものが用いられる。すなわち、酸化物表記で、酸化リチウム3〜15重量%酸化珪素 10〜30重量%酸化ホウ素 20〜40重量%酸化バリウム 2〜15重量%酸化アルミニウム 10〜25重量%の組成を有するものである。
酸化リチウムを3〜15重量%配合されるガラス粉末を用いることによって、軟化点、熱膨張係数のコントロールが容易になるだけでなく、ガラスの平均屈折率を低くすることができるため、有機物との屈折率差を小さくすることが容易になる。酸化リチウムの酸化物の添加量はペーストの安定性を向上させるためには、15重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下である。なお酸化リチウム以外に酸化カリウム、酸化ナトリウムなどのアルカリ金属を合計量で15重量%以下、好ましくは10重量%以下添加してもよい。
酸化珪素は10〜30重量%の範囲で配合されることが好ましく、10重量%未満の場合はガラス層の緻密性、強度や安定性が低下し、また熱膨張係数が所望の値から外れ、ガラス基板とのミスマッチが起り易い。30重量%を超えると、軟化点が高くなり、ガラス基板への焼き付けが難しくなる。
酸化ホウ素は20〜40重量%の範囲で配合されることが好ましい。40重量%を超えるとガラスの安定性が低下する傾向がある。20重量%未満では強度が低下したり、ガラスの安定性が低下し易い。
酸化バリウムは2〜15重量%の範囲で配合されるが、2重量%未満では、ガラス焼き付け温度および電気絶縁性を制御するのが難しくなる。また、15重量%を超えると隔壁の安定性や緻密性が低下する傾向がある。
酸化アルミニウムは10〜25重量%の範囲で配合されるが、ガラスの歪み点を高めたり、ガラス組成の安定化やペーストのポットライフ延長のために添加される。10重量%未満では隔壁の強度が低下し、25重量%を超えるとガラスの耐熱温度が高くなり過ぎてガラス基板上に焼き付けが難しくなる。また、緻密な隔壁が600℃以下の温度で得られ難くなる。
上記の組成には表記されていないが、酸化亜鉛、酸化カルシウムあるいは酸化マグネシウムが含まれていてもよい。酸化亜鉛は、2〜15重量%の範囲で配合することが好ましい。2重量%未満では、隔壁の緻密性向上に効果がない。15重量%を超えると、ガラス基板上に焼き付けする温度が低くなり過ぎて制御できなくなり、また絶縁抵抗が低くなるので好ましくない。
酸化カルシウムは2〜13重量%の範囲で配合されることが好ましい。ガラスを溶融し易くするとともに熱膨張係数を制御するのに添加される。2重量%より少ないと、歪み点が低くなり過ぎる。また、酸化マグネシウムは1〜15重量%の範囲で配合されるのが好ましく、ガラスを溶融し易くするとともに熱膨張係数を制御するために添加される。15重量%を超えるとガラスが失透し易くなり好ましくない。
その他、ガラス中に、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどを含有することができるが、その量は5重量%未満であることが好ましい。酸化ジルコニウムは、軟化点、ガラス転移点および電気絶縁性を制御するのに効果がある。
ガラス粉末の作製法としては、誘電体層用のガラスおよび隔壁形成用のガラスとも共通であるが、例えば隔壁形成用ガラスの場合なら、原料であるリチウム、珪素、アルミニウム、ホウ素、バリウムなどの化合物を所定の配合組成となるように混合し、900〜1200℃で溶融後、急冷し、ガラスフリットにしてから粉砕して微細な粉末にする。用いる粉末の平均粒径、最大粒径および粒度分布は、ペーストへの充填性、分散性、およびペーストの塗布性に重要な影響を与えるので、それぞれ適切な範囲にコントロールすることが必要である。原料には高純度の炭酸塩、酸化物、水酸化物などが使用できる。また、ガラス粉末の種類や組成によっては99.99%以上の超高純度なアルコキシドや有機金属の原料を使用し、ゾル・ゲル法で均質に作製した粉末を使用すると高電気抵抗で緻密な気孔の少ない、高強度な絶縁層が得られるので好ましい。
