JP2004143017A - 繊維補強セメント板 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維補強セメント板の廃材から得た再生繊維を利用した場合でも、原料のスラリー調整が容易にとなり、生産性を改善することのできる繊維補強セメント板を提供する。
【解決手段】L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板において、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離した再生繊維を、補強繊維のL材パルプの一部に用いている繊維補強セメント板及び再生繊維の平均繊維長が、500〜800μmである繊維補強セメント板。
【選択図】 なし
【解決手段】L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板において、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離した再生繊維を、補強繊維のL材パルプの一部に用いている繊維補強セメント板及び再生繊維の平均繊維長が、500〜800μmである繊維補強セメント板。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維補強セメント板の廃材から得た再生繊維を利用した繊維補強セメント板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建物の外壁材、屋根材等の外装材として、セメント板をはじめとする各種の無機質板が用いられており、耐久性、耐侯性、耐磨耗性および耐凍害性等に優れた無機質板として、補強繊維が配設された繊維補強セメント板が知られている。
【0003】
この繊維補強セメント板は、一般に、セメントを主成分とし、補強繊維を含有させたセメントスラリーを抄造して得た抄造シートを、加圧成形したのち、養生硬化することで製造されている。補強繊維としては、強度等の品質、成形性等の観点から、通常は、新品のN材パルプやL材パルプ等の解繊パルプを用いるようにしている。
【0004】
ところが、これらN材パルプやL材パルプ等の解繊パルプは、原料の中で最も高価な材料であり、また、森林資源のリサイクルの観点から、近年では、工場で発生する繊維補強セメント板の端材および不良品等の廃材を粉砕した粉砕物を、補強繊維の一部として再利用することで、原料コストが低減された繊維補強セメント板が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物は、セメント分である固形分と繊維分とが混在した再生繊維であるため、この再生繊維を補強繊維の一部として用いる場合、新品の解繊パルプのみを補強繊維として用いる場合に比べ、再生繊維中における繊維分の含有量が、粉砕のされ方等で一定しないため、原料のセメントスラリー調整が困難となり、その結果、繊維補強セメント板の生産性が低下するという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−213656号公報(2−5頁、図1、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、原料のコスト低減のために繊維補強セメント板の廃材から得た再生繊維を利用した場合でも、原料のセメントスラリー調整が容易となり、その結果、繊維補強セメント板の生産性を改善することのできる繊維補強セメント板を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、繊維補強セメント板の廃材から得た再生繊維として、略繊維分のみを分離して得た再生繊維を利用するようにしたものである。
【0009】
請求項1に係る発明の繊維補強セメント板は、L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板において、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離した再生繊維を、補強繊維のL材パルプの一部に用いていることを特徴とする。
【0010】
なお、ここで、略繊維分のみとは、繊維分のみだけでなく、繊維分に若干の固形分が付着している場合をも含むことを意味している。
【0011】
請求項2に係る発明の繊維補強セメント板は、請求項1に記載の繊維補強セメント板において、再生繊維が、繊維補強セメント板の廃材を、衝撃型粉砕機で1次粉砕し、1次粉砕物を摩砕式粉砕機で2次粉砕し、2次粉砕物を固形分と繊維分とにエアー分級した後、略繊維分のみを分離した再生繊維であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明の繊維補強セメント板は、請求項1又は請求項2記載の繊維補強セメント板において、再生繊維の平均繊維長が、500〜800μmであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記の通りの特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態について詳しく説明する。
【0014】
本発明の実施形態に係る繊維補強セメント板は、L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板であって、この補強繊維のL材パルプの一部として、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離して得られる再生繊維を用いている繊維補強セメント板である。
【0015】
繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離する方法としては、繊維補強セメント板の廃材を衝撃型粉砕機であるハンマーミル式やパルベライザー式の粉砕機で、主として500〜1000μmの粒径の粉砕物に1次粉砕し、この1次粉砕物を摩砕式粉砕機であるローラーミル式やピンミル式の粉砕機で、主として300〜500μmの粒径の粉砕物に2次粉砕し、さらに、この2次粉砕物をエアー分級装置でエアー分級することで、セメント分である固形分と繊維分とに分離する方法を用いることができる。
【0016】
