JP2008245471A - 回転電機 - Google Patents

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敏行 吉澤
Haruyuki Yonetani
晴之 米谷
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Nobuhiko Fujita
暢彦 藤田
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Abstract

【課題】この発明は、固定子の鉄損、回転子の界磁損、さらにその他の損失を含めた電気的の損失全体を小さくできる回転電機を得る。
【解決手段】先細り形状の爪状磁極部23,27が軸方向の両端から軸方向に交互に延設されて互いに咬み合って周方向に配列されたポールコア8およびこのポールコア8に装着された界磁コイル7を有するランデル型の回転子6と、回転子6を所定の空隙をもって囲繞する円筒状の固定子鉄心16および固定子鉄心16に装着された固定子コイル17を有する固定子15と、を備える。固定子鉄心16は、ダル仕上げされた磁性鋼板を積層一体化して作製されており、固定子鉄心16における鉄部の占積率が96%±0.5%の範囲である。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両用交流発電機などの回転電機に関し、特に回転電機全体の損失を低減する固定子鉄心構造に関する。
車両用回転電機の一種である車両用交流発電機では、エンジンの回転トルクがクランク軸からベルトを介してプーリに伝達されて駆動される。近年、車両の装置の電動化に伴い、発電機の出力向上、高効率化が望まれている。
この高効率化を図るために、固定子鉄心に積層される磁性鋼板に板厚の薄い磁性鋼板を用い、磁性鋼板内部に生じる渦電流損を低減し、固定子の鉄損を低減することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、磁性鋼板における渦電流損Weは、(式1)で表すことができる。
We=ke×t×B×f (式1)
なお、We:渦電流損、ke:渦損係数、t:磁性鋼板の板厚、B磁束密度、f:交番磁界の周波数である。
特開2001−25181号公報
車両用交流発電機などの回転電機においては、コストおよび量産性の観点から、固定子鉄心に積層される磁性鋼板には、ダル仕上げの冷間圧延鋼板が採用されている。また、ランデル型回転子を有する回転電機では、磁性鋼板の積層方向にも磁束が通る複雑な三次元磁気回路を形成し、渦電流が磁性鋼板の面内に流れて損失を生じる。
ここで、磁性鋼板を積層することにより、積層された磁性鋼板間に必然的に隙間が生じる。さらに、表面粗さが粗いダル仕上げの磁性鋼板を採用した場合には、この表面粗さに起因する隙間が積層された磁性鋼板間に生じる。上述の通り、磁性鋼板の板厚を薄くすることにより、固定子の鉄損を低減することができる。しかし、磁性鋼板の板厚を薄くするほど、積層枚数が増え、鋼板間の隙間の総和が大きくなる。そこで、{(鉄部の実質厚み/磁性鋼板の積層体の厚み)×100}で表される磁性鋼板の占積率は、磁性鋼板の板厚が薄くなるほど小さくなる。
ランデル型回転子を有する回転電機では、固定子鉄心の軸方向にも磁束が通る三次元的な磁気回路を形成しているので、磁性鋼板の占積率が小さくなると、軸方向の磁気抵抗が大きくなり、全体の磁束量が低下する。固定子に同じ磁束量を通すには、磁性鋼板の占積率が小さくなる分、回転子の界磁電流を大きくする必要がある。界磁電流を大きくすることは、回転子での界磁損を増やすことにつながる。
このように、磁性鋼板の板厚を薄くすることは、固定子での渦電流損(鉄損)を小さくできるものの、磁性鋼板の占積率が小さくなり、回転子での界磁損を増大させ、結果的に回転電機全体の損失を増やしてしまっていた。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、固定子の鉄損、回転子の界磁損、さらにその他の損失を含めた電気的の損失全体を小さくできる回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、先細り形状の爪状磁極部が軸方向の両端から軸方向に交互に延設されて互いに咬み合って周方向に配列されたポールコアおよびこのポールコアに装着された界磁コイルを有するランデル型回転子と、上記ランデル型回転子を所定の空隙をもって囲繞する円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子コイルを有する固定子と、を備えている。そして、上記固定子鉄心は、ダル仕上げされた磁性鋼板を積層一体化して作製されており、該固定子鉄心における鉄部の占積率が96%±0.5%の範囲である。
