JP2008247650A - 繊維セメント板 - Google Patents

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Abstract

【課題】水硬性スラリーのろ過性が低下することなく生産性高く製造することができる繊維セメント板を提供する。
【解決手段】セメントを主成分とし補強繊維を添加して調製される水硬性スラリーを抄造して得られる繊維セメント板に関する。水硬性スラリーに添加される補強繊維として、TAPPI T271の規定に準拠する繊維長測定機で測定される重さ加重繊維長が0.2mm以下の割合が、20質量%以下のものを用いる。水硬性スラリー中の微細繊維の量が少なく、抄造フェルト等の目がこの微細繊維で詰まったり、水硬性スラリーの脱水時に抄造フェルト等の上に堆積して抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりして、ろ過抵抗が増大することを防ぐことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、家屋の外壁材や屋根材等の建築材などとして用いられる繊維セメント板に関するものである。
繊維セメント板を抄造法で製造するにあたっては、まずセメントや補強繊維などの原料を水に分散させて水硬性スラリーを調製する。次にこの水硬性スラリーを抄造フェルト等を備えた抄造機に供給し、抄造フェルト等を通して水硬性スラリー中の水を吸引ろ過することによって、抄造フェルト等の上に抄造板を抄造する。そしてこの抄造板をプレス成形した後に、養生して硬化させ、さらに表面に塗装を施すことによって、建築材などとして用いられる繊維セメント板を製造することができるものである。
上記のように補強繊維を添加した水硬性スラリーを抄造フェルト等で抄造するにあたって、補強繊維に微細な繊維が含有されていると、抄造フェルト等の目がこの微細な繊維で詰まったり、水硬性スラリーの脱水時に抄造フェルト等の上に堆積して抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりして、ろ過抵抗が増大して生産性が低下するおそれがある。
特に最近ではリサイクル省資源化のために、古紙などから再生したパルプを補強繊維として使用することが行なわれている(例えば特許文献1等参照)。そしてこのようなリサイクル繊維は、切断による微細化、摩擦等によるフィブリル化などのダメージを受けており、バージン繊維にくらべると微細な繊維が多く含まれている。また古紙等には炭酸カルシウム、カオリン、タルク、ホワイトカーボン等の充填剤の微細粒子が多く塗工または内添されているので、リサイクル繊維にはこのような微細粒子も含まれている。
従って、補強繊維としてバージン繊維を用いる場合には、水硬性スラリー中の補強繊維2は繊維長の長いものが殆どであり、また粒子もセメント粒子やフィラーなどの微細でない粒子3であるので、抄造を行なうにあたって、水硬性スラリー1中の水4は図6(a)のように、抄造フェルト5を矢印のようにスムーズに通過してろ過することができるが、補強繊維としてリサイクル繊維を用いる場合には、水硬性スラリー1中の補強繊維2には繊維長の長い繊維2aの他に繊維長が短い微細繊維2bも多く含まれるので、この微細繊維2bで抄造フェルト5の目が詰まったり、水硬性スラリー1の脱水時に抄造フェルト5の上に抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりして、図6(b)の矢印のように水硬性スラリー1中の水4はスムーズに通過しなくなり、また水硬性スラリー1中の粒子3には粒径の大きい粒子3aの他に粒径の小さな微細粒子3bも多く含まれるので、この微細粒子3bで抄造フェルト5の目が詰まったり、抄造フェルト5の上に抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりして、同様に水硬性スラリー1中の水4はスムーズに通過しなくなるものであり、抄造工程での生産性が低下するという問題が生じるものであった。
このため、凝集剤等の薬剤を水硬性スラリーに添加して、微細繊維や微細粒子を凝集させ、微細繊維や微細粒子を凝集体にすることによって、微細繊維や微細粒子で抄造フェルト等の目が詰まったり、水硬性スラリーの脱水時に抄造フェルト等の上に抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりすることを抑制してろ過性の低下を防止することが検討されているが、水硬性スラリーの全体に凝集効果を作用させる必要があるために、凝集剤の使用量が多く必要であり、薬剤コストが問題になるものである。しかも、水硬性スラリー中の微細繊維や微細粒子の量が多い場合には、凝集剤による凝集では対処が不可能になるものである。