本実施形態の繊維補強セメント板は、セメントを主成分とし、N材パルプとL材パルプと上述した方法で、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から略繊維分のみを分離して得た再生繊維とを用いた補強繊維を用いて調整したセメントスラリー原料を、フェルト上で抄造して抄造シートとし、加圧成形および養生硬化して、製造することができる。このセメントスラリー原料の配合は、上記の原料の他、たとえば、シラスバルーンやパーライト等の軽量骨材、ビニロンやポリプロピレン等の繊維及び必要に応じて遅延剤等の添加剤を配合することもできる。
【0017】
本実施形態では、繊維補強セメント板の廃材の粉砕物を、固形分と繊維分とに分離して、分離した略繊維分のみを再生繊維として、補強繊維のL材パルプの一部に用いることが、特に重要である。分離した略繊維分のみを再生繊維として、補強繊維のL材パルプの一部に用いることにより、従来の固形分と繊維分とが混在して、正味の繊維分の含有量が一定しない粉砕物を再生繊維として用いる場合に比べ、原料のセメントスラリー調整が容易になるので、その結果、繊維補強セメント板の生産性を改善することができる。
【0018】
この略繊維分のみを分離した再生繊維は、所定の大きさのメッシュを用いた、例えば、ロータリーシフター方式または振動方式のふるい装置を用いて、平均繊維長が500〜800μmの再生繊維に分級して用いるのが好ましい。平均繊維長が500μmより短いと原料のセメントスラリーを抄造する際、脱水工程におけるフェルトが、この短い繊維で目詰まりを起こし易くなるため、濾水性が低下して、その結果、繊維補強セメント板の抄造性が悪くなる傾向にある。また、逆に、平均繊維長が800μmを越えると、製造した繊維補強セメント板に隙間が生じ易くなるため、水の吸収率が大きくなって、その結果、耐凍害性が低下する傾向にある。
【0019】
【実施例】
(実施例1〜5、比較例1)
L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板の廃材をハンマーミル式粉砕機で1次粉砕し、更に、この1次粉砕物をローラーミル式粉砕機で2次粉砕した2次粉砕物をエアー分級装置でエアー分級することで、固形分と繊維分に分離した後、メッシュ(JIS標準ふるい規格)の異なる5種の振動式ふるい装置にかけ、表1に示すように、平均繊維長の異なる5種の再生繊維を得た。
【0020】
【表1】
【0021】
次に、後の表2に示したとおりの配合で、セメント、フライアッシュ、珪石粉、N材パルプ(新品)、L材パルプ(新品)と、上述した方法で得た平均繊維長の異なる再生繊維を混合して原料のセメントスラリーを調整した。次いで、この調整したセメントスラリーを抄造して抄造シートを作成し、プレス圧30kg/cm2で加圧成形した後、温度40〜80℃で12時間、前養生し、温度170℃で6時間、オートクレーブ養生を施して、450mm×3030mmのサイズで厚さが12mmの5種類の繊維補強セメント板を作製した。
【0022】
また、比較のために、再生繊維を用いずに、後の表2に示した配合とすること以外は、実施例と同様にして繊維補強セメント板を作製した。
【0023】
これらの繊維補強セメント板について、生産性、比重、強度(引張強度)、吸水率、耐凍害性、抄造性を調べ、その結果を表2に示した。なお、ここでいう生産性は、原料のセメントスラリー調整の容易さとした。耐凍害性については、ASTM−B法(繊維補強セメント板に対して、−18℃から+5℃の温度範囲の水中凍結および水中融解を300サイクル繰り返し)による試験を行い、表面の劣化状態を観察した。抄造性については、脱水工程直後における抄造シートの表面の地合いを観察した。また、生産性、耐凍害性、抄造性の評価は、新品の繊維補強材のみを用いた比較例1と同レベルの場合を○とし、それより劣る場合を×とした。
【0024】
【表2】
【0025】
実施例1〜5は、補強繊維として新品の繊維補強材のみを用いた比較例1と同レベルの生産性及び強度(引張強度)を有する繊維補強セメント板を得ることができることがわかった。さらに、実施例2〜4に見られるように、再生繊維の平均繊維長を500〜800μmとすることで、比較例1と同レベルの抄造性及び耐凍害性を有する、良好な繊維補強セメント板を得ることができることがわかった。
【0026】
【発明の効果】
請求項1〜請求項2に係る繊維補強セメント板は、L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板において、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離した再生繊維を、補強繊維のL材パルプの一部に用いているので、原料のセメントスラリーの調整が容易となり、その結果、生産性を改善することのできる繊維補強セメント板となる。
【0027】
請求項3に係る繊維補強セメント板は、請求項1又は請求項2記載の繊維補強セメント板において、再生繊維の平均繊維長が、500〜800μmであるので、上記効果に加え、抄造性及び耐凍害性が、一層良好な繊維補強セメント板となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維補強セメント板の廃材から得た再生繊維を利用した繊維補強セメント板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建物の外壁材、屋根材等の外装材として、セメント板をはじめとする各種の無機質板が用いられており、耐久性、耐侯性、耐磨耗性および耐凍害性等に優れた無機質板として、補強繊維が配設された繊維補強セメント板が知られている。
【0003】
この繊維補強セメント板は、一般に、セメントを主成分とし、補強繊維を含有させたセメントスラリーを抄造して得た抄造シートを、加圧成形したのち、養生硬化することで製造されている。補強繊維としては、強度等の品質、成形性等の観点から、通常は、新品のN材パルプやL材パルプ等の解繊パルプを用いるようにしている。
【0004】
