JP2008248766A - コンプレッサ羽根車の製造方法 - Google Patents

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信裕 新井
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Abstract

【課題】ダイカスト形成における鋳造欠陥の発生を防止し、高い空力学的性能が期待でき、安価なコンプレッサ羽根車を効率的かつ安定して形成できる、コンプレッサ羽根車の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ハブ軸部と、ハブ面、ディスク面、および外周面を有するハブディスク部と、複数の羽根部とを有してなる羽根車形状に対応するキャビティを、ハブ面と該ハブ面に連なる外周面の一部を形成するハブ面形成金型とディスク面と該ディスク面に連なる外周面の一部を形成するディスク面形成金型とによって外周面を形成させる、ダイカスト形成されてなるコンプレッサ羽根車の製造方法である。例えばマグネシウム合金やアルミニウム合金からなる羽根車が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶、建設機械、自動車等において、内燃機関からの排気ガスを利用して圧縮空気を送るために用いられる過給機の吸気側に使用される、コンプレッサ羽根車の製造方法に関する。
過給機の吸気側において、コンプレッサ羽根車は、外気を吸引して圧縮するために回転される。そして、コンプレッサ羽根車によって圧縮された空気は、内燃機関に供給されて内燃機関の出力を向上させる。一般に、コンプレッサ羽根車は、外気の吸引および圧縮の効率を高めるために、空力学的曲面を有する複数のブレードがハブ軸の周りに放射状に配列された複雑な形状に形成されていることが多い。そして、ブレードは、すべて同一の形状の羽根を配置したり、形状の異なる長羽根とスプリッタ羽根とも呼ばれる短羽根とを交互に配置したり、ブレード空間にアンダーカットを有していたりといった、所望の形状に選択される。
また、近年、上述のように複雑な形状を有するコンプレッサ羽根車を、ダイカスト形成によって鋳造形成する手段が検討されている。ダイカスト形成は、上述したプラスターモールド鋳造法やロストワックス鋳造法よりも、鋳造の短サイクル化や製造コストなどの生産性や、機械的特性や鋳肌などの品質において、格段の有利性が期待される。例えば、鋳造毎の鋳型の製作が不要となること、鋳造後の清浄処理が不要となること、金型を用いることから寸法精度や意匠性が向上してニアネットシェイプ化が進み、これによる機械加工の低減など、様々な有利性が期待される。
例えば、WO2006090701A1号公報(特許文献1)やWO2006090702A1号公報(特許文献2)には、マグネシウム合金などの比較的軽量な合金を使用してダイカスト形成されてなるコンプレッサ羽根車(以下、羽根車という)が提案される。そして、これら特許文献1、2には、ダイカスト形成に利用できる金型装置(以下、従来金型という)が開示されている。従来金型を用いて画成した羽根車形状に対応する空間形状を有するキャビティの断面の一例を図5に模式的に示す。
従来金型によって画成したキャビティ30は、ハブディスク部のディスク面を形成する固定金型となるディスク面形成金型31と、羽根部とハブ面およびハブディスク部の外周面を形成する複数のスライド金型となるハブ面形成金型32とが、互いに密着して型合せされて画成される。これにより、従来金型のキャビティ30は、羽根車の主形状に対応する空間形状として画成されるとともに、キャビティ30に注入された溶湯がディスク面形成金型31とハブ面形成金型32との間から漏れ出すことを防止している。また、このキャビティ30においては、ディスク面形成金型31とハブ面形成金型32とが型合せされる個所に、型合せ線となるパーティングラインが形成される。このパーティングラインは、ダイカスト形成において、羽根車のハブディスク部の外周部に痕跡として確認されることとなる。
実際には、ハブ面形成金型32の角縁32aとディスク面形成金型31との接線が上述したパーティングラインとなる。そして、この接線が羽根車に対して転写されて痕跡となる。すなわち、従来金型を用いてダイカスト形成した羽根車には、ハブディスク部のディスク面と外周面とで形成される外縁つまりエッジに一致して形成される。
WO2006090701A1号公報 WO2006090702A1号公報
