JP2008249518A - 膜密着性評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特に脆弱な膜の密着性をパッケージ状態で評価できると共に膜の密着性の時間的変化をも定量的に評価できる技術を提供することである。
【解決手段】樹脂で覆われた状態の膜の基板に対する密着性を評価する方法であって、前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程とを具備する膜密着性評価方法。
【解決手段】樹脂で覆われた状態の膜の基板に対する密着性を評価する方法であって、前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程とを具備する膜密着性評価方法。
Description
本発明は膜密着性(剥離耐性:剥離性)評価方法に関する。特に、モールドパッケージングした半導体素子における膜(積層膜)の密着性評価方法に関する。中でも、所謂、low−k膜と言った誘電率が小さくて機械的強度が比較的脆弱な多孔質性材料の膜(層間絶縁膜や配線間絶縁膜)の密着性評価方法に関する。
半導体デバイスにおける演算処理速度の高速化を実現する為には、デバイスにおける信号遅延を低減することが重要である。この信号遅延は、半導体素子における信号遅延と配線遅延の和で表される。ところで、近年、配線ピッチの微細化が急速に進んでいる。この為、配線遅延の影響が信号遅延を上回るようになった。この配線遅延は、配線抵抗Rと配線間の容量Cとの積(RC)に比例する。従って、配線遅延を低減する為、配線抵抗や配線間容量を低減する必要がある。このようなことから、配線材料として、低抵抗のCuが選ばれるようになった。一方、配線間を埋める絶縁材として、低誘電率の絶縁材、所謂、low−k材の検討が行われている。
さて、誘電率を小さくする為、材料の低密度化、特に、材料にポア(空孔)を導入することが考えられている。このポアの導入により、比誘電率が3.0以下のものが実現されている。しかしながら、こうしたポア構造の膜は脆弱であり、一般的に、その機械強度が低く、かつ、膜の密着力が小さな場合が多い。
従って、このようなポア構造のlow−k材が配線間絶縁膜や層間絶縁膜、或いはその他の絶縁膜として用いられた場合、絶縁膜の機械的強度・密着性の低下が問題となる。例えば、パッケージング工程やパッケージング後において、膜剥離・膜損傷が発生し易い。
しかしながら、low−k材の膜剥離・損傷についての検討は、未だ、不十分である。特に、製品としてパッケージングされた状態におけるlow−k材の密着性については、未だ、詳細な検討が為されていない。
さて、膜密着性評価方法として、low−k材の膜に限らず、通常、碁盤目テープ法(JIS-K5400)と言う手法が採用されている。すなわち、基板上に設けられた膜に、例えば1mm×1mmの大きさの片(碁盤目片)が出来るようにナイフ等で切目を入れて100個の碁盤目片を作製し、この後で粘着テープを上から貼り付け、この貼り付けられた粘着テープを剥離することによって、何個の碁盤目片が粘着テープの側に貼り付いて剥離するかを数え、この剥離数によって密着性を評価する手法である。
しかしながら、この手法では、脆弱な材料を碁盤目状にカットする際、碁盤目片の端部に対して微小なクラックが出来、端部の条件が不均一となり、又、使用する粘着テープの密着力も均一であるとは限らない。その結果、剥離の均一性が保たれないばかりか、半導体材料として実際に受けるストレスとは異なるピーリングモードでの試験となっていることから、実際にパッケージとして使用された際の指標としては使用が出来ない。この為、定量的な評価や実使用条件に近い評価という点において、従来の手法では十分では無かった。
又、第一の部材上に第二の部材が設けられた測定用の試料を用意する工程と、イオンビーム、電子ビーム或いは光ビーム等の手段により前記第二の部材の被測定部を周囲部から切り離す工程と、前記第二の部材の被測定部の前記第一の部材への密着性を測定するための支持部材を前記第二の部材の被測定部に固定する工程と、前記支持部材を介して前記第二の部材の被測定部に引っ張り力を加え、前記第二の部材の被測定部の前記第一の部材への密着性を評価する工程とを有することを特徴とする部材の密着性評価方法が提案(特開2006−23282号公報)されている。
この提案の技術によれば、切離工程ではイオンビーム、電子ビーム或いは光ビーム等の手段を用いていることから、即ち、被測定部位に対してダメージの少ない方法での切り離しを行なっていることから、本来、無い筈の微小なクラックが起き難く、又、支持部材を介して第二の部材の被測定部に引っ張り力を加えて第二の部材の被測定部の第一の部材への密着性を評価するようにしているので、定量的な評価が一応は出来ると言う効果が有る。
JIS−K5400 特開2006−23282号公報
JIS−K5400
しかしながら、上記特許文献1の技術では、例えば図1に示される如くの封止樹脂で封止された半導体パッケージの如きの製品における膜(積層膜)が受けるストレスの評価(膜の密着性の評価)を行うことが出来ない。
従って、本発明が解決しようとする第1の課題は、特に脆弱な膜の密着性をパッケージ状態で評価できる技術を提供することである。
本発明が解決しようとする第2の課題は、一つの試料で膜の密着性の時間的変化をパッケージ状態で評価できる技術を提供することである。
前記の課題は、樹脂で覆われた状態の膜の基板に対する密着性を評価する方法であって、
前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、
前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、
前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、
前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程
とを具備することを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、
前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、
前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、
前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程
