以下、本発明の一実施形態に係る遊技機であるスロットマシンについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<スロットマシンの構成>
<<全体構造の説明>>
図1は、本実施形態に係るスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けてある。このフロントパネル20の略中央には、横長矩形の透明な表示窓22が形成してある。
この表示窓22の前面には、5本の入賞ラインが定めてある。これら5本の入賞ラインは、水平の3本(中央L1、上下L2A、L2B)の入賞ラインと、斜めの2本(斜め右下がりL3A,斜め右上がりL3B)の入賞ラインとがあり、投入された遊技媒体(本実施形態ではメダル)の枚数により有効となった入賞ライン(以下、有効ラインと称する)が表示される。
また、表示窓22の下方には、略水平の操作パネル部30が設けてある。この操作パネル部30の左側には、1−ベットスイッチ35及び3−ベットスイッチ36が配設してあり、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入することができる遊技媒体投入口38が設けてある。
この遊技媒体投入口38から規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定以上の枚数をクレジット数として後述するRAM110(図3参照)に記憶するようになっている。
1−ベットスイッチ35は、クレジット数のうち1枚ずつメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。3−ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。本実施形態のスロットマシン10は、3枚賭け専用機であり、遊技者が、遊技媒体を3枚投入し、又は1−ベットスイッチ35を3回操作したとき、あるいは3−ベットスイッチ36を1回操作したときには、5本の入賞ラインの全て、すなわち、L1、L2A、L2B、L3A及びL3Bが有効化され、遊技可能な状態となる。
ここで、本実施形態では、遊技媒体投入口38からの遊技媒体の投入、1−ベットスイッチ35又は3−ベットスイッチ36の操作に基づく遊技媒体の数を「ベット数」と称し、その後、RAM110に記憶されて設定されたベット数を「設定ベット数」と称する。なお、以下の説明において、スロットマシン10の最大ベット数=3が設定ベット数として設定された場合を単に「3ベット」と称する。
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けてある。なお、画像表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、遊技者が、画像情報や文字情報を遊技中に視認し得る装置であれば、その他CRTなどのあらゆる表示装置を用いることが可能である。
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けてある。リール40L,40C及び40Rは、それぞれリング形状となっており、その外周面には、図柄を印刷したリールテープが貼着してある。このリールテープには、例えば、21個の図柄が等間隔で描かれている。これら図柄の配列は、リール40L,40C及び40Rごとにそれぞれ異なっている。リール40L,40C及び40Rは、上述した表示窓22を介してそれぞれ視認可能となっている。リールが停止しているときには、表示窓22を介してリール40L,40C及び40Rごとに連続した3つの図柄が視認可能となる。このため、表示窓22から合計9つの図柄が視認可能となる。
後述するように、リール40L,40C及び40Rは、それぞれモータ(図示せず)により回転駆動され、表示窓22を介してリール40L,40C及び40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ(スタートレバー)50が傾動可能に設けてあり、また、操作パネル部30の前面の中央部には、3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rが設けてある。ストップスイッチ52Lは左リール40Lに対応し、ストップスイッチ52Cは中リール40Cに対応し、ストップスイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
遊技者が、スタートスイッチ50を傾動操作すると、上述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これらリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達すると、遊技者によるストップスイッチ52L,52C及び52Rの操作が有効となる。
遊技者が、ストップスイッチ52Lを押動操作すると左リール40Lが停止する。ストップスイッチ52Cを押動操作すると中リール40Cが停止する。ストップスイッチ52Rを押動操作すると右リール40Rが停止する。
リール40L、40C又は40Rが停止したときは、それぞれの外周面に描かれた図柄が、上述した5つの入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A及びL3B上に位置付けられるように停止制御している。
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納した図示しないスピーカ(後述する図2、3に示すスピーカ64に対応する)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けてある。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けてある。リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが、所定の組み合わせ、すなわち、役を構成する図柄の組み合わせとなり、役に入賞したときには、この組み合わせに応じて予め定めた枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すようになっている。
スロットマシン10における遊技は、停止させた複数のリール40L、40C及び40Rの図柄の組み合わせによって遊技結果が定まるというものである。また、この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作するたびに行われ、複数のリール40L、40C及び40Rの回転開始から回転停止までの行程を1単位の遊技として、繰り返し行うことができる。
リール40L、40C及び40Rの図柄の組み合わせには、例えば、特別役、一般役、再遊技役等の種類がある。特別役は、抽選で特別役に当選し、その当たり役に応じた図柄が揃って入賞したときには、遊技を遊技者にとって有利に進行させる特別遊技を行うことができる役である。また、一般役は、抽選で一般役に当選し、その一般役に応じた図柄が揃って入賞すると、予め定めた数の遊技媒体を払い出す役である。また、再遊技役は、抽選で再遊技役に当選し、再遊技役に応じた図柄が揃って入賞したときに、遊技媒体を新たに投入することなく再遊技(リプレイとも称する)を行うことができる役である。
また、特別役には、BB(ビッグボーナス)役及びRB(レギュラーボーナス)役がある。RB役は、第1の特別遊技であるRB遊技に移行させる役である。このRB遊技は、所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行うものである。一方、BB役は、第2の特別遊技であるBB遊技に移行させる役である。このBB遊技は、一般遊技を行うとともに、この一般遊技中に一定条件下でRB遊技に移行できるようにしたものであり、予め定められた遊技媒体の払い出し数に達するまで、一般遊技とRB遊技とを繰り返し行うことができる。
さらに、本実施形態のスロットマシン10の上端部、上部左側、上部右側、下部左側及び下部右側には、それぞれ電飾部品124A、124B、124C、124D及び124Eが設けてある。これら電飾部品124A〜124Eとして、例えば、多色発光可能なLEDを用いており、役の当選又は入賞、画像表示装置70に表示される演出画像、後述するスピーカ64から出力される音等の遊技の進行状態や遊技者の操作に対応して、いずれかの電飾部品124A〜124Eを点灯させたり、点灯色、点灯時間、明るさ等を変化させたり、予めプログラムされた所定の点灯パターンに従って点灯される。
なお、スロットマシン10の電飾部品として、上述した演出用の電飾部品124A〜124Eの他、図示しない7セグメントLEDを用いたクレジット表示器、WIN(獲得枚数)表示器などがあり、図2、図3や以下の説明においては、全ての電飾部品を総称して符号124を用いることとする。
<<機能ブロック図の説明>>
図2は、スロットマシン10の制御に関する機能ブロック図である。同図において、制御回路として、主制御回路100と副制御回路200とが電気的に接続してある。また、主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続してあるとともに、リール40L、40C及び40Rの各々に設けたモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続してある。副制御回路200には、報知手段としての画像表示装置70と、スピーカ64と、ランプ等の電飾部品124とが電気的に接続してある。さらに、本実施形態では、主制御回路100にエラー検出手段450が電気的に接続してある。
操作手段300には、3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rと、スタートスイッチ50と、1−ベットスイッチ35、3−ベットスイッチ36とが含まれる。なお、これらの操作手段300は、スイッチやボタンに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
エラー検出手段450には、通常エラー検出手段451と、不正行為検出手段452とが含まれている。通常エラー検出手段451は、払出メダルエンプティエラー、払出メダルジャムエラー、投入メダル詰まりエラー、RAMエラー等の不正行為によって発生したと考えられるエラー以外の原因で生じる通常エラーを検出するものである。
一方、不正行為検出手段452は、主として遊技媒体の詐取を目的とした不正行為を検出するものであり、電源監視センサ452Aと、ドア開放監視センサ452Bと、設定監視センサ452Cと、払出し監視センサ452Dとが含まれる。電源監視センサ452Aは、例えば電流センサであり、図3に示す電源装置91のON又はOFFを検出して主制御回路100へ信号を出力する。ドア開放監視センサ452Bは、例えば、光学的又は機械的なスイッチセンサであり、スロットマシン10をドア開放したときに主制御回路100へ信号を出力する。設定監視センサ452Cは、例えばフォトインタラプタなどの光センサであり、図示しない設定キースイッチの回転を検出して主制御回路100へ信号を出力する。払出し監視センサ452Dは、例えば電流センサであり、遊技媒体を貯留する図示しないホッパーの電流を検出して主制御回路100へ信号を出力する。
なお、不正行為検出手段452は、これらセンサ452A〜452Dに限定されるものではなく、例えば、図示しないメダルセレクタに設けられ、遊技媒体投入口38に投入された遊技媒体の通過を監視するフォトセンサを不正行為検出手段452に含めてもよい。このように、不正行為検出手段452としてのセンサには、スロットマシン10に対する不正行為の発生を監視可能な種々の機械的、電気的又は光学的なセンサが広く含まれる。
また、エラー検出手段450側にCPUなどの制御手段を備え、後述する主制御回路100のエラー判別手段440に相当するエラー判別処理を実行させる構成としてもよい。さらに、エラー判別手段440及びエラー検出手段450を副制御回路200に備えた構成としてもよい。
<<主制御回路の説明>>
主制御回路100は、スロットマシン10の遊技に関する制御処理を実行するものであり、役抽選手段410と、リール制御手段420と、遊技制御手段430と、エラー判別手段440とが含まれる。また、これら手段410、420、430及び440の機能は、図3に示すメインCPU106によって実現される。
役抽選手段410は、役抽選処理によって、役(例えば、特別役であるRB役とBB役、一般役、再遊技役)の抽選を行うものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器412(ハード乱数等)と、この乱数発生器412が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段414と、乱数抽出手段414が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段416とを備えている。
リール制御手段420は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、モータ80L、80C、80Rの制御を行い、リール40L、40C、40Rを回転させる。そして、ストップスイッチ52L、52C、52Rから発信されたリール停止信号の受信によって、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行う。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うようにするための図柄組み合わせ制御を行う。