この発明によれば、固定子鉄心における鉄部の占積率が96%±0.5%の範囲であるので、固定子の鉄損、回転子の界磁損、およびその他の損失を含めた電気的損失全体を小さくすることができる。また、電気的損失が小さくなるので、発熱が抑えられ、温度に依存する銅損の上昇が抑えられる。さらに、発熱が抑えられるので、回転子の回転に連動して回転するファンによる冷却風量を低減でき、ファンサイズを縮小でき、ファンによる騒音を低減できる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る巻線界磁式発電電動機を車載用に適用した場合の概念構成図である。
図1において、内燃機関101は、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンである。回転電機としての巻線界磁式発電電動機102は、内燃機関101に直接結合され、あるいはベルトやプーリなどの結合手段104を介して結合され、互いにトルクの授受可能な状態配設されている。即ち、内燃機関101が駆動源となり、内燃機関101のトルクが巻線界磁式発電電動機102に伝達され、巻線界磁式発電電動機102が発電機として動作する。また、巻線界磁式発電電動機102が駆動源となり、巻線界磁式発電電動機102のトルクが内燃機関101に伝達され、内燃機関101が始動する。巻線界磁式発電電動機102は、蓄電池103と電気的に接続されている。この蓄電池103は、他の車両用負荷とともに共用する蓄電池でも、巻線界磁式発電電動機102専用の蓄電池でもよい。
図2はこの発明の実施の形態1に係る巻線界磁式発電電動機を示す縦断面図である。
図2において、巻線界磁式発電電動機102は、それぞれ略椀形状に成形され、開口を対向させて配設されたアルミ製のフロントブラケット2とリヤブラケット3とからなるケース1と、シャフト4をケース1の軸心位置に軸受5を介して支持されて、ケース1内に回転自在に配設された回転子6と、回転子6の軸方向の両端面に固定されたファン9と、ケース1のフロント側に延出するシャフト4の端部に固着されたプーリ10と、回転子6に対して一定のエアギャップを有して、回転子6の外周を囲繞してケース1に固定された固定子15と、シャフト4のリヤ側に固定され、回転子6に電流を供給する一対のスリップリング11と、各スリップリング11に摺動するようにケース1内に配設された一対のブラシ12と、固定子15で生じた交流を直流に整流する整流器13と、固定子15で生じた交流電圧の大きさを調整する電圧調整器14と、を備えている。
回転子6は、ランデル型回転子であり、励磁電流が流されて磁束を発生する界磁コイル7と、界磁コイル7を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成されるポールコア8と、シャフト4と、を備えている。そして、ポールコア8はその軸心位置に貫装されたシャフト4に固着されている。
ポールコア8は、それぞれ例えばS10Cなどの低炭素鋼からなる鋼塊で冷間鍛造製法により作製された第1および第2ポールコア体20,24に分割構成されている。
第1ポールコア体20は、シャフト挿通穴が軸心位置に穿設された厚肉円筒状の第1ボス部21と、第1ボス部21の一端縁部から径方向外側に延設された厚肉リング状の第1継鉄部22と、第1継鉄部22の外周部から軸方向他端側に延設された第1爪状磁極部23とを有している。第1爪状磁極部23は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成され、第1継鉄部22の外周部に周方向に等角ピッチで例えば8つ配列されている。
