JPH10265254A - 無機質板の製造方法 - Google Patents

無機質板の製造方法

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JPH10265254A
JPH10265254A JP10410597A JP10410597A JPH10265254A JP H10265254 A JPH10265254 A JP H10265254A JP 10410597 A JP10410597 A JP 10410597A JP 10410597 A JP10410597 A JP 10410597A JP H10265254 A JPH10265254 A JP H10265254A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 古紙使用にともなうセメント硬化の阻害とス
ラリーの発泡を抑制するとともに、古紙処理時に発生し
ていた大量の排水を解消する。 【解決手段】 セメント、骨材及びパルプを主成分と
し、パルプ源に古紙が用いられる無機質板の製造にあた
って、古紙の解繊に際して有機物吸着能を有する無機質
系硬化阻害防止剤を添加し、解繊後にセメント及び骨材
を混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無機質板の製造
方法に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、古紙使用にともなうセメント硬化の阻害とスラリー
の発泡を抑制するとともに、古紙処理時に発生していた
大量の排水を解消することのできる無機質板の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、外装材、瓦材、外構部材等の
建築材には、セメント系材料から形成される無機質板が
用いられてきており、その一つとして、セメント、骨材
及びパルプを主成分とした無機質板が知られている。こ
のセメント、骨材及びパルプを主成分とする無機質板に
おいて主成分の一つであるパルプは、補強繊維としての
役割を担っている。パルプ源には、漂白又は未漂白のク
ラフトパルプをはじめ、古紙を原料とした古紙パルプ、
段ボールや新聞紙などの回収古紙の適用が試みられてい
るが、クラフトパルプは高価格であるため、古紙の積極
的利用が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、古紙の
使用を実用化するにあたっては、幾つかの越えなければ
ならないハードルがある。それと言うのも、古紙には、
特に古紙パルプや回収古紙に見られるように、ヘミセル
ロール、リグニンなどのセメント硬化阻害成分が含まれ
ており、無機質板の機械強度が低下するなどの悪影響が
指摘されているからである。そこで、従来では、古紙を
酸又はアルカリ等で処理し、それらセメント硬化阻害成
分を溶出・洗浄することが考えられていた。
【0004】しかしながら、実際には、このような古紙
処理によってもセメント硬化の阻害を十分に抑制するこ
とは難しく、また、古紙処理により多量の排水が生ずる
という問題があった。さらには、古紙をパルプ源として
使用した場合には、スラリーが発泡するという現象も見
られた。このスラリーの発泡は、無機質板の製造に様々
な問題を引き起こす要因となる。
【0005】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、古紙使用にあたっての上記欠点を解
消し、古紙使用にともなうセメント硬化の阻害とスラリ
ーの発泡を十分に抑制するとともに、古紙処理時に発生
していた大量の排水を解消することのできる無機質板の
製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、セメント、骨材及びパルプを主
成分とし、パルプ源に古紙が用いられる無機質板の製造
にあたって、古紙の解繊に際して有機物吸着能を有する
無機質系硬化阻害防止剤を添加し、解繊後にセメント及
び骨材を混合することを特徴とする無機質板の製造方法