コンプレッサ羽根車は、例えば、船舶、建設機械、自動車等に用いられ、高圧縮させるために高速回転されるために優れた引張強さや疲労強度が要求される部品である。それ故に、羽根車には鋳造欠陥を皆無とし、所望の機械的特性を付与し、信頼性を確かなものにすることが重要となる。
しかしながら、ダイカスト形成するにおいてパーティングラインには、例えば損耗などによって隙間を生じてしまうことがある。この場合、その隙間に溶湯が浸入し、これによって成形体に鋳バリが形成されてしまう。上述した従来金型の場合、上記鋳バリはハブディスク部のディスク面と外周面とで形成される角縁に形成されることとなる。そして、この非製品部である鋳バリを冷間プレスなどでトリミングした場合、鋳バリがハブディスク部の外縁に残存するが故に、一部の鋳バリがプレス具に押されて反り返ってしまい、ディスク面の側に切断されずに残存してしまうことがあった。
本発明の目的は、上述したダイカスト形成の有利性を活かすとともに、羽根車をダイカスト形成するにおいてパーティングラインに生じる鋳バリのトリミング性を確保し、さらには、高い空力学的性能を有する安価なコンプレッサ羽根車を効率的かつ安定して形成できる、コンプレッサ羽根車の製造方法を提供することである。
本発明者は、ハブ面形成金型とディスク面形成金型とによって羽根車のハブディスク部の外周面を形成させることにより、上述の課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、ダイカスト形成されてなるコンプレッサ羽根車の製造方法であって、ハブ軸部と、ハブ面、該ハブ面の反対面となるディスク面、および外周面を有する前記ハブ軸部から半径方向に延在するハブディスク部と、前記ハブ面に配設された複数の羽根部とを有してなる羽根車形状に対応するキャビティを画成するにおいて、前記ハブ面と該ハブ面に連なる外周面の一部を形成するハブ面形成金型と前記ディスク面と該ディスク面に連なる外周面の一部を形成するディスク面形成金型とによって前記外周面を形成させる、コンプレッサ羽根車の製造方法である。
本発明において望ましくは、ハブ面形成金型とディスク面形成金型とのパーティングラインには0.1〜5mmの間隙を設けることである。
また、望ましくは、ハブ面形成金型とディスク面形成金型とのパーティングラインには0.1〜1mmの間隙を設けることである。
本発明のコンプレッサ羽根車の製造方法は、マグネシウム合金を用いてダイカスト形成する場合に適用できる。
また、本発明コンプレッサ羽根車の製造方法は、アルミニウム合金を用いてダイカスト形成する場合に適用できる。
本発明の製造方法によれば、上述したダイカスト形成の有利性を活かすとともに、高い空力学的性能を有する安価なコンプレッサ羽根車を効率的に安定して形成することができ、工業上極めて有効な技術となる。
本発明の重要な特徴は、パーティングラインを外周面のエッジではなく外周面内に形成すること、具体的には、上述したようにハブ面形成金型とディスク面形成金型とによってハブディスク部の外周面を形成させることにある。
パーティングラインには、上述した従来金型と同様に、例えば損耗などによって隙間を生じる可能性がある。そして、生じた隙間に溶湯が浸入し、これによって成形体に非製品部である鋳バリが形成されてしまう可能性がある。本発明においては、非製品部である鋳バリは、ハブディスク部の外周面内のみに限定されて形成されることとなる。このため、非製品部である鋳バリなどを例えば冷間プレスで除去しようとしたとき、鋳バリなどがプレス具に押されてディスク面の側に反り返って残存してしまうことがなくなる。
つまり、本発明においては、パーティングラインに生じた鋳バリを除去するにおいて、例えばハブディスク部の外周面をハブ軸部の軸方向に沿ってダイカットするなどの冷間プレスのような生産効率のよい安価な除去手段を適用することができるのである。それ故に、成形体からの鋳バリのトリミング性は格段に優れたものとなる。
よって、本発明は、パーティングラインにおける鋳バリなどの非製品部を簡易かつ容易に除去できることから、ダイカスト形成を適用する利点となる生産効率や製造コストを損ねることがない。