第2ポールコア体24は、シャフト挿通穴が軸心位置に穿設された厚肉円筒状の第2ボス部25と、第2ボス部25の他端縁部から径方向外側に延設された厚肉リング状の第2継鉄部26と、第2継鉄部26の外周部から軸方向一端側に延出された第2爪状磁極部27とを有している。第2爪状磁極部27は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成され、第2継鉄部26の外周部に周方向に等角ピッチで例えば8つ配列されている。
第1および第2ポールコア体20,24は、第1および第2爪状磁極部23,27を噛み合わせて対向させ、かつ、第1および第2ボス部21,25の端面同士を突き合わせた状態で、第1および第2ボス部21,25のシャフト挿通穴に圧入されたシャフト4に固着されている。このように構成されたポールコア8では、第1および第2爪状磁極部23,27が周方向に交互に配列され、第1および第2爪状磁極部23,27の最外径面がシャフト4の中心を軸心とする円筒面に一致し、固定子鉄心16の内周面との間に均一な空隙が形成される。
界磁コイル7は、導体線を軸方向に多列に、かつ径方向に多層に巻回されて構成され、第1および第2ボス部21,25と、第1および第2継鉄部22,26と、第1および第2爪状磁極部23,27とで囲まれた空間内に装着されている。
固定子15は、円筒状の固定子鉄心16と、固定子鉄心16に巻装され、回転子6の回転に伴い、界磁コイル7からの磁束の変化で交流が生じる固定子コイル17と、を備えている。
固定子鉄心16は、ダル仕上げの冷間圧延鋼板を所定の形状にプレス成形して得られた磁性鋼板19を所定枚積層一体化して作製されている。磁性鋼板19はダル仕上げ(粗さ:2μm〜7μm)であることから、表面が粗くなっている。そこで、磁性鋼板19を隙間無く積層することができず、図3に示されるように、隙間aが磁性鋼板19間に形成される。
ここで、磁性鋼板19の厚みtを変えて固定子鉄心16を作製し、固定子鉄心16における鉄部の占積率(%)を測定した結果を図4に示す。なお、固定子鉄心16における鉄部の占積率(%)は、固定子鉄心の体積(磁性鋼板間の隙間を含む)に対する鉄部の実質体積の割合であり、ここでは、{(鉄部の実質厚み/固定子鉄心の積層高さ)×100}として表した。また、磁性鋼板19の表面粗さを4μmとし、積層された磁性鋼板19間の隙間aを8μmとして占積率を算出した。
図4から、一定の軸長を有する固定子鉄心16を作製する場合、磁性鋼板19の板厚tが薄くなるほど積層枚数が増え、積層された磁性鋼板19間の隙間の総和が大きくなって占積率が小さくなり、一方、板厚tが厚くなるほど積層枚数が減り、積層された磁性鋼板19間の隙間の総和が小さくなって占積率が大きくなることが分かる。
このように構成された巻線界磁式発電電動機102の動作について説明する。
まず、電流が蓄電池103からブラシ12およびスリップリング11を介して回転子6の界磁コイル7に供給され、磁束が発生される。この磁束により、第1ポールコア体20の第1爪状磁極部23がN極に着磁され、第2ポールコア体24の第2爪状磁極部27がS極に着磁される。一方、内燃機関101の回転トルクが内燃機関の出力軸からベルトおよびプーリ10を介してシャフト4に伝達され、回転子6が回転される。そこで、回転磁界が固定子15の固定子コイル17に与えられ、起電力が固定子コイル17に発生する。この交流の起電力が整流器13で直流電流に整流されて、蓄電池103を充電したり、電気負荷に供給される。
また、内燃機関101の始動時には、交流電流が固定子コイル17に順次供給され、界磁電流がブラシ12およびスリップリング11を介して界磁コイル7に供給される。そして、固定子コイル17および界磁コイル7が電磁石となり、回転子6がシャフト4とともに固定子15内で回転する。このシャフト4の回転力がプーリ10からベルトを介して内燃機関101の出力軸に伝達され、内燃機関101が始動される。
この巻線界磁式発電電動機102においては、複雑な三次元的磁気回路を構成するので、一般の発電電動機の固定子と異なり、固定子15には、磁束が軸方向にも流れる。磁束が固定子15に軸方向に流れる場合には、固定子鉄心16の占積率が小さくなると、磁気抵抗は大きくなり、磁束が流れにくくなる。そこで、同じ界磁電流を界磁コイル7に通電した場合、占積率が小さいほど、固定子コイル17への鎖交磁束量が減少する。そこで、同じ鎖交磁力量を得るには、界磁電流(界磁起磁力)を大きくする必要がある。