とを具備することを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
特に、樹脂で覆われた状態の半導体素子における膜の基板に対する密着性を評価する方法であって、
前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、
前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、
前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、
前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程
とを具備することを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、
前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、
前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、
前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程
とを具備することを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
又、樹脂で覆われた状態の膜の基板に対する密着性を評価する方法であって、
前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、
前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、
前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃で、かつ、軟化点未満の温度での熱膨張係数が4ppm/℃〜12ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、
前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程
とを具備することを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、
前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、
前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃で、かつ、軟化点未満の温度での熱膨張係数が4ppm/℃〜12ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、
前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程
とを具備することを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
特に、樹脂で覆われた状態の半導体素子における膜の基板に対する密着性を評価する方法であって、
前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、
前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、
前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃で、かつ、軟化点未満の温度での熱膨張係数が4ppm/℃〜12ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、
前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程
とを具備することを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、
前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、
前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃で、かつ、軟化点未満の温度での熱膨張係数が4ppm/℃〜12ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、
前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程
とを具備することを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
又、上記の膜密着性評価方法であって、カット工程がレーザグルービング又はレーザフルカットダイシングによることを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。又、上記の膜密着性評価方法であって、膜が比誘電率3.0以下の絶縁膜であることを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。又、上記の膜密着性評価方法であって、非破壊検査装置が超音波探査映像装置であることを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
又、上記の膜密着性評価方法であって、樹脂封止工程で用いられる樹脂は、軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜30ppm/℃の樹脂であることを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。そして、軟化点未満の温度での熱膨張係数が4ppm/℃〜10ppm/℃の樹脂であることを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
又、上記の膜密着性評価方法であって、樹脂封止工程で用いられる樹脂は、軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜30ppm/℃の樹脂であることを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。そして、軟化点未満の温度での熱膨張係数が4ppm/℃〜10ppm/℃の樹脂であることを特徴とする膜密着性評価方法によって解決される。