また、古紙などにサイジング剤等として内添あるいは付着している添加剤には、セメントの硬化を阻害したり、硬化反応を遅延させたりするものがあり、さらに発泡等の性状不良を起こしたり、水硬性スラリー中の混和剤の機能を損なうものもある。
このため、水硬性スラリーに硬化促進剤や消泡剤などの、上記添加剤による悪影響を打ち消す薬剤を添加することが試みられているが、薬剤添加によってコスト高となるばかりでなく、効果も不十分である。このため、リサイクル繊維の使用量を減らしたり、古紙などの品質を厳しく限定したりして対処する必要があり、リサイクル省資源に対する貢献が不十分になるものである。
特開平10−265254号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、水硬性スラリーのろ過性が低下することなく生産性高く製造することができる繊維セメント板を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る繊維セメント板は、セメントを主成分とし補強繊維を添加して調製される水硬性スラリーを抄造して得られる繊維セメント板において、水硬性スラリーに添加される補強繊維として、TAPPI T271の規定に準拠する繊維長測定機で測定される重さ加重繊維長が0.2mm以下の割合が、20質量%以下のものを用いることを特徴とするものである。
この発明によれば、水硬性スラリー中の微細繊維の量が少なく、抄造フェルト等の目がこの微細な繊維で詰まったり、水硬性スラリーの脱水時に抄造フェルト等の上に堆積して抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりして、ろ過抵抗が増大することを防ぐことができるものであり、生産性高く抄造を行なって繊維セメント板を製造することができるものである。
また請求項2の発明は、請求項1において、補強繊維は、繊維製品のリサイクル品の繊維を水中で離解した後に、TAPPI T271の規定に準拠する繊維長測定機で測定される重さ加重繊維長が0.2mm以下の割合が、20質量%以下になるように分級して得られたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、繊維製品のリサイクル品を再生利用することができるものであり、しかもリサイクル品の繊維を水中で離解した後に分級することによって、古紙などに含有される微細粒子や添加剤を除去することができ、微細粒子によって抄造フェルト等の目が詰まったり、抄造フェルト等の上に抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりすることを防ぐことができると共に、添加剤によってセメントの硬化等に悪影響が生じることを防ぐことができるものである。
また請求項3の発明は、請求項2において、繊維製品のリサイクル品が古紙であり、pH10以上のアルカリ領域の水中で離解がおこなわれることを特徴とするものである。
この発明によれば、繊維製品のリサイクル品の繊維間への水の浸透力が強くなり、繊維の離解が促進され、微細繊維と微細粒子の分級を容易に行なうことができるものである。
また請求項4の発明は、請求項2又は3において、分級して排除された水中の微細繊維や微細粒子が、凝集処理によって0.5mm以上の粒径の凝集体にした状態で、水硬性スラリーに添加されることを特徴とするものである。
この発明によれば、微細繊維や微細粒子を凝集体にした状態で、抄造フェルト等の目を詰まらせたり、抄造フェルト等の上の抄造物の下層部分を過度に緻密化させたりするようなことなく、再利用することが可能になるものである。
本発明によれば、水硬性スラリー中の微細繊維の量が少ない状態で抄造を行なうことができ、抄造フェルト等の目がこの微細な繊維で詰まったり、水硬性スラリーの脱水時に抄造フェルト等の上に堆積して抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりして、ろ過抵抗が増大することを防ぐことができるものであり、抄造の生産性を高めて、繊維セメント板を生産性良く製造することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
水硬性スラリーは、セメントを主成分とし、補強繊維、ケイ酸質物質、混和剤その他の材料を混合し、これらを水に分散することによって調製されるものである。これらの各材料の配合割合は、材料の種類や、繊維セメント板の用途などに応じて任意に設定されるものである。
セメントとしては、特に限定されるものではないが、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、白セメント、シリカセメント、シリカヒュームセメント、アルミナセメントなどを用いることができる。