また、既に述べたように、隔壁は、ガラスを主成分として形成されたものである他、隔壁パターンの形状保持性や精度の向上、隔壁形成時の焼成収縮率を低下させるなどの理由でガラスを50〜90重量%、フィラーを10〜50重量%含む無機微粒子により形成されたものであることが好ましい。フィラーが10重量%未満では、焼成収縮率を低くしたり、熱膨張係数を制御する効果が少ない。また、フィラーが50重量%を超えると、焼成後の隔壁が緻密性の点で劣るものとなり、隔壁の強度が低下し、隔壁が剥がれたり脱落するなどの欠陥が発生することがある。また、隔壁中に、微量水分の吸着や有機成分が残留し、放電特性の低下を引き起こす原因となるので好ましくない。
隔壁に用いるフィラーとしては、チタニア、アルミナ、ジルコニア、コーディエライト、ムライト、スピネルおよび高融点ガラスの群から選ばれた少なくとも一種を含むものが挙げられる。
高融点ガラスとして、酸化物表記で以下の組成を含むものが好ましい。
酸化珪素 15〜50重量%酸化硼素5〜20重量%酸化アルミニウム 15〜50重量%酸化バリウム 2〜10重量%、酸化珪素、酸化アルミニウムをそれぞれ15重量%以上含有するガラス成分が好ましく、さらにこれらの含有量合計がガラス中50重量%以上であることが、必要な熱特性をもたせるために有効である。また、高融点ガラスでは、組成の変更で平均屈折率、軟化点、熱膨張係数をコントロールすることが可能なのでフィラーBとして特に好ましい。
本発明において誘電体層および隔壁は、上記した熱特性および組成を有するガラス成分、フィラーから構成されるものであるが、このような特徴を有する誘電体と隔壁を有するディスプレイ用基板の好ましい製造方法について説明する。
すなわち、本発明のディスプレイ用基板の製造方法は、電極が形成されたガラス基板上に、無機粉末と有機成分からなる誘電体ペーストを塗布して塗布膜を形成し、その上に無機微粒子と感光性有機成分からなる隔壁ペーストを塗布して、フォトリソグラフィ法により隔壁パターンを形成した後、前記誘電体ペースト塗布膜と隔壁パターンを同時に焼成するディスプレイ用基板の製造方法が好ましく、隔壁頂部、隔壁底部、誘電体層、ガラス基版に用いる材料を適宜選択することによって、上記式(1)〜(6)を満足するプラズマディスプレイ用背面板を得ることができる。
以下、上記ディスプレイ用基板の製造方法についてさらに述べる。
例えば、ガラス基板として高歪み点ガラスを使用し、その上に銀ペーストを用いてストライプ状の電極を形成する。
誘電体層を形成する誘電体ペーストとしては、所定量のガラスとフィラーを有機バインダーに分散したものが好ましく用いられる。誘電体ペーストには、有機バインダーの他に、溶媒および必要に応じて分散剤、レベリング剤、増粘剤などの添加物が加えられる。有機バインダーの具体例は、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体や共重合体、アクリル酸エステル重合体や共重合体、セルロース系樹脂などである。特に、セルロース系樹脂を用いるのが脱バインダー性の点で好ましい。このように調製した誘電体ペーストをスクリーン印刷などの塗布方法により所定膜厚になるように全面に塗布・乾燥する。
次に誘電体ペースト塗布膜上に、隔壁パターンを形成する。隔壁ペーストは、上記したように、ガラス、またはガラスとフィラーとからなる無機微粒子を感光性有機成分と混練した感光性ペーストであり、フォトリソグラフィ法で隔壁パターンを形成する。
感光性有機成分は、露光に用いるエネルギーを吸収して生起する光反応による変化を利用してパターンを形成するものである。これには、光の作用した部分が溶剤に対して溶解するようになる光溶解型(ポジ型)と光の作用した部分が溶媒に対して不溶になる光不溶化型(ネガ型)が知られている。感光性ペーストに用いるのはいずれであってもよいが、無機成分と混合して確固としたパターンを形成するには、重合および架橋反応などによって光硬化して溶剤に不溶になるネガ型の感光性成分を用いることが好ましい。
隔壁形成用感光性ペーストは、ガラスまたはガラスとフィラーとからなる無機微粒子を無機成分に、感光性モノマ、バインダー成分となるオリゴマもしくはポリマ、光重合開始剤などの基本的成分を配合して構成される。バインダー成分のオリゴマもしくはポリマを感光性化して用いることや、必要に応じて感光性ペーストに増感剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、分散剤、安定剤などの添加剤を加えることができる。このようにして調製された感光性ペーストを塗布・乾燥した後、フォトマスクを介して露光し現像して隔壁パターンを形成する。これを誘電体ペースト塗布膜と同時に焼成することによりディスプレイ用基板が得られる。