を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明の無機質板の製造方法で
は、セメント、骨材及びパルプを主成分とし、パルプ源
に古紙が用いられる無機質板の製造にあたって、古紙の
解繊に際して有機物吸着能を有する無機質系硬化阻害防
止剤を添加し、解繊後にセメント及び骨材を混合する。
【0008】古紙の解繊に際して添加される有機物吸着
能を有する無機質系硬化阻害防止剤は、古紙に含まれる
ヘミセルロース、リグニン等のセメント硬化阻害成分を
吸着する。セメントは解繊後に混合されるため、その硬
化が、それら硬化阻害成分により阻害されることはな
く、セメント硬化の阻害が十分に抑制される。有機物吸
着能を持つ無機質系硬化阻害防止剤は、また、セメント
混合時の発泡の原因となる古紙中に含まれる各種有機物
をも吸着する。このため、セメント混合時におけるスラ
リーの発泡も抑制される。
【0009】このような無機質系硬化阻害防止剤として
は、たとえば、石膏、スクラップ材、セピオライト、ミ
クロシリカ、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ベント
ナイト、アタパルジャイト、ゼオライト、活性白土等が
例示され、これらの粉体が好ましく使用される。このよ
うに、この発明の無機質板の製造方法では、古紙の解繊
に際して有機物吸着能を有する無機質系硬化阻害防止剤
を添加することにより、セメント硬化の阻害とスラリー
の発泡を十分に抑制することができる。得られる無機質
板の機械強度等の諸性能は良好で、十分な性能を持つ。
【0010】また、古紙に含まれるセメント硬化阻害成
分への対応は、従来法のような酸又はアルカリ等による
処理ではないため、従来法でセメント硬化阻害成分を酸
又はアルカリ等で処理し、溶出・洗浄する際に発生して
いた大量の排水を解消することもできる。こうして、こ
の発明の無機質板の製造方法は、セメント、骨材及びパ
ルプを主成分とする無機質板を、低コストの古紙をパル
プ源に使用して製造することを現実的なものとし、実用
化を可能とする。
【0011】この発明の無機質板の製造方法では、無機
質系硬化阻害防止剤の添加量及び添加後の放置時間を制
御することにより、無機質系硬化阻害防止剤の上記吸着
作用をより効果的に発揮させることができる。すなわ
ち、無機質系硬化阻害防止剤の添加量は、全固形成分に
対して1−8重量%とすることができる。
【0012】無機質系硬化阻害防止剤の添加量が全固形
成分の1重量%未満の場合には、ヘミセルロース、リグ
ニン等の古紙に含まれるセメント硬化阻害成分を十分に
吸着することが難しくなる。添加量が8重量%を超える
と、1−8重量%の添加に比較して吸着作用が格段と高
まることはなく、添加に特別の意味がない。これは、添
加量が8重量%を超えると、過剰の無機質系硬化阻害防
止剤がセメントの硬化を遅延させる原因となるからであ
る。この無機質系硬化阻害防止剤が持つセメント硬化遅
延作用は、添加量が8重量%を超えるに従って顕在化
し、1−8重量%の添加に比べ無機質板の性能が次第に
低下する。
【0013】無機質系硬化阻害防止剤添加後の放置時間
は、1−48時間とするのが好ましい。より好ましくは
12−36時間で、その中でも24時間程度の放置が生
産性などの面から見て特に好ましい。放置時間が1時間
未満の場合には、無機質系硬化阻害防止剤の吸着作用が
十分に発揮せず、セメント硬化阻害成分をはじめ、発泡
の原因となる各種有機物が残存しやすくなる。放置時間
が48時間を超えると、セメント硬化阻害成分が多量に
溶出するため、無機質系硬化阻害防止剤の吸着能を超
え、吸着し切れなくなり、セメントの硬化が不十分とな
って機械強度等の無機質板の性能が低下するおそれがあ
る。また、生産効率の低下につながりやすい。
【0014】一方、この発明の無機質板の製造方法は、
原料を特に制限しない。セメントについては、たとえ
ば、ポルトランドセメント、高炉セメント等の一般に用
いられている各種セメントを適宜選択することができ
る。骨材についても同様で、無機質板の用途に応じて適
当なものを選択すればよい。無機質板の製造に広く用い
