以下の詳細な説明は、開示される態様を説明する目的で、特定の実施形態または実装形態を対象とする。しかしながら、本明細書の教示は、多数の異なる方式で適用および実装することができる。以下の「発明を実施するための形態」では、添付図面を参照する。開示された実装形態は、当業者に、実装形態を実施することを可能にさせるように十分詳細に説明されているが、これらの例が限定的ではなく、他の実装形態が使用されてもよく、また開示された実装形態に、それらの趣旨および範囲を逸脱することなく変更がなされてもよいことが理解されるべきである。さらに、開示された実施形態は、エレクトロクロミック窓(光学的に切り替え可能な窓、着色可能およびスマートウィンドウとも呼ばれる)に焦点を合わせているが、本明細書に開示された概念は、とりわけ、例えば、液晶デバイスおよび懸濁粒子デバイスを含む、他のタイプの切り替え可能な光学デバイスに適用され得る。例えば、エレクトロクロミックデバイスではなく、液晶デバイスまたは懸濁粒子デバイスが、開示された実装形態のうちのいくつかまたは全てに組み込まれる可能性がある。追加的に、「or(または)」という接続詞は、本明細書では、特に断りのない限り、適宜、包括的意味にあることが意図され、例えば、「A、B、またはC」という句は、「A」、「B」、「C」、「AおよびB」、「BおよびC」、「AおよびC」、および「A、B、およびC」の可能性を含むことが意図されている。
エンタープライズ通信/ネットワーク構成要素
これらの実施形態で開示される窓システムおよび関連する構成要素は、高帯域幅(例えば、ギガビット)通信および関連するデータ処理を容易にすることができる。これらの通信およびデータ処理は、光学的に切り替え可能な窓システム構成要素を採用し得、本明細書および2018年4月25日に出願されたPCT特許出願第PCT/US18/29476号、2018年5月2日に出願された米国特許出願第62/666,033号、および2018年4月25日に出願されたPCT特許出願第PCT/US18/29406号に記載されているような様々な窓および非窓機能を容易にすることができる。光学的に切り替え可能な窓システム構成要素のいくつかは、2016年11月30日に出願された米国特許出願第15/365,685号に記載されているような窓遷移に電力供給するための通信ネットワークおよび電力分配システムの構成要素を含む。
光学的に切り替え可能な窓を提供する通信ネットワークの機能を強化するための構成要素の例には、(1)高帯域幅の切り替えおよび/またはルーティング能力(例えば、1ギガビットまたはそれより高速のイーサネット(登録商標)スイッチ)を備えた制御パネル、(2)制御パネルおよび制御パネル間の高帯域幅リンク(例えば、10ギガビットまたはそれより高速のイーサネット(登録商標)能力)を含むバックボーン、(3)高データレート処理を採用する様々な機能のためのセンサ、ディスプレイドライバ、およびロジックを有するデジタル要素、例えば、デジタル壁インターフェースまたはデジタル方立などのデジタル建築要素として構成されたデジタル要素、(4)ワイヤレス通信用のアクセスポイント、例えば、Wi−Fiアクセスポイントを含む拡張機能窓コントローラ、および(5)制御パネルとデジタル要素および/または拡張機能窓コントローラとの間の高帯域幅データ通信リンク、例えば、幹線として、または幹線の経路と少なくとも部分的に重複する経路をたどるように構成されたデータ通信リンクが含まれる。
図1A〜図1Dは、エレクトロクロミック(EC)窓または他のタイプの光学的に切り替え可能な窓に電力供給および制御するように適合された様々なリンク技術およびトポロジーを示す。図1Aは、いくつかのEC窓を含む建物101を含むシステム100の非常に単純化されたトップレベルの図を提示する。EC窓のサブセットは、EC窓電力および通信ラインを介して「制御パネル」(CP)103に接続されている。制御パネルについては、以下でより詳細に説明する。図示の例では、3つの建物の窓が3つのサブセットにグループ化され、各々がそれぞれのCP103に接続されているが、任意の所与の建物に対して3つより少ないまたは3つより多いCPが企図されることが理解されよう。図示の例では、3つのCP103が、高帯域幅の10Gbpsバックボーンによって、および外部ネットワーク105に通信可能に結合されている。
図1Bは、複数のEC窓112とインターフェースする制御パネル103のより詳細なブロック図を図示する。図示の例では、制御パネル103は、マスター制御および電力モジュール104、ならびにネットワークコントローラ(NC)110を含む。制御パネル103は、図示よりも少ないまたは多いNC110を含み得ることが理解されよう。各NC110は、2つ以上の窓コントローラ(WC)111と競合的に結合され、各窓コントローラ111は、それぞれのEC窓112に関連付けられている。
ここで図1Cおよび図1Dを参照すると、特定の実施形態では、窓コントローラ111内の制御パネル103間の通信結合は、幹線フォーマットで達成され得る。シールドなしツイストペア(UTP)ラインおよび/またはMoCA(同軸ケーブル・マルチメディア協会)データ伝送プロトコルの実装形態は、幹線システムに統合するか、または幹線と並行してもしくは独立して走らせることもできる。例えば、図1Cに示すように、MoCAを使用してデータを伝送できる同軸ケーブルが幹線内に提供されている、つまり、同軸ケーブルは幹線アーキテクチャ内を走る。図1Dでは、UTPシステムは、幹線システムとは独立して並列に実装されている。特定の実施形態では、UTPケーブルは、幹線経路に組み込まれている。
図1A〜図1Dは、従来の窓コントローラのみを示しているが、リンクはまた、デジタル壁インターフェース、拡張機能窓コントローラ、デジタル建築要素などのような他の要素へのデータ伝送を提供し得る。図1Eは、光学的に切り替え可能な窓と相互作用するため、および窓以外の目的のためにデータを提供することができるデータ通信システムの一例を示す。描写されるように、建物の通信システムは、複数の制御パネル(CP)103を有し、少なくとも1つは、インターネットなどの外部ネットワーク105に接続され、クラウドベースサービスおよび/またはコンテンツなどの、様々なサービスおよび/またはコンテンツへのアクセスを可能にし得る。各制御パネル103は、建物内の1つ以上の窓コントローラおよび/または他のデバイス、ならびに本明細書の他の場所で説明されているようなマスターまたはネットワークコントローラに電力を供給するための構成要素を含み得る。制御パネルおよびそれらの構成要素の特徴の例は、先に参照により組み込まれた、2016年11月30日に出願された米国特許出願第15/365,685号に提供されている。描写される実施形態では、各制御パネル103はまた、10ギガビット/秒(Gbps)イーサネット(登録商標)スイッチなどの高帯域幅データ通信スイッチを有する。
各制御パネル103は、適切なケーブル配線107を介して1つ以上の他の制御パネルにリンクされて、データネットワークバックボーンを作成する。特定の実施形態では、ケーブル配線107は、絶縁シールド内に銅導体を採用することができるツイナックスのケーブル配線を含む。ツイナックスのケーブルは、数百フィートの通信距離に好適である。特定の実施形態では、高帯域幅、例えば、2.5Gbps以上の同軸が使用される。MoCAデータ伝送プロトコルの現在および進化する実装形態は、これをサポートする。なおさらに、場合によっては、特に比較的短いリンクのみを必要とする場合は、シールドなしツイストペアケーブルを使用することができる。特定の実施形態は、高帯域幅(例えば、10Gbps以上)のワイヤレス接続を採用する。これらの実施形態は、パラボラアンテナおよびパラボラ受信機のセットを採用し得る。
様々なタイプのデータ伝送ラインを採用して、制御パネル103と、建物内の光学的に切り替え可能な窓および/または非窓デバイスなどの建物内の宛先デバイスとの間のデータ通信を提供し得る。描写される実施形態では、データ伝送ライン109および関連するインターフェースは、コントローラエリアネットワーク(CAN)プロトコルCAN2.0などのコントローラネットワークプロトコルをサポートする。描写される実施形態では、伝送ライン109および関連するインターフェースは、従来の窓コントローラ111と制御パネル103内の他のタイプのコントローラとの間のデータ通信を提供する。そのような他のコントローラの例には、ネットワークおよびマスターコントローラが含まれる。データ伝送ライン109は、コントローラエリアネットワークの帯域幅制限で提供されるデータを使用して機能することができる他のデバイス(図示せず)に通信を提供するために採用され得る。
別のタイプのデータ伝送ラインは、ギガビットイーサネット(登録商標)(GbE)ラインなどの高帯域幅ネットワークライン113であり、これは、UTPライン(図示のような)またはツイナックスラインなどであってもよい。高帯域幅ライン113は、制御パネル103と特定の機能のために高いデータレートを必要とし得る1つ以上のタイプのデバイスとの間のデータリンクを提供することができる。描写される実施形態では、そのようなデバイスは、デジタル壁インターフェース115および拡張機能窓コントローラ117を含み、両方とも本明細書の他の場所で説明される。いくつかの実装形態では、拡張機能窓コントローラ117は、コントローラネットワーク(例えば、コントローラネットワークライン/CANバス109)および高帯域幅ライン113の両方に接続されている。
描写される実施形態では、高帯域幅データ伝送は、ギガビットイーサネット(登録商標)をサポートするシールドなしツイストペア線および1つ以上の同軸線119のいずれかまたは両方によって提供され得る。いくつかの実施形態では、同軸線(複数可)119を介したデータ伝送は、同軸ケーブル内のチャネルを機能的に結合する同軸ケーブル・マルチメディア協会(MoCA)によって公布されたようなプロトコルに準拠することができ、各チャネルは、異なる周波数帯域を運び、例えば約1Gbps以上の高帯域幅を有する単一の結合ラインになる。MoCAプロトコルは、本明細書の他の場所で説明されている。ワイヤレスなどの他のリンク技術は、UTPまたは同軸線の代わりに、もしくはそれらを補完するために使用され得る。
描写されるように、上部制御パネル103は、3つのデジタル建築要素を提供する(デジタル方立121はこの場合、1つはビデオディスプレイデバイス122に接続されている)。GbE UTPライン113および同軸ケーブル119のいずれかまたは両方を採用して、制御パネルとデジタル建築要素との間の高帯域幅データ通信を提供し得る。
図2Aおよび図2Bは、いくつかの実施形態による、建物用の高帯域幅通信ネットワークを示す。両方の図では、図1A〜図1Eに関連して説明したCP103と同様の機能を有し得る制御パネルが、CP2またはCP3というラベルの付いたモジュールとして識別される。図示の例では、各制御パネルは、マスターおよび/またはネットワークコントローラ(MC/NC)、制御パネルモニタ(CPM)、および通信ネットワークスイッチ225aまたは225bを含む。特定の実施形態では、制御パネルモニタは、先に参照により組み込まれた、2016年11月30日に出願された米国特許出願第15/365,685号に提示された1つ以上の特徴を有する。いくつかの実装形態では、CP2ネットワークスイッチ225aは、複数(例えば、2つ)のスモールフォームファクタプラガブル(SFP)トランシーバポートおよび複数(例えば、4つ)の100Mbイーサネット(登録商標)ポートを含む。好適なネットワークスイッチの一例は、カリフォルニア州サンノゼのCisco Systemsから入手可能なIE2000スイッチである。SFPポートは、光ファイバ接続用のプラグインである。特定の実施形態では、SFPポートのうちの1つ以上は、850nmの光通信、または1310nmの光通信、もしくは1550nmの光通信をサポートする。
CP3制御パネルでは、ネットワークスイッチ225bは、光学的に切り替え可能な窓システムに必要なデータレートを超えるデータレートに適応することができる。そのため、CP3スイッチ225bは、窓システム専用の構成要素(例えば、CP2)で提供されるよりも多くの帯域幅を必要とし得る。特定の実施形態では、高帯域幅制御パネル(例えば、CP3)の高帯域幅スイッチは、複数(例えば、4つ)のSFP、複数(例えば、8つ)のGbイーサネット(登録商標)ポート、および複数(例えば、8つ)のPoE(パワーオーバーイーサネット(登録商標))Gbイーサネット(登録商標)ポートを含む。特定の実施形態では、各ポートは、少なくとも10Gbのラインをサポートすることができる。特定の実施形態では、スイッチは、必要に応じて、最大40Gbのイーサネット(登録商標)ポートを生成するようにポートを集約するように構成され得る。好適なネットワークスイッチの一例は、カリフォルニア州サンノゼのCisco Systemsから入手可能なIE4000スイッチである。
高帯域幅ケーブル配線のバックボーンは、高層ビルの垂直ライザー導管を介して上向きに方向付けることができる。建物のすべての通信要素(例えば、すべてのデジタル建築要素およびすべての壁インターフェースを含む)全体で高帯域幅通信をサポートする必要がある場合、高帯域幅ケーブル配線は、建物の1つ以上のフロアに水平に方向付ける場合がある。例えば、コアおよびシェルの建物では、最初の建設には垂直ライザー導管が含まれ得るが、水平導管は含まれない場合があり、水平導管は、建物がテナントを有するときに後で設置される。
特定の実施形態では、高帯域幅能力を備えた制御パネルおよび関連するリンクが、ネットワークバックボーンとして一緒に使用される。言い換えると、バックボーンのすべての構成要素は高帯域幅の伝送能力を有する。本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「高帯域幅」は、少なくとも約0.5ギガビット/秒以上のデータ伝送および/またはデータ処理能力を有するネットワーク構成要素を説明する。特定の実施形態では、データ伝送ネットワークは、10Gbpsバックボーンを含む。
特定の実施形態では、ネットワークバックボーンは、バックボーンを有する建物の外側に位置する別のネットワークへの接続を提供する。一例において、他のネットワークは、広域ネットワークまたは単にインターネットである。バックボーンの構成要素は、クラウド接続用に設計または構成され得、例えば、制御パネルは、コムキャストビジネス(Comcast Business)、レベル3コミュニケーションズ(Level 3 Communications)などに接続するための構成要素を含み得る。
上に示したように、一部のネットワーク構成は、窓コントローラおよび制御パネル内のCANインターフェースなどのコントローラネットワーク構成要素を含む。さらに、一部のネットワーク構成は、制御パネルからのイーサネット(登録商標)スイッチやイーサネット(登録商標)ラインなどの高帯域幅ネットワーク構成要素を追加的に含む。
図1A〜図1Eに関連して上で説明したように、コントローラネットワークは、光学的に切り替え可能な窓の制御専用の標準窓コントローラ(WC2)用にデータ伝送を提供し得る。加えて、コントローラネットワークは、Wi−Fiアクセスポイント、セルラー機能などを有し得る拡張機能窓コントローラ(WC3)をサポートするデータ伝送を提供し得る。特定の実施形態では、拡張機能窓コントローラは、コントローラネットワークバスに接続して、窓コントローラに割り当てられた光学的に切り替え可能な窓の制御に関するデータを送受信する。追加的に、拡張機能窓コントローラは、ギガビットイーサネット(登録商標)ラインなどの高帯域幅ラインに接続して、Wi−Fiおよび/またはセルラー通信などの非窓機能に関するデータを送受信し得る。
特定の実施形態では、拡張機能窓コントローラは、建物内でワイヤレス通信サービスを提供するために必要とされる場所に配置される。一例として、1つの拡張機能窓コントローラを建物スペースの2500平方フィートごとに配置することができ、これは、50リニアフィートあたり約1つの拡張機能窓コントローラに対応し得る。より一般的には、拡張機能窓コントローラは、隣接するコントローラが約30〜100フィートの距離だけ分離されるように建物内に配置することができる。特定の実施形態では、隣接する拡張機能窓コントローラは、幹線に沿って、約4〜10のIGU、例えば、ほぼ6つのIGUごとに分離されている。