以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の濃度は断りのない場合は重量%である。
(衝撃試験)
重さ100gの金属球を高さ30cmから静かにパネルに落下させることを10回繰り返し、不灯セルや異常点灯セルが発生しないか観察した。
(膨張係数)
熱膨張係数の測定には、測定プローブとして半導体レーザを使用した線熱膨張率測定装置(望遠測微方式)を使用した。
(実施例1)
(誘電体ペースト)
エチルセルロース60gをテルピネオール940gに80℃で溶解し、固形分がなくなるまで撹拌したバインダー溶液200g(エチルセルロース濃度6%)に、ガラスA1:50gとフィラーA1:10gおよび増粘剤を3本ロールで混練して誘電体ペーストを調製した。
ガラスA1は、酸化ビスマス39%、酸化珪素7%、酸化ホウ素19%、酸化アルミニウム3%、酸化亜鉛20%、酸化バリウム12%の組成で、平均粒径2.5μm、ガラス転移点477℃、軟化点516℃、熱膨張係数は77×10-7/KであるフィラーAは、チタニア(石原産業TIPAQUE R550)を用いた。
(隔壁頂部用ペースト)
感光性ポリマ(X−4007)150g、感光性モノマ(MGP400)150g、光重合開始剤(IC−369)30g、紫外線吸収剤(スダンIV)1gをγ−ブチロラクトン300gに加熱撹拌溶解し、その後、400メッシュのフィルターで濾過して調製した感光性有機成分の溶液55g(感光性有機成分濃度47.4%)にガラスB1:50gとフィラーB1:10gを混合し、3本ロールで混練して、隔壁頂部用の感光性ペーストを調製した。
ガラスB1の組成は、酸化リチウム6.5%、酸化珪素23%、酸化ホウ素33%、酸化バリウム4%、酸化アルミニウム20%、酸化亜鉛2%、酸化マグネシウム6%、酸化カルシウム5.5%であった。平均粒径は2.5μm、トップサイズは22μmの非球状粉末で、ガラス転移点489℃、軟化点528℃、熱膨張係数αは76×10−7/Kであった。
フィラーB1としては、高融点ガラスを用いたが、その組成は、酸化珪素38%、酸化ホウ素10%、酸化アルミニウム35%、酸化亜鉛2%、酸化マグネシウム5%、酸化カルシウム5%、酸化バリウム5%であった。また、平均粒径は1.5μmの非球状粉末で、ガラス転移点653℃、軟化点778℃、熱膨張係数は46×10−7/Kであった。
(隔壁底部用ペースト)
感光性ポリマ(X−4007)150g、感光性モノマ(MGP400)150g、光重合開始剤(IC−369)30g、紫外線吸収剤(スダンIV)1gをγ−ブチロラクトン300gに加熱撹拌溶解し、その後、400メッシュのフィルターで濾過して調製した感光性有機成分の溶液55g(感光性有機成分濃度47.4%)にガラスB2:50gとフィラーB1:10gを混合し、3本ロールで混練して、隔壁形成用の感光性ペーストを調製した。
ガラスB2の組成は、酸化リチウム10%、酸化珪素20%、酸化ホウ素29%、酸化バリウム2.5%、酸化アルミニウム24%、酸化亜鉛2%、酸化マグネシウム6.5%、酸化カルシウム6%であった。平均粒径は2.5μm、トップサイズは22μmの非球状粉末で、ガラス転移点474℃、軟化点515℃、熱膨張係数は81×10−7/Kであった。
フィラーB1としては、隔壁頂部用と同じものを用いた。
旭硝子社製ガラス基板“PD200”上に、ITOを用いて、ピッチ375μm、線幅150μmのサステイン電極を形成した。また、その基板上に感光性銀ペーストを塗布、乾燥、露光、現像、焼成工程を経て、線幅50μm、厚み3μmのサステイン電極を形成した。次に、透明誘電体ペーストをスクリーン印刷により、表示部分のサステイン電極が覆われるように50μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って前面透明誘電体を形成した。透明誘電体を形成した基板上に電子ビーム蒸着により保護膜として、厚み0.5μmの酸化マグネシウム層を形成して13インチプラズマディスプレイ前面板を作製した。
