JP2008244661A - 電力線通信システム - Google Patents

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Takeshi Kawamura
武司 川村
Yuji Kitamura
雄二 北村
Takashi Matsuo
尚 松尾
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Abstract

【課題】 通信ケーブルによる信号注入点を最小限にしつつ通信信号の減衰を防止するようにして、通信信号の減衰を効率的に低減することができる電力線通信システムを提供する電力線通信システムを提供する。
【解決手段】 本発明の電力線通信システム1は、電力線を信号伝送路として通信を行うものであり、配電室2から延びる幹線電力線3と、この幹線電力線3から分岐する支線電力線4とを有する電力線網5を備えている。支線電力線4にはそれぞれ複数の子機モデム9が接続されている。親機モデム8は、電力線よりも通信信号の伝送特性が優れた通信ケーブル6に対して通信信号を注入及び抽出する。また、通信ケーブル6と電力線との間で通信信号を中継可能なメディアコンバータ12が設けられ、このコンバータ12は、支線電力線4の基端部分と末端部分で信号減衰に伴う通信不良が生じない位置において通信信号を注入及び抽出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力線を信号伝送路として通信を行う電力線通信システムに関する。
特に、複数の住戸を有する複数階の集合建築物において、通信信号の減衰を低減して各住戸が良好に通信することができる電力線通信システムに関するものである。
電力線通信システム(Power Line Communication System:以下、PLCシステムと略記することがある。)は、周波数が50Hz又は60Hzの商用電流が流れる電力線に、通信信号としての高周波信号(数kHzから高いものでは数十MHz以上に及ぶ。)を重畳して通信を行うものである。
かかるPLCシステムは専用の通信回線を使用することなく、各家屋等に引き込まれた既設の電力線(配電線あるいは電灯線とも呼ばれる。)を利用して大容量のデータ送受信が可能なシステムとして注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
図10は、PLCユーザの家屋が複数階の集合建築物である場合の、PLCシステムを採用した集合建築物の斜視図であり、図11は、同システムの配線構造図である。
図10に示すように、この集合建築物31では、外部ネットワーク7から変圧器や開閉器等を含む電力機器32が収納された配電室2までの通信には、光ファイバ10を用い、電力機器32ら各住戸33までの通信には、配電室2から延びる低圧配電線(幹線)3と、この配電線3から分岐して各住戸33に通じる屋内配線(支線)4とを用いている。
PLC信号で通信を行う親機モデム8は配電室2に設けられている。この親機モデム8は、光ファイバ10を介して外部ネットワーク7と通信が可能であり、光信号と電気信号(PLC信号)を相互変換するメディアコンバータとしての機能を併有している。
各住戸33の屋内配線4のコンセントにはそれぞれ子機モデム9が接続されている。この子機モデム9は、親機モデム8との間で電力線を介したPLC信号で通信を行い、パソコン等の端末機器11とLANケーブルを介してイーサネット(登録商標:以下同様)信号で通信を行う。
なお、図10及び図11に示す例では、親機モデム8が光信号とPLC信号の相互変換を行うメディアコンバータ(MC)としての機能を有するが、光信号での外部ネットワークとの通信のためのメディアコンバータを別途設置する場合もある。また、この例では、配電室2が集合住宅の外部に配置されているが、その内部に配置される場合もある。
上記構成のPLCシステムにおいて、例えば、住戸33のユーザが外部ネットワーク7に通信信号を送信する場合、端末機器11から伝送されたイーサネット信号は、子機モデム9にて抽出されてPLC信号に変調され、コンセント(図示せず)を介して屋内配線4に注入される。
そして、このPLC信号は、屋内配線4→分電盤→電力量メータ→低圧配電線3を経て電力機器32の低圧側(二次側)に伝搬され、電力機器32の低圧側に接続された親機モデム8によって抽出されて、光信号に変換される。この光信号は、光ファイバ10に注入されて外部ネットワーク7に伝送される。なお、ユーザが通信信号を受信する場合は、上記送信の場合と反対の経路を辿る。