特定の実施形態では、拡張機能窓コントローラは、図1A、図2A、および図2Bに描写され、先に参照により組み込まれた2016年11月30日に出願された米国特許出願第15/365,685号で論じられた例に図示されるように、幹線からドロップを介してデータを受信する。幹線を使用して、データ伝送ケーブルを運ぶことができる。幹線からのドロップ線を使用して、幹線から個々の拡張機能窓コントローラにデータ(および電力)を提供することができる。代替の実施形態では、ネットワークトポロジーは、1つ以上の拡張機能窓コントローラの各々に走る別個のデータラインを含む。
特定の実施形態では、制御パネルから拡張機能窓コントローラWC3(ならびに、いくつかの実施形態では従来の窓コントローラWC2)にデータを提供するラインは、ギガビットイーサネット(登録商標)ラインであり、シールドなしツイストペア(UTP)、ツイナックスケーブルなどとして具現化され得る。場合によっては、すべてまたは多く拡張機能窓コントローラへのデータは、完全にギガビットイーサネット(登録商標)UTPラインを介して行われる。
特定の実施形態では、拡張機能窓コントローラWC3のうちの1つ以上に提供されるデータの一部またはすべては、高帯域幅同軸ケーブルを介して提供される。一例では、同軸ケーブルおよび関連するネットワークコントローラは、MoCA標準の1つを使用してデータを伝送するように設計または構成されており、それは、少なくとも部分的に、ケーブルテレビ業界によって想定されるインターネットプロトコルスイートを提供する。前述のように、いくつかの実装形態では、MoCAは、同軸ケーブルを介してギガビットイーサネット(登録商標)帯域幅を提供する。
MoCAプロトコルには、各々帯域幅が制限された複数のチャネルを提供するために結合として知られる技術が含まれており、それによりチャネルが一緒になってはるかに高い帯域幅を提供する。いくつかの実装形態では、結合されたチャネルの各々は、各々約155kBの別個の周波数帯域を採用する。いくつかの実装形態では、ギガビット帯域幅を提供するために、16個の同軸チャネルが集約されてギガビットチャネルになる。ギガビット未満の帯域幅が必要な場合は、結合する必要のあるチャネルが少なくなる。場合によっては、異なるチャネルが異なるエンドポイントに結合され、そのため、異なる帯域が可能になる。ネットワークは、トラフィックを異なるエンドポイントに分離することができ、例えば、仮想ネットワークの実装を可能にする。ケーブルキャップを同軸ケーブルに配置して、追加の拡張機能窓コントローラと接続し得る。いくつかの実施形態では、MoCAまたは同様に帯域幅スケーラブルなアプローチは、建物インフラストラクチャが、拡張機能窓コントローラを含む窓コントローラを比較的シームレスに追加および減じることを可能にする。
特定の実施形態では、制御パネルから1つ以上の窓コントローラおよび/またはデジタル要素(例えば、デジタル壁インターフェースまたはデジタル建築要素)への幹線は、同軸線および非同軸線の両方を採用する。例えば、制御パネルからのラインの第1の部分はツイナックスまたはUTPラインであり、第1の部分に接続されているラインの第2の部分は、例えばMoCAプロトコルを使用してデータを伝送するように構成された同軸線である。幹線の第1の部分および第2の部分の両方は、ギガビット伝送速度をサポートするように設計または構成され得る。特定の実施形態では、幹線の第1および第2の部分は、Tコネクタを使用して接続される。例えば、ツイナックスまたはUTPラインは、制御パネルから走り、次いで同軸ケーブル(MoCAプロトコルの場合)に接続され、その後、最後の窓コントローラ(従来型または拡張型の)が位置する終端まで走る。
いくつかの実施形態では、同軸ケーブルは、幹線として構成されるか、または幹線に組み込まれる。このようにして、必要に応じて、幹線の長さに沿って窓コントローラおよび/または他のデバイスにケーブルドロップを行うことができる。場合によっては、追加のラインは必要なく、幹線ごとにただ1本の同軸ケーブルが必要とされる。特定の実施形態では、高帯域幅データ通信ライン(同軸、UTP、ツイナックスなど)は、例えば、電力供給のために定義された幹線経路をたどることができる。必要に応じて、このような高帯域幅ラインは建設中に設置することができるが、デジタル要素が設置されるとき、それらは建物の建設時ではなく後で設置されることを前提として、後でのみ使用される。
いくつかの実施形態では、図2Bに図示されるように、建物用の高帯域幅通信ネットワークは、デジタル方立221または他の拡張機能デジタル建築要素を組み込む。
建物要素上のマルチコンポーネントデジタル要素
上に示したように、本明細書に記載の高帯域幅ネットワークは、堅牢な感知ならびにデータ処理能力、および/またはデータストレージおよび/またはユーザインターフェース能力などの1つ以上の追加の特徴を備えた複数のデジタル要素を含み得る。これらの能力を可能にする構成要素を以下に説明し、本明細書では、一般に「センサおよび他の周辺機器」構成要素または要素と呼ぶ場合がある。デジタル要素の用途および機能についても以下に説明する。
以下で説明するように、デジタル要素は、目的に応じて、典型的には恒久的な要素である建物構造要素、および/または建物の壁、フロア、天井、または屋根への設置を可能にする様々なフォーマットおよびハウジングで提供され得る。様々な実施形態では、デジタル要素のシャーシまたはハウジングは、任意の寸法で約5メートル以下、または任意の寸法で約3メートル以下である。様々な実施形態では、ハウジングは剛性または半剛性であり、要素のいくつかまたはすべての構成要素を包含する。場合によっては、ハウジングは、スピーカ、ディスプレイ、アンテナ、またはセンサなどの1つ以上の構成要素を取り付けるためのフレームまたは足場を提供する。いくつかの実施形態では、ハウジングは、ネットワークリンク、ビデオディスプレイ、モバイル電子デバイス、電池充電器などに取り付けるためのポートまたはケーブルなどの1つ以上のポートまたはケーブルへの外部アクセスを提供する。
窓コントローラネットワークおよび関連するデジタル要素は、オフィスビルおよび他のタイプのビルの建設において比較的早い段階で設置される可能性がある。多くの場合、窓コントローラネットワークは、任意の他のネットワークの前に設置され、例えば、ビル管理システム(BMS)、セキュリティシステム、テナントの情報技術(IT)システムなどのような他のビル機能用のネットワークの前に設置される。
本教示がない場合、センサおよび他の周辺要素は、建設後に建物の壁および天井の周りに設計され、その結果、設置、運用、および保守に費用がかかる可能性がある。本開示の特定の実施形態では、高帯域幅窓ネットワークおよび関連するデジタル構成要素が早期に設置され、建物の外装または構造(例えば、構造的な建物構成要素、特に、壁、仕切り、フレーム、梁、方立、欄間などのような建物または部屋の周囲にあるもの)内に関連するセンサおよび周辺機器を提供する。設置は、建物の建設中に発生し得る。設置されたネットワークは、窓ネットワークのリモート運用能力(例えば、感知、データ伝送、処理)を利用して、現在サイロ化されているセンサの設置および運用のコスト、ならびにエッジネットワーク技術を削減し得る。
運用コストに関して、サイロ化されたセンサネットワークの管理と運用には非常に費用がかかる。特定の実施形態では、高帯域幅の建物ネットワークおよび関連するデジタル要素は、センサおよび他の周辺機器の中央監視および運用を容易にし、それにより、センサネットワークの運用コストを大幅に削減する。
特定の実施形態では、窓ネットワーク上のセンサが、建物の居住者が時間を費やす場所の近くに設置され、それによって、居住者の快適さを提供する際のセンサの有効性を改善する。以下で論じるように、高帯域幅ネットワークに接続された本明細書に記載のデジタル要素は、建物全体の様々な場所に配置され得る。そのような場所の例には、オフィス、ロビー、中二階、浴室、階段の吹き抜け、テラスなどの建物構造要素が含まれる。これらの場所のいずれかの内で、デジタル要素は、居住者の位置に近接して位置付けおよび/または配向され得、それにより、居住者の快適さを維持または強化する方法で作動するように建物システムをトリガするのに最も適切な環境データを集める。
特定の実施形態では、高帯域幅窓ネットワークの感知、データ処理、およびデータストレージ能力は、マイクロソフトのCortana、アップルのSiri、アマゾンのAlexa、およびグーグルのGoogle Home(登録商標)などのインタラクティブアプリケーションまたはパーソナルデジタルアシスタントを構築するためのインフラストラクチャを提供する。このようなアプリケーションおよびパーソナルデジタルアシスタントの有用性は、センサの範囲と建物の居住者との間の直接的な相互作用によって拡張される。以下でさらに十分に説明するように、そのような相互作用には、コンピュータビジョン、分析、機械学習などが含まれる。
デジタル建築要素
デジタル建築要素(DAE)は、様々なセンサ、プロセッサ(例えば、マイクロコントローラ)、ネットワークインターフェース、および1つ以上の周辺機器インターフェースを含み得る。DAEセンサの例には、光センサが含まれ、任意選択で、カメラなどの画像キャプチャセンサ、音声コイルまたはマイクロフォンなどのオーディオセンサ、空気品質センサ、および近接センサ(例えば、特定のIRおよび/またはRFセンサ)が含まれる。ネットワークインターフェースは、ギガビット(またはより高速な)イーサネット(登録商標)インターフェースなどの高帯域幅インターフェースであり得る。DAE周辺機器の例には、ビデオディスプレイモニタ、アドオンスピーカ、モバイルデバイス、電池充電器などが含まれる。周辺機器インターフェースの例には、標準Bluetooth(登録商標)モジュール、USBポートおよびネットワークポートなどのようなポートが含まれる。加えて、または代替的に、ポートには、サードパーティデバイス用の様々な専有ポートのいずれかが含まれる。
特定の実施形態では、デジタル建築要素は、光学的に切り替え可能な窓システム(例えば、窓上のディスプレイ)のために提供される他のハードウェアおよびソフトウェアと連動して機能する。特定の実施形態では、デジタル建築要素は、窓コントローラ、またはマスターコントローラ、ネットワークコントローラなどのような他のコントローラを含む。
特定の実施形態では、デジタル建築要素は、スピーカ、光源(例えば、およびLED)、ビーコン、アンテナ(例えば、Wi−Fiまたはセルラー通信アンテナ)などのような1つ以上の信号生成デバイスを含む。特定の実施形態では、デジタル建築要素は、エネルギー貯蔵構成要素および/またはパワーハーベスティング構成要素を含む。例えば、要素は、エネルギー貯蔵デバイスとして1つ以上の電池またはコンデンサを含み得る。そのような要素は、太陽電池を追加的に含み得る。一例では、デジタル建築要素は、1つ以上のユーザインターフェース構成要素(例えば、マイクロフォンまたはスピーカ)、および1つ以上のセンサ(例えば、近接センサ)、ならびに高帯域幅通信のためのネットワークインターフェースを有する。
様々な実施形態では、デジタル建築要素は、建物の構造要素に取り付けられるか、またはさもなければ併置されるように設計もしくは構成される。場合によっては、デジタル建築要素は、それが関連付けられている構造要素と調和する外観を有する。例えば、デジタル建築要素は、関連付けられている構造要素と調和する形状、サイズ、および色を有し得る。場合によっては、デジタル建築要素が建物の居住者に簡単に見えないことがあり、例えば、要素は完全にまたは部分的にカモフラージュされている。しかしながら、そのような要素は、ビデオディスプレイモニタ、タッチスクリーン、プロジェクタなどのように調和しない他の構成要素とインターフェースすることができる。
デジタル建築要素を取り付けることができる建物構造要素は、様々な建物構造のいずれかを含む。特定の実施形態では、デジタル建築要素を取り付ける建物構造は、建物の建設中に、場合によっては建物の建設の初期に設置される構造である。特定の実施形態では、デジタル建築要素のための建物構造要素は、建物構造機能として機能する要素である。このような要素は恒久的である可能性があり、つまり、建物から取り除くことが簡単ではない。例としては、壁、仕切り(例えば、オフィススペースの仕切り)、ドア、梁、階段、ファサード、モールディング、方立、および欄間などが含まれる。様々な例では、建物構造要素は建物または部屋周辺上に位置している。場合によっては、デジタル建築要素は、建物構造要素に取り付ける別個のモジュラーユニットまたはボックスとして提供される。場合によっては、デジタル建築要素は、建物構造要素のためのファサードとして提供される。例えば、デジタル建築要素は、方立、欄間、またはドアの一部のカバーとして提供され得る。一例では、デジタル建築要素は、方立として構成されるか、または方立内もしくは方立上に配設される。方立に取り付けられている場合は、方立の剛性部分にボルトで固定されるか、または他の方法で取り付けられ得る。特定の実施形態では、デジタル建築要素は、建物構造要素にスナップすることができる。特定の実施形態では、デジタル建築要素は、モールディング、例えば、クラウンモールディングとして機能する。特定の実施形態では、デジタル建築要素はモジュール式であり、すなわち、それは、通信ネットワーク、電力分配ネットワーク、および/または外部ビデオディスプレイおよび/または他のユーザインターフェース構成要素を採用する計算システムなどのより大きなシステムの一部のためのモジュールとして機能する。
いくつかの実施形態では、デジタル建築要素は、部屋、フロア、または建物内のすべてではないがいくつかの方立上に配置されるように設計されたデジタル方立である。場合によっては、デジタル方立は規則的または周期的に配置される。例えば、デジタル方立は、6方立ごとに配置され得る。
特定の実施形態では、高帯域幅ネットワーク接続(ポート、スイッチ、ルータなど)およびハウジングに加えて、デジタル建築要素は、次のデジタルおよび/またはアナログ構成要素:カメラ、近接または移動センサ、居住センサ、色温度センサ、生体認証センサ、スピーカ、マイクロフォン、空気品質センサ、電力および/またはデータ接続用のハブ、ディスプレイビデオドライバ、Wi−Fiアクセスポイント、アンテナ、ビーコンまたは他のメカニズムを介した位置情報サービス、電源、光源、プロセッサ、および/または補助処理デバイスのうちの複数を含む。
1つ以上のカメラは、可視、IR(下記の熱画像装置の使用を参照)、または他の波長領域で特徴を画像化するためのセンサおよび処理ロジックを含み得、HD以上を含む様々な解像度が可能である。
1つ以上の近接または移動センサは、赤外線センサ、例えば、IRセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、近接センサは、測距機能を使用して物体からの距離および物体間の距離を検出するレーダーまたはレーダーのようなデバイスである。レーダーセンサはまた、生体認証機能の検出、例えば、異なる呼吸の動きの検出を介して、間隔の狭い居住者を区別するためにも使用することもできる。レーダーまたはレーダーのようなセンサを使用する場合、障害物がない状態で、またはデジタル建築要素のプラスチックケースの後ろに配設すると、より良い動作が容易になり得る。
1つ以上の居住センサは、マルチピクセル熱画像装置を含み得、これは、適切なコンピュータ実装アルゴリズムで構成された場合、部屋内の居住者の数を検出および/またはカウントするために使用され得る。一実施形態では、熱画像装置または熱カメラからのデータは、レーダーセンサからのデータと相関して、行われている特定の決定においてより良いレベルの信頼性を提供する。実施形態では、熱画像装置の測定値を使用して、特定の場所における他の熱イベント、例えば、開いた窓およびドアによって引き起こされる気流の変化、侵入者の存在、および/または火災を評価することができる。
1つ以上の色温度センサを使用して、特定の場所に存在する照明のスペクトルを分析し得、例えば、居住者の健康または気分を改善するために、必要または所望に応じて照明の変更を実装するために使用できる出力を提供し得る。
1つ以上の生体認証センサ(例えば、指紋、網膜、または顔認識用)は、スタンドアロンセンサとして提供され得るか、またはカメラなどの別のセンサと統合され得る。