また、本発明においては、ハブ面形成金型とディスク面形成金型とのパーティングラインはハブディスク部の外周面内に対応する位置となる。それ故に、パーティングラインに対して間隙を設けたとしても、この間隙によって成形体に形成された非製品部は、上述した冷間プレスなどによって容易に除去できる。よって、パーティングラインに対し、例えばオーバーフロー部やガスベント部などの作用効果を有する間隙を設けることもできる。この間隙は、キャビティからのガスの逃げ場となるガスベント部としても利用できるし、キャビティに溶湯を十分に充填するためのオーバーフロー部としても利用できる。例えば、ガスベント部を設けることにより、キャビティにガスが残留している場合でもガスベント部から残留ガスを排出できるので、羽根車のハブディスク部の外周部に対応する個所におけるガス欠陥を防止できる。また例えば、オーバーフロー部を設けることにより、羽根車のハブディスク部の外周部に対応する個所にも溶湯が十分に充填でき、不廻りなどの鋳造欠陥が防止される。
間隙に対し、オーバーフロー部としての作用効果を期待する場合、パーティングラインは0.1〜5mmの間隙を有していることが望ましい。間隙が5mmを超えると、この間隙に溶湯が充填されて形成される非製品部の基部が肉厚に形成されてしまい、非製品部の除去において生産性や品質などを損ねてしまうことがある。より望ましくは、0.5〜2mmの間隙を設けることである。また、溶湯のオーバーフロー部として設けた間隙は、ガスベント部としての作用効果も期待できる。
また、間隙に対し、ガスベント部のみの作用効果を期待する場合、パーティングラインは0.1〜1mmの間隙を有していることが望ましい。1mm以下の間隙は、この間隙に溶湯が充填され難いため、間隙による非製品部の形成が防止できる。あるいは、間隙によって非製品部が形成された場合でも、形成された非製品部の基部の肉厚は薄くなるため、非製品部をその基部から容易に折り取ることができる。間隙が1mmを超えると、非製品部の除去においてはプレスやトリミングなどの除去手段を必須として要することがある。より望ましくは0.1〜0.3mmとし、間隙に溶湯をさらに浸入し難くして非製品部の形成を妨げつつガスを排出させることである。
以上のことから、本発明の製造方法によって得られた羽根車は、鋳造欠陥が抑制され、所望の機械的特性を有し、高い信頼性かつ高い空力学的性能が期待できる安価なコンプレッサ羽根車となることが期待される。
以下、本発明において、上述したように羽根車のハブディスク部の外周面を形成する際、ハブ面形成金型とディスク面形成金型とによって形成されるパーティングラインについて具体例を挙げて、図面を用いて説明する。
図1は、本発明において、コンプレッサ羽根車(以下、羽根車という)をダイカスト形成するために画成したキャビティの断面の一例を模式的に示す断面図である。羽根車の形状に対応する空間形状を含むキャビティ1は、羽根車のディスク面とこれに連なるハブディスク部の外周面の一部を形成するためのディスク面形成金型2と、羽根部を含みハブ面とこれに連なるハブディスク部の外周面の一部を形成するためのハブ面形成金型3を型合せした状態で画成されている。
このキャビティ1では、ディスク面形成金型2とハブ面形成金型3とのパーティングライン9を、羽根車のハブディスク部の外周面内に対応する位置に設けている。そして、このパーティングライン9においては格別の間隙を設けていない。また、ダイカスト形成された羽根車形状の成形体においてパーティングライン9は、ハブディスク部の外周面内に線状の痕跡として、あるいは、外周面内に線状の微突起として確認されることとなる。さらに、幾度かのダイカスト形成を経るうちには、パーティングライン9において摩滅が進行して狭隘な隙間が形成されるようになる。その場合、パーティングラインに形成された隙間は、成形体のハブディスク部の外周面内に鋳バリ状に突出して確認されることになる。
また、図2は、本発明において、羽根車をダイカスト形成するために画成したキャビティの断面の別の例を模式的に示す断面図である。羽根車の形状に対応する空間形状を含むキャビティ4は、羽根車のディスク面とこれに連なるハブディスク部の外周面の一部を形成するためのディスク面形成金型5と、羽根部を含みハブ面とこれに連なるハブディスク部の外周面の一部を形成するためのハブ面形成金型6を型合せした状態で画成されている。
このキャビティ4では、ディスク面形成金型5とハブ面形成金型6とのパーティングラインには、羽根車のハブディスク部の外周面内に対応する位置に間隙7を設けている。そして、この間隙7は、ダイカスト形成された羽根車形状の成形体において、ハブディスク部の外周面内に対応する位置に確認されることになる。また、間隙7は、ディスク面形成金型5とハブ面形成金型6とのパーティングラインの全域に渡って設けてもよいし、ハブディスク部の外周面の円周方向に対応させてパーティングラインの円周方向において複数の個所に分散させて設けてもよい。望ましくは、羽根車の羽根部の合計枚数の半数以上間隙を分散させて設けることである。例えば、羽根部の合計枚数が12枚ならば、羽根部に対応する位置に分散させて6個所以上の間隙を設けることが望ましい。また、間隙は、等間隔に放射状に設けることもできるし、等間隔とせずに設けることもできる。