図11に示すように、PLCシステムに利用する低圧配電線3及び屋内配線4よりなる電力線網5には分岐が多く、しかも、電力線には通常シールドが施されていない。
従って、1台の親機モデム8で複数の子機モデム9の通信制御を行う場合、屋内配線4においてPLC信号の減衰が大きくなり、通信不能ないし通信困難な住戸33が生じうるという問題があり、住戸数の多い集合建築物31ではこの問題が特に顕著化する。
具体的には、親機モデム8の信号注入点から離れた住戸33では、親機モデム8と子機モデム9との間の伝送長さが大きく、かつ、その間の分岐も多くなるので、PLC信号の減衰量が多くなる。
例えば、図11に示す配線構造の場合、最上階の屋内配線4の末端部分に位置する子機モデムS5では、そこに至るまでの間に電力線が6回分岐しているため、その分岐による信号減衰だけを考慮しても、信号レベルは1/2の6乗=1/128に低下することになる。
このため、特にこのような屋内配線4の末端部分では、PLC信号を子機モデム9によって抽出するのが困難になったり、子機モデム9からの通信信号を親機モデム8が抽出できない場合がある。
そこで、集合建築物にPLCシステムを構築するに当たって、電力線だけではなく、通信信号の減衰がより少ない通信ケーブル(例えば、同軸ケーブルや電話線)を信号伝送路に利用することで、親機モデムと子機モデムの間の通信信号の減衰を低減する技術が既に提案されている(特許文献1参照)。
この従来のPLCシステムは、集合建築物に敷設された通信ケーブルと電力線との組み合せからなる信号伝送路と、通信ケーブルに対してPLC信号の注入及び抽出を行う親機モデムと、通信ケーブルと電力線との間でPLC信号を中継する中継装置と、電力線に接続された子機モデムとを備えている(特許文献1の図1)。
江藤潔、「電力線搬送(PLC:Power Line Communication)の現状」、Interface、CQ出版社、2000年9月、pp.70-81 特開2005−295501号公報
上記特許文献1に記載のPLCシステムでは、親機モデムと中継装置との間の信号伝送路が通信ケーブルとなり、信号伝送路の一部に通信ケーブルが利用されるので、電力線のみで信号伝送路を構築する場合に比べて、通信信号の減衰を低減することができる。
しかし、かかる従来のPLCシステムでは、任意の住戸に設置される中継装置によって電力線に対するPLC信号の注入及び抽出を行っているので、この中継装置による信号注入点から遠い住戸の子機モデムについては、依然として通信不良が発生する恐れがある。
これを解決するには、上記中継装置をすべての住戸に設置すればよいが、これでは中継装置の設置個数が多くなってシステムの高騰化を招くとともに、各住戸のユーザに中継装置の設置を強要することになって好ましくない。
本発明は、このような実情に鑑み、通信ケーブルによる信号注入点を最小限にしつつ通信信号の減衰を防止するようにして、通信信号の減衰を効率的に低減することができる電力線通信システムを提供することを目的とする。
本発明の電力線通信システムは、電力線を信号伝送路として通信を行う電力線通信システムであって、配電室から延びる幹線電力線と、この幹線電力線から分岐する支線電力線とを有する電力線網と、前記支線電力線にそれぞれ接続された複数の子機モデムと、前記電力線よりも通信信号の伝送特性が優れた通信ケーブルと、前記通信ケーブルに対して通信信号を注入及び抽出する親機モデムと、前記通信ケーブルと前記電力線との間で通信信号を中継可能であり、前記支線電力線の基端部分と末端部分で信号減衰に伴う通信不良が生じない位置において通信信号を注入及び抽出するメディアコンバータと、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、親機モデムが、電力線よりも通信信号の伝送特性が優れた通信ケーブルに対して通信信号を注入及び抽出するので、電力線のみで信号伝送路を構築する場合に比べて、通信信号の減衰を低減することができる。
しかも、本発明では、上記通信ケーブルと電力線との間で通信信号を中継可能なメディアコンバータが、支線電力線の基端部分と末端部分で信号減衰に伴う通信不良が生じない位置において通信信号を注入及び抽出するので、通信ケーブルによる信号注入点を最小限に抑えつつ、支線電力線の基端部分や末端部分での通信信号の減衰を有効に防止することができる。
本発明において、前記親機モデムが、複数の前記通信ケーブルに対して通信信号を注入及び抽出可能であるとともに、この各通信ケーブルに前記メディアコンバータが接続されている場合には、電力線網を構成する電力線に対する、通信ケーブルを通じたメディアコンバータによる信号注入位置が複数になる。