パッケージング状態での膜の密着性を評価できることから、正しい評価が可能になる。すなわち、実際に近い条件下での膜の密着性の評価であるから、それだけ信頼性が高い評価が出来る。
又、膜の密着性の評価に悪い原因が究明されて除外されていることから、正しい評価が可能になる。
そして、評価は定量的な評価であるから、かつ、一つの試料で継続的な評価が可能になり、更には異なる過負荷試験を連続して行なっても評価でき、膜の開発に大きな貢献が期待される。
本発明の膜密着性(剥離耐性:剥離性)評価方法は、樹脂で覆われた状態の膜(例えば、比誘電率3.0以下の絶縁膜など)の基板に対する密着性を評価する方法である。特に、半導体素子における膜の密着性を評価する方法である。そして、基板上に膜を設ける成膜工程を有する。この成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカット(例えば、レーザグルービングやレーザフルカットダイシング)するカット工程を有する。このカット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃(特に、30ppm/℃以下)の樹脂で覆う樹脂封止工程を有する。前記封止樹脂は、好ましくは、軟化点未満の温度での熱膨張係数が4ppm/℃〜12ppm/℃(特に、10ppm/℃以下)の樹脂である。この樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置(例えば、X線または超音波映像装置(SAT:Scanning
Acoustic Tomography))を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程を有する。
Acoustic Tomography))を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程を有する。
以下、更に具体的に説明する。
図1は本発明において用いられるパッケージング状態での試料の平面図(上面図)と断面図を示すもので、図2,3はパッケージング前段階での試料(積層膜)の断面図である。
図1は本発明において用いられるパッケージング状態での試料の平面図(上面図)と断面図を示すもので、図2,3はパッケージング前段階での試料(積層膜)の断面図である。
本発明は、例えば半導体デバイスにおける絶縁膜(積層膜)の密着性の評価に用いられるものであるから、より正確な評価を得る為には、絶縁膜(積層膜)の構成も現実の半導体デバイスに対応したものであることが好ましい。従って、例えばSiウェハ上に所定の膜が積層されたものが用意される。特に、所定のウェハ作製工程やパッケージング工程、ダイシング工程を経て得られる半導体素子と同様な構造を持つウェハ2が試料として用意される。又、測定対象(評価対象)であるlow−k膜以外の膜については、現在の半導体素子のものと同一構造のものであることが好ましい。従って、例えば化学気相成長法(CVD)により形成されるp−SiO,p−SiN,p−SiC,p−SiCN等の膜で構成されている。又、測定対象(評価対象)であるlow−k膜についても、その厚さは現在の半導体素子の膜と同一厚さであることが好ましい。low−k膜は、半導体デバイスの構造によって、図2の如く、一層であったり、図3の如く、複数層であったりする。どちらを選択するかは、評価しようとする半導体デバイスが如何なる構造のものであるかを基準に決定すれば良い。更に、膜の形成前後に実施する密着性付与の為の処理を、実際にダイシングを行うウェハと同様に行っても良く、処理の有無で比較評価を行なうことも出来る。このような処理の例としては、例えば各種プラズマへの曝露、密着助剤の使用、逆スパッタによる膜表面の粗面化などが挙げられる。
さて、図2,3の如くのサンプルから図1の如くの試料を作製するに際して、サンプルの固定方法は一般的な固定用ペースト材料、或いはフィルム材料などについて、如何なるものでも使用できるが、このような固定材料についても、実製品で使用される材料を使用することが好ましい。
図4は、図2,3のサンプルが図1の如くにモールドパッケージされた試料をSATで観察(パッケージ内部のチップについて焦点を合わせて観察)した場合の模式図である。このSATによれば、モールド材1を破壊すること無く膜剥離の状況を観察できる。特に、膜の剥離面積を求めることが出来るので、膜の密着性評価が定量的に行える。そして、SATによれば、その定量的評価が簡便である。
このSATによる評価は、具体的には図5,6,7のようにして行なわれる。先ず、図5に示される如く、膜端部からの剥離が観察された場合、試料の面積に対して、剥離した面積の比を測定し、剥離面積を試料面積で除した百分率で規定する。この時、或る条件下において、剥離の有無の判定を行う。この後、或る条件を更に続けて、又は、異なる条件下に置いた後、再度、SATで観察する。この時の観察が図6に示される。図5と図6とのSATによる観察で変化が認められなければ、時間的変化、或いは異なる条件下に置かれても、膜の密着性が良いことの情報が得られる。又、図5から図6に示される如くに膜剥離が進んだ場合、膜の密着性について変化の定量的な情報を得ることが出来る。図5,6においては、膜の剥離が四角の角の箇所から発生しているのに対して、図7においては、角の個所では無く、一辺の個所から発生している。このような場合は、カット不良によると考えられるので、図7のような剥離現象が認められた場合には、評価対象からは外す。尚、面積比の測定については画像処理ソフトを用いることで簡単に算出できる。例えば、二階調化を行うことが出来る画像処理ソフトを用いることで、剥離部と非剥離部とを白黒二階調化処理でき、白黒面積比で算出できる。
本発明における膜を所定の大きさにカットするカット工程では、レーザグルービングやレーザダイシング等の膜に対して機械的・熱的な負担の少ない切断方法が用いられる。これらのダイシング方法は、被測定部位を含む切出部位に対して、試験前に与えるダメージが少なく、密着性評価が正確に行なわれるようになる。例えば、図7に示される如き、評価から除外される試料が減少する。