遊技制御手段430は、役抽選処理で特別役、一般役、再遊技役に当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、入賞した役に対応した処理を進める。遊技制御手段430は、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う以外に、特別遊技制御手段432を含む。特別遊技制御手段432は、遊技が遊技者にとって有利に進行する特別遊技や、特別遊技における所定枚数の遊技媒体の払い出しなどの特別遊技中における制御を行う。
エラー判別手段440は、エラー検出手段450から送信された信号、すなわち、通常エラー検出手段451、及び不正行為検出手段452の各センサ452A〜452Dの検出結果に基づいて、スロットマシン10に通常エラーや不正行為が生じたか否かを判別する。
このようなエラー判別手段440による通常エラーの検出としては、次のようなものがある。例えば、図示しないホッパーにメダル(遊技媒体)がなくなることにより、図示しない払出カウントセンサが所定時間経過してもONにならない場合は、エラー判別手段440が払出メダルエンプティエラーと判別し、副制御回路200へ信号を出力する。また、前記ホッパーにメダルが詰まる等により、所定時間以内にメダルが前記払出カウントセンサを通過しなかった場合は、エラー判別手段440が払出メダルジャムエラーと判別し、副制御回路200へ信号を出力する。
さらに、例えば、遊技媒体投入口38から投入したメダルが所定時間内に図示しないメダル投入センサを通過しなかった場合は、エラー判別手段440が投入メダル詰まりエラーと判別し、副制御回路200へ信号を出力する。また、電源投入時に主制御回路100のRAM110に正常なデータの書き込みができない場合は、エラー判別手段440がRAMエラーと判別し、副制御回路200へ信号を出力する。その他、エラー判別手段440は、スロットマシン10に通常エラーが生じたか否かを判別し、副制御回路200へ信号を出力する。
なお、エラー判別手段440が通常エラーを判別した場合には、主制御回路100が、遊技媒体の払い出しに関する制御処理を停止したり、遊技媒体投入口38への遊技媒体の投入を禁止するとともに、3−ベットスイッチ36やスタートスイッチ50等の操作手段300の操作を無効とするなどの、遊技を行わせない処理を実行するようにしてもよい。
一方、エラー判別手段440による不正行為の検出としては、次のようなものがある。例えば、エラー判別手段440は、電源監視センサ452Aの検出結果に基づいて、図3に示す電源装置91が許可なくOFFとなった場合を異常と判別し、次に電源装置91がONとなったときに副制御回路200へ信号を出力する。また、エラー判別手段440は、ドア開放監視センサ452Bの検出結果に基づいて、スロットマシン10が許可なくドア開放された場合を異常と判別し、副制御回路200へ信号を出力する。
さらに、エラー判別手段440は、例えば、設定監視センサ452Cの検出結果に基づいて、図示しない設定キースイッチが許可なく回転された場合を異常と判別し、副制御回路200へ信号を出力する。また、エラー判別手段440は、払出し監視センサ452Dの検出結果に基づいて、図示しないホッパーによる遊技媒体の過剰払い出しがあった場合(例えば、1回の払い出しが50枚以上の場合)を異常と判別し、副制御回路200へ信号を出力する。
許可なく電源装置91がOFFされた場合、スロットマシン10がドア開放された場合、設定キースイッチが回転された場合、又はホッパーが遊技媒体を過剰払い出した場合は、不正行為が行われたおそれがある。エラー判別手段440は、このような不正行為のおそれあるエラーを判別して、副制御回路200に不正行為の発生を報知させる。
なお、上記説明中の不正行為を意味する「許可なく」とは、例えば、ドア開放キーを使用することなくスロットマシン10のドアをこじ開けて、電源スイッチ91がOFFされたり、設定キースイッチが回転されたりするような、一部でも正常なプロセスを経ずに所定の操作や動作が行われる場合をいう。
ここで、本実施形態では、エラー判別手段440が不正行為のおそれあるエラーを判別した場合には、後述するような、副制御回路200におけるエラー報知の設定により、2通りの報知モードを選択できるようになっている(図17(a)参照)。一の報知モードとして、不正行為の発生を通常エラーと同じ態様で報知する。例えば、電源装置91が許可なくOFFとなったこと、ドア開放されたこと、設定キースイッチが回転されたこと、遊技媒体の過剰払い出しがあったこと等を、視覚や聴覚で認識できるように画像、音又は光によって報知する。
また、不正行為の発生を通常エラーと同じ態様で報知する場合には、エラー判別手段440が不正行為のおそれあるエラーを判別した時点で遊技を行うことができなくなる。すなわち、エラー判別手段440からの信号を受信した主制御回路100が、遊技媒体投入口38への遊技媒体の投入を禁止するとともに、1−ベットスイッチ35、3−ベットスイッチ36やスタートスイッチ50等の操作手段300の操作を無効とするなどの、遊技を行わせない処理が実行される。
一方、他の報知モードとして、不正行為者に察知されないように偽装した警報(これを「サイレント警報」と呼ぶ)により不正行為の発生を報知する。このサイレント警報の報知モードを選択した場合は、エラー判別手段440が不正行為のおそれあるエラーを判別した後も、通常通りに主制御回路100による遊技を行わせる処理が実行され、遊技中の演出に用いられる画像、音(BGM、効果音のほか人間の耳で聞くことができない超音波も含む)又は光に偽装したサイレント警報が報知されることになる。
<<副制御回路の説明>>
副制御回路200は、上述したスロットマシン10の遊技中における演出に関する制御処理を実行するものであり、演出制御手段510と、エラー報知制御手段520と、データ記憶手段530とが含まれる。
<<<演出制御手段>>>
演出制御手段510は、主制御回路100からの信号に基づいて画像、音及び電飾(光)を用いた演出の制御処理を行う。画像制御手段510には、画像制御手段511と、音声制御手段512と、電飾制御手段513とが含まれる。これら手段511〜513のうち、画像制御手段511及び音声制御手段512の機能は、主に図3に示す画像制御ユニット220によって実現され、この画像制御ユニット220には、VDP(Video Display Processor)221と、画像再生CPU222とが含まれる。また、音声制御手段512が所定の音を出力するために、図3に示す音源回路231が用いられる。さらに、電飾制御手段513の機能は、主に図3に示すサブCPU206により実現され、電飾部品124を駆動させるための電飾基板235が用いられる。
画像制御手段511は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、画像系データ記憶手段533に記憶された演出画像データを読み出し、スロットマシン10の遊技状態に対応した所定の演出画像を画像表示装置70に表示させる制御処理を行う。
画像制御手段511が制御の対象とする演出画像として、例えば、遊技媒体が投入されるまでの遊技待機状態におけるデモンストレーション画像、遊技中に繰り返し表示される通常演出画像、遊技中に所定役の当選を報知する報知演出画像、特別役の当選又は入賞などの所定条件を満たした場合に表示される特別演出画像などが含まれる。
また、画像制御手段511は、遊技中の演出画像のみを表示させるものではなく、エラー判別手段440が通常エラー又は不正行為の発生を判別した場合に、キャラクター画像やエラーメッセージ画像等を用いたエラー報知を行うようにしてある。この画像制御手段511によるエラー報知の態様は、後述するエラー報知制御手段520の報知態様設定手段523によって詳細に設定することが可能となっている。
音声制御手段512は、主として、遊技中のBGMや効果音などの音の制御処理を行うものである。この音声制御手段512は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、音系データ記憶手段534に記憶された音声データを読み出し、スピーカ64から所定のBGMや効果音などの演出音を出力させる制御処理を行う。
ここで、音声制御手段512は、遊技中の演出音のみを出力させるものではなく、エラー判別手段440が通常エラー又は不正行為の発生を判別した場合に、電子音、BGM又は合成音声等を用いたエラー報知を行うようにしてある。上記と同様に、この音声制御手段512によるエラー報知の態様は、後述するエラー報知制御手段520の報知態様設定手段523によって詳細に設定することが可能となっている。
さらに、本実施形態では、音声制御手段512が超音波発生器512aを備えている。この超音波発生器512aは、上述したサイレント警報の一態様として、人間の可聴範囲を超える(なお、可聴範囲の限界付近の可聴音も可能)超音波からなる警報(以下、超音波警報と呼ぶ)をスピーカ64から出力させるためのものである。超音波発生器512aとして、例えば、水晶やセラミックなどの圧電振動子又はフェライトを用いた磁歪振動子を共振させて超音波を放射する構成のものを利用することができる。超音波発生器512aによって生成された超音波警報は、図2のインカム装置700に内蔵された超音波可聴化手段701を介在させなければ聞くことができず、店舗内の不正行為者やその他顧客に聞こえない警報を形成する。なお、上述の超音波警報を出力するための専用スピーカをスピーカ64とは別に設けてもよい。
ここで、上述した超音波警報を可聴化するためのインカム装置700について説明する。インカム装置700は、店舗内における店舗管理者どうしの連絡に用いられる無線通信装置であり、例えば、図示しない無線通信機本体にヘッドセットを接続した構成となっている。本実施形態では、インカム装置700の無線通信機本体に超音波可聴化手段701を追加している。超音波可聴化手段701は、スピーカ64から出力された超音波警報を検出し、これを可聴音に変換して前記ヘッドセットから出力させる。
このような超音波可聴化手段701は、例えば、超音波警報を検出するマイクと、このマイクが検出した超音波警報を可聴音に変換する変換回路とを備えた構成となっている。前記変換回路の原理として、例えば、ヘテロダイン方式又は周波数分周方式のいずれかを採用することが可能である。ヘテロダイン方式では、前記マイクが検出した超音波警報の信号にローカルオシレターの信号を混合して周波数変換して可聴音にする。周波数分周方式では、前記マイクが検出した超音波警報を増幅して2値化した後、分周回路で周波数を分周して可聴音にする。なお、超音波警報を可聴音に変換する変換回路はこれら方式のものに限定されるものではなく、超音波警報を可聴音に変換可能な他の方式の回路構成を採用することも可能である。
なお、本実施形態では、サイレント警報の一態様として超音波警報を採用したが、これに限定されるものではなく、人間の可聴域外又は可聴域限界付近の低周波の音をサイレント警報として用いる構成としてもよい。この場合は、超音波可聴化手段701として、低周波マイクを用い、この低周波マイクが検出した低周波音を可聴音に変換すればよい。
また、超音波警報はインカム装置700で直接受信する形態に限らない。例えば、超音波受信機を店舗内の所定の場所に設置し、超音波受信機によって受信された超音波警報を電波又は光等の無線信号に変換して個々の店舗管理者のインカム装置にそれぞれ出力するなど、その他あらゆる通信形態が考えられる。
電飾制御手段513は、主制御回路100の制御処理に応じてスロットマシン10の各所に設けられた電飾部品124A〜124Eを所定の点灯パターンで点滅させる制御処理を行う。電飾制御手段513は、遊技状態に応じて主制御回路100から送信される信号に基づいて、電飾系データ記憶手段535に記憶された点灯パターンデータを読み出し、電飾基板235(図3参照)を制御して所定の電飾部品124A〜124Eを点灯動作させる。
<<<エラー報知制御手段>>>
エラー報知制御手段520には、条件設定手段521と、条件判断手段522と、報知態様設定手段523と、通常エラー報知制御手段524と、不正警報制御手段525とが含まれる。これら手段521〜525のうち、条件設定手段521、条件判断手段522及び報知態様設定手段523の機能は、主に図3に示すサブCPU206によって実現され、通常エラー報知制御手段524及び不正警報制御手段525の画像と音に関する機能は、図3に示す画像制御ユニット220によって実現される。また、通常エラー報知制御手段524及び不正警報制御手段525の電飾に関する機能は、図3に示すサブCPU206によって実現される。
条件設定手段521は、画像、音又は電飾を用いたエラー報知の態様を設定変更を可能とするための条件を定めるものである。上述したように本実施形態のスロットマシン10では、エラー報知の態様として2通りの報知モードを選択することができ、さらに、各報知モードにおけるエラー報知の内容を詳細に設定することができるようになっている。しかし、エラー報知の態様、報知モード、報知の内容といった諸事項は、店舗管理者にエラー発生を知らせるための重要なファクターであり、特に、不正警報の設定が容易に変更されてはスロットマシン10のセキュリティ上の問題となる。そこで、本実施形態のスロットマシン10では、エラー報知の態様を設定変更可能とするだけではなく、エラー報知の態様を設定変更可能とするために満たさなければならない所定条件を、条件設定手段521で設定するようにしてある。この条件設定手段521で設定した所定条件が満たされた場合に限り、後述する報知態様設定手段523によるエラー報知の態様の設定変更が可能となる。
条件設定手段521に定める所定条件は、スロットマシン10の制御処理上で条件を満たしたか否かを判別することができるものであれば、特に限定されない。そして、条件設定手段521で定めた所定条件は、後述するデータ記憶手段530の条件設定データ記憶手段531に記憶される。このようなエラー報知の態様の設定変更を可能とするための条件を、図9の設定変更条件表に例示する。
例えば、条件Aとして、スロットマシン10の出玉率を「1」〜「6」の範囲で設定する図示しない設定変更キーをONにすることが考えられる。通常、設定変更キーは店舗管理者のみが所有するものであり、エラー報知の態様の設定変更可能な者を店舗管理者に限定するというセキュリティ上の意義がある。