このため、メディアコンバータによる信号注入位置の間の距離を適切に設定することにより、信号レベルを平準化することができ、電力線の分岐による通信パフォーマンスの格差を是正することができるとともに(図8参照)、ノイズ源の発生に伴う通信不能を回避することができる(図9参照)。
もっとも、親機モデムにおいて複数の通信ケーブルを分岐させると、この通信ケーブルの本数分だけ当該通信ケーブルに伝送される通信信号の信号レベルが低下することになる。そこで、前記各メディアコンバータとして、前記支線電力線に対して注入及び抽出する前記通信信号を増幅する信号増幅回路を有するものを採用することが好ましい。
この場合、複数の通信ケーブルを親機モデムから分岐させることで通信信号が減衰しても、上記信号増幅回路により通信信号を所定レベル以上に回復させることができ、通信性能を所望のレベルに維持することができる。
もっとも、上記信号増幅回路での信号増幅が余り大きすぎると、通信規約で規定されている値を超えるコモンモード電流を発生させる恐れがあるので、メディアコンバータには、そのようなコモンモード電流を発生させないレベルに通信信号を抑制するリミッター回路を更に設けることが好ましい。
また、前記各メディアコンバータは、前記電力線又は前記通信ケーブルから電源供給を受けて当該コンバータ内の回路を駆動する電源回路を備えていることが好ましい。
この場合、信号伝送路である電力線や通信ケーブルを利用してメディアコンバータ内の回路に対する電源供給を行えるので、コンセント等の電源供給用の配線を当該コンバータの近傍に設置する必要がなく、電力線通信システムの施工作業が簡便になる。
以上の通り、本発明によれば、信号伝送路の一部に伝送特性が優れた通信ケーブルを利用するとともに、その通信ケーブルによる信号注入点を支線電力線の基端部分と末端部分で信号減衰に伴う通信不良が生じない位置に設定したので、通信信号の減衰を効率的に低減することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る電力線通信システムの配線構造図である。
本実施形態の通信システム1は、例えば図10に例示されるような、高層マンション、高層ホテル又はオフィスビル等の集合建築物31、すなわち、複数の住戸33を有する複数階の集合建築物31を対象として構築されるもので、当該建築物31に敷設された電力線を信号伝送路として通信を行う電力線通信システムである。
もっとも、建築物31は、必ずしも複数の住戸33を有するものや、複数階のものに限定されるものではなく、一つの建築物31に後述する分岐状の電力線網5が敷設される場合も包含する。
図1に示すように、この通信システム1は、配電室2から延びる幹線電力線としての配電線3と、この配電線3から分岐して各住戸33に通じる支線電力線としての屋内配線4とからなる電力線網5と、電力線よりも伝送特性が優れた通信ケーブルの一つである同軸ケーブル6とを組み合わせ、PLC信号の信号伝送路を構築している。
なお、図1に示す配線構造では、電力線網5の屋内配線4は集合建築物31の各階ごとに合計4本あり、これらの屋内配線4は上下方向に延びる1本の配電線3からそれぞれ分岐している。
また、この通信システム1は、外部ネットワーク7と光信号等による通信が可能な親機モデム8と、建築物31の各住戸33に設置されかつ親機モデム8とPLC信号による通信が可能な子機モデム9とを備えている。
本実施形態の親機モデム8は、1本の光ファイバ10と、複数本(図例では4本)の同軸ケーブル6が接続されており、光信号とPLC信号を相互変換するメディアコンバータとしての機能を有する。
従って、外部ネットワーク7からの下りの光信号は親機モデム8で下りのPLC信号に変換され、このPLC信号は各同軸ケーブル6に注入される。また、各同軸ケーブル6からの上りのPLC信号は、親機モデム8で上りの光信号に変換され、この上りの光信号は光ファイバ10に注入される。
もっとも、光信号での外部ネットワーク7との通信のためのメディアコンバータ(図示せず)を、親機モデム8の上流側に別途設置する場合もある。
各子機モデム9は、PLC信号とイーサネット信号等のローカルネットワーク信号を相互変換するメディアコンバータとしての機能を有する。すなわち、各子機モデム9は、親機モデム8との間で電力線を介したPLC信号で通信を行い、パソコン等の端末機器11(図8参照)とLANケーブルを介してローカルネットワークワーク信号で通信を行うものである。