1つ以上のスピーカおよび関連する電力増幅器は、デジタル建築要素の一部として含まれ得るか、またはそれとは別に含まれ得る。いくつかの実施形態では、2つ以上のスピーカおよび増幅器は、集合的に、サウンドバー、つまり、複数のスピーカを含むバー形状のデバイスとして構成され得る。デバイスは、ハイファイサウンドを提供するように設計または構成されている場合がある。
音を検出および処理するための1つ以上のマイクロフォンおよびロジックは、デジタル建築要素の一部として、またはそれとは別に提供され得る。マイクロフォンは、内部または外部で生成された音の一方または両方を検出するように構成され得る。一実施形態では、音の処理および分析は、1つ以上のデジタル構造要素内のソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアとして具現化されたロジックによって、および/またはネットワークに結合された1つ以上の他のデバイス内のロジックによって、例えば、ネットワークに結合された1つ以上のコントローラによって実行される。一実施形態では、分析に基づいて、ロジックは、1つ以上のスピーカの音声出力を自動的に調整して、建物内の特定の場所にいる居住者に悪影響を与える(または潜在的に悪影響を与える可能性がある)1つ以上のマイクロフォンによって検出された音、周波数変動、エコー、および他の要因をマスクおよび/またはキャンセルするように構成される。一実施形態では、音は、これらに限定されないが、屋内機械、屋内オフィス機器、屋外建設、屋外交通、および/または飛行機によって生成される音を含む。
実施形態では、1つ以上のマイクロフォンは、建物の窓の上または隣り、建物の天井の上、および/または建物の他の内部構造に位置付けされる。ロジックは、建物内に存在する内部音のタイプ、強度、スペクトル、場所、および/または方向を分析および決定するために、単一または配列された様式で構成され得る。一実施形態では、ロジックは、建物内で使用され得る他の固定または移動ネットワーク接続デバイス、例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレットなどのようなデバイスに機能的に接続され、そのようなデバイスからの音または関連する信号を受信および分析するように構成される。
一実施形態では、ロジックは、マイクロフォンからの信号内のリアルタイム遅延を測定および分析して、建物内の特定の場所に存在する望ましくない外部および/または内部音をマスクまたはキャンセルするために必要な音の量およびタイプを予測するように構成される。一実施形態では、ロジックは、例えば、建物内外の物体および人々の動きによって変化が引き起こされ得る望ましくない外部および/または内部音のレベルおよび/または位置の変化を検出するように、および変化に基づいてマスキングおよび/またはキャンセルする音の量を動的に調整するように構成される。一実施形態では、ロジックは、建物内の追跡センサからの信号を使用するように構成され、かつ信号に従って、1人以上の居住者の存在および/または場所に応じて建物内の特定の場所でマスキングおよび/またはキャンセルする音を増加または減少させるように構成される。一実施形態では、1つ以上のスピーカが、水平面、垂直面、および/またはその2つの組み合わせを含めて、望ましくない音の進行面内で実質的に伝播するマスキングおよび/またはキャンセルする音を生成するように位置付けされる。
一実施形態では、ロジックは、建物の内部を音響的にマッピングし、オフィス内の騒音源の場所を特定し、話のプライバシーを改善するように設計されたアルゴリズムを含む。一実施形態では、スピーカおよびマイクロフォンのアレイが建物内に設置された後、ロジックを使用して音響掃引を実行し、各スピーカに音を生成させ、それが次に各マイクロフォンによって検出されるようにし得る。一実施形態では、時間遅延、音レベルの低下、および検出された音のスペクトル差を使用して、スピーカ、マイクロフォン間、およびそれらの間の有効音響距離を計算およびマッピングする。一実施形態では、建物マップの内部の音響伝達関数は、音響掃引から取得することができる。このような音響マップおよび建物内の1つ以上のスペースの伝達関数のセットを使用すると、ロジックは、スペース内で生成された望ましくない音の発生源が存在する場合に、適切なマスキングおよび/またはキャンセルレベルの決定を行うことができる。必要に応じて、ロジックは、スピーカが生成する音を調整して、特定の吸収面の吸収を補正でき、例えば、そうでない場合ソフトパーティションで跳ね返る音がこもる可能性がある音は、再び鮮明に聞こえるように調整することができる。空間の音響マップを使用して、直接音と間接音を判断し、音をマスキングおよび/またはキャンセルする時間遅延を調整することができ、それにより、それらは同時に目的の場所に到達する。
1つ以上の空気品質センサ(任意選択で、次の空気構成成分:揮発性有機化合物(VOC)、二酸化炭素の温度、湿度のうちの1つ以上を測定できる)をHVACと組み合わせて使用して、空気循環制御を改善し得る。
センサ(複数可)、スピーカ、マイクロフォンなどへの電力および/またはデータ接続のための1つ以上のハブが提供され得る。ハブは、USBハブ、Bluetooth(登録商標)ハブなどであってもよい。ハブは、USBポート、高精細度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))ポートなどのような1つ以上のポートを含み得る。代替的に、または加えて、要素は、外部センサ、照明器具、周辺機器(例えば、カメラ、マイク、スピーカ(複数可))、ネットワーク接続、電源などのためのコネクタドックを含み得る。
建築要素に関連に付けられた統合ガラスユニット(IGU)上またはそれに近接するディスプレイ(例えば、透明OLEDデバイス)用の1つ以上のビデオドライバを提供することができる。ドライバは有線または光学的に結合されている場合があり、例えば、光信号は光伝送によって窓内に発射され、例えば、ガラスを透過し、視線に対して垂直に進むガラス導波路に焦点を合わせる光エンジンとレンズとを備えたディスプレイを含む切り替え可能なブラッググレーティングを参照。
1つ以上のWi−Fiアクセスポイントおよびアンテナ(複数可)、これらはWi−Fiアクセスポイントの一部であり、または異なる目的を果たし得る。特定の実施形態では、建築要素自体、または建築要素の全部または一部を覆うフェースプレートは、アンテナとして機能する。建築要素を絶縁し、方向性を持って送信または受信させるために、様々なアプローチを採用することができる。代替的に、プレハブ式アンテナが使用されてもよく、または2017年5月4日に出願されたPCT特許出願第PCT/US17/31106号に記載されているような窓アンテナを使用することができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
エネルギー貯蔵デバイス(例えば、充電式電池またはコンデンサ)などのような1つ以上の電源が提供され得る。いくつかの実装形態では、パワーハーベスティングデバイス、例えば、太陽電池または太陽電池のパネルが含まれている。これにより、デバイスを自給式または部分的に自給式にすることができる。集光デバイスは、取り付け場所に応じて、透明または不透明にすることができる。例えば、太陽電池は、デジタル方立の外部に取り付けられてもよく、かつ部分的または完全に覆ってもよく、一方、透明な太陽電池は、デジタル建築要素上のディスプレイまたはユーザインターフェース(例えば、ダイヤル、ボタンなど)を覆ってもよい。
1つ以上の光源(例えば、発光ダイオード)が、デバイスがアクティブであるときのシグナリングのように特定の条件下で発光するようにプロセッサで構成される。
1つ以上のプロセッサが、様々な組み込みまたは非組み込みアプリケーションを提供するように構成され得る。プロセッサは、マイクロコントローラであってもよい。特定の実施形態では、プロセッサは、メモリを備えた低電力モバイルコンピューティングユニット(MCU)であり、アプリケーションおよびデータをホストする軽量で安全なオペレーティングシステムを走らせるように構成されている。特定の実施形態では、プロセッサは、組み込みシステム、システムオンチップ、または拡張機能である。
グラフィカル処理ユニットなどの1つ以上の補助処理デバイス、もしくはイコライザまたは他のオーディオ処理デバイスが、オーディオ信号を解釈するように構成される。
デジタル建築要素またはデジタル建築要素に関連付けられた建物構造要素は、1つ以上のアンテナを有し得る。これらは、要素の内部の表面または内部のいずれかで、事前に構築され、要素に取り付けられるか、または要素に組み込まれ得る。代替的に、または加えて、アンテナは、デジタル建築要素または建物構造要素の構造がアンテナ構成要素として機能するように構成され得る。例えば、方立の導電性金属片は、アンテナ素子または接地面として機能し得る。いくつかの実施形態では、デジタル建築要素または建物構造要素の一部が除去(または追加)され、その結果、残りの部分が、調整されたアンテナ素子として機能する。例えば、方立の一部を打ち抜いて、調整されたアンテナ素子を提供することができる。同軸または他のケーブルを素子およびRF送信機または受信機に接続することにより、建物構造要素および/または関連するデジタル建築要素は、アンテナ素子として機能し得る。アンテナ構成要素は、例えば、RF送信機のインピーダンスと整合するインピーダンス(例えば、約50オーム)で設計され得る。
構造に応じて、アンテナ素子は、Wi−Fiアンテナ、Bluetooth(登録商標)アンテナ、セルラー通信アンテナなどであり得る。特定の実施形態では、アンテナは、電磁スペクトルの無線周波数部分で伝送および/または受信する。アンテナは、パッチアンテナ、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナなどであり得る。それは、任意の適切な波長範囲で電磁信号を伝送または受信するように構成され得る。光学的に切り替え可能な窓システムで採用され得るアンテナ構成要素の例は、先にその全体が参照により本明細書に組み込まれた、2017年5月4日に出願されたPCT特許出願第PCT/US17/31106号に記載されている。
様々な実施形態では、デジタル建築要素のカメラは、電磁スペクトルの可視部分の画像をキャプチャするように構成される。場合によっては、カメラは高解像度の画像を提供し、例えば、少なくとも約720pまたは少なくとも約1080pの高精細画像を提供する。特定の場合には、カメラは、可視範囲外の波長の強度に関する情報を有する画像をキャプチャすることもある。例えば、カメラは赤外線信号をキャプチャできる場合がある。特定の実装形態では、デジタル建築要素は、前方監視赤外線(FLIR)カメラまたは近赤外線(NIR)カメラなどの近赤外線デバイスを含む。好適な赤外線カメラの例には、オレゴン州ウィルソンビルのFLIR SystemsのBoson(商標)またはLepton(商標)が含まれる。そのような赤外線カメラは、デジタル建築要素の可視カメラを拡張するために採用することができる。
特定の実施形態では、カメラは、部屋の熱特性をマッピングするように構成することができ、それにより三次元認識を備えた温度センサとして機能し得る。いくつかの実装形態では、デジタル建築要素のこのようなカメラは、居住者の検出、可視カメラを拡張して熱い壁の代わりに人間の検出を容易にする、太陽熱の定量的測定を提供する(例えば、フロアや机を画像化し、太陽が実際に照らしているものを見る)などを可能にする。
特定の実施形態では、スピーカ、マイクロフォン、および関連するロジックは、音響情報を使用して大気品質または空気の状態を特徴付けるように構成される。一例として、アルゴリズムは、超音波パルスを発し、マイクロフォンに戻る伝送および/または反射パルスを検出することができる。アルゴリズムは、検出された音響信号を分析するように構成され得、場合によっては送信対受信の差動オーディオ信号を使用して、空気密度、微粒子の偏りなどを決定して、大気品質を特徴付けることができる。
図3は、デジタル建築要素(DAE)の特定の実装形態において存在し得る構成要素の例を示すブロック図を示す。図示の例では、構成300は、DAE330およびコンピュータまたはプロセッサ340を含む。コンピュータプロセッサ340は、インターネットおよび任意選択でクラウドベースのコンテンツおよび/またはサービスプロバイダなどの外部ネットワークに接続されている。接続は、適切なモデム、ルータ、またはスイッチを含み得、かつ上記の10Gバックボーンなどの高帯域幅バックボーンを含み得る。コンピュータまたはプロセッサ340はまた、この例では、HDMI(登録商標)リンクを介してビデオディスプレイ309に接続されている。さらに、コンピュータ340は、ポート311(USB、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、またはその他)に接続されて、DAE330のための追加の内部または外部リソースを利用可能にする。上記のように、DAEは、様々なセンサおよび周辺機器要素を含み得る。図3に図示される例では、DAE330は、スピーカ317、マイクロフォン319、および様々なセンサ321を含む。これらの構成要素の任意の1つ以上は、ポート311を介してコンピュータまたはプロセッサ340に結合され得る。
図示の例では、イコライザ313は、部屋の音響を調整するためのトーンコントロールを提供するように構成され得る。場合によっては、イコライザ313は、例えば、リアルタイムの時間遅延反射率測定を使用して、室内音響の調整を容易にする。これにより、イコライザおよび関連する構成要素は、音波と部屋にある、またはそれ以外の場合は居住者のすぐ近くにあるアイテムとの相互作用によって生成される不要なオーディオアーティファクトを補正することができる。特定の実施形態では、信号パルスが、デジタル建築要素に関連付けられたスピーカによって生成され、1つ以上のマイクロフォンが、パルスを直接拾い上げ、かつ室内のアイテムによって反射および減衰されたものを拾い上げる。パルスを放出してから検出するまでの時間遅延、ならびに検出されたパルスの音質に基づいて、システムは、部屋の境界などを推測することができる。特定の実施形態では、ユーザのスマートフォンは、室内の様々な場所の音響環境に合わせてスピーカ出力を最適化することをさらに可能にする。セットアップモード中、電話を有効にしたユーザは、部屋の中を動き回り、電話を使用して音響応答を検出し得る。位置と検出された音響応答に基づいて、デジタル建築要素はスピーカ出力を最適化する方法を決定することができる。部屋の音響プロファイルがマッピングされた後、デジタル建築要素は、ユーザが部屋のどこにいるかなどの様々な要因に基づいてスピーカ出力を調整するようにプログラムされる。本要素は、いくつかの実施形態では、先にその全体が参照により本明細書に組み込まれた、2017年5月4日に出願されたPCT特許出願第PCT/US17/31106号に記載されているものなどの、いくつかの近接技術のいずれかを使用してユーザ位置を検出することができる。
デジタル壁インターフェース
本開示の特定の態様は、デジタル建築要素で使用される構成要素の一部またはすべてを含むデジタル壁インターフェースに関係し、デジタル壁インターフェースは、部分的または完全に構築された建物の壁またはドアに取り付けるように設計されたシャーシまたはハウジングを含むように構成される。壁インターフェースは、ユーザが容易に見ることができるユーザインターフェースを提供するように構築され得る。それは、比較的小さな設置面積(例えば、最大で約500平方インチのユーザに面する表面積)を有し、円形または多角形の形状であり得る。特定の実施形態では、デジタル壁インターフェースは、ほぼタブレットの形状およびサイズである。
特定の実施形態では、デジタル壁インターフェースは、デジタル建築要素と同じまたは類似の特徴を有するが、それは壁に取り付けられたデバイスである。例えば、デジタル壁インターフェースは、デジタル建築要素について説明したようなセンサおよび周辺機器要素を含み得る。さらに、そのような要素は、バーまたは同様のシャーシに含まれ得る。
様々な実施形態では、デジタル建築要素は、建物が建設されているときに建物に提供され、一方、デジタル壁インターフェースは、建物の建設が完了またはほぼ完了した後に建物に設置される。建物建設への1つのアプローチでは、壁、仕切り、ドア、方立、欄間などの基本的な建物構造の建設中に複数のデジタル建築要素が設置され、一方、1つ以上のデジタル壁インターフェースは、入居直前または入居時に、例えばテナントによって設置される。もちろん、一度設置されると、デジタル壁インターフェースとデジタル建築要素とは、例えばメッシュネットワークの一部として、検出された結果を共有することによって、分析および制御ロジックを共有することによってなど、連携して機能することができる。