条件Bとして、ドア開放監視センサ452BがONになることが考えられる。一般に、スロットマシン10のドア開放には専用のドア開放キーが必要である。通常、ドア開放キーは店舗管理者のみが所有するものであり、エラー報知の態様の設定変更可能な者を店舗管理者に限定するというセキュリティ上の意義がある。
条件Cとして、図2に示すようなエラー報知の態様の設定変更を可能とするための条件解除スイッチ540を設け、この条件解除スイッチ540をONにすることが考えられる。条件解除スイッチ540の設置位置を店舗管理者のみが知るならば、店舗管理者以外の者による条件解除スイッチ540の操作が困難になる。この結果、エラー報知の態様の設定変更可能な者を店舗管理者に限定するというセキュリティ上の意義がある。このような条件解除スイッチ540は、予めスロットマシン10の発見しにくい位置に設置してもよいし、スロットマシン10の出荷後に店舗管理者が任意の位置に設置することができるようにしてもよい。
条件Dとして、主制御回路100が所定の無効操作信号を受信したこととしてもよい。無効操作信号とは、図2に示す操作手段300を操作したときに送信される操作信号であって、この操作信号を受信した主制御回路100が所定の遊技に関する制御処理を実行できないものをいう。
また、図10は上記条件A〜Dの組合せを例示した設定条件組合せ表である。条件設定手段521に定める所定条件は、条件A〜Dのいずれかを単一で設定することもできるが(図10の実施例3参照)、スロットマシン10のセキュリティ性の観点から、条件A〜Dのいずれか二以上を組み合わせて設定することが好ましい(図10の実施例1、2又は4参照)。スロットマシン10のセキュリティ性をより一層向上させるならば、条件A〜Dのいずれか三以上又は全てを組み合わせることが好ましい。
さらに、図11は上記条件A〜Dの組合せによって可能となるエラー報知の設定変更範囲が段階的に変化する場合を例示した段階的設定変更表である。実施例1及び2に示すように、図示しない設定変更キーとドア開放監視センサ452Bとが共にONになった場合(条件A+B)には、画像系及び電飾系のエラー報知の設定変更を可能とし、その後、所定の無効操作信号が受信された場合(条件A+B+D)には、音系のエラー報知の設定変更を可能としてもよい。これにより、エラー報知の態様で最も重要と考えられる音系のエラー報知の設定変更に、難易度の高い条件をもたせることができる。
一方、実施例3及び4に示すように、条件解除スイッチ540をONにした場合(条件C)には、通常エラー報知の設定変更を可能とし、その後、所定の無効操作信号が受信された場合(条件C+D)には、不正警報の設定変更を可能としてもよい。これにより、不正行為者が悪意で不正警報に関する設定変更を行うことを困難にすることができる。
これに加え、本実施形態では、図12に示すように、通常遊技中における1−ベットスイッチ35、3−ベットスイッチ36、スタートスイッチ50又はストップスイッチ52L,52C,52R等の操作手段300の無効操作によって、エラー報知の態様の設定変更が開始されないようにするため、通常遊技を行うことができない設定変更キーがON又は条件解除スイッチがONの状態のときに、所定の無効操作信号を受信した場合に限り、エラー報知の態様の設定変更が可能となるようにしている。無効操作の具体例として、3−ベットスイッチ36がONとなった後にスタートスイッチ50がONとなった場合(実施例1)、スタートスイッチ50が2回以上ONとなった場合(実施例2)、第1及び第2ストップスイッチ52L、52Cが同時にONとなった場合(実施例3)、1−ベットスイッチ35又は3−ベットスイッチ36とスタートスイッチ50とが同時にONとなった場合(実施例4)など、種々の操作手段300の無効操作を設定変更の条件とすることができる。
図2に戻り、条件判断手段522は、上述した条件設定手段521に設定された条件が満たされたか否かを判断し、条件が満たされたと判別した場合に、報知態様設定手段523によるエラー報知の態様の設定変更を可能とするものである。このような条件判断手段522による制御処理については、後に、図5の設定変更条件判定サブルーチンを参照しつつ詳述する。
報知態様設定手段523には、通常エラー報知と不正警報とに関する報知態様の設定項目が詳細に定められており、図13〜図18に示すような報知態様の設定変更を行うための画像データを、後述する報知態様設定データ記憶手段532から読み出して、液晶表示装置70に順次表示させて設定変更の作業を実行させる。報知態様設定手段523による制御処理については、後に、図6の通常エラー報知設定変更サブルーチン、図7の不正警報設定変更サブルーチンを参照しつつ詳述する。
通常エラー報知制御手段524は、通常エラー検出手段451からの信号を受信したエラー判別手段440が、何らかの通常エラーが生じたと判別した場合に、報知態様設定手段523に設定された通常エラーの報知態様に従って、画像表示装置70に表示される画像、スピーカ64から出力される音、及び電飾部品124A〜124Eの点灯を制御して通常エラーの報知を実行する。この通常エラー報知制御手段524によるエラー報知の態様は、スロットマシン10に何らかのエラーが生じたことが何人も一目瞭然に分かるような態様となっている。通常エラーの報知態様については、後に、図14〜図16を参照しつつ詳述する。
不正警報制御手段525は、不正行為検出手段452からの信号を受信したエラー判別手段440が、何らかの不正行為が生じたと判別した場合に、報知態様設定手段523に設定された通常エラー報知又はサイレント警報のいずれかの報知モードで、不正行為が生じたことを報知する制御処理を実行する。
ここで、図17(a)に示す不正警報の報知モードとして通常エラー報知が選択された場合には、上述した通常エラー報知制御手段524と同様、図14〜図16に示すような設定項目に従って、何らかの不正行為が生じたことが何人も一目瞭然に分かるような態様でエラー報知が行われる。
一方、図17(a)に示す不正警報の報知モードとしてサイレント警報が選択された場合には、エラー判別手段440が不正行為のおそれあるエラーを判別した後も通常通りに遊技を行うことができ、遊技中の演出に用いられる画像、音(BGM、効果音のほか人間の耳で聞くことができない超音波も含む)又は電飾に偽装したサイレント警報が報知されることになる。
画像を用いたサイレント警報として、例えば、通常遊技中に画像表示装置70に表示される演出画像の全部又は一部を変更した演出とすることができる。不正行為の種類に応じて普段は表示されない専用の演出画像を警報として表示してもよい。また、普段から表示されている通常の演出画像の一部のキャラクター、アイテム又は背景などを部分的に変更した演出画像を警報として表示してもよい。さらに、エラー判別手段440が不正行為を判別した後、あたかも役抽選手段410において特別役(大当たり)に当選したか又は当選を期待させるような偽チャンス演出を複数回の単位遊技にわたって表示してもよい。
音を用いたサイレント警報として、例えば、不正行為の種類に応じて普段は使用されない専用のBGM又は効果音を警報として出力してもよい。また、普段と同じBGM又は効果音に擬似ノイズ(例えば、スロットマシン10では生じない意図的に作られたメカノイズ、ハウリング、通りを走る自動車の排気音、一般的な携帯電話の着信音など)を重ねて出力してもよい。さらに、本実施形態では、音声制御手段512が超音波発生器512aを備え、インカム装置700に内蔵した超音波可聴化手段701を介在させないと聞くことができない超音波警報を出力することもできる。
電飾を用いたサイレント警報として、例えば、電飾部品124A〜124Eの点灯パターンは普段と変わらないが、普段と比較して点灯時間が長い又は短い、点灯時の明るさが暗い又は明るい、点滅速度が遅い又は速い等の点灯パターンとしてもよい。また、上端部の電飾部品124Aのみ、上下部左側の電飾部品124B及び124Dのみ、上下部右側の電飾部品124C及び124Eのみを点灯させるようにしてもよい。
<<<データ記憶手段>>>
データ記憶手段530は、上述した演出制御手段510及びエラー報知制御手段520の制御処理に用いられる画像系データ、音系データ及び電飾系データを記憶するものである。このようなデータ記憶手段530には、条件設定データ記憶手段531と、報知態様設定データ記憶手段532と、画像系データ記憶手段533と、音系データ記憶手段534と、電飾系データ記憶手段535とが含まれる。
条件設定データ記憶手段531には、上述した条件設定手段521において設定したエラー報知態様の設定変更を可能とするための条件設定データが記憶されている。この条件設定データ記憶手段531は、図3に示す揮発性のバックアップRAM210の一部の記憶領域により実現される。
報知態様設定データ記憶手段532には、上述した報知態様設定手段523において設定した通常エラー報知及び不正警報の報知態様設定データが記憶されている。この報知態様設定データ記憶手段532は、図3に示す揮発性のバックアップRAM210の一部の記憶領域により実現される。
画像系データ記憶手段533には、画像表示装置70に画像を表示させるために必要なデータ、例えば、遊技中に表示される演出画像を構成するモデルデータ、テクスチャーデータ、モーションデータなどが記憶されている。また、上述した報知態様設定手段523による通常エラー報知及び不正警報の報知態様の設定変更を行う場合に表示される画像データ(図13〜図18参照)も記憶されている。さらに、上述した通常エラー報知制御手段524によって表示される通常エラー報知に用いられる画像データや、不正警報制御手段525によって表示される不正警報に用いられる画像データも記憶されている。この画像系データ記憶手段533は、図3に示す不揮発性の画像データROM223に相当する。画像データROM223に記憶された画像系データは、電源投入後における副制御回路200の起動後に、メインRAM224及びビデオRAM225に読み出されて遊技中の演出等に使用される。
音系データ記憶手段534には、遊技中の演出に用いられるBGMや効果音、通常エラー報知や不正警報として用いられるBGM、効果音、合成音声及び擬似ノイズなどの音データが記憶されている。図3に示す不揮発性のサウンドROM232によって実現される。
電飾系データ記憶手段535には、遊技中の演出に用いられる電飾部品124A〜124Eの点灯パターンデータが記憶されている。また、通常エラー報知や不正警報として用いられる電飾部品124A〜124Eの点灯パターンデータも記憶されている。このような電飾系データ記憶手段535は、図3に示す不揮発性の制御用ROM208の一部の記憶領域により実現される。
<スロットマシンの制御手段の説明>
スロットマシン10を制御する制御手段は、上述のように主制御回路100と副制御回路200とで構成してある。ここで、図3は、主制御回路100及び副制御回路200を示すブロック図である。なお、以下の説明において、図1又は図2と同一箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
<<主制御回路の説明>>
図3において、上述した操作手段300に含まれるスタートスイッチ50は、主制御回路100のインターフェース回路102に接続してあり、インターフェース回路102は、入出力バス104に接続してある。スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号は、インターフェース回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。この入出力バス104を介して、メインCPU106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。
また、インターフェース回路102には、その他の操作手段300であるストップスイッチ52L,52C,52R、1−ベットスイッチ35及び3−ベットスイッチ36も接続してある。これらのボタンやスイッチから発信された信号もインターフェース回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104を介してメインCPU106に供給される。
入出力バス104には、ROM108及びRAM110も接続してある。ROM108は、スロットマシン10の全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、後述する図4に示す遊技進行メインルーチン、及びこれらのプログラムで使用するための初期データを記憶する。また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器412も接続されている。乱数発生器412は、一定の範囲の数値、例えば、0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。なお、メインCPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続してある。このモータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rのそれぞれを回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続してある。ステッピングモータ80L、80C及び80Rは、3つのリール40L、40C及び40Rの内部にそれぞれ設けてあり、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトがリール40L、40C及び40Rの回転中心となるように取り付けてある。
メインCPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行っている。メインCPU106が、ステッピングモータ80L、80C及び80Rを制御することにより、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御を行っている。
リール40L、40C及び40Rには、回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)がそれぞれ設けてあり、各回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続してある。各回転角度位置センサから発せられたリール40L、40C及び40Rの回転角度位置を示す信号は、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。メインCPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、表示窓22に表示されている図柄を特定する。
上述したインターフェース回路102には、不正行為検出手段452としての電源監視センサ452A、ドア開放監視センサ452B、設定監視センサ452C及び払出し監視センサ452Dも接続してある。各センサ452A〜452Dから発信された信号はインターフェース回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104を介してメインCPU106に供給される。
また、インターフェース回路102には、受電基板92を介して電源装置91が接続してあり、この電源装置91から主制御回路100に駆動電源が供給される。さらに、主制御回路100は、インターフェース回路102に接続した接続線118を介して副制御回路200に接続してある。
<<副制御回路の説明>>
図3において、上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェース回路202に接続してあり、インターフェース回路202は、入出力バス204に接続してある。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェース回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。この入出力バス204を介して、サブCPU206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。
入出力バス204には、制御用ROM208及びバックアップRAM210も接続してある。制御用ROM208は、画像表示装置70、スピーカ64及び電飾部品124を制御するためのプログラムや、この制御プログラムを実行するための初期データが記憶されている。例えば、後述する図5に示す設定変更条件判定サブルーチン、図6に示す通常エラー報知設定変更サブルーチン、図7に示す不正警報設定変更サブルーチン、図8に示すサイレント警報制御処理サブルーチン及びこれらのプログラムで使用するための初期データを記憶する。
また、バックアップRAM210は、主制御回路100から送信された遊技状態や役抽選の結果などに関する情報や、副制御回路200における演出の制御状態などに関する情報を一時的に記憶する。これに加え、本実施形態では、上述した条件設定手段521で定めたエラー報知態様の設定変更を可能とするための所定条件、上述した報知態様設定手段523によって設定変更したエラー報知の態様などに関する情報もバックアップRAM210の記憶領域に記憶される。バックアップRAM210に記憶されたエラー報知の態様に関する設定変更の条件、エラー報知の態様を設定変更した後の内容は、別の条件や新たな設定変更が行われるまで更新されずにそのまま維持される。なお、スロットマシン10の電源をOFFにした場合でも、バックアップRAM210に記憶された内容が維持されるようにするため、副制御回路200に図示しないバックアップ電源を設けた構成としてもよい。
インターフェース回路202には、電飾基板235が接続してあり、サブCPU206は、インターフェース回路202を介して電飾基板235にコマンドを送信し、スロットマシン10の各所に設けられたランプ、7セグメント表示器等の電飾部品124を点滅させる。
入出力バス204には、演出画像の表示を行う画像制御ユニット220が接続してあり、この画像制御ユニット220は、VDP221と、画像再生CPU222とを含む。VDP221には、ビデオRAM225及び画像表示装置70が接続してあり、画像再生CPU222には、画像データROM223及びメインRAM224が接続してある。
画像再生CPU222は、画像データROM223に記憶された画像データをメインRAM224に一旦転送し、この画像データをVDP221に転送する。VDP221は、ビデオRAM225に記憶された画像データを用いて画像表示装置70に所定の演出画像や、図13〜図18に示すようなエラー報知態様の設定変更画面を表示させる。
また、画像再生CPU222には音源回路231が接続してあり、画像再生CPU222が、演出画像の表示タイミングと演出音の出力タイミングとを同期させるなどの制御を行っている。音源回路231は、画像再生CPU222からのコマンドに応じて、サウンドROM232に記憶されたBGM、効果音、電子音及び合成音声などの各種音データを読み出し、アンプ234を介してスピーカ64から所定の演出音を出力させる。
さらに、本実施形態の音源回路231には、上述したサイレント警報の一態様である超音波警報を出力するための超音波発生器512aが含まれている。超音波発生器512aが音源回路231に干渉するおそれがある場合には、超音波発生器512aを音源回路231と別個に設けることも可能である。
インターフェース回路202には、上述した条件解除スイッチ540も接続してある。上述したように、条件解除スイッチ540は、スロットマシン10の筐体内における発見しにくい位置に設置することがセキュリティ上好ましい。
また、上述した主制御回路100と同様、インターフェース回路202には、受電基板92を介して電源装置91が接続してあり、この電源装置91から副制御回路200に駆動電源が供給される。さらに、電源回路91は、上述した電飾基板235にも接続してある。
<スロットマシンの制御処理の説明>
以下に、上述したスロットマシン10の制御手段において行われる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
<<主制御回路の制御処理>>
まず、主制御回路100により実行される制御処理について、図4を参照しつつ説明する。図4は、スロットマシン10の主制御回路100により実行される遊技進行メインルーチンを示すフローチャートである。この図4の遊技進行メインルーチンは、主として、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を、1回行うときの制御処理を示す。
まず、ステップS10において、スロットマシン10の電源を投入する。例えば、スロットマシン10を個別にドア開放して電源スイッチ90(図3参照)をONにし、1台ずつ電源を投入したり、又は、図示しない配電盤のブレーカースイッチをONにし、島設備に配設された複数台のスロットマシン10,10,10…の電源を一括して投入したりする。
電源が投入されたスロットマシン10では、所定の起動処理が実行される(ステップS11)。このステップS11の起動処理では、例えば、仮スタックポインタのセット、割り込みモードのセット、ROM108(図3参照)のチェック、設定値のエラーチェック、RAM110(図3参照)のチェック及び初期化、割り込み起動等の処理が行われる。
このようなステップS11の起動処理が終了すると、主制御回路100が遊技待機状態(遊技媒体の投入等により遊技可能な状態だが遊技が行われていない状態)となる。またこのとき、主制御回路100が、副制御回路200へ信号を送信し、この信号を受信した副制御回路200が、主制御回路100の起動完了を確認する。
ここで、スロットマシン10の出玉率の設定変更処理を行う場合は、電源スイッチ90を一旦OFFにしてから、図示しない設定キースイッチをONにし、電源スイッチ90を再びONにする。これにより、スロットマシン10の設定値を、例えば「1」〜「6」に変更する処理が可能となる。その後、図示しない設定キースイッチをOFFにすることによって出玉率の設定変更が完了し、変更後の設定値で主制御回路100が遊技待機状態となる。
次いで、ステップS12では、スロットマシン10が再遊技を行う状態に設定されているか否かを判断する。なお、再遊技状態に設定する処理は、後述する入賞判定・フラグ処理(ステップS18)において行われる。
再遊技状態に設定されていない(NO)と判別したときには、1−ベットスイッチ35又は3−ベットスイッチ36を遊技者が操作することによって発せられた操作信号に基づいて、設定ベット数を決定する(ステップS13)。この設定ベット数は、1回の遊技をするための賭けの対象とされた遊技媒体の枚数(本実施形態では3枚のみ)を示す。
さらに、設定ベット数は、上述したクレジット数として一時的に蓄積されてから賭けの対象とされた遊技媒体の数に限られず、遊技媒体投入口38から投入されて直接賭けの対象とされた遊技媒体の数も含む。
遊技媒体が投入されたときは、遊技媒体投入口38の下部に設置された遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入されたときには、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてRAM110に記憶する。
一方、ステップS12において、再遊技状態に設定されている(YES)と判別したときは、ステップS14に進み、再遊技状態の設定を解除して、遊技媒体を新たに投入したり、又はクレジットした遊技媒体を消費したりすることなく、再び遊技を行うことができる。
次いで、ステップS15に進み、スタートスイッチ50が遊技者によってオンされたか否かを判断する。スタートスイッチ50がオンされていないと判別した場合(NO)は、ステップS15の処理を繰り返す。一方、スタートスイッチ50がオンされたと判別した場合(YES)は、ステップS16に進み、役抽選処理を実行する。
ステップS16の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段410(図3参照)による役抽選処理が行われ、当選した役に応じて、RBフラグ、BBフラグ、再遊技フラグ、対応する一般役フラグをオンにするフラグオン処理が行われる。
役抽選処理(ステップS16)に引き続き、役抽選結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行うリール変動・停止処理が実行される(ステップS17)。このリール変動・停止処理は、リール制御手段420(図3参照)によって行われる。リール制御手段420は、当選した役があるか否かを判別し、当選した役があると判別した場合、リール停止可能範囲内に当選した役に対応する図柄があるときには、その図柄を有効ラインL1、L2A、L2B、L3A、L3B(図1参照)に停止させる。
次いで、ステップS18に進み、入賞図柄の判定処理を行い、その判定結果に基づいてフラグ処理を行う。まず、遊技状態がRB遊技中又はBB遊技中か否か判断し、RB遊技中又はBB遊技中であると判別された場合は、遊技者に有利なRB又はBB遊技処理を実行する。
また、ステップS18において、RB遊技中又はBB遊技中のいずれでもないと判別された場合は、一般役又は再遊技役に入賞しているか否かを判断し、必要なフラグ処理又は再遊技状態への設定を行う。再遊技状態に設定することにより、次回の遊技は再遊技と判別される(ステップS12参照)。
次いで、ステップS19に進み、入賞した役に応じた枚数の遊技媒体を払い出す処理を実行し、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの1工程を1回とする遊技を行うための制御処理が終了する。
<<副制御回路の制御処理>>
次に、副制御回路200で行われるエラー報知に関する設定変更条件判定、エラー報知に関する設定変更、特殊なサイレント警報の制御処理について図5〜図8を参照し、必要に応じて図9〜図18をも参照しつつ説明する。
<<<設定変更条件判定サブルーチン>>>
図5は、副制御回路200の条件判断手段522により実行される設定変更条件判定サブルーチンを示すフローチャートである。また、図13(a)、(b)は、設定変更条件判定サブルーチンの実行中に画像表示装置70に表示されるエラー報知の設定変更画面を示す説明図である。以下、図5及び図13(a)、(b)を参照しつつ、設定変更条件判定サブルーチンについて説明する。
上述したように、本実施形態のスロットマシン10では、条件設定手段521により予め設定された図9〜図12に示すいずれかの所定条件を満たさない限り、エラー報知態様の設定変更を行うことができない。所定条件が満たされたか否かは、条件判断手段522によって判断される。なお、以下の説明において、本実施形態では、条件設定手段521において、図10の実施例2に示す条件A+B+Dが設定されているものとし、条件Dの無効操作として、図12に示す実施例1が設定されているものとする。
図5のステップS20において、条件判断手段522はドア開放監視センサ452BがONとなったか否かを判断する。ドア開放監視センサ452BがONとなっていないと判別した場合(NO)は、このステップS20の判断を繰り返す。一方、ドア開放監視センサ452BがONとなったと判別した場合(YES)は、ステップS21に進み、設定変更キーがONとなったか否かを判断する。
ステップS21において、設定変更キーがONとなっていないと判別した場合(NO)は、このステップS21の判断を繰り返す。一方、設定変更キーがONとなったと判別した場合(YES)は、ステップS22に進み、3−ベットスイッチ36がONとなったか否かを判断する。設定変更キーがONとなっている場合は、図4のステップS13に示す設定ベット数の決定処理を行うことができず、この場合の3−ベットスイッチ36のON操作は、遊技に影響しない無効操作となる。条件判断手段522は、設定変更キーがONになっていることと、3−ベットスイッチ36から送信される操作信号とに基づいて、本実施形態の条件に合致した3−ベットスイッチ36の無効操作があったか否かを判断している。