なお、図1の配線構造では、各階に設置された4本の屋内配線4にはそれぞれ5つの子機モデム9が接続されており、子機モデム9は合計20台ある。
各同軸ケーブル6には、この同軸ケーブル6と電力線との間でPLC信号を中継可能なメディアコンバータ12が接続されている。すなわち、親機モデム8から各同軸ケーブル6に注入された下りのPLC信号は、当該メディアコンバータ12を介して屋内配線4に注入される。また、子機モデム9から屋内配線4に注入された上りのPLC信号は、当該メディアコンバータ12を介して同軸ケーブル6に注入されるようになっている。
図2は、上記メディアコンバータ12の内部構成の一例を示している。
図2に示すように、このメディアコンバータ12は、筐体13と、この筐体13の側壁部に設けられた同軸コネクタ14と、このコネクタ14に接続された信号増幅回路15と、この回路15に接続された信号カプラー16と、このカプラー16に接続されたコモンモードチョーク回路17と、この回路17から筐体13の外部に延びる電力線コード18とを備えている。
このうち、同軸コネクタ14は、親機モデム8から延びる同軸ケーブル6の接続口である。信号増幅回路15は、同軸ケーブル6の出力信号(本実施形態ではPLC信号)をデファレンシャル信号に変換し、かつ、屋内配線4に対して注入及び抽出するPLC信号を増幅するものであり、例えば、オペアンプ等の線形増幅器を含んで構成されている。
また、信号カプラー16は、電力線コード18と同軸コネクタ14とを物理的に分断し、かつ、それらの間で高周波のPLC信号のみを伝送できるようにする結合器であり、例えば、結合トランスを含んで構成されている。
コモンモードチョーク回路17は、ノーマルモードである信号成分は通過させるが、コモンモードであるノイズ成分を除去ないし抑制する回路であり、例えば、1つのフェライトコアに2本の信号線をそれぞれ逆向きに巻き付けることによって構成されている。
なお、筐体13内には、電力線コード18の交流電流を利用して上記信号増幅回路15を駆動する電源回路19が設けられている。
図1に示すように、各メディアコンバータ12は親機モデム8に接続された各同軸ケーブル6の先端部分に接続され、この各コンバータ12の電力線コード18は、屋内配線4の基端部分から末端部分に至る範囲のほぼ中間部分(図例では基端部分から3番目の子機モデムS3,S8,S13,S18の接続点)に接続されている。
このように、本実施形態の通信システム1では、同軸ケーブル6の先端に接続されたメディアコンバータ12による信号注入箇所が、同一の屋内配線4の延長範囲における複数ある子機モデム9の中間位置に設定されている。
このため、すべての子機モデム9に関して、電力線によるPLC信号の分岐数が少なくなり、また、電力線による伝送距離も短くなり、電力線のみで信号伝送路を構築する場合(図9の場合)に比べて、PLC信号の減衰を低減することができる。
そして、本実施形態では、メディアコンバータ12による信号注入位置が屋内配線4のほぼ中間部分に設定されているので、同軸ケーブル6による信号注入点を極力最小限に抑えつつ、屋内配線4の基端部分や末端部分でのPLC信号の減衰を有効に防止することができる。
例えば、図1の配線構造の場合、屋内配線4の末端部分に位置する子機モデムS5,S10,S15,S20では、信号注入点からそこに至るまでの間に電力線が2回しか分岐していないので、信号レベルは1/2の2乗=1/4までしか低下せず、屋内配線4の末端部分での通信信号の減衰を有効に防止することができる。
また、本実施形態では、各メディアコンバータ12に、屋内配線4に対して注入及び抽出するPLC信号を増幅する信号増幅回路15を設けているので、複数の同軸ケーブル6を親機モデム8から分岐させたためにPLC信号が減衰しても、信号増幅回路15によってPLC信号を所定レベル以上に回復させることができる。このため、通信性能を所望のレベルに維持することができる。
図8及び図9は、本実施形態の通信システム1の効果を理解し易くするための、電力線の延長方向位置と信号レベルとの関係を模式的に示すグラフである。
図8のグラフにおいて、横軸は電力線の延長方向の位置を表し、縦軸はその位置でのPLC信号の信号レベルを示している。また、図8中のMCは、メディアコンバータ12による信号注入位置を示し、「分岐n」(n=1,2,3,……)は、信号注入位置からの電力線の分岐回数を示している。
更に、図8においてハッチングを施した信号レベルの領域は、電力線の2箇所で信号が注入されたことによって増加した信号レベルの増加分を示している。