られている鉱物性骨材、無機系又は有機系の骨材等を用
いることができる。たとえば、珪石粉、フライアッシ
ュ、珪砂、砂利、パーライト、バーミキュライト、ワラ
ストナイト、ガラスバルーンなどが例示される。また、
パルプ源となる古紙も同様で、一般的な古紙パルプ、段
ボールや新聞紙などの回収古紙などを適宜用いることが
できる。
【0015】これらのセメント、骨材及びパルプは、無
機質板の用途に応じた配合割合で水と混合され、流動性
に富む水性スラリーにされる。このときのスラリーの固
形分濃度も特に制限されることはなく、製板方法に応じ
て適宜な濃度とすればよい。また、この発明の無機質板
の製造方法は、製板方法や養生方法も限定しない。製板
方法としては、たとえば、水性スラリーから抄造等によ
りグリーンシートを形成し、これをプレス成形して所望
厚みで、所望の表面模様が形成された未硬化賦形板とす
ることが例示される。養生方法には、湿熱養生、オート
クレーブ養生等が例示される。
【0016】なお、この発明の無機質板の製造方法で
は、セメント及び骨材を混合する際に、硬化促進剤を添
加混合することができる。この硬化促進剤の添加は、無
機質系硬化阻害防止剤で吸着されずに古紙繊維中に残存
するセメント硬化阻害成分による悪影響を抑止し、無機
質板の性能向上に効果的となる。このような硬化促進剤
の種類も特に限定されない。たとえば、ナトリウム塩、
カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、アン
モニウム塩等が例示される。
【0017】以下、この発明の無機質板の製造方法の実
施例を示す。もちろんこの発明は、これら実施例によっ
て限定されるものではない。
【0018】
【実施例】実施例1 原材料を表1に示した配合成分及び配合割合とし、無機
質系硬化阻害防止剤として硫酸カルシウムを用い、全固
形分に対して8重量%の段ボール古紙を5重量%の硫酸
カルシウム(平均粒径50μm)の存在下に解繊し、パ
ルプスラリーの状態で24時間放置した。
【0019】次いで、このパルプスラリーに、50重量
%の普通ポルトランドセメントとともに、30重量%の
珪石粉及び7重量%の8号珪砂を骨材として投入し、混
合分散させて、固形分濃度が10重量%の水性スラリー
を作製した。この水性スラリーから手抄き抄造機で抄造
してグリーンシートを作製し、これをフィルタープレス
して余剰水を脱水しながら、圧力 100kg/cm2、保持時間
10秒間の条件でプレス成形して未硬化賦形板を作製し
た。そして、60℃、48時間の条件で湿熱養生した後
に、 170℃、6時間の条件でオートクレーブ養生を行
い、無機質板を得た。
【0020】この無機質板について、機械強度及び水性
スラリーの発泡性を評価した。機械強度は無機質板の曲
げ強度で評価し、曲げ強度は、厚さ7mm、幅及び長さが
各々150mmのテストピースで、曲げスパン 100mm、ヘッ
ドスピード2mm/minの3点曲げ試験により測定した。水
性スラリーの発泡性は、スラリーが分離沈降しない程度
の緩やかな攪拌状態におけるスラリー水面の状態で評価
し、スラリー水面に泡が存続しない状態を良好、泡が存
続する状態を不良と評価した。その結果は表1に示した
通りである。
【0021】
【表1】
【0022】この表1から明らかなように、段ボール古
紙をパルプ源として使用していながらも無機質板の機械
強度は良好なレベルにあり、また、水性スラリーの発泡
状態も良好であった。実施例2 原材料を表1に示した配合成分及び配合割合とした他
は、実施例1と同様にして同じ厚みの無機質板を製造
し、その機械強度及び水性スラリーの発泡性を同じく実
施例1と同様にして評価した。その結果は表1に示した
通りである。
【0023】この実施例2の場合にも、無機質板の機械
強度は良好なレベルにあり、また、水性スラリーの発泡
状態も良好であった。実施例3 原材料を表1に示した配合成分及び配合割合とした他
は、実施例1と同様にして同じ厚みの無機質板を製造
し、その機械強度及び水性スラリーの発泡性を同じく実
施例1と同様にして評価した。その結果は表1に示した