ところが、これらN材パルプやL材パルプ等の解繊パルプは、原料の中で最も高価な材料であり、また、森林資源のリサイクルの観点から、近年では、工場で発生する繊維補強セメント板の端材および不良品等の廃材を粉砕した粉砕物を、補強繊維の一部として再利用することで、原料コストが低減された繊維補強セメント板が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物は、セメント分である固形分と繊維分とが混在した再生繊維であるため、この再生繊維を補強繊維の一部として用いる場合、新品の解繊パルプのみを補強繊維として用いる場合に比べ、再生繊維中における繊維分の含有量が、粉砕のされ方等で一定しないため、原料のセメントスラリー調整が困難となり、その結果、繊維補強セメント板の生産性が低下するという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−213656号公報(2−5頁、図1、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、原料のコスト低減のために繊維補強セメント板の廃材から得た再生繊維を利用した場合でも、原料のセメントスラリー調整が容易となり、その結果、繊維補強セメント板の生産性を改善することのできる繊維補強セメント板を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、繊維補強セメント板の廃材から得た再生繊維として、略繊維分のみを分離して得た再生繊維を利用するようにしたものである。
【0009】
請求項1に係る発明の繊維補強セメント板は、L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板において、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離した再生繊維を、補強繊維のL材パルプの一部に用いていることを特徴とする。
【0010】
なお、ここで、略繊維分のみとは、繊維分のみだけでなく、繊維分に若干の固形分が付着している場合をも含むことを意味している。
【0011】
請求項2に係る発明の繊維補強セメント板は、請求項1に記載の繊維補強セメント板において、再生繊維が、繊維補強セメント板の廃材を、衝撃型粉砕機で1次粉砕し、1次粉砕物を摩砕式粉砕機で2次粉砕し、2次粉砕物を固形分と繊維分とにエアー分級した後、略繊維分のみを分離した再生繊維であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明の繊維補強セメント板は、請求項1又は請求項2記載の繊維補強セメント板において、再生繊維の平均繊維長が、500〜800μmであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記の通りの特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態について詳しく説明する。
【0014】
本発明の実施形態に係る繊維補強セメント板は、L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板であって、この補強繊維のL材パルプの一部として、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離して得られる再生繊維を用いている繊維補強セメント板である。
【0015】
繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離する方法としては、繊維補強セメント板の廃材を衝撃型粉砕機であるハンマーミル式やパルベライザー式の粉砕機で、主として500〜1000μmの粒径の粉砕物に1次粉砕し、この1次粉砕物を摩砕式粉砕機であるローラーミル式やピンミル式の粉砕機で、主として300〜500μmの粒径の粉砕物に2次粉砕し、さらに、この2次粉砕物をエアー分級装置でエアー分級することで、セメント分である固形分と繊維分とに分離する方法を用いることができる。
【0016】
本実施形態の繊維補強セメント板は、セメントを主成分とし、N材パルプとL材パルプと上述した方法で、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から略繊維分のみを分離して得た再生繊維とを用いた補強繊維を用いて調整したセメントスラリー原料を、フェルト上で抄造して抄造シートとし、加圧成形および養生硬化して、製造することができる。このセメントスラリー原料の配合は、上記の原料の他、たとえば、シラスバルーンやパーライト等の軽量骨材、ビニロンやポリプロピレン等の繊維及び必要に応じて遅延剤等の添加剤を配合することもできる。
【0017】
本実施形態では、繊維補強セメント板の廃材の粉砕物を、固形分と繊維分とに分離して、分離した略繊維分のみを再生繊維として、補強繊維のL材パルプの一部に用いることが、特に重要である。分離した略繊維分のみを再生繊維として、補強繊維のL材パルプの一部に用いることにより、従来の固形分と繊維分とが混在して、正味の繊維分の含有量が一定しない粉砕物を再生繊維として用いる場合に比べ、原料のセメントスラリー調整が容易になるので、その結果、繊維補強セメント板の生産性を改善することができる。
【0018】
この略繊維分のみを分離した再生繊維は、所定の大きさのメッシュを用いた、例えば、ロータリーシフター方式または振動方式のふるい装置を用いて、平均繊維長が500〜800μmの再生繊維に分級して用いるのが好ましい。平均繊維長が500μmより短いと原料のセメントスラリーを抄造する際、脱水工程におけるフェルトが、この短い繊維で目詰まりを起こし易くなるため、濾水性が低下して、その結果、繊維補強セメント板の抄造性が悪くなる傾向にある。また、逆に、平均繊維長が800μmを越えると、製造した繊維補強セメント板に隙間が生じ易くなるため、水の吸収率が大きくなって、その結果、耐凍害性が低下する傾向にある。
【0019】
【実施例】
(実施例1〜5、比較例1)
L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板の廃材をハンマーミル式粉砕機で1次粉砕し、更に、この1次粉砕物をローラーミル式粉砕機で2次粉砕した2次粉砕物をエアー分級装置でエアー分級することで、固形分と繊維分に分離した後、メッシュ(JIS標準ふるい規格)の異なる5種の振動式ふるい装置にかけ、表1に示すように、平均繊維長の異なる5種の再生繊維を得た。
【0020】
【表1】