上述したように間隙7を設けることで画成される間隙キャビティ4bは、ダイカスト形成された成形体においては非製品部として形成されることとなる。すなわち、キャビティ4によってダイカスト形成された成形体は、羽根車キャビティ4aによって形成される製品部つまり羽根車と、間隙キャビティ4bによって形成される非製品部などを有するものとなる。そして、成形体の製品部つまり羽根車には、ハブ面形成金型6の角縁6aを含む外周面形成部8と、間隙7の基部である羽根車キャビティ4aと間隙キャビティ4bとの境界とからなるパーティングラインが、羽根車のハブ面の側とディスク面の側とを区分するハブディスク部の外周面内に確認されることとなる。なお、図2中には、明確化のために、羽根車キャビティ4aと間隙キャビティ4bとの境界を実線で示している。
本発明におけるハブ面形成金型は、羽根車の複数の羽根部とハブ面およびハブディスク部の外周面の一部に対応するキャビティを画成可能な金型とすることができる。例えば、複数の羽根部とハブ面およびハブディスク部の外周面の一部に対応する空間形状を有する単体の金型であってもよい。また、複数の金型を組み合わせることにより、上記空間形状を有することができる金型であってもよい。あるいは、開閉自在な複数の金型であって、型締め時に一体となることにより、上記空間形状を有することができる金型であってもよい。
また、ハブ面形成金型は、可動金型として構成できる。これにより、複雑な形状を有する成形体を効率よく離型させることができる。例えば、羽根部の形状が簡易な羽根車の場合には、ハブ面形成金型の可動方向を羽根車のハブ軸部の軸線方向もしくは軸線方向に近似する方向に構成することが望ましい。また例えば、羽根車の羽根部においてハブ軸部の半径方向外向にアンダーカットを有している場合には、ハブ面形成金型の可動方向を羽根車のハブ軸部の軸線方向に対して半径方向に移動可能に構成し、加えて、その移動軸線に対して回動可能に構成することが望ましい。ハブ面形成金型を上述のように構成することにより、ダイカスト形成された羽根車形状の成形体の離型が容易となる。
また、パーティングラインに間隙を設ける場合には、ハブ面形成金型ごとに設けることもできるし、隣接するハブ面形成金型の間に対応する位置に設けることもできる。
また、本発明におけるディスク面形成金型は、羽根車のハブディスク部のディスク面と外周面の一部に対応するキャビティを画成可能な金型とすることができる。例えば、ディスク部と外周面の一部に対応する空間形状を有する単体の金型であってもよい。また、複数の金型を組み合わせることにより、上記空間形状を有することができる金型であってもよい。
また、パーティングラインに間隙を設ける場合には、ディスク面形成金型に対して設けることができる。また、ディスク面形成金型に設ける間隙は、ハブ面形成金型に対応する位置に設けることもできるし、隣接するハブ面形成金型の間に対応する位置に設けることもできる。
次に、本発明において、コンプレッサ羽根車に使用できる材質について説明する。
コンプレッサ羽根車は、上述したように外気の吸引および圧縮を行う羽根車である。この吸引と圧縮を高効率で行わせるために高速回転される羽根車は、羽根車の質量当たりの耐力、引張強さ、疲労強度などの機械的特性が所望される。それ故に、望ましくは、上述した機械的特性に優れるアルミニウム合金やマグネシウム合金を使用することである。アルミニウム合金やマグネシウム合金を使用してダイカスト形成されてなる羽根車は、軽量かつ高強度の羽根車となることが期待される。また、マグネシウム合金は、アルミニウム合金に比べて金型に対する焼付性がよいことから、ダイカスト形成には、より好適な材料である。
材質の具体例を挙げると、アルミニウム合金としては、ASTM(米国材料試験協会)−354や355、JIS−AC4C、AC5A、AC5Bなどが好適である。また、ダイカスト形成における金型の焼き付き防止を考慮し、これらの合金にFeやMnを各々0.05〜1.0質量%含有させたアルミニウム合金も好ましい。また、マグネシウム合金としては、ASTM−AZ91A〜AZ91E、AS41A、AS41B、AM50A、AE42、WE43A、WE41A、WE54Aなどが好適である。
本発明の製造方法により、一例として、図3に示す形状を有するコンプレッサ羽根車11をダイカスト形成して製造した。