ケイ酸質物質は、蒸気養生やオートクレーブ養生を行なう際に、強固なマトリックス構造を得るために配合されるものであり、例えば、ケイ砂、ケイ石粉、シリカヒューム、フライアッシュ、高炉スラグ、珪藻土、シラス、各種焼却灰、鋳物砂ダストなどを用いることができる。混和剤としては、ケイ酸ソーダ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、蟻酸カルシウム等のセメント硬化促進剤、シリコーン系、炭化水素系、金属石鹸系、界面活性剤等の撥水剤や吸水抑制剤などを用いることができる。さらに、パーライト、焼成バーミキュライト、フライアッシュバルーン、合成樹脂ビーズ、合成樹脂発泡体等の軽量骨材、砕石等の各種骨材、さらにセメント板の廃材粉砕物などを硬化性スラリーに添加することができる。
また補強繊維としては、木材パルプ、非木材パルプ、麻、竹、木片、木粉、羊毛、合成樹脂繊維などを用いることができる。
そして本発明では、この補強繊維として、TAPPI T271の規定に準拠する繊維長測定機で測定される重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が20質量%以下のものを用いるものである。TAPPI T271の規定に準拠する繊維長測定機としては、例えばメッツォオートメーション(Metso Automation)社製「kajaaniFS300」、同「kajaani FS200」、同「kajaani Fiber Lab」などがある。
上記のように調製される水硬性スラリーを用い、抄造して抄造板を作製する。抄造は例えば、抄造フェルト等を用い、水硬性スラリー中の水を抄造フェルト等を通して吸引ろ過することによって行なうことができる(図6参照)。このとき、補強繊維として上記のように重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が20質量%以下のものを用いるようにしているので、補強繊維中の微細な繊維の含有量を少なくすることができるものである。従って、水硬性スラリー1中の補強繊維2のうち、図6(b)のような微細繊維2bは少量であって、図6(a)のように繊維長の長い繊維2aが大多数を占めるものであり、水硬性フィラー1を抄造する際に微細繊維2bで抄造フェルト5の目がこの微細な繊維で詰まったり、水硬性スラリーの脱水時に抄造フェルト5の上に堆積して抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりすることを防ぐことができ、長時間に亘って低いろ過抵抗を維持することができるものであり、抄造板の生産性が低下することを防ぐことができるものである。
ここで、水硬性スラリーに配合される補強繊維が、重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が20質量%を超えるものである場合には、微細繊維の含有量が多くなり、抄造フェルト等の目がこの微細な繊維で詰まったり、抄造フェルト等の上に抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりして、ろ過抵抗が増大して生産性が低下するおそれがある。重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合は小さいほど望ましいものであり、5質量%以下であることがより好ましく、理想的には0質量%である。
そして、上記のように抄造して抄造板を作製した後、プレスして抄造板の表面に模様成形をし、さらに蒸気養生やオートクレーブ養生を行なって硬化させることによって、繊維セメント板を得ることができるものであり、さらに繊維セメント板の表面に化粧や防水のために塗装を施すことによって、外壁材や屋根材などの建築板として仕上げることができるものである。
本発明において、上記の補強繊維としては、省資源のうえで、繊維製品のリサイクル品から得られるものを用いるのが好ましい。繊維製品のリサイクル品としては、特に限定されるものではなく、例えば、古紙など紙製品の使用済み回収品、古布など、麻、竹、羊毛等の天然繊維や合成繊維から製造された布製品の使用済み回収品、使用済みの天然繊維や合成繊維、あるいはこれらの不良品など使用不可品を用いることができる。
そして古紙や古布など繊維製品のリサイクル品を粉砕したり、水中で離解(解繊)することによって、個々の繊維に分離することができる。例えば紙は、セルロース繊維が水素結合で結びついているので、水中で攪拌することによって、結合を解いて繊維に分離することができるものである。繊維製品のリサイクル品には切断による微細化、摩擦等によるフィブリル化などで微細な繊維が多く含まれている。従ってこのように繊維製品のリサイクル品を水6中で離解して繊維2を分離させると、図1(a)に示すように、繊維長の長い繊維2aと微細繊維2bが水6中で混在している。また古紙など繊維製品のリサイクル品に付着している炭酸カルシウム、カオリン、タルク、ホワイトカーボン等の充填剤やサイジング剤等の添加剤など、微細粒子3bも繊維から分離されて水6中に混在している。