【0021】
次に、後の表2に示したとおりの配合で、セメント、フライアッシュ、珪石粉、N材パルプ(新品)、L材パルプ(新品)と、上述した方法で得た平均繊維長の異なる再生繊維を混合して原料のセメントスラリーを調整した。次いで、この調整したセメントスラリーを抄造して抄造シートを作成し、プレス圧30kg/cm2で加圧成形した後、温度40〜80℃で12時間、前養生し、温度170℃で6時間、オートクレーブ養生を施して、450mm×3030mmのサイズで厚さが12mmの5種類の繊維補強セメント板を作製した。
【0022】
また、比較のために、再生繊維を用いずに、後の表2に示した配合とすること以外は、実施例と同様にして繊維補強セメント板を作製した。
【0023】
これらの繊維補強セメント板について、生産性、比重、強度(引張強度)、吸水率、耐凍害性、抄造性を調べ、その結果を表2に示した。なお、ここでいう生産性は、原料のセメントスラリー調整の容易さとした。耐凍害性については、ASTM−B法(繊維補強セメント板に対して、−18℃から+5℃の温度範囲の水中凍結および水中融解を300サイクル繰り返し)による試験を行い、表面の劣化状態を観察した。抄造性については、脱水工程直後における抄造シートの表面の地合いを観察した。また、生産性、耐凍害性、抄造性の評価は、新品の繊維補強材のみを用いた比較例1と同レベルの場合を○とし、それより劣る場合を×とした。
【0024】
【表2】
【0025】
実施例1〜5は、補強繊維として新品の繊維補強材のみを用いた比較例1と同レベルの生産性及び強度(引張強度)を有する繊維補強セメント板を得ることができることがわかった。さらに、実施例2〜4に見られるように、再生繊維の平均繊維長を500〜800μmとすることで、比較例1と同レベルの抄造性及び耐凍害性を有する、良好な繊維補強セメント板を得ることができることがわかった。
【0026】
【発明の効果】
請求項1〜請求項2に係る繊維補強セメント板は、L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板において、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離した再生繊維を、補強繊維のL材パルプの一部に用いているので、原料のセメントスラリーの調整が容易となり、その結果、生産性を改善することのできる繊維補強セメント板となる。
【0027】
請求項3に係る繊維補強セメント板は、請求項1又は請求項2記載の繊維補強セメント板において、再生繊維の平均繊維長が、500〜800μmであるので、上記効果に加え、抄造性及び耐凍害性が、一層良好な繊維補強セメント板となる。
Claims (3)
- L材パルプとN材パルプとを用いた補強繊維が配設された繊維補強セメント板において、繊維補強セメント板の廃材を粉砕処理した粉砕物から、略繊維分のみを分離した再生繊維を、補強繊維のL材パルプの一部に用いていることを特徴とする繊維補強セメント板。
- 再生繊維が、繊維補強セメント板の廃材を、衝撃型粉砕機で1次粉砕し、1次粉砕物を摩砕式粉砕機で2次粉砕し、2次粉砕物を固形分と繊維分とにエアー分級した後、略繊維分のみを分離した再生繊維であることを特徴とする請求項1記載の繊維補強セメント板。
- 再生繊維の平均繊維長が、500〜800μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の繊維補強セメント板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002312548A JP2004143017A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 繊維補強セメント板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002312548A JP2004143017A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 繊維補強セメント板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004143017A true JP2004143017A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32457410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002312548A Withdrawn JP2004143017A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 繊維補強セメント板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004143017A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008247650A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd | 繊維セメント板 |
US7618038B2 (en) | 2004-10-20 | 2009-11-17 | Oki Data Corporation | Image forming apparatus and medium feeding mechanism |
-
2002
- 2002-10-28 JP JP2002312548A patent/JP2004143017A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7618038B2 (en) | 2004-10-20 | 2009-11-17 | Oki Data Corporation | Image forming apparatus and medium feeding mechanism |
JP2008247650A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd | 繊維セメント板 |
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