次に、ガラス基板に“PD200”を用い、ガラス基板上に感光性銀ペースト用いてアドレス電極を作成した。感光性銀ペーストを塗布、乾燥、露光、現像、焼成工程を経て、線幅50μm、厚み3μm、ピッチ250μmのアドレス電極を形成した。“PD200”の熱膨張係数αは83×10−7/Kであった。
次に、誘電体用ペーストをスクリーン印刷法により、表示部分のアドレス電極が覆われるように50μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って誘電体を形成した。誘電体層の熱膨張係数αは76×10−7/Kであった。
誘電体上に、隔壁底部用ペーストをスリットダイコーターにより塗布した。ピッチ1020μm、線幅45μmの補助隔壁パターンで露光を行った。
続いて、隔壁頂部用ペーストをスリットダイコーターにより塗布した。そして、補助隔壁パターンと直交するようにピッチ360μm、線幅30μmの主隔壁パターンで露光を行った。隔壁を現像後、590℃で15分間の焼成を行い、主隔壁の高さが120μmであり、補助隔壁が主隔壁よりも20μm低い格子状隔壁を作製した。すなわち、図8のように補助隔壁よりも高い部分が隔壁頂部層となるようにした。
隔壁頂部の熱膨張係数αL1は70×10−7/K、隔壁底部の熱膨張係数αL2は75×10−7/Kであり、αL2−αL1は5×10−7/Kであった。
また、α−αL1は6×10−7/Kであった。
また、α−αは7×10−7/Kであった。
次に、隣り合う隔壁間に蛍光体を塗布した。蛍光体の塗布はノズル先端から蛍光体ペーストを吐出するディスペンサー法により形成した。蛍光体は隔壁側面に焼成後厚み25μm、誘電体上に焼成後厚み25μmになるように塗布した後に、500℃で10分間の焼成を行った。以上のように13インチプラズマディスプレイ背面板を作製した。
さらに、作製した前面板と背面板を封着ガラスを用いて封着して、Xe5%含有のNeガスを内部ガス圧66500Paになるように封入した。駆動回路を実装してプラズマディスプレイを作製した。
衝撃試験によっても不灯セルや異常点灯セルは発生しなかった。
(実施例2)
誘電体ペーストに用いるガラスとして、ガラスA2(酸化ビスマス66.1%、酸化珪素12%、酸化ホウ素11.5%、酸化アルミニウム2.6%、酸化亜鉛2.4%、酸化ジルコニウム5.4%の組成であり、平均粒径:2.9μmの非球状粉末で、ガラス転移点486℃、軟化点522℃、熱膨張係数が97×10−7/Kのもの)を用いた。
また、隔壁頂部用感光性ペーストに用いるガラスとして、ガラスB3(組成:酸化リチウム6%、酸化珪素18%、酸化ホウ素30%、酸化バリウム10%、酸化アルミニウム15%、酸化亜鉛6%、酸化マグネシウム7%、酸化カルシウム8%)を用いた。ガラスB2の平均粒径は2.7μm、トップサイズは17μmの非球状粉末で、ガラス転移点485℃、軟化点523℃、熱膨張係数は87×10−7/Kであった。
また、隔壁底部用感光性ペーストに用いるガラスとして、ガラスB4(組成:酸化リチウム5%、酸化珪素15%、酸化ホウ素31%、酸化バリウム12%、酸化アルミニウム12%、酸化亜鉛7%、酸化マグネシウム9.3%、酸化カルシウム8.7%)を用いた。平均粒径は2.7μm、トップサイズは19μmの非球状粉末で、ガラス転移点487℃、軟化点524℃、熱膨張係数は92×10−7/Kであった。
それ以外は、実施例1を繰り返した。
得られた誘電体の熱膨張係数αは88×10−7/Kであり、隔壁頂部の熱膨張係数αL2は82×10−7/Kであり、隔壁底部の熱膨張係数αL2は87×10−7/Kであり、αL2−αL1は5×10−7/Kであった。
また、α−αL1は6×10−7/Kであった。
また、α−αは−5×10−7/Kであった。
衝撃試験によって不灯セルや異常点灯セルは1個のみ発生した。
(実施例3)
誘電体ペーストに用いるガラスとして、ガラスA3(酸化ビスマス55.5%、酸化珪素11.5%、酸化ホウ素12%、酸化バリウム6%、酸化アルミニウム7%、酸化亜鉛8%の組成であり、平均粒径:2.3μmの非球状粉末で、ガラス転移点490℃、軟化点533℃、50〜400℃の熱膨張係数が68×10-7/Kのもの)を用いた。