ここで、古紙などの繊維製品のリサイクル品を水中で離解するにあたって、水をpH10以上のアルカリ性に調整することによって、繊維間への水の浸透力が高まり、繊維を離解(解繊)することや微細粒子を分離することが容易になるものである。水のpHを10以上に調整するアルカリ剤としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、セメント、消石灰、ケイ酸ソーダなどを用いることができる。水のpHが10未満ではこの効果を十分に得ることができないものであり、pHの上限は特に設定されない。
上記の図1(a)のように、繊維製品のリサイクル品を離解した水6中には、繊維長の長い繊維2a、微細繊維2b、微細粒子3bが混在している。そこで、これに加水しながらワイヤーメッシュ等の篩に通してろ過することによって、篩を通過する成分と篩の上に残る成分とにろ別する。繊維長の長い繊維2aは篩を通過せずに図1(b)のように残り、篩を通過した水6中には、図1(c)のように微細繊維2bと微細粒子3bが含有されている。このように分級して、繊維長の長い繊維2aから微細繊維2b及び微細粒子3bを除去することができるものであり、繊維長の長い繊維2aに混在する微細繊維2b及び微細粒子3bの量を少なくすることができるものである。上記のように重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が20質量%以下になるようにするには、篩は30メッシュ(目開き0.5mm)〜100メッシュ(目開き0.15mm)のものが好ましい。
そして図1(b)のように分級して得た繊維長の長い繊維2aを、補強繊維2として水硬性スラリー1に配合して用いるものである。この補強繊維2は繊維製品のリサイクル品から再生して得たものであるが、上記のように重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が20質量%以下であって、微細繊維2bの量が少ないので、図1(e)のように水硬性スラリー1を抄造する際に、微細繊維2bで抄造フェルト5の目が詰まったり、抄造フェルト5の上に抄造される抄造物の下層部分が過度に緻密化したりすることを防ぐことができ、長時間に亘って低いろ過抵抗を維持して、抄造板の生産性が低下することを防ぐことができるものである。抄造フェルト5の目詰まりや、抄造フェルト5上の抄造物の下層部分の過度の緻密化を防止するためには、重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合は小さいほど望ましいが、この割合が小さくなればそれに伴なって繊維製品のリサイクル品の再利用率も低下するので、重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合の下限は5質量%程度に設定するのが好ましい。
また、上記の図1(c)のように分級して排除された微細繊維2bや微細粒子3bを含有する水6中に、凝集剤を投入することによって、微細繊維2bや微細粒子3bを凝集させ、図1(d)のようにフロック状の凝集体7にすることができる。凝集剤としては任意のものを用いることができるが、例えばポリ硫酸第二鉄、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム等の無機系凝集剤やポリアクリルアマイド等の有機系凝集剤などを用いることができる。そしてこのように凝集処理して微細繊維2bや微細粒子3bを0.5mm以上の粒径の凝集体7にした状態で、水硬性スラリー1に添加して使用することができるものである。篩に通すことによって0.5mm以上の粒径の凝集体7を分級して水硬性スラリー1に添加するようにしてもよい。凝集体7は少々大きく成長しても特に問題はないので、凝集体の粒径の上限は特に制限されるものではない。
このように微細繊維2bや微細粒子3bを0.5mm以上の粒径の凝集体7にした状態で水硬性スラリー1に配合することによって、図1(e)のように水硬性フィラー1を抄造する際に、抄造フェルト5に目詰まりや、抄造フェルト5上の抄造物の下層部分の過度の緻密化が生じるようなことなく微細繊維2bや微細粒子3bを抄造板の製造に使用することができるものである。従ってこの場合には、繊維長の長い繊維2aを分級する際に排除される微細繊維2bや微細粒子3bを繊維セメント板の材料として有効利用することができるものであり、繊維製品のリサイクル品の再利用率を高めて、廃棄物の量を減らすことができ、コストを削減することができるものである。このとき、微細粒子3bの一部にセメントの硬化に悪影響を及ぼす薬剤が含まれていることがあるが、凝集体7に埋入されることによってセメントへの接触面積が低減し、悪影響の発現を最小限に抑えることができるものである。