そして、図8(a)は、2つのメディアコンバータ12による信号注入位置が比較的遠く、その間に分岐が9個ある場合を示しており、図8(b)〜(e)は、2つのメディアコンバータ12の信号注入位置間の距離を順次縮小して、その間の分岐を次第に減少させた場合の信号レベルを示している。
かかる図8の(a)〜(e)に示すように、2つの信号注入位置の距離が縮まってその間の分岐が少なくなると、その間での信号レベルの増加領域が増え、信号レベルを平準化することができるため、電力線の分岐による通信パフォーマンスの格差を是正することができる。
図9も、電力線の延長方向位置と信号レベルとの関係を模式的に示すグラフであるが、この図9では、一方の信号注入位置の近傍である分岐1の位置でノイズ源が存在する場合を示しており、そのノイズ源からのノイズ成分はドットを施した領域で示している。
図9(a)では、メディアコンバータ12による2つの信号注入位置の距離が比較的大きいため、分岐2及び分岐3の位置ではノイズ成分しかなく、通信不可となっている。しかし、図9(b)及び図9(c)に示すように、2つの信号注入位置の距離を縮めていくと、一方の信号注入位置の近傍で通信の運用中にノイズ源が発生しても、他方の信号注入位置を経由した信号が到達するので、通信可能な領域が広まることになる。
このように、メディアコンバータ12による信号注入位置が複数あると、その間の距離を適切に設定することで、ノイズ源の発生に伴う通信不能を回避することができる。
ところで、メディアコンバータ12の内部回路において、上記信号増幅回路15での信号増幅が余り大きすぎると、通信規約で規定されている値を超えるコモンモード電流を発生させる恐れがある。
そこで、図3に示すように、信号増幅回路15と信号カプラー16との間に、コモンモード電流を発生させないレベルにPLC信号を抑制するリミッター回路20を更に設けることが好ましい。このリミッター回路20は、信号増幅回路15の出力波形をある一定の電圧以上は通さないように振幅を制御する回路であり、オペアンプ等の演算増幅器を含んで構成される。
図3に示すリミッター付きのメディアコンバータ12によれば、信号増幅回路15でPLC信号を増幅しても、そのPLC信号は通信規約で規定されている値を超えるコモンモード電流を発生させないレベルまでしか増幅されないので、法令遵守の範囲内での最大限の信号増幅が可能になる。
図4は、本発明の第二実施形態に係る電力線通信システムの配線構造図である。
本実施形態の通信システム1が第一実施形態のものと異なる点は、1つの屋内配線4に対して、メディアコンバータ12による信号注入点が複数箇所(図例では2箇所)に設定されている点にあり、その他の構成は第一実施形態と同様である。
図4の上から1番目と2番目の屋内配線4のように、1本の屋内配線4にぶら下がる子機モデム9の数が増えると、電力線の分岐数が増加し、末端部分に向かうに従って信号レベルの減衰が激しくなる。
この点、本実施形態では、1本の屋内配線4に対するメディアコンバータ12による信号注入点を複数箇所(図例では2箇所)に増加しているので、分岐数の多い屋内配線4に対しても、その基端部分や末端部分でのPLC信号の減衰を有効に防止できる。
図5は、本発明の第三実施形態に係る電力線通信システムの配線構造図である。
本実施形態の通信システム1が第一実施形態のものと異なる点は、配電線3の途中にノイズ源となりやすい大型の電力機器21がブロッキングフィルター22を介して接続されている点にあり、その他の構成は第一実施形態と同様である。
この点、本実施形態では、メディアコンバータ12が各屋内配線4のそれぞれに信号注入を行うので、上記のように大型の電力機器22が配電線3に接続されていても、ノイズ源である当該電力機器21から離れた場所から信号注入が可能である。従って、ノイズに対して強い通信システム1を構築することができる。
図6及び図7は、メディアコンバータ12の変形例を示している。
このメディアコンバータ12は、同軸ケーブル6を介して親機モデム8側から電源供給を受けるようになっている。
すなわち、本変形例では、配電線3から同軸ケーブル6に電源供給する電源回路23が親機モデム8に設けられ、その同軸ケーブル6を通じて電源供給される同軸コネクタ14から電源成分と信号成分を分離する分離器24が、メディアコンバータ12の内部に設けられている。
そして、上記分離器24で分離された電源電圧によってメディアコンバータ12内の信号増幅回路15が駆動され、リミッター回路20がある場合(図7の場合)には、当該リミッター回路20もその電源電圧で駆動されるようになっている。