ステップS22において、3−ベットスイッチ36がONとなっていないと判別した場合(NO)は、このステップS22の判断を繰り返す。一方、3−ベットスイッチ36がONとなったと判別した場合(YES)は、ステップS23に進み、スタートスイッチ50がONとなったか否かを判断する。設定変更キーがONとなっている場合は、一切遊技を行うことができず、この場合のスタートスイッチ50のON操作は、遊技に影響しない無効操作となる。条件判断手段522は、設定変更キーがONになっていることと、スタートスイッチ50から送信される操作信号とに基づいて、本実施形態の条件に合致したスタートスイッチ50の無効操作があったか否かを判断している。
ステップS23において、スタートスイッチ50がONとなっていないと判別した場合(NO)は、このステップS23の判断を繰り返す。一方、スタートスイッチ50がONとなったと判別した場合(YES)は、ステップS24に進み、図13(a)に示すようなエラー報知に関する設定変更を行うか否かを確認するための設定変更画面を画像表示装置70に表示させる。この図13(a)に示す設定変更画面には、「エラー報知の設定変更を行いますか?」との文字と、「YES」及び「NO」の選択表示とが含まれている。これら「YES」及び「NO」のいずれかを選択することにより、エラー報知の設定変更を行うか否か決定する。
ここで、本実施形態において、上下左右斜め方向に操作可能なジョイスティックからなるスタートスイッチ50により、画像表示装置70に表示される設定変更画面中の選択項目の移動操作を行い、また、1−ベットスイッチ35、3−ベットスイッチ36又はストップスイッチ52L、52C、52R等のいずれかの操作手段300を押動操作することにより、選択又は選択の取り消しを行うようにしてある。なお、スロットマシン10の筐体、好ましくは筐体内部に、設定変更画面中の選択操作を行うための専用のジョイスティック及びスイッチを設けた構成とすることも可能である。
ステップS25に進み、エラー報知の設定変更を行うか否かを判断する。条件判断手段522は、図13(a)に示す設定変更画面の「YES」又は「NO」の選択項目のいずれが選択されたかに基づいて、このステップS25の判断を行う。図13(a)に示す設定変更画面の「NO」が選択された場合には、エラー報知の設定変更を行わないと判別し(NO)、その後の処理を行うことなく、そのまま本サブルーチンの制御処理を終了する。
一方、ステップS25において、図13(a)に示す設定変更画面の「YES」が選択された場合には、エラー報知の設定変更を行う判別し(YES)、ステップS26に進み、図13(b)に示す設定変更を行うエラー報知を選択するための設定変更画面を画像表示装置70に表示させる。この図13(b)に示す設定変更画面には、「設定変更を行うエラー報知を選択してください。」との文字と、「通常エラー報知」及び「不正警報」の選択項目と、これら選択項目にそれぞれ対応するチェックボックスとが含まれている。
ステップS27に進み、ステップS26の設定変更画面が表示されてから所定時間が経過したか否かを判断する。この所定時間は、後述するステップS28の通常エラー報知及びステップS30の不正警報の各設定変更を行うか否かを選択するための制限時間であり、この所定時間内であれば、図13(b)の「通常エラー報知」及び「不正警報」の選択項目に対応するチェックボックスのチェックを何度でも訂正することができる。
なお、このような選択の制限時間を設けずに、例えば、1−ベットスイッチ35、3−ベットスイッチ36又はいずれかのストップスイッチ52L、52C、52R等の操作手段300を操作することにより、図13(b)のチェックボックスのチェック又はその取り消しを行い、及びチェック又はその取り消しを確定させるようにすることも可能である。
このステップS27において、所定時間が経過していないと判別した場合(NO)は、ステップS27の判断が繰り返し行われることになる。一方、所定時間が経過したと判別した場合(YES)は、この時点で図13(b)の「通常エラー報知」及び「不正警報」の選択項目を選択したか否かが確定し、ステップS28に進む。
ステップS28において、通常エラー報知の設定変更を行うか否かを判断する。条件判断手段522は、図13(b)に示す設定変更画面の「通常エラー報知」の選択項目が選択されたか否かに基づいて、このステップS28の判断を行う。図13(b)の「通常エラー報知」が選択された場合には、通常エラー報知の設定変更を行うと判別し(YES)、ステップS29に進み、図6に示す通常エラー報知設定変更サブルーチンの制御処理を実行することを決定する。その後、ステップS30に進む。
一方、ステップS28において、図13(b)の「通常エラー報知」が選択されなかった場合には、通常エラー報知の設定変更を行わないと判別し(NO)、ステップS29を省略してステップS30に進む。
ステップS30において、不正警報の設定変更を行うか否かを判断する。条件判断手段522は、図13(b)に示す設定変更画面の「不正警報」の選択項目が選択されたか否かに基づいて、このステップS30の判断を行う。図13(b)の「不正警報」が選択された場合には、不正警報の設定変更を行うと判別し(YES)、ステップS31に進み、図7に示す不正警報設定変更サブルーチンの制御処理を実行することを決定する。その後、本サブルーチンの制御処理を終了する。
一方、ステップS30において、図13(b)の「不正警報」が選択されなかった場合には、不正警報の設定変更を行わないと判別し(NO)、そのまま本サブルーチンの制御処理を終了する。
<<<通常エラー報知設定変更サブルーチン>>>
図6は、副制御回路200の報知態様設定手段523により実行される通常エラー報知設定変更サブルーチンを示すフローチャートである。また、図14(a)〜(c)、図15(a)、(b)及び図16は、通常エラー報知設定変更サブルーチンの実行中に画像表示装置70に表示される通常エラー報知の設定変更画面を示す説明図である。以下、図6、図14(a)〜(c)、図15(a)、(b)及び図16を参照しつつ、通常エラー報知設定変更サブルーチンについて説明する。
図6に示す通常エラー報知設定変更サブルーチンでは、スロットマシン10に生じるエラー全般の報知態様を設定変更するための制御処理が実行される。すなわち、本サブルーチンでは、不正行為以外の原因で生じる通常エラーの他に、電源OFF、ドア開放、出玉率の設定変更、遊技媒体の過剰払い出しといった不正行為のおそれのあるエラーについての不正警報の報知態様も設定変更の対象としている。
但し、本サブルーチンで不正警報の報知態様を設定変更した場合は、不正警報が通常エラーと同じ態様で報知されることになる。また、図7に示す不正警報設定変更サブルーチンにおいて、サイレント警報の報知態様が選択された場合には、本サブルーチンで設定変更した不正警報についての設定は無効となる(図7のステップS50、S52参照)。
ステップS40において、報知態様設定手段523は、まず、図14(a)に示すようなエラー報知の種類を選択するための設定変更画面を、画像表示装置70に表示させる。この図14(a)の設定変更画面には、「エラー報知の種類を選択してください。」との文字と、「画像による報知」「音による報知」「電飾による報知」の選択項目と、これら選択項目に対応する「ON/OFF」の選択表示とが含まれている。
本実施形態では、図14(a)の設定変更画面中「ON」に設定した選択項目の報知態様が有効となり、「OFF」に設定した選択項目の報知態様が無効となるようにしてある。これにより、エラー報知の態様として画像、音、電飾のいずれか一つ又は二つ以上の組み合わせを任意に選択することができ、エラーが生じたときは、任意に選択した画像、音、電飾のいずれか一つ又は二つ以上の組み合わせでエラー報知が行われることになる。
例えば、「音による報知」のみを「ON」に設定した場合は、スピーカ64から出力される音のみでエラー報知が行われる。また、「音による報知」及び「画像による報知」を共に「ON」に設定した場合は、スピーカ64から出力される音と、画像表示装置70に表示される画像演出との組合せでエラー報知が行われる。さらに、「音による報知」「画像による報知」「電飾による報知」の全てを「ON」に設定した場合は、スピーカ64から出力される音と、画像表示装置70に表示される画像演出と、電飾部品124A〜124Eの点灯との組み合わせでエラー報知が行われる。
但し、後述するステップS49で述べるが、図14(a)の設定変更画面における「画像による報知」「音による報知」「電飾による報知」の全てを「OFF」に設定することはできないようになっている。エラーが生じたのに全く報知されないような設定は、スロットマシン10の管理上問題があり、このような設定をあえて可能にする必要がないからである。
なお、本サブルーチンにおける設定変更画面の選択に関する操作も、上述した設定変更条件判定サブルーチン(図5)の場合と同様に、例えば、1−ベットスイッチ35、3−ベットスイッチ36又はいずれかのストップスイッチ52L、52C、52R等の操作手段300を用いて行う。そして、ステップS40において、図14(a)の設定変更画面における「ON」又は「OFF」が選択され、及びこの選択が確定されたときはステップS41に進む。
ステップS41において、図14(a)の設定変更画面における「画像による報知」が「ON」に設定されたか否か判断する。「ON」に設定されたと判別した場合(YES)は、ステップS42に進み、図14(b)に示すような、画像による報知の態様について設定変更を行うための設定変更画面を表示する。この図14(b)の設定変更画面には、例えば、「画像の種類」「1回の表示時間」「表示回数」といった設定項目を設け、さらに、各設定項目中に複数の選択項目を設けてある。
エラー報知に用いられる「画像の種類」として、例えば、「キャラクター画像」又は「エラーメッセージ」のいずれかを選択することができる。「キャラクター画像」を選択した場合には、エラーが生じたときに所定のキャラクター画像を用いた演出によってエラー報知が行われる。一方、「エラーメッセージ」を選択した場合には、生じたエラーに関する情報や対処方法などが文字や線図等によって表示されるエラー報知が行われる。
エラー報知に用いられる画像の「1回の表示時間」として、例えば、「10秒」「20秒」「30秒」のいずれかを選択することができる。選択した時間に応じて「キャラクター画像」や「エラーメッセージ」の表示時間が変更される。例えば、「1回の表示時間」が短いほど「キャラクター画像」の演出や「エラーメッセージ」の情報が単純な内容となり、「1回の表示時間」が長いほど「キャラクター画像」の演出や「エラーメッセージ」の情報が複雑な内容になるようにしてもよい。
エラー報知に用いられる画像の「表示回数」として、例えば、「10回」「20回」「∞」のいずれかを選択することができる。例えば、上述した「1回の表示時間」として「10秒」を選択した場合は、1回の表示時間が10秒の「キャラクター画像」又は「エラーメッセージ」によるエラー報知が、10回、20回又はエンドレスに繰り返されることになる。
次いで、ステップS43に進み、図14(c)に示すような、エラー報知の画像パターンについて設定変更を行うための設定変更画面を表示する。この設定変更画面には、「払出メダルエンプティ」「払出メダルジャム」「投入メダル詰まり」「RAMエラー」…等の各種通常エラー、図示しないが電源OFF、ドア開放、出玉率の設定変更、遊技媒体の過剰払い出し…等の各種不正行為が選択項目として列挙してあり、これらの各選択項目にそれぞれ対応して、エラー報知ないし不正警報に用いられる複数の「画像パターン」が「A」「B」「C」…の選択表示により選択可能となっている。
例えば、図14(c)におけるエラー報知の「画像パターン」として、エラーの種類ごとに、異なるキャラクター画像がエラー報知を行う複数の画像パターンA、B、C…を用意する。そして、上述した図14(b)の設定変更画面における「画像の種類」の設定項目で「キャラクター演出」を選択した場合には、図14(c)の設定変更画面において、エラーの種類ごとに任意の「画像パターン」を「A」「B」「C」…の選択表示のうちからいずれか一つ選択する。
また、例えば、図14(c)におけるエラー報知の「画像パターン」として、エラーの種類ごとに、メッセージのレイアウト、フォント、各部の配色等が異なるエラーメッセージの画像パターンA、B、C…を用意する。そして、上述した図14(b)の設定変更画面における「画像の種類」の設定項目で「エラーメッセージ」を選択した場合には、図14(c)の設定変更画面において、エラーの種類ごとに任意の「画像パターン」を「A」「B」「C」…の選択表示のうちからいずれか一つ選択する。
このようなステップS43におけるエラー報知の画像パターンの設定変更が終了した場合、及び上述したステップS41において、図14(a)の設定変更画面における「画像による報知」が「ON」に設定されていないと判別した場合(NO)は、共にステップS44に進む。
ステップS44では、図14(a)の設定変更画面における「音による報知」が「ON」に設定されたか否か判断する。「ON」に設定されたと判別した場合(YES)は、ステップS45に進み、図15(a)に示すような、音による報知の態様について設定変更を行うための設定変更画面を表示する。この図15(a)の設定変更画面には、例えば、「音の種類」「音量」「1回の出力時間」「出力回数」といった設定項目を設け、さらに、各設定項目中に複数の選択項目を設けてある。