また、隔壁頂部用感光性ペーストに用いるガラスとして、ガラスB5(組成:酸化リチウム7%、酸化珪素30%、酸化ホウ素37%、酸化バリウム6%、酸化アルミニウム10.5%、酸化亜鉛5.5%、酸化マグネシウム2%、酸化カルシウム2%)を用いた。ガラスB5の平均粒径は2.2μm、トップサイズは17μmの非球状粉末で、ガラス転移点471℃、軟化点530℃、熱膨張係数は64×10-7/Kであった。
また、隔壁底部用感光性ペーストに用いるガラスとして、ガラスB6(組成:酸化リチウム6%、酸化珪素25%、酸化ホウ素35.5%、酸化バリウム4%、酸化アルミニウム18%、酸化亜鉛3.5%、酸化マグネシウム4%、酸化カルシウム4%)を用いた。ガラスB6の平均粒径は2.4μm、トップサイズは17μmの非球状粉末で、ガラス転移点487℃、軟化点526℃、熱膨張係数は70×10−7/Kであった。
それ以外は、実施例1を繰り返した。
得られた誘電体の熱膨張係数αは66×10−7/Kであり、隔壁頂部の熱膨張係数αL2は60×10−7/Kであり、隔壁底部の熱膨張係数αL2は65×10−7/Kであり、αL2−αL1は5×10−7/Kであった。
また、α−αL1は6×10−7/Kであった。
また、α−αは17×10−7/Kであった。
衝撃試験によって不灯セルや異常点灯セルは2個のみ発生した。
(実施例4)
隔壁底部用感光性ペーストに用いるガラスとして、上述のガラスB3を用いた。
それ以外は、実施例1を繰り返した。
得られた隔壁底部の熱膨張係数αL2は82×10−7/Kであり、αL2−αL1は12×10−7/Kであった。
また、α−αL1は6×10−7/Kであり、α−αは7×10−7/Kであった。
衝撃試験によっても不灯セルや異常点灯セルは発生しなかった。
(実施例5)
誘電体ペーストに用いるガラスとして、ガラスA4(酸化ビスマス67%、酸化珪素10.5%、酸化ホウ素11.5%、酸化バリウム5%、酸化アルミニウム3%、酸化亜鉛3%の組成であり、平均粒径:1.7μmの非球状粉末で、ガラス転移点484℃、軟化点524℃、熱膨張係数が77×10−7/Kのものを用いた)。
それ以外は、実施例1を繰り返した。
得られた誘電体層の熱膨張係数αは73×10−7/Kであり、αL2−αL1は5×10−7/Kであった。また、α−αL1は3×10−7/Kであり、α−αは10×10−7/Kであった。
衝撃試験によって不灯セルや異常点灯セルは1個のみ発生した。
(実施例6)
誘電体ペーストに用いるガラスとして、上述のガラスA2を用いた。
それ以外は、実施例1を繰り返した。
得られた誘電体の熱膨張係数αは88×10−7/Kであり、αL2−αL1は5×10−7/Kであった。また、α−αL1は18×10−7/Kであり、α−αは−5×10−7/Kであった。 衝撃試験によって不灯セルや異常点灯セルは1個のみ発生した。
(比較例1)
誘電体ペーストに用いるガラスとして、ガラスA5(酸化ビスマス41%、酸化珪素18%、酸化ホウ素13%、酸化バリウム13%、酸化アルミニウム5%、酸化亜鉛7%、酸化ジルコニウム3%の組成であり、平均粒径:2.2μmの非球状粉末で、ガラス転移点479℃、軟化点521℃、50〜400℃の熱膨張係数が81×10-7/Kのもの)を用いた。
また、隔壁頂部用感光性ペーストに用いるガラスとして、ガラスB7(組成:酸化リチウム9%、酸化珪素20%、酸化ホウ素31%、酸化バリウム4%、酸化アルミニウム24%、酸化亜鉛2%、酸化マグネシウム6%、酸化カルシウム4%)を用いた。ガラスB8の平均粒径は2.4μm、トップサイズは18.5μmの非球状粉末で、ガラス転移点474℃、軟化点515℃、熱膨張係数は79×10−7であった。
それ以外は、実施例1を繰り返した。
得られた誘電体の熱膨張係数αは79×10−7/Kであり、隔壁頂部の熱膨張係数αL2は73×10−7/Kであり、αL2−αL1は2×10−7/Kであった。また、α−αL1は6×10−7/Kであり、α−αは4×10−7/Kであった。衝撃試験により、不灯セルや異常点灯セルが40個発生した。
(比較例2)
比較例2において、誘電体ペーストに用いるガラスとして、ガラスA6(酸化ビスマス65%、酸化珪素10%、酸化ホウ素10%、酸化バリウム6%、酸化アルミニウム2%、酸化亜鉛6%、酸化ジルコニウム1%の組成であり、平均粒径:2μmの非球状粉末で、ガラス転移点490℃、軟化点530℃、50〜400℃の熱膨張係数が73×10-7/Kのもの)を用いた。