このように、メディアコンバータ12が信号増幅回路15やリミッター回路20等の能動回路を有する場合には、その回路を駆動する電源は、図2及び図3に示すように電力線から供給することもできるし、図6及び図7に示すように同軸ケーブル6から供給することもできる。
この場合、信号伝送路である電力線や同軸ケーブル6を利用してメディアコンバータ12内の回路に対する電源供給を行えるので、コンセント等の電源供給用の配線を当該コンバータ12の近傍に設置する必要がなく、電力線通信システム1の施工作業が簡便になるという利点がある。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、電力線よりも伝送特性が優れた通信ケーブルとして同軸ケーブル6を採用しているが、例えば電話線等のその他の通信ケーブルであってもよい。
また、上記実施形態では、親機モデム8として、同軸ケーブル6にPLC信号を伝送させるPLCモデムを採用しているが、この親機モデム8は、同軸ケーブル6に当該ケーブル専用の通信信号を伝送させるケーブルモデムであってもよい。
もっとも、親機モデム8が上記ケーブルモデムである場合には、メディアコンバータ12は、ケーブル用の通信信号とPLC信号とを変換する信号変換機能を備えている必要がある。
本発明の第一実施形態に係る電力線通信システムの配線構造図である。 メディアコンバータの内部構成の一例を示すブロック図である。 メディアコンバータの内部構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第二実施形態に係る電力線通信システムの配線構造図である。 本発明の第三実施形態に係る電力線通信システムの配線構造図である。 メディアコンバータの内部構成の変形例を示すブロック図である。 メディアコンバータの内部構成の変形例を示すブロック図である。 電力線の延長方向位置と信号レベルとの関係を模式的に示すグラフである。 電力線の延長方向位置と信号レベルとの関係を模式的に示すグラフであり、一方の信号注入位置の近傍でノイズ源が存在する場合を示す。 従来の電力線通信システムを採用した集合建築物の斜視図である。 従来の電力線通信システムの配線構造図である。
符号の説明
1:電力線通信システム
2:配電室
3:配電線(幹線電力線)
4:屋内配線(支線電力線)
5:電力線網
6:同軸ケーブル(通信ケーブル)
7:外部ネットワーク
8:親機モデム
9:子機モデム
10:光ファイバ
11:端末機器
12:メディアコンバータ
13:筐体
14:同軸コネクタ
15:信号増幅回路
16:信号カプラー
17:コモンモードチョーク回路
18:電力線コード
19:電源回路
20:リミッター回路
21:電力機器
22:ブロッキングフィルター
23:(親機モデムの)電源回路
24:分離器
31:集合建築物
32:電力機器
33:住戸

Claims (5)

  1. 電力線を信号伝送路として通信を行う電力線通信システムであって、
    配電室から延びる幹線電力線と、この幹線電力線から分岐する支線電力線とを有する電力線網と、
    前記支線電力線にそれぞれ接続された複数の子機モデムと、
    前記電力線よりも通信信号の伝送特性が優れた通信ケーブルと、
    前記通信ケーブルに対して通信信号を注入及び抽出する親機モデムと、
    前記通信ケーブルと前記電力線との間で通信信号を中継可能であり、前記支線電力線の基端部分と末端部分で信号減衰に伴う通信不良が生じない位置において通信信号を注入及び抽出するメディアコンバータと、
    を備えていることを特徴とする電力線通信システム。
  2. 前記親機モデムは、複数の前記通信ケーブルに対して通信信号を注入及び抽出可能であるとともに、この各通信ケーブルに前記メディアコンバータが接続されている請求項1に記載の電力線通信システム。
  3. 前記各メディアコンバータは、前記支線電力線に対して注入及び抽出する前記通信信号を増幅する信号増幅回路を有する請求項2に記載の電力線通信システム。
  4. 前記各メディアコンバータは、前記信号増幅回路からの通信信号の出力レベルを、通信規約で規定されているコモンモード電流を発生させないレベルに通信信号を抑制するリミッター回路を有する請求項3に記載の電力線通信システム。
  5. 前記各メディアコンバータは、前記電力線又は前記通信ケーブルから電源供給を受けて当該コンバータ内の回路を駆動する電源回路を備えている請求項2〜3のいずれか1項に記載の電力線通信システム。
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