エラー報知に用いられる「音の種類」として、例えば、「電子音」「BGM」又は「合成音声」のいずれかを選択することができる。「電子音」を選択した場合には、生じたエラーの種類に対応する所定の電子音によってエラー報知が行われる。また、「BGM」を選択した場合には、生じたエラーの種類に対応する所定の曲のBGMによってエラー報知が行われる。さらに、「合成音声」を選択した場合には、生じたエラーの種類、対処方法などの情報が合成音声によって報知される。
エラー報知に用いられる音の「音量」として、例えば、「大」「中」「小」の三段階のいずれかを選択することができる。但し、このような三段階の選択項目に限定されるものではなく、例えば、「1」〜「10」の数字のいずれかを入力したり、図15(a)の設定変更画面に仮想上の音量調整手段(例えば、ツマミやダイヤル等)を表示して無段階に設定することも可能である。
エラー報知に用いられる音の「1回の出力時間」として、例えば、「30秒」「1分」「∞」のいずれかを選択することができる。選択した時間の長さで「電子音」「BGM」又は「合成音声」の連続ないし繰り返し出力時間が変更される。例えば、「1回の出力時間」を「30秒」に設定した場合、「電子音」を選択したならば、30秒間連続して単調な電子音が出力されるか、又は30秒より短い電子音が30秒間繰り返し出力されることになる。また、「BGM」を選択したならば、1曲の長さを30秒に調整したBGMが30秒間連続して出力されるか、又は1曲の長さが30秒より短いBGMが30秒間繰り返し出力されることになる。さらに、「合成音声」を選択したならば、30秒に収まるように内容を調整した文章情報が30秒間連続して出力されるか、又はエラーの種類などの短い単語情報が30秒間繰り返し出力されることになる。
エラー報知に用いられる音の「出力回数」として、例えば、「10回」「20回」「∞」のいずれかを選択することができる。例えば、上述した「1回の出力時間」として「10秒」を選択した場合は、1回の表示時間が10秒の「電子音」「BGM」又は「合成音声」によるエラー報知が、10回、20回又はエンドレスに繰り返されることになる。
次いで、ステップS46に進み、図15(b)に示すような、エラー報知の音パターンについて設定変更を行うための設定変更画面を表示する。上述した図14(c)と同様に、各種通常エラー、図示しない各種不正行為が選択項目として列挙してあり、これらの各選択項目にそれぞれ対応して、エラー報知ないし不正警報に用いられる複数の「音パターン」が「A」「B」「C」…の選択表示により選択可能となっている。
例えば、図15(b)におけるエラー報知の「音パターン」として、エラーの種類ごとに、異なる電子音の音パターンA、B、C…を用意する。そして、上述した図15(a)の設定変更画面における「音の種類」の設定項目で「電子音」を選択した場合には、図15(b)の設定変更画面において、エラーの種類ごとに任意の「音パターン」を「A」「B」「C」…の選択表示のうちからいずれか一つ選択する。
また、例えば、図15(b)におけるエラー報知の「音パターン」として、エラーの種類ごとに、異なる曲のBGMの音パターンA、B、C…を用意する。そして、上述した図15(a)の設定変更画面における「音の種類」の設定項目で「BGM」を選択した場合には、図15(b)の設定変更画面において、エラーの種類ごとに任意の「音パターン」を「A」「B」「C」…の選択表示のうちからいずれか一つ選択する。
さらに、「合成音声」によりエラーの種類、対処方法といった情報を出力させる場合は、図15(b)におけるエラー報知の「音パターン」として、例えば、A=男性の声、B=女性の声、C=ロボットの声…といったバリエーションを持たせることができる。あるいはA=標準語、B=関西弁、C=東北弁…のようなバリエーションを持たせてもよい。そして、上述した図15(a)の設定変更画面における「音の種類」の設定項目で「合成音声」を選択した場合には、図15(b)の設定変更画面において、エラーの種類ごとに任意の「音パターン」を「A」「B」「C」…の選択表示のうちからいずれか一つ選択する。
このようなステップS46におけるエラー報知の音パターンの設定変更が終了した場合、及び上述したステップS44において、図15(a)の設定変更画面における「音による報知」が「ON」に設定されていないと判別した場合(NO)は、共にステップS47に進む。
ステップS47では、図14(a)の設定変更画面における「電飾による報知」が「ON」に設定されたか否か判断する。「ON」に設定されたと判別した場合(YES)は、ステップS48に進み、図16に示すような、電飾による報知の態様について設定変更を行うための設定変更画面を表示する。この図16の設定変更画面は、エラー報知の点灯パターンについて設定変更を行うためものであり、上述した図14(c)、図15(b)の設定変更画面に相当する。
図16の設定変更画面も、上述した図14(c)、図15(b)と同様に、各種通常エラー、図示しない各種不正行為が選択項目として列挙してあり、これらの各選択項目にそれぞれ対応して、エラー報知ないし不正警報に用いられる複数の「点灯パターン」が「A」「B」「C」…の選択表示により選択可能となっている。
例えば、図16におけるエラー報知の「点灯パターン」として、エラーの種類ごとに、異なる電飾部品124A〜124Dの点灯パターンA、B、C…を用意する。例えば、A=電飾部品124Aのみ点灯、B=電飾部品124B及び124C同時点灯、C=電飾部品124D及び124E同時点灯、E=電飾部品124B及び124D同時点灯、F=電飾部品124C及び124E同時点灯、G=電飾部品124A、124C、124E、124D、124Bの順番に時計回りに点灯…というような種々の点灯パターンが考えられる。そして、エラーの種類ごとに任意の「音パターン」を「A」「B」「C」…の選択表示のうちからいずれか一つ選択する。
このようなステップS47におけるエラー報知の点灯パターンの設定変更が完了することにより、本サブルーチンの制御処理は終了する。一方、ステップS47において、図14(a)の設定変更画面における「電飾による報知」が「ON」に設定されていないと判別した場合(NO)は、ステップS49に進み、図14(a)の設定変更画面における「画像による報知」又は「音による報知」のいずれかが「ON」に設定されたか否か判断する。いずれかの報知が「ON」に設定されたと判別した場合(YES)は、そのまま本サブルーチンの制御処理は終了する。
一方、ステップS49において、図14(a)の設定変更画面における「画像による報知」及び「音による報知」のいずれも「ON」に設定されていないと判別した場合(NO)は、ステップS41〜S47の制御処理を繰り返し行う。すなわち、「画像による報知」「音による報知」「電飾による報知」の全てを「OFF」に設定することはできないようになっている。エラーが生じたのに全く報知されないような設定は、スロットマシン10の管理上問題があるからである。
ステップS41〜S47の制御処理を繰り返し行い、「電飾による報知」が「ON」に設定された場合はステップS47において判別され(YES)、その後、ステップS48を経て本サブルーチンの制御処理は終了する。一方、「画像による報知」及び「音による報知」のいずれかが「ON」に設定された場合はステップS49において判別され(YES)、そのまま本サブルーチンの制御処理は終了する。
<<<不正警報設定変更サブルーチン>>>
図7は、副制御回路200の報知態様設定手段523により実行される不正警報設定変更サブルーチンを示すフローチャートである。また、図17(a)〜(c)及び図18(a)〜(c)は、不正警報設定変更サブルーチンの実行中に画像表示装置70に表示される不正警報の設定変更画面を示す説明図である。以下、図7、図17(a)〜(c)及び図18(a)〜(c)を参照しつつ、不正警報設定変更サブルーチンについて説明する。
図7に示す不正警報設定変更サブルーチンでは、スロットマシン10に対する電源OFF、ドア開放、出玉率の設定変更、遊技媒体の過剰払い出しといった不正行為のおそれのあるエラーについての不正警報の報知態様を設定変更するための制御処理が実行される。特に、本サブルーチンは、不正行為者に察知されないように偽装したサイレント警報の報知態様を設定変更する制御処理が主たる内容となっている。
ステップS50において、報知態様設定手段523は、まず、図17(a)に示すような不正警報の報知モードを選択するための設定変更画面を、画像表示装置70に表示させる。この図17(a)の設定変更画面には、「不正警報の報知モードを選択してください。」との文字と、「通常エラー報知同じ」「サイレント警報」の選択項目と、これら選択項目にそれぞれ対応するチェックボックスとが含まれている。これらチェックボックスのいずれかをチェックすることにより、不正警報の報知モードを「通常エラー報知同じ」又は「サイレント警報」のいずれか一方に設定することができる。
なお、本サブルーチンにおける設定変更画面の選択に関する操作も、上述した設定変更条件判定サブルーチン(図5)及び通常エラー報知設定変更サブルーチン(図6)の場合と同様に、例えば、1−ベットスイッチ35、3−ベットスイッチ36又はいずれかのストップスイッチ52L、52C、52R等の操作手段300を用いて行う。そして、ステップS50において、図17(a)の設定変更画面におけるいずれかのチェックボックスがチェックされ、及びチェックが確定されたときはステップS51に進む。
ステップS51において、不正警報の報知モードとしてサイレント警報が選択されたか否かを判断する。報知態様設定手段523は、図17(a)に示す設定変更画面の「サイレント警報」に対応するチェックボックスがチェックされたか否かに基づいて、このステップS51の判断を行う。
このステップS51において、図17(a)に示す設定変更画面の「サイレント警報」に対応するチェックボックスが選択されていないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンの制御処理を終了する。この場合は、図6に示す通常エラー報知設定変更サブルーチンにおいて設定変更した不正警報の報知態様の設定が有効となり、不正警報が通常エラーと同じ態様で報知されることになる(図6のステップS41〜S48参照)。
一方、ステップS51において、図17(a)に示す設定変更画面の「サイレント警報」に対応するチェックボックスが選択されたと判別した場合(YES)は、ステップS52に進み、図6に示す通常エラー報知設定変更サブルーチンにおいて設定変更した不正警報の報知態様の設定を無効にする。これにより、電源OFF、ドア開放、出玉率の設定変更、遊技媒体の過剰払い出しといった不正行為のおそれのあるエラーが生じた場合には、本サブルーチンで設定変更した内容に基づいて、画像、音及び電飾の少なくともいずれか一つを用いた所定態様のサイレント警報が報知されることになる。
次いで、ステップS53に進み、図17(b)に示すようなサイレント警報の種類を選択するための設定変更画面を、画像表示装置70に表示させる。この図17(b)の設定変更画面には、「サイレント警報の種類を選択してください。」との文字と、「画像による警報」「音による警報」「電飾による警報」の選択項目と、これら選択項目に対応する「ON/OFF」の選択表示とが含まれている。
上述した図14(a)に示す通常エラー報知の場合と同様に、図17(b)の設定変更画面中「ON」に設定した選択項目の報知態様が有効となり、「OFF」に設定した選択項目の警報態様が無効となるようにしてある。これにより、サイレント警報の態様として画像、音、電飾のいずれか一つ又は二つ以上の組み合わせを任意に選択することができ、不正行為のおそれのあるエラーが生じたときは、任意に選択した画像、音、電飾のいずれか一つ又は二つ以上の組み合わせでサイレント警報が報知されることになる。なお、サイレント警報としての画像、音及び電飾の具体的な警報態様については、図18(a)〜(c)を参照して後述する。
次いで、ステップS54に進み、図17(c)に示すようなサイレント警報の関連処理を選択するための設定変更画面を、画像表示装置70に表示させる。この図17(c)の設定変更画面には、「サイレント警報の関連処理を選択してください。」との文字と、「不正行為発生の外部出力」「警報終了後の通常報知」の選択項目と、これら選択項目に対応する「する/しない」の選択表示とが含まれている。
図17(c)の設定変更画面における「不正行為発生の外部出力」を「する」に設定した場合は、図2に示すエラー判別手段440により不正行為のおそれのあるエラーが検出された後に、不正警報制御手段525が、図示しない外部に信号を出力可能な制御基板を介して店舗側に設置したホールコンピュータへ信号を送信し、不正行為のおそれあるエラーが検出されたことを報知する。すなわち、不正行為が行われたスロットマシン10からは、不正行為者に察知されないように偽装したサイレント警報が報知される一方で、ホールコンピュータには、不正行為が行われたスロットマシン10の台番号、不正行為のおそれあるエラーの種類などの情報が明確に伝えられる。これとは逆に、「不正行為発生の外部出力」を「しない」に設定した場合は、上述したようなホールコンピュータへの信号送信が行われないことになる。
なお、本実施形態では、副制御回路200の不正警報制御手段525が、図示しない制御基板を介してホールコンピュータにエラー検出を報知しているが、これに限らず、主制御回路100のエラー判別手段440が、図示しない制御基板を介して直接ホールコンピュータにエラー検出を報知することも可能である。
一方、図17(c)の設定変更画面における「警報終了後の通常報知」を「する」に設定した場合は、図2に示す不正警報制御手段525によるサイレント警報の報知終了後、通常エラー報知制御手段524による通常エラー報知が実行される。すなわち、本サブルーチンで設定した所定時間はサイレント警報による報知が行われるが、所定時間の経過後は、通常エラーと同じ報知態様で不正行為の発生が明確に報知される。これとは逆に、「警報終了後の通常報知」を「しない」に設定した場合は、上述したようなサイレント警報による報知終了後に通常エラーと同じ報知態様の報知が行われないことになる。