通りである。
【0024】この実施例3の場合にも、無機質板の機械
強度は良好なレベルにあり、また、水性スラリーの発泡
状態も良好であった。比較例1 原材料を表1に示した配合成分及び配合割合とし、全固
形分に対して8重量%の段ボール古紙を無機質系硬化阻
害防止剤を添加せずに解繊し、パルプスラリーの状態で
24時間放置した。
【0025】次いで、このパルプスラリーに、50重量
%の普通ポルトランドセメントとともに、30重量%の
珪石粉及び12重量%の8号珪砂を骨材として投入し、
混合分散させて、固形分濃度が10重量%の水性スラリ
ーを作製した。以下、実施例1と同じ手順により無機質
板を得、この無機質板について、実施例1と同様にして
機械強度及び水性スラリーの発泡性を評価した。その結
果は表1に示した通りである。
【0026】この比較例1では、無機質系硬化阻害防止
剤が添加されていないことから、段ボール古紙から溶出
したセメント硬化阻害成分により曲げ強度がおよそ半分
にまで著しく低下した。また、水性スラリーの発泡状態
も不良となった。実施例4 原材料を表1に示した配合成分及び配合割合とし、段ボ
ール古紙の解繊に際して12重量%の硫酸カルシウムを
添加した他は、実施例1と同様にして同じ厚みの無機質
板を製造し、その機械強度及び水性スラリーの発泡性を
同様に評価した。その結果は表1に示した通りである。
【0027】この実施例4では、無機質板の曲げ強度が
少し低下しており、過剰の硫酸カルシウムの添加により
セメントの硬化遅延が起こることが確認される。実施例5 原材料を表1に示した配合成分及び配合割合とし、硫酸
カルシウム存在下の放置時間を0時間とした他は、実施
例1と同様にして同じ厚みの無機質板を製造し、その機
械強度及び水性スラリーの発泡性を同様に評価した。そ
の結果は表1に示した通りである。
【0028】この実施例5では、無機質板の曲げ強度が
若干低下し、水性スラリーの発泡性も多少劣化した。硫
酸カルシウム添加後に放置しないと、硫酸カルシウムの
吸着作用が十分に発揮されず、セメント硬化阻害成分及
び各種有機物の吸着が低下することが確認される。実施例6 原材料を表1に示した配合成分及び配合割合とし、硫酸
カルシウム存在下の放置時間を72時間とした他は、実
施例1と同様にして同じ厚みの無機質板を製造し、その
機械強度及び水性スラリーの発泡性を同様に評価した。
その結果は表1に示した通りである。
【0029】この実施例6では、無機質板の曲げ強度
が、実施例4の場合とほぼ同じレベルとなった。放置時
間が延長されたことにより、段ボール古紙からセメント
硬化阻害成分が多量に溶出し、硫酸カルシウムの吸着能
をやや超えてしまったことがその原因と考えられる。実施例7 無機質系硬化阻害防止剤を石膏に代え、全固形分に対し
て8重量%の段ボール古紙を3重量%の石膏の存在下に
解繊し、パルプスラリーの状態で24時間放置した。
【0030】次いで、このパルプスラリーに、表2に示
した配合割合の普通ポルトランドセメント、珪石粉及び
8号珪砂を投入し、混合分散させて、固形分濃度が10
重量%の水性スラリーを作製した。この水性スラリーか
ら手抄き抄造機で抄造してグリーンシートを作製し、こ
れをフィルタープレスして余剰水を脱水しながら、圧力
100kg/cm2、保持時間10秒間の条件でプレス成形して
未硬化賦形板を作製した。そして、60℃、48時間の
条件で湿熱養生した後に、 170℃、6時間の条件でオー
トクレーブ養生を行い、無機質板を得た。
【0031】この無機質板について、機械強度及び水性
スラリーの発泡性を実施例1と同様に評価した。すなわ
ち、機械強度は無機質板の曲げ強度で評価し、曲げ強度
は、厚さ7mm、幅及び長さが各々 150mmのテストピース
で、曲げスパン 100mm、ヘッドスピード2mm/minの3点
曲げ試験により測定した。水性スラリーの発泡性は、ス
ラリーが分離沈降しない程度の緩やかな攪拌状態におけ
るスラリー水面の状態で評価し、スラリー水面に泡が存
続しない状態を良好、泡が存続する状態を不良と評価し
た。その結果は表2に示した通りである。
【0032】
【表2】
【0033】この表2から明らかなように、石膏の場合