本発明によれば、密着性評価をパッケージ状態で行なうことから、パッケージ状態での信頼性評価試験で発生するストレスを加えた状態での、密着性評価を行なうことが出来る。すなわち、パッケージ状態で行なわれる信頼性評価試験を行った後に、剥離量を測定することによって、密着性の評価を行なうことが出来る。このような評価を行なうことによって、より実使用条件に近づけた評価を行なうことが出来る。信頼性評価としては、温度サイクル試験、プレッシャークッカー試験や、それらのプレコンディショニングであるリフロー試験などを行うことが出来、評価の目的に従って、単独、或いは複数の試験を組み合わせて行うことが出来る。更に、試験時間や試験サイクル、剥離の測定頻度などについても、試験の目的に従って適宜設定でき、経時的な評価を行なうことも出来る。
以下、更に具体的な実施例を挙げて説明する。
[試料作成工程]
[実施例1]
先ず、図3に示されるlow−k膜が三層構造のウェハサンプル2を用意した。low−k材は表1に示されるAである。次に、このウェハサンプル2をレーザグルービングによって予め溝を作製し、この溝に沿ってブレードダイシングを行い、8.6mm×8.6mmのサイズに切り出した。続いて、この8.6mm×8.6mmのサイズのサンプル2を、銀ペーストを用いて、35mmサイズのモールドパッケージ用インタポーザ3にマウントした。この後、表2に示される樹脂モールド材I(α1は軟化点未満の温度での熱膨張係数。α2は軟化点以上の温度での熱膨張係数)を用いて、モールドパッケージし、図1に示される如きの試料を作成した。
[試料作成工程]
[実施例1]
先ず、図3に示されるlow−k膜が三層構造のウェハサンプル2を用意した。low−k材は表1に示されるAである。次に、このウェハサンプル2をレーザグルービングによって予め溝を作製し、この溝に沿ってブレードダイシングを行い、8.6mm×8.6mmのサイズに切り出した。続いて、この8.6mm×8.6mmのサイズのサンプル2を、銀ペーストを用いて、35mmサイズのモールドパッケージ用インタポーザ3にマウントした。この後、表2に示される樹脂モールド材I(α1は軟化点未満の温度での熱膨張係数。α2は軟化点以上の温度での熱膨張係数)を用いて、モールドパッケージし、図1に示される如きの試料を作成した。
[実施例2]
実施例1で用いたlow−k材Aの代わりに表1のlow−k材Bを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
実施例1で用いたlow−k材Aの代わりに表1のlow−k材Bを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
[実施例3]
実施例1で用いたlow−k材Aの代わりに表1のlow−k材Cを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
実施例1で用いたlow−k材Aの代わりに表1のlow−k材Cを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
[比較例1]
実施例1で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
実施例1で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
[比較例2]
実施例2で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
実施例2で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
[比較例3]
実施例3で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
実施例3で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
[比較例4]
実施例1において、8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
実施例1において、8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
[比較例5]
実施例2において、8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なった。しかしながら、本例の場合、ダイシング工程で膜剥離が激しく、従って評価試験に供することが可能な試料作成が出来ないものであった。
実施例2において、8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なった。しかしながら、本例の場合、ダイシング工程で膜剥離が激しく、従って評価試験に供することが可能な試料作成が出来ないものであった。
[比較例6]
実施例3において、8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なった。しかしながら、本例の場合、ダイシング工程で膜剥離が激しく、従って評価試験に供することが可能な試料作成が出来ないものであった。
実施例3において、8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なった。しかしながら、本例の場合、ダイシング工程で膜剥離が激しく、従って評価試験に供することが可能な試料作成が出来ないものであった。
[比較例7]
実施例1で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いたこと、又、実施例1において8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
実施例1で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いたこと、又、実施例1において8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なって試料を作成した。
[比較例8]
実施例2で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いたこと、又、実施例2において8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なった。しかしながら、本例の場合、ダイシング工程で膜剥離が激しく、従って評価試験に供することが可能な試料作成が出来ないものであった。