次いで、ステップS55に進み、図17(b)の設定変更画面における「画像による警報」が「ON」に設定されたか否か判断する。「ON」に設定されたと判別した場合(YES)は、ステップS56に進み、図18(a)に示すような、画像による警報の態様について設定変更を行うための設定変更画面を表示する。この図18(a)の設定変更画面には、例えば、「警報のタイミング」「画像変更箇所」「偽チャンス演出」「警報時間」といった設定項目を設け、さらに、各設定項目中に複数の選択項目を設けてある。
サイレント警報が報知される「警報のタイミング」として、例えば、「通常遊技中」「特別遊技中」「常時」のいずれかを選択することができる。「通常遊技中」を選択した場合には、BB役等の特別役に入賞していない通常遊技状態における演出画像の一部又は全部に、サイレント警報としての専用の演出画像が表示されることになる。
また、「特別遊技中」を選択した場合には、BB役等の特別役に入賞して遊技者により有利な特別遊技状態における演出画像の一部又は全部に、サイレント警報としての専用の演出画像が表示されることになる。許可なき出玉率の設定変更やROM交換などの不正行為は、その結果として特別役の入賞による大量のメダル詐取が伴うので、「特別遊技中」にサイレント警報が報知される。
さらに、「常時」を選択した場合には、通常又は特別の遊技状態にかかわらず、遊技中の演出画像の一部又は全部に、常時、サイレント警報としての専用の演出画像が表示されることになる。遊技中の演出画像に常時、サイレント警報としての専用の演出画像が含まれることになるので、店舗管理者が最も発見しやすい報知タイミングであるといえる。
サイレント警報の「画像変更箇所」として、例えば、「キャラクター」「アイテム」「背景」といった演出画像の構成要素を選択することができる。また、例えば、これら「キャラクター」「アイテム」「背景」の各選択項目を複数選択して組み合わせることができるようにしてもよい。
「キャラクター」を選択した場合には、上述した「警報のタイミング」で選択したタイミングで表示される演出画像中のキャラクター画像が、通常の演出画像と異なるキャラクター画像に変更される。また、「アイテム」を選択した場合には、上述した「警報のタイミング」で選択したタイミングで表示される演出画像中のアイテム画像、例えば、キャラクター画像の持ち物や服装、小役の当選を報知するための品物の画像等が、通常の演出画像と異なるアイテム画像に変更される。さらに、「背景」を選択した場合には、上述した「警報のタイミング」で選択したタイミングで表示される演出画像中の背景画像、例えば、昼の空、夕方の空又は夜の空等の画像が、通常の演出画像と異なる背景画像に変更される。
不正行為者にとって、このような「キャラクター」、「アイテム」、「背景」を変更した演出画像は、このような演出画像が警報であると知らない不正行為者とって、表示される確率の極めて低い稀少画像(いわゆるレア画像)であると認識される一方で、店舗管理者には、予め定義された不正行為に対する警報と認識されることになる。
サイレント警報としての「偽チャンス演出」とは、エラー判別手段440が不正行為のおそれがあるエラーを検出した場合に、BB役等の特別役が当選したかもしれないという期待感を持たせるような演出画像を複数回の単位遊技にわたって表示させる演出をいう。この「偽チャンス演出」は、図2に示す役抽選手段410における役抽選の結果と無関係に行われるものであり、BB役等の特別役の当選時に遊技者の期待感を煽る一般的なチャンス演出とは異なる。
したがって、「偽チャンス演出」を「実行する」に設定した場合は、エラー判別手段440が不正行為のおそれあるエラーを検出した後に「偽チャンス演出」が実行され、不正行為の発生が華やかな画像演出により報知される。一方、このような「偽チャンス演出」が警報であると知らない不正行為者は、「偽チャンス演出」をBB役等の特別役の当選を期待させる報知演出であると認識する。
サイレント警報の「警報時間」として、例えば、「10分」「30分」「∞」のいずれかを選択することができる。選択した時間だけサイレント警報としての専用の演出画像を用いた演出が実行される。また、上述したステップS54において、図17(c)の「警報終了後の通常報知」を「する」に設定した場合は、「警報時間」である「10分」又は「30分」が経過した後、図2に示す通常エラー報知制御手段524による通常エラー報知により、不正行為の発生が明確に報知される。
なお、上述した図15(a)の通常エラー報知の場合と同様、「警報時間」は「10分」「30分」「∞」の三段階の選択項目に限定されるものではなく、例えば、「1」〜「∞」の数字のいずれかを入力したり、図18(a)の設定変更画面に仮想上の時間調整手段(例えば、ツマミやダイヤル等)を表示して無段階に設定することも可能である。
このようなステップS56における画像による警報の態様について設定変更が終了した場合、及び上述したステップS55において、図17(b)の設定変更画面における「画像による警報」が「ON」に設定されていないと判別した場合(NO)は、共にステップS57に進む。
ステップS57では、図17(b)の設定変更画面における「音による警報」が「ON」に設定されたか否か判断する。「ON」に設定されたと判別した場合(YES)は、ステップS58に進み、図18(b)に示すような、音による警報の態様について設定変更を行うための設定変更画面を表示する。この図18(b)の設定変更画面には、例えば、「警報のタイミング」「音の種類」「音量」「警報時間」といった設定項目を設け、さらに、各設定項目中に複数の選択項目を設けてある。
サイレント警報が報知される「警報のタイミング」として、上述した図18(a)の画像による警報の場合と同様に、例えば、「通常遊技中」「特別遊技中」「常時」のいずれかを選択することができるようになっている。音と画像の「警報のタイミング」が互いに重複するような選択項目を選択した場合(例えば、一方が「通常遊技中」又は「特別遊技中」で他方が「常時」)は、音と画像のサイレント警報が同じタイミングで報知されることになる。また、音と画像の「警報タイミング」が互いに重複しないような選択項目を選択した場合(例えば、一方が「通常遊技中」で他方が「特別遊技中」を選択した場合)には、遊技状態に応じて画像と音のサイレント警報が前後するタイミングで報知されることになる。
サイレント警報の「音の種類」として、例えば、「専用BGM」「疑似ノイズ」「超音波」のいずれかを選択することができるようになっている。「専用BGM」を選択した場合は、上述した「警報のタイミング」で選択したタイミングで、通常の演出及び通常エラー報知には設定されていない専用のBGMによって不正行為の発生が報知される。このような「専用BGM」が警報であると知らない不正行為者には、出力される確率の極めて低い稀少BGM(いわゆるレアBGM)であると認識され、店舗管理者のみが警報を察知することができる。
また、「疑似ノイズ」を選択した場合は、上述した「警報のタイミング」で選択したタイミングで、例えば、スロットマシン10では生じない意図的に作られたメカノイズ、ハウリング、通りを走る自動車の排気音、一般的な携帯電話の着信音など、店舗内の環境にとけ込むような音によって不正行為の発生が報知される。このような「疑似ノイズ」が警報であると知らない不正行為者には、単なる周囲の雑音としか認識されず、店舗管理者のみが警報を察知することができる。
さらに、「超音波」を選択した場合は、上述した「警報のタイミング」で選択したタイミングで、図2に示す音声制御手段512の超音波発生器512aから人間の可聴範囲を超える超音波警報が、通常の演出に用いられるBGMや効果音とともにスピーカ64から出力される。このような超音波警報は不正行為者の聴覚で認識することができず、超音波可聴化手段701を有するインカム装置700を装着した店舗管理者のみが察知することができる。
サイレント警報に用いられる音の「音量」として、例えば、「大」「中」「小」の三段階のいずれかを選択することができる。特に、上述したサイレント警報の「音の種類」として「超音波」を選択した場合は、「音量」が大きいほど超音波可聴化手段701が超音波警報を検出しやすくなり、店舗管理者がサイレント警報を聞き取りやすくなる。また、サイレント警報が超音波警報ならば、その「音量」を大きくしても周囲の遊技者の迷惑になることもない。なお、上述した図15(a)の通常エラー報知の場合と同様、このような三段階の選択項目に限定されるものではなく、例えば、「1」〜「10」の数字のいずれかを入力したり、図15(a)の設定変更画面に仮想上の音量調整手段(例えば、ツマミやダイヤル等)を表示して無段階に設定することも可能である。
サイレント警報の「警報時間」として、上述した図18(a)の画像による警報の場合と同様に、例えば、「10分」「30分」「∞」のいずれかを選択することができる。選択した時間だけサイレント警報としての音が出力される。また、上述したステップS54において、図17(c)の「警報終了後の通常報知」を「する」に設定した場合は、「警報時間」である「10分」又は「30分」が経過した後、図2に示す通常エラー報知制御手段524による通常エラー報知により、不正行為の発生が明確に報知される。なお、上述した図18(a)の画像による警報の場合と同様、「警報時間」は「10分」「30分」「∞」の三段階の選択項目に限定されるものではない。
このようなステップS58における警報態様の設定変更が終了した場合、及び上述したステップS57において、図17(b)の設定変更画面における「音による警報」が「ON」に設定されていないと判別した場合(NO)は、共にステップS59に進む。
ステップS59では、図17(b)の設定変更画面における「電飾による警報」が「ON」に設定されたか否か判断する。「ON」に設定されたと判別した場合(YES)は、ステップS60に進み、図18(c)に示すような、電飾による警報の態様について設定変更を行うための設定変更画面を表示する。この図18(c)の設定変更画面には、例えば、「警報のタイミング」「点滅速度」「点灯時の明るさ」「点灯色」「警報時間」といった設定項目を設け、さらに、各設定項目中に複数の選択項目を設けてある。
サイレント警報が報知される「警報のタイミング」として、上述した図18(a)、(b)の画像及び音による警報の場合と同様に、例えば、「通常遊技中」「特別遊技中」「常時」のいずれかを選択することができるようになっている。ここで、電飾部品124A〜124Eは、「通常遊技中」「特別遊技中」「常時」のいずれのタイミングでも所定の点灯パターンで点灯して遊技中の演出を行っている。本実施形態の電飾によるサイレント警報は、これらのうちから選択したいずれかのタイミングにおいて、通常通りの点灯パターンで点灯する電飾部品124A〜124Eの「点滅速度」「点灯時の明るさ」「点灯色」を通常と異ならせることを警報の態様としている。したがって、店舗管理者は、電飾部品124A〜124Eの「点滅速度」「点灯時の明るさ」「点灯色」の相違に基づいて、不正行為についての警報を察知することができる。
上述したように、電飾と、画像、音の一方又は両方との「警報のタイミング」が互いに重複するような選択項目を選択した場合(例えば、一方が「通常遊技中」又は「特別遊技中」で他方が「常時」)は、電飾と、画像、音の一方又は両方とのサイレント警報が同じタイミングで報知されることになる。また、電飾と、画像、音の一方又は両方との「警報タイミング」が互いに重複しないような選択項目を選択した場合(例えば、一方が「通常遊技中」で他方が「特別遊技中」を選択した場合)には、遊技状態に応じて画像、音、電飾のサイレント警報が前後するタイミングで報知されることになる。
サイレント警報である電飾の「点滅速度」として、例えば、「遅い」「速い」の二段階のいずれかを選択することができる。例えば、「遅い」を選択した場合は、電飾部品124A〜124Eの1回の点滅速度が通常の演出時と比較して遅くなる。例えば、通常の演出時では、電飾部品124Aが1[S]の周期で点滅を繰り返すところ、サイレント警報では、電飾部品124Aが2[S]の周期で点滅を繰り返すことになる。また、「速い」を選択した場合は、これと逆に、通常の演出時における点滅速度である2[S]が1[S]に短縮されることになる。店舗管理者は、このような電飾部品124Aの点滅速度の変化に違和感を感じて、電飾によるサイレント警報であることを察知することができる。
なお、電飾の「点滅速度」の選択項目は、「遅い」「速い」の二段階に限定されるものではないが、通常の演出時の電飾の点滅速度と相違をもたせるには、通常の演出時における電飾の点滅速度と比較して明らかに「遅い」又は「速い」点滅速度を設定すれば十分であり、電飾の態様に関する設定変更するときの選択も簡単である。
サイレント警報である電飾の「点灯の明るさ」として、例えば、「暗い」「明るい」の二段階のいずれかを選択することができる。例えば、「暗い」を選択した場合は、通常の演出時と比較して電飾部品124A〜124Eが暗く点灯し、これと逆に「明るい」を選択した場合は、通常の演出時と比較して電飾部品124A〜124Eがより明るく点灯することになる。店舗管理者は、このような電飾部品124Aの明るさの変化に違和感を感じて、電飾によるサイレント警報であることを察知することができる。なお、電飾の「明るさ」の選択項目は、上記と同様に「暗い」「明るい」の二段階に限定されるものではない。
サイレント警報である電飾の「点灯色」として、例えば、「変更する」「変更しない」のいずれかを選択することができる。「変更する」を選択した場合は、電飾部品124A〜124Eが通常の演出時とは異なる色で点灯することになる。例えば、通常の演出時は電飾部品124Aが赤色で点灯するところ、サイレント警報では電飾部品124Aが緑色でする。店舗管理者は、このような電飾部品124Aの点灯色に違和感を感じて、電飾によるサイレント警報であることを察知することができる。また、電飾の「点灯色」をサイレント警報の一態様としない場合は「変更しない」を選択すればよい。なお、電飾の「点灯色」の選択項目は、「変化する」「変化しない」の二通りに限定されるものではなく、例えば、赤色、緑色、青色、黄色…等のように複数色のいずれか一つを選択するような選択項目としてもよい。