にも、段ボール古紙をパルプ源とした無機質板の機械強
度は良好なレベルにあり、また、水性スラリーの発泡状
態も良好であった。実施例8 実施例7において、石膏により解繊したパルプスラリー
に普通ポルトランドセメント、珪石粉及び8号珪砂を投
入する際に、硬化促進剤として塩化カルシウムを添加混
合した。その後、実施例7と同様にして同じ厚みの無機
質板を製造し、機械強度及び水性スラリーの発泡性を同
様に評価した。その結果は表2に示した通りである。
【0034】硬化促進剤としての塩化カルシウムの添加
により曲げ強度の向上が認められた。実施例9−13 無機質系硬化阻害防止剤及び硬化促進剤を表2に示した
ものに代えて実施例8と同様にして同じ厚みの無機質板
を製造し、それらの機械強度及び水性スラリーの発泡性
を同様に評価した。その結果は表2に示した通りであ
る。
【0035】無機質板の機械強度は良好なレベルにあ
り、また、水性スラリーの発泡状態も良好であった。比較例2 無機質系硬化阻害防止剤を添加せず、8号珪砂を10重
量%投入した以外は、実施例8と同様にして同じ厚みの
無機質板を製造し、その機械強度及び水性スラリーの発
泡性を同様に評価した。その結果は表1に示した通りで
ある。
【0036】この比較例2では、硬化促進剤は添加され
たものの、無機質系硬化阻害防止剤が添加されなかった
ために、段ボール古紙から溶出したセメント硬化阻害成
分により曲げ強度が半分以下にまで著しく低下した。ま
た、水性スラリー発泡状態も不良となった。実施例14−15 実施例5−6と同様に、無機質板の機械強度及び水性ス
ラリーの発泡性に対する無機質系硬化阻害防止剤添加後
の放置時間の影響を評価した。
【0037】石膏存在下の放置時間をそれぞれ0時間
(実施例14)、72時間(実施例15)とした他は、
実施例8と同様にして同じ厚みの無機質板を製造し、そ
れらの機械強度及び水性スラリーの発泡性を同様に評価
した。その結果は表2に示した通りである。実施例14
では、無機質板の曲げ強度が若干低下し、水性スラリー
の発泡性も多少劣化した。硬化促進剤を添加混合する場
合にも、無機質系硬化阻害防止剤添加後に放置しない
と、無機質系硬化阻害防止剤による吸着作用が十分に発
揮されず、セメント硬化阻害成分及び各種有機物の吸着
が低下することが確認される。
【0038】実施例15では、無機質板の曲げ強度が、
実施例14の場合とほぼ同じレベルとなった。硬化促進
剤を添加混合しても放置時間が延長されたことにより、
段ボール古紙からセメント硬化阻害成分が多量に溶出
し、無機質系硬化阻害防止剤の吸着能をやや超えてしま
ったことがその原因と考えられる。
【0039】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、古紙使用にともなうセメント硬化の阻害とスラリ
ーの発泡を抑制することができ、また、従来法で古紙処
理時に発生していた大量の排水を解消することもでき
る。古紙使用による品質の良好な無機質板の製造が実用
可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント、骨材及びパルプを主成分と
    し、パルプ源に古紙が用いられる無機質板の製造にあた
    って、古紙の解繊に際して有機物吸着能を有する無機質
    系硬化阻害防止剤を添加し、解繊後にセメント及び骨材
    を混合することを特徴とする無機質板の製造方法。
  2. 【請求項2】 全固形成分に対して1−8重量%の無機
    質系硬化阻害防止剤を添加する請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 無機質系硬化阻害防止剤添加後に1−4
    8時間放置する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 セメント及び骨材を混合する際に、硬化
    促進剤を添加混合する請求項1乃至3いずれかに記載の
    製造方法。
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