つぎに、固定子鉄心16の占積率を変えて作製された固定子15を用いた発電電動機において、固定子コイル17への一定の鎖交磁束量が得られる界磁電流を測定し、その結果を図5に示す。なお、磁性鋼板19の板厚tを0.50mmとし、磁性鋼板19の表面粗さを4μmとし、積層された磁性鋼板19間の隙間aを8μmとして作製した占積率97%の固定子鉄心16を用いた固定子15における界磁電流値を基準値とした。即ち、縦軸は、占積率97%の固定子鉄心16を用いた固定子15における、固定子コイル17への一定の鎖交磁束量が得られる界磁電流を1とする界磁電流相対値を表す。
図5から、占積率が大きくなるほど界磁電流が少なくなり、占積率が小さくなるほど界磁電流が大きくなることが分かる。損失の観点から、界磁電流が大きくなると、回転子6における界磁損が増加する。しかし、固定子15における鉄損は、占積率が小さいほど小さくなり、占積率が大きくなるほど大きくなる。
つぎに、固定子鉄心16の占積率を変えて作製された固定子15を用いた発電電動機において、固定子の鉄損、回転子の界磁損、その他の損失を測定し、その結果を図6に示す。また、図7は、固定子鉄心16の占積率と固定子の鉄損、回転子の界磁損、およびその他の損失の総和との関係を示している。なお、磁性鋼板19の板厚tを0.50mmとし、磁性鋼板19の表面粗さを4μmとし、積層された磁性鋼板19間の隙間aを8μmとして作製した占積率97%の固定子鉄心16を有する固定子15を用いた発電電動機における各損失を基準値とした。即ち、縦軸は、占積率97%の固定子鉄心16を備えた固定子15を用いた発電電動機における固定子の鉄損、回転子の界磁損、およびその他の損失を1とする損失相対値を表す。その他の損失とは、回転子の鉄損と固定子の銅損である。
図6から、占積率が小さくなるほど固定子の鉄損が小さくなるが、回転子の界磁損が大きくなり、占積率が大きくなるほど回転子の界磁損が小さくなるが、固定子の鉄損が大きくなることが分かる。また、占積率の変化に対し、その他の損失の変化は小さい。
図7から、発電電動機の電気的な損失全体は、占積率が96%の時に最小値をとり、占積率を96%±0.5%の範囲とすることで、損失全体を小さくできることが分かる。
このように、ダル仕上げの磁性鋼板19を積層一体化して作製された固定子鉄心16を用いる巻線界磁式発電電動機102においては、固定子鉄心16における鉄部の占積率を96%±0.5%とすることで、固定子の鉄損、回転子の界磁損、およびその他の損失からなる電気的な損失全体を小さくすることができる。
ここで、磁性鋼板19の板厚tと固定子鉄心16における鉄部の占積率との関係について説明する。
板厚tを厚くしたまま占積率を小さくする手立てとしては、磁性鋼板19の表面粗さを粗くすることが考えられる。しかし、表面粗さが粗い磁性鋼板19を積層すると、積層された磁性鋼板19間の隙間が大きくなり、それらを溶接しにくくなると共に、それらを溶接により一体化しても、溶接された磁性鋼板19間の結合力が弱くなり、強度面の問題が生じる。
一方、板厚tを薄くしたまま占積率を大きくする手立てとしては、磁性鋼板19の表面を平滑にすることが考えられる。しかし、磁性鋼板19の表面を平滑にすることは、ダル仕上げの冷間圧延鋼板をさらに鏡面仕上げする必要があり、コスト増をもたらす。また、磁性鋼板19の積層体を大きなプレス力で押し付けることで磁性鋼板19間の隙間を小さくし占積率を大きくすることも考えられるが、磁性鋼板19の積層体のプレス力を現状より大きくすることは困難である。
このように、磁性鋼板19の表面粗さ、あるいは磁性鋼板19の積層体のプレス力を調整して、占積率を96%±0.5%の範囲に納めることは困難である。そこで、磁性鋼板19の板厚tを調整して、占積率を96%±0.5%の範囲に納めることが、コスト上、製造上、さらには特性上有効である。図4から、占積率を96%±0.5%の範囲とする固定子鉄心16を簡易に、安価に、高い接合強度で作製するためには、板厚tが0.37mm〜0.48mmの磁性鋼板19を用いることが好ましく、特に、板厚tが0.4mmの磁性鋼板19を用いることが望ましい。
実施の形態2.