多くの実施形態では、デジタル壁インターフェースは、ユーザインターフェース、および任意選択でタッチセンシティブインターフェースを提供するように構成された組み込みディスプレイを含む。すべてではないがいくつかの実施形態では、デジタル建築要素は、ディスプレイまたはタッチインターフェースを含まない。いくつかの実施形態では、デジタル建築要素は、組み込みディスプレイを含まないが、関連するディスプレイ、例えば、HDMI(登録商標)ケーブルによって要素に接続されたディスプレイまたは要素によって制御されるビデオを投影するように構成されたプロジェクタを有することに留意されたい。同様に、デジタル壁インターフェースは、窓ディスプレイまたはプロジェクションディスプレイなどの別個のディスプレイと連動するように構成され得る。
デジタルデバイスの使用、構成要素、および機能に関する本明細書での議論の多くは、例としてデジタル建築要素を使用するが、ほとんどの場合、デジタル壁インターフェースは同様または同一の目的を果たし得る。したがって、議論が、デジタルデバイスが接続または関連付けられている建物構造要素に焦点を当てていない限り、議論は、デジタル壁インターフェースおよびデジタル建築要素に等しく適用される。
拡張機能窓コントローラ(WC3)
上記のように、特定の実施形態では、拡張機能窓コントローラ(WC3)は、Wi−Fiアクセスポイントを含み得、任意選択でまた、セルラー通信機能も有し得る。多くの場合、複数のネットワーク(例えば、CANバスおよびイーサネット(登録商標))に接続するように構成されている。
いくつかの実施形態では、拡張機能窓コントローラは、本明細書で前述したような基本構造および機能を有し得るが、追加されたギガビットイーサネット(登録商標)インターフェースおよび強化された計算能力を有するプロセッサを備える。従来の窓コントローラと同様に、拡張機能窓コントローラは、CANバスインターフェースまたは同様のコントローラネットワークを有し得る。いくつかの実施形態では、コントローラは、ビデオの能力を有し、および/または2016年10月6日に出願された米国特許出願第15/287,646号に記載されている特徴を含み得、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、拡張機能窓コントローラは、(i)ビデオおよびかなりの処理能力を必要とする他の機能を取り扱うのに十分に高い処理能力を有するプロセッサ、(ii)イーサネット(登録商標)接続、(iii)任意選択でビデオ処理能力、(iv)任意選択で、Wi−Fiアクセスポイントまたは他のワイヤレス通信能力な、を有するモジュールとして実装される。このモジュールは、電力増幅器またはリングセンサとともに使用される別のベースボードなど、他のより従来型の窓コントローラ機能を有するベースボードに取り付けることができる。得られたデバイスは、光学的に切り替え可能な窓を制御するために使用することができ、または単にワイヤレス通信、ビデオ、および/または光学的に切り替え可能な窓の状態を制御することに必ずしも関連しない他の機能を提供するために使用することができる。
特定の実施形態では、拡張機能窓コントローラは、本明細書で説明する従来の窓コントローラと同様に、CANバスまたは同様のコントローラネットワークプロトコルによって提供、制御、警報などがなされるが、追加的に、ビデオ、Wi−Fi、および/またはその他の追加機能を提供する。
図4は、WC2のブロック図(詳細A)と、いくつかの実装形態によるWC3のブロック図(詳細B)との比較を示す。WC2ブロック図は、カリフォルニア州ミルピタスのView,Inc.から入手可能なもののような従来の窓コントローラの一例である。描写された構成要素のいくつかは、少なくとも1つの電圧レギュレータ441、コントローラネットワークインターフェース、CAN442、処理ユニット(マイクロコントローラ)443、および様々なポートおよびコネクタを含む。これらの構成要素および例示的なアーキテクチャのいくつかは、2012年4月17日に出願された米国特許出願第13/449,251号および2016年10月26日に出願された米国特許出願第15/334,835号に記載されており、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
詳細Bは、拡張機能窓コントローラWC3の例を描写する。描写される実施形態では、従来の窓コントローラ(WC2)および拡張機能窓コントローラ(WC3)は、同様のアーキテクチャおよびいくつかの共通の構成要素を有する。拡張機能窓コントローラWC3は、より高性能なマイクロコントローラ453、ギガビットイーサネット(登録商標)インターフェース454、ワイヤレス(例えば、Wi−Fi、Bluretooth、またはセルラー)インターフェース455、および任意選択のMoCAインターフェース456を有する。ギガビットイーサネット(登録商標)インターフェースは、従来のシールドなしツイストペア(例えば、UTP/CAT5−6)インターフェースおよび/またはMoCA(同軸ケーブルを介したGbE)インターフェースであり得る。特定の実施形態では、拡張機能窓コントローラへの接続は、従来のRJ45モジュラーコネクタ(ジャック)を介して行われる。MoCAをサポートする特定の実施形態では、コントローラは、ジャックに給電する別個のアダプタを含む。一例として、そのようなアダプタは、ECB6250 MoCA2.5ネットワークアダプタなどの、Actiontec(カリフォルニア州サニーベールのActiontec Electronics,Inc.)アダプタ、例えば、最大約2.5Gbpsのデータ通信速度を提供するアダプタ、であり得る。
アプリケーションと用途
図5A〜図5Dは、本開示によって企図されるデジタル建築要素および関連要素のアプリケーションおよび用途のいくつかの例を図示する。本明細書に記載のネットワークおよび高帯域幅バックボーンは、様々な機能に使用することができ、そのいくつかは、窓の制御に関連していないことが理解されよう。そのような機能の1つは、テナントまたは他の建物居住者、建物の建設中の現場の建設要員などにインターネット、ローカルネットワーク、および/または計算サービスを提供することである。建設中、バックボーンおよびデジタル要素によって提供されるネットワークおよび計算リソースは、窓の調整試験以外にも使用され得る。例えば、それらは、建築情報、建設指示などを提供するために使用され得る。このようにして、建設担当者は、高帯域幅のオンサイトネットワークを介して必要とする建設情報にすぐにアクセスできる。
場合によっては、本明細書に記載のネットワークおよび計算インフラストラクチャによって提供されるネットワーク、通信、および/または計算サービスは、WeWork.comによって提供されるもののようなマルチテナントビルまたは共有ワークスペースで利用される。例えば、共有ワークスペースの建物は、必要に応じて一時的な接続と処理能力を提供するだけで済む。本明細書に記載されるような建物ネットワークは、特定の建物の場所への計算リソースの中央制御および柔軟な割り当てを提供する。この柔軟性により、様々なリソースの様々なテナントへの割り当てが可能となる。
デジタル要素(例えば、デジタル壁インターフェースまたはデジタル建築要素)内のセンサからの読み取り値は、デジタル建築要素の近くの環境についての情報を提供し得る。このようなセンサの例には、温度、湿度、揮発性有機化合物(VOC)、二酸化炭素、ほこり、光レベル、グレア、および色温度のいずれか1つ以上のセンサが含まれる。特定の実施形態では、1つ以上のそのようなセンサからの読み取り値は、居住者の存在およびその他の信号のコンテキストインデックスに応じて、測定された読み取り値の偏差を相殺して、これらの読み取り値を居住者の快適さまたは建物効率の目標値にするために他の建物システムが取るべきアクションを決定するアルゴリズムに入力される。
特定の実施形態では、デジタル要素は、建物の屋根に提供され得、任意選択で、2017年5月4日に公開された米国特許出願公開第2017/0122802号に記載されているようなスカイセンサまたはリングセンサと併置され得る。そのような要素は、デジタル建築要素のために本明細書の他の場所に提示されているいくつかまたはすべての特徴を装備していてもよい。例には、センサ、アンテナ、無線受信機、レーダー、大気品質検出器などが含まれる。いくつかの実装形態では、屋根または他の建物の外部位置にあるデジタル要素が大気品質に関する情報を提供し、このようにして、デジタル要素は、内部と外部の両方の大気品質に関する情報を提供し得る。これにより、窓の色合いの状態やその他の環境条件に関する決定が、完全な情報のセットを使用して行われることが可能になる(例えば、建物の外側の状態が健康に害のある場合(または少なくとも建物の内側よりも悪い場合)、外部からの空気の換気を禁止する決定を下し得る)。
場合によっては、建物の領域内の周囲光または人工光の光レベル、グレア、色温度、および/またはその他の特性を使用して、エレクトロクロミックデバイスの色合い状態を変更するかどうかを決定する。特定の実施形態では、これらの決定は、2016年11月9日に出願された米国特許出願第15/347,677号および2018年1月4日に出願された国内段階出願である米国特許出願第15/742,015号に記載される1つ以上のアルゴリズムまたは分析を使用し、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。一例では、着色の決定は、デジタル建築要素のセンサからの光情報を解釈するためのアルゴリズムと組み合わせて、ソーラー計算機および/または反射モデルを使用することによって行われる。アルゴリズムは、場合によっては、居住者の存在、人数、および/または居住者の場所に関する情報(デジタル建築要素で取得できるデータ)を使用して、窓に色を付けるかどうか、およびどの色合い状態を選択すべきかの決定を支援する。場合によっては、適切な色合いの状態を決定する目的で、2016年10月6日に出願された、および先にその全体が参照により本明細書に組み込まれた、米国特許出願第15/287,646号に記載されているようなスカイセンサの代わりにまたはそれと組み合わせてデジタル建築要素が使用される。
色合いおよびグレアの制御の一例として、デジタル要素のセンサは、部屋または建物の他の部分の局所的な光、温度、色、グレアなどに関するフィードバックを提供し得る。次に、デジタル要素に関連付けられたロジックは、光の強度、方向、色などを部屋または建物の一部で変更する必要があることを決定し、そのような変更をどのようにもたらすかも決定し得る。ユーザの快適さ(例えば、ユーザのワークスペースでのまぶしさを減らす、コントラストを上げる、または敏感なユーザのカラープロファイルを修正する)、またはプライバシーやセキュリティのために変更が必要になる場合がある。ロジックは、変更が必要であると判断したと仮定すると、次に、光学的に切り替え可能な窓の色合い状態、ディスプレイデバイス出力、切り替えられた粒子デバイスフィルムの状態(例えば、透明、半透明、不透明)、表面への光の投影、人工光出力(色、強度、方向など)などのような1つ以上の照明またはソーラー構成要素を変更するための指示を送信し得る。このようなすべての決定は、2016年11月9日に出願された米国特許出願第15/347,677号、および先にその全体が参照により本明細書に組み込まれた、2018年1月4日に出願された国内段階出願である米国特許出願第15/742,015号に記載されているような建物全体の色合い状態処理ロジックの支援の有無にかかわらず行うことができる。
建物内の一連のデジタル建築要素は、建物の居住者と建物または建物内の機械との間の相互作用を可能にするメッシュエッジアクセスネットワークを形成し得る。適切なネットワークインターフェースが装備されている場合、デジタル建築要素および/またはデジタル壁インターフェースならびに/または拡張機能窓コントローラは、アンビエントコンピューティング処理のために建物構造要素(例えば、方立)内で接続、通信、アプリケーション実行などを提供するデジタルコンピュートメッシュネットワークノードとして使用することができる。建物内のメッシュネットワーク設定におけるエッジセンサノードと同様または同一の様態で、電力供給、監視、および制御を行うことができる。他のセンサノードのゲートウェイとしても使用され得る。
本開示によって企図される高帯域幅窓ネットワークおよび関連するデジタル要素の機能または用途の非網羅的なリストには、(a)スピーカフォン−デジタル壁インターフェースまたはデジタル建築要素は、スピーカフォンのすべての機能を提供するように構成され得る、(b)スペースのパーソナライズ−居住者の好みおよび/または役割が保存され、次いで居住者がいる特定の場所において実装され得る。場合によっては、好みおよび/または役割は、ユーザが特定の場所にいるときに一時的にだけ実装される。場合によっては、居住者に作業スペースまたは居住スペースが割り当てられている限り、好みおよび/または役割は引き続き有効となる、(c)セキュリティ−資産を追跡し、定義された場所に個人が無許可で存在することを識別し、ドアをロックし、窓を着色し、窓を暗くし、警報を鳴らすなど、(d)HVAC、大気品質を制御する、(e)緊急時の居住者に対する拡声通知を含む、居住者とのコミュニケーション、メッセージは、デジタル要素のスピーカを介して通信され得る、(f)ライブビデオを使用した居住者間のコラボレーション、(g)ノイズキャンセリング−例えば、マイクロフォンがホワイトノイズを検出し、サウンドバーがホワイトノイズをキャンセルする、(h)ビデオまたはテレビなどの他のメディアコンテンツへの接続、ストリーミング、またはその他の方法での配信、(i)アマゾンのAlexa、マイクロソフトのCortana、グーグルのGoogle Home(登録商標)、アップルのSiri、および/またはその他のパーソナルデジタルアシスタントなどのパーソナルデジタルアシスタントの機能強化、(j)カメラおよび関連する画像分析ロジックなどによって可能になる顔またはその他の生体認証−人の数を数えるだけでなく、部屋にいる人の身元確認を判定する、(k)色の検出−部屋の照明および窓の色合い状態との色バランス、(l)検出および/または調整されたローカル環境条件が含まれる。条件は、次のタイプの感知された条件のうちの1つ以上を使用して決定され得る、例えば、温度および湿度、揮発性有機化合物(VOC)、CO2、ほこり、煙、照明(光レベル、グレア、色温度)。
計算システムとメモリデバイス
本開示のロジックおよび計算処理リソースは、本明細書に記載のデジタル壁インターフェースまたはデジタル建築要素などのデジタル要素内に提供され得、および/または、それは、同じまたは類似のリソースおよびサービスを使用する別の建物、インターネット上のサーバ、クラウドベースのリソースなどの遠隔地へネットワーク接続を介して提供され得る。
本明細書に開示される特定の実施形態は、前の「アプリケーシおよび用途」セクションに記載された用途など、建物の機能を生成および/または使用するためのシステムに関する。機能および用途を実行するためにプログラムまたは構成されたシステムは、(i)建物内の状態、居住者の詳細、および/または外部環境条件を特徴付けるセンサデータなどの入力を受け取り、(ii)建物環境についてのそのような条件または詳細の影響を判定し、任意選択で建物環境を維持または変更するためのアクションをとる命令を実行するように構成され得る。
本明細書に記載の機能および用途を実装するための開示されたシステムとして、様々なコンピュータアーキテクチャのいずれかを有する多くのタイプのコンピューティングシステムが採用され得る。例えば、システムは、1つ以上の汎用プロセッサ、またはプログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))などの特別に設計されたプロセッサ上で実行されるソフトウェアコンポーネントを含み得る。さらに、システムは、単一のデバイスに実装することもでき、または複数のデバイスに分散させることもできる。計算要素の機能は、互いにマージすることができ、またはさらに複数のサブモジュールに分割することもできる。特定の実施形態では、コンピューティングシステムは、マイクロコントローラを含む。特定の実施形態では、コンピューティングシステムは、汎用マイクロプロセッサを含む。多くの場合、コンピューティングシステムは、オペレーティングシステムおよび1つ以上のアプリケーションを走らせるように構成されている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の機能または用途を実行するためのコードは、不揮発性記憶メディア(光ディスク、フラッシュ記憶デバイス、モバイルハードディスクなどのような)に記憶できるソフトウェア要素の形で具体化することができる。あるレベルでは、ソフトウェア要素は、プログラマー/開発者によって準備されたコマンドのセットとして実装される。しかしながら、コンピュータハードウェアで実行することができるモジュールソフトウェアは、ハードウェアプロセッサ内に設計された、特定の機械語命令セットから選択された「機械コード」、または「ネイティブ命令」を使用してメモリにコミットされた実行可能コードである。機械語命令セット、またはネイティブ命令セットは、ハードウェアプロセッサ(複数可)に認識されており、本質的に組み込まれている。これは、システムおよびアプリケーションソフトウェアがハードウェアプロセッサと通信するための「言語」である。各ネイティブ命令は、処理アーキテクチャによって認識され、算術、アドレッシング、または制御機能用の特定のレジスタ、特定のメモリ位置またはオフセット、およびオペランドの解釈に使用される特定のアドレッシングモードを指定できる個別のコードである。より複雑な動作は、これらの単純なネイティブ命令を組み合わせることによって構築され、これらの命令は、順次実行されるか、そうでなければ制御フロー命令によって指示される。
実行可能なソフトウェア命令とハードウェアプロセッサとの間の相互関係は構造的である。言い換えると、命令自体は一連の記号または数値である。それらは、本質的に情報を伝達しない。命令に意味を与えるのは、記号/数値を解釈するように設計によって事前構成されたプロセッサである。
本明細書で使用されるアルゴリズムは、単一の場所にある単一のマシン、単一の場所にある複数のマシン、または複数の場所にある複数のマシン上で実行するように構成され得る。複数のマシンが採用される場合、個々のマシンはそれらの特定のタスクに適合させることができる。例えば、コードの大きなブロックおよび/またはかなりの処理能力を必要とする動作は、大きなおよび/または静止したマシンに実装され得る。
加えて、特定の実施形態は、様々なコンピュータ実装動作を実行するためのプログラム命令および/またはデータ(データ構造を含む)を含む、有形および/または非一時的なコンピュータ可読メディアまたはコンピュータプログラム製品に関する。コンピュータ可読メディアの例には、半導体メモリデバイス、相変化デバイス、ディスクドライブなどの磁気メディア、磁気テープ、CDなどの光学メディア、磁気光学メディア、および読み取り専用メモリデバイス(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)などのプログラム命令を格納および実行するように特に構成されたハードウェアデバイスが含まれるが、これらに限定されない。コンピュータ可読メディアは、エンドユーザによって直接制御され得るか、またはメディアは、エンドユーザによって間接的に制御され得る。直接制御されるメディアの例には、ユーザ施設に位置するメディアおよび/または他のエンティティと共有されていないメディアが含まれる。間接的に制御されるメディアの例には、外部ネットワークを介して、および/または「クラウド」などの共有リソースを提供するサービスを介してユーザが間接的にアクセスできるメディアが含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラによって生成されるような機械コード、およびインタプリタを使用するコンピュータによって実行され得る高レベルのコードを含むファイルの両方が含まれる。
開示された方法および装置において採用されるデータまたは情報は、デジタル形式で提供される。そのようなデータまたは情報は、センサデータ、建物の建築情報、間取り図、動作または環境条件、スケジュールなどを含み得る。本明細書で使用されるように、デジタル形式で提供されるデータまたは他の情報は、マシン上での保存およびマシン間の伝送に対して利用可能である。従来、データは、様々なデータ構造、リスト、データベースなどにビットおよび/またはバイトとして格納され得る。データは、電子的、光学的などで具体化され得る。
特定の実施形態では、本明細書に記載の機能および用途を実装するためのアルゴリズムは、ユーザおよびシステムソフトウェアとインターフェースするアプリケーションソフトウェアの形態と見なすことができる。システムソフトウェアは典型的に、コンピュータハードウェアおよび関連するメモリとインターフェースする。特定の実施形態では、システムソフトウェアは、オペレーティングシステムソフトウェアおよび/またはファームウェア、ならびにシステム内にインストールされた任意のミドルウェアおよびドライバを含む。システムソフトウェアは、コンピュータの基本的な非タスク特定の機能を提供する。対照的に、モジュールおよびその他のアプリケーションソフトウェアは、特定のタスクを達成するために使用される。モジュールの各ネイティブ命令は、メモリデバイスに格納され、数値によって表される。
統合された環境モニタリングと制御
上記のように、現在開示されている技術は、建物の内部および/または外部の環境、居住およびセキュリティ条件に関連する豊富なデータセットを収集することができるデジタル建築要素(DAE)のネットワークを企図している。デジタル建築要素は、光学的に切り替え可能な窓および/または方立、もしくは光学的に切り替え可能な窓に関連付けられた他の建築的特徴を含み得る。有利なことに、デジタル建築要素は、少なくとも、建物の周囲のすべてまたは大部分に広く分散され得る。その結果、集められたデータは、建物の内部および/または外部の大部分またはすべてに関連付けられた環境、居住、およびセキュリティ条件の高度にきめ細かい、詳細な表現を提供し得る。例えば、建物の窓の多くまたはすべては、光センサおよび/またはカメラ(可視および/またはIR)、マイクロフォンアレイなどの音響センサ、温度および湿度センサならびにVOC、CO2、一酸化炭素(CO)および/またはほこりを検出する大気品質センサなどの一揃いのセンサを含むデジタル建築要素を含むか、または関連付けられ得る。
いくつかの実装形態では、機械学習を含む自動化または半自動化された技術が企図されており、そこでは、建物の環境制御、通信、および/またはセキュリティシステムが、集められたデータの変化にインテリジェントに反応する。一例として、建物内の部屋の居住のレベルは、光センサカメラおよび/または音響センサによって決定され得、居住レベルの特定の変化とHVAC機能の所望の変化との間で相関関係が作られ得る。例えば、居住レベルの増加は、空気流を増加させる、および/またはサーモスタット設定を下げる必要性と相関している可能性がある。さらなる例として、ほこりのレベルを検出する大気品質センサからのデータは、建物のメンテナンスを実行する必要性、または内部スペースから外気を導入または締め出す必要性と相関している可能性がある。例えば、ある活用事例のシナリオでは、居住者が部屋の周りを動き回っているときに部屋のほこりのレベルが上昇するのが観察されており、居住者が着席すると減少することが観察されている。このようなシナリオでは、フロアの敷物がサービスを受ける(モップ、掃除機をかける)必要があると判断される場合がある。別の活用事例のシナリオでは、測定された室内空気品質は、窓が開いたときに、(i)改善する、または(ii)低下することが観察される場合がある。(i)の場合、HVACシステムの空気循環ダクトまたはフィルタを整備する必要があると判断され得る。(ii)の場合、室外空気品質が悪く、建物の窓を優先的に閉位置に維持する必要があると判断され得る。なおさらなる活用事例のシナリオでは、Co2レベルおよび/またはCo2レベルの変化率を用いて、会議室の占有者の数と、ドアおよび/または窓が開いているか閉じているかとの間に相関関係を描くことができる。
より一般的には、本技術は、図6に示すように、複数の「建物の状態」を測定し、測定された建物の状態に応答して複数の「建物システム」の「建物運用パラメータ」を制御することを企図する。本明細書で使用される場合、「建物の状態」は、建物または建物の一部における物理的で測定可能な状態を指し得る。例としては、温度、空気流量、光束および色、占有率、大気品質および組成(粒子数、二酸化炭素のガス濃度、一酸化炭素、水(湿度))が含まれる。本明細書で使用される場合、「建物システム」は、建物運用パラメータを制御または調整することができるシステムを指し得る。例としては、HVACシステム、照明システム、セキュリティシステム、窓の光学状態制御システムが含まれる。建物運用パラメータは、建物の状態を調整または制御するために1つ以上の建物システムによって制御することができるパラメータを指し得る。例としては、ヒータまたはエアコンとの間の熱流束、窓または部屋の照明からの熱流束、部屋を通る空気流、および光学的に切り替え可能な窓を通る人工光または自然光からの光束が含まれる。
さらに図6を参照すると、方法600は、複数のセンサから入力を集めること、ブロック610を含み得る。センサのいくつかまたはすべては、それぞれの窓上に、または窓と関連付けられて配設されるか、ならびに/または窓および/またはデジタル壁インターフェースに関連付けられたそれぞれのデジタル建築要素に関連付けられて配設され得る。センサは、例えば、可視および/またはIR光センサまたはカメラ、音響センサ、温度および湿度センサ、ならびに大気品質センサを含み得る。集められた入力は、時間的および空間的に多様な様々な環境条件測定値を表し得ることが理解されよう。いくつかの実装形態では、入力の少なくともいくつかは、センサの組み合わせを含み得る。例えば、CO2、CO、ほこりおよび/または煙のそれぞれの測定に特化した別個のセンサが企図され得、別個のセンサからの入力の組み合わせが、大気品質制御の決定のために分析され得る(ブロック620)。さらなる例として、光信号および音響信号をそれぞれ測定する別個のセンサから集められた部屋の居住レベルの決定に関連する入力を分析することができる(ブロック620)。なおさらなる例として、入力は、空間的に分散されたセンサからほぼ同時に受信され得る。例えば、センサは、所与の部屋に関して空間的に分散され得るか、または建物の複数の部屋および/またはフロア間で分散され得る。
いくつかの実装形態では、ブロック620での測定データの分析は、必ずしもセンサから取得されるとは限らない特定の「コンテキスト情報」を考慮に入れることができる。本明細書で使用されるコンテキスト情報は、時刻および時節、地域の気象および/または気候情報、ならびに建物のレイアウト、建物の様々な部分の使用パラメータに関する情報を含み得る。コンテキスト情報は、最初にユーザ(例えば、ビル管理者)によって入力され、手動および/または自動で随時更新される。使用パラメータの例には、建物の運用スケジュール、および個々の部屋または建物のより大きな部分(例えば、フロア)の予想されるおよび/または許可された/認定された使用の識別が含まれ得る。例えば、課金の特定の部分は、ロビースペース、レストラン/カフェテリアスペース、会議室、オープンプランエリア、プライベートオフィススペースなどとして識別され得る。コンテキスト情報は、建物運用パラメータを修正するかどうか、または修正する方法を決定する際に利用され得、ブロック630、ならびにまた、キャリブレーションおよび任意選択でセンサの調整のためにも利用され得る。例えば、コンテキスト情報に基づいて、特定のセンサは、居住者のプライバシーの期待に応えるために、任意選択で、建物の特定の部分において無効にすることができる。さらなる例として、かなりの数の人が集まると予想される部屋(例えば、講堂)のセンサは、居住者が少ないと予想される部屋(例えば、個人のオフィス)のセンサとは異なる方法で有利にキャリブレーションまたは調整され得る。
ブロック620での分析の目的は、特定の建物の状態が存在するか、または存在すると予測され得るかを決定することであり得る。簡単な例として、分析には、光束または温度測定などのセンサの読み取り値を閾値と比較することが含まれ得る。さらなる、より洗練された例として、部屋の占有負荷が変化するとき(例えば、会議室での会議が招集または休会するために)、ブロック620での分析は、最初に、部屋に関連付けられた音響および/または光学センサからの入力の結果としての変化を直接認識し、第2に、分析は、占有負荷の変化の結果として変化すると予想され得る環境パラメータを予測し得る。例えば、占有負荷の増加は、増加した周囲温度およびCO2レベルの増加につながることが予期できる。有利には、ブロック620での分析は、例えば、機械学習技術を使用して時間とともに改善され得るモデルまたは他のアルゴリズムを使用して、定期的または継続的ベースで自動的に実行され得る。いくつかの実装形態では、建物運用パラメータを調整する必要があるかどうかを判断するために、分析では、特定の建物の状態(または状態の組み合わせ)を明示的に識別できない場合がある。
ブロック630を再度参照すると、建物運用パラメータを修正するかどうか、または修正する方法に関する決定は、分析ブロック620の結果に基づいて行うことができる。決定に応じて、建物の状態は変更される場合、もしくは変更されない場合がある。建物運用パラメータを修正しないという決定がなされると、方法はブロック610に戻ることができる。運用パラメータについて課金を修正するという決定がなされるとき、例えば、居住者の快適さまたは安全性を改善する目的で、および/または運用コストおよびエネルギー消費を削減するために、ブロック640で、1つ以上の建物の状態を調整することができる。例えば、照明および/またはHVACサービスは、空いていると判断された部屋では低電力状態に設定され得る。さらなる例として、建物の管理、保守、またはセキュリティ担当者の注意を必要とする障害または問題が発生したという判断がなされる場合がある。
決定は、事後対応および/または事前対応ベースで行うことができる。例えば、決定は、測定されたパラメータの変化に反応することができ、例えば、周囲のCO2上昇が測定されたときに、HVAC流量を増加させる決定がなされ得る。代替的に、または追加して、決定は事前対応ベースで行うことができ、すなわち、変化が実際に測定される前に、環境の変化を見越して建物運用パラメータは調整され得る。例えば、占有負荷において観察される変化は、周囲のCO2または温度の対応する上昇が測定されるかどうかにかかわらず、HVAC流量を増加させる決定をもたらす場合がある。
いくつかの実装形態では、決定は、測定された温度、CO2レベル、湿度、および/または局所占有率に基づいて1つ以上の場所で制御され得る、HVACに関連付けられた建物運用パラメータ(例えば、空気流量および温度設定)に関連し得る。いくつかの実装形態では、決定は、建物のセキュリティに関連付けられた建物運用パラメータに関連する場合がある。例えば、異例のセンサ読み取りに応答して、セキュリティシステムアラームがトリガされ、選択されたドアおよび窓がロックまたはロック解除され、および/またはすべてまたは一部の窓の色合い状態が変更され得る。セキュリティ関連の建物の状態の例には、壊れた窓の検出、管理エリア内の許可されていない人の検出、およびある場所から別の場所への機器、ツール、電子デバイス、またはその他の資産の許可されていない移動の検出が含まれる。
他のタイプのセキュリティ関連の建物状態の情報には、建物の外部および/または内部の音の検出の発生の検出に関連する情報が含まれ得る。一実施形態では、検出された音は、音のタイプについて分析される。いくつかの実施形態では、分析は、1つ以上のデジタル構造要素または建物内の他の場所、もしくはオフサイトに搭載されているハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアを介して開始される。いくつかの実施形態では、建物の外側または内側の音は、エレクトロクロミック窓の窓ガラス上に堆積された導電層を振動させ、その振動は導電層間の静電容量の変化を引き起こし、静電容量の変化は音を示す信号に変換される。このため、本発明のいくつかの窓は、本質的に音および/または振動センサの機能を提供することができ、しかしながら、他の実施形態では、音および/または振動センサの機能は、導電層の有無にかかわらず窓に追加されたセンサによって提供することができ、および/またはデジタル構造要素に実装された1つ以上のセンサによって提供することができる。
一実施形態では、音の発生場所は、音および/または振動センサの異なるものが経験する音の振幅および/または音の時間遅延の違いを分析することによって決定することができる。検出されて分析される音のタイプには、壊れた窓の音、声(例えば、特定のエリアにいることを許可または許可されていない人の声)、動き(人、機械、気流の)によって引き起こされる音、および銃の発射によって引き起こされる音が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、検出された音のタイプに応じて、1つ以上の適切なセキュリティまたは他のアクションが、建物内の1つ以上のシステムによって開始される。例えば、建物の外側または内側の場所で銃が発射されたと判断されると、建物管理システムは自動911コールを発信して、その場所に緊急対応要員を呼び出す。
建物の内部の銃によって生成された音の場合、音の正確な場所(例えば、部屋、フロア、建物インフォメーション)ならびに音を生成した射手を知ることが適切な緊急対応に不可欠である。しかしながら、大きなオープンスペースの間取りおよび/または廊下を有する建物では、特定の建物の間取り図への参照を必要とするテキストの位置情報は、応答を遅らせる可能性がある。単なるテキストの位置情報ではなく、一実施形態では、視覚的な位置情報が提供される。音の視覚的位置情報は、そのように装備されている場合、設置されたカメラシステムによって提供することができるが、一実施形態では、銃または射手によって生成された音に最も近いと判断された1つ以上の窓の色合い状態を独特の色合いの状態に変化させることによって提供される。例えば、一実施形態では、関心のある音を感知すると、関心のある音に最も近い着色可能な窓の色合いが、音から遠い窓の色合いよりも暗い色合いに、またはその逆に変化させられる。この様態において、応答者が特定の建物の特定のフロア上の特定の部屋をすばやく見つけることができなかった場合、他の窓よりも暗くまたは明るくなるようにはっきりと色付けされた窓を視覚的に探すことによって、見つけることができる可能性がある。
一実施形態では、特定の音に関連付けられた人の現在の場所は、それらの最初の場所とは異なる場合があり、その場合、場所の変化は、他の音または人によって環境に引き起こされた変化の検出を介して更新することができる。例えば、アクティブな射手の状況の場合、デジタル建築要素または他の所定の場所にあるガスセンサを使用して、爆発した火薬の存在によって引き起こされた大気品質の変化を監視し、それによって応答者に射手の場所関する最新情報を提供することができる。音またはその他のセンサを使用して、アクティブな射手から静かに隠れようとしている人の場所を取得することもできる(例えば、その場所の赤外線検出を介して)。一実施形態では、アクティブな射手を混乱させるために、音をデジタル建築要素のスピーカまたは射手の場所にある他のスピーカによって生成して、射手の気を散らせて、または人質が射手から隠れようとすることによって生じるノイズをマスクすることができる。一実施形態では、デジタル建築要素または他のデバイスのスピーカおよび/またはマイクロフォンを選択的にアクティブにして、アクティブな射手から隠れようとしている人と通信することができる。音の場所を識別するのを助けるために1つ以上の窓の色合いを区別させることとは別に、いくつかの実施形態では、例えば、特定の場所からの1人以上の人の出入りを容易にするためにより多くの光を提供するため、または特定の場所での視界を妨げるためにより少ない光を提供するために、窓の独特の色合いを何か他の色合いに変更する必要がある場合がある。
さらに図6を参照すると、ブロック640において、1つ以上の建物パラメータは、ブロック630で行われた決定に応答して修正され得る。建物パラメータの修正は、いくつかの実施形態では、建物管理システムの制御下で実装することができ、例えば、HVAC、照明、セキュリティ、および窓コントローラネットワークなどの建物のシステムの1つ以上によって実装され得る。建物パラメータの修正は、グローバル(建物全体)ベースまたはローカライズされたエリア(例えば、個々の部屋、部屋のスイート、フロアなど)に基づいて選択的に行うことができることが理解されよう。
前述のように、建物運用パラメータを修正する方法を決定する建物システムは、機械学習を使用し得る。これは、機械学習モデルがトレーニングデータを使用してトレーニングされることを意味する。特定の実施形態では、プロセスは、指導者ありの学習または半指導者ありの学習を通じて初期モデルをトレーニングすることによって始まる。モデルは、現場での使用(例えば、機能している建物での運用中)によって提供される進行中のトレーニング/学習を通じて洗練され得る。トレーニングデータ(建物の状態が互いに相互作用する、および/または建物運用パラメータと相互作用する)の例には、感知データまたはコンテキストデータ(Xまたは入力)と建物運用パラメータまたはタグ(Yまたは出力)との次の組み合わせが含まれる、(a)[X=占有率(IRまたはカメラ/ビデオで測定)、コンテキスト、光束(内部+太陽);Y=ΔT/時間(冷却なし)]、(b)[X=占有率(IRまたはカメラ/ビデオで測定)、コンテキスト;Y=ΔCO2/時間(公称換気あり)]、および(c)[X=占有率(IRまたはカメラ/ビデオで測定)、コンテキスト、温度、外部相対湿度(RH);Y=ΔRH/時間(公称換気あり)]。機械学習の目的の一部は、未知または隠れたパターンもしくは関係を識別することであり、そのため学習は典型的に、各可能な出力(Y)に対して多数の入力(X)を使用する。
いくつかの実施形態では、図6に示されるプロセスフローの実行は、環境データの収集および分析、通信、ならびに制御のための一揃いの機能モジュールを備えたデジタル建築要素をプロビジョニングすることによって容易にされ得る。図7は、一実装形態による、一揃いのこのような機能モジュールの一例を図示する。図示の実施形態では、デジタル建築要素700は、電力および通信モジュール710、視聴覚(A/V)モジュール720、環境モジュール730、計算/学習モジュール740、およびコントローラモジュール750を含む。
電力および通信モジュール710は、通信信号および/または電力の送受信のための1つ以上の有線または無線インターフェースを含み得る。現在開示されている技術に関連して使用するのに好適なワイヤレス電力伝送技術の例は、2018年3月13日に出願されたWIRELESSLY POWERED AND POWERING ELECTROCHROMIC WINDOWSと題された米国仮特許出願第62/642,478号、2017年9月21日に出願されたWIRELESSLY POWERED AND POWERING ELECTROCHROMIC WINDOWSと題された国際特許出願第PCT/US17/52798号、および2015年12月8日に出願されたWIRELESS POWERED ELECTROCHROMIC WINDOWSと題された米国特許出願第14/962,975号に記載されており、各々が本出願のいずれかの資産に割り当てられ、その内容は、参照によりその全体が本出願に組み込まれる。電力および通信モジュール710は、視聴覚(A/V)モジュール720、環境モジュール730、計算/学習モジュール740、およびコントローラモジュール750の各々と通信可能に結合され、電力を分配することができる。電力および通信モジュール710はまた、1つ以上の他のデジタル建築要素(図示せず)と通信可能に結合され得、および/または建物の電力および/または制御分配ノードとインターフェースし得る。
A/Vモジュール730は、上記のA/V構成要素のうちの1つ以上を含み得、カメラまたは他の視覚的および/またはIR光センサ、視覚ディスプレイ、タッチインターフェース、マイクロフォンまたはマイクロフォンアレイ、およびスピーカまたはスピーカアレイを含む。いくつかの実施形態では、「タッチ」インターフェースは、人の付属肢または手持ち物体の非接触動作を認識して応答するように動作可能なジェスチャ認識機能を加えて含み得る。
環境モジュール730は、上記の環境感知構成要素のうちの1つ以上を含み得、温度および湿度センサ、音響光センサ、IRセンサ、粒子センサ(例えば、ほこり、煙、花粉などの検出用)、VOC、CO、および/またはCO2センサを含む。環境モジュール730は、A/Vモジュール730に関連して上記のセンサ(例えば、マイクロフォン、視覚および/またはIR光センサ)と部分的または完全に重複し得る一揃いのオーディオおよび/または電磁センサを機能的に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される用語としての「センサ」は、例えば、領域内の占有率(または居住者の数)などの決定を行うために、いくつかの処理能力を含み得る。カメラ、特にIR放射を検出するカメラは、領域内の人数を直接識別するために使用することができる。代替的に追加して、センサは、生の(未処理の)信号を計算/学習モジュール740および/またはコントローラモジュール750に提供し得る。
計算/学習モジュール740は、デジタル建築要素、デジタル壁インターフェース、および/または拡張機能窓コントローラについて上記で説明したような処理構成要素(汎用または特殊目的のプロセッサおよびメモリを含む)を含むことができる。代替的に、または追加して、それは、特別に設計されたASIC、デジタル信号プロセッサ、または他のタイプのハードウェアを含み得、機械学習モデル(例えば、ニューラルネットワーク)などのモデルを実装するように設計または最適化されたプロセッサを含む。例としては、Googleの「テンソルプロセッシングユニット」またはTPUが含まれる。そのようなプロセッサは、活性化関数、行列演算、および/またはニューラルネットワークまたは他の機械学習計算に必要な他の数学的演算を効率的に計算するように設計され得る。一部のアプリケーションについては、グラフィック処理ユニット(GPU)などの他の専用プロセッサが使用され得る。場合によっては、プロセッサは、システムオンチップアーキテクチャで提供されることがある。
コントローラモジュール750は、108年1月29日に出願された、CONTROLLER FOR OPTICALLY−SWITCHABLE WINDOWSと題された米国特許出願第15/882,719号、2012年4月17日に出願された、「CONTROLLER FOR OPTICALLY−SWITCHABLE WINDOWS」と題された米国特許出願第13/449,251号、2017年8月18日に出願された、「ELECTROMAGNETIC−SHIELDING ELECTROCHROMIC WINDOWS」と題された国際特許出願第PCT/US17/47664号、2016年10月26日に出願された、「CONTROLLERS FOR OPTICALLY−SWITCHABLE DEVICES」と題された米国特許出願第15/334,835号、および2017年11月10日に出願された、「POWER DISTRIBUTION NETWORKS FOR ELECTROCHROMIC DEVICES」と題された国際特許出願第PCT/US17/61054号に記載されている1つ以上の特徴を組み込んだ窓制御モジュールであるか、またはそれを含み得、各々が本出願の譲受人に割り当てられ、参照によりその全体が本出願に組み込まれる。
説明を明確にするために、図7は、別個の明確なモジュール710、720、730、740、および750を組み込んだものとしてデジタル建築要素700を提示している。しかしながら、2つ以上のモジュールが、互いに、および/または上記のデジタル壁インターフェースの特徴と構造的に組み合わせることができることを理解されたい。さらに、いくつかのデジタル建築要素を含む建物設備において、すべてのデジタル建築要素が必ずしもすべての説明されたモジュール710、720、730、740、および750を含むとは限らないことが企図されている。例えば、いくつかの実施形態では、説明されたモジュール710、720、730、740、および750のうちの1つ以上は、複数のデジタル建築要素によって共有され得る。
図8は、いくつかの実装形態による、デジタル建築要素の例示的な物理的パッケージングを示す。図8に観察されるように、説明されたモジュール710、720、730、740、および750の機能は、典型的な窓方立などの建築的特徴によって容易に適応され得るサイズおよびフォームファクタを有する物理的パッケージで構成され得ることが企図されている。
高速ネットワークインフラストラクチャ用の幹線
モノのインターネット(IOT)デバイスの使用と実装形態が増え続けるには、データスループットをサポートすることができる通信ネットワークが必要である。以前に建設された建物のコンテストでは、既存の設置済みネットワークインフラストラクチャがこのデータスループットをサポートできないことがますます見出されている。本発明による建物ネットワークインフラストラクチャの実装または改造は、以前に可能であったよりもはるかに多くのデバイス間でより高速な通信を可能にする。
図9A〜図9Cは、いくつかの実装形態による、高速ネットワークインフラストラクチャ用の幹線の表現を示す。図9Aを最初に参照すると、一実施形態では、高速ネットワークインフラストラクチャ900aは、少なくとも1つの幹線セグメント902および少なくとも1つ以上の回路903を含む少なくとも1つの幹線901で実装されている。以下でより詳細に説明するように、回路903のうちの1つ以上は、それぞれのデジタル建築要素内に配設されるか、さもなければそれに関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク900aは、例えば、それぞれMoCA 2.0、MoCA 2.0結合、MoCA 2.5、およびMoCA 3.0によって想定されるような、500Mbps、1Gbps、2.5Gbps、10Gbpsのスループットでデバイスへ、および/またはデバイスから信号を転送するように構成されている。
ここで図9Bを参照すると、一実施形態では、ネットワークインフラストラクチャ900bは、一緒にデイジーチェーン接続された幹線セグメント902のシリアル接続を含み、第1のセグメント902(1)の一端が制御パネル(CP)920に結合され、第1のセグメント902(1)の第2の端部は、幹線回路903を介して第2のセグメント902(i)に結合されている。一実施形態では、第2のセグメント902(i)は、2つ以上の導体(図示の例では、902(2)および902(3))を含む。一実施形態では、幹線セグメント902のいくつかまたはすべては、電力信号を転送するように構成されたツイストペア導体を含む。一実施形態では、DC電力信号は、クラス2電力信号を含む。一実施形態では、少なくとも1つのセグメント902の端部は、RFコネクタ905を備える。一実施形態では、RFコネクタ905は、F型コネクタを備える。
一実施形態では、各幹線回路903は、2つの幹線セグメント902間で信号を渡すように構成され、セグメントとコネクタ908との間で信号を結合するようにさらに構成されている。一実施形態では、少なくとも1つの幹線回路903は、コネクタ908、セグメント202の端部でコネクタ905と嵌合するように構成された少なくとも1つのコネクタ906、および導体902(2,3)によって運ばれる電力信号と嵌合するように構成された少なくとも1つのコネクタ907を含む。一実施形態では、コネクタ906は、セグメント902のコネクタ905と嵌合するように構成されたF型コネクタであるか、またはそれを備え、コネクタ(複数可)907は、少なくとも1つの留め具、例えば、限定されないが、導体の導電性端部を固定するように構成された端子台タイプの留め具を備える。
一実施形態では、幹線回路903は、1つ以上の受動回路を含む。ここで図9Cを参照すると、図示の実施形態では、幹線回路903は、バイアスティー回路940に結合された方向性結合器回路909を含む。一実施形態では、方向性結合器909は、第1の導体911に近接しており、第2の導体912を含む。第1の導体911が、セグメント902間で信号を伝導するように構成されている場合、第1の導体911上の信号は、第2の導体912に誘導結合される。一実施形態では、バイアスT回路940は、インダクタ941およびコンデンサ942を含み、インダクタ941の第1の端部はコネクタ907に結合され、インダクタ941の第2の端部はコンデンサ942およびコネクタ908に結合されている。一実施形態では、コネクタ207での電力信号は、バイアスT回路940によって方向性結合器回路909によって提供される信号と組み合わされ、組み合わされた信号は、バイアスT回路940によってコネクタ908に結合される。一実施形態では、コネクタ908は、RFコネクタであるか、またはそれを含む。一実施形態では、コネクタ908は、F型コネクタであるか、またはそれを含む。一実施形態では、コネクタ908は、電力および高速/高帯域幅データ信号の両方を1つ以上のデバイス914に転送するように構成され得るドロップ線913に結合される。一実施形態では、ドロップ線913は、同軸ケーブル導体であるか、またはそれを含む。
一実施形態では、高速ネットワーク900は、建設中の建物上、または建物上に設置される。いくつかの実施形態では、ネットワーク900の少なくとも一部は、建物が居住のために解放される前に、建物の構造要素、例えば、未完成または露出した内外に面する壁、天井、および/またはフロアなどの構造要素上、または構造要素内に設置される。いくつかの実施形態では、ネットワーク200の少なくとも一部は、建設中の建物の電気インフラストラクチャの設置中または設置後に設置される。他の実施形態では、ネットワーク900の1つ以上の部分は、建設中の建物の窓の設置前または設置中に設置される。最終仕上げ作業が完了する前にネットワーク900を早期に設置することにより、以前は利用できなかった機能を建物の建設中に利用されることが可能になる。一実施形態では、窓がネットワーク900の設置と同時に、または設置後に設置される場合、ネットワークおよび/または窓の処理能力の一部または全てを、請負業者および他の現場要員が利用できるようにすることができる。例えば、一実施形態では、デジタル表示画面技術を備えた窓がネットワーク900の設置と同時に、または設置後に設置される場合、建設設計図の電子バージョンを、現場の建築家および請負業者に対して表示画面上に表示できるようにすることができる。
さらに、建設中または建設後に、建物内の特定の材料が特定の周波数の送信を妨害または遮断する可能性があることが知られており、その遮断は、その動作がそのような周波数に依存するデバイスを妨害し得る。例えば、建物の内壁および/または外壁に存在し得る金属構造(例えば、限定はされないが、金属の桁および金属性窓ガラスコーティング)は、特定のワイヤレスデバイスの動作を妨害する可能性があることが知られている。このようなデバイスには、携帯電話、IOTデバイス、5G、およびミリ波対応デバイスが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、幹線901は、そのような遮断を回避するために、トランシーバ、アンテナ、および/または信号リピータなどの1つ以上のデバイスを備えるか、またはそれらに接続されるように構成される。建物の構造内または構造上に1つ以上のトランシーバ、アンテナ、および/または信号リピータを適切に配置することで、そのような構造を横切っておよび周囲で通信を容易にするように使用できる。一実施形態では、建物の建設中または建設後に、1つ以上のトランシーバ、アンテナ、および/または信号リピータが幹線901に結合されて、建物内のデバイス間の通信を容易にする。一実施形態では、1つ以上のトランシーバ、アンテナ、および/または信号リピータは、幹線901への接続および/またはルーティングに従って、建物内に位置付けされる。例えば、一実施形態では、建設中または建設後に、幹線901が建物の外壁上または外壁内に設置され、トランシーバ、アンテナ、および/または信号リピータが、1つ以上の幹線回路903の一部として、またはそれとは別個に提供される。一実施形態では、建物の外部に沿った幹線901のルーティングを使用して、建物の外部に存在するデバイスへのワイヤレス接続性を改善することができる。実施形態では、1つ以上の建築要素は、トランシーバ、アンテナ、および/または信号リピータを備えることができる。一実施形態では、トランシーバ、アンテナ、および/または信号リピータは、窓または窓枠内またはその上に提供することができる。一実施形態では、トランシーバ、アンテナ、および/または信号リピータは、ドロップ線913を介して、または幹線に沿った他のある点で幹線901への接続を介して幹線901に結合することができる。一実施形態では、トランシーバ、アンテナおよび/または信号リピータのうちの1つ以上が、外壁または屋根もしくは建物に位置し、幹線901がトランシーバ、アンテナおよび/または信号リピータに結合される。
幹線−ドロップ線インターフェース
図10は、いくつかの実施形態による、制御パネル、幹線、ドロップ線、およびデジタル建築要素を含む例示的な電力およびデータ分配システムを示す。図10に示される実施形態では、制御パネル1020は、複数のデジタル建築要素1030に電力およびデータを提供する。
導体(電力挿入線)1002(2)、パワーインジェクタ1070、およびパワーセグメント1090は、制御パネル1020からデジタル建築要素1030に電力を運ぶために提供されている。幹線、パワーインサート、およびパワーインジェクタを含む電力分配システムは、2017年11月10日に出願されたPCT出願公開第2018/102103号(P085X1WO)で説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、電力挿入線および電力セグメントは、12または14AWG導体の対などの1つ以上のツイストペア導体を含む。一例では、これらのタイプの電流搬送ラインの一方または両方には、2対の2x14AWG導体が含まれる。特定の実施形態では、これらのタイプの電力搬送ケーブルの一方または両方は、クラス2電力(例えば、<4アンペアおよび<30ボルトDC)用に設計されている。
描写される実施形態では、制御パネル1020からの電力は、最初に電力挿入線1002(2)を介して、次にパワーインジェクタ1070から、そして最後に電力セグメント1090を介してバイアスティー1040に配電される。バイアスティー1040は、電力およびデータを、複数のデジタル建築要素1030に接続されたドロップ線1013に結合する。
描写される実施形態では、データは、制御パネル1020(または、より具体的には、例えば、制御パネル内に設けられたマスターコントローラまたはネットワークコントローラ)と複数のデジタル建築要素1030との間に提供される。データは、制御パネル1020に接続されているケーブル1002(1)から、方向性結合器1009、バイアスティー1040に、そして最後にドロップ線1013に運ばれる。
特定の実施形態では、データ搬送ケーブル1002(1)およびドロップ線1013は、同軸ケーブルである。特定の実施形態では、これらの同軸ケーブルの一方または両方は、RG6同軸ケーブルである。本明細書の他の場所で説明されているように、システムは、同軸ケーブルを介して高帯域幅データを配信するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアロジックを含み得る。特定の実施形態では、システムは、1つ以上のMoCA標準を使用してデータを配信するように構成された構成要素を使用する。
様々な実施形態では、制御パネルからのデータは、方向性結合器1009を使用してデータ搬送ケーブル1002(1)からの搬送信号の一部を傍受することによって、複数のデジタル建築要素1030の個々のものに配信される。一例として、方向性結合器は、データ搬送ケーブル1002(1)からのデータ信号のごく一部を方向付け、抽出された信号をバイアスティーに向けて方向付けることができる。一例として、方向性結合器で受信されたデータ信号は第1の信号強度を有し、デジタル結合器はバイアスティーのために信号のごく一部を抽出し、わずかに低下した強度の信号が次の方向性結合器に向かってダウンストリームに流れ続けることを可能にする。
デジタル建築要素1030からのアップストリームデータは、ドロップ線1013を通過してバイアスティー1040および方向性結合器1009に到達し、最後に制御パネル1020に(または多くの場合、より正確には、コントロールパネル内のネットワークまたはマスターコントローラに)配信するためのデータ搬送ケーブル1002(1)に到達する。この例示的なシステムに描写されているような方向性結合器1009は、特定のデータを一方向にのみ方向付ける。例えば、方向性結合器1009を通過するデジタル建築要素1030からのアップストリームデータは、データ搬送ケーブル1002(1)上の制御パネル1020に向かって、アップストリームのみに方向付けられる。
図10の例において、デジタル建築要素1030のいずれか1つ以上は、モジュールのいずれか1つ以上を含み得るか、または本明細書の他の場所で説明される機能の1つ以上を提供し得る。例えば、説明を明確にするために、方向性結合器1009およびバイアスティー1040は、それぞれのデジタル建築要素1030の外側に示されているが、いくつかの実施形態では、少なくともいくつかのデジタル建築要素1030は、それぞれの方向性結合器1009および/またはそれぞれのバイアスティー1040を含むことが企図されている。特定の実施形態では、デジタル建築要素1030のうちの少なくとも1つは、センサ、オーディオ、および/またはビデオ能力を欠いている。例えば、デジタル建築要素1030は、Wi−Fi、セルラー、および/または有線ネットワーク能力などの通信能力のみを含み得る。
場合によっては、1つ以上のデジタル建築要素は、1つ以上の電気的に着色可能な窓を制御するためのモジュールまたは他の構成要素を含む。場合によっては、デジタル建築要素は、1つ以上の窓コントローラを含むか、それと通信する。この目的のために、1つ以上のデジタル建築要素は、コントローラエリアネットワーク(例えば、CANバス)機能を実装するためのゲートウェイなどの構成要素を含み得る。このような場合、図10に描写するシステムは、幹線またはその他の構成要素を介して提供されたCANバスケーブル接続を有し得る。
図10およびデジタル建築要素を含むシステムを描写する他の図では、デジタル建築要素は、制御、処理、通信、および/または感知を提供する任意の1つ以上の機能を提供する他のデジタル要素で置き換えることができることを理解されたい。例えば、任意のデジタル建築要素は、デジタル壁コントローラ、拡張機能窓コントローラなどによって置き換えられ得る。
図11は、図9Cに関連して上で説明されたものと同様の幹線回路の例の概略図を図示する。図示の例では、幹線回路は、方向性結合器1109およびバイアスティー回路1140の両方の特徴の組み合わせを含み、これは、マルチポート結合器またはトランクティーと呼ばれる場合がある。描写される例では、方向性結合器1109は、アップストリームセグメント(入口)1111(i)およびダウンストリームセグメント(出口)1111(o)を含む第1の導体1111に近接している。導体1111は、幹線のセグメント(例えば、図9Cのセグメント902および図10の1002(i))と結合することができる。方向性結合器1109は、第1の導体1111と、誘導結合された第2の導体1112と、を含む。図示の例では、方向性結合器は、第1の導体1111から抽出されたデータ信号のためのタップ線1150を提供する。特定の実施形態では、方向性結合器は、2つの平行な導電性要素(例えば、2つの銅トレース)を含む。これらは、(i)同軸または他のデータ搬送ライン(図示せず)の2つの部分を接続する第1の導体1111、および(ii)方向性フィンガーである第2の導体1112として描写されている。誘導結合により、メインデータ搬送ラインからの信号が、他の使用のためにタップまたは抽出され、この場合、それはバイアスティー回路1140に提供される。他のパラメータの中でも、連続導電性要素の経路に沿った方向性フィンガーの相対的な長さ、およびこれら2つの導電性要素間の分離距離が、タップされるデータ搬送信号の強度を決定づける。
一例として、データ信号は、制御パネルから方向性結合器に到着し、到着信号(1111(i)で)は、25dBの信号強度を有する。方向性結合器は、信号のわずかな部分(例えば、2dB)を抽出し、信号の残り23dB(1111(o)で)が、ダウンストリームに(制御パネル(図示せず)から離れて)、かつ例えば、次の方向性結合器(図示せず)に向かって流れ続けることを可能にするように構成されている。
タップ1150は、比較的低い信号強度(第1の導体1111上の信号と比較して)でデータをバイアスティー回路1140に配信し得る。示されるように、バイアスティー回路1140は、電力源(例えば、セグメント1090などの電力セグメント)に結合された誘導要素1141と、方向性結合器1109と誘導要素1141に接続するノードとの間のリンク上の容量要素1142とを含む構造を有する。
動作中、バイアスティー回路1140は、方向性結合器1190から同軸ケーブルを介してRF信号としてデータを受信し、それを別個の電源からのDC電力と組み合わせることができる。それは、デバイス1114へのダウンストリーム伝送のために、ドロップ線1113上に組み合わされた信号を送り、デバイス1114は、デジタル建築要素(例えば、図10のデジタル建築要素1030)または他のデジタル要素、および/または窓コントローラおよび/もしくは電気的に着色可能な窓(例えば、IGU内の)であり得る。バイアスティー1140(および特に誘導要素1141)に提供される電力は、様々な供給源のいずれかから来ることができる。いくつかの実施形態では、それは、制御パネルを源とするケーブル接続(例えば、ライン1002(2)などの電力挿入線またはセグメント1090などの電力セグメントのケーブル接続)を介して提供される。いくつかの実施形態では、それは、蓄電池、蓄電コンデンサ、または他の形態のエネルギーウェル(図示せず)を介して提供される。特定の実施形態では、組み合わせトランクティー回路は、電力線ケーブルおよびエネルギーウェルの両方を含む。適切な制御ロジックの下で協調して動作して、これらの2つの電源は、電力分配システムにおいて負荷平準化、バックアップ電力などを提供することができる。
図11に描写される任意選択の実施形態では、デバイス1114は、ドロップ線1113を介して提供されるデータおよび電力を受け入れるためのバイアスティー回路1160を含むデジタル建築要素として構成されている。ドロップ線113からのAC電力は、第1の回路レッグ上でデジタル建築要素の電源に方向付けられ、データは、ブロック1161で処理するために異なるレッグに方向付けられる。
特定の実施形態では、組み合わせトランクティー回路は、少なくとも5つのポートを含む:(i)アップストリームソース(例えば、制御パネル)からデータを受信するための入力データポート、(ii)ダウンストリームトランクティー回路(および最終的には他のデジタル建築要素などのダウンストリーム処理ユニット)にデータを伝送するための出力データポート、(iii)電源(例えば、制御パネル)から電力を受け取るための入力電力ポート、(iv)未使用の電力をダウンストリームの電力を消費する他のデバイスへ伝送するための出力電力ポート、および(iv)タップされたデータおよび電力をドロップ線上のデジタル建築要素などのデバイスに伝送するためのドロップ線ポート。特定の実施形態では、ポート(i)、(ii)、および(iv)は同軸ケーブル用のコネクタを含み、ポート(iii)および(iv)はツイストペアケーブル用のコネクタを含む。
特定の実施形態では、トランクティー1103内の方向性結合器1109などの方向性結合器は、方向性結合器に含まれるトレースまたは他の導電性要素間の結合を制御または調整するための機械的もしくは電気的に制御可能なノブまたはダイヤルなどの制御または調整機能を含む。例えば、制御または調整機能は、トレースの相対位置および/または重複する長さの制御を提供し得、それにより、異なる程度の信号結合を可能にする。
方向性結合器が通信ネットワークのどこに配置されているか(制御パネルまたは終端の近く、またはその間のどこか)に応じて、方向性結合器は異なる程度の信号結合を必要とする場合がある。調整可能なメカニズムは、通信ネットワーク上の異なる位置に適した様々な程度の信号結合を可能にし得る。
特定の実施形態では、幹線は、制御パネルに接続し、データ線と電力線の両方を運ぶ。例えば、幹線は、図10のシステムの制御パネル1020からの電力挿入線1002(2)およびデータ搬送ケーブル1002(1)を運ぶことができる。
図12は、電力およびデータの組み合わせを、および/またはデータを、制御パネルから、かつ制御パネルに運ぶように構成された例示的な幹線1200の断面図を描写する。幹線1200は、汎用ネットワークプロトコル(イーサネット(登録商標)など)およびコントロールエリアネットワーク、例えば、CANバスプロトコルの両方の電力およびデータを運ぶための導体とシールドとを有する。図12に示されるように、幹線1200は、絶縁体であるかまたは絶縁体を含み得る外側外被1210を含む。描写される例では、外側外被は、高帯域幅データ通信用の内部同軸ケーブル1220(例えば、RG6同軸)、高ワット数の電力供給用の2つの大きなゲージツイストペアケーブル1230(例えば、14AWGの非シールドツイストペアケーブル)、および例えば、窓コントローラ、センサなどと相互作用するためのCANバスシールド多導体ケーブル1240を取り囲む。もちろん、これらの機能の多くは、例えば、ツイストペア導体の数、導体のゲージ、さらにはデータ搬送ケーブルのタイプ(例えば、光ファイバなどの非同軸線)など、一般化され得る。特定の実施形態では、CANバスケーブルは、ツイストペアである2つのデータ導体を含み、その対を覆う全体的なシールド(例えば、フォイルシールド)を有し、かつ2つの電力導体を含む。2つの電力導体は、単線および全体シールドに電気的に接続するドレイン線(裸線、絶縁なし)である場合がある。
図13は、方向性結合器1389およびバイアスティー回路1384を含む組み合わせモジュール1380とドロップ線1313を介して結合されたデジタル建築要素(「スマートフレーム」または同様の通信/処理モジュールなど)1330を有するデータおよび電力分配システムの一部の例を示す。ドロップ線1313は、電力およびデータの両方をダウンストリームのDAE1330に運び、データをDAE1330からアップストリームの制御パネル(図示せず)に運ぶことができる。制御パネル(または他のアップストリームソース)からのデータは、同軸ケーブル入力ポート1381を介して提供され得る。このデータは、組み合わせモジュール1380の方向性結合器1389に提供される。方向性結合器1389は、データ信号の一部を抽出し、それをライン1382上に伝送し、ライン1382は、組み合わせモジュール1380の設計に応じて、ケーブル、回路基板上の電気トレースなどであり得る。組み合わせトランクティーによって傍受されない制御パネルからのデータは、同軸ケーブル出力ポート1383を介して出力される。
ライン1382は、組み合わせモジュール1380のバイアスティー回路1384に接続する。2つのツイストペア導体(または他の電力搬送ライン)1385(1)および1385(2)もまた、バイアスティー回路1384に接続されている。これらの接続により、バイアスティー回路は電力およびデータをドロップ線1313に結合し、ドロップ線1313は同軸ケーブルであり得る。デジタル建築要素または他の通信/処理要素1330は、描写されるように、セルラー通信用の構成要素(例えば、図示のアンテナ)およびセルラーまたはCBRS処理ロジック1335を含む、および/またはそれらに接続することができる。いくつかの実施形態では、処理ロジック1335は、5G互換であり得る。特定の実施形態では、描写されるように、デジタル建築要素または他の通信/処理要素1330は、関連する光学的に制御可能な窓の色合い状態を制御する窓コントローラなどの1つ以上のCANバスノードにデータおよび電力を提供するCANバスゲートウェイを提供する。
特定の実施形態では、建物の建設中に、図13に図示される組み合わせモジュール1380などのモジュールは、それらが最初にデジタル建築要素または他の処理/通信モジュールに接続されていないいくつかの場所を含めて、建物全体に自由に設置され得る。そのような実施形態では、組み合わせトランクティーは、建設後に、建物および/またはテナントもしくは他の居住者によって必要とされるとき、デジタル処理デバイスを設置するために使用され得る。
デジタル建築要素
図14、図15、および図16は、デジタル建築要素、デジタル壁インターフェース、または同様のデバイスのバージョンのブロック図を提示する。便宜上、以下の説明ではデジタル建築要素(DAE)に言及する。図14は、例えば、それ自体のアンテナ1437を備えたWi−Fi通信を含む、複数の通信タイプをサポートすることができるDAE1430を図示する。代替的に、または加えて、DAE1430は、図示の実施形態では、ベースバンド無線受信機、増幅器、およびアンテナなどのセルラー通信インフラストラクチャを含むか、またはそれと結合することができる。同様に、ここでは明示的に示されていないが、デジタル建築要素1530は、同様のベースバンド無線受信機を採用する市民バンド無線システム(CBRS)をサポートすることができる。通信およびデータ処理の観点から、この図のデジタル建築要素は、フル機能のデジタル建築要素と同じ一般的なアーキテクチャを有する。ただし、センサは含まれておらず、ディスプレイ、マイクロフォン、およびスピーカなどの補助構成要素も含まれていない可能性がある。
いくつかの実施形態では、デジタル建築要素は、スロットまたはソケットのセットを有するバックボーンタイプの回路基板へのプラグアンドプレイ挿入を介してセンサの個々のアップグレードおよび交換を可能にするモジュラースタイルのセンサ構成をサポートする。一実施形態では、デジタル構造要素で使用されるセンサは、最大の柔軟性および機能性のために標準化された多数のスロット/ソケットのうちの1つのバックボーンに垂直に設置することができる。いくつかの実施形態では、センサはモジュール式であり、デジタル建築要素のハウジング内の開口部を通した取り外しおよび挿入を介してプラグアンドプレイ交換することができる。故障したセンサは交換するか、必要に応じて機能/能力を修正することができる。プロジェクト/建物の建設段階中にデジタル建築要素が設置される一実施形態では、プラグアンドプレイセンサの使用により、プロジェクト/建物が居住できる状態になったときに不要になる可能性のある1つ以上のセンサを使用してデジタル建築要素のカスタマイズが可能になる。例えば、建設中に、センサを設置して、現場内の建設資産を追跡したり、安全でない(OSHA+)ノイズや大気品質レベルを監視したりすることができ、および/または夜間カメラを設置して、現場が通常は作業者によって占有されていないときに、建設現場の動きを監視することができる。所望または必要に応じて、建設後、これらまたは他のセンサは取り外すことができ、および入居段階中、またはアップグレードまたは新しい能力を備えたセンサが必要または利用可能になった後の段階で迅速かつ簡単に交換または補充することができる。
図15は、DAEに組み込まれるか、またはDAEに関連付けられ得る構成要素のシステム1500を図示する。システム1500は、データをワイヤレス(例えば、Wi−Fi通信、セルラー通信、市民バンド無線システム通信など)で送受信し、例えば、同軸ドロップ線を介してデータをアップストリームに伝送し、データをダウンストリームに受信するように構成され得る。図15では、システム1500の要素が比較的高いレベルで提示されている。図15に図示される実施形態は、幹線とドロップ線とのインターフェースにおいて、組み合わせモジュール1380(図13に関連して上で説明されている)と同様の機能を果たす回路を含み、具体的には、バイアスティー回路1584を含むモジュール1580は、別々の導体(幹線)から電力およびデータを取得し、それらを1本のケーブル(ドロップ線1513)に置く。こうして、ダウンストリーム伝送の場合、同軸ドロップ線は、電力とデータの両方を、同じ導体上でデジタル建築要素のMoCAインターフェース1590に配信し得る。
図示のように、システム1500は、ドロップ線1513を介してMoCAインターフェース1590に結合されたバイアスティー回路1584を含む。MoCAインターフェース1590は、同軸ケーブル(この場合はドロップ線)上にMoCAフォーマットで提供されるダウンストリームデータ信号を、処理に使用することができる従来のフォーマットのデータに変換するように構成されている。同様に、MoCAインターフェース1590は、同軸ケーブル(ドロップ線1513)で伝送するためにアップストリームデータをフォーマットするように構成され得る。例えば、パケット化されたイーサネット(登録商標)データは、同軸ケーブルでのアップストリーム伝送用にMoCAフォーマットされ得る。
図示の例では、DC−DC電源1501は、バイアスティー回路1584からDC電力を受け取り、この比較的高い電圧電力を、デジタル建築要素1530の処理構成要素および他の構成要素に電力を供給するのに好適なより低い電圧電力に変換する。特定の実装形態では、電源1501は、降圧コンバータを含む。電源は様々な出力を有し得、各々が電力を供給する構成要素に好適な電力または電圧レベルを備えている。例えば、1つの構成要素が12ボルトの電力を必要とし、異なる構成要素が3.3ボルトの電力を必要とする場合がある。
いくつかのアプローチでは、バイアスティー回路1584、MoCAインターフェース1590、および電源1501は、デジタル建築要素または同様のネットワークデバイスの複数の設計にわたって使用されるモジュール(または他の組み合わされたユニット)で提供される。そのようなモジュールは、デジタル建築要素内の1つ以上のダウンストリームデータ処理、通信、および/または感知デバイスにデータおよび電力を提供し得る。描写される実施形態では、処理ブロック1503は、伝送(Tx)アンテナおよび関連するRF電力増幅器によって、ならびに受信(Rx)アンテナおよび関連するアナログ/デジタルコンバータによって可能になるようなセルラー(例えば、5G)または他のワイヤレス通信機能のための処理ロジックを提供する。特定の実施形態では、アンテナおよび関連するトランシーバロジックは、広帯域通信(例えば、約800MHz〜5.8GHz)用に構成される。処理ブロック1503は、1つ以上の別個の物理的プロセッサとして実装され得る。ブロックは、別個のマイクロコントローラおよびデジタル信号プロセッサで示されているが、この2つはASICなどの単一の物理的集積回路内で組み合わせることができる。
図15に描写される実施形態は、別個の送信アンテナおよび受信アンテナを提供するが、他の実施形態は、送信および受信のために単一のアンテナを使用する。さらに、デジタル建築要素が、1つ以上のセルラーフォーマット(例えば、Sprintの場合は5G、T mobileの場合は5G、ATTの場合は4G/LTEなど)などの複数のワイヤレス通信プロトコルをサポートする場合、アンテナ、増幅器、および各フォーマット用のアナログ/デジタルコンバータなどの別個のハードウェアを含み得る。さらに、デジタル建築要素が、例えばWi−Fi、市民バンド無線システムなどの非セルラーワイヤレス通信プロトコルをサポートする場合、これらの各々用に別個のアンテナおよび/または他のハードウェアが必要になり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、単一の電力増幅器が、複数のワイヤレス通信フォーマット用にアンテナおよび/または他のハードウェアによって共有され得る。
描写される実施形態では、処理ブロック1503は、例えば、セルラーまたは市民バンド無線通信用のベースバンド無線受信機などの通信に関連付けられた機能を実装し得る。場合によっては、各サポートされているワイヤレス通信プロトコルに対して異なる物理プロセッサが使用される。場合によっては、単一の物理プロセッサが、複数のベースバンド無線受信機を実装するように構成され、任意選択で電力増幅器および/またはアンテナなどの特定の追加ハードウェアを共有する。このような場合、異なるベースバンド無線受信機が、ソフトウェアまたはその他の構成可能なロジックにおいて定義可能であり得る。
図16は、デジタル建築要素に組み込まれるか、または関連付けられ得る構成要素のシステム1600の一例を図示する。示されるように、システム1600は、上記のように(例えば、図15のバイアスティー回路1584と同様に)動作し得るバイアスティー回路1684を含む。バイアスティー回路1684からのデータは、処理ブロック1640の少なくとも一部と連動して動作するMoCAフロントエンドモジュール1690(例えば、カリフォルニア州カールズバッドのMaxLinear, Inc.から入手可能なMxL3710などのチップ上の同軸ネットワークコントローラシステム)に提供されて、システム1600の1つ以上の構成要素に高速データを提供する。
バイアスティー回路1584からの電力(例えば、24VDC)は、電源1601内の1つ以上の電圧レギュレータに供給され、それらの少なくともいくつかは、図15の電源1501の機能を集合的に果たし、処理ブロック1640の様々な構成要素に電力を供給し得る。処理ブロック1640は、ブロック1642で一般的に表されるように、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、およびその一部またはすべてが様々な処理能力を有する複数のコアまたは組み込みプロセッサを含み得る集積回路を含み得る。特定の実施形態では、処理ブロック1640は、図15の処理ブロック1503の機能を果たす。一例として、処理ブロック1640は、1つ以上の窓コントローラ用にCANバス機能を提供し得る。
図示の例では、処理ブロック1640は、ネットワークスイッチ1643を含み、これは、例えば、オランダのNXPセミコンダクターズから入手可能なSJA1105などの5ポートイーサネット(登録商標)スイッチであり得る。MoCAフロントエンドから到着するMoCAエンコードデータは、従来のイーサネット(登録商標)フォーマットでデータを提供するようにデコードされ得る。次に、そのデータは、ネットワークスイッチに提供され得、そこで、システム1600の様々なデータ処理構成要素に分配され得る。
一実施形態では、図示のRJ45コネクタなどのモジュール式電気コネクタ1604は、居住者または建物の所有者が有する可能性のある任意の目的、例えば、ユーザのラップトップまたはデータセンタ接続のためにデータを提供し得る。一例では、コネクタ1604は、ツイストペア銅線を介したギガビットイーサネット(登録商標)への接続を提供する。
図16のブロック1610は、図15の実施形態に図示されていない追加の構成要素の例を含む。特定の実施形態では、これらは、単一のシャーシまたはケースに一緒に提供されるか、そうでなければモジュールとして提供される。他の実施形態では、それらは別々に提供され、各々がデジタル建築要素に統合され得る。示されるように、ブロック1605は、センサモジュール1611、ビデオモジュール1612、オーディオモジュール1613、および窓コントローラロジック1614ならびに窓コントローラ電力回路1615を含む窓コントローラ要素を含む。特定の実施形態では、窓コントローラ1614の機能の一部またはすべては、処理ブロック1640に実装され得、それにより、窓コントローラロジック1614などの別個のロジック要素の要件を最小化または排除し得る。
いくつかの実施形態では、5Gインフラストラクチャは、単一のサービスプロトコルおよび関連するインフラストラクチャを介して、Wi−Fiおよび4Gの両方を置き換えることができる。例えば、建物の領域内の1つ以上の5Gアンテナおよび関連構成要素は、すべてのニーズに対応するワイヤレス通信機能を提供し得、Wi−Fiのニーズを効果的に置き換える。特定の実施形態では、デジタル建築要素は、市民バンド無線システム(CBRS)を使用し、これは、FCCまたは他の規制機関からの別個のライセンスを必要としない。
結論
説明において、提示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が明らかにされた。開示された実施形態は、これらの具体的な詳細の一部またはすべてがなくても実施され得る。他の例では、開示された実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。開示された実施形態は、特定の実施形態と併せて説明されたが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定することを意図していないことが理解されるであろう。