図3は、自動車用ターボチャージャの吸気側に使用されるコンプレッサ羽根車11(以下、羽根車11という)の模式図である。羽根車11は、ハブ軸部12と、ハブディスク部13と、複数の羽根部とを有している。ハブディスク部13は、ハブ軸部12から半径方向に延在するハブ面14と、ハブ面14の反対面となるディスク面15と、外周部にはディスク面15とハブ面14に連なる外周面16とを有している。そして、ハブディスク部13の外周面16は円筒面状であって、その外縁17はディスク面15と外周面16とでエッジ状に形成されている。また、複数の羽根部は、合計12枚の羽根がハブ面14に配設され、6枚の長羽根18と、6枚のスプリッタ羽根とも呼ばれる短羽根19とがそれぞれ交互に放射状に突設されている。また、長羽根18と短羽根19のブレード面は、いずれも複雑な空力学的曲面形状を表裏に有している。なお、本発明においては、上述した引用文献1、2に開示されるアンダーカットを有する羽根車形状であってもよい。
まず、上述した形状を有する羽根車11に対応する空間形状を有するキャビティを画成した。具体的には、ハブディスク部13のディスク面15を形成する固定金型となるディスク面形成金型と、長羽根18と短羽根19とからなる合計12枚の羽根部とハブ面14とを形成する複数のスライド金型からなるハブ面形成金型とを、互いに型合せしてキャビティを画成した。そして、キャビティには、隣接する一対の長羽根18間であってハブディスク部の外周面に対応する位置に、図2に示すような間隙を合計6箇所に分散させて配設した。また、間隙がキャビティへ開口する開口部の寸法は、羽根車のハブ軸部の軸線方向に対応する方向(高さ)に0.5mm、パーティングラインに沿う方向(幅)に10mmとした。
次に、上記金型装置を搭載させたダイカスト成形機に対し、液相線温度595℃のASTM−AZ91D(マグネシウム合金)を溶解して得た溶湯を供給した。そして、キャビティに溶湯を注入した後は加圧維持してから冷却した。このとき、溶湯注入前のキャビティは大気雰囲気とした。また、キャビティへの溶湯注入は、溶湯温度640℃、充填時間0.02秒に調整した。溶湯充填後は、圧力40MPa、時間2秒で加圧維持した後、溶湯が凝固するまで十分に冷却した。
冷却後、上記金型装置を型開きして成形体を離型し、ダイカスト形成された羽根車形状を有する成形体を得た。型開きした金型装置の状態を図4に示す。この際には、ハブディスク部13のディスク面15を形成する固定金型となるディスク面形成金型21と、長羽根18と短羽根19およびハブ面14を形成する複数のスライド金型となるハブ面形成金型22とを、互いに型合せして画成したキャビティに、羽根車形状を有する成形体23がダイカスト形成されている。ここで使用したハブ面形成金型22は、開閉自在な6台のスライド金型であって、型締め時に一体となることにより、隣接する一対の長羽根18とその間のハブ面14と1枚の短羽根19に対応する空間形状を画成する金型である。なお、明確化のため、合計6台配置しているハブ面形成金型22は1台のみを図示している。また、ハブ面形成金型22を挟んでディスク面形成金型21に対向して配置している、湯口などを有する可動金型は図示していない。また、離型した成形体23としては、羽根車形状の製品部のみを図示し、その他に形成されている湯口や湯道、パーティングラインに対応したバリなどの非製品部については図示していない。
上述のように得られた成形体23から、非製品部である湯口や湯道、その他の細片などを除去することにより、長羽根18と短羽根19とを有する、マグネシウム合金製のコンプレッサ羽根車をダイカスト形成して得ることができた。このとき、ディスク面15と外周面16の一部を形成するディスク面形成金型21と羽根部とハブ面14および外周面16の一部を形成するハブ面形成金型22とによって形成された、間隙を有するパーティングラインに対応するハブディスク部13の外周面内には、合計6個の高さ0.4mm、幅10mmのバリ状の非製品部が形成されていた。そして、形成されていた非製品部は、トリミングプレスを用いることによってわずかな作業工数で容易に除去できたことから、生産性を阻害することはなかった。
上述した製造方法によって得られたコンプレッサ羽根車は、ハブ軸部の外径13mm、ハブディスク部の外径69mm、外周部の肉厚2.5mmであり、羽根部の肉厚は、羽根先端付近0.5mm、羽根中央付近1.2mm、ハブ面近傍の羽根付け根2.2mmであった。また、羽根車のハブディスク部の外周部には、ガス欠陥や不廻りといった鋳造欠陥は認められず、健全なコンプレッサ羽根車が得られた。