尚、分級して排除された微細繊維2bや微細粒子3bは、このように繊維セメント板の材料として利用する他に、焼却してその灰をペーパースラッジ灰などとして再利用したり、ドラムドライヤーで廃塗料液とともに固形化して粉砕することによって再原料化したりすることもできる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
離解設備パルパーの槽にセメント成分を含有させた水(pH11〜13)を供給し、この水100質量部に対して古紙を3質量部の割合で投入し、20分間攪拌することによって、繊維を離解した。次に、この離解した繊維のスラリーをステンレスワイヤーからなる60メッシュ(目開き0.25mm)の篩の上に投入し、加水しながらろ別操作を行ない、篩を通過しなかった繊維を回収した。この回収したリサイクル繊維の繊維長分布を、TAPPI T271の規定に準拠する繊維長測定機(メッツォオートメーション(Metso Automation)社製「kajaaniFS300」)で測定したところ、図2(a)(b)の重さ加重繊維長の分布のグラフにみられるように、重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合は3.5質量%であった。
また図3はこの回収したリサイクル繊維の走査型電子顕微鏡写真を示すものであり、太くて長い繊維が支配的である。この回収したリサイクルの繊維のろ水度をJIS P8121に準拠して測定したところ、カナダ標準ろ水度で498mlであり、高いろ水性を示すものであった。
そして表1の配合のように、普通ポルトランドセメント、石炭灰、セメント板の廃材の粉砕物に、さらに上記のリサイクル繊維を補強繊維として配合し、固形分が20質量%となるように水を加えて水硬性スラリーを調製した。
次に、この水硬性スラリーを抄造フェルトを備えた抄造機に供給し、抄造フェルトを通して水硬性スラリー中の水を吸引ろ過することによって、抄造フェルトの上に抄造板を抄造した。そしてこの抄造板を5.9MPaの圧力でプレス成形した後に、60℃×10時間で蒸気養生し、さらに170℃×5時間の条件でオートクレーブ養生して硬化させることによって、繊維セメント板を製造した。
(実施例2)
実施例1において、パルパーで離解した繊維のスラリーをろ過したろ過液を回収し、このろ過液に凝集剤としてポリ硫酸第二鉄液を、ろ過液中の固形分に対して10質量%の添加量で添加し、凝集処理した。このように凝集処理したろ過液をろ過して、粒径0.5mm以上の凝集体を回収した。
そして、実施例1において回収したリサイクル繊維にこの凝集体を混合し、この凝集体を混合したリサイクル繊維を補強繊維として配合し、実施例1と同様にして水硬性スラリーを調製した。リサイクル繊維に対する凝集体の混合比率は20質量%であった。
あとは実施例1と同様にして、抄造、プレス成形、蒸気養生、オートクレーブ養生を行なうことによって、繊維セメント板を製造した。
(比較例1)
広葉樹さらしクラフトパルプ(LBKP)をダブルディスクリアイナにより叩解処理して、バージン繊維を得た。このバージン繊維の繊維長分布は、重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が3.0質量%以下であった。またろ水度はカナダ標準ろ水度で490mlであった。
そしてこのバージン繊維を補強繊維として用い、実施例1と同様にして水硬性スラリーを調製した。あとは実施例1と同様にして、抄造、プレス成形、蒸気養生、オートクレーブ養生を行なうことによって、繊維セメント板を製造した。
(比較例2)
実施例1において、パルパーで離解した繊維のスラリーから、ろ別操作を行なわないで、固形分の全量をリサイクル繊維として回収した。この回収したリサイクル繊維の繊維長分布は、図4(a)(b)の重さ加重繊維長の分布のグラフに示すように、重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が26.4質量%であった。また図5はこの回収したリサイクル繊維のSEM写真を示すものであり、ちぎれた微細繊維や微細粒子が散見される。このため、ろ水度はカナダ標準ろ水度で408mlと低いものであった。
そしてこのリサイクル繊維を補強繊維として用い、実施例1と同様にして水硬性スラリーを調製した。あとは実施例1と同様にして、抄造、プレス成形、蒸気養生、オートクレーブ養生を行なうことによって、繊維セメント板を製造した。
(比較例3)
比較例2で調製した水硬性スラリーに凝集剤としてポリアクリルアマイド系高分子を、水硬性スラリー中の固形分に対して100質量ppmの添加量で添加した。あとは実施例1と同様にして、抄造、プレス成形、蒸気養生、オートクレーブ養生を行なうことによって、繊維セメント板を製造した。
上記の実施例1〜2、比較例1〜3で調製した水硬性スラリーについて、ろ過性を評価した。ろ過性の評価は、抄造機でのろ過必要時間で判断して行ない、比較例1がバージン繊維を用いた現状のものであるので、比較例1のろ過必要時間を基準として、±5%の範囲にあるものを「○」、5%以上ろ過性が低下したものを「△」、著しく低下したものを「×」と判定した。