冷間圧延工程やプレス成形による内部歪みが磁性鋼板19に生じていると、磁束がこの内部歪みより固定子鉄心16を流れにくくなり、磁気特性の悪化をもたらし、鉄損を大きくする。この実施の形態2は、磁気特性の悪化をもたらす内部歪みを除去する方法に関するものである。
以下、固定子の製造方法とともに、内部歪みの除去方法について図8乃至図11を参照しつつ説明する。なお、図8はこの発明の実施の形態2に係る固定子の製造方法における磁性鋼板を示す正面図、図9はこの発明の実施の形態2に係る固定子の製造方法における磁性鋼板の積層状態を示す斜視図、図10はこの発明の実施の形態2に係る固定子の製造方法における積層鉄心を示す斜視図、図11はこの発明の実施の形態2に係る固定子の製造方法における積層鉄心の曲げ工程を説明する図である。
まず、ダル仕上げされた冷間圧延鋼板をプレス成形して磁性鋼板19を作製する。この磁性鋼板19は、図8に示されるように、固定子鉄心16の周方向長さと同等の長さの矩形平板状をなし、ティース部19aおよびコアバック部19bにより画成されたスロット部19cが所定ピッチで長さ方向に配列されている。
このように作製された磁性鋼板19を、図9に示されるように、ティース部19a、コアバック部19bおよびスロット部19cを合わせて重ねつつ所定枚積層して、直方体の積層体30を作製する。ついで、積層体30を積層方向に所定のプレス力で押圧しつつ、コアバック部19b同士を溶接、一体化し、直方体の積層鉄心31を作製する。この積層鉄心31は、図10に示されるように、ティース部19a、コアバック部19bおよびスロット部19cが積層方向に重ねられて構成されたティース31a、コアバック31bおよびスロット31cを有する。積層方向に一端側から他端側に至る溶接部32が長さ方向に所定ピッチで複数条形成されている。
ついで、固定子コイル群33を積層鉄心31の各スロット31cに装着し、図11に示されるように、積層鉄心31を円筒状に曲げる。そして、円筒状に曲げられた積層鉄心31の端面を突き合わせ、突き合わせ部を溶接一体化し、円筒状の固定子鉄心16を得る。ついで、固定子コイル群33に結線処理を施し、固定子コイル17を作製する。
その後、固定子コイル17が装着されている固定子鉄心16の外周側を部分焼鈍し、固定子15を得る。部分焼鈍は、レーザを照射して部分的に加熱させる方法や、高周波電源を用いて外周部からヨークを通して高周波磁場を与えて誘導加熱させる方法などにより行える。
この実施の形態2では、固定子15を作製した後、固定子鉄心16の外周側を部分焼鈍しているので、円筒状の曲げ加工により積層鉄心31に生じた内部歪みが除去され、固定子15の鉄損を低減できる。
ここで、0.37mm以上、0,48mm以下の板厚を有する磁性鋼板19を用いれば、磁性鋼板19自体の剛性が高められるとともに、積層鉄心31のコアバック31bに施された溶接部32により、磁性鋼板19同士が強固に接合される。そこで、積層鉄心31の曲げ工程で、積層鉄心31における積層された磁性鋼板19がバラバラになったり、磁性鋼板19が波打ったりすることを防止でき、積層鉄心31の両端に配置される厚板の端板が不要となる。そこで、固定子鉄心16を一種類の磁性鋼板19のみで作製でき、即ち厚みの異なる鋼板を用意する必要が無く、作製工程が短縮されると共に、低コスト化が図られる。また、固定子鉄心の軸端に板厚の厚い端板を配置した場合、端板での渦電流損失が大きくなるが、板厚の厚い端板を用いていない分渦電流損失を低減できる。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、固定子15を作製した後、固定子鉄心16の外周側を部分焼鈍するものとしているが、この実施の形態3では、ダル仕上げの冷間圧延鋼板を所定の形状にプレス成形して作製された磁性鋼板を、アルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気中、或いは真空雰囲気中にて焼鈍している。
この実施の形態3においても、冷間圧延工程およびプレス成形工程により磁性鋼板に生じた内部歪みが除去されるので、固定子での鉄損が低減され、損失全体を更に低減させることができる。
なお、上記実施の形態3では、磁性鋼板をプレス成形した後、焼鈍処理を施すものとしているが、固定子作製後、固定子全体に焼鈍処理を施してもよい。
また、上記実施の形態2,3では、ダル仕上げされた冷間圧延鋼板を矩形平板状にプレス成形して得られた磁性鋼板を積層し、その積層体を円筒状に曲げて固定子鉄心を作製するものとしているが、ダル仕上げされた冷間圧延鋼板を円環平板状にプレス成形して得られた磁性鋼板を積層一体化して固定子鉄心を作製してもよい。この場合、磁性鋼板、固定子鉄心又は固定子に焼鈍処理を施せばよい。また、ダル仕上げされた冷間圧延鋼板を帯状にプレス成形して得られた磁性鋼板を螺旋状に積層一体化して固定子鉄心を作製してもよい。この場合、固定子鉄心又は固定子に焼鈍処理を施せばよい。