比較例として、図6に、羽根車のディスク面を形成するディスク面形成金型にオーバーフロー部となる間隙を設けて画成したキャビティの一例を示す。このキャビティ40においては、ハブディスク部のディスク面を形成する固定金型となるディスク面形成金型41と、羽根部とハブ面およびハブディスク部の外周面を形成する複数のスライド金型となるハブ面形成金型42とのパーティングラインは、上述した従来金型と同じ個所に形成されている。そして、間隙つまりオーバーフロー部43は、羽根車のディスク面を形成するディスク面形成金型41の一部から、キャビティ40において製品部を形成することとなる空間に連通している。オーバーフロー部43は、キャビティ40への開口部をハブディスク部の半径方向外方に3mm、円周方向に10mmとし、ディスク面形成金型に対する凹みの深さを5mm、奥行きを20mmとして、ハブディスク部の円周方向6箇所に分散して設けた。
上記キャビティ40に対し、上述した実施例と同様に、マグネシウム合金の溶湯を注入して羽根車をダイカスト形成した。ダイカスト形成の後に得られた成形体には、オーバーフロー部43に対応する非製品部が、ハブディスク部の外周部よりも半径方向外方に突出し、ディスク面から連なって形成されていた。例えば、このオーバーフロー部43に対応する非製品部を冷間プレスやトリミングによって除去しようとしたが、非製品部の一部であるハブディスク部の外周部から突出した部分だけが除去され、突出していないディスク面の側の非製品部が残存してしまった。
以上のことから、ハブ面形成金型とディスク面形成金型とによって羽根車のハブディスク部の外周面を形成させる、本発明の製造方法が有効であることが確認できた。
本発明の製造方法によって得られるコンプレッサ羽根車は、自動車や船舶等の内燃機関に組み込まれる過給機の吸気側で使用される。
本発明の一例となるキャビティを模式的に示す断面図である。 本発明の一例となるキャビティを模式的に示す断面図である。 コンプレッサ羽根車の一例を示す模式図である。 金型装置の一例を示す全体図である。 従来金型で画成したキャビティの一例を模式的に示す断面図である。 比較例となるキャビティの一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1.キャビティ、2.ディスク面形成金型、3.ハブ面形成金型、4.キャビティ、4a.羽根車キャビティ、4b.間隙キャビティ、5.ディスク面形成金型、6.ハブ面形成金型、6a.角縁、7.間隙、8.外周面形成部、9.パーティングライン、11.羽根車、12.ハブ軸部、13.ハブディスク部、14.ハブ面、15.ディスク面、16.外周面、17.外縁、18.長羽根、19.短羽根、21.ディスク面形成金型、22.ハブ面形成金型、23.成形体、30.キャビティ、31.ディスク面形成金型、32.ハブ面形成金型、32a.角縁、40.キャビティ、41.ディスク面形成金型、42.ハブ面形成金型

Claims (5)

  1. ダイカスト形成されてなるコンプレッサ羽根車の製造方法であって、ハブ軸部と、ハブ面、該ハブ面の反対面となるディスク面、および外周面を有する前記ハブ軸部から半径方向に延在するハブディスク部と、前記ハブ面に配設された複数の羽根部とを有してなる羽根車形状に対応するキャビティを画成するにおいて、前記ハブ面と該ハブ面に連なる外周面の一部を形成するハブ面形成金型と前記ディスク面と該ディスク面に連なる外周面の一部を形成するディスク面形成金型とによって前記外周面を形成させることを特徴とするコンプレッサ羽根車の製造方法。
  2. ハブ面形成金型とディスク面形成金型とのパーティングラインには0.1〜5mmの間隙を設けることを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ羽根車の製造方法。
  3. ハブ面形成金型とディスク面形成金型とのパーティングラインには0.1〜1mmの間隙を設けることを特徴とする請求項2に記載のコンプレッサ羽根車の製造方法。
  4. マグネシウム合金を用いてダイカスト形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンプレッサ羽根車の製造方法。
  5. アルミニウム合金を用いてダイカスト形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンプレッサ羽根車の製造方法。
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