また上記の実施例1〜2、比較例1〜3で得た抄造板の硬化速度を評価した。硬化速度の評価は、ハンドリングが可能となるのに必要な自然養生時間で判断して行ない、比較例1に比べて硬化の遅れが1時間以内のものを「○」、1時間以上遅れるものを「△」、著しく遅れるものを「×」と判定した。
また、上記の実施例1〜2、比較例1〜3で製造した繊維セメント板の曲げ強度を測定した。曲げ強度の測定は、JIS A1408に準拠して行ない、10MPa以上を「○」、9〜10MPaを「△」、9MPa以下を「×」と判定した。
さらに、繊維セメント板を製造する際の、製造コスト、環境性・省資源性を評価した。実施例1では、リサイクル繊維を補強繊維として有効利用しているが、パルパーで離解した繊維のスラリーをろ過したろ過液を廃棄しているため、製造コストと環境性・省資源性を共に「△」と評価した。実施例2では、このろ過液を回収して利用しているため、製造コストと環境性・省資源性を共に「○」と評価した。比較例1では、バージン繊維を補強繊維として用いているため、製造コストと環境性・省資源性を共に「×」と評価した。比較例2では、パルパーで離解した繊維の総てを補強繊維として有効利用しているため、製造コストと環境性・省資源性を共に「○」と評価した。比較例3では、パルパーで離解した繊維の総てを補強繊維として有効利用しているため、環境性・省資源性を「○」と評価したが、大量の凝集剤が必要であるため、製造コストを「△」と評価した。
表1にみられるように、補強繊維として、重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が20質量%以下のリサイクル繊維を用いた実施例1,2の水硬性スラリーは、バージン繊維を用いた比較例1と同様に、高いろ過性を有するものであった。一方、重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が20質量%を超えるリサイクル繊維を用いた比較例2ではろ過性が悪く、また水硬性スラリーに凝集剤を添加した比較例3においても、ろ過性は不十分なものであった。
また実施例1ではセメントの硬化に悪影響を及ぼす成分を排除してリサイクル繊維を使用しており、実施例2ではセメントの硬化に悪影響を及ぼす成分を凝集体にして使用しているために、いずれも硬化速度は良好なものであった。一方、比較例2ではをそのまま使用しているため、硬化速度は不良であり、比較例3では水硬性スラリーに凝集剤を添加しているが、硬化速度は不十分なものであった。
また、実施例1,2では硬化性が良好であるため、繊維セメント板の強度は良好であったが、比較例2,3では硬化性が良好でないため、繊維セメント板の強度は不良なものであった
本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(e)はそれぞれ各工程の概略図である。 実施例1のリサイクル繊維の重さ加重繊維長の分布を示すグラフである。 実施例1のリサイクル繊維の電子顕微鏡写真をプリントしたものである。 比較例2のリサイクル繊維の重さ加重繊維長の分布を示すグラフである。 比較例2のリサイクル繊維の電子顕微鏡写真をプリントしたものである。 従来例の抄造の工程を示すものであり、(a)(b)はそれぞれ概略図である。
符号の説明
1 水硬性スラリー
2 補強繊維
2a 繊維長の長い繊維
2b 微細繊維
3 粒子
3a 粒径の大きい粒子
3b 微細粒子
4 水
5 抄造フェルト
6 水
7 凝集体

Claims (4)

  1. セメントを主成分とし補強繊維を添加して調製される水硬性スラリーを抄造して得られる繊維セメント板において、水硬性スラリーに添加される補強繊維として、TAPPI T271の規定に準拠する繊維長測定機で測定される重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が、20質量%以下のものを用いることを特徴とする繊維セメント板。
  2. 補強繊維は、繊維製品のリサイクル品の繊維を水中で離解した後に、TAPPI T271の規定に準拠する繊維長測定機で測定される重さ加重繊維長が0.2mm以下の繊維の割合が、20質量%以下になるように分級して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の繊維セメント板。
  3. 繊維製品のリサイクル品が古紙であり、pH10以上のアルカリ領域の水中で離解がおこなわれることを特徴とする請求項2に記載の繊維セメント板。
  4. 分級して排除された水中の微細繊維や微細粒子が、凝集処理によって0.5mm以上の粒径の凝集体にした状態で、水硬性スラリーに添加されることを特徴とする請求項2又は3に記載の繊維セメント板。
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