サイレント警報の「警報時間」として、上述した図18(a)、(b)の画像、音による警報の場合と同様に、例えば、「10分」「30分」「∞」のいずれかを選択することができる。選択した時間だけ電飾部品124A〜124Eの「点滅速度」「点灯時の明るさ」「点灯色」の態様を変更したサイレント警報が報知される。また、上述したステップS54において、図17(c)の「警報終了後の通常報知」を「する」に設定した場合は、「警報時間」である「10分」又は「30分」が経過した後、図2に示す通常エラー報知制御手段524による通常エラー報知により、不正行為の発生が明確に報知される。なお、上述した図18(a)の画像による警報の場合と同様、「警報時間」は「10分」「30分」「∞」の三段階の選択項目に限定されるものではない。
このようなステップS60における電飾による警報態様の設定変更が完了することにより、本サブルーチンの制御処理は終了する。一方、ステップS59において、図17(b)の設定変更画面における「電飾による警報」が「ON」に設定されていないと判別した場合(NO)は、ステップS61に進み、図17(b)の設定変更画面における「画像による報知」又は「音による報知」のいずれかが「ON」に設定されたか否か判断する。いずれかの報知が「ON」に設定されたと判別した場合(YES)は、そのまま本サブルーチンの制御処理は終了する。
一方、ステップS61において、図17(b)の設定変更画面における「画像による警報」及び「音による警報」のいずれも「ON」に設定されていないと判別した場合(NO)は、ステップS55〜S59の制御処理を繰り返し行う。そして、「電飾による報知」が「ON」に設定された場合はステップS59において判別され(YES)、その後、ステップS60を経て本サブルーチンの制御処理は終了する。一方、「画像による報知」及び「音による報知」のいずれかが「ON」に設定された場合はステップS61において判別され(YES)、そのまま本サブルーチンの制御処理は終了する。
<<<サイレント警報制御処理サブルーチン>>>
図8は、副制御回路200の不正警報制御手段525により実行されるサイレント警報制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。以下、図8を参照しつつ、サイレント警報制御処理サブルーチンについて説明する。
ステップS70において、不正警報制御手段525は、図2に示す不正行為検出手段452に含まれる電源監視センサ452A、ドア開放監視センサ452B、設定監視センサ452C又は払出し監視センサ452Dのいずれかがエラーを検出したか否か判断する。不正警報制御手段525は、主制御回路100のエラー判別手段440から送信された信号に基づいて、このステップS70の判断を行う。
ステップS70において、いずれかの監視センサ452A〜452Dがエラーを検出していないと判別した場合(NO)は、この判断を繰り返し行う。一方、いずれかの監視センサ452A〜452Dがエラーを検出したと判別した場合(YES)は、ステップS71に進み、不正警報の報知モードとしてサイレント警報が選択されたか否かを判断する(図17(a)参照)。
ステップS71において、不正警報の報知モードとしてサイレント警報が選択されていないと判別した場合(NO)は、ステップS72に進み、通常エラー報知により不正行為の発生を報知することを決定し、その後、本サブルーチンによる制御処理を終了する。この通常エラー報知に関する制御処理は、図2に示す通常エラー報知制御手段524により実行される。
一方、ステップS71において、不正警報の報知モードとしてサイレント警報が選択されていると判別した場合(YES)は、ステップS73に進み、不正行為の発生を外部出力するか否か判断する。不正警報制御手段525は、図17(c)に示す「不正行為発生の外部出力」の設定に基づいて、このステップS73の判断を行う。不正行為の発生を外部出力すると判別した場合(YES)は、ステップS74に進み、図示しない外部に信号の出力が可能な制御基板を介して店舗側に設置したホールコンピュータへ信号を送信し、不正行為の発生を外部出力する。その後、ステップS75に進む。一方、ステップS73において、不正行為の発生を外部出力しないと判別した場合(NO)は、ステップS74を省略して、ステップS75に進む。
ステップS75において、サイレント警報の種類として、画像による警報が選択されたか否かを判断する。不正警報制御手段525は、図17(b)に示す「画像による警報」の設定に基づいて、このステップS75の判断を行う。画像による警報が選択されたと判別した場合(YES)は、ステップS76に進み、図18(a)に示す設定に従って画像によるサイレント警報を報知する。例えば、「通常遊技中」「特別遊技中」「常時」のいずれかのタイミングで、「キャラクター」「アイテム」「背景」などの構成要素を変更した演出画像を画像表示装置70に表示させ、不正行為者に察知されないように不正行為の発生を報知する。
また、ステップS76において、図18(a)に示す設定において「偽チャンス演出」が選択されている場合は、主制御回路100のエラー判別手段440から送信された信号に基づいて、あたかもBB役等の特別役に当選したかのような偽りのチャンス演出を実行する。
このようなステップS76の制御処理が終了した後はステップS77に進む。上述したステップS75において、画像による警報が選択されていないと判別した場合(NO)も、ステップS76を省略してステップS77に進む。
ステップS77において、音による警報が選択されたか否かを判断する。不正警報制御手段525は、図17(b)に示す「音による警報」の設定に基づいて、このステップS77の判断を行う。音による警報が選択されたと判別した場合(YES)は、ステップS78に進み、図18(b)に示す設定に従って音によるサイレント警報を報知する。例えば、「通常遊技中」「特別遊技中」「常時」のいずれかのタイミングで、「専用BGM」「疑似ノイズ」「超音波」のいずれかを、設定に従った「音量」でスピーカ64から出力させ、不正行為者に察知されないように不正行為の発生を報知する。
このようなステップS78の制御処理が終了した後はステップS79に進む。上述したステップS77において、音による警報が選択されていないと判別した場合(NO)も、ステップS78を省略してステップS79に進む。
ステップS79において、電飾による警報が選択されたか否かを判断する。不正警報制御手段525は、図17(b)に示す「電飾による警報」の設定に基づいて、このステップS79の判断を行う。電飾による警報が選択されたと判別した場合(YES)は、ステップS80に進み、図18(c)に示す設定に従って電飾によるサイレント警報を報知する。例えば、「通常遊技中」「特別遊技中」「常時」のいずれかのタイミングで、電飾部品124A〜124Eの「点滅速度」「点灯時の明るさ」「点灯色」を設定に従って変更し、不正行為者に察知されないように不正行為の発生を報知する。
このようなステップS80の制御処理が終了した後はステップS81に進む。上述したステップS79において、音による警報が選択されていないと判別した場合(NO)も、ステップS80を省略してステップS81に進む。
ステップS81において、不正警報制御手段525は、ステップS70で検出されたエラーについてのエラーログの記録を開始する。本サブルーチンで実行されるサイレント警報は、ステップS73の外部出力を除き、通常エラー報知のような明確な報知が行われないので、エラーログの記録は重要となる。仮に店舗管理者がサイレント警報を察知することができなかった場合でも、このエラーログをチェックすることにより、スロットマシン10に対して不正行為が行われたか否か発見することが可能である。
ステップS82に進み、所定の警報時間が経過したか否かを判断する。不正警報制御手段525は、図18(a)〜(c)に示す画像、音、電飾による報知それぞれの「警報時間」の設定に基づいて、このステップS82の判断を行う。そして、画像、音、電飾による報知のいずれかの「警報時間」が経過してないと判別した場合(NO)は、このステップS82の判断を繰り返し行う。一方、画像、音、電飾による報知の全ての「警報時間」が経過したと判別した場合(YES)は、ステップS83に進む。
ステップS83において、サイレント警報の終了後、通常エラー報知を実行するか否か判断する。不正警報制御手段525は、図17(c)に示す「警報終了後の通常報知」の設定に基づいて、このステップS83の判断を行う。そして、通常エラー報知を実行すると判別した場合(YES)は、ステップS72に進み、通常エラー報知により不正行為の発生を報知することを決定し、その後、本サブルーチンによる制御処理を終了する。一方、通常エラー報知を実行しないと判別した場合(YES)は、そのまま本サブルーチンによる制御処理を終了する。
ここで、図2に示す通常エラー報知制御手段524による通常エラー報知、及び不正警報制御手段525による不正警報を解除する方法としては、例えば、スロットマシン10の筐体内に設けられた図示しないリセットスイッチ、エラー解除用の専用スイッチなどの操作手段を操作するか、又はRAMクリアを行うための所定の操作を行って、通常エラー報知及び不正警報を解除することが可能である。
<スロットマシンの効果>
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン10によれば、店舗側のニーズに応じた多種多様なエラー報知の態様に設定変更することが可能となるとともに、所定条件を満たした場合にのみエラー報知の設定変更が可能となるので、設定変更機能が不正行為を行うために悪用されることを確実に防止して、スロットマシン10のセキュリティ性の向上を図ることができる。
店舗側又はスロットマシン10の製造側において、スロットマシン10の構成部品の操作、動作、状態又はこれらの組み合わせを所定条件として設定することができ、スロットマシン10の構成部品から受信した信号に基づいて、スロットマシン10の制御処理上で所定条件が満たされたか否かを判別することが可能となる。この結果、店舗管理者以外の者が容易に満たすことのできない多種多様な所定条件を設定することができ、スロットマシン10のセキュリティ性をより向上させることができる。
図11に示すような段階的な設定変更をスロットマシン10に採用した場合には、エラー報知の態様の設定項目(図11の「可能となる設定変更」参照)のうち、セキュリティ性の観点から比較的に重要でない設定項目については簡単な所定条件を満たすことにより設定変更可能とし、比較的に重要なものは難易度の高い所定条件を満たさなければ設定変更することができないようにして、エラー報知に関する設定変更作業の利便性とセキュリティ性との両立を図ることができる。
図2及び図3に示す条件解除スイッチ540をスロットマシン10の発見困難な位置に設置することによってセキュリティ性を向上させることができるとともに、この条件解除スイッチ540をON状態にするだけで、エラー報知の態様を容易に設定変更することができる。さらに、条件解除スイッチ540のON状態(図9の「条件C」)と、他の所定条件(図9の「条件A」「条件B」「条件D」)とを組み合わせることにより、スロットマシン10のセキュリティ性をより一層向上させることが可能となる。
また、本実施形態のスロットマシン10によれば、社会通念上、警報とは認識されないような態様に偽装された画像、音又は電飾(図18(a)〜(c)参照)を用いたサイレント警報によって不正行為の発生を報知しているので、このような態様の画像、音又は電飾が不正警報であると知る店舗管理者のみが察知することができ、不正行為者に察知されない不正警報が実現する。これにより、店舗管理者のみが不正警報を察知して、容易に不正行為の現場を押さえることが可能となる。
本実施形態におけるサイレント警報は、社会通念上、警報とは認識されないような態様に偽装された画像、音又は電飾であるので、遊技を楽しんでいる周囲の遊技者に不快な思いをさせることなく、不正行為の発生を店舗管理者のみに報知することができる。
遊技中の演出を構成する演出画像、BGM又は効果音、電飾部品の点灯パターンの全部又は一部を変更した演出(図18(a)〜(c)参照)を、サイレント警報であると知る店舗管理者のみが警報であると察知することができ、サイレント警報であることを知らない不正行為者及び周囲の遊技者には単なる遊技中の演出として認識されることになる。これにより、周囲の遊技者に不快な思いをさせることなく、容易に不正行為の現場を押さえることが可能となる。
エラー判別手段440が不正行為を検出したときに、サイレント警報として、人間には聞こえない超音波警報がスピーカ64から出力される。この超音波警報は、超音波可聴化手段701を内蔵したインカム装置700を装着した店舗管理者のみが察知することができ、不正行為者及び周囲の遊技者の聴覚では認識することができない。これにより、周囲の遊技者に不快な思いをさせることなく、容易に不正行為の現場を押さえることが可能となる。
エラー判別手段440が不正行為を検出したときに、サイレント警報として、通常遊技中に実行されることがない偽チャンス演出が実行され、不正行為の発生が画像、音及び電飾を用いた派手な演出により報知される。このようなサイレント警報により、店舗管理者は不正行為の発生を一目瞭然で察知することができ、サイレント警報であることを知らない不正行為者及び周囲の遊技者には単なる遊技中の演出として認識されることになる。これにより、周囲の遊技者に不快な思いをさせることなく、容易に不正行為の現場を押さえることが可能となる。
なお、本発明の遊技機は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の遊技機は、上述したスロットマシン10に限らず、画像表示装置を備えたデジタルパチンコ、雀球遊技機、アレンジボール等の弾球遊技機、スロットマシン以外の回胴式遊技機等に適用することもできる。