また、隔壁頂部用感光性ペーストに用いるガラスとして、上述のガラスB6を用いた。
また、隔壁底部用感光性ペーストに用いるガラスとして、上述のガラスB4を用いた。
それ以外は、実施例1を繰り返した。
得られた誘電体の熱膨張係数αは71×10−7/Kであり、隔壁頂部の熱膨張係数αL1は65×10−7/Kであり、隔壁底部の熱膨張係数αL2は87×10−7/Kであり、αL2−αL1は22×10−7/Kであった。また、α−αL1は6×10−7/Kであり、α−αは12×10−7/Kであった。衝撃試験により、不灯セルや異常点灯セルが45個発生した。
(比較例3)
誘電体ペーストに用いるガラスとして、ガラスA7(酸化ビスマス67.2%、酸化珪素12%、酸化ホウ素11.5%、酸化バリウム4%、酸化アルミニウム3%、酸化亜鉛2.3%の組成であり、平均粒径:1.9μmの非球状粉末で、ガラス転移点492℃、軟化点535℃、50〜400℃の熱膨張係数が65×10-7/Kのもの)を用いた。
また、隔壁頂部用および隔壁底部用感光性ペーストに用いるガラスとして、上述のガラスB2を用いた。
それ以外は、実施例1を繰り返した。
得られた誘電体の熱膨張係数αは81×10−7/Kであり、隔壁頂部の熱膨張係数αL1および隔壁底部の熱膨張係数αL2は共に75×10−7/Kであり、αL2−αL1は0×10−7/K、α−αL1は6×10−7/K、α−αは2×10−7/Kであった。衝撃試験により、不灯セルや異常点灯セルが41個発生した。
実施例1〜6、比較例1〜3の結果を表1に示す。
Figure 2008251344
プラズマディスプレイの一例の構造を模式的に示した断面図である。 プラズマディスプレイの一例の構造を模式的に示した斜視断面図である。 前面基板上に存在する突起との接触部分で隔壁が損壊する状態を表した模式図である。 本発明のプラズマディスプレイ用背面板の隔壁の構成を示した模式断面図である。 本発明のプラズマディスプレイ用背面板の第一の実施態様の隔壁の形状を示す模式図である。 本発明のプラズマディスプレイ用背面板の第二の実施態様の隔壁の形状を示す模式図である。 本発明のプラズマディスプレイ用背面板の第三の実施態様の別の例の隔壁の形状を示す模式図である。 本発明のプラズマディスプレイ用背面板の第三の実施態様の隔壁の形状を示す模式図である。 本発明のプラズマディスプレイ用背面板の第三の実施態様の別の例の隔壁の形状を示す模式図である。 本発明のプラズマディスプレイ用背面板の第四の実施態様の隔壁の形状を示す模式図である。 本発明のプラズマディスプレイ用背面板の第四の実施態様の別の例の隔壁の形状を示す模式図である。
符号の説明
10 前面基板
11 基板
12 表示電極
13 誘電体層
20 背面基板
21 基板
22 アドレス電極
23 誘電体層
24 隔壁
25 蛍光体膜
26 隔壁頂部
27 隔壁底部

Claims (3)

  1. ガラス基板上に、略ストライプ状の電極、該電極を覆う、ガラスを主成分とする誘電体層、および該誘電体層上に位置し、ガラスを主成分とする隔壁を有するプラズマディスプレイ用背面板であって、該隔壁の頂部を構成する材料の熱膨張係数をαL1(/K)、該隔壁の底部を構成する材料の熱膨張係数をαL2(/K)としたときに、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ用背面板。
    60×10−7<αL1<αL2<90×10−7(1)
    3×10−7<αL2−αL1<20×10−7(2)
  2. 前記誘電体層を構成する材料の熱膨張係数をα(/K)とした場合、下記式(3)および(4)を満たすことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ用背面板。
    60×10−7<αL1<αL2<α<90×10−7(3)
    4×10−7<α−αL1<20×10−7(4)
  3. 前記ガラス基板の熱膨張係数をα(/K)とした場合、下式(5)および(6)を満足することを特徴とする請求項2記載のプラズマディスプレイ用背面板。
    65×10−7<α<α<105×10−7(5)
    1×10−7<α−α<15×10−7(6)
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