実施例2で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いたこと、又、実施例2において8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なった。しかしながら、本例の場合、ダイシング工程で膜剥離が激しく、従って評価試験に供することが可能な試料作成が出来ないものであった。
[比較例9]
実施例3で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いたこと、又、実施例3において8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なった。しかしながら、本例の場合、ダイシング工程で膜剥離が激しく、従って評価試験に供することが可能な試料作成が出来ないものであった。
実施例3で用いた樹脂モールド材Iの代わりに表2の樹脂モールド材IIを用いたこと、又、実施例3において8.6mm×8.6mmのサイズの切り出しに用いたレーザグルービングの代わりにブレードダイシングを用いた以外は同様に行なった。しかしながら、本例の場合、ダイシング工程で膜剥離が激しく、従って評価試験に供することが可能な試料作成が出来ないものであった。
[測定工程]
次に、先ず、上記各例で得た試料について、SATを用いて、low−k膜の剥離具合を調べた。尚、この段階でSATによる測定が可能な試料は、実施例1,2,3と比較例1,2,3,4,7である。すなわち、比較例5,6,8,9はSATで評価する前に不良品であることが判明したから、SATによる測定に供さなかった。
次に、先ず、上記各例で得た試料について、SATを用いて、low−k膜の剥離具合を調べた。尚、この段階でSATによる測定が可能な試料は、実施例1,2,3と比較例1,2,3,4,7である。すなわち、比較例5,6,8,9はSATで評価する前に不良品であることが判明したから、SATによる測定に供さなかった。
続いて、モールドパッケージが出来た試料(実施例1,2,3と比較例1,2,3,4,7)について、JEDEC(電子デバイス合同委員会)STANDARDのJESD22-A113-Dに規定される吸湿レベル1の吸湿、及び鉛フリーリフロー条件によるリフロー試験を行った。そして、これ等の試験後に、試料を観察した処、モールド材IIを用いて作成したもの(比較例1,2,3,7)に不良が認められた。すなわち、モールド材IIとインタポーザとの間で剥離が発生していることが判明した。尚、実施例1,2,3及び比較例4の試料について、SATで剥離具合を観察したが、low−k膜の剥離は認められなかった。
そこで、リフロー試験後の実施例1,2,3及び比較例4のものについて、JEDEC STANDARDのJESD22-A104-Bに規定されるコンディションCの温度サイクル試験を行った。温度サイクル試験は、100,200,300サイクルで行った。そして、各サイクル後に、SATでlow−k膜の剥離具合を測定した。尚、比較例4の試料については、100サイクル試験の段階で、図7に示される如きの剥離が認められたので、この段階で評価試験の対象から除外した。実施例1,2,3の試料については、剥離が生じたものには図7の如きの剥離が認められず、剥離部4の面積比を求めたので、それを表4に示す。
これによれば、本発明外の遣り方で試料を作成した場合には、正しい評価が可能な試料が得られ無いのに対して、本発明の如くにすれば、膜の密着性を正しく評価できる試料が得られ、そして本発明の試料を用いたならば評価の為の過負荷試験の時間変化に対しても密着性がどのように変化しているかを定量的に評価できることが判る。特に、モールド状態における膜の密着性の正しい評価が可能になる。
Claims (5)
- 樹脂で覆われた状態の膜の基板に対する密着性を評価する方法であって、
前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、
前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、
前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、
前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程
とを具備することを特徴とする膜密着性評価方法。 - 樹脂で覆われた状態の膜の基板に対する密着性を評価する方法であって、
前記基板上に前記膜を設ける成膜工程と、
前記成膜工程で設けられた膜をレーザ手段によって所定の大きさにカットするカット工程と、
前記カット工程の後、前記膜を軟化点以上の温度での熱膨張係数が25ppm/℃〜35ppm/℃で、かつ、軟化点未満の温度での熱膨張係数が4ppm/℃〜12ppm/℃の樹脂で覆う樹脂封止工程と、
前記樹脂封止工程で得られた試料を所定の条件下に置き、非破壊検査装置を用いて膜の剥離具合を測定する測定工程
とを具備することを特徴とする膜密着性評価方法。 - 膜をレーザ手段によってカットするカット工程がレーザグルービング又はレーザフルカットダイシングによることを特徴とする請求項1又は請求項2の膜密着性評価方法。
- 膜が比誘電率3.0以下の絶縁膜であることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの膜密着性評価方法。
- 非破壊検査装置が超音波探査映像装置であることを特徴とする請求項1の膜密着性評価方法。
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Cited By (2)
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CN106769845A (zh) * | 2016-12-27 | 2017-05-31 | 深圳市星源材质科技股份有限公司 | 一种聚合物涂覆锂电池隔膜与极片之间粘结力的表征方法 |
CN112113899A (zh) * | 2019-12-10 | 2020-12-22 | 中芯集成电路(宁波)有限公司 | 粘合力检测方法以及检测系统 |
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- 2007-03-30 JP JP2007091732A patent/JP2008249518A/ja active Pending
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