また、上記各実施の形態では、樹脂コーティングが施されていない磁性鋼板を用いるものとしているが、樹脂コーティングを施した磁性鋼板を用いてもよい。この場合、固定子鉄心における鉄部の占積率を磁性鋼板にコーティングされた樹脂コーティング層を考慮して96%±0.5%の範囲にすればよい。
また、上記各実施の形態では、車両用の発電電動機に適用するものとして説明しているが、この発明は、発電電動機に限らず、ランデル型回転子が実装されていれば良く、例えば、電動機や交流発電機などの回転電機に適用しても、同様の効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係る巻線界磁式発電電動機を車載用に適用した場合の概念構成図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線界磁式発電電動機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線界磁式発電電動機における固定子鉄心の構成を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線界磁式発電電動機における固定子鉄心の鉄部の占積率と磁性鋼板の板厚との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線界磁式発電電動機における固定子鉄心の鉄部の占積率と界磁電流との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線界磁式発電電動機における固定子鉄心の鉄部の占積率と損失との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る巻線界磁式発電電動機における固定子鉄心の鉄部の占積率と損失全体との関係を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る固定子の製造方法における磁性鋼板を示す正面図である。 この発明の実施の形態2に係る固定子の製造方法における磁性鋼板の積層状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る固定子の製造方法における積層鉄心を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る固定子の製造方法における積層鉄心の曲げ工程を説明する図である。
符号の説明
6 回転子、7 界磁コイル、8 ポールコア、15 固定子、16 固定子鉄心、17 固定子コイル、19 磁性鋼板、23 第1爪状磁極部、27 第2爪状磁極部。

Claims (6)

  1. 先細り形状の爪状磁極部が軸方向の両端から軸方向に交互に延設されて互いに咬み合って周方向に配列されたポールコアおよびこのポールコアに装着された界磁コイルを有するランデル型回転子と、
    上記ランデル型回転子を所定の空隙をもって囲繞する円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子コイルを有する固定子と、を備え、
    上記固定子鉄心は、ダル仕上げされた磁性鋼板を積層一体化して作製されており、該固定子鉄心における鉄部の占積率が96%±0.5%の範囲であることを特徴とする回転電機。
  2. 上記磁性鋼板の板厚が、0.37mm以上、0.48mm以下であることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 上記固定子鉄心は、同一板厚の上記磁性鋼板のみを積層一体化して作製されていることを特徴とする請求項2記載の回転電機。
  4. 上記固定子鉄心は、焼鈍処理された上記磁性鋼板を積層一体化して作製されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 上記固定子鉄心は、上記磁性鋼板を積層一体化した後、焼鈍処理が施されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 上記固定子は、上記固定子コイルが上記固定子鉄心に装着された状態で焼